JP6540881B2 - 車両用空調装置を制御する空調制御装置 - Google Patents

車両用空調装置を制御する空調制御装置 Download PDF

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Description

関連出願への相互参照
本出願は、2016年3月11日に出願された日本特許出願番号2016−48559号に基づくもので、ここにその記載内容が参照により組み入れられる。
本開示は、車両用空調装置を制御する空調制御装置に関するものである。
従来、特許文献1に、車両用空調装置と空調制御装置とを備えた車両用空調システムが知られている。車両用空調装置は、車両の車室内に送風空気を吹き出す。空調制御装置は、車両用空調装置を制御することで、車室内を冷房する冷房モードと車室内を暖房する暖房モードとを、切り替えることができる。
このような空調制御装置には、以下のような制御を行うものがある。まず、外気温が強制暖房閾値より高い場合、乗員によって設定された車室内の設定温度に基づいて、冷房モードと暖房モードのうちいずれか一方を選択する。また、外気温が強制暖房閾値より低いことに基づいて、設定温度に関わらず暖房モードを選択する。それと共に、設定温度が基準値を下回る量が大きくなるほど車両用空調装置の車室内への送風能力を増大させる。以下、このような制御を行う空調制御装置を第1従来技術の空調制御装置という。
また、上記のような空調制御装置には、以下のような制御を行うものもある。まず、外気温が強制冷房閾値より低い場合、乗員によって設定された車室内の設定温度に基づいて、冷房モードと暖房モードのうちいずれか一方を選択する。また、外気温が強制冷房閾値より高いことに基づいて、設定温度に関わらず冷房モードを選択する。それと共に、設定温度が基準値を上回る量が大きくなるほど車両用空調装置の車室内への送風能力を増大させる。以下、このような制御を行う空調制御装置を第2従来技術の空調制御装置という。
特開2015−116934号公報
発明者の検討によれば、これらのような車両用空調装置においては、下記のような現象が発生し得る。
既に説明した通り、第1従来技術の空調制御装置は、外気温が強制暖房閾値より低い場合、設定温度によらずに暖房モードを選択する。このような場合において、希なケースとして、乗員が設定温度を大きく下げる場合がある。このような操作が行われた場合、乗員としては、車室内が暖まり過ぎているので、暖房が弱まることを期待していると考えられる。
しかし、第1従来技術の空調制御装置は、このような外気温の状況でこのように設定温度が低下すると、暖房モードを維持しながら温風を車室内に大風量で吹き出てしまう。つまり、乗員の意図と全く逆の事態が発生する。
また、既に説明した通り、第2従来技術の空調制御装置は、外気温が強制冷房閾値より高い場合、設定温度によらずに冷房モードを選択する。このような場合において、希なケースとして、乗員が設定温度を大きく上げる場合がある。このような操作が行われた場合、乗員としては、車室内が冷え過ぎているので、冷房が弱まることを期待していると考えられる。
しかし、第1従来技術の空調制御装置は、このような外気温の状況でこのように設定温度が上昇すると、冷房モードを維持しながら冷風を車室内に大風量で吹き出てしまう。つまり、乗員の意図と全く逆の事態が発生する。
本開示は、外気温が低いため設定温度によらず暖房モードが選択されており、かつ、設定温度が低下した場合に、乗員の意図から外れる空調動作を抑制することを第1の目的とする。また、外気温が高いため設定温度によらず冷房モードが選択されており、かつ、設定温度が上昇した場合に、乗員の意図から外れる空調動作を抑制することを第2の目的とする。
本開示の1つの観点によれば、空調制御装置は、車両の車室内に送風空気を吹き出す空調装置を制御することで、前記車両用空調装置によって前記車室内を冷房する冷房モードと、前記車両用空調装置によって前記車室内を暖房する暖房モードと、を切り替え可能な空調制御装置である。空調制御装置は、
通常制御部と、
特別制御部と、を備え、
前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が強制暖房閾値より高い場合、前記車両の乗員によって設定された車室内の設定温度に基づいて、前記冷房モードと前記暖房モードのうちいずれか一方を選択すると共に、前記設定温度が基準値を下回る量が大きくなるほど前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を増大させ、
前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低いことに基づいて、前記設定温度に関わらず前記暖房モードを選択し、
前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記車両用空調装置の目標吹出温度が規定吹出低温より低いことに基づいて、前記車室内の暖房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御する
別の観点によれば、空調制御装置は、
通常制御部と、
特別制御部と、を備え、
前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が強制暖房閾値より高い場合、前記車両の乗員によって設定された車室内の設定温度に基づいて、前記冷房モードと前記暖房モードのうちいずれか一方を選択すると共に、前記設定温度が基準値を下回る量が大きくなるほど前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を増大させ、
前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低いことに基づいて、前記設定温度に関わらず前記暖房モードを選択し、
前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記車両用空調装置の目標吹出温度が規定吹出低温より低いことに基づいて、前記車室内の暖房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御する。
更に別の観点によれば、空調制御装置は、
通常制御部と、
特別制御部と、を備え、
前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が強制暖房閾値より高い場合、前記車両の乗員によって設定された車室内の設定温度に基づいて、前記冷房モードと前記暖房モードのうちいずれか一方を選択すると共に、前記設定温度が基準値を下回る量が大きくなるほど前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を増大させ、
前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低いことに基づいて、前記設定温度に関わらず前記暖房モードを選択し、
前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記車室内の暖房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御すると共に前記設定温度を低下させたことが誤操作であると前記乗員に気づかせる制御を行う。
更に別の観点によれば、空調制御装置は、
通常制御部と、
特別制御部と、を備え、
前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が強制暖房閾値より高い場合、前記車両の乗員によって設定された車室内の設定温度に基づいて、前記冷房モードと前記暖房モードのうちいずれか一方を選択すると共に、前記設定温度が基準値を下回る量が大きくなるほど前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を増大させ、
前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低いことに基づいて、前記設定温度に関わらず前記暖房モードを選択し、
前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記車室内の暖房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御し、
前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記車室内の暖房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御する方法を、前記乗員の操作に基づいて選択する。
このように、通常制御部は、外気温が強制暖房閾値よりも高いとき、設定温度が基準値を下回る量が大きくなるほど車両用空調装置の車室内への送風能力を増大させる。また、通常制御部は、外気温が強制暖房閾値より低いことに基づいて、設定温度に関わらず暖房モードを選択する。しかし、外気温が強制暖房閾値より低く且つ通常制御部が暖房モードを選択しているときに、設定温度が低下した場合、特別制御部は、車両の車室内の暖房効果が低減されるように車両用空調装置を制御する。
このように、暖房運転時に、暖房効果に関して特別制御部が通常制御部と異なる制御を行う。これにより、外気温が低いため設定温度によらず暖房モードが選択されており、かつ、設定温度が低下した場合に、乗員の意図から外れる空調動作が抑制される。すなわち、暖房を抑制したいという乗員の意図が反映された作動が実現する。
他の観点によれば、空調制御装置は、車両の車室内に送風空気を吹き出す空調装置を制御することで、前記車両用空調装置によって前記車室内を冷房する冷房モードと、前記車両用空調装置によって前記車室内を暖房する暖房モードと、を切り替え可能である。空調制御装置は、
通常制御部と、
特別制御部と、を備え、
前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が強制冷房閾値より低い場合、前記車両の乗員によって設定された車室内の設定温度に基づいて、前記冷房モードと前記暖房モードのうちいずれか一方を選択すると共に、前記設定温度が基準値を上回る量が大きくなるほど前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を増大させ、
前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高いことに基づいて、前記設定温度に関わらず前記冷房モードを選択し、
前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高く且つ前記通常制御部が前記冷房モードを選択しているときに、前記設定温度が上昇した場合、前記特別制御部は、前記車両用空調装置の目標吹出温度が規定吹出高温より高いことに基づいて、前記車室内の冷房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御する
更に他の観点によれば、空調制御装置は、
通常制御部と、
特別制御部と、を備え、
前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が強制冷房閾値より低い場合、前記車両の乗員によって設定された車室内の設定温度に基づいて、前記冷房モードと前記暖房モードのうちいずれか一方を選択すると共に、前記設定温度が基準値を上回る量が大きくなるほど前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を増大させ、
前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高いことに基づいて、前記設定温度に関わらず前記冷房モードを選択し、
前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高く且つ前記通常制御部が前記冷房モードを選択しているときに、前記設定温度が上昇した場合、前記特別制御部は、前記設定温度が規定設定高温より高いことに基づいて、前記車室内の冷房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御する空調制御装置。
更に他の観点によれば、空調制御装置は、
通常制御部と、
特別制御部と、を備え、
前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が強制冷房閾値より低い場合、前記車両の乗員によって設定された車室内の設定温度に基づいて、前記冷房モードと前記暖房モードのうちいずれか一方を選択すると共に、前記設定温度が基準値を上回る量が大きくなるほど前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を増大させ、
前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高いことに基づいて、前記設定温度に関わらず前記冷房モードを選択し、
前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高く且つ前記通常制御部が前記冷房モードを選択しているときに、前記設定温度が上昇した場合、前記特別制御部は、前記設定温度が規定設定高温より高いことに基づいて、前記車室内の冷房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御すると共に前記設定温度を上昇させたことが誤操作であると前記乗員に気づかせる制御を行う。
更に他の観点によれば、空調制御装置は、
通常制御部と、
特別制御部と、を備え、
前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が強制冷房閾値より低い場合、前記車両の乗員によって設定された車室内の設定温度に基づいて、前記冷房モードと前記暖房モードのうちいずれか一方を選択すると共に、前記設定温度が基準値を上回る量が大きくなるほど前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を増大させ、
前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高いことに基づいて、前記設定温度に関わらず前記冷房モードを選択し、
前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高く且つ前記通常制御部が前記冷房モードを選択しているときに、前記設定温度が上昇した場合、前記特別制御部は、前記設定温度が規定設定高温より高いことに基づいて、前記車室内の冷房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御し、
前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高く且つ前記通常制御部が前記冷房モードを選択しているときに、前記設定温度が上昇した場合、前記特別制御部は、前記車室内の冷房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御する方法を、前記乗員の操作に基づいて選択する。
このように、通常制御部は、外気温が強制冷房閾値よりも低いとき、設定温度が基準値を上回る量が大きくなるほど車両用空調装置の車室内への送風能力を増大させる。また、通常制御部は、外気温が強制冷房閾値より高いことに基づいて、設定温度に関わらず冷房モードを選択する。しかし、外気温が強制冷房閾値より高く且つ通常制御部が冷房モードを選択しているときに、設定温度が上昇した場合、特別制御部は、車両の車室内の冷房効果が低減されるように車両用空調装置を制御する。
このように、冷房運転時に、冷房効果に関して特別制御部が通常制御部と異なる制御を行う。これにより、外気温が低いため設定温度によらず暖房モードが選択されており、かつ、設定温度が低下した場合に、乗員の意図から外れる空調動作が抑制される。すなわち、暖房を抑制したいという乗員の意図が反映された作動が実現する。
冷凍サイクル装置を備える車両用空調システムの全体構成図である。 空調制御装置を示すブロック図である。 嗜好設定部の構成を示す図である。 空調制御装置が実行する空調制御処理の流れを示すフローチャートである。 目標吹出温度とブロワレベルの関係を示すマップである。 目標吹出温度と吹出口モードの関係を示すマップである。 運転モード決定処理のフローチャートである。 内気温と運転モードの関係を示すマップである。 オーバーライド処理のフローチャートである。 LL制御要時と判定する時点における作動状態、およびHH制御要時と判定する時点における作動状態を示す図である。 LL制御の内容を示す図である。 HH制御の内容を示す図である。
以下、実施形態について説明する。本実施形態に係る車両用空調装置システムは、車両に搭載され、車両用空調装置1および空調制御装置50を有している。この車両は、電動車両である。電動車両は、走行用の動力を発生する原動機として、電動モータを有する。また、電動車両は、走行用の動力を発生する原動機として、熱機関を有さない。なお、当該電動モータと車両用空調装置1は、車両の同じバッテリから電力供給を受ける。
車両用空調装置1は、この車両における空調対象空間である車室内を冷房する冷房モード、車室内を暖房する暖房モードに切替可能に構成されている。図1に示すように、車両用空調装置1は、主たる構成要素として、冷凍サイクル装置10および室内空調ユニット30を備えている。
冷凍サイクル装置10は、圧縮機11、室内凝縮器12、第1膨張弁13a、高圧側開閉弁13b、室外熱交換器14、三方弁15、第2膨張弁18、室内蒸発器19、およびアキュムレータ22を備える蒸気圧縮式の冷凍サイクルで構成されている。冷凍サイクル装置10は、ヒートポンプサイクルである。
本実施形態の冷凍サイクル装置10では、冷媒としてHFC系冷媒(例えば、R134a)を採用しており、サイクル内の高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない蒸気圧縮式の亜臨界冷凍サイクルを構成している。勿論、冷媒としては、HFO系冷媒(例えば、R1234yf)等を採用してもよい。
圧縮機11は、冷凍サイクル装置10において、冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。圧縮機11は、図示しない圧縮機構を図示しない電動モータにて駆動する電動圧縮機である。圧縮機構としては、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用することができる。圧縮機11の作動は空調制御装置50の制御信号によって制御される。
圧縮機11の冷媒吐出口側には、室内凝縮器12が接続されている。室内凝縮器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を放熱させる放熱器である。本実施形態の室内凝縮器12は、室内空調ユニット30の空調ケース31内に配置されている。室内凝縮器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を送風空気と熱交換させて、室内蒸発器19を通過した後の送風空気を加熱する熱交換器である。
室内凝縮器12の冷媒出口側には、室内凝縮器12から流出した冷媒の流れを分岐する高圧側分岐部23が接続されている。高圧側分岐部23は、3つの出入口のうち、1つを冷媒流入口とし、し、残りの2つを冷媒流出口とする三方継手で構成されている。
高圧側分岐部23の一方の冷媒流出口には第1膨張弁13aが接続され、他方の冷媒流出口に高圧側開閉弁13bが接続されている。
第1膨張弁13aは、室内凝縮器12から流出した高圧冷媒を減圧する固定絞りである。第1膨張弁13aから流出した冷媒は室外熱交換器14に流入する。高圧側開閉弁13bは、第1膨張弁13aを迂回する通路を開閉する通路開閉弁である。高圧側開閉弁13bは、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
冷媒が高圧側開閉弁13bを通過する際に生じる圧力損失は、冷媒が第1膨張弁13aを通過する際に生じる圧力損失に対して極めて小さい。したがって、室内凝縮器12から流出した冷媒は、高圧側開閉弁13bが開いている場合には主として高圧側開閉弁13bを介して室外熱交換器14へ流入し、高圧側開閉弁13bが閉じている場合には第1膨張弁13aのみを介して室外熱交換器14へ流入する。
これにより、第1膨張弁13aと高圧側開閉弁13bで構成される減圧部は、高圧側開閉弁13bの開閉により、減圧作用を発揮する絞り状態と、減圧作用を発揮しない全開状態とに変更することが可能となっている。
室外熱交換器14は、車両のボンネットの内部空間に配置されて、第1膨張弁13aまたは高圧側開閉弁13bから流出した冷媒と室外ファン14aから送風される外気とを熱交換させる熱交換器である。外気は、車室外の空気である。
室外熱交換器14は、暖房モード時に、第1膨張弁13aを通過した低圧冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する。また、室外熱交換器14は、冷房モード時に、高圧側開閉弁13bを通過した高圧冷媒を放熱させる放熱器として機能する。
室外ファン14aは、外気を室外熱交換器14に流入させる送風装置である。本実施形態の室外ファン14aは、空調制御装置50から出力される制御信号によって制御される電動ファンで構成されている。
室外熱交換器14の冷媒出口側には、室外熱交換器14から流出した冷媒の流れを分岐する三方弁15が接続されている。三方弁15は、その冷媒入口側が室外熱交換器14の冷媒出口側に接続されている。三方弁15の2つの冷媒出口は、それぞれ、低圧冷媒通路16および低圧バイパス通路17に接続されている。
三方弁15は、冷房状態と暖房状態の間で切り替わる。冷房状態では、室外熱交換器14から流出した冷媒は、三方弁15を通って、低圧冷媒通路16、低圧バイパス通路17のうち低圧冷媒通路16のみに導かれる。暖房状態では、室外熱交換器14から流出した冷媒は、三方弁15を通って、低圧冷媒通路16、低圧バイパス通路17のうち低圧バイパス通路17のみに導かれる。暖房状態と冷房状態の間の切り替えは、空調制御装置50から出力される制御信号によって制御される。
低圧冷媒通路16は、第2膨張弁18、および室内蒸発器19を介して後述するアキュムレータ22へ冷媒を導く冷媒通路である。第2膨張弁18は、放熱器として機能する室外熱交換器14から流出した冷媒を減圧する固定絞りである。
室内蒸発器19は、室内空調ユニット30の空調ケース31内のうち、室内凝縮器12の空気流れ上流側に配置されている。室内蒸発器19は、第2膨張弁18を通過した低圧冷媒を蒸発させる蒸発器である。室内蒸発器19は、第2膨張弁18を通過した低圧冷媒を、室内凝縮器12を通過する前の送風空気と熱交換させ、低圧冷媒を蒸発させることにより、送風空気を冷却する。
低圧バイパス通路17は、第2膨張弁18および室内蒸発器19を迂回してアキュムレータ22へ冷媒を導く冷媒通路である。本実施形態では、三方弁15が、室外熱交換器14から流出した冷媒の冷媒通路を、低圧冷媒通路16および低圧バイパス通路17のいずれかに切り替える通路切替部として機能する。
低圧冷媒通路16における室内蒸発器19の下流側、かつ、低圧バイパス通路17における三方弁15の下流側には、低圧側合流部21が接続されている。低圧側合流部21において、低圧冷媒通路16と低圧バイパス通路17が合流している。低圧側合流部21は、三方継手で構成されている。この三方継手が有する3つの出入口のうち、1つが冷媒流出口であり、残りの2つが冷媒流入口である。2つの冷媒流入口のうち1つが低圧冷媒通路16に接続され、他の1つが低圧バイパス通路17に接続される。
低圧側合流部21の冷媒流出口側には、アキュムレータ22が接続されている。アキュムレータ22は、その内部に流入した冷媒の気液を分離して、分離された気相冷媒と、冷媒中に含まれる潤滑油とを、圧縮機11の冷媒吸入口側に流出させる。
アキュムレータ22は、その内部で分離された液相冷媒を、サイクル内の余剰冷媒として貯留する。従って、アキュムレータ22は、圧縮機11に液相冷媒が吸入されることを抑制して、圧縮機11における液圧縮を防止する機能を果たす。
次に、室内空調ユニット30について説明する。室内空調ユニット30は、車室内最前部の計器盤(すなわちインストルメントパネル)の内側に配置されている。室内空調ユニット30は空調ケース31を有する。空調ケース31は、室内空調ユニット30の外殻を形成するとともに、車室内への送風空気の空気通路を形成する。
空調ケース31の空気流れ最上流側には、車室内の空気(すなわち内気)と外気のうち一方または両方を送風空気として導入する内外気切替装置32が配置されている。内外気切替装置32は、内気の導入口および外気の導入口の開口面積を、内外気切替ドアで調整する。これにより、内外気切替装置32は、空調ケース31内へ導入された送風空気における内気の風量の外気の風量に対する風量割合(すなわち、内気割合)を変化させる装置である。
内気モードの場合、内外気切替装置32は、外気の導入口を塞ぎ、内気の導入口を全開とする。したがって、内気モードでは、内気の風量の外気の風量に対する風量割合は、1対0(すなわち上限値)である。外気モードの場合、内外気切替装置32は、内気の導入口を塞ぎ、外気の導入口を全開とする。したがって、外気モードでは、内気の風量の外気の風量に対する風量割合は、0対1(すなわち下限値)である。
内外気切替装置32の空気流れ下流側には、内外気切替装置32から導入される送風空気を車室内へ流す送風機33が配置されている。送風機33は、シロッコファン等の遠心ファン33aを電動モータ33bにて駆動する電動送風機である。送風機33は、空調制御装置50から出力される制御電圧によって送風能力(例えば、回転数)が制御される。
送風機33の空気流れ下流側には、室内蒸発器19、および室内凝縮器12が、送風空気の流れに対して、室内蒸発器19、および室内凝縮器12の順に配置されている。換言すると、室内蒸発器19は、室内凝縮器12に対して空気流れ上流側に配置されている。
空調ケース31内には、室内蒸発器19通過後の送風空気を流す冷風バイパス通路34が設けられている。冷風バイパス通路34を通る送風空気は、室内凝縮器12を迂回して流れる。また、空調ケース31内には、室内蒸発器19の空気流れ下流側であって、かつ、室内凝縮器12の空気流れ上流側にA/Mドア35が配置されている。
A/Mドア35は、室内蒸発器19通過後の送風空気のうち、室内凝縮器12を通過させる風量の、冷風バイパス通路34を通過させる風量に対する風量割合(すなわち、暖風割合)を調整する。MAXCOOL状態では、室内凝縮器12を通過させる風量の冷風バイパス通路34を通過させる風量に対する風量割合は0対1(すなわち下限値)である。A/Mドア35が図1に破線で示す姿勢になったとき、MAXCOOL状態が実現する。
MAXHOT状態では、室内凝縮器12を通過させる風量の、冷風バイパス通路34を通過させる風量に対する風量割合は、1対0(すなわち上限値)である。A/Mドア35が図1に実線で示す姿勢になったとき、MAXHOT状態が実現する。
MAXHOT状態とMAXCOOL状態の切り替えにより、A/Mドア35は、車室内へ吹き出す空気の温度を調整する。A/Mドア35は、空調制御装置50から出力される制御信号によって作動が制御される。
また、室内凝縮器12の空気流れ下流側には、PTCヒータ24が配置されている。PTCヒータ24は、PTC素子を有する。PTCヒータ24は、このPTC素子に電力が供給されることによって発熱して、PTCヒータ24の周囲を通る空気を加熱する。PTCヒータ24の作動は、空調制御装置50によって制御される。
また、室内凝縮器12および冷風バイパス通路34の空気流れ下流側には、室内凝縮器12を通過した温風、並びに、冷風バイパス通路34を通過した冷風を合流させる図示しない合流空間が形成されている。
空調ケース31の空気流れ最下流部には、合流空間にて合流した送風空気を、車室内へ吹き出す複数の開口穴が形成されている。図示しないが、空調ケース31には、開口穴として、車両前面の窓ガラスの内面に向けて空気を吹き出すデフロスタ開口穴、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すFACE開口穴、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すFOOT開口穴が形成されている。
また、各開口穴の空気流れ上流側には、各開口穴の開口面積を調整する吹出モードドアとして、周知のDEFドア、FACEドア、FOOTドアが配置されている。これら吹出モードドアは、図示しないリンク機構等を介して、空調制御装置50から出力される制御信号によってその作動が制御されるアクチュエータにより駆動される。
さらに、各開口穴の空気流れ下流側は、それぞれ空気通路を形成するダクトを介して、車室内に設けられたFACE吹出口、FOOT吹出口、およびデフロスタ吹出口に接続されている。
次に、本実施形態の冷凍サイクル装置10の電子制御部について、図2を用いて説明する。空調制御装置50は、CPU、ROM、およびRAM等のメモリを含むマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。空調制御装置50は、メモリに記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。メモリは、非遷移的実体的記録媒体である。非遷移的実体的記録媒体は、一時的でない有形の記憶媒体(すなわち、non-transitory
tangible storage media)である。そして、空調制御装置50は、各種演算、処理に基づいて、出力側に接続された各種空調用の制御機器の作動を制御する。
空調制御装置50の入力側には、空調制御用のセンサ群が接続されている。具体的には、空調制御装置50には、車両内外における環境の状態を検出するセンサとして、内気温を検出する内気センサ、外気温を検出する外気センサ、車室内への日射量を検出する日射センサ等が接続されている。内気温は、車室内の空気である。外気温は、車室外の空気である。
また、空調制御装置50には、冷凍サイクル装置10の作動状態を検出するセンサが接続されている。具体的には、空調制御装置50には、第1温度センサ51、第2温度センサ52、冷媒圧力センサ53等が接続されている。第1温度センサ51は、室内蒸発器19通過後の空気温度を検出する。第2温度センサ52は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒の温度を検出する。冷媒圧力センサ53は、室内凝縮器12通過後の冷媒圧力を検出する。
なお、説明の便宜上、本実施形態では、室内蒸発器19通過後の空気温度を蒸発器温度Teと呼ぶことがある。また、本実施形態では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒の温度を吐出冷媒温度Thと呼ぶことがある。さらに、本実施形態では、室内凝縮器12通過後の冷媒圧力を吐出冷媒圧力Phと呼ぶことがある。
空調制御装置50には、各種空調操作スイッチが配置された操作パネル60が接続されている。空調制御装置50には、操作パネル60の各種空調操作スイッチに対する操作状態を示す信号が入力される。操作パネル60には、車両の乗員が操作可能なオート設定スイッチ60a、マニュアル設定部60b、温度設定スイッチ60c、嗜好設定部60dが設けられている。
オート設定スイッチ60aは、各種制御機器を自動的に制御するオート空調をオンに設定するためのスイッチである。マニュアル設定部60bは、各種制御機器の個々の作動内容をマニュアル設定するためのスイッチ群である。温度設定スイッチ60cは、オート空調のオン時、オフ時の両方において、車室内の目標温度の設定値である設定温度Tsetを設定するためのスイッチである。
嗜好設定部60dは、図3に示すように、気づきスイッチ600、省エネルギースイッチ601、フィーリングスイッチ602を有している。気づきスイッチ600は、気づき重視設定のオン、オフを切り替えるトグルスイッチである。省エネルギースイッチ601は、省エネルギー重視設定のオン、オフを切り替えるトグルスイッチである。フィーリングスイッチ602は、フィーリング重視設定のオン、オフを切り替えるトグルスイッチである。
本実施形態の空調制御装置50は、出力側に接続された各種制御対象機器の作動を制御する。制御対象機器は、圧縮機11、高圧側開閉弁13b、室外ファン14a、三方弁15、第2膨張弁18、内外気切替装置32、電動モータ33b、A/Mドア35である。
次に、上記構成における冷凍サイクル装置10および車両用空調装置1の作動について説明する。本実施形態の車両用空調装置1は、空調制御装置50が実行する空調制御処理により、冷房モード、暖房モードに切り替え可能となっている。
空調制御装置50が実行する空調制御処理については、図4に示すフローチャートを参照して説明する。空調制御処理は空調制御装置50に対して電力が供給されている状態で、実行される。なお、以下では、オート設定スイッチ60aが操作されてオート空調がオンに設定されている場合の作動について説明する。
空調制御装置50は、空調制御処理を開始すると、まずステップS100で、初期化処理を行う。初期化処理では、メモリに記憶されたフラグ、タイマ等の初期化や、各種制御機器の初期位置を合わせる制御を行う。空調制御装置50は、ステップS100の後は、ステップS110からステップS230までの処理を制御周期毎に繰り返す。
ステップS110では、操作パネル60に対する乗員の操作状態を取得する。続いてステップS120では、空調制御用のセンサ群の各センサ信号を読み込む。
続いてステップS130では、ステップS110、S120の処理で読み込んだ各種状態および各種信号に基づいて、車室内へ吹き出す送風空気の温度である目標吹出温度TAOを算出する。
具体的には、ステップS130の処理では、以下の数式を用いて目標吹出温度TAOを算出する。TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×As+Cここで、Trは内気センサで検出された内気温である。また、Tamは外気センサで検出された外気温である。Asは日射センサで検出された日射量を示している。なお、Kset、Kr、Kam、およびKsは、正の値の制御ゲインであり、Cは、補正用の定数である。
続いてステップS140では、送風機33の送風能力を決定する。ステップS140の処理では、ステップS130で算出した目標吹出温度TAOに基づいて、予めメモリに記憶されたマップを参照して、送風機33の送風能力を決定する。
具体的には、空調制御装置50は、図5に示すマップに従い、目標吹出温度TAOからブロワレベルを決定する。ブロワレベルは、送風機33の送風能力を示す指標である。ブロワレベルが大きくなるほど、遠心ファン33aの回転数が大きくなる。したがって、ブロワレベルが大きくなるほど、送風機33の送風能力が高くなる。
以下、図5に示すマップの特性について説明する。目標吹出温度TAOが温度T1(例えば−20℃)以下の極低温域にある場合、ブロワレベルが最大値になる。また、目標吹出温度TAOが温度T1(例えば−20℃)以上かつ温度T2(例えば15℃)以下である場合、ブロワレベルは、最大値から最小値まで、目標吹出温度TAOの上昇と共に、目標吹出温度TAOに対して線形に、低下する。また、目標吹出温度TAOが温度T2以上かつT3(例えば40℃)以下である場合、ブロワレベルが最低値になる。また、目標吹出温度TAOが温度T3以上かつ温度T4(例えば75℃)以下である場合、ブロワレベルは、最小値から最大値まで、目標吹出温度TAOの上昇と共に、目標吹出温度TAOに対して線形に、増加する。また、目標吹出温度TAOが温度T4以上の極高温域にある場合、ブロワレベルが最大値になる。
したがって、図5に示すマップの全体的な傾向としては、目標吹出温度TAOが中間値T2より低い場合、目標吹出温度TAOが減少するほどブロワレベルが高くなる。また、目標吹出温度TAOが中間値T3より高い場合、目標吹出温度TAOが増大するほどブロワレベルが高くなる。
なお、目標吹出温度TAOは、上述の通り、設定温度Tsetと正の相関がある。より具体的には、目標吹出温度TAOの設定温度Tsetに関する偏微分は、正の値である。したがって、設定温度Tsetについてもある第1基準値が存在し、その設定温度Tsetがその基準値を下回る量が大きくなるほどブロワレベルが高くなる。また、設定温度Tsetについてもある第2基準値が存在し、その設定温度Tsetがその基準値を上回る量が大きくなるほどブロワレベルが高くなる。第1基準値は第2基準値と同じ値でもよいし、第2基準値より小さくてもよい。
例えば、温度設定スイッチ60cに対する乗員の操作によって設定温度TsetがHi(すなわち上限値)になった場合、TAOが上記極高温域内の値となる場合がある。また例えば、温度設定スイッチ60cに対する乗員の操作によって設定温度TsetがLo(すなわち下限値)になった場合、TAOが上記極低温域内の値となる場合がある。
続いてステップS150では、内外気切替装置32の切替状態を示す吸込口モードを決定する。ステップS150の処理では、吸込口モードを常に内気モードに設定する。
続いてステップS160では、吹出口モードを決定する。ステップS160の処理では、ステップS130で算出した目標吹出温度TAOに基づいて、予めメモリに記憶されたマップを参照して吹出口モードを決定する。
吹出モードとしては、FACEモード、FOOTモード、デフロスタモード、B/Lモード等がある。FACEモードとは、FACE吹出口が開放され且つFOOT吹出口およびデフロスタ吹出口が閉塞される吹出モードである。FOOTモードとは、FOOT吹出口が開放され且つFACE吹出口およびデフロスタ吹出口が閉塞される吹出モードである。デフロスタモードとは、デフロスタ吹出口が開放され且つFACE吹出口およびFOOT吹出口が閉塞される吹出モードである。B/Lモードとは、FACE吹出口とFOOT吹出口との両方が開かれ且つデフロスタ吹出口が閉塞される吹出モードである。
空調制御装置50は、図6に示すマップに従い、目標吹出温度TAOから吹出口モードを決定する。以下、図6に示すマップの特性について説明する。目標吹出温度TAOが温度T5未満である場合、吹出口モードがFACEモードになる。目標吹出温度TAOが温度T5以上かつ温度T6未満である場合、吹出口モードがB/Lモードモードになる。目標吹出温度TAOが温度T6以上である場合、吹出口モードがFOOTモードになる。
例えば、温度設定スイッチ60cに対する乗員の操作によって設定温度TsetがHi(すなわち上限値)になった場合、TAOが温度T6以上の値となる場合がある。また例えば、温度設定スイッチ60cに対する乗員の操作によって設定温度TsetがLo(すなわち下限値)になった場合、TAOが温度T5未満の値となる場合がある。
なお、温度T5、T6は、固定値であってもよいし、固定値でなくともよい。例えば、温度T5、T6は、前回の制御周期で決定された吹出口モードの値に応じて、吹出口モードが頻繁に変化しないようなヒステリシスを実現するよう変動してもよい。具体的には、前回の制御周期で決定された吹出口モードがFACEモードである場合よりもB/Lモードモードである場合の方が、温度T5の値が小さくてもよい。また、前回の制御周期で決定された吹出口モードがB/Lモードモードである場合よりもFOOTモードである場合の方が、温度T6の値が小さくてもよい。
続いてステップS170では、車両用空調装置1の運転モードを決定する。ステップS170の処理では、ステップS120で読み込んだ外気温と内気温、および、ステップS130で算出した目標吹出温度TAOに基づいて、吹出口モードを決定する。
具体的には、ステップS170では、図7に示すように、まずステップS171で、外気温が強制暖房閾値Td1よりも低いか否かを判定する。外気温が強制暖房閾値Td1(例えば10℃)よりも低い場合ステップS172に進み、低くない場合ステップS173に進む。ステップS172では、運転モードを暖房モードに決定し、その後、運転モードを決定する処理を終了する。
なお、強制暖房閾値Td1は、固定値であってもよいし、固定値でなくともよい。例えば、強制暖房閾値Td1は、前回の制御周期で決定された運転モードの値に応じて、運転モードが頻繁に変化しないようなヒステリシスを実現するよう変動してもよい。具体的には、前回の制御周期で決定された運転モードが暖房モードである場合よりも冷房モードである場合の方が、強制暖房閾値Td1が小さくてもよい。
ステップS173では、外気温が強制冷房閾値Td2(例えば28℃)よりも高いか否かを判定する。強制冷房閾値Td2は、強制暖房閾値Td1よりも高い温度である。外気温が強制冷房閾値Td2よりも高い場合ステップS174に進み、高くない場合ステップS175に進む。ステップS174では、運転モードを冷房モードに決定し、その後、運転モードを決定する処理を終了する。
なお、強制冷房閾値Td2は、固定値であってもよいし、固定値でなくともよい。例えば、強制冷房閾値Td2は、前回の制御周期で決定された運転モードの値に応じて、運転モードが頻繁に変化しないようなヒステリシスを実現するよう変動してもよい。具体的には、前回の制御周期で決定された運転モードが冷房モードである場合よりも暖房モードである場合の方が、強制冷房閾値Td2が大きい。
ステップS175では、吸込温度および目標吹出温度TAOに基づいて、予めメモリに記憶された図8に示すマップに従い、運転モードを決定する。
吸込温度は、内気の導入口および外気の導入口から空調ケース31内に導入された後かつ室内蒸発器19に吸い込まれる前の空気の温度である。したがって、吸込温度は、上述の内気割合に応じて変化する。例えば、内気モードの場合、吸込温度は内気温度とほぼ同じになる。また例えば、外気モードの場合、吸込温度は外気温度とほぼ同じになる。
吸込温度は、吸込温度を検出するための専用のセンサによって検出されてもよい。あるいは、吸込温度は、内気センサの検出値、外気センサの検出値、および、内気割合に基づいて算出されてもよい。
以下、図8に示すマップの特性について説明する。マップ中の温度T7は、吸込温度よりも5℃低い温度であり、温度T8は、吸込温度よりも5℃高い温度である。目標吹出温度TAOが温度T7未満の場合、運転モードが冷房モードになる。目標吹出温度TAOが温度T7以上かつ温度T8未満の場合、運転モードが冷房モードでもなく暖房モードでもない送風モードになる。目標吹出温度TAOが温度T8以上の場合、運転モードが暖房モードになる。
したがって、定性的に言えば、目標吹出温度TAOが吸込温度よりある程度高い場合、運転モードが暖房モードになり、目標吹出温度TAOが吸込温度よりある程度低い場合、運転モードが冷房モードになる。そして、目標吹出温度TAOが吸込温度に近い場合、運転モードが送風モードになる。
また、温度T7、T8の値は、吸込温度のみに依存する量であってもよいし、吸込温度およびその他の量に依存する量であってもよい。例えば、温度T7、T8は、前回の制御周期で決定された運転モードの値にも依存して、運転モードが頻繁に変化しないようなヒステリシスを実現するよう変動してもよい。
より具体的には、前回の制御周期のステップS175で冷房モードが選択された場合、温度T7が吸込温度より3℃低い値となり、前回の制御周期のステップS175で暖房モードまたは送風モードが選択された場合、温度T7が吸込温度より5℃低い値となってもよい。そして、前回の制御周期のステップS175で冷房モードまたは送風モードが選択された場合、温度T8が吸込温度より5℃高い値となり、前回の制御周期のステップS175で暖房モードが選択された場合、温度T8が吸込温度より3℃高い値となってもよい。
続いてステップS180では、ステップS170で決定した運転モードに基づいて、高圧側開閉弁13bおよび三方弁15の動作状態を決定する。具体的には、ステップS170で運転モードとして冷房モードが選ばれた場合は、高圧側開閉弁13bの状態を全開に決定し、かつ、三方弁15の状態を冷房状態に決定する。また、ステップS170で運転モードとして暖房モードが選ばれた場合は、高圧側開閉弁13bの状態を全閉に決定し、かつ、三方弁15の状態を暖房状態に決定する。また、ステップS170で送風モードが選ばれた場合は、高圧側開閉弁13bおよび三方弁15の動作状態を現状のままに決定する。
続いてステップS190では、ステップS110、S120で読み込んだ各種信号、ステップS130で算出した目標吹出温度TAO、およびステップS170で決定した運転モードに基づいて、圧縮機11の回転数Ncを決定する。
ステップS190の処理では、ステップS170の処理で冷房モードが選ばれた場合、圧縮機11の回転数Ncを以下のように決定する。まず、目標吹出温度TAOに基づいて、予めメモリに記憶されたマップを参照して、室内蒸発器19の目標蒸発器温度TEOを決定する。
そして、目標蒸発器温度TEOと第1温度センサ51で検出した蒸発器温度Teとの偏差に基づいて、蒸発器温度Teが目標蒸発器温度TEOに近づくように、圧縮機11の回転数Ncが決定される。
また、ステップS190の処理では、ステップS170の処理で暖房モードが選ばれた場合合、吐出冷媒圧力Ph、目標吹出温度TAO、および吐出冷媒温度Thに基づいて、圧縮機11の回転数Ncを決定する。
具体的には、冷媒圧力センサ53で検出した吐出冷媒圧力Phおよび目標吹出温度TAOに基づいて、予めメモリに記憶された制御マップを参照して、吐出冷媒圧力Phの目標圧力Phdを決定する。そして、目標圧力Phdと吐出冷媒圧力Phとの偏差に基づいて、吐出冷媒圧力Phが目標圧力Phdに近づくように、圧縮機11の回転数Ncを決定する。
また、ステップS190の処理では、ステップS170の処理で送風モードに決定された場合、圧縮機の回転数をゼロに決定する。
続いてステップS210では、PTCヒータ24の作動状態を決定する。具体的には、外気温が基準温度(例えば−5℃)未満である場合、PTCヒータ24を作動させると決定し、外気温が当該基準温度以上である場合、PTCヒータ24を作動させないと決定する。
続いてステップS210では、A/Mドア35の開度を決定する。具体的には、ステップS170の処理で冷房モードが選ばれた場合、A/Mドア35の開度として、MAXCOOL状態が決定される。また、ステップS170の処理で暖房モードが選ばれた場合、A/Mドア35の開度として、MAXHOT状態が決定される。また、ステップS170の処理で送風モードが選ばれた場合、A/Mドア35の開度として、全開の制御周期で選ばれた開度に決定される。
続いてステップS220では、オーバーライド処理を行う。オーバーライド処理では、ステップS140からステップS210までに決定された各種状態および各種量のうち、必要なものを変更する。
続いてステップS230では、ステップS140〜S210にて決定された各種状態および各種量に応じた制御信号等を各種制御機器へ出力する。これにより、車両用空調装置1において、ステップS140〜S210にて決定された各種状態および各種量が実現する。
本実施形態の通常空調処理(S3)では、以上の如く制御される。このため、冷凍サイクル装置10は、ステップS170にて選択された運転モードに応じて、以下のように作動する。
(A)冷房モード
冷房モードでは、空調制御装置50が、高圧側開閉弁13bを全開状態、三方弁15を冷房状態とした状態で、圧縮機11を稼働させる。このため、冷房モード時には、図1の白抜き矢印に示すように、圧縮機11からの吐出冷媒が、室内凝縮器12、高圧側開閉弁13b、室外熱交換器14、三方弁15、低圧冷媒通路16、室内蒸発器19、アキュムレータ22の順に流れ、再び圧縮機11に吸入される。
具体的には、冷房モード時には、圧縮機11からの吐出冷媒が室内凝縮器12へ流入する。この際、MAXCOOL状態のA/Mドア35が室内凝縮器12の空気通路を閉塞しているので、室内凝縮器12へ流入した冷媒は殆ど送風空気へ放熱することなく、室内凝縮器12から流出する。
室内凝縮器12から流出した冷媒は、殆ど減圧されることなく室外熱交換器14へ流入する。室外熱交換器14へ流入した冷媒は、外気と熱交換して放熱して冷却される。
室外熱交換器14から流出した冷媒は、低圧冷媒通路16を通って第2膨張弁18に流入して低圧冷媒となるまで減圧される。そして、第2膨張弁18から流出した低圧冷媒は、室内蒸発器19へ流入し、送風機33から送風された送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風空気が冷却および除湿される。
室内蒸発器19から流出した冷媒は、アキュムレータ22へ流入して気液分離される。そして、アキュムレータ22にて分離された気相冷媒が圧縮機11に吸入されて再び圧縮される。
ここで、アキュムレータ22で分離された液相冷媒は、冷凍サイクル装置10が要求される冷凍能力を発揮するために不要な余剰冷媒として、アキュムレータ22の内部に貯留される。このことは、暖房モードにおいても同様である。
以上の如く、冷房モードでは、室外熱交換器14にて冷媒が放熱し、室内蒸発器19にて冷媒が蒸発する。これにより、車室内へ送風する送風空気が冷却される。これにより、車室内の冷房が実現する。
(B)暖房モード
暖房モードでは、空調制御装置50が、高圧側開閉弁13bを全閉状態、三方弁15を暖房状態とした状態で、圧縮機11を稼働させる。このため、暖房モード時には、図1のハッチング付き矢印に示すように、圧縮機11からの吐出冷媒が、室内凝縮器12、第1膨張弁13a、室外熱交換器14、三方弁15、低圧バイパス通路17、アキュムレータ22の順に流れ、再び圧縮機11に吸入される。
具体的には、暖房モード時には、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が室内凝縮器12へ流入する。この際、MAXHOT状態のA/Mドア35が室内凝縮器12の空気通路を全開している。このため、室内凝縮器12に流入した冷媒は、室内蒸発器19を通過した送風空気と熱交換して放熱する。これにより、送風空気が目標吹出温度TAOに近づくように加熱される。
室内凝縮器12から流出した冷媒は、第1膨張弁13aに流入して低圧冷媒となるまで減圧される。第1膨張弁13aから流出した低圧冷媒は、室外熱交換器14へ流入する。室外熱交換器14へ流入した冷媒は、外気と熱交換して吸熱して蒸発する。
室外熱交換器14から流出した冷媒は、低圧バイパス通路17を通ってアキュムレータ22へ流入して気液分離される。そして、アキュムレータ22にて分離された気相冷媒が圧縮機11に吸入されて再び圧縮される。
以上の如く、暖房モードでは、室内凝縮器12にて冷媒が放熱し、室外熱交換器14にて冷媒が蒸発する。これにより、室内蒸発器19を通過した送風空気が、室内凝縮器12にて加熱される。これにより、車室内の暖房が実現する。
ここで、ステップS220のオーバーライド処理について詳細に説明する。オーバーライド処理では、空調制御装置50は、図9に示す処理を実行する。まずステップS131では、外気温が上述の強制暖房閾値Td1よりも低いか否かを判定する。外気温が強制暖房閾値Td1(例えば10℃)よりも低い場合ステップS132に進み、低くない場合ステップS133に進む。
ステップS133では、外気温が上述の強制冷房閾値Td2(例えば28℃)よりも高いか否かを判定する。外気温が強制冷房閾値Td2よりも高い場合ステップS134に進み、高くない場合ステップS135に進む。
ステップS135では、通常制御を実行する。通常制御では、ステップS140からステップS210までに決定された各種状態および各種量のうち、いずれも変更せず、オーバーライド処理を終了する。
ステップS132では、LL制御が必要か否か判定する。具体的には、ステップS132では、目標吹出温度TAOが規定吹出低温X1以下であるときにLL制御が必要であると判定し、TAOが規定吹出低温X1より大きいときにLL制御が必要でないと判定してもよい。規定吹出低温X1は、空調ケース31に吸い込まれた空気の温度でもよいし、外気温でもよいし、通常の暖房時の目標吹出温度TAOである36℃でもよい。
なお、LL制御の実行、非実行が頻繁に変化しないようなヒステリシスを実現するよう、規定吹出低温X1が変動してもよい。すなわち、前回の制御周期においてステップS136でLL制御が実行されたか否かに基づいて、規定吹出低温X1が変動してもよい。具体的には、前回の制御周期でLL制御が実行された場合よりも実行されなかった場合の方が、規定吹出低温X1が低くなっていてもよい。
設定温度Tsetが低いほど目標吹出温度TAOが低くなる。したがって、目標吹出温度TAOが規定吹出低温X1より低いことに基づいてLL制御を行うことで、設定温度Tsetが十分低い範囲でLL制御を実行することができる。したがって、より効果的な場面でLL制御を実行することができる。
あるいは、ステップS132では、設定温度Tsetが規定設定低温X2以下であるときにLL制御が必要であると判定し、設定温度Tsetが規定設定低温X2より大きいときにLL制御が必要でないと判定してもよい。この場合、規定設定低温X2はHi(すなわち上限値)であってもよい。
設定温度Tsetが規定設定低温X2より低いことに基づいてLL制御を行うことで、設定温度Tsetが十分低い範囲でLL制御を実行することができる。したがって、より効果的な場面でLL制御を実行することができる。
なお、LL制御の実行、非実行が頻繁に変化しないようなヒステリシスを実現するよう、規定設定低温X2が変動してもよい。すなわち、前回の制御周期においてステップS136でLL制御が実行されたか否かに基づいて、規定設定低温X2が変動してもよい。具体的には、前回の制御周期でLL制御が実行された場合よりも実行されなかった場合の方が、規定設定低温X2が低くなっていてもよい。
既に説明した通り、ステップS170では、外気温が強制暖房閾値Td1より低い場合、内気温にも目標吹出温度TAOにも設定温度Tsetにもよらずに強制的に暖房モードが選択される。このような場合において、希なケースとして、乗員が温度設定スイッチ60cを操作して設定温度TsetをLo(すなわち下限値)まで下げる場合がある。このような操作が行われた場合、乗員としては、車室内が暖まり過ぎているので、暖房が弱まることを期待していると考えられる。
しかし、もしLL制御を行わないと仮定すれば、上記のような状況で上記のような操作を行うと、図10の「LL制御要」の列に示すように、暖房モードが維持されながら温風がFACE吹出口から最大風量で吹き出てしまう。つまり、乗員の意図と全く逆の事態が発生する。
このようになるのは、以下のような理由からである。設定温度TsetがLoの場合、ステップS130で目標吹出温度TAOが上記極低温域内の値となる。すると、ステップS140でブロワレベルが最大に設定される。そしてステップS150では、内気モードが選択される。そしてステップS160では、TAOが温度T5よりも低いので、吹出口モードがFACEモードになる。またステップS170では、外気温が強制暖房閾値Td1より低いので、上述の通り強制的に暖房モードが選択される。またステップS210では、暖房モードが選択されているので、MAXHOT状態が選択される。従来、このように乗員の意図と全く逆の事態が発生していたのは、室内蒸発器19のフロスト防止等のシステム保護が目的であった。
このような状況は、設定温度TsetがLoのとき以外でも、上述の通り、目標吹出温度TAOが規定吹出低温X1以下であるときにも、設定温度Tsetが規定設定低温X2以下であるときにも、発生し得る。
そこで、空調制御装置50は、このような状況への対策として、ステップS132で、目標吹出温度TAOが規定吹出低温X1以下であるときにのみ、LL制御が必要であると判定する。あるいは、空調制御装置50は、このような状況への対策として、ステップS132で、設定温度Tsetが規定設定低温X2以下であるときにのみ、LL制御が必要であると判定する。LL制御が必要であると判定した場合は、ステップS136に進み、必要でないと判定した場合は、ステップS135に進んで上述の通常制御を選択する。
ステップS136では、LL制御を実行する。具体的には、今回の制御周期のステップS140からS210で決定した状態および量のうち、一部を変更する。今回の制御周期のステップS140からS210で決定した状態および量は、図10の「LL制御要」の列に示す通りである。
そして、空調制御装置50は、LL制御における変更内容を、嗜好設定部60dの気づきスイッチ600、省エネルギースイッチ601、およびフィーリングスイッチ602の、オン、オフ状況に応じて決定する。
より具体的には、空調制御装置50は、図11に示すように、気づきスイッチ600がオンの場合は、システムオフを決定してもよい。システムオフは、圧縮機11および室外ファン14aを停止させることである。このように決定すれば、続くステップS230において、冷凍サイクル装置10における冷媒の循環が止まると共に室内空調ユニット30から車室内への送風が止まる。このようになれば、暖房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映されると共に、誤操作を行ったかもしれないと乗員に気づかせる役にも立つ。つまり、設定温度Tsetを低下させたことが誤操作であると乗員に気づかせることができる。
また、空調制御装置50は、図11に示すように、省エネルギースイッチ601がオンの場合も、同様にシステムオフを決定してもよい。このようになれば、暖房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映されると共に、車両用空調装置1の消費電力が低減される。したがって、乗員の意図から外れた作動による無駄な電力消費を抑えることができるので、車両の航続距離の低下が抑制される。
また、空調制御装置50は、図11に示すように、省エネルギースイッチ601がオンの場合に、圧縮機11の停止を決定してもよい。このように決定すれば、続くステップS230において、冷凍サイクル装置10における冷媒の循環が止まる。したがって、室内空調ユニット30から車室内のFACE吹出口へ吹き出される空気は室内凝縮器12によって加熱されない。このようになれば、暖房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映されると共に、車両用空調装置1の消費電力が低減される。したがって、乗員の意図から外れた作動による無駄な電力消費を抑えることができるので、車両の航続距離の低下が抑制される。
また、空調制御装置50は、図11に示すように、省エネルギースイッチ601がオンの場合に、ブロワレベルを前回の制御周期における値よりも小さくするよう決定してもよい。このように決定すれば、続くステップS230において、遠心ファン33aの回転数が低下する。したがって、室内空調ユニット30から車室内のFACE吹出口へ吹き出される温風の風量が低下する。このようになれば、暖房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映されると共に、車両用空調装置1の消費電力が低減される。したがって、乗員の意図から外れた作動による無駄な電力消費を抑えることができるので、車両の航続距離の低下が抑制される。
また、空調制御装置50は、図11に示すように、フィーリングスイッチ602がオンの場合にも、ブロワレベルを前回の制御周期における値よりも小さくするよう決定してもよい。このようになれば、暖房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映されると共に、乗員のフィーリングが向上する。
また、空調制御装置50は、図11に示すように、フィーリングスイッチ602がオンの場合に、吸込口モードを内気モードから外気モードまたは半内気モードに切り替えるよう決定してもよい。半内気モードは、内気割合が1:1となるモードである。
このように決定すれば、続くステップS230において、室内空調ユニット30内に低温の外気が導入される。したがって、室内空調ユニット30から車室内のFACE吹出口へ吹き出される空気の温度がある程度低下する。このようになれば、暖房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映されると共に、乗員のフィーリングが向上する。
また、空調制御装置50は、図11に示すように、フィーリングスイッチ602がオンの場合に、A/Mドア35の開度をMAXHOT状態以外の状態に決定してもよい。つまり、室内蒸発器19を通過後の送風空気のうち、室内凝縮器12を通過させる風量の、室内凝縮器12を迂回させる風量に対する風量割合(すなわち、暖風割合)を、低下させる。
MAXHOT状態以外の状態としては、MAXCOOL状態および中間状態がある。
中間状態は、室内凝縮器12を通過させる風量と冷風バイパス通路34を通過させる風量との風量割合が上限値よりも小さく下限値よりも大きい状態である。例えば、室内凝縮器12を通過させる風量と冷風バイパス通路34を通過させる風量との風量割合が1:1の状態は中間状態である。
このように決定すれば、続くステップS230において、室内空調ユニット30内の送風空気のうち全部または一部が室内凝縮器12を迂回して車室内に吹き出される。したがって、室内空調ユニット30から車室内のFACE吹出口へ吹き出される空気の温度がある程度低下する。このようになれば、暖房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映されると共に、乗員のフィーリングが向上する。
なお、空調制御装置50は、気づきスイッチ600、省エネルギースイッチ601、フィーリングスイッチ602のオン、オフの種々の組み合わせに合わせて、上記の処理を組み合わせてもよい。例えば、気づきスイッチ600と省エネルギースイッチ601がオンでフィーリングスイッチ602がオフの場合、システムオフを選択してもよい。また、省エネルギースイッチ601とフィーリングスイッチ602がオンで気づきスイッチ600がオフの場合、圧縮機11の作動を停止すると共にブロワレベルを前回の制御周期における値よりも小さくするよう決定してもよい。空調制御装置50は、ステップS136の後、オーバーライド処理を終了する。
ステップS134では、HH制御が必要か否か判定する。具体的には、ステップS134では、目標吹出温度TAOが規定吹出高温Y1以上であるときにHH制御が必要であると判定し、TAOが規定吹出高温Y1より小さいときにHH制御が必要でないと判定してもよい。規定吹出高温Y1は、空調ケース31に吸い込まれた空気の温度でもよいし、外気温でもよいし、通常の冷房時の目標吹出温度TAOである30℃でもよい。
なお、HH制御の実行、非実行が頻繁に変化しないようなヒステリシスを実現するよう、規定吹出高温Y1が変動してもよい。すなわち、前回の制御周期においてステップS137でHH制御が実行されたか否かに基づいて、規定吹出高温Y1が変動してもよい。具体的には、前回の制御周期でHH制御が実行された場合よりも実行されなかった場合の方が、規定吹出高温Y1が高くなっていてもよい。
設定温度Tsetが高いほど目標吹出温度TAOが高くなる。したがって、目標吹出温度TAOが規定吹出高温Y1より高いことに基づいてHH制御を行うことで、設定温度Tsetが十分高い範囲でHH制御を実行することができる。したがって、より効果的な場面でHH制御を実行することができる。
あるいは、ステップS134では、設定温度Tsetが規定設定高温Y2以上であるときにHH制御が必要であると判定し、設定温度Tsetが規定設定高温Y2より小さいときにHH制御が必要でないと判定してもよい。この場合、規定設定高温Y2はLo(すなわち下限値)であってもよい。
設定温度Tsetが規定設定高温Y2より高いことに基づいてHH制御を行うことで、設定温度Tsetが十分高い範囲でLL制御を実行することができる。したがって、より効果的な場面でHH制御を実行することができる。
なお、HH制御の実行、非実行が頻繁に変化しないようなヒステリシスを実現するよう、規定設定高温Y2が変動してもよい。すなわち、前回の制御周期においてステップS137でHH制御が実行されたか否かに基づいて、規定設定高温Y2が変動してもよい。具体的には、前回の制御周期でHH制御が実行された場合よりも実行されなかった場合の方が、規定設定高温Y2が高くなっていてもよい。
既に説明した通り、ステップS170では、外気温が強制冷房閾値Td2より高い場合、内気温にも目標吹出温度TAOにも設定温度Tsetにもよらずに強制的に冷房モードが選択される。このような場合において、希なケースとして、乗員が温度設定スイッチ60cを操作して設定温度TsetをHi(すなわち上限値)まで上げる場合がある。このような操作が行われた場合、乗員としては、車室内が冷え過ぎているので、冷房が弱まることを期待していると考えられる。
しかし、もしHH制御を行わないと仮定すれば、上記のような状況で上記のような操作を行うと、図10の「HH制御要」の列に示すように、冷房モードが維持されながら冷風がFOOT吹出口から最大風量で吹き出てしまう。つまり、乗員の意図と全く逆の事態が発生する。
このようになるのは、以下のような理由からである。設定温度TsetがHiの場合、ステップS130で目標吹出温度TAOが上記極高温域内の値となる。すると、ステップS140でブロワレベルが最大に設定される。そしてステップS150では、内気モードが選択される。そしてステップS160では、TAOが温度T6よりも高いので、吹出口モードがFOOTモードになる。またステップS170では、外気温が強制冷房閾値Td2より高いので、上述の通り強制的に冷房モードが選択される。またステップS210では、冷房モードが選択されているので、MAXCOOL状態が選択される。従来、このように乗員の意図と全く逆の事態が発生していたのは、圧縮機11の負荷が高くなり過ぎるのを防止するためであった。
このような状況は、設定温度TsetがHiのとき以外でも、上述の通り、目標吹出温度TAOが規定吹出高温Y1以上であるときにも、設定温度Tsetが規定設定高温Y2以上であるときにも、発生し得る。
そこで、空調制御装置50は、このような状況への対策として、ステップS134で、目標吹出温度TAOが規定吹出高温Y1以上であるときにのみ、HH制御が必要であると判定する。あるいは、空調制御装置50は、このような状況への対策として、ステップS134で、設定温度Tsetが規定設定高温Y2以上であるときにのみ、HH制御が必要であると判定する。HH制御が必要であると判定した場合は、ステップS137に進み、必要でないと判定した場合は、ステップS135に進んで上述の通常制御を選択する。
ステップS137では、HH制御を実行する。具体的には、今回の制御周期のステップS140からS210で決定した状態および量のうち、一部を変更する。今回の制御周期のステップS140からS210で決定した状態および量は、図10の「HH制御要」の列に示す通りである。
そして、空調制御装置50は、HH制御における変更内容を、嗜好設定部60dの気づきスイッチ600、省エネルギースイッチ601、およびフィーリングスイッチ602の、オン、オフ状況に応じて決定する。
より具体的には、空調制御装置50は、図12に示すように、気づきスイッチ600がオンの場合は、システムオフを決定してもよい。このように決定すれば、続くステップS230において、冷凍サイクル装置10における冷媒の循環が止まると共に室内空調ユニット30から車室内への送風が止まる。このようになれば、冷房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映されると共に、誤操作を行ったかもしれないと乗員に気づかせる役にも立つ。つまり、設定温度Tsetを低下させたことが誤操作であると乗員に気づかせることができる。
また、空調制御装置50は、図12に示すように、省エネルギースイッチ601がオンの場合も、同様にシステムオフを決定してもよい。このようになれば、冷房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映されると共に、車両用空調装置1の消費電力が低減される。したがって、乗員の意図から外れた作動による無駄な電力消費を抑えることができるので、車両の航続距離の低下が抑制される。
また、空調制御装置50は、図12に示すように、省エネルギースイッチ601がオンの場合に、圧縮機11の停止を決定してもよい。このように決定すれば、続くステップS230において、冷凍サイクル装置10における冷媒の循環が止まる。したがって、室内空調ユニット30から車室内のFOOT吹出口へ吹き出される空気は室内蒸発器19によって加熱されない。このようになれば、冷房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映されると共に、車両用空調装置1の消費電力が低減される。したがって、乗員の意図から外れた作動による無駄な電力消費を抑えることができるので、車両の航続距離の低下が抑制される。
また、空調制御装置50は、図11に示すように、省エネルギースイッチ601がオンの場合に、ブロワレベルを前回の制御周期における値よりも小さくするよう決定してもよい。このように決定すれば、続くステップS230において、遠心ファン33aの回転数が低下する。したがって、室内空調ユニット30から車室内のFOOT吹出口へ吹き出される冷風の風量が低下する。このようになれば、冷房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映されると共に、車両用空調装置1の消費電力が低減される。したがって、乗員の意図から外れた作動による無駄な電力消費を抑えることができるので、車両の航続距離の低下が抑制される。
また、空調制御装置50は、図11に示すように、フィーリングスイッチ602がオンの場合にも、ブロワレベルを前回の制御周期における値よりも小さくするよう決定してもよい。このようになれば、冷房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映されると共に、乗員のフィーリングが向上する。
また、空調制御装置50は、図12に示すように、フィーリングスイッチ602がオンの場合に、吸込口モードを内気モードから外気モードまたは半内気モードに切り替えるよう決定してもよい。このように決定すれば、続くステップS230において、室内空調ユニット30内に高温の外気が導入される。したがって、このとき圧縮機11の作動がオフとなっていれば、室内空調ユニット30から車室内のFOOT吹出口へ吹き出される空気の温度がある程度上昇する。このようになれば、冷房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映されると共に、乗員のフィーリングが向上する。
また、空調制御装置50は、図12に示すように、フィーリングスイッチ602がオンの場合に、A/Mドア35の開度をMAXCOOL状態以外の状態に決定してもよい。つまり、室内蒸発器19を通過後の送風空気のうち、室内凝縮器12を通過させる風量の、室内凝縮器12を迂回させる風量に対する風量割合(すなわち、暖風割合)を、増加させる。MAXCOOL状態以外の状態としては、MAXHOT状態および上述の中間状態がある。
このように決定すれば、続くステップS230において、室内空調ユニット30内の送風空気のうち全部または一部が室内凝縮器12を通過して車室内に吹き出される。したがって、室内空調ユニット30から車室内のFOOT吹出口へ吹き出される空気の温度がある程度上昇する。このようになれば、冷房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映されると共に、乗員のフィーリングが向上する。
また、空調制御装置50は、図12に示すように、フィーリングスイッチ602がオンの場合に、PTCヒータ24を作動させるよう決定してもよい。このように決定すれば、続くステップS230において、PTCヒータ24が通電されて発熱し始める。したがって、室内空調ユニット30から車室内のFOOT吹出口へ吹き出される空気の温度がある程度上昇する。このようになれば、冷房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映されると共に、乗員のフィーリングが向上する。なお、空調制御装置50は、PTCヒータ24を作動させると決定した場合は、それと共に、エアミックス開度をMAXCOOL状態からMAXCOOL状態以外(例えばMAXHOT)に切り替えるよう決定してもよい。
なお、空調制御装置50は、気づきスイッチ600、省エネルギースイッチ601、フィーリングスイッチ602のオン、オフの種々の組み合わせに合わせて、上記の処理を組み合わせてもよい。例えば、気づきスイッチ600と省エネルギースイッチ601がオンでフィーリングスイッチ602がオフの場合、システムオフを選択してもよい。また、省エネルギースイッチ601とフィーリングスイッチ602がオンで気づきスイッチ600がオフの場合、ブロワレベルを前回の制御周期における値よりも小さくするよう決定してもよい。空調制御装置50は、ステップS137の後、オーバーライド処理を終了する。
ここで、ある制御周期のステップS136のLL制御またはステップS137のHH制御でシステムオフが選択されたとする。その場合、当該制御周期の後のいずれかの制御周期において、ステップS110で、オート設定スイッチ60aがオフからオンになったことが検出されたとき、空調制御装置50は、同じステップS110で、設定温度Tsetを現状の値(すなわちHiまたはLo)から規定値に変更する。ここで、規定値は、HiでもLoでもない温度であり、例えば、25℃である。このようにすることで、一旦システムオフになった後に乗員がオート設定スイッチ60aを操作した場合に、システムオフになる直前の問題が再現されてしまう可能性が低下する。
また、上記ステップS136のLL制御において、システムオフに決定する場合以外のどの場合においても、同じ制御周期のステップS160の処理により、図10に示すように、吹出口モードがFOOTモードからFACEモードに切り替わる。したがって、乗員は、自分が温度設定スイッチ60cを操作することで意図せず吹出口モードがFOOTモードからFACEモードに変わったことに気づく。したがって乗員は、自分が誤操作を行ったかもしれないと気づく可能性が高くなる。つまり、設定温度Tsetを低下させたことが誤操作であると乗員に気づかせることができる。
また、上記ステップS136のLL制御において、システムオフに決定する場合およびブロワレベルを低減する場合以外のどの場合においても、同じ制御周期のステップS140の処理により、図10に示すように、ブロワレベルが最大になる場合がある。したがって、乗員は、自分が温度設定スイッチ60cを操作することで意図せず温風の風量が増大したことに気づく。したがって乗員は、自分が誤操作を行ったかもしれないと気づく可能性が高くなる。つまり、設定温度Tsetを低下させたことが誤操作であると乗員に気づかせることができる。
また、上記ステップS137のHH制御において、システムオフに決定する場合以外のどの場合においても、同じ制御周期のステップS160の処理により、図10に示すように、吹出口モードがFACEモードからFOOTモードに切り替わる。したがって、乗員は、自分が温度設定スイッチ60cを操作することで意図せず吹出口モードがFACEモードからFOOTモードに変わったことに気づく。したがって乗員は、自分が誤操作を行ったかもしれないと気づく可能性が高くなる。つまり、設定温度Tsetを低下させたことが誤操作であると乗員に気づかせることができる。
また、上記ステップS137のHH制御において、システムオフに決定する場合およびブロワレベルを低減する場合以外のどの場合においても、同じ制御周期のステップS140の処理により、図10に示すように、ブロワレベルが最大になる場合がある。したがって、乗員は、自分が温度設定スイッチ60cを操作することで意図せず冷風の風量が増大したことに気づく。したがって乗員は、自分が誤操作を行ったかもしれないと気づく可能性が高くなる。つまり、設定温度Tsetを低下させたことが誤操作であると乗員に気づかせることができる。
なお、本実施形態においては、空調制御装置50が、ステップS130、S140、S150、S160、S170、S180、S190、S200を実行することで、通常制御部として機能する。また、空調制御装置50が、ステップS136、S137を実行することで、特別制御部として機能する。
上記の通り、空調制御装置50は、外気温が強制暖房閾値Td1より高い場合、乗員によって設定された設定温度Tset等に基づいて、冷房モードと暖房モードのうちいずれか一方を選択する。そして空調制御装置50は、設定温度Tsetが基準値を下回る量が大きくなるほど送風機33の送風能力(すなわちブロワレベル)を増大させる。また、空調制御装置50は、外気温が強制暖房閾値Td1より低いことに基づいて、設定温度Tsetに関わらず暖房モードを選択する。
また、外気温が強制暖房閾値Td1より低く且つ暖房モードが選択されているときに、設定温度Tsetが低下した場合、空調制御装置50は、LL制御において、車室内の暖房効果が低減されるよう車両用空調装置1を制御する。
このように、暖房運転時に、暖房効果に関して、空調制御装置50が、LL制御において通常のステップS140〜S210の制御と異なる制御を行う。これにより、外気温が低いため設定温度Tsetによらず暖房モードが選択されており、かつ、設定温度Tsetが低下した場合に、乗員の意図から外れる空調動作が抑制される。すなわち、暖房を抑制したいという乗員の意図が反映された作動が実現する。
また、空調制御装置50は、LL制御において、車室内の暖房効果が低減されるよう車両用空調装置1を制御する方法を、嗜好設定部60dに対する乗員の操作に基づいて選択する。このようになっていることで、乗員の嗜好に合わせたLL制御が実現する。
また、空調制御装置50は、外気温が強制冷房閾値Td2より低い場合、乗員によって設定された設定温度Tset等に基づいて、冷房モードと暖房モードのうちいずれか一方を選択する。そして空調制御装置50は、設定温度Tsetが基準値を上回る量が大きくなるほど送風機33の送風能力(すなわちブロワレベル)を増大させる。また、空調制御装置50は、外気温が強制冷房閾値Td2より高いことに基づいて、設定温度Tset等に関わらず冷房モードを選択する。
また、外気温が強制冷房閾値Td2より高く且つ冷房モードが選択されているときに、設定温度Tsetが上昇した場合、空調制御装置50は、HH制御において、車室内の冷房効果が低減されるよう車両用空調装置1を制御する。
このように、冷房運転時に、冷房効果に関して、空調制御装置50が、HH制御において通常のステップS140〜S210の制御と異なる制御を行う。これにより、外気温が高いため設定温度Tsetによらず冷房モードが選択されており、かつ、設定温度Tsetが上昇した場合に、乗員の意図から外れる空調動作が抑制される。すなわち、冷房を抑制したいという乗員の意図が反映された作動が実現する。
また、空調制御装置50は、HH制御において、車室内の冷房効果が低減されるよう車両用空調装置1を制御する方法を、嗜好設定部60dに対する乗員の操作に基づいて選択する。このようになっていることで、乗員の嗜好に合わせたHH制御が実現する。
(他の実施形態)
なお、本開示は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。また、上記実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。特に、ある量について複数個の値が例示されている場合、特に別記した場合および原理的に明らかに不可能な場合を除き、それら複数個の値の間の値を採用することも可能である。また、上記実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、本開示は、上記実施形態に対する以下のような変形例および均等範囲の変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、以下の変形例のうち明らかに矛盾する組み合わせを除く任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
(変形例1)
上記実施形態では、暖房モードにおいては、冷媒が第2膨張弁18および室内蒸発器19を通過している。しかし、必ずしもこのようになっておらずともよい。例えば、暖房モードにおいて、冷媒が第2膨張弁18および室内蒸発器19を通過してもよい。この場合は、暖房モードでは、送風空気が室内蒸発器19で冷却されて除湿された後、室内凝縮器12で加熱される。したがって、この場合の暖房モードは、除湿暖房モードである。
(変形例2)
上記実施形態において、嗜好設定部60dを廃してもよい。この場合、空調制御装置50は、ステップS136のLL制御において、乗員の操作に基づかず、図11に示した制御のいずれかを選択して実行する。また、空調制御装置50は、ステップS137のHH制御において、乗員の操作に基づかず、図12に示した制御のいずれかを選択して実行する。
(変形例3)
上記実施形態において、規定吹出低温X1、規定吹出高温Y1が吸込温度であってもよい。
(変形例4)
上記実施形態において、空調制御装置50は、ステップS136のLL制御およびステップS137のHH制御において、温度設定スイッチ60cの誤操作があったことを乗員に知らせる為、音声または文字によるメッセージを出力してもよい。このメッセージが文字の場合、表示先は、例えば、車両のメータでもよいし、車載液晶ディスプレイでもよい。
(変形例5)
空調制御装置50は、必ずしも車両に搭載されておらずともよい。例えば、空調制御装置50は、車両の外部のサーバに設置されており、通信ネットワークを介して車両用空調装置1を遠隔制御してもよい。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、通常制御部は、設定温度が基準値を下回る量が大きくなるほど車両用空調装置の車室内への送風能力を増大させる。また、通常制御部は、車室外の空気の温度が強制暖房閾値より低いことに基づいて、設定温度に関わらず暖房モードを選択する。また、車室外の空気の温度が強制暖房閾値より低く且つ通常制御部が暖房モードを選択しているときに、設定温度が低下した場合、特別制御部は、車室内の暖房効果が低減されるよう車両用空調装置を制御する。
また、第2の観点によれば、車室外の空気の温度が強制暖房閾値より低く且つ通常制御部が暖房モードを選択しているときに、設定温度が低下した場合、特別制御部は、車両用空調装置の目標吹出温度が規定吹出低温より低いことに基づいて、車室内の暖房効果が低減されるよう車両用空調装置を制御する。
設定温度が低いほど目標吹出温度が低くなるのは、周知の事実である。したがって、目標吹出温度が規定吹出低温より低いことに基づいて特別制御部が暖房効果を低減することで、設定温度が十分低い範囲で特別制御部を作動させることができる。したがって、より効果的な場面で特別制御部を作動させることができる。
また、第3の観点によれば、車室外の空気の温度が強制暖房閾値より低く且つ通常制御部が暖房モードを選択しているときに、設定温度が低下した場合、特別制御部は、設定温度が規定設定低温より低いことに基づいて、車室内の暖房効果が低減されるよう車両用空調装置を制御する。このようになっていることで、設定温度が十分低い範囲で特別制御部を作動させることができる。したがって、より効果的な場面で特別制御部を作動させることができる。
また、第4の観点によれば、車室外の空気の温度が強制暖房閾値より低く且つ通常制御部が暖房モードを選択しているときに、設定温度が低下した場合、特別制御部は、車室内の暖房効果が低減されるよう、かつ、車両用空調装置の消費電力が低下するよう、車両用空調装置を制御する。このようにすることで、乗員の意図から外れる空調動作が抑制されると共に、乗員の意図から外れた作動による無駄な電力消費を抑えることができる。
また、第5の観点によれば、車室外の空気の温度が強制暖房閾値より低く且つ通常制御部が暖房モードを選択しているときに、設定温度が低下した場合、特別制御部は、車両用空調装置において冷媒を圧縮して吐出する圧縮機の作動を停止させる。このようにすることで、乗員の意図から外れる空調動作が抑制されると共に、車両用空調装置の消費電力が低減される。
また、第6の観点によれば、車室外の空気の温度が強制暖房閾値より低く且つ通常制御部が暖房モードを選択しているときに、設定温度が低下した場合、特別制御部は、車両用空調装置の車室内への送風能力を低下させる。このようにすることで、乗員の意図から外れる空調動作が抑制されると共に、車両用空調装置の消費電力が低減される。
また、第7の観点によれば、車室外の空気の温度が強制暖房閾値より低く且つ通常制御部が暖房モードを選択しているときに、設定温度が低下した場合、特別制御部は、車両用空調装置において冷媒を圧縮して吐出する圧縮機の作動を停止すると共に送風空気を車室内へ流す送風機の作動を停止する。このようにすることで、乗員の意図から外れる空調動作が抑制されると共に、車両用空調装置の消費電力が低減される。
また、第8の観点によれば、車室外の空気の温度が強制暖房閾値より低く且つ通常制御部が暖房モードを選択しているときに、設定温度が低下した場合、特別制御部は、設定温度を低下させたことが誤操作であると乗員に気づかせる制御を行う。このようにすることで、誤操作を行ったかもしれないと乗員に気づかせることができる。
また、第9の観点によれば、車両用空調装置は、送風空気と冷媒を熱交換させることで送風空気を冷却する室内蒸発器と、送風空気と冷媒を熱交換させることで送風空気を加熱する室内凝縮器と、暖風割合を調整するA/Mドアと、を備える。暖風割合は、室内蒸発器を通過後の送風空気のうち、室内凝縮器を通過させる風量の、室内凝縮器を迂回させる風量に対する、風量割合である。車室外の空気の温度が強制暖房閾値より低く且つ通常制御部が暖房モードを選択しているときに、設定温度が低下した場合、特別制御部は、A/Mドアを制御して暖風割合を増加させる。このようにすることで、車室内へ吹き出される空気の温度がある程度低下する。このようになれば、暖房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映される。
また、第10の観点によれば、車両用空調装置は、内外気切替装置を備える。内外気切替装置は、車室内の空気と車室外の空気とを送風空気として導入し、内気割合を調整する。内気割合は、送風空気における、車室内の空気の風量の、車室外の空気の風量に対する、風量割合である。車室外の空気の温度が強制暖房閾値より低く且つ通常制御部が暖房モードを選択しているときに、設定温度が低下した場合、特別制御部は、内外気切替装置を制御して内気割合を減少させる。このようにすることで、車室内へ吹き出される空気の温度がある程度低下する。このようになれば、暖房を抑えたいという乗員の意図がある程度反映される。
また、第11の観点によれば、車室外の空気の温度が強制暖房閾値より低く且つ通常制御部が暖房モードを選択しているときに、設定温度が低下した場合、特別制御部は、車室内の暖房効果が低減されるよう車両用空調装置を制御する方法を、乗員の操作に基づいて選択する。このようになっていることで、乗員の嗜好に合わせた特別制御部の作動が実現される。
また、第12の観点によれば、通常制御部は、設定温度が基準値を上回る量が大きくなるほど車両用空調装置の車室内への送風能力を増大させ、通常制御部は、車室外の空気の温度が強制冷房閾値より高いことに基づいて、設定温度に関わらず冷房モードを選択する。車室外の空気の温度が強制冷房閾値より高く且つ通常制御部が冷房モードを選択しているときに、設定温度が上昇した場合、特別制御部は、車室内の冷房効果が低減されるよう車両用空調装置を制御する。
また、第13の観点によれば、車室外の空気の温度が強制冷房閾値より高く且つ通常制御部が冷房モードを選択しているときに、設定温度が上昇した場合、特別制御部は、車両用空調装置の目標吹出温度が規定吹出高温より高いことに基づいて、車室内の冷房効果が低減されるよう車両用空調装置を制御する。
設定温度が高いほど目標吹出温度が高くなるのは、周知の事実である。したがって、目標吹出温度が規定吹出高温より高いことに基づいて特別制御部が冷房効果を低減することで、設定温度が十分高い範囲で特別制御部を作動させることができる。したがって、より効果的な場面で特別制御部を作動させることができる。
また、第14の観点によれば、車室外の空気の温度が強制冷房閾値より高く且つ通常制御部が冷房モードを選択しているときに、設定温度が上昇した場合、特別制御部は、設定温度が規定設定高温より高いことに基づいて、車室内の冷房効果が低減されるよう車両用空調装置を制御する。このようになっていることで、設定温度が十分高い範囲で特別制御部を作動させることができる。したがって、より効果的な場面で特別制御部を作動させることができる。
また、第15の観点によれば、車室外の空気の温度が強制冷房閾値より高く且つ通常制御部が冷房モードを選択しているときに、設定温度が上昇した場合、特別制御部は、車室内の冷房効果が低減されるよう、かつ、車両用空調装置の消費電力が低下するよう、車両用空調装置を制御する。このようにすることで、乗員の意図から外れる空調動作が抑制されると共に、乗員の意図から外れた作動による無駄な電力消費を抑えることができる。

Claims (17)

  1. 車両の車室内に送風空気を吹き出す車両用空調装置(1)を制御することで、前記車両用空調装置によって前記車室内を冷房する冷房モードと、前記車両用空調装置によって前記車室内を暖房する暖房モードと、を切り替え可能な空調制御装置(50)であって、
    通常制御部(S140〜S210)と、
    特別制御部(S136、S137)と、を備え、
    前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が強制暖房閾値(Td1)より高い場合、前記車両の乗員によって設定された車室内の設定温度(Tset)に基づいて、前記冷房モードと前記暖房モードのうちいずれか一方を選択すると共に、前記設定温度が基準値を下回る量が大きくなるほど前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を増大させ、
    前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低いことに基づいて、前記設定温度に関わらず前記暖房モードを選択し、
    前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記車両用空調装置の目標吹出温度(TAO)が規定吹出低温(X1)より低いことに基づいて、前記車室内の暖房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御する空調制御装置。
  2. 車両の車室内に送風空気を吹き出す車両用空調装置(1)を制御することで、前記車両用空調装置によって前記車室内を冷房する冷房モードと、前記車両用空調装置によって前記車室内を暖房する暖房モードと、を切り替え可能な空調制御装置(50)であって、
    通常制御部(S140〜S210)と、
    特別制御部(S136、S137)と、を備え、
    前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が強制暖房閾値(Td1)より高い場合、前記車両の乗員によって設定された車室内の設定温度(Tset)に基づいて、前記冷房モードと前記暖房モードのうちいずれか一方を選択すると共に、前記設定温度が基準値を下回る量が大きくなるほど前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を増大させ、
    前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低いことに基づいて、前記設定温度に関わらず前記暖房モードを選択し、
    前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記設定温度が規定設定低温(X2)より低いことに基づいて、前記車室内の暖房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御する空調制御装置。
  3. 前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記設定温度を低下させたことが誤操作であると前記乗員に気づかせる制御を行う請求項1または2のいずれか1つに記載の空調制御装置。
  4. 車両の車室内に送風空気を吹き出す車両用空調装置(1)を制御することで、前記車両用空調装置によって前記車室内を冷房する冷房モードと、前記車両用空調装置によって前記車室内を暖房する暖房モードと、を切り替え可能な空調制御装置(50)であって、
    通常制御部(S140〜S210)と、
    特別制御部(S136、S137)と、を備え、
    前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が強制暖房閾値(Td1)より高い場合、前記車両の乗員によって設定された車室内の設定温度(Tset)に基づいて、前記冷房モードと前記暖房モードのうちいずれか一方を選択すると共に、前記設定温度が基準値を下回る量が大きくなるほど前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を増大させ、
    前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低いことに基づいて、前記設定温度に関わらず前記暖房モードを選択し、
    前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記車室内の暖房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御すると共に前記設定温度を低下させたことが誤操作であると前記乗員に気づかせる制御を行う空調制御装置。
  5. 前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記車室内の暖房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御する方法を、前記乗員の操作に基づいて選択する請求項1ないしのいずれか1つに記載の空調制御装置。
  6. 車両の車室内に送風空気を吹き出す車両用空調装置(1)を制御することで、前記車両用空調装置によって前記車室内を冷房する冷房モードと、前記車両用空調装置によって前記車室内を暖房する暖房モードと、を切り替え可能な空調制御装置(50)であって、
    通常制御部(S140〜S210)と、
    特別制御部(S136、S137)と、を備え、
    前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が強制暖房閾値(Td1)より高い場合、前記車両の乗員によって設定された車室内の設定温度(Tset)に基づいて、前記冷房モードと前記暖房モードのうちいずれか一方を選択すると共に、前記設定温度が基準値を下回る量が大きくなるほど前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を増大させ、
    前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低いことに基づいて、前記設定温度に関わらず前記暖房モードを選択し、
    前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記車室内の暖房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御し、
    前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記車室内の暖房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御する方法を、前記乗員の操作に基づいて選択する空調制御装置。
  7. 前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記車室内の暖房効果が低減されるよう、かつ、前記車両用空調装置の消費電力が低下するよう、前記車両用空調装置を制御する請求項1ないしのいずれか1つに記載の空調制御装置。
  8. 前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記車両用空調装置において冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)の作動を停止させる請求項1ないしのいずれか1つに記載の空調制御装置。
  9. 前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を低下させる請求項1ないしのいずれか1つに記載の空調制御装置。
  10. 前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記車両用空調装置において冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)の作動を停止すると共に前記送風空気を前記車室内へ流す送風機(33)の作動を停止する請求項1ないしのいずれか1つに記載の空調制御装置。
  11. 前記車両用空調装置は、内外気切替装置(32)を備え、
    前記内外気切替装置は、前記車室内の空気と前記車室外の空気とを前記送風空気として導入し、内気割合を調整し、
    前記内気割合は、前記送風空気における、前記車室内の空気の風量の、前記車室外の空気の風量に対する、風量割合であり、
    前記車室外の空気の温度が前記強制暖房閾値より低く且つ前記通常制御部が前記暖房モードを選択しているときに、前記設定温度が低下した場合、前記特別制御部は、前記内外気切替装置を制御して内気割合を減少させる請求項1ないし10のいずれか1つに記載の空調制御装置。
  12. 車両の車室内に送風空気を吹き出す車両用空調装置(1)を制御することで、前記車両用空調装置によって前記車室内を冷房する冷房モードと、前記車両用空調装置によって前記車室内を暖房する暖房モードと、を切り替え可能な空調制御装置(50)であって、
    通常制御部(S140〜S210)と、
    特別制御部(S136、S137)と、を備え、
    前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が強制冷房閾値(Td2)より低い場合、前記車両の乗員によって設定された車室内の設定温度(Tset)に基づいて、前記冷房モードと前記暖房モードのうちいずれか一方を選択すると共に、前記設定温度が基準値を上回る量が大きくなるほど前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を増大させ、
    前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高いことに基づいて、前記設定温度に関わらず前記冷房モードを選択し、
    前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高く且つ前記通常制御部が前記冷房モードを選択しているときに、前記設定温度が上昇した場合、前記特別制御部は、前記車両用空調装置の目標吹出温度(TAO)が規定吹出高温(Y1)より高いことに基づいて、前記車室内の冷房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御する空調制御装置。
  13. 車両の車室内に送風空気を吹き出す車両用空調装置(1)を制御することで、前記車両用空調装置によって前記車室内を冷房する冷房モードと、前記車両用空調装置によって前記車室内を暖房する暖房モードと、を切り替え可能な空調制御装置(50)であって、
    通常制御部(S140〜S210)と、
    特別制御部(S136、S137)と、を備え、
    前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が強制冷房閾値(Td2)より低い場合、前記車両の乗員によって設定された車室内の設定温度(Tset)に基づいて、前記冷房モードと前記暖房モードのうちいずれか一方を選択すると共に、前記設定温度が基準値を上回る量が大きくなるほど前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を増大させ、
    前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高いことに基づいて、前記設定温度に関わらず前記冷房モードを選択し、
    前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高く且つ前記通常制御部が前記冷房モードを選択しているときに、前記設定温度が上昇した場合、前記特別制御部は、前記設定温度が規定設定高温(Y2)より高いことに基づいて、前記車室内の冷房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御する空調制御装置。
  14. 前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高く且つ前記通常制御部が前記冷房モードを選択しているときに、前記設定温度が上昇した場合、前記特別制御部は、前記車室内の冷房効果が低減されるよう、かつ、前記車両用空調装置の消費電力が低下するよう、前記車両用空調装置を制御する請求項12または13に記載の空調制御装置。
  15. 車両の車室内に送風空気を吹き出す車両用空調装置(1)を制御することで、前記車両用空調装置によって前記車室内を冷房する冷房モードと、前記車両用空調装置によって前記車室内を暖房する暖房モードと、を切り替え可能な空調制御装置(50)であって、
    通常制御部(S140〜S210)と、
    特別制御部(S136、S137)と、を備え、
    前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が強制冷房閾値(Td2)より低い場合、前記車両の乗員によって設定された車室内の設定温度(Tset)に基づいて、前記冷房モードと前記暖房モードのうちいずれか一方を選択すると共に、前記設定温度が基準値を上回る量が大きくなるほど前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を増大させ、
    前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高いことに基づいて、前記設定温度に関わらず前記冷房モードを選択し、
    前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高く且つ前記通常制御部が前記冷房モードを選択しているときに、前記設定温度が上昇した場合、前記特別制御部は、前記車室内の冷房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御すると共に前記設定温度を上昇させたことが誤操作であると前記乗員に気づかせる制御を行う空調制御装置。
  16. 車両の車室内に送風空気を吹き出す車両用空調装置(1)を制御することで、前記車両用空調装置によって前記車室内を冷房する冷房モードと、前記車両用空調装置によって前記車室内を暖房する暖房モードと、を切り替え可能な空調制御装置(50)であって、
    通常制御部(S140〜S210)と、
    特別制御部(S136、S137)と、を備え、
    前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が強制冷房閾値(Td2)より低い場合、前記車両の乗員によって設定された車室内の設定温度(Tset)に基づいて、前記冷房モードと前記暖房モードのうちいずれか一方を選択すると共に、前記設定温度が基準値を上回る量が大きくなるほど前記車両用空調装置の前記車室内への送風能力を増大させ、
    前記通常制御部は、前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高いことに基づいて、前記設定温度に関わらず前記冷房モードを選択し、
    前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高く且つ前記通常制御部が前記冷房モードを選択しているときに、前記設定温度が上昇した場合、前記特別制御部は、前記車室内の冷房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御し、
    前記車室外の空気の温度が前記強制冷房閾値より高く且つ前記通常制御部が前記冷房モードを選択しているときに、前記設定温度が上昇した場合、前記特別制御部は、前記車室内の冷房効果が低減されるよう前記車両用空調装置を制御する方法を、前記乗員の操作に基づいて選択する空調制御装置。
  17. 前記車両用空調装置は、圧縮機(11)および凝縮器(12)を備え、
    前記暖房モードにおいては、前記圧縮機から吐出された冷媒が前記凝縮器に流入し、前記凝縮器に流入した前記冷媒が前記送風空気と熱交換して放熱し、それにより前記送風空気が加熱される請求項1ないし16のいずれか1つに記載の空調制御装置。
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