JP3978311B2 - 薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents
薄膜磁気ヘッドの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3978311B2 JP3978311B2 JP2001035619A JP2001035619A JP3978311B2 JP 3978311 B2 JP3978311 B2 JP 3978311B2 JP 2001035619 A JP2001035619 A JP 2001035619A JP 2001035619 A JP2001035619 A JP 2001035619A JP 3978311 B2 JP3978311 B2 JP 3978311B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- constant width
- thin film
- underlayer
- magnetic head
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/127—Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
- G11B5/31—Structure or manufacture of heads, e.g. inductive using thin films
- G11B5/3109—Details
- G11B5/313—Disposition of layers
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/127—Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
- G11B5/31—Structure or manufacture of heads, e.g. inductive using thin films
- G11B5/3109—Details
- G11B5/3116—Shaping of layers, poles or gaps for improving the form of the electrical signal transduced, e.g. for shielding, contour effect, equalizing, side flux fringing, cross talk reduction between heads or between heads and information tracks
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Magnetic Heads (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、書き込み用の誘導型磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、例えば、書き込み用の誘導型磁気変換素子を有する記録ヘッドと、読み出し用の磁気抵抗(以下、MR(Magneto Resistive )と記す。)素子を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。
【0003】
記録ヘッドは、例えば、記録ギャップ(write gap)を挟んでその上下に配設された上部磁極(トップポール)および下部磁極(ボトムポール)と、上部磁極と下部磁極との間に絶縁層を介して配設された磁束発生用のコイルとを含んで構成されている。上部磁極および下部磁極は、磁気記録媒体(以下、単に「記録媒体」という。)に対向する記録媒体対向面(エアベアリング面)に近い側の領域の記録ギャップ近傍において互いに同一の一定幅を有しており、これらの部位により記録トラック幅を規定する「磁極部分」が構成されている。この磁極部分は、例えば、磁極部分の一部を構成する一定幅部分を有する上部磁極を形成したのち、この一定幅部分をマスクとして用いて、記録ギャップおよび下部磁極を自己整合的にエッチングすることに形成される。
【0004】
記録ヘッドでは、情報の記録動作時において外部回路を通じてコイルに電流が流れると、これに応じて磁束が発生する。このとき発生した磁束は、主に、上部磁極内に流入し、磁極部分の一部を構成する一定幅を有する部分(以下、単に「一定幅部分」という)へ伝播したのち、さらに、一定幅部分のエアベアリング面側における先端部分に到達する。先端部分に到達した磁束により、記録ギャップ近傍の外部に記録用の信号磁界が発生し、この信号磁界により、磁気記録媒体が部分的に磁化され、情報が記録される。
【0005】
記録ヘッドの性能のうち、記録特性、例えば情報の重ね書き込み特性(オーバーライト特性)を向上させるためには、信号磁界を十分に発生させるべく、上部磁極の一定幅部分へ十分な量の磁束を供給する必要がある。一方、記録密度を高めるためには、磁極部分の幅(磁極幅)をサブミクロンオーダーまで極微小化し、記録媒体におけるトラック密度を上げる必要がある。このような場合には、磁極幅を磁極部分の全域に渡って高精度に一定とするのが好ましい。磁極幅が部分的に大きいと、書き込み対象のトラック領域のみならずその隣接トラック領域にまで書き込みが行われ、隣接トラック領域に書き込まれていた情報が上書きによって消去されてしまうというサイドイレーズ現象が生じるからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来は、例えば、オーバーライト特性を向上させるべく、一定幅部分に必要十分な量の磁束が供給されることとなるように上部磁極の形状を設計すると、オーバーライト特性が向上する一方、一定幅部分の形成精度が低下してしまい、サブミクロンオーダーに至る磁極幅の極微小化(例えば0.5μm以下)が困難になる。すなわち、オーバーライト特性の向上および磁極幅の高精度な極微小化の双方を実現させることは困難であるという問題があった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、オーバーライト特性を向上させつつ、磁極幅を高精度に極微小化することが可能な薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、ギャップ層を介して互いに対向すると共に記録媒体に面するように配置される2つの磁極を有し、ギャップ層に設けられた開口部において互いに磁気的に連結された2つの磁性層と、2つの磁性層の間に配設された薄膜コイルと、薄膜コイルを2つの磁性層から絶縁する絶縁層とを有する薄膜磁気ヘッドを製造するための方法であり、2つの磁性層のうちの一方の磁性層を形成する工程が、絶縁層、ギャップ層およびその周辺領域を覆うように前駆下地層を形成する第1の工程と、前駆下地層上に、記録媒体に対向する記録媒体対向面からこの面と離れる方向における開口部まで延在すると共に、記録媒体の記録トラック幅を規定する一定幅を有する第1の一定幅部分と、記録媒体対向面から遠い側の第1の連結位置において第1の一定幅部分と磁気的に連結され、第1の一定幅部分の一定幅よりも大きな幅を有する第1の拡幅部分とを含むように、一方の磁性層の一部をなす被覆層を形成する第2の工程と、被覆層およびその周辺の前駆下地層を覆うようにパターニング用のマスクを選択的に形成する第3の工程と、マスクを用いて前駆下地層を選択的にエッチングすることにより、記録媒体対向面からこの面と離れる方向における開口部まで延在すると共に、被覆層における第1の一定幅部分の一定幅に対応した一定幅を有する第2の一定幅部分と、第1の連結位置よりも記録媒体対向面に近い第2の連結位置において第2の一定幅部分と磁気的に連結され、第2の一定幅部分の一定幅よりも大きな幅を有する第2の拡幅部分とを含むように、一方の磁性層の他の一部をなす下地層を選択的に形成する第4の工程とを含むようにしたものである。
【0012】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、まず、第1の工程において、絶縁層、ギャップ層およびその周辺領域を覆うように前駆下地層が形成される。続いて、第2の工程において、前駆下地層上に、記録媒体に対向する記録媒体対向面からこの面と離れる方向における開口部まで延在すると共に、記録媒体の記録トラック幅を規定する一定幅を有する第1の一定幅部分と、記録媒体対向面から遠い側の第1の連結位置において第1の一定幅部分と磁気的に連結され、第1の一定幅部分の一定幅よりも大きな幅を有する第1の拡幅部分とを含むように、一方の磁性層の一部をなす被覆層が形成される。続いて、第3の工程において、被覆層およびその周辺の前駆下地層を覆うようにパターニング用のマスクが選択的に形成される。続いて、第4の工程において、マスクを用いて前駆下地層が選択的にエッチングされることにより、記録媒体対向面からこの面と離れる方向における開口部まで延在すると共に、被覆層における第1の一定幅部分の一定幅に対応した一定幅を有する第2の一定幅部分と、第1の連結位置よりも記録媒体対向面に近い第2の連結位置において第2の一定幅部分と磁気的に連結され、第2の一定幅部分の一定幅よりも大きな幅を有する第2の拡幅部分とを含むように、一方の磁性層の他の一部をなす下地層が選択的に形成されることにより、2つの磁性層のうちの一方の磁性層が形成される。
【0013】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、下地層の構成材料として、被覆層の構成材料の飽和磁束密度よりも大きな飽和磁束密度を有するものを用いるようにするのが好適である。このような場合には、下地層の構成材料としてニッケル鉄,窒化鉄,コバルト鉄のいずれかを含む材料を用い、被覆層の構成材料としてニッケル鉄,ニッケルコバルト鉄,コバルト鉄のいずれかを含む材料を用いるようにするのが好ましい。
【0015】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、スパッタリングにより前駆下地層を形成すると共に、前駆下地層を電極として用い、めっき成長により被覆層を形成するようにしてもよい。
【0016】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、0.3μm以上6μm以下の範囲内の厚みを有するように被覆層を形成し、0.05μm以上0.3μm以下の範囲内の厚みを有するように下地層を形成するようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
まず、図1〜図13を参照して、本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法としての複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。なお、本発明の薄膜磁気ヘッドは、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法によって具現化されるので、以下併せて説明する。図1〜図7は、本発明の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法を表すものであり、各図中における(A)はエアベアリング面に垂直な断面,(B)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面をそれぞれ示している。図8〜図12は、平面構成を表すものであり、図8,図10,図11,図12はそれぞれ図1,図2,図3,図4に対応している。図13は、図5に示した断面構成に対応する斜視構成を表すものである。なお、図8〜図13では、図1〜図5に示した構成要素のうちの主要素のみを図示している。
【0019】
以下の説明では、図1〜図13の各図中におけるX軸方向を「幅」、Y軸方向を「長さ」、Z軸方向を「厚み(または高さ)」と表記すると共に、Y軸方向のうちのエアベアリング面20(図7および後述する図14参照)側(または後工程においてエアベアリング面20となる側)を「前側(または前方)」、その反対側を「後側(または後方)」と表記するものとする。なお、図14以降の説明においても、X,Y,Z軸方向について同様に表記するものとする。
【0020】
<薄膜磁気ヘッドの製造方法>
本実施の形態の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、まず、図1に示したように、例えばアルティック(Al2 O3 ・TiC)よりなる基板1上に、例えば酸化アルミニウム(Al 2 O3 ;以下、単に「アルミナ」という)よりなる絶縁層2を約3.0μm〜5.0μm程度の厚みで堆積する。次に、絶縁層2上に、例えば後述するめっき処理を用いて、例えばニッケル鉄合金(NiFe:以下、単に「パーマロイ(商品名)」という。)よりなる下部シールド層3を約2.0μmの厚みで選択的に形成する。下部シールド層3を形成する際には、例えば、後述する図14に示したような平面形状を有するようにする。
【0021】
次に、図1に示したように、下部シールド層3上に、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナよりなるシールドギャップ膜4を約0.01μm〜0.1μmの厚みで形成する。次に、シールドギャップ膜4上に、高精度のフォトリソグラフィ処理を用いて、MR素子を構成するためのMR膜5を所望のパターン形状となるように形成する。次に、シールドギャップ膜4を形成した場合と同様の材料および形成方法を用いて、MR膜5を覆うようにシールドギャップ膜6を形成し、MR膜5をシールドギャップ膜4,6内に埋設する。
【0022】
次に、図1に示したように、シールドギャップ膜6上に、例えば下部シールド層3を形成した場合と同様の形成方法および形成材料を用いて、下部磁極7を約2.0μm〜3.0μの厚みで選択的に形成する。下部磁極7を形成する際には、例えば、後述する図14に示したような平面形状を有するようにする。
【0023】
次に、図1に示したように、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナよりなる記録ギャップ層8を約0.1μm〜0.3μmの厚みで形成する。このとき、記録ギャップ層8には、下部磁極7と後工程において形成される上部磁極30(図4参照)等とを接続させるための開口部8Kを形成しておく。ここで、記録ギャップ層8が本発明における「ギャップ層」の一具体例に対応する。
【0024】
次に、図1に示したように、記録ギャップ層8上に、例えば電解めっき法により、例えば銅(Cu)よりなる誘導型の記録ヘッド用の薄膜コイル9を約1.5μmの厚みで選択的に形成する。薄膜コイル9を形成する際には、例えば、後述する図14に示したような渦巻状の巻線構造を有するようにする。なお、図14では、薄膜コイル9の一部分のみを図示している。
【0025】
次に、薄膜コイル9およびその周辺領域を覆うように、加熱時に流動性を示す材料、例えばフォトレジストなどの有機絶縁材料を塗布してフォトレジスト膜を選択的に形成する。次に、このフォトレジスト膜に対して、約200°C〜250°Cの範囲内における温度で熱処理を施す。この熱処理により、図1に示したように、フォトレジストが流動することにより薄膜コイル9の各巻線間が隙間なく埋めつくされ、薄膜コイル9を周囲から電気的に絶縁する絶縁層10が選択的に形成される。絶縁層10の端縁近傍の表面は、フォトレジストの流動に応じて丸みを帯びた斜面をなす。絶縁層10を形成する場合には、先工程において記録ギャップ層8に形成した開口部8Kを覆わないようにする。ここで、絶縁層10が本発明における「絶縁層」の一具体例に対応する。
【0026】
次に、図1および図8に示したように、全体に、例えばスパッタリングにより、例えば後述する被覆層13(図2参照)の構成材料の飽和磁束密度よりも大きい飽和磁束密度を有する材料、具体的にはパーマロイ(Ni:55重量%,Fe:45重量%),窒化鉄(FeN),コバルト鉄合金(CoFe)などよりなる前駆下地層11Z(図8中の淡い網掛領域)を約0.05μm〜0.3μmの厚みで形成する。この前駆下地層11Zは、主に、後述する被覆層13の形成時においてめっき処理を行うためのシード層として機能するものであり、後工程においてパターニングされることにより後述する下地層11(図4,図12参照)となる前準備層である。
【0027】
次に、全体にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成したのち、高精度のフォトリソグラフィ処理を用いてフォトレジスト膜をパターニングすることにより、図9に示したように、後述する被覆層13(図2参照)を形成するための枠組みとしてのフォトレジストパターン12(図9中の濃い網掛領域)を形成する。フォトレジストパターン12を形成する際には、被覆層13の平面形状に対応する開口部12Kを有するようにする。
【0028】
次に、先工程において形成した前駆下地層11Zをシード層として用いると共に、フォトレジストパターン12をマスクとして用いて、フォトレジストパターン12の開口部12Kに、例えばめっき処理により、例えば先工程において形成した前駆下地層11Zの構成材料よりも大きな飽和磁束密度を有する材料、具体的にはパーマロイ(Ni:55重量%,Fe:45重量%),ニッケルコバルト鉄合金(NiCoFe),コバルト鉄合金(CoFe)などを約0.3μm〜6.0μmの厚みで選択的にめっき成長させる。これにより、図2および図10に示したように、前駆下地層11Z上のうち、後工程においてエアベアリング面20となる側(図2中の左側,図10中の下側)から開口部8Kにかけての領域に、後述する上部磁極30(図4参照)の一部をなす被覆層13が絶縁層10を覆うように選択的に形成される。なお、図2および図10では、被覆層13の形成後、フォトレジストパターン12を除去した状態を示している。
【0029】
被覆層13を形成する際には、例えば、後述する図14に示したように、後工程においてエアベアリング面20となる側から順に、記録トラック幅を規定する極微小な一定幅(例えば約0.3μm)を有する先端部13Aと、この先端部13Aの幅よりも大きな幅を有するヨーク部13Bとを含むようにすると共に、先端部13Aとヨーク部13Bとの連結位置(第1の連結位置)T1が、絶縁層10の前端の位置よりも後退するようにする。もちろん、被覆層13における第1の連結位置T1が絶縁層10の前端の位置よりも後退するようにするために、上記したフォトレジストパターン12の形成工程において、開口部12Kのうちの第1の連結位置T1に対応する位置が絶縁層10の前端の位置よりも後退するように予め調整しておく。なお、被覆層13の詳細な形状的特徴については後述する。ここで、先端部13Aが本発明における「第1の一定幅部分」の一具体例に対応し、ヨーク部13Bが本発明における「第1の拡幅部分」の一具体例に対応する。
【0030】
次に、全体にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成したのち、このフォトレジスト膜を高精度のフォトリソグラフィ処理を用いてパターニングすることにより、図3および図11に示したように、前駆下地層11Zをパターニングするためのマスク14(図11中の濃い網掛領域)を選択的に形成する。マスク14を形成する際には、例えば、被覆層13に対応した平面形状を有するようにすると共に、特に、マスク14のうち、被覆層13における第1の連結位置T1に対応する位置、すなわちマスク14の幅が被覆層13の先端部13Aに対応する一定幅よりも大きくなり始める位置Pが、絶縁層10の前端の位置よりも前方になるようにする。上記したマスク14の幅が一定幅よりも大きくなり始める位置Pは、後工程において形成される後述する下地層11(図4,図12参照)における第2の連結位置T2にほぼ相当する。
【0031】
次に、マスク14を用いて、例えばイオンミリングまたはリアクティブイオンエッチング(Reactive Ion Etching;RIE)により前駆下地層11Zに対してエッチング処理を施す。これにより、前駆下地層11Zのうち、マスク14の配設領域以外の部分が選択的にエッチングされ、図4および図12に示したように、前駆下地層11Zの残存部分として、後述する上部磁極30の他の一部をなす下地層11が選択的に形成される。この下地層11は、後工程においてエアベアリング面20となる側から順に、被覆層13における先端部13Aの一定幅に対応する一定幅を有する下地先端部11Aと、この下地先端部11Aの幅よりも大きな幅を有する下地後端部11Bとを含んで形成される。下地層11のうち、下地先端部11Aと下地後端部11Bとの連結位置(第2の連結位置)T2は、被覆層13における第1の連結位置T1よりも前方に位置することとなる。これにより、下地層11および被覆層13がこの順に積層された積層体よりなる上部磁極30が形成される。この上部磁極30は、開口部8Kにおいて下部磁極7と磁気的に連結され、下部磁極7および上部磁極30により磁束の伝播経路、すなわち磁路が形成される。ここで、下地先端部11Aが本発明における「第2の一定幅部分」の一具体例に対応し、下地後端部11Bが本発明における「第2の拡幅部分」の一具体例に対応し、下地層11および被覆層13の積層体により構成される上部磁極30が本発明における「2つの磁性層のうちの一方の磁性層」の一具体例に対応する。
【0032】
次に、例えば、被覆層13の先端部13Aと、下地層11における第2の連結位置T2よりも後方の領域に選択的に形成した図示しないフォトレジスト膜とをマスクとして、例えばイオンミリングまたはRIEにより、先端部13A周辺の記録ギャップ層8および下部磁極7を自己整合的に約0.5μm程度エッチングする。これにより、図5および図13に示したように、トリム構造を有する磁極部分100が形成される。この磁極部分100は、被覆層13の先端部13Aと、下地層11の下地先端部11Aと、下部磁極7および記録ギャップ層8の双方のうちの先端部13Aに対応する部分とにより構成され、これらの各部位は互いにほぼ同一の幅を有することとなる。
【0033】
次に、図6に示したように、全体を覆うように、絶縁材料、例えばアルミナなどの無機絶縁材料よりなるオーバーコート層15を約20μm〜40μmの厚みで形成する。
【0034】
最後に、図7に示したように、機械加工や研磨工程により記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面20を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0035】
<薄膜磁気ヘッドの構造>
次に、図14を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面構成について説明する。
【0036】
図14は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法により製造された薄膜磁気ヘッドの平面構成の概略を表すものである。なお、図14では、基板1,絶縁層2,記録ギャップ層8およびオーバーコート層15等の図示を省略している。また、薄膜コイル9についてはその最外周の一部のみ,絶縁層10についてはその外縁のみをそれぞれ図示している。図7(A)は、図14におけるVIIA−VIIA線に沿った矢視断面に相当する。
【0037】
絶縁層10(図14中の濃い網掛領域)の前端の位置は、記録ヘッドの性能を決定する因子の1つであるスロートハイト(TH)を決定する際の基準となる位置、すなわちスロートハイトゼロ位置(TH0位置)である。スロートハイト(TH)は、絶縁層10の前端の位置(TH0位置)からエアベアリング面20までの長さとして規定される。
【0038】
上部磁極30は、上記したように、例えば、記録ギャップ層8に近い側から下地層11および被覆層13が積層された積層体により構成されている。
【0039】
被覆層13は、上記したように、例えば、エアベアリング面20から順に、記録トラック幅を規定する極微小な一定幅Wを有する先端部13Aと、この先端部13Aと第1の連結位置T1において磁気的に連結され、薄膜コイル9により発生した磁束を収容するためのヨーク部13Bとを含んでいる。先端部13Aは、例えば、矩形状の平面形状を有している。ヨーク部13Bの幅は、先端部13Aの幅Wよりも大きく、例えば、その後方部においてほぼ一定であり、前方部においてエアベアリング面20に近づくにつれて徐々に狭まるようになっている。
【0040】
下地層11は、上記したように、例えば、エアベアリング面20から順に、被覆層13の先端部13Aの幅に対応した一定幅Wを有する下地先端部11Aと、この下地先端部11Aと第2の連結位置T2において磁気的に連結され、ヨーク部13Bに対応した形状を有する下地後端部11Bとを含んでいる。
【0041】
被覆層13における先端部13Aとヨーク部13Bとの連結位置(第1の連結位置)T1は、上記したように、下地層11における下地先端部11Aと下地後端部11Bとの連結位置(第2の連結位置)T2よりも後退している。すなわち、第1の連結位置T1〜エアベアリング面20間の距離(以下、単に「第1の一定幅距離」という)L1は、第2の連結位置T2〜エアベアリング面20間の距離(以下、単に「第2の一定幅距離」という)L2よりも大きくなっている。
【0042】
<薄膜磁気ヘッドの動作>
次に、図7,図13および図14を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの動作について説明する。
【0043】
この薄膜磁気ヘッドでは、情報の記録動作時において、図示しない外部回路を通じて薄膜コイル9に電流が流れると、これに応じて磁束が発生する。このとき発生した磁束は、被覆層13のヨーク部13Bに収容されたのち、ヨーク部13Bから先端部13Aへ伝播すると共に、ヨーク部13Bから下地層11の下地後端部11Bに伝播する。先端部13Aへ伝播した磁束は、さらに、先端部13Aのエアベアリング面20側の最先端部分に到達する。先端部13Aの最先端部分に到達した磁束により、記録ギャップ層8近傍の外部に記録用の信号磁界が発生する。一方、下地後端部11Bへ伝播した磁束は、ヨーク部13Bから先端部13Aへ伝播した磁束の場合と同様に、下地先端部11Aの先端部分に到達したのち、信号磁界として放出される。これらの信号磁界により、磁気記録媒体が部分的に磁化され、情報が記録される。
【0044】
一方、情報の再生動作時においては、MR膜5にセンス電流を流す。MR膜5の抵抗値は、磁気記録媒体からの再生信号磁界に応じて変化するので、その抵抗変化をセンス電流の変化によって検出することにより、磁気記録媒体に記録されている情報を読み出すことができる。
【0045】
<本実施の形態の作用および効果>
次に、図14〜図18を参照して、本実施の形態の作用および効果について説明する。図15は本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法により製造された薄膜磁気ヘッドに対する比較例としての薄膜磁気ヘッドの平面構成を表している。図15に示した比較例としての薄膜磁気ヘッドでは、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドにおける下地層11および被覆層13の積層体により構成された上部磁極30の代わりに、例えば、被覆層13の先端部13Aおよびヨーク部13Bにそれぞれ対応する先端部33Aおよびこれと第3の連結位置T3において連結するヨーク部33Bにより構成された単層の上部磁極33を設けている。図16は、図15に示した比較例としての薄膜磁気ヘッドにおける上部磁極33の第3の連結位置T3〜エアベアリング面20間の距離(以下、単に「第3の一定幅距離」)L3と薄膜磁気ヘッドのオーバーライト特性との一般的な相関を表し、図17は第3の一定幅距離L3と上部磁極33における先端部33Aの形成幅Wとの一般的な相関を表し、図18は本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドにおける第2の一定幅距離L2とオーバーライト特性との相関(第1の一定幅距離L1=約1μmで固定)をそれぞれ表している。図16において「横軸」は第3の一定幅距離L3(μm),「縦軸」はオーバーライト(Over Write;OW)特性(−dB)を示し、図17において「横軸」は第3の一定幅距離L3(μm),「縦軸」は先端部33Aの目標形成幅(例えば0.3μm)に対するずれ量の標準偏差(3σ)を示し、図18において「横軸」は第2の一定幅距離L2(μm),「縦軸」はオーバーライト特性(−dB)を示している。なお、図15に示した比較例としての薄膜磁気ヘッドにおいて、上部磁極33以外の構造は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド(図14参照)の場合と同様である。
【0046】
本実施の形態では、第1の連結位置T1が第2の連結位置T2よりも後退するようにしたので、以下のような理由により、薄膜磁気ヘッドのオーバーライト特性を向上させつつ、磁極幅を高精度に極微小化することができる。
【0047】
すなわち、比較例の場合(図15)には、本実施の形態の場合(図14参照)よりも、上部磁極33における第3の連結位置T3を前方にシフトさせ、第3の一定幅距離L3を減少させている。このような場合には、図16に示した相関図から判るように、第3の一定幅距離L3が小さいほど十分な量の磁束が先端部33Aまで到達するため、薄膜磁気ヘッドのオーバーライト特性は向上することとなるが、図17に示した相関図から判るように、第3の一定幅距離L3が減少するにつれて標準偏差(3σ)の値が増加し、先端部33Aの形成精度が低下してしまう。これは、例えば、上部磁極33を形成するためのフォトレジストパターンの形成時において、フォトレジスト膜を露光・現像して開口部を形成する際に、丘陵状の下地(絶縁層10)から反射する反射光の影響により、開口部のうちの第3の連結位置T3に対応する部分が過露光され、フォトレジストパターンを高精度に形成することが困難(開口幅が増加する)だからである。先端部33Aは、本実施の形態に係る被覆層13の先端部13Aの場合と同様に、磁極部分100を形成する際にマスクとして用いられるものであるため、この先端部33Aの形成精度が低下すると、磁極部分100の幅(磁極幅)を極微小化することが困難になる。
【0048】
これに対して、本実施の形態(図13参照)では、下地層11および被覆層13の積層体により上部磁極30を構成するようにしたので、単層の上部磁極33を用いた比較例の場合とは異なり、被覆層13の平面形状と下地層11の平面形状とを互いに異ならせることが可能となる。このような場合には、第1の連結位置T1と第2の連結位置T2とを互いに異ならせ、第1の一定幅距離L1および第2の一定幅距離L2をそれぞれ別個に設定することが可能となる。したがって、第1の連結位置T1が第2の連結位置T2よりも後退するようにすることで、オーバーライト特性を確保可能な範囲内で第1の一定幅距離L1を増加させつつ、先端部13Aの形成精度を確保可能な範囲内で第2の一定幅距離L2を減少させることができる。
【0049】
このことは、図18に示した相関図から明らかである。すなわち、先端部13Aの形成精度を良好に確保可能な程度(例えば標準偏差3σ=0.15以下)に第1の一定幅距離L1を固定(約1μm)しつつ、第2の一定幅距離L2を減少させることによりオーバーライト特性を向上させることができる。
【0050】
さらに、本実施の形態では、優れたオーバーライト特性を確保するために、比較例の場合ほど第1の一定幅距離L1を小さくする必要がないため、サイドイレーズ現象の発生を抑制することもできる。なぜなら、比較例の場合には、先端部33Aの幅よりも大きな幅を有するヨーク部33Bがエアベアリング面20に近づくため、ヨーク部33B内の磁束がエアベアリング面20に放出されると、このとき放出された磁束に起因してサイドイレーズ現象が発生する可能性が高くなる。これに対して、本実施の形態では、比較例の場合よりも大きな距離(第1の一定幅距離L1)を隔ててヨーク部13Bがエアベアリング面20から後退することとなるため、サイドイレーズが発生する確率が低くなる。
【0051】
また、本実施の形態では、下地層11の構成材料として、被覆層13の構成材料の飽和磁束密度よりも大きな飽和磁束密度を有する材料を用いるようにしたので、以下のような理由により、この観点においてもオーバーライト特性の向上に寄与することとなる。すなわち、磁路内における磁束の伝播状況は、主に、磁路を構成する下地層11や被覆層13の構成材料の飽和磁束密度と、下地層11や被覆層13を構成する各部位の物理的な体積とによって決定される「磁束収容能」に依存する。オーバーライト特性を向上させるためには、例えば、磁路のうち、エアベアリング面20近傍に十分な磁束収容能を確保することにより磁路内における磁束の伝播状況を円滑化させ、上部磁極30のエアベアリング面20側の先端まで十分な量の磁束を供給する必要がある。本実施の形態では、先端部13Aの形成精度を確保すべく、被覆層13のうち、先端部13Aの体積より大きな体積を有するヨーク部13Bがエアベアリング面20から第1の一定幅距離L1だけ後退している一方、オーバーライト特性を確保すべく、下地層11のうち、下地先端部11Aの体積より大きな体積を有する下地後端部11Bが、ヨーク部13Bに対応する位置よりエアベアリング面20に近い側にシフトしているため、この下地後端部11Bの存在によりエアベアリング面20近傍に磁束収容能が確保される。しかも、下地後端部11Bの体積はヨーク部13Bの体積より小さいものであるが、被覆層13の構成材料の飽和磁束密度よりも大きい飽和磁束密度を有する材料を用いて下地層11が構成されているため、比較的小さい体積しか有していないにもかかわらず、下地層11内における磁束の伝播が円滑化される。したがって、上部磁極30(下地層11,被覆層13)全体として、そのエアベアリング面20側の先端まで十分な量の磁束が到達することとなる。
【0052】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、上記実施の形態では、スパッタリングにより形成した前駆下地層11Zをパターニングすることにより下地層11を形成すると共に、めっき処理により被覆層13を形成するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、上記実施の形態において説明した構造的特徴(第1の連結位置T1,第2の連結位置T2等)を有することが可能な限り、下地層11および被覆層13の形成方法は自由に変更可能である。具体的には、例えば、パターニング処理を用いることなく、めっき処理により下地層11を形成するようにしてもよい。このような場合においても、上記実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
【0053】
また、薄膜磁気ヘッドを構成する一連の構成要素の形成に係る形状,寸法,形成方法,形成材料等は、必ずしも上記実施の形態において説明したものに限らず、各構成要素の構造的特徴および材質的特徴等を再現することが可能な限り自由に変形可能である。
【0054】
また、例えば、上記実施の形態では複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明したが、本発明は、書き込み用の誘導型磁気変換素子を有する記録専用の薄膜磁気ヘッドや記録・再生兼用の誘導型磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッドにも適用することができる。また、本発明は、書き込み用の素子と読み出し用の素子の積層順序を逆転させた構造の薄膜磁気ヘッドにも適用することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、前駆下地層を形成し、その前駆下地層上に記録媒体対向面から開口部まで延在する被覆層を形成したのち、マスクを用いて前駆下地層を選択的にエッチングすることにより記録媒体対向面から開口部まで延在する下地層を形成するようにしたので、被覆層における第1の連結位置と下地層における第2の連結位置とを互いに異ならせることが可能になる。これにより、第1の連結位置〜記録媒体対向面間の距離および第2の連結位置〜記録媒体対向面間の距離をそれぞれ別個に設定することができる。また、記録媒体対向面から開口部まで延在する下地層における第2の連結位置が、記録媒体対向面から開口部まで延在する被覆層における第1の連結位置よりも記録媒体対向面に近くなるため、オーバーライト特性を確保可能な範囲内で第1の連結位置〜記録媒体対向面間の距離を増加させつつ、被覆層における第1の一定幅部分の形成精度を確保可能な範囲内で第2の連結位置〜記録媒体対向面間の距離を減少させることが可能となる。したがって、オーバーライト特性を向上させつつ、磁極幅を高精度に極微小化することができる。
【0057】
また、請求項2記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、下地層の構成材料として、被覆層の構成材料の飽和磁束密度よりも大きな飽和磁束密度を有するものを用いるようにしたので、磁路内における磁束の伝播状況を円滑化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図2】図1に続く工程を説明するための断面図である。
【図3】図2に続く工程を説明するための断面図である。
【図4】図3に続く工程を説明するための断面図である。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図である。
【図6】図5に続く工程を説明するための断面図である。
【図7】図6に続く工程を説明するための断面図である。
【図8】図1に示した断面図に対応する平面図である。
【図9】図1に続く工程を説明するための平面図である。
【図10】図2に示した断面図に対応する平面図である。
【図11】図3に示した断面図に対応する平面図である。
【図12】図4に示した断面図に対応する平面図である。
【図13】図5に示した断面図に対応する斜視図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面構成を表す平面図である。
【図15】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドに対する比較例としての薄膜磁気ヘッドの平面構成を表す平面図である。
【図16】第3の一定幅距離とオーバーライト特性との一般的な相関を表す相関図である。
【図17】第3の一定幅距離とオーバーライト特性との一般的な相関を表す相関図である。
【図18】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドにおける第2の一定幅距離とオーバーライト特性との相関を表す相関図である。
【符号の説明】
1…基板、2,10…絶縁層、3…下部シールド層、4,6…シールドギャップ膜、5…MR膜、7…下部磁極、8…記録ギャップ層、8K,12K…開口部、9…薄膜コイル、11…下地層、11A…下地先端部、11B…下地後端部、11Z…前駆下地層、12…フォトレジストパターン、13…被覆層、13A,33A…先端部、13B,33B…ヨーク部、14…マスク、15…オーバーコート層、20…エアベアリング面、30,33…上部磁極、100…磁極部分、L1…第1の一定幅距離、L2…第2の一定幅距離、L3…第3の一定幅距離、T1…第1の連結位置、T2…第2の連結位置、T3…第3の連結位置、TH…スロートハイト。
Claims (5)
- ギャップ層を介して互いに対向すると共に記録媒体に面するように配置される2つの磁極、を有し、前記ギャップ層に設けられた開口部において互いに磁気的に連結された2つの磁性層と、前記2つの磁性層の間に配設された薄膜コイルと、前記薄膜コイルを前記2つの磁性層から絶縁する絶縁層とを有する薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
前記2つの磁性層のうちの一方の磁性層を形成する工程が、
前記絶縁層、前記ギャップ層およびその周辺領域を覆うように前駆下地層を形成する第1の工程と、
前記前駆下地層上に、前記記録媒体に対向する記録媒体対向面からこの面と離れる方向における前記開口部まで延在すると共に、前記記録媒体の記録トラック幅を規定する一定幅を有する第1の一定幅部分と、前記記録媒体対向面から遠い側の第1の連結位置において前記第1の一定幅部分と磁気的に連結され、前記第1の一定幅部分の一定幅よりも大きな幅を有する第1の拡幅部分とを含むように、前記一方の磁性層の一部をなす被覆層を形成する第2の工程と、
前記被覆層およびその周辺の前記前駆下地層を覆うようにパターニング用のマスクを選択的に形成する第3の工程と、
前記マスクを用いて前記前駆下地層を選択的にエッチングすることにより、前記記録媒体対向面からこの面と離れる方向における前記開口部まで延在すると共に、前記被覆層における第1の一定幅部分の一定幅に対応した一定幅を有する第2の一定幅部分と、前記第1の連結位置よりも前記記録媒体対向面に近い第2の連結位置において前記第2の一定幅部分と磁気的に連結され、前記第2の一定幅部分の一定幅よりも大きな幅を有する第2の拡幅部分とを含むように、前記一方の磁性層の他の一部をなす下地層を選択的に形成する第4の工程と
を含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 前記下地層の構成材料として、前記被覆層の構成材料の飽和磁束密度よりも大きな飽和磁束密度を有するものを用いる
ことを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 前記下地層の構成材料として、ニッケル鉄,窒化鉄,コバルト鉄のいずれかを含む材料を用い、
前記被覆層の構成材料として、ニッケル鉄,ニッケルコバルト鉄,コバルト鉄のいずれかを含む材料を用いる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 前記第1の工程において、スパッタリングにより前記前駆下地層を形成し、
前記第2の工程において、前記前駆下地層を電極として用い、めっき成長により前記被覆層を形成する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 前記第2の工程において、0.3μm以上6μm以下の範囲内の厚みを有するように前記被覆層を形成し、
前記第4の工程において、0.05μm以上0.3μm以下の範囲内の厚みを有するように前記下地層を形成する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001035619A JP3978311B2 (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 薄膜磁気ヘッドの製造方法 |
US10/075,182 US6665144B2 (en) | 2001-02-13 | 2002-02-13 | Thin film magnetic head and method of making wherein the head includes a magnetic layer including an underlayer and a coating layer with each having a uniform width portion and a wider portion |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001035619A JP3978311B2 (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 薄膜磁気ヘッドの製造方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002245605A JP2002245605A (ja) | 2002-08-30 |
JP2002245605A5 JP2002245605A5 (ja) | 2005-01-06 |
JP3978311B2 true JP3978311B2 (ja) | 2007-09-19 |
Family
ID=18899041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001035619A Expired - Fee Related JP3978311B2 (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 薄膜磁気ヘッドの製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6665144B2 (ja) |
JP (1) | JP3978311B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004127404A (ja) * | 2002-10-01 | 2004-04-22 | Tdk Corp | 薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置 |
JPWO2004055784A1 (ja) * | 2002-12-18 | 2006-04-20 | 富士通株式会社 | 磁性薄膜およびこれを用いた磁気ヘッド |
US6842304B2 (en) * | 2003-01-08 | 2005-01-11 | International Business Machines Corporation | Measurement of write track width for magnetic tape head |
US20050219743A1 (en) * | 2004-04-06 | 2005-10-06 | Headway Technologies, Inc. | Perpendicular write head with tapered main pole |
EP2399213A2 (en) | 2009-02-20 | 2011-12-28 | SunPower Corporation | Automated solar collector installation design including ability to define heterogeneous design preferences |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3795236B2 (ja) * | 1997-10-01 | 2006-07-12 | Tdk株式会社 | 薄膜磁気ヘッド |
US6510024B2 (en) * | 1998-06-30 | 2003-01-21 | Fujitsu Limited | Magnetic head and method of manufacturing the same |
JP2000020919A (ja) * | 1998-07-03 | 2000-01-21 | Hitachi Ltd | 磁気ヘッド及びそれを用いた磁気ディスク装置 |
JP2000057522A (ja) * | 1998-08-06 | 2000-02-25 | Tdk Corp | 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 |
JP3530084B2 (ja) * | 1999-09-07 | 2004-05-24 | Tdk株式会社 | 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 |
JP3560872B2 (ja) * | 1999-10-12 | 2004-09-02 | Tdk株式会社 | 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 |
-
2001
- 2001-02-13 JP JP2001035619A patent/JP3978311B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2002
- 2002-02-13 US US10/075,182 patent/US6665144B2/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6665144B2 (en) | 2003-12-16 |
JP2002245605A (ja) | 2002-08-30 |
US20020135936A1 (en) | 2002-09-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3869766B2 (ja) | 垂直磁気記録ヘッドおよびその製造方法 | |
US7921544B2 (en) | Method of manufacturing a thin film magnetic head structure | |
JP3617953B2 (ja) | 薄膜磁気ヘッドの製造方法 | |
US7910160B2 (en) | Thin-film magnetic head structure adapted to manufacture a thin-film head having a base magnetic pole part, a york magnetic pole part, and an intervening insulative film | |
JP4377799B2 (ja) | 薄膜磁気ヘッド、これを用いた磁気記録装置及びその製造方法 | |
JP2006331612A (ja) | 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 | |
US7596855B2 (en) | Method for manufacturing a magnetic head | |
JP3539630B2 (ja) | 薄膜磁気ヘッドの製造方法 | |
JP3943337B2 (ja) | 薄膜磁気ヘッドの製造方法 | |
US7463448B2 (en) | Thin film magnetic head having upper and lower poles and a gap film within a trench | |
JP2001167406A (ja) | 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 | |
JP3978311B2 (ja) | 薄膜磁気ヘッドの製造方法 | |
JP2001283409A (ja) | 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 | |
JP3499458B2 (ja) | 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびに薄膜コイルの形成方法 | |
JP3869595B2 (ja) | 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 | |
JP2002123904A (ja) | 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 | |
JP2001195708A (ja) | 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 | |
JP4504172B2 (ja) | 薄膜磁気ヘッドの製造方法 | |
JP2002123907A (ja) | 薄膜磁気ヘッドの製造方法 | |
JP3640916B2 (ja) | 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 | |
US6665142B2 (en) | Thin film magnetic head and method of manufacturing the same | |
JP2005018918A (ja) | 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびに磁気記録装置 | |
US6724570B2 (en) | Thin film magnetic head and method of manufacturing the same | |
US6747842B2 (en) | Thin film magnetic head and method of manufacturing the same | |
JP2002170208A (ja) | 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060116 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060119 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20060419 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060419 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061207 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070307 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070531 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070625 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110629 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120629 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130629 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |