JP3979040B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌等に搭載される自動変速機の変速制御装置に係り、詳しくは、車輌等が渋滞走行していることを的確に検出し、該検出結果に基づいて渋滞走行用の変速制御を行う自動変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動変速機の変速制御装置において、例えば特開昭59−200847号公報などに開示されているように、渋滞路の走行中に乗り心地の向上などのため、渋滞路であることを判定して渋滞路用の変速制御を行うものが提案されている。上記公報のものは、例えば0.5秒毎に所定時間(例えば2分間)計測した車速に基づいて車輌が停車している率(以下、「停車率」とする。)と平均車速とを演算し、それら停車率と平均車速とが所定の領域(例えば停車率が約30%以下で、かつ平均車速が約15km/h以下である、いわゆるトロトロ走行の領域)にある場合に渋滞路であることを判定する。そして、渋滞路であることが判定された場合は、最低変速段(つまり1速段)が選択されにくい変速特性を設定して変速制御を行い、頻繁な変速を防いで乗り心地を向上していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に開示されている自動変速機の変速制御装置は、所定時間における車速を計測・演算して渋滞路の判定を行っているため、例えば市街地などにおいて信号が連続するような道路を走行している際に、信号待ちでの停車状態も計測・演算してしまう。そのため、上述のような例えば信号が連続する都市部を走行している際に、渋滞とは無関係に渋滞路であると判定してしまう可能性があり、つまり、渋滞していない場合にも渋滞路であると判定するような誤判定を行う虞があった。
【0004】
そこで本発明は、走行開始から走行停止までの間の走行状態に基づいて渋滞走行であることを検出し、もって上記課題を解決する自動変速機の変速制御装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図6参照)、車輌等が渋滞走行であることを検出し、前記渋滞走行であることを検出した際に渋滞走行用の変速制御を行う自動変速機の変速制御装置(1)において、
前記渋滞走行であることを検出する渋滞走行検出手段(13)と、
前記渋滞走行検出手段(13)の検出に基づく前記渋滞走行用の変速制御における最適変速段(Gc)を判断する最適変速段判断手段(12)と、
前記最適変速段判断手段(12)の判断結果に基づいて変速指令を出力する変速出力手段(11)と、を備え、
前記渋滞走行検出手段(13)は、停車中の状態のデータを使用せずに、前記走行開始から走行停止までの間(Cn)のアクセル開度(θd)及び車速(V)のデータを数値に換算して増減させる渋滞度合値(JC)を、低車速かつ低要求トルク状態である場合に加算し、該渋滞度合値(JC)が加算されないような低車速かつ低要求トルク状態でない場合に減算することで、該渋滞度合値(JC)に基づいて前記渋滞走行を検出すると共に、前記アクセル開度(θd)が所定のアクセル開度閾値(θd lim )以上となった場合に、前記走行開始から走行停止までの間(Cn)のデータに拘らず、前記渋滞度合値(JC)を渋滞走行でないことを検出するようにする初期値(例えば0)にする、
ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置(1)にある。
【0006】
請求項2に係る本発明は(例えば図1、図2及び図3参照)、前記渋滞度合値(JC)は、Dレンジ以外である場合に初期値(例えば0)にされてなる、
請求項1記載の自動変速機の変速制御装置(1)にある。
【0008】
請求項に係る本発明は(例えば図1、図2及び図4参照)、予め決められた変速条件(16)に基づいて通常走行用の変速段(Gb)を判定する通常変速段判定手段(14)を備え、
前記渋滞走行用の変速制御は、前記通常変速段判定手段(14)により判定された最低変速段(例えば1速段)への移行を禁止してなる、
請求項1または2記載の自動変速機の変速制御装置(1)にある。
【0009】
請求項に係る本発明は(例えば図1、図2及び図4参照)、前記最適変速段判断手段(12)は、所定要求トルク以上(例えばアクセル開度30%以上)の状態が第1の所定時間以上(例えば0.3秒以上)継続した場合に一時的に前記最低変速段(例えば1速段)への移行の禁止を解除してなる、
請求項記載の自動変速機の変速制御装置(1)にある。
【0010】
請求項5に係る本発明は、前記最適変速段判断手段(12)は、前記渋滞度合値(JC)が前記初期値(例えば0)にされた際に前記通常変速段判定手段(14)により判定される前記通常走行用の変速段(Gb)が前記最低変速段(例えば1速段)である場合、前記最低変速段(例えば1速段)への移行を禁止してなる、
請求項3または4記載の自動変速機の変速制御装置(1)にある。
【0011】
請求項に係る本発明は(例えば図1、図2、図3及び図5参照)、前記渋滞走行検出手段(13)は、前記渋滞度合値(JC)が第1の渋滞度合閾値(JClim1)以上となった際に前記渋滞走行を検出し、該第1の渋滞度合閾値(JC lim1 )よりも小さい第2の渋滞度合閾値(JClim2)以下となった際に前記渋滞走行でないことを検出してなる、
請求項1ないし5のいずれか記載の自動変速機の変速制御装置(1)にある。
【0012】
請求項に係る本発明は(例えば図1、図2、図3及び図5参照)、前記渋滞度合値(JC)は
前記走行開始から走行停止までの間(Cn)にて、平均アクセル開度(θdav1)が第1の平均アクセル開度閾値(θdav1lim)以下で、かつ最大車速(Vmax)が最大車速閾値(Vmaxlim)以下で、かつ第2の所定時間(例えば5秒)以上走行した場合に、第1の値(例えば10)が加算され
前記走行開始から走行停止までの間(Cn)にて、平均アクセル開度(θdav2)が第2の平均アクセル開度閾値(θdav2 lim )以下で、かつ車速(V)が第1の車速閾値(V lim1 )以上かつ第2の車速閾値(V lim2 )以下である状態が、前記第2の所定時間(例えば5秒)よりも長い第3の所定時間(例えば60秒)以上継続した場合に、前記第1の値(例えば10)よりも小さな第2の値(例えば5)が加算され、
前記走行開始から走行停止までの間(Cn)にて、前記走行開始よりアクセルが踏まれずに第4の所定時間(例えば5秒)以上走行した場合に、前記第1の値(例えば10)が加算され、
第5の所定時間(例えば5秒)以上走行し、かつ前記加算がなされない場合に、前記第1の値(例えば10)が減算されてなる、
請求項記載の自動変速機の変速制御装置(1)にある。
【0018】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【0019】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によると、渋滞走行であることを検出する渋滞走行検出手段と、渋滞走行検出手段の検出に基づく渋滞走行用の変速制御における最適変速段を判断する最適変速段判断手段と、最適変速段判断手段の判断結果に基づいて変速指令を出力する変速出力手段と、を備えており、該渋滞走行検出手段は、停車中の状態のデータを使用せずに、走行開始から走行停止までの間のアクセル開度及び車速のデータを数値に換算して増減させる渋滞度合値を、低車速かつ低要求トルク状態である場合に加算し、該渋滞度合値が加算されないような低車速かつ低要求トルク状態でない場合に減算することで、該渋滞度合値に基づいて渋滞走行を検出すると共に、アクセル開度が所定のアクセル開度閾値以上となった場合に、走行開始から走行停止までの間のデータに拘らず、渋滞度合値を渋滞走行でないことを検出するようにする初期値にするので、渋滞走行を的確に検出することができ、該検出に基づく最適変速段により渋滞走行用の変速制御を的確に行うことができるものでありながら、渋滞走行ではない場合を確実に検出して、通常走行にすることができる。
【0020】
請求項2に係る本発明によると、渋滞度合値は、Dレンジ以外である場合に初期値にされるので、渋滞走行用の変速制御を行う必要がない場合を確実に検出することができる。
【0022】
請求項に係る本発明によると、予め決められた変速条件に基づいて通常走行用の変速段を判定する通常変速段判定手段を備えており、渋滞走行用の変速制御は、通常変速段判定手段により判定された最低変速段への移行を禁止するので、渋滞走行中における頻繁な変速を簡単に防ぐことができる。
【0023】
請求項に係る本発明によると、最適変速段判断手段は、所定要求トルク以上の状態が第1の所定時間以上継続した場合に一時的に最低変速段への移行の禁止を解除するので、渋滞走行中において、例えば前方の車輌との間が空くなどの場合に、運転者が所定要求トルク以上を第1の所定時間以上要求すると、最低変速段になり得る状態となって運転者の要求トルクに応じることができる。
【0024】
請求項5に係る本発明によると、最適変速段判断手段は、渋滞度合値が初期値にされた際に通常変速段判定手段により判定される通常走行用の変速段が最低変速段である場合、最低変速段への移行を禁止するので、意図しないダウンシフトが発生することを防ぐことができる。
【0025】
請求項に係る本発明によると、渋滞走行検出手段は、渋滞度合値が第1の渋滞度合閾値以上となった際に渋滞走行を検出し、該第1の渋滞度合閾値よりも小さい第2の渋滞度合閾値以下となった際に渋滞走行でないことを検出するので、例えば渋滞走行中に一時的に速度が上がるような状態などがあった場合にも、渋滞度合値の増減に基づいて、それ以前の走行状態を加味することができ、つまり頻繁な渋滞走行の検出、或いは非検出の切り替わりを防ぐことができる。
【0026】
請求項に係る本発明によると、渋滞度合値は、走行開始から走行停止までの間にて、平均アクセル開度が第1の平均アクセル開度閾値以下で、かつ最大車速が最大車速閾値以下で、かつ第2の所定時間以上走行した場合に、比較的大きな値である第1の値が加算されるので、つまり走行開始より走行停止までの間が低車速かつ低要求トルクである場合に渋滞度合値を加算することができ、例えば信号待ち後の走行と区別することができる。また、第2の所定時間以上走行した場合に渋滞度合値を加算するので、細かく前進するような場合における誤判定を防ぐことができる。
【0027】
また、渋滞度合値は、走行開始から走行停止までの間にて、平均アクセル開度が第2の平均アクセル開度閾値以下で、かつ車速が第1の車速閾値以上かつ第2の車速閾値以下である状態が、比較的長時間である第2の所定時間よりも長い第3の所定時間以上継続した場合に、比較的小さな値である第2の値が加算されるので、第3の所定時間以上走行するような比較的長時間のいわゆるトロトロ走行の場合に渋滞度合値を加算することができ、例えば市街地などを走行している場合などと的確に区別することができる。
【0028】
更に、渋滞度合値は、走行開始から走行停止までの間にて、走行開始よりアクセルが踏まれずに第4の所定時間以上走行した場合に、比較的大きな値である第1の値が加算されるので、走行開始よりクリープ走行である場合に渋滞度合値を加算することができ、例えば信号待ち後の走行と区別することができる。また、第4の所定時間以上走行した場合に渋滞度合値を加算するので、細かく前進するような場合における誤判定を防ぐことができる。
【0029】
また、前記渋滞度合値は、第5の所定時間以上走行し、かつ前記加算がなされない場合に、比較的大きな値である第1の値が減算されるので、渋滞走行でない可能性がある場合に渋滞度合値を減算することができる。また、第5の所定時間以上走行した場合に渋滞度合値を減算するので、細かく前進するような場合における誤判定を防ぐことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図に沿って説明する。図1は本発明に係る自動変速機の変速制御装置を示すブロック図である。図1に示すように、本発明に係る自動変速機の変速制御装置1が適用される例えば車輌等においては、エンジン2と、該エンジン2からの出力回転を入力し、例えば前進5速段後進1速段に変速した回転を出力する自動変速機構3と、が搭載されている。
【0033】
該エンジン2には、不図示の運転席に配設されたアクセルペダルにより開閉されるスロットル開度(以下、説明の便宜上「アクセル開度」ともする。)を検出するスロットル開度センサ4が設けられている。また、自動変速機構1には、例えば該自動変速機構1の出力軸回転数に基づいて車速を検出する車速センサ5が設けられている。
【0034】
自動変速機の変速制御装置(以下、単に「変速制御装置」とする。)1は、制御部10が設けられており、該制御部10は、変速出力手段11、最適変速段判断手段12、渋滞走行検出手段13、通常変速段判定手段14及び変速マップ16を備えて構成されている。
【0035】
通常変速段判定手段14には、上記スロットル開度センサ4及び車速センサ5と、不図示の運転席に配設されているシフトレバー15と、詳しくは後述する図6に示すような変速マップ(予め決められた変速条件)16と、が接続されており、該通常変速段判定手段14は、シフトレバー15により選択されるシフトレンジと、上記スロットル開度センサ4及び車速センサ5により検出されるスロットル開度θd及び車速Vと、から該変速マップ16に基づいて通常走行用の変速段Gbを判定する。
【0036】
渋滞走行検出手段13には、上記スロットル開度センサ4、車速センサ5及びシフトレバー15が接続されており、スロットル開度θd及び車速Vにより得られる走行開始から走行停止までの間(以下、「走行区間」とする。)Cnの走行状態に基づいて渋滞走行であることを検出する。即ち、走行開始から走行停止までの間Cnの走行状態のデータのみを使用し、停車中の状態のデータを使用しない。つまり、停車中のスロットル開度θd及び車速Vなどのデータは含まずに(従来のように停車率は含まずに)、渋滞走行であることを検出する。
【0037】
渋滞走行検出手段13には、上記走行区間Cnの走行状態を数値に換算して増減させる渋滞度合値JCを備えており、該渋滞度合値JCが渋滞走行開始閾値(第1の渋滞度合閾値)以上になると渋滞であることを検出し、また、該渋滞度合値JCが渋滞走行終了閾値(第2の渋滞度合閾値)以下になると渋滞でないことを検出する。
【0038】
なお、例えば運転者が高いトルクを要求してアクセル開度θdがアクセル開度閾値以上(例えばアクセル開度が40%以上)が詳しくは後述するように例えば所定時間以上(例えば0.1秒以上)継続した場合や、シフトレバー15により選択されたシフトレンジが所定のシフトレンジ(例えばDレンジ)以外である場合、渋滞走行検出手段13は、渋滞度合値JCを初期値にして渋滞走行でないことを検出する。
【0039】
最適変速段判断手段12は、渋滞走行検出手段13の検出に基づき、渋滞走行用の変速制御における最適変速段Gcを判断する。最適変速段Gcは、最低変速段への移行、つまり2−1ダウンシフトを禁止することで判断され、渋滞走行用の変速制御とされている。即ち、通常変速段判断手段14により判定された変速段Gbが例えば2速以上である状態から1速段に判定された場合に、最適変速段Gcは2速段となる。
【0040】
なお、最適変速段判断手段12には、スロットル開度センサ4が接続されており、例えば渋滞走行中に運転者が所定要求トルク以上(例えばアクセル開度が30%以上)を(第1の)所定時間以上(例えば0.3秒以上)望むような場合を、該スロットル開度センサ4に基づいて検出し、一時的に2−1シフトダウンの禁止を解除する。
【0041】
そして、変速出力手段11は、上記最適変速段判断手段12により判断された最適変速段Gcを変速指令として自動変速機構3に出力する。以上のように、変速制御装置1は、渋滞走行であることを検出した際に渋滞走行用の変速制御を行う。なお、最適変速段Gcとは自動変速機構3を変速するための変速指令値であって、該最適変速段Gcが出力されると不図示の油圧制御装置などを介して自動変速機構3が変速されて現在の変速段Gaとなる。即ち、最適変速段Gcが変更された直後は自動変速機構3の変速が実行されていないので、現在の変速段Gaは変更される前の最適変速段Gcであり、その後、自動変速機構3の変速が実行されると現在の変速段Gaが最適変速段Gcと同じになる。
【0042】
ここで、予め決められた変速条件の一例である変速マップ16について図6に沿って説明する。図6は予め決められた変速条件の一例である変速マップ16を示す変速線図である。上述のように制御部10には、図6に示すような変速線図である、いわゆる変速マップ16があらかじめ記憶されている。変速する際の基準となる変速点は、スロットル開度θd及び速度Vに基づいて検出され、図中実線で示す1−2,2−3,3−4,4−5を、速度Vが上昇する方向及びスロットル開度θdが下降する方向である図中左方向より右方向に越える点が、それぞれ1−2,2−3,3−4,4−5アップシフトの変速点となり、図中破線で示す5−4,4−3,3−2,2−1を、車輪の回転数Nが下降する方向及びスロットル開度θdが上昇する方向である図中右方向より左方向に越える点が、5−4,4−3,3−2,2−1ダウンシフトの変速点となる。
【0043】
次に、変速制御装置1の制御について図1及び図2に沿って説明する。図2は本発明に係る自動変速機の変速制御装置1の制御を示すフローチャートである。まず、例えば運転者によりエンジンが始動されると変速制御装置1の制御を開始する(S100)。すると、通常変速段判定手段14がスロットル開度センサ4よりスロットル開度θdと車速センサ5より車速Vとシフトレバー15により選択されたシフトレンジとを検出し、スロットル開度θd、車速V及びシフトレンジに基づいて変速マップ16を参照する。それにより、通常走行用の変速段Gbを判定して渋滞走行検出手段13に出力する(S200)。
【0044】
つづいて、渋滞走行検出手段13は、後述する渋滞走行検出ルーチンを行い、走行区間Cnの走行状態に基づいて渋滞走行であるか否かを検出する(S300)。そして、最適変速段判断手段12は、渋滞走行検出手段13の検出に基づいて後述する最適変速段判断ルーチンを行い、最適変速段Gcを判断して出力する(S400)。その後、変速出力手段11は、最適変速段Gcを変速指令として自動変速機構3に出力し(S500)、スタートS100にリターンする(S600)。
【0045】
次に、上記渋滞走行検出ルーチンS300について図3に沿って説明する。図3は渋滞走行検出ルーチンを示すフローチャートである。渋滞走行検出手段13は、渋滞走行検出ルーチンをスタートすると(S301)、まず、スロットル開度センサ4及び車速センサ5に基づき、走行区間Cnにて、走行開始よりアクセルが踏まれず(アクセル開度θd=0%)に5秒(第4の所定時間)以上走行、の条件に該当するか否かを判定する(S302)。
【0046】
上記S302の条件に該当する場合は、渋滞度合値JCを「10」加算し(S303)、ステップS304に進む。つまり、上記S302の条件に該当する場合には、走行開始より5秒以上いわゆるクリープ走行をしていることになり、例えば信号待ち後の走行などでは発生しにくい状態であり、渋滞走行である可能性が高いため、渋滞度合値JCに比較的大きな値「10」を加算する。また、S302の条件に該当しない場合は、そのままステップS304に進む。
【0047】
ステップS304においては、スロットル開度センサ4及び車速センサ5に基づき、走行区間Cnにて、該走行区間Cnの平均アクセル開度θdav1が第1の平均アクセル開度閾値θdav1lim(10%)以下、かつ該走行区間Cnの最大車速Vmaxが最大車速閾値Vmaxlim(30km/h)以下、かつ5秒(第2の所定時間)以上走行、の条件に該当するか否かを判定する。
【0048】
上記S304の条件に該当する場合は、渋滞度合値JCを「10」加算し(S305)、ステップS306に進む。つまり、上記S304の条件に該当する場合には、例えば信号待ち後の走行開始では高車速及び高要求トルクになる可能性が高いのに対して、低車速及び低要求トルクの渋滞走行である可能性が高いため、渋滞度合値JCに比較的大きな値である「10」を加算する。また、S304の条件に該当しない場合は、そのままステップS306に進む。
【0049】
ステップS306においては、スロットル開度センサ4及び車速センサ5に基づき、走行区間Cnにて、平均アクセル開度θdav2が第2の平均アクセル開度閾値θdav2lim(10%)以下、かつ車速Vが第1の車速閾値Vlim1(2km/h)以上、かつ第2の車速閾値Vlim2(30km/h)以下、である状態が比較的長時間である60秒(第3の所定時間)以上継続、の条件に該当するか否かを判定する。
【0050】
上記S306の条件に該当する場合は、渋滞度合値JCを「5」加算し(S307)、後述するステップS308に進む。つまり、上記S306の条件に該当する場合には、比較的長時間である60秒以上のいわゆるトロトロ走行であるため、例えば市街地などを走行している可能性が低く、渋滞走行である可能性があるとして、渋滞度合値JCに比較的小さな値である「5」を加算する。なお、このような比較的長時間のいわゆるトロトロ走行では、頻繁な変速が発生しにくい状態であるので、特に渋滞走行であることを検出しなくても乗り心地に対する影響が少なく、渋滞度合値JCに比較的小さな値「5」を加算している。また、S306の条件に該当しない場合は、そのままステップS308に進む。
【0051】
ステップS308においては、上記ステップS303,S305,S307において一度も渋滞度合値JCの加算がなく、かつ5秒以上走行、の条件に該当するか否かを判定する。該ステップS308の条件に該当する場合は、渋滞度合値JCを「10」減算し(S309)、ステップS310に進む。つまり、上記ステップS308の条件に該当する場合には、上記ステップS302,S304,S306の各条件に該当せず、渋滞走行ではない可能性が高いので、渋滞度合値JCより比較的大きな値である「10」を減算する。また、上記ステップS308の条件に該当しない場合(つまり渋滞度合値JCの加算が一度でもあった場合)には、そのままステップS310に進む。
【0052】
ステップS310に進むと、スロットル開度センサ4に基づき、アクセル開度θdがアクセル開度閾値θdlim(40%)以上の条件に該当するか否かを判定する。該ステップS310の条件に該当する場合は、渋滞度合値JCを初期値である「0」にして(S311)、ステップS312に進む。つまり、アクセル開度θdが一度でもアクセル開度閾値θdlim(40%)以上になるような場合には、渋滞走行でない可能性が非常に高く、また、高い要求トルク状態の場合でもあるので、渋滞度合値JCを初期値である「0」にすることで、渋滞走行でないことを検出するようにする。また、上記ステップS310の条件に該当しない場合には、そのままステップS312に進む。
【0053】
なお、ステップS310において、図示しないが、アクセル開度θdがアクセル開度閾値θdlim(40%)以上で、かつ所定時間以上(例えば0.1秒以上)継続する状態を条件にすることが望ましく、それにより、例えばノイズなどに起因する誤判定を防いで、確実に高い要求トルク状態であることを判定することができる。
【0054】
ステップS312に進むと、シフトレバー15に基づき、所定のシフトレンジ(例えばDレンジ)以外であるか否かを判定する。所定のシフトレンジ以外である場合は、渋滞度合値JCを初期値である「0」にして(S313)、ステップS314に進む。つまり、その他のレンジである場合(例えばP,R,N,S,Lレンジなどの場合)には、渋滞走行用の変速制御を行う必要がないので、渋滞度合値JCを初期値である「0」にすることで、渋滞走行でないことを検出するようにする。また、上記ステップS312の条件に該当しない場合(例えばDレンジである場合)には、そのままステップS314に進む。
【0055】
ステップS314に進むと、渋滞度合値JCが渋滞走行開始閾値(第1の渋滞度合値閾値)「30」以上であるか否かを判定する。渋滞走行検出ルーチンS300の制御を開始した最初の状態では、渋滞度合値JCが増減にかかわらず「30」以下であるのでステップS316に進み、また、渋滞度合値JCが渋滞走行終了閾値(第2の渋滞度合値閾値)「20」以下であるので、渋滞モードをOFFにして(S317)、リターンする(S318)。
【0056】
上記渋滞走行ルーチンS300を繰り返している間に、渋滞度合値JCがステップS302,S304,S306の条件に該当し、ステップS303,S305,S307において加算されて「30」以上の状態でステップS314に進むと、渋滞モードJMをONにして(S315)、渋滞走行検出手段13は渋滞走行であることを検出する。
【0057】
その後、渋滞度合値JCがステップS308の条件に該当し、ステップS311において減算されて「30」以下の状態でステップS314に進むと、ステップS316に進み、渋滞度合値JCが「20」以下であるか否かを判定する。ステップS316において渋滞度合値JCが「20」以下でなければ、渋滞モードはONの状態でステップS318に進み、上記渋滞走行ルーチンS300を繰り返す。これは、渋滞モードのON/OFFを頻繁に繰り返さないようにするためであり、例えば渋滞走行中において一時的に通常走行して再び渋滞走行するような場合には、渋滞モードJMをONの状態に維持することができる。
【0058】
渋滞度合値JCがステップS308の条件に繰り返し該当し、ステップS311において繰り返し減算されて「20」以下の状態である場合か、又はステップS310,S312の条件に該当し、渋滞度合値JCが初期値である「0」の状態である場合にステップS316に進むと、渋滞モードJMをOFFの状態にして(S317)、渋滞走行検出手段13は渋滞走行でないことを検出する。
【0059】
以上のように渋滞走行検出手段13は、走行開始より走行停止までの間である走行区間Cnの走行状態に基づいて渋滞走行を検出し、停車中の状態のデータを使用しないので、例えば信号待ち後の走行状態や市街地での走行状態と渋滞走行の状態との違いにより渋滞走行を的確に検出することができる。特に走行開始後において、信号待ち後の通常走行では高車速かつ高要求トルク状態であるのに対して、渋滞走行では低車速かつ低要求トルク状態であること(S302,S304,S306の条件)に基づいて渋滞走行を検出するので、的確に渋滞走行を検出することができる。
【0060】
また、渋滞度合値JCに基づいて渋滞モードJMのON/OFFを設定するので、渋滞走行の度合によって精度良く渋滞モードのON/OFFを設定することができる。更に、渋滞度合値JCを渋滞走行開始閾値と渋滞走行終了閾値とにより判定するので、例えば渋滞走行中に一時的に速度が上がるような状態などがあった場合にも、渋滞度合値JCの増減に基づいて、それ以前の走行状態を加味することができ、つまり頻繁な渋滞モードの切り替わりを防ぐことができる。そして、上記ステップS302,S304,S306,S308の各条件において、各所定時間以上走行した場合に加算するので、例えば前方駐車など、細かく前進するような場合における誤判定を防ぐことができる。
【0061】
なお、以上の本実施の形態に係る渋滞走行検出ルーチンS300において、各パラメータの値(アクセル開度、車速、最大車速、各所定時間、渋滞度合値、及びそれらの各閾値など)は説明の便宜上の一例であって、上述した各値に限定されるものではなく、勿論、車輌の性能や駆動源の出力性能などにより変更されるものである。
【0062】
また、上記各条件における閾値に対して、説明の便宜上「以上」、「以下」を使用しているが、本発明の実施の形態において使用している「以上」、「以下」は、各閾値の値を含む値であっても、含まない値であってもよい(つまり、一例として、第2の渋滞度合値以下が「20」以下としているが(S316参照)、「20」以下であっても、「20」未満であってもよい。)。
【0063】
次に、最適変速段判断ルーチンS400について図4に沿って説明する。図4は、最適変速段判断ルーチンを示すフローチャートである。最適変速段判断手段12は、最適変速段判断ルーチンS400をスタートすると(S401)、まず、上記渋滞走行検出ルーチンS300により渋滞走行であることが検出されているか否か、つまり渋滞モードJMがONであるか否か、を判定する(S402)。
【0064】
まず、以下に渋滞走行検出手段13の渋滞走行検出ルーチンS300により渋滞モードJMがOFFにされた場合について説明する。ステップS402において、渋滞モードJMがOFFであるので、ステップS404に進み、通常変速段判定手段14により判定された通常変速用の変速段Gbが2速段以上であるか否かを判定する。なお、通常変速用の変速段Gbとは、図6に示すような予め決められた変速条件である変速マップ16に基づき、現在のスロットル開度と車速とから判断された変速段である。
【0065】
上記ステップS404において、走行開始時には1速段であるので、そのままステップS406に進むが、最初の状態では後述する2−1ダウンシフト禁止フラグはONになっていないため(S403参照)、2−1ダウンシフト禁止フラグはOFFである。また、走行開始後に車速Vが上昇し、ステップS404において通常走行用の変速段Gbが変速マップ16に基づいて2速段以上となると(図6参照)、2−1ダウンシフト禁止フラグをOFFにする(S405)。
【0066】
2−1ダウンシフト禁止フラグがOFFである場合には、後述するステップS406,S407,S410,S412,S414を順に進み、ステップS414において最適変速段Gcは通常走行用の変速段Gbとされて、つまり自動変速機構3の変速段Gaは通常走行の状態として変速制御される。その後、ステップS415に進み、リターンする。
【0067】
ついで、以下に渋滞走行検出手段13の渋滞走行検出ルーチンS300により渋滞モードJMがONにされた場合について説明する。渋滞モードJMがONであることを判定すると(S402)、2−1ダウンシフト禁止フラグをONにして(S403)、ステップS406に進む。
【0068】
ステップS406では、2−1ダウンシフト禁止フラグがONであり、かつ上記スロットル開度センサ4により検出されたアクセル開度θdが30%以上、の条件に該当するか否かを判定する。アクセル開度θdが30%以下である場合には、該ステップS406の条件に該当せずにステップS407に進み、後述するカウントダウンタイマTdwが設定されている、又は設定されていない、に拘らず、カウントダウンタイマTdwの設定を解除してステップS410に進む。
【0069】
上記ステップS406の条件に該当する場合は、上記渋滞モードJMがONで、かつアクセル開度θdが30%以上である場合であり、例えば渋滞走行中に前方の車輌との車間距離が空く状態など、渋滞走行中であるが運転者が要求するトルクが高い(所定要求トルク以上の)状態である。そのため、まずステップS408に進み、カウントダウンタイマTdwが設定済みであるか否かを判定する。最初の状態では、カウントダウンタイマTdwが設定されていないので、ステップS409に進み、カウントダウンタイマTdwを300m(0.3)秒(第1の所定時間)に設定して、カウントダウンを開始する。
【0070】
その後、後述するステップS410ないしステップS415を進んでリターンし、ステップS401より同様にステップS406まで進むと、再びステップS406の条件に該当するか否かを判定する。ステップS406の条件に該当する場合には、つまり運転者が要求するトルクが高い状態が継続されている場合であり、また、上記ステップS409においてカウントダウンタイマTdwが設定されているため、カウントダウンタイマTdwが設定済みであると判定して(S408)、ステップS410に進む。
【0071】
該カウントダウンタイマTdwはカウントダウンを続けており、ステップS410においてカウントダウンタイマTdwが0になったか否かを判定する。該カウントダウンタイマTdwが0になっていない場合には、そのまま後述するステップS412以降に進み、上記制御を繰り返して行う。その後、カウントダウンタイマTdwがカウントダウンを終了して0になると、ステップS410において、カウントダウンタイマTdwが0になったことが判定され、2−1シフトダウン禁止フラグをOFFにする(S411)。
【0072】
2−1シフトダウン禁止フラグがOFFである場合には、上述のようにS412,S414を進み、ステップS414において最適変速段Gcは通常走行用の変速段Gbとされて、つまり自動変速機構の変速段Gaは通常走行の状態として変速制御される。その後、ステップS415に進み、リターンする。つまり、アクセル開度θdが30%以上の状態が300m秒継続することは、運転者が要求するトルクが高い状態であるので、2−1ダウンシフト禁止フラグをOFFにすることで、通常走行用の変速段Gbに基づいて変速制御を行い、一時的に1速段になり得る状態(最低変速段への移行の禁止を解除した状態)にする。
【0073】
一方、上記制御を繰り返している間において、カウントダウンタイマTdwが0になる前、又はカウントダウンタイマTdwが0になった後でも、アクセル開度θdが30%以下になったことを判定すると(S406)、カウントダウンタイマTdwの設定を解除する(S407)。それにより、カウントダウンタイマTdwが0になることはないので(S410)、ステップS411には進まずに、そのままステップS412に進み、つまり2−1ダウンシフト禁止フラグはONのままである。
【0074】
ステップS412では、2−1ダウンシフト禁止フラグがONであり、かつ現在の(自動変速機構3の)変速段Gaが2速段以上であり、かつ通常変速段判定手段14により判定された通常走行用の変速段Gbが1速段、の条件に該当するか否かを判定する。上記ステップS412に該当する場合には、最適変速段Gcを2速段にする(S413)。つまり、渋滞走行検出手段13により渋滞走行が検出された場合には、自動変速機構3の変速段Gaが例えば2速段以上である状態から、車速が低下して通常変速段判定手段14により1速段にするように判定されても、2−1ダウンシフトを禁止して2速段を維持するようにする。それにより、渋滞走行における頻繁な変速を防ぎ、乗り心地を向上することができる。
【0075】
また、渋滞走行検出手段13により渋滞走行が検出された場合であって、渋滞モードJMがONであっても、上記ステップS412の条件に該当しない場合には、ステップS414に進み、最適変速段Gcを通常走行用の変速段Gbとする。即ち、上記ステップS412の条件に該当しない場合において、例えば通常走行用の変速段Gbが2速段以上である状態では、2−1ダウンシフトが発生することは無いため、通常走行用の変速段Gbに基づいて自動変速機構3の変速指令を行っても問題はない。また、例えば自動変速機構3の変速段Gaが1速段である場合には、最適変速段Gcを2速段にすることが変速となるので、通常走行用の変速段Gbに基づいて変速制御を行い、その後、自動変速機構3の変速段Gaが2速段以上になってから、上述のように2−1ダウンシフトを禁止する。
【0076】
次に、渋滞走行検出手段13の渋滞走行検出ルーチンS300により渋滞モードJMがONからOFFにされた場合について説明する。例えば渋滞モードJMがONからOFFに切り換わるときに2−1ダウンシフト禁止フラグがOFFされ、かつ通常走行用の変速段Gbが1速段であると、最適変速段Gcが2速段より1速段になり、つまり自動変速機構3が2速段から1速段にダウンシフトされてしまう。すると、運転者が意図(予期)しない変速を発生させて、違和感を与える虞がある。そのため、通常走行用の変速段Gbが2速段以上になるまで、最適変速段判断ルーチンS400によりダウンシフトを禁止している。以下、詳細に説明する。
【0077】
渋滞モードJMがONからOFFにに切り換わると、ステップS402からステップS404に進む。なお、この際は、渋滞モードJMがONからOFFになったばかりなので、現在の変速段Gaが2速段であるとする。上述のように、ステップS404において、通常走行用の変速段Gbが2速段以上であるか否かを判定する。即ち、自動変速機構3を通常走行用の変速段Gbに基づいて通常走行の変速制御するとダウンシフトが発生してしまうか否かを判定する。
【0078】
上記ステップS404にて、通常走行用の変速段Gbが2速段以上でない場合、つまり通常走行用の変速段Gbが1速段であって、通常走行の変速制御を行うとダウンシフトが発生してしまう場合には、そのままステップS406に進み、2−1ダウンシフト禁止フラグをONの状態に維持する。その後、上述したステップS406ないしステップS411までを処理し、ステップS412に進むと、2−1ダウンシフト禁止フラグがONであり、かつ現在の変速段Gaが2速段以上であり、かつステップS404で判定したように通常走行用の変速段Gbが1速段であるので、最適変速段Gcを2速段にする(S413)。これにより、自動変速機構3の意図(予期)しないダウンシフトが発生することを防ぐことができる。
【0079】
また、上記ステップS404にて、通常走行用の変速段Gbが2速段以上である場合、つまり通常走行の変速制御を行ってもダウンシフトが発生しない場合には、ステップS405に進み、2−1ダウンシフト禁止フラグをOFFする。その後、同様にステップS412に進むと、2−1ダウンシフト禁止フラグがOFFであるのでステップS414に進み、最適変速段Gcが通常走行用の変速段Gbとされる。即ち、渋滞走行の変速制御を終了し、以降は通常走行の変速制御となる。つまり、渋滞モードJMがOFFされた後、通常走行用の変速段Gbが一度2速段以上になると、通常走行の変速制御となる。また、その後は、通常走行用の変速段Gbが1速段になると、自動変速機構3も1速段になるので、運転者の意図(予期)しないダウンシフトが発生することはない。
【0080】
以上のように最適変速段判断手段12は、渋滞走行検出手段13が渋滞走行を検出したことに基づいて最適変速段Gcを判断するので、頻繁な変速を防いで乗り心地を向上することができる。また、渋滞走行検出手段13により渋滞走行が検出されている状態であっても、アクセル開度θdが30%以上である要求トルク以上の状態が300m秒以上継続した場合には、一時的に2−1シフトダウンの禁止を解除するので、要求されたトルクに応じることができる。
【0081】
なお、上記ステップS406において、アクセル開度θdが「30%」以上としているが、これも「30%」に限定されるものでなく、前述した渋滞走行検出ルーチンS300におけるアクセル開度閾値θdlimよりも小さい適宣な値であればよい。また同様に、上記ステップS409において、カウントダウンタイマTdwを「300m秒」に設定しているが、これも「300m秒」に限定されるものでなく、適宣な時間であればよい。
【0082】
ついで、本発明に係る自動変速機の変速制御装置1の制御を図5に示す簡単な走行例に沿って説明する。図5は渋滞走行に続いて信号待ち走行をした際の一例を示す図で、(a)は渋滞度合値JCを示すタイムチャート、(b)は渋滞モードJMを示すタイムチャート、(c)はアクセル開度θdを示すタイムチャート、(d)は車速Vを示すタイムチャートである。図5に示す走行例は、区間Aに示す時点t0より時点t9まで(走行区間C1から走行区間C5)の走行が渋滞走行であり、区間Bに示す時点t10より時点t16まで(走行区間C6から走行区間C8)の走行が信号待ちの走行である。
【0083】
なお、本発明に係る自動変速機の変速制御装置1は、上述のように走行開始より走行停止までの間である走行区間Cnに基づいて渋滞走行を検出しているため、図5中に示す時点t1〜t2、時点t3〜t4、時点t5〜t6、時点t7〜t8、時点t9〜t10、時点t11〜t12、時点t13〜t14、時点t15〜t16における停車中の状態を省略して示している。また、図5に示す走行例では、シフトレンジがDレンジに維持されているものとする。
【0084】
まず、時点t0において走行を開始して時点t1において走行を停止した走行区間C1では、例えば運転者により図5(c)に示すアクセル開度θdのようにアクセルが踏まれ、図5(d)に示す車速Vのようになる。すると、走行区間C1において、渋滞走行検出手段13はスロットル開度センサ4及び車速センサ5に基づいて上記渋滞走行検出ルーチンS300を行う。
【0085】
該渋滞走行検出ルーチンS300において、上記ステップS302及びステップS306の条件には該当しない(クリープ走行をしていなく、60秒以上走行していない)が、走行区間C1にて、該走行区間C1の平均アクセル開度θdav1が第1の平均アクセル開度閾値θdav1lim(10%)以下であり、かつ該走行区間C1の最大車速Vmax1が最大車速閾値Vmaxlim(30km/h)以下であり、かつ5秒以上走行しているので(図5(c)及び(d)参照)、S304の条件に該当する。そこで、渋滞度合値JCを「10」加算する(S305)。
【0086】
渋滞度合値JCが加算されているのでS308の条件に該当せず、また、走行区間C1のアクセル開度θdがアクセル開度閾値θdlim(40%)以下であるのでステップS310の条件に該当せず、更に、シフトレンジがDレンジに維持されているのでステップS312の条件に該当しないので、図5(a)に示すように渋滞度合値JCが「10」に確定される。渋滞度合値JCが「10」であるので、渋滞度合値JCが渋滞走行開始閾値「30」以下であり(S314)、渋滞走行終了閾値「20」以下であるので(S316)、図5(b)に示すように渋滞モードJMはOFFである(S317)。
【0087】
そのため、上述のように最適変速段判断手段12は最適変速段判断ルーチンS400により最適変速段Gcを通常走行用の変速段Gbとし、変速出力手段11が該通常走行用の変速段Gbを自動変速機構3に出力する。つまり、変速制御装置1は通常走行として変速制御を行う。
【0088】
ついで、時点t2において走行を開始して時点t3において走行を停止した走行区間C2では、図5(c)に示すアクセル開度θd、及び図5(d)に示す車速Vのようになり、走行区間C2において、渋滞走行検出手段13は上記渋滞走行検出ルーチンS300を行う。
【0089】
該渋滞走行検出ルーチンS300において、走行区間C1と同様に、走行区間C2では、上記ステップS302及びステップS306の条件には該当しないが、走行区間C2にて、該走行区間C2の平均アクセル開度θdav1が第1の平均アクセル開度閾値θdav1lim(10%)以下であり、かつ該走行区間C2の最大車速Vmax2が最大車速閾値Vmaxlim(30km/h)以下であり、かつ5秒以上走行しているので(図5(c)及び(d)参照)、S304の条件に該当する。そこで、渋滞度合値JCを「10」加算する(S305)。
【0090】
同様に、渋滞度合値JCが加算されているのでS308の条件に該当せず、また、走行区間C2のアクセル開度θdがアクセル開度閾値θdlim(40%)以下であるのでステップS310の条件に該当せず、更に、シフトレンジがDレンジに維持されているのでステップS312の条件に該当しないので、図5(a)に示すように渋滞度合値JCが走行区間C1により加算された「10」に走行区間C2により「10」が加算されて「20」が確定される。渋滞度合値JCが「20」であるので、渋滞度合値JCが渋滞走行開始閾値「30」以下であり(S314)、渋滞走行終了閾値「20」以下であるので(S316)、図5(b)に示すように渋滞モードJMはOFFである(S317)。そのため、上記走行区間C1と同様に、変速制御装置1は通常走行として変速制御を行う。
【0091】
続いて、時点t4において走行を開始して時点t5において走行を停止した走行区間C3では、図5(c)に示すアクセル開度θd、及び図5(d)に示す車速Vのようになり、走行区間C3において、渋滞走行検出手段13は上記渋滞走行検出ルーチンS300を行う。
【0092】
該渋滞走行検出ルーチンS300において、走行区間C3では、上記ステップS302及びS304の条件には該当しない(クリープ走行をしていなく、車速Vが車速閾値Vlim1を越えている)が、走行区間C3にて、該走行区間C3の時点taより時点tbに示す60秒間における平均アクセル開度θdav2が第2の平均アクセル開度閾値θdav2lim(10%)以下であり、かつ該走行区間C3の車速Vが第1の車速閾値Vlim1(2km/h)以上、第2の車速閾値Vlim2(30km/h)以下である状態が、上記時点taより発生し、時点tbまでに示す60秒間継続しているので(図5(c)及び(d)参照)、S306の条件に該当する。そこで、渋滞度合値JCを「5」加算する(S307)。
【0093】
同様に、渋滞度合値JCが加算されているのでS308の条件に該当せず、また、走行区間C3のアクセル開度θdがアクセル開度閾値θdlim(40%)以下であるのでステップS310の条件に該当せず、更に、シフトレンジがDレンジに維持されているのでステップS312の条件に該当しないので、図5(a)に示すように渋滞度合値JCが走行区間C1及び走行区間C2により加算された「20」に走行区間C3により「5」が加算されて「25」が確定される。渋滞度合値JCが「25」であるので、渋滞度合値JCが渋滞走行開始閾値「30」以下であり(S314)、また、渋滞走行終了閾値「20」以上であるが(S316)、走行区間C2において渋滞モードJMがOFFにされたままであるので、図5(b)に示すように渋滞モードJMはOFFである(S317)。そのため、上記走行区間C1、C2と同様に、変速制御装置1は通常走行として変速制御を行う。
【0094】
ついで、時点t6において走行を開始して時点t7において走行を停止した走行区間C4では、図5(c)に示すアクセル開度θd、及び図5(d)に示す車速Vのようになり、走行区間C4において、渋滞走行検出手段13は上記渋滞走行検出ルーチンS300を行う。
【0095】
該渋滞走行検出ルーチンS300において、走行区間C1、C2と同様に、走行区間C4では、上記ステップS302及びS306の条件には該当しないが、走行区間C4にて、該走行区間C4の平均アクセル開度θdav1が第1の平均アクセル開度閾値θdav1lim(10%)以下であり、かつ該走行区間C4の最大車速Vmax4が最大車速閾値Vmaxlim(30km/h)以下であり、かつ5秒以上走行しているので(図5(c)及び(d)参照)、S304の条件に該当する。そこで、渋滞度合値JCを「10」加算する(S305)。
【0096】
同様に、渋滞度合値JCが加算されているのでS308の条件に該当せず、また、走行区間C2のアクセル開度θdがアクセル開度閾値θdlim(40%)以下であるのでステップS310の条件に該当せず、更に、シフトレンジがDレンジに維持されているのでステップS312の条件に該当しないので、図5(a)に示すように渋滞度合値JCが走行区間C1から走行区間C3までに加算された「25」に走行区間C4により「10」が加算されて「35」が確定される。
【0097】
ここで、渋滞度合値JCが「35」であるので、渋滞度合値JCが渋滞走行開始閾値「30」以上であり(S314)、渋滞モードJMがONにされる(S315)。すると、図5(b)に示すように渋滞モードJMはONであり、そのため、最適変速段判断手段12は最適変速段判断ルーチンS400により最適変速段Gcを最低変速段(1速段)に選択されにくい変速特性(詳しくは上述した最適変速段判断ルーチンS400に基づく変速特性)とし、変速出力手段11が最適変速段Gcを自動変速機構3に出力する。つまり、変速制御装置1は渋滞走行として変速制御を行う。
【0098】
続いて、時点t8において走行を開始して時点t9において走行を停止した走行区間C5では、図5(c)に示すアクセル開度θd、及び図5(d)に示す車速Vのようになり、走行区間C5において、渋滞走行検出手段13は上記渋滞走行検出ルーチンS300を行う。
【0099】
該渋滞走行検出ルーチンS300において、走行区間C5では、該走行区間C3にて、走行開始である時点t8よりアクセルが踏まれずにアクセル開度θdが0%であり、5秒以上走行しているので(図5(c)及び(d)参照)、S302の条件に該当し、また、該走行区間C5の平均アクセル開度θdav1が第1の平均アクセル開度閾値θdav1lim(10%)以下であり、かつ該走行区間C5の最大車速Vmax4が最大車速閾値Vmaxlim(30km/h)以下であり、かつ5秒以上走行しているので(図5(c)及び(d)参照)、S304の条件に該当し、更に、該走行区間C5の任意の60秒間における平均アクセル開度θdav2が第2の平均アクセル開度閾値θdav2lim(10%)以下であり、かつ該走行区間C5の車速Vが第1の車速閾値Vlim1(2km/h)以上、第2の車速閾値Vlim2(30km/h)以下である状態が、該任意の60秒間継続しているので(図5(c)及び(d)参照)、S306の条件に該当する。つまり、ステップS302,S304,S306の条件に全て該当するので、ステップS303,S305,S307における渋滞度合値JCを全て合算した「25」を加算する。
【0100】
同様に、渋滞度合値JCが加算されているのでS308の条件に該当せず、また、走行区間C5のアクセル開度θdがアクセル開度閾値θdlim(40%)以下であるのでステップS310の条件に該当せず、更に、シフトレンジがDレンジに維持されているのでステップS312の条件に該当しないので、図5(a)に示すように渋滞度合値JCが走行区間C1から走行区間C4により加算された「35」に走行区間C5により「25」が加算されて「60」が確定される。
【0101】
渋滞度合値JCが「60」であるので、ここでも同様に渋滞度合値JCが渋滞走行開始閾値「30」以上であり(S314)、渋滞モードJMがONにされる(S315)。すると同様に、図5(b)に示すように渋滞モードJMはONであり、最適変速段判断手段12は最適変速段Gcを最低変速段(1速段)に選択されにくい変速特性とし、変速出力手段11が最適変速段Gcを自動変速機構3に出力する。つまり、変速制御装置1は渋滞走行として変速制御を行う。
【0102】
次に、時点t10において走行を開始して時点t11において走行を停止した走行区間C6では、図5(c)に示すアクセル開度θd、及び図5(d)に示す車速Vのようになり、走行区間C6において、渋滞走行検出手段13は上記渋滞走行検出ルーチンS300を行う。なお、上述のように、走行区間C6以降(区間B)は信号待ち走行である。
【0103】
該渋滞走行検出ルーチンS300において、走行区間C6では、アクセル開度θdが0%以上であり(S302参照)、また、該走行区間C6の平均アクセル開度θdav1が第1の平均アクセル開度閾値θdav1lim(10%)以上で、該走行区間C6の最大車速Vmax6が最大車速閾値Vmaxlim(30km/h)以上であり(S304参照)、更に、該走行区間C6の任意の60秒間における平均アクセル開度θdav2が第2の平均アクセル開度閾値θdav2lim(10%)以上で、該走行区間C6の車速Vが第1の車速閾値Vlim1(2km/h)以上、第2の車速閾値Vlim2(30km/h)以下である状態が、任意の60秒間継続していないので(S306参照)、つまり上記ステップS302,S304,S306の条件に該当せず、渋滞度合値JMは加算されない。
【0104】
すると、渋滞度合値JCの加算がなく、かつ5秒以上走行しているので、渋滞度合値JCを「10」減算する。また、走行区間C6のアクセル開度θdがアクセル開度閾値θdlim(40%)以下であるのでステップS310の条件に該当せず、シフトレンジがDレンジに維持されているのでステップS312の条件に該当しないので、図5(a)に示すように渋滞度合値JCが走行区間C1から走行区間C5により加算された渋滞度合値「60」に走行区間C6によって「10」が減算されて「50」が確定される。
【0105】
渋滞度合値JCが「50」であるので、ここでも同様に渋滞度合値JCが渋滞走行開始閾値「30」以上であり(S314)、渋滞モードJMがONにされる(S315)。すると同様に、図5(b)に示すように渋滞モードJMはONであり、最適変速段判断手段12は最適変速段Gcを最低変速段(1速段)に選択されにくい変速特性とし、変速出力手段11が最適変速段Gcを自動変速機構3に出力する。つまり、信号待ち走行ではあるが、この状態においては、変速制御装置1は渋滞走行として変速制御を行う。
【0106】
続いて、時点t12において走行を開始して時点t13において走行を停止した走行区間C7では、図5(c)に示すアクセル開度θd、及び図5(d)に示す車速Vのようになり、走行区間C7において、渋滞走行検出手段13は上記渋滞走行検出ルーチンS300を行う。
【0107】
該渋滞走行検出ルーチンS300において、走行区間C7では、アクセル開度θdが0%以上であり(S302参照)、また、該走行区間C6の平均アクセル開度θdav1が第1の平均アクセル開度閾値θdav1lim(10%)以上であり(S304参照)、更に、該走行区間C7の任意の60秒間における平均アクセル開度θdav2が第2の平均アクセル開度閾値θdav2lim(10%)以上で、該走行区間C7の車速Vが第1の車速閾値Vlim1(2km/h)以上、第2の車速閾値Vlim2(30km/h)以下である状態が、任意の60秒間継続していないので(S306参照)、つまり上記ステップS302,S304,S306の条件に該当せず、渋滞度合値JCは加算されない。
【0108】
すると、渋滞度合値JCの加算がなく、かつ5秒以上走行しているので、渋滞度合値JCを「10」減算する。また、走行区間C7のアクセル開度θdがアクセル開度閾値θdlim(40%)以下であるのでステップS310の条件に該当せず、シフトレンジがDレンジに維持されているのでステップS312の条件に該当しないので、図5(a)に示すように渋滞度合値JCが走行区間C1から走行区間C6により増減された渋滞度合値「50」に走行区間C7によって「10」が減算されて「40」が確定される。
【0109】
ここで、渋滞度合値JCが「40」であるので、渋滞走行終了閾値「20」以下ではなく、そのまま渋滞モードJMがONにされる。すると同様に、図5(b)に示すように渋滞モードJMはONであり、最適変速段判断手段12は最適変速段Gcを最低変速段(1速段)に選択されにくい変速特性とし、変速出力手段11が最適変速段Gcを自動変速機構3に出力する。つまり、信号待ち走行ではあるが、この状態においても、変速制御装置1は渋滞走行として変速制御を行う。
【0110】
そして、時点t14において走行を開始して時点t15において走行を停止した走行区間C8では、図5(c)に示すアクセル開度θd、及び図5(d)に示す車速Vのようになり、走行区間C8において、渋滞走行検出手段13は上記渋滞走行検出ルーチンS300を行う。
【0111】
該渋滞走行検出ルーチンS300において、走行区間C8では、運転者により高い要求トルクが望まれ、アクセル開度θdがアクセル開度閾値θdlim以上(40%以上)となる。すると、渋滞度合値JCは初期値「0」にされる(S311)。
【0112】
ここで、渋滞度合値JCが「0」であるので、渋滞度合値JCが渋滞走行開始閾値「30」以下であり(S314)、渋滞走行終了閾値「20」以下であるので、渋滞モードJMがOFFにされる(S317)。すると、図5(b)に示すように渋滞モードJMはOFFであり、最適変速段判断手段12は最適変速段Gcを通常走行用の変速段Gbとし、変速出力手段11が最適変速段Gcを自動変速機構3に出力する。つまり、信号待ち走行であることを検出して、変速制御装置1は通常走行として変速制御を行う。なお、上述のように、渋滞モードJMがONからOFFに切り換わった際には、運転者の意図(予期)しないダウンシフトが発生しないように制御されている。
【0113】
その後の時点t16以降の走行は、上述のような渋滞走行検出ルーチンS300と最適変速段判断ルーチンS400とに基づいて制御され、変速制御装置1は、渋滞度合値JCの増減により最適変速段Gcを判断して、通常走行又は渋滞走行として変速制御を行う。
【0114】
以上のように、本発明に係る自動変速機の変速制御装置1は、走行開始より走行停止までの間である走行区間Cnに基づいて渋滞走行を検出し、該検出結果に基づいて最適変速段Gcを判断するので、渋滞走行であることを的確に検出して渋滞走行用の変速制御を行うことができる。また、走行区間Cnにおける走行状態が低車速かつ低要求トルクである場合に基づいて渋滞走行であることを検出するので、例えば信号待ち走行などにおける走行開始後の高車速かつ高い要求トルクの状態に対して的確に区別し、的確に渋滞走行を検出することができる。
【0115】
なお、本実施の形態において、変速制御装置1は、先に通常走行用の変速段Gbを判定し、渋滞走行であることを検出した際に最低変速段への移行を禁止して最適変速段としているが、公知の技術のように、先に渋滞走行を検出した後、通常走行用の変速マップを渋滞走行用の変速マップに変更し、該変更された変速マップにより最適変速段を判定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動変速機の変速制御装置を示すブロック図。
【図2】本発明に係る自動変速機の変速制御装置の制御を示すフローチャート。
【図3】渋滞走行検出ルーチンを示すフローチャート。
【図4】最適変速段判断ルーチンを示すフローチャート。
【図5】渋滞走行に続いて信号待ち走行をした際の一例を示す図で、(a)は渋滞度合値を示すタイムチャート、(b)は渋滞モードを示すタイムチャート、(c)はアクセル開度を示すタイムチャート、(d)は車速を示すタイムチャート。
【図6】予め決められた変速条件の一例である変速マップを示す変速線図。
【符号の説明】
1 自動変速機の変速制御装置
11 変速出力手段
12 最適変速段判断手段
13 渋滞走行検出手段
14 通常変速段判定手段
16 予め決められた変速条件
Cn 走行開始から走行停止までの間(走行区間)
Gc 最適変速段
Gb 通常走行用の変速段
JC 渋滞度合値
JClim1 第1の渋滞度合閾値
JClim2 第2の渋滞度合閾値
θd アクセル開度
θdlim アクセル開度閾値
θdav1 平均アクセル開度
θdav1lim 第1の平均アクセル開度閾値
θdav2 平均アクセル開度
θdav2lim 第2の平均アクセル開度閾値
V 車速
lim1 第1の車速閾値
lim2 第2の車速閾値
Vmax 最大車速
Vmaxlim 最大車速閾値

Claims (7)

  1. 車輌等が渋滞走行であることを検出し、前記渋滞走行であることを検出した際に渋滞走行用の変速制御を行う自動変速機の変速制御装置において、
    前記渋滞走行であることを検出する渋滞走行検出手段と、
    前記渋滞走行検出手段の検出に基づく前記渋滞走行用の変速制御における最適変速段を判断する最適変速段判断手段と、
    前記最適変速段判断手段の判断結果に基づいて変速指令を出力する変速出力手段と、を備え、
    前記渋滞走行検出手段は、停車中の状態のデータを使用せずに、前記走行開始から走行停止までの間のアクセル開度及び車速のデータを数値に換算して増減させる渋滞度合値を、低車速かつ低要求トルク状態である場合に加算し、該渋滞度合値が加算されないような低車速かつ低要求トルク状態でない場合に減算することで、該渋滞度合値に基づいて前記渋滞走行を検出すると共に、前記アクセル開度が所定のアクセル開度閾値以上となった場合に、前記走行開始から走行停止までの間のデータに拘らず、前記渋滞度合値を渋滞走行でないことを検出するようにする初期値にする、
    ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 前記渋滞度合値は、Dレンジ以外である場合に前記初期値にされてなる、
    請求項記載の自動変速機の変速制御装置。
  3. 予め決められた変速条件に基づいて通常走行用の変速段を判定する通常変速段判定手段を備え、
    前記渋滞走行用の変速制御は、前記通常変速段判定手段により判定された最低変速段への移行を禁止してなる、
    請求項1または2記載の自動変速機の変速制御装置。
  4. 前記最適変速段判断手段は、所定要求トルク以上の状態が第1の所定時間以上継続した場合に一時的に前記最低変速段への移行の禁止を解除してなる、
    請求項記載の自動変速機の変速制御装置。
  5. 前記最適変速段判断手段は、前記渋滞度合値が前記初期値にされた際に前記通常変速段判定手段により判定される前記通常走行用の変速段が前記最低変速段である場合、前記最低変速段への移行を禁止してなる、
    請求項3または4記載の自動変速機の変速制御装置。
  6. 前記渋滞走行検出手段は、前記渋滞度合値が第1の渋滞度合閾値以上となった際に前記渋滞走行を検出し、該第1の渋滞度合閾値よりも小さい第2の渋滞度合閾値以下となった際に前記渋滞走行でないことを検出してなる、
    請求項1ないし5のいずれか記載の自動変速機の変速制御装置。
  7. 前記渋滞度合値は
    前記走行開始から走行停止までの間にて、平均アクセル開度が第1の平均アクセル開度閾値以下で、かつ最大車速が最大車速閾値以下で、かつ第2の所定時間以上走行した場合に、第1の値が加算され
    前記走行開始から走行停止までの間にて、平均アクセル開度が第2の平均アクセル開度閾値以下で、かつ車速が第1の車速閾値以上かつ第2の車速閾値以下である状態が、前記第2の所定時間よりも長い第3の所定時間以上継続した場合に、前記第1の値よりも小さな第2の値が加算され、
    前記走行開始から走行停止までの間にて、前記走行開始よりアクセルが踏まれずに第4の所定時間以上走行した場合に、前記第1の値が加算され、
    第5の所定時間以上走行し、かつ前記加算がなされない場合に、前記第1の値が減算されてなる、
    請求項記載の自動変速機の変速制御装置。
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