JP3972029B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の空調ユニットのブロアファンに対する目標風量制御データをマスタ制御ユニットで算出し、通信線を介して送信された各目標風量制御データに基づき、各制御ユニットが各空調ユニットを制御する車両用空調装置に関する。
車両に搭載されている空調装置は、温度又は風量を自動的に制御するオートモードと、乗員の操作に基づいて温度又は風量を制御するマニュアルモードとを備えている。この場合、風量は、各モードで設定された目標風量制御データに基づいてブロアファンの回転数を制御することで調整される。
ところで、高温時や低温時に空調装置をオートモードで作動させた直後は、車室内温度と目標温度との差が大きく、目標温度に速やかに到達させるためにブロアファンを高速で回転させてしまうと、乗員に違和感を与えるおそれがある。例えば、冷房モードに設定されている場合には、エバポレータが十分に冷却されていないため熱風が吹き出るおそれがあり、また、暖房モードに設定されている場合には、ヒータコアの熱源であるエンジン冷却水の温度が低いため冷風が吹き出るおそれがある。
そこで、例えば、特許文献1には、ブロアファンによる実送風量を目標送風量に遅延させて追従させる遅延制御を行い、ブロアファンの回転数を徐々に増減させることで違和感を回避するようにした遅延制御技術が開示されている。また、この特許文献1では、オートモードで遅延制御を行っているときに、乗員が操作パネルの風量調整ボタンを操作して風量の増減を指示した場合、遅延制御に基づくブロアファンの実送風量を基準として送風量を増減制御することにより、乗員が希望する風量に近い送風が可能となるようにしている。
一方、車室内をより快適に空調制御することを目的として、複数の空調装置を車両に配置したものがある(特許文献2参照)。図6は、車両の前席に前席空調装置2を配置するとともに、後席に後席空調装置4を配置した車両用空調装置の概略構成を示す。前席空調装置2は、温度センサ6によって検出された温度情報に基づいて前席目標風量制御データを算出し、前席のブロアファンモータ8を回転制御する前席制御ユニット10を備え、後席空調装置4は、前席制御ユニット10によって算出され、通信線12を介して送信された後席目標風量制御データにより後席のブロアファンモータ14を回転制御する後席制御ユニット16を備える。この場合、前席制御ユニット10と後席制御ユニット16とで分散して空調制御を行うことで、より高機能の空調制御を行うことが可能となる。
特開平10−193946号公報(段落[0002]〜[0011]) 特開2001−150921号公報(請求項1、図1)
ところで、図6に示すように構成される車両用空調装置により後席空調装置4に対し前述した遅延制御を行う場合において、乗員が風量調整ボタンを操作して後席の風量の増減を指示したとすると、前席制御ユニット10は、新たな後席目標風量制御データを算出するため、後席のブロアファンモータ14から実送風量に係る情報を取得する必要がある。
この場合、後席空調装置4を乗員の指示に従って高精度に制御するためには、前席制御ユニット10は、後席の実送風量に係る情報を通信線12を介してリアルタイムで受信し、且つ、新たに算出した後席目標風量制御データを通信線12を介してリアルタイムで後席制御ユニット16に送信しなければならない。
しかしながら、前席空調装置2及び後席空調装置4間で通信エラーが生じると、その間、後席目標風量制御データが後席制御ユニット16に送信されず、例えば、後席目標風量制御データが増加中又は減少中であっても、後席のブロアファンモータ14による実送風量は一定のままとなる。その後、通信が正常状態となって再開されたときには、新たに送信された後席目標風量制御データと実送風量との差が大きいため、実送風量が急激に増加又は減少して乗員に不快感を与えてしまう場合がある。
なお、通信データ量の増大に対処すべく、専用のシリアル通信線を敷設することも考えられるが、コスト上昇に繋がるだけでなく、ワイヤハーネスが増加する問題も発生する。また、通信線12を多重通信線とすると、通信データ量の増大による応答性の低下が問題となる。
本発明は、前記の不具合を解消するためになされたものであって、各空調ユニットを制御する制御ユニット間での通信データ量を削減し、高い応答性を実現することができるとともに、通信エラーに起因する誤動作を回避して快適な空調制御を行うことのできる車両用空調装置を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、風量を調整するブロアファンを備えた複数の空調ユニットと、前記各空調ユニットを制御する複数の制御ユニットとを有し、前記制御ユニットの1つであるマスタ制御ユニットが前記各制御ユニットにより制御される前記ブロアファンに対する目標風量制御データを算出し、前記各制御ユニットが通信線を介して前記マスタ制御ユニットから送信された前記目標風量制御データに基づいて前記ブロアファンを制御する車両用空調装置において、
前記マスタ制御ユニットに配設され、前記各制御ユニットに対する前記各目標風量制御データと、前記各制御ユニットに設定されていると予測される現在の各風量制御データとに基づき、前記各風量制御データを前記各目標風量制御データに徐々に近づけるべく遅延させた各風量遅延制御データを算出する第1風量遅延制御データ算出部と、
前記各制御ユニットに配設され、前記マスタ制御ユニットから前記通信線を介して送信された前記目標風量制御データと、前記各制御ユニットに設定されている現在の風量制御データとに基づき、前記風量制御データを前記目標風量制御データに徐々に近づけるべく遅延させた風量遅延制御データを算出する第2風量遅延制御データ算出部と、
所望の前記空調ユニットに対する風量指示情報を設定する風量指示情報設定部と、
前記マスタ制御ユニットに配設され、前記第1風量遅延制御データ算出部により算出された前記風量遅延制御データと、前記風量指示情報設定部により設定された前記風量指示情報とから、前記所望の空調ユニットの前記制御ユニットに対する前記目標風量制御データを修正する目標風量制御データ修正部と、
を備え、前記各制御ユニットは、前記第2風量遅延制御データ算出部により算出された前記各風量遅延制御データに基づいて前記ブロアファンを制御することを特徴とする。
この場合、マスタ制御ユニットに配設された第1風量遅延制御データ算出部は、各制御ユニットに設定されていると予測される現在の各風量制御データを各目標風量制御データに徐々に近づけるべく遅延させた各風量遅延制御データを算出する。一方、各制御ユニットに配設された第2風量遅延制御データ算出部は、設定されている現在の風量制御データをマスタ制御ユニットから通信線を介して送信された前記各目標風量制御データに徐々に近づけるべく遅延させた各風量遅延制御データを算出する。そして、各制御ユニットは、算出された各風量遅延制御データに基づいてブロアファンを制御し、各空調ユニットにおいて遅延制御による風量の調整を行う。
ここで、この遅延制御中において、風量指示情報設定部により所望の空調ユニットに対する風量指示情報の設定が行われた場合、マスタ制御ユニットの目標風量制御データ修正部は、第1風量遅延制御データ算出部により算出された風量遅延制御データと前記風量指示情報とから目標風量制御データを修正し、通信線を介して前記所望の空調ユニットの制御ユニットに送信する。修正された目標風量制御データを受信した制御ユニットは、第2風量遅延制御データ算出部において新たな風量遅延制御データを算出し、ブロアファンを制御する。
本発明によれば、マスタ制御ユニットと、それによって制御される他の制御ユニットとで風量遅延制御データの算出を独立に行うことにより、マスタ制御ユニットと他の制御ユニットとの間での通信データ量を少なくすることができるとともに、マスタ制御ユニットによって適切な目標風量制御データを算出し、他の制御ユニットに供給することができる。この結果、通信エラーの発生による風量の急激な変化を回避することができ、また、各空調ユニットを高精度に制御することができる。さらに、通信データ量が少ないため、通信線を増加させることなく、高い応答性を維持して良好な空調制御を行うことができる。
図1は、本実施形態の車両用空調装置20の構成を示す。
車両用空調装置20は、車両の前席側の空調を行う前席空調ユニット22と、後席側の空調を行う後席空調ユニット24とを備える。前席空調ユニット22は、前席空調用ECU(Electronic Control Unit)26(制御ユニット、マスタ制御ユニット)により制御され、後席空調ユニット24は、後席空調用ECU28(制御ユニット)により制御される。また、前席空調用ECU26には、前席パネルECU30を介して前席パネル32(風量指示情報設定部)が接続され、後席空調用ECU28には、後席パネルECU34を介して後席パネル36(風量指示情報設定部)が接続される。さらに、前席空調用ECU26、後席空調用ECU28、前席パネルECU30及び後席パネルECU34は、多重通信を行うための多重通信線38によって接続される。
前席空調ユニット22は、ダクト40の入口に配設され、内外気の切り換えを行うインテークドア42と、エアを入口から取り込んで前席に供給するブロアファン44と、ブロアファン44の下流に配設され、冷媒の蒸発に伴う吸熱作用によってエアを冷却するエバポレータ46と、エバポレータ46の下流に配設され、エンジンの冷却水の熱を利用してエアを加熱するヒータコア48と、エバポレータ46とヒータコア48との間に配設され、エバポレータ46を通過したエアのヒータコア48に対する供給量を調整するエアミックスドア50と、温度及び風量が調整されたエアをダクト40のデフロスト吹出口、ベント吹出口又はフット吹出口から選択的に導出させる吹出口ドア52、54、56とを備える。
ダクト40の入口には、車両の前席の内気温度を検出する前席内気温度センサ58と、車両の外気温度を検出する外気温度センサ60とが配設され、エバポレータ46には、エバポレータ46の温度を検出するエバポレータ温度センサ62が配設され、ヒータコア48には、ヒータコア48に供給される冷却水の温度を検出する水温センサ64が配設される。また、車両のウインドシールドの近傍には、日射センサ66が配設される。前席内気温度センサ58、外気温度センサ60、エバポレータ温度センサ62、水温センサ64及び日射センサ66によって検出されたセンサ情報は、前席空調用ECU26に供給される。
インテークドア42、エアミックスドア50、吹出口ドア52、54、56は、それぞれドア駆動モータ68、70、72、74、76によって切り換え制御が行われる。また、ブロアファン44は、ブロアファンモータ78によって回転制御される。ドア駆動モータ68、70、72、74、76及びブロアファンモータ78は、前席空調用ECU26によって制御される。
後席空調ユニット24には、ダクト80の入口側から、ブロアファン82、エバポレータ84、エアミックスドア86、ヒータコア88が順に配設され、出口側には、ベント吹出口又はフット吹出口から後席に対して選択的にエアを導出させる吹出口ドア90、92が配設される。
ダクト80の入口には、車両の後席の内気温度を検出する後席内気温度センサ94が配設され、エバポレータ84には、エバポレータ84の温度を検出するエバポレータ温度センサ96が配設され、ヒータコア88には、ヒータコア88に供給される冷却水の温度を検出する水温センサ98が配設される。後席内気温度センサ94、エバポレータ温度センサ96及び水温センサ98によって検出されたセンサ情報は、後席空調用ECU28に供給される。
エアミックスドア86、吹出口ドア90、92は、ドア駆動モータ100、102、104によって切り換え制御が行われる。また、ブロアファン82は、ブロアファンモータ106によって回転制御される。ドア駆動モータ100、102、104及びブロアファンモータ106は、後席空調用ECU28によって制御される。
前席パネルECU30によって制御される前席パネル32には、冷媒を圧縮するコンプレッサを駆動するA/Cスイッチ108、吹出口ドア52、54、56を制御して吹出モードを切り換えるモードスイッチ110、デフロスト吹出口を直接選択し、ブロアファンモータ78を駆動し、コンプレッサを駆動するデフロスト選択スイッチ112、インテークドア42を制御して内外気を切り換える内外気切換スイッチ114、熱線を制御してリアウインドの曇除去を行う曇除去スイッチ116、車両用空調装置20全体の電源をOFFにする電源OFFスイッチ118、車両用空調装置20の全体の電源をONにしてオートモードを選択するオートスイッチ120が配設される。また、前席パネル32には、ブロアファン44の回転を制御することで前席に対する風量を調整する風量調整ボタン122と、コンプレッサ(図示せず)及びエアミックスドア50を制御することで前席の内気温度を調整する温度調整ボタン124とが配設される。なお、前席空調用ECU26によって制御される前席空調ユニット22の状態は、表示部126に表示される。
後席パネルECU34によって制御される後席パネル36には、吹出口ドア90、92を制御して吹出モードを切り換えるモードスイッチ128、後席空調ユニット24の電源をOFFにする電源OFFスイッチ130、オートモードを選択するオートスイッチ132が配設される。また、後席パネル36には、ブロアファン82の回転を制御することで後席に対する風量を調整する風量調整ボタン134と、コンプレッサ及びエアミックスドア86を制御することで後席の内気温度を調整する温度調整ボタン136とが配設される。なお、後席空調用ECU28によって制御されている後席空調ユニット24の状態は、表示部138に表示される。
本実施形態の車両用空調装置20は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、風量制御を中心とした車両用空調装置20の動作につき、図2〜図4に示すフローチャート及び図5に示すタイミングチャートに基づいて説明する。
先ず、図2及び図3に従って前席空調ユニット22での風量制御動作を説明する。
前席の乗員が前席パネル32のオートスイッチ120を操作すると、前席空調ユニット22及び後席空調ユニット24の電源がONとなり(ステップS1)、前席空調ユニット22及び後席空調ユニット24のオートモードによる空調制御が開始される。
そこで、前席空調用ECU26は、先ず、各入力情報を取得する。
すなわち、前席空調用ECU26は、前席パネル32で設定されている前席パネル情報を前席パネルECU30を介して取得するとともに、後席パネル36で設定されている後席パネル情報を後席パネルECU34から多重通信線38を経由して取得する(ステップS2)。
また、前席空調用ECU26は、前席空調ユニット22における前席内気温度センサ58、外気温度センサ60、エバポレータ温度センサ62、水温センサ64、日射センサ66から各前席センサ情報を取得するとともに、後席空調ユニット24における後席内気温度センサ94、エバポレータ温度センサ96、水温センサ98から各後席センサ情報を多重通信線38を経由して取得する(ステップS3)。
前席空調用ECU26は、これらの各入力情報に基づき、インテークドア42による内外気の切換モード、エアミックスドア50、86の開度、吹出口ドア52、54、56、90、92による吹出モード、コンプレッサの駆動、非駆動の判断等の設定情報を算出する(ステップS4)。
次に、前席空調用ECU26は、ステップS2、S3で取得した入力情報が前回取得した入力情報に対して変化しているか否かを判定し(ステップS5)、変化していると判定した場合、先ず、前席及び後席のオートモードでの風量オート制御データを算出する(ステップS6)。例えば、前席パネル32の温度調整ボタン124が前席の乗員によって操作され、温度を低下させる指示がなされた場合、前席空調用ECU26は、前席のブロアファンモータ78の回転数を増加させる前席風量オート制御データを算出する。また、後席パネル36の温度調整ボタン136が後席の乗員によって操作され、温度を低下させる指示がなされた場合、前席空調用ECU26は、後席のブロアファンモータ106の回転数を増加させる後席風量オート制御データを算出する。
次いで、前席空調用ECU26は、前席パネル32から取得した前席パネル情報に従い、前席目標風量制御データを算出する(ステップS7)。
すなわち、前席空調用ECU26は、前席の乗員が前席パネル32の電源OFFスイッチ118を操作してブロアファン44の停止を要求している場合には(ステップS7a)、前席目標風量制御データを0に設定する(ステップS7b)。
また、電源OFFスイッチ118及び風量調整ボタン122が何れも操作されておらず、前席風量がオートモードでの制御状態のままである場合には(ステップS7c)、前席目標風量制御データをステップS6で算出した前席風量オート制御データに設定する(ステップS7d)。
一方、前席の乗員によって風量調整ボタン122が操作された場合(ステップS7e)、ブロアファンモータ78に設定されている現在の前席風量制御データを風量調整ボタン122による指示に従って増減させた前席風量マニュアル制御データを前席目標風量制御データに設定する(ステップS7f)。
同様に、前席空調用ECU26は、後席パネル36から多重通信線38を介して取得した後席パネル情報に従い、後席目標風量制御データを算出する(ステップS8)。
すなわち、前席空調用ECU26は、後席の乗員が後席パネル36の電源OFFスイッチ130を操作してブロアファン82の停止を要求している場合には(ステップS7a)、後席目標風量制御データを0に設定し(ステップS7b)、後席風量がオートモードでの制御状態のままである場合には(ステップS7c)、後席目標風量制御データをステップS6で算出した後席風量オート制御データに設定する(ステップS7d)。
また、後席の乗員によって風量調整ボタン134が操作された場合(ステップS7e)、後述するブロアファンモータ106に設定されているものと予測される現在の後席風量制御データを風量調整ボタン134による指示に従って増減させた後席風量マニュアル制御データを後席目標風量制御データに設定する(ステップS7f、目標風量制御データ修正部)。
次に、前席空調用ECU26は、前席空調ユニット22又は後席空調ユニット24において風量遅延制御の要求がなされているか否かを判定する(ステップS9)。ステップS1での前席空調ユニット22及び後席空調ユニット24のオート制御の開始時において、エバポレータ46又は84が十分な冷却能力を具備するに至っておらず、あるいは、ヒータコア48又は88が十分な加熱能力を具備するに至っていない場合、風量遅延制御が必要であると判定することができる。例えば、前席目標風量制御データと現在の前席風量制御データとの差が大きい場合、風量が急激に変化して乗員に不快感を与えるおそれがあるため、前席風量制御データを一度に前席目標風量制御データに追従させてしまうのではなく、徐々に前席風量制御データを変化させる風量遅延制御を行う。
そこで、ステップS9において、前席空調ユニット22で風量遅延制御の要求があると判定した場合、ブロアファンモータ78に設定されている現在の前席風量制御データから、ステップS7で算出した前席目標風量制御データまでの単位時間当たりの風量変化量を求め、この風量変化量により徐々に増加又は減少させた前席風量制御データを各時刻における前席風量遅延制御データとして算出する(ステップS10)。そして、前席空調ユニット22のブロアファンモータ78へ出力する電圧に対応する前席風量制御データを前席風量遅延制御データに設定する(ステップS11)。
また、ステップS9において、多重通信線38を介して後席空調用ECU28から送信された情報に基づき、後席空調ユニット24で風量遅延制御の要求があると判定した場合、後席空調ユニット24のブロアファンモータ106に設定されていると予測される現在の後席風量制御データから、ステップS8で算出した後席目標風量制御データまでの単位時間当たりの風量変化量を求め、この風量変化量により徐々に増加又は減少させた後席風量制御データを各時刻における後席風量遅延制御データとして算出する(ステップS12、第1風量遅延制御データ算出部)。そして、この後席風量遅延制御データにより後席のブロアファンモータ106が制御されているものと見なし、後席空調ユニット24のブロアファンモータ106へ出力する電圧に対応する予測される後席風量制御データを後席風量遅延制御データに設定する(ステップS13)。
一方、ステップS9において、前席空調ユニット22で風量遅延制御の要求がないと判定した場合には、前席風量制御データをステップS7で算出した前席目標風量制御データに設定する(ステップS14)。
また、後席空調ユニット24で風量遅延制御の要求がないと判定した場合には、ブロアファンモータ106がステップS8で算出した後席目標風量制御データにより制御されているものと見なせるため、予測される後席風量制御データをステップS8で算出した後席目標風量制御データに設定する(ステップS15)。
前席空調用ECU26は、ステップS8で算出した後席目標風量制御データを多重通信線38を介して後席空調用ECU28に送信する(ステップS16)。
一方、前席空調用ECU26は、ステップS4で設定した設定情報に基づき、インテークドア42の切換制御、エアミックスドア50の開度調整、各吹出口ドア52、54、56の切換制御、コンプレッサの駆動制御を行うとともに、ステップS11又はS14で設定した前席風量制御データに基づき、ブロアファンモータ78を駆動して前席空調ユニット22の風量制御を行う(ステップS17)。
以上のようにして前席空調用ECU26による前席空調ユニット22の空調制御が行われ、前席の乗員が電源OFFスイッチ118を操作した場合、前席空調ユニット22及び後席空調ユニット24の動作が停止する(ステップS18)。
次に、図4及び図5に従って後席空調ユニット24での風量制御動作を説明する。
前席の乗員が前席パネル32のオートスイッチ120を操作し、後席空調ユニット24の電源がONになると(ステップS21)、後席空調用ECU28は、前席空調用ECU26のステップS8の処理で算出され、ステップS16の処理で多重通信線38を介してパケットデータとして送信された後席目標風量制御データを取得する(ステップS22)。
次に、後席空調用ECU28は、後席空調ユニット24において風量遅延制御の要求がなされているか否かを判定する(ステップS23)。
ステップS23において、後席空調ユニット24で風量遅延制御の要求があると判定した場合、ブロアファンモータ106に設定されている現在の後席風量制御データからステップS22で取得した後席目標風量制御データまでの単位時間当たりの風量変化量を求め、この風量変化量により徐々に増加又は減少させた後席風量制御データを各時刻における後席風量遅延制御データとして算出する(ステップS24、第2風量遅延制御データ算出部)。そして、後席風量制御データを後席風量遅延制御データに設定する(ステップS25)。また、風量遅延制御の要求がないと判定した場合には、後席風量制御データを後席目標風量制御データに設定する(ステップS26)。
後席空調用ECU28は、ステップS4で設定した設定情報に基づき、エアミックスドア86の開度調整、各吹出口ドア90、92の切換制御、コンプレッサの駆動制御を行うとともに、ステップS25又はS26で算出した後席風量制御データに基づき、ブロアファンモータ106を駆動して後席空調ユニット24の風量制御を行う(ステップS27)。
例えば、図5に示すように、後席空調用ECU28は、当初、後席目標風量制御データD1でブロアファンモータ106を駆動制御しており、そのときのブロアファンモータ106に供給される後席風量制御データもD1であるとし、時刻t1において、パケットデータとして後席目標風量制御データD2を前席空調用ECU26から取得したとする。この場合、D2>D1であり、風量遅延制御が要求されたとすると、後席空調用ECU28は、後席風量制御データD1と後席目標風量制御データD2とから、後席風量制御データD1を徐々に増加させる後席風量遅延制御データを算出する。そして、この後席風量遅延制御データに従ってブロアファンモータ106を駆動制御し、ブロアファン82を遅延制御することで後席の乗員に対して風量を徐々に増加させて供給する。
一方、以上のようにして風量遅延制御を行っているとき、例えば、時刻t2において、後席の乗員が送風量の不足を感じて風量調整ボタン134を操作し、風量の増加を指示した場合、その情報が後席パネル情報として多重通信線38を介して前席空調用ECU26に送信される。前席空調用ECU26は、送信された後席パネル情報を取得し(ステップS2)、後席目標風量制御データを算出する(ステップS8)。
この場合、前席空調用ECU26は、予測される後席風量遅延制御データを後席空調用ECU28のステップS24の処理と並行して算出しているため(ステップS12)、現在の後席風量制御データを後席空調用ECU28から取得することなく後席目標風量制御データを算出することができる。すなわち、前席空調用ECU26は、風量調整ボタン134が操作された時刻t2において算出した後席風量遅延制御データを後席風量制御データDmの予測データとし、この予測データを風量調整ボタン134による指示に従って増減させた後席風量マニュアル制御データを後席目標風量制御データD3として算出する(ステップS7f)。そして、次の送信タイミングである時刻t3において、後席目標風量制御データD3をパケットデータとして後席空調用ECU28に送信する。
このように、前席空調用ECU26は、後席空調ユニット24のブロアファンモータ106の後席風量制御データを後席空調用ECU28からリアルタイムで受信し、そのデータを用いて後席目標風量制御データを算出するのではなく、ステップS12で算出した予測データとしての後席風量遅延制御データを用いて、後席空調用ECU28からデータを受信することなく後席目標風量制御データを算出している。従って、多重通信線38における通信エラーの影響を受けることなく、後席目標風量制御データを安定して算出することができる。この場合、多重通信線38によって送受信するデータ量が少ないため、応答性が高く、且つ、コストの低廉化を実現することもできる。
一方、後席空調用ECU28は、新たな後席目標風量制御データD3を取得するまでの時刻t2からt3までの間、前回に取得した後席目標風量制御データに基づく後席風量遅延制御データによりブロアファンモータ106を駆動制御する。そして、時刻t3において新たな後席目標風量制御データD3を取得すると(ステップS22)、その時点での後席風量制御データDnから後席風量遅延制御データを再度算出し(ステップS24)、この後席風量遅延制御データに従ってブロアファンモータ106を駆動制御する。なお、風量調整ボタン134が操作されて風量遅延制御を行う場合には、所望の風量を迅速に達成することができるよう、単位時間当たりの風量変化量を増加させると好適である。
ここで、後席空調用ECU28には、前席空調用ECU26が後席の遅延制御を考慮して算出した適性な後席目標風量制御データが送信されるため、後席の乗員によって風量が変更された場合であっても、風量が急激に変動してしまう不具合が生じることがない。また、後席風量の遅延制御中に通信エラーが生じた場合であっても、後席空調用ECU28が前席空調用ECU26から一旦後席目標風量制御データを取得していれば、通信に頼ることなく、時間毎の後席風量遅延制御データを後席空調用ECU28が単独で算出することができる。従って、通信エラー中であっても、風量を徐々に変化させることができるため、通信エラーの前後で風量が急激に変化して乗員に不快感を与える事態を回避することができる。
以上のようにして後席空調ユニット24の空調制御が行われ、後席の乗員が電源OFFスイッチ130を操作した場合、後席空調ユニット24の動作が停止する(ステップS28)。
なお、上述した実施形態では、前席空調用ECU26及び後席空調用ECU28の2つの制御ユニットからなり、前席空調用ECU26をマスタ制御ユニットとして後席空調用ECU28の制御を行うように構成しているが、マスタ制御ユニットが2つ以上の複数の制御ユニットを制御する場合にも適用することができる。
本実施形態の車両用空調装置の構成図である。 図1に示す前席空調用ECUによる処理フローチャートである。 図2に示す処理フローチャートにおける目標風量制御データを設定するサブルーチンである。 図1に示す後席空調用ECUによる処理フローチャートである。 図1に示す後席空調ユニットのタイミングチャートである。 従来技術に係る車両用空調装置の概略構成図である。
符号の説明
20…車両用空調装置 22…前席空調ユニット
24…後席空調ユニット 26…前席空調用ECU
28…後席空調用ECU 30…前席パネルECU
32…前席パネル 34…後席パネルECU
36…後席パネル 38…多重通信線
78、106…ブロアファンモータ 44、82…ブロアファン

Claims (4)

  1. 風量を調整するブロアファンを備えた複数の空調ユニットと、前記各空調ユニットを制御する複数の制御ユニットとを有し、前記制御ユニットの1つであるマスタ制御ユニットが前記各制御ユニットにより制御される前記ブロアファンに対する目標風量制御データを算出し、前記各制御ユニットが通信線を介して前記マスタ制御ユニットから送信された前記目標風量制御データに基づいて前記ブロアファンを制御する車両用空調装置において、
    前記マスタ制御ユニットに配設され、前記各制御ユニットに対する前記各目標風量制御データと、前記各制御ユニットに設定されていると予測される現在の各風量制御データとに基づき、前記各風量制御データを前記各目標風量制御データに徐々に近づけるべく遅延させた各風量遅延制御データを算出する第1風量遅延制御データ算出部と、
    前記各制御ユニットに配設され、前記マスタ制御ユニットから前記通信線を介して送信された前記目標風量制御データと、前記各制御ユニットに設定されている現在の風量制御データとに基づき、前記風量制御データを前記目標風量制御データに徐々に近づけるべく遅延させた風量遅延制御データを算出する第2風量遅延制御データ算出部と、
    所望の前記空調ユニットに対する風量指示情報を設定する風量指示情報設定部と、
    前記マスタ制御ユニットに配設され、前記第1風量遅延制御データ算出部により算出された前記風量遅延制御データと、前記風量指示情報設定部により設定された前記風量指示情報とから、前記所望の空調ユニットの前記制御ユニットに対する前記目標風量制御データを修正する目標風量制御データ修正部と、
    を備え、前記各制御ユニットは、前記第2風量遅延制御データ算出部により算出された前記各風量遅延制御データに基づいて前記ブロアファンを制御することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記目標風量制御データ修正部は、前記風量遅延制御データを前記風量指示情報に基づいて修正し、前記目標風量制御データとすることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記各空調ユニットは、車両に搭載される前席空調ユニット及び後席空調ユニットからなることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1記載の装置において、
    前記通信線は、多重通信線からなることを特徴とする車両用空調装置。
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