JP2021059235A - 車両の温調デバイス制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の温調デバイスを搭載する場合に、これら温調デバイスを適正に連携させて制御することができる車両の温調デバイス制御装置を提供する。【解決手段】環境情報を含むパラメータに基づいて算出した必要温調制御量から温調制御基本値を決定し、この温調制御基本値に応じて複数の温調デバイス2,3,4,5それぞれの制御パラメータを制御するようにしている。このため、各温調デバイス2,3,4,5それぞれを、互いに主従の関係を有することなしに温調制御基本値に応じて制御することができ、多数の温調デバイス2,3,4,5が車両に搭載された場合であっても、これら温調デバイス2,3,4,5を互いに連携させて適正に制御することができる。【選択図】図1

Description

本発明は車両の温調デバイス制御装置に係る。特に、本発明は、複数の温調デバイスに対する温調制御の改良に関する。
従来、車両には車室内の快適性を良好に維持するための複数の温調デバイスが搭載されている。これら温調デバイスとしては、例えば、車室内空調装置(カーエアコン)、ネックヒータ、シート空調装置、ステアリングヒータ等が挙げられる。
特許文献1には、車室内空調装置の運転とシート空調装置の運転とを連動させることが開示されている。具体的には、乗員によって連動スイッチがオン操作された場合に、シート空調装置の運転状態に基づいて車室内空調装置の運転状態を修正するようにしている。
特開平10−297243号公報
しかしながら、特許文献1のものでは、車室内空調装置およびシート空調装置のうちシート空調装置を主たる温調デバイスとして制御し、車室内空調装置をそれに従ずる温調デバイスとして運転状態を修正するようにしている。つまり一対の温調デバイスの運転を連動させることしか考慮していない。
しかしながら、車両には多数の温調デバイスが搭載されているため、これら多数の温調デバイスを連携させて制御する場合には改良の余地があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の温調デバイスを搭載する場合に、これら温調デバイスを適正に連携させて制御することができる車両の温調デバイス制御装置を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、車両に搭載された複数の温調デバイスそれぞれの制御パラメータを制御する温調デバイス制御装置を前提とする。そして、この温調デバイス制御装置は、パラメータ取得部、必要温調制御量算出部、温調制御基本値決定部、および、制御部を備えていることを特徴とする。前記パラメータ取得部は、環境情報を含むパラメータを取得する。前記必要温調制御量算出部は、前記パラメータ取得部によって取得された前記パラメータに基づいて必要温調制御量を算出する。前記温調制御基本値決定部は、前記必要温調制御量算出部によって算出された前記必要温調制御量に基づいて温調制御基本値を決定する。前記制御部は、前記温調制御基本値決定部によって決定された前記温調制御基本値に応じて前記複数の温調デバイスそれぞれの制御パラメータを制御する。
この特定事項により、各温調デバイスそれぞれの制御パラメータを制御するに当たっては、環境情報を含むパラメータを取得し、このパラメータに基づいて必要温調制御量を算出する。また、この必要温調制御量に基づいて温調制御基本値を決定する。そして、この決定された温調制御基本値に応じて前記複数の温調デバイスそれぞれの制御パラメータを制御する。
このようにして各温調デバイスそれぞれの制御パラメータが自動制御されるため、何れの温調デバイスの制御パラメータも温調制御基本値に応じて制御されることになる。このため、各温調デバイスそれぞれを、互いに主従の関係を有することなしに温調制御基本値に応じて制御することができ、多数の温調デバイスが車両に搭載された場合であっても、これら温調デバイスを互いに連携させて適正に制御することができる。
本発明では、環境情報を含むパラメータに基づいて算出した必要温調制御量から温調制御基本値を決定し、この温調制御基本値に応じて複数の温調デバイスそれぞれの制御パラメータを制御するようにしている。このため、各温調デバイスそれぞれを、互いに主従の関係を有することなしに温調制御基本値に応じて制御することができ、多数の温調デバイスが車両に搭載された場合であっても、これら温調デバイスを互いに連携させて適正に制御することができる。
実施形態に係るコンバーチブル車両に搭載された温調システムの概略構成を示すブロック図である。 ネックヒータを説明するための図である。 車室内空調装置の概略構成を示す図である。 乗員のディスプレイ操作によるモード切り替えを説明するための図である。 ネックヒータのオートモードカスタマイズ設定テーブルの一例を示す図である。 ネックヒータの温調制御基本値決定マップの一例を示す図である。 ネックヒータの温調制御テーブルの一例を示す図である。 車室内空調装置の温調制御基本値決定マップの一例を示す図である。 シート空調装置の温調制御基本値決定マップの一例を示す図である。 ステアリングヒータの温調制御基本値決定マップの一例を示す図である。 ネックヒータ制御の手順を説明するためのフローチャート図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、コンバーチブル車両に搭載された複数の温調デバイスとして、ネックヒータ、車室内空調装置(カーエアコン)、シート空調装置、ステアリングヒータそれぞれの制御パラメータを制御する制御装置(温調デバイス制御装置)に本発明を適用した場合について説明する。
−温調システムの概略構成−
図1は、本実施形態に係るコンバーチブル車両に搭載された温調システム1の概略構成を示すブロック図である。この図1に示すように温調システム1は、複数の温調デバイスを統括的にまたは個別に制御するシステムとして構成されている。この温調システム1に備えられた温調デバイスとしては、ネックヒータ2、車室内空調装置3、シート空調装置4、ステアリングヒータ5が挙げられる。また、これら温調デバイス2,3,4,5は、エアコンECU(Electronic Control Unit)6に接続されており、このエアコンECU6からの情報(後述する温調制御基本値の情報やモード指令情報等)を受信することで、自動制御(オートモードで制御)または手動制御(マニュアルモードで制御)されるようになっている。以下、各温調デバイス2,3,4,5について説明する。
(ネックヒータ)
図2は、ネックヒータ2を説明するための図である。ネックヒータ2は車両の前部座席(運転席および助手席)のヘッドレストHRの内部に収容され、乗員(図2では仮想線Mで示している)の首部に向けて温調風(温風)を吹き出すことで当該乗員Mの首部周辺の快適性を確保するための温調デバイスである。
図2に示すように、ネックヒータ2は、ヘッドレストHRに内蔵された送風ファン21、ヒータ22、吹出温度センサ23を備えている。
具体的に、ヘッドレストHRの内部に配設された樹脂製のベース部材24およびインサートベゼル25の間に形成されたネックヒータ収容空間26に前記送風ファン21およびヒータ22が収容されている。
送風ファン21は電動ファンで構成されており、ネックヒータECU27(図1を参照)からの風量指令信号に従って作動してヒータ22に向けて送風を行う。ネックヒータECU27からの風量指令信号は、送風ファン21の回転速度(送風量)を多段階で切り替え可能とする信号(例えばPWM信号)であり、送風ファン21の回転速度は、この風量指令信号によって制御される。
また、ヒータ22は、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータで構成されており、ネックヒータECU27からの温度指令信号に従って作動する。ネックヒータECU27からの温度指令信号は、ヒータ22の発熱量を多段階で切り替え可能とする信号であり、ヒータ22の発熱量は、この温度指令信号によって制御される。
このネックヒータ2における送風ファン21の制御およびヒータ22の制御の詳細については後述する。
また、ヘッドレストHRの前面において前記ヒータ22の吹出口に対応する部分には開口Hが形成されており、この開口Hには吹出口キャップ28が装着されている。この吹出口キャップ28は、ヒータ22の吹出口から吹き出された温調風を乗員Mの首部周辺に案内する部材である。また、この吹出口キャップ28には、乗員Mがヒータ22に直接的に触れることを防止するためのフィン28aが設けられている。このフィン28aに代えてメッシュ状の部材が設けられていてもよい。
また、吹出口キャップ28の内面には、ヒータ22から吹き出された温調風の温度を検出するための前記吹出温度センサ(サーミスタ)23が取り付けられている。この吹出温度センサ23の取り付け位置としては、吹出口キャップ28の天井面28b(温調風が流れる空間の上面)に設定されている。なお、吹出温度センサ23の取り付け位置としてはこれに限定されるものではなく。ヒータ22の輻射熱の影響を受け難く、吹き出された温調風の温度を検出可能な位置であればよい。
(車室内空調装置)
図3は車室内空調装置3の概略構成を示す図である。この車室内空調装置3は、車室内に空調空気を導くための空気通路を形成する空調ダクト31、この空調ダクト31内において空気流を発生させる遠心式送風機32、空調ダクト31内を流れる空気を冷却するための冷媒循環回路33、および、空調ダクト31内を流れる空気を加熱するための冷却水回路34等を備えている。
空調ダクト31の最も上流側は、吸込口切替箱を構成する部分であって、車室内空気(内気)を取り入れる内気吸込口31a、および、車室外空気(外気)を取り入れる外気吸込口31bを有している。内気吸込口31aおよび外気吸込口31bの内側には、内外気切替ドア31cが回動自在に取り付けられている。この内外気切替ドア31cは、サーボモータ等のアクチュエータにより駆動されて、吸込口モードを内気循環モードと外気導入モードとの間で切り替える。
また、空調ダクト31の最も下流側は、吹出口切替箱を構成する部分であって、デフロスタ(DEF)開口部31d、フェイス(FACE)開口部31e、および、フット(FOOT)開口部31fを有している。
前記DEF開口部31dは、車両のフロントガラスFWの内面に向かって空調空気を吹き出す。また、FACE開口部31eは、乗員Mの頭部および胸部に向かって空調空気を吹き出す。更に、FOOT開口部31fは、乗員Mの足元部に向かって空調空気を吹き出す。
そして、各開口部31d,31e,31fの内側には、吹出口切替ドア31g,31hが回動自在に取り付けられている。これら吹出口切替ドア31g,31hは、サーボモータ等のアクチュエータによりそれぞれ駆動されて、吹出口モードを、フェイス(FACE)モード、バイレベル(B/L)モード、フット(FOOT)モード、フットデフ(F/D)モードおよびデフロスタ(DEF)モードの何れかに切り替える。
前記遠心式送風機32は、空調ダクト31と一体的に構成されたスクロールケースに回転自在に収容されたブロア32a、および、このブロア32aを回転駆動するブロアモータ32bを有している。
そして、ブロアモータ32bは、ブロア駆動回路を介して印加されるブロア端子電圧に基づいて、ブロア風量(ブロア32aの回転速度)が制御される。
冷媒循環回路33は、圧縮機33a、凝縮器(コンデンサ)33b、レシーバ33c、エキスパンションバルブ33d、蒸発器(エバポレータ)33e、および、これらを環状に接続する冷媒配管33f等から構成されている。
前記蒸発器33eは、空気通路の長手方向の一部分においてその通路内の全体に亘って配設されている。
圧縮機33aは、吸入した冷媒を圧縮して吐出するもので、電動モータ33gによって駆動される電動圧縮機として構成されている。この電動モータ33gの作動に伴う動力が圧縮機33aに伝達されることにより、冷媒循環回路33を冷媒が循環し、蒸発器33eにおける冷媒の蒸発気化に伴って空気の冷却が行われる。なお、圧縮機33aはエンジンEGの動力によって駆動するものであってもよい。
また、凝縮器33bは、圧縮機33aで圧縮された冷媒を凝縮液化させる。具体的に、この凝縮器33bは、冷却ファン33hにより送風される外気および走行風(車両走行時)と冷媒との間で熱交換を行うことで冷媒を凝縮液化させる。
前記冷却水回路34は、ウォータポンプ34aによって、エンジンEGのウォータジャケット内で暖められた冷却水を循環させる回路であって、ヒータコア34bを有している。
このヒータコア34bは、内部にエンジン冷却水が流れ、このエンジン冷却水を暖房用熱源として空気を加熱する。なお、この冷却水回路34には、前記ヒータコア34bの他に、エンジン冷却水の熱を大気に放出するためのラジエータや、冷却水の循環経路を切り替えるためのサーモスタット(何れも図示省略)等が備えられている。これらの構成については周知であるため、ここでの説明は省略する。
前記ヒータコア34bは、蒸発器33eよりも下流側の空気通路の一部分に配設されている。
また、ヒータコア34bの上流側には、エアミックスドア34cが回動自在に取り付けられている。このエアミックスドア34cは、サーボモータ等のアクチュエータによって駆動されて、ヒータコア34bに対し空気を全て迂回させるMAX・COOL位置から、ヒータコア34bに空気を全て通すMAX・HOT位置までの間でその停止位置によって、ヒータコア34bを通過する空気量とヒータコア34bをバイパス(迂回)する空気量との割合を変更して、車室内へ吹き出す空気の温度を調整する。
(シート空調装置)
シート空調装置4は、シート(座席)を加熱するためのシートヒータ41、および、シートに内蔵された送風ファン42を備えている。
前記シートヒータ41は、シートのシートクッション部およびシートバック部に埋設された電熱線で成り、例えば冬季において、電熱線に通電を行うことに伴う発熱によってシートのシートクッション部およびシートバック部を加熱して、着座した乗員Mの快適性を高めるためのものである。
前記送風ファン42は、シートのシートクッション部およびシートバック部に埋設され、例えば夏季において、通電を行うことにより、シートクッション部およびシートバック部から乗員Mに向けて送風を行うことで、着座した乗員Mの快適性を高めるためのものである。
これらシートヒータ41および送風ファン42の制御はシート空調ECU43によって行われる。このシート空調ECU43は、前記エアコンECU6からの情報(後述する温調制御基本値の情報やモード指令情報等)を受けてシートヒータ41および送風ファン42を制御する。シート空調ECU43からの温度指令信号は、シートヒータ41の発熱量を多段階で切り替え可能とする信号であり、シートヒータ41の発熱量は、この温度指令信号によって制御される。また、シート空調ECU43からの風量指令信号は、送風ファン42の回転速度(送風量)を多段階で切り替え可能とする信号であり、送風ファン42の回転速度は、この風量指令信号によって制御される。
(ステアリングヒータ)
ステアリングヒータ5は、ステアリングホイールに内蔵された電熱線で成るヒータ51を備えている。このステアリングヒータ5は、例えば冬季においてヒータ51に通電を行うことに伴う発熱によってステアリングホイールを加熱して、該ステアリングホイールを把持する乗員(運転者)Mの快適性を高めるためのものである。
このヒータ51の制御はステアリングヒータECU52によって行われる。このステアリングヒータECU52は、前記エアコンECU6からの情報(後述する温調制御基本値の情報やモード指令情報等)を受けてヒータ51を制御する。ステアリングヒータECU52からの温度指令信号は、ヒータ51の発熱量を多段階で切り替え可能とする信号であり、ヒータ51の発熱量は、この温度指令信号によって制御される。
(エアコンECU)
エアコンECU6は、一般的に公知のECUとされており、図示していないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップRAM等を備えている。
本実施形態におけるエアコンECU6は、前述した車室内空調装置3の制御(各種アクチュエータの制御)を行うだけでなく、その他の温調デバイスであるネックヒータ2、シート空調装置4、ステアリングヒータ5に対しても制御用の情報を出力する。これによって各温調デバイス2,4,5では、この情報に基づき各ECU27,43,52による制御が行われるようになっている。このため、各ECU6,27,43,52が本発明でいう制御部(温調デバイスそれぞれの制御パラメータを制御する制御部)に相当する。
具体的に、エアコンECU6には、車室内前面(インストルメントパネル)に設けられたディスプレイ7が接続されており、乗員Mによるディスプレイ7の操作に基づく操作情報が入力されるようになっている。
ディスプレイ7上に表示される各種スイッチとしては、各温調デバイス2,3,4,5それぞれを自動制御するためのオートモードスイッチや、各温調デバイス2,3,4,5を手動制御するためのマニュアルモードスイッチ、各温調デバイス2,3,4,5の温調状態を手動操作によって調整する(温調デバイスの温調状態を変更したい要求が乗員Mに生じた場合に該乗員Mが手動操作によって調整する)カスタマイズスイッチ等が挙げられる。これらスイッチは各温調デバイス2,3,4,5毎に表示可能であって、各温調デバイス2,3,4,5は、個別にオートモードとマニュアルモードとの間で切り替えが可能であると共に、各温調デバイス2,3,4,5の温調状態を個別に調整すること(例えば後述するLoモード、Midモード、Hiモードの切り替え)が可能となっている。
また、このディスプレイ7上の表示としては、全ての温調デバイス2,3,4,5をオートモードで作動させるためのオールオートモードスイッチも表示可能となっており、このオールオートモードスイッチが押された場合には、全ての温調デバイス2,3,4,5が連携されてオートモードで作動するようになっている。これらオートモードでの温調制御およびマニュアルモードでの温調制御の詳細については後述する。
また、エアコンECU6に接続される各種センサとしては、車室内温度を検出する車室内温度センサ110、外気温度を検出する外気温度センサ111、車室内に照射される日射量を検出する日射量センサ112、車室内の湿度を検出する湿度センサ113、車両の走行速度を検出する車速センサ115等がある。また、エアコンECU6には、車両の可動ルーフの開閉動作を行う際に乗員Mによって操作されるルーフ開閉切替スイッチ114も接続されている。エアコンECU6は、ルーフ開閉切替スイッチ114からの出力信号(可動ルーフ開放指令信号または可動ルーフ閉鎖指令信号)を受信することで可動ルーフの状態(開放状態であるのか閉鎖状態であるのか)を把握することができる。
−温調デバイスの温調制御−
次に、本実施形態の特徴の一つである各温調デバイス2,3,4,5の温調制御について説明する。
(ネックヒータの温調制御)
先ず、ネックヒータ2の温調制御の概略について説明する。このネックヒータ2の温調制御では、ヒータ22の発熱量の制御による吹出温度の制御(ヘッドレストHRの開口Hから吹き出される温調風の温度の制御)、および、送風ファン21の回転速度の制御による吹出風量の制御(ヘッドレストHRの開口Hから吹き出される温調風の風量の制御)が行われる。
また、これら吹出温度の制御および吹出風量の制御の制御モードとしては、乗員Mの手動操作によるマニュアルモードと、エアコンECU6およびネックヒータECU27によって行われるオートモードとがある。マニュアルモードとオートモードとの切り替えは、前記ディスプレイ7上に表示されるモード選択画面での操作によって行われる。
図4は、乗員Mのディスプレイ操作によるモード切り替えを説明するための図である。この図4に矢印で示すように、乗員Mのディスプレイ操作によって、マニュアルモード、オートモード、OFF(ネックヒータ2の作動停止)の切り替えが可能となっている。また、マニュアルモードにあっては、更に、吹出温度および吹出風量が互いに異なるLoモード、Midモード、Hiモードの間で切り替えが可能となっている。Loモードは、乗員Mによる温調要求(要求する温調風の吹出温度および吹出風量)が比較的低い場合に選択され、所定の範囲内(ネックヒータ2における温調風の吹出温度および吹出風量の制御範囲内)において吹出温度が比較的低く、吹出風量が比較的少なく設定される。また、Hiモードは、乗員Mによる温調要求が比較的高い場合に選択され、吹出温度が比較的高く、吹出風量が比較的多く設定される。Midモードは、これらLoモードとHiモードとの中間のモードであって、吹出温度および吹出風量それぞれがLoモードとHiモードとの中間の値に設定される。また、オートモードにあっては、後述するように環境情報を含む複数のパラメータに応じて、これらLoモード、Midモード、Hiモードが自動的に設定され、その設定されたモードに従って吹出温度および吹出風量それぞれが設定されることになる。
本実施形態の特徴は、前記オートモードにおける吹出温度および吹出風量それぞれの設定動作にある。以下、この設定動作を行うための構成について説明する。
エアコンECU6にはオート/マニュアルモード指令部61が備えられており、ディスプレイ7の操作によってオートモードが選択された場合には、このオート/マニュアルモード指令部61からオートモード指令信号が送信され、ネックヒータ2がオートモードで作動する。一方、ディスプレイ7の操作によってマニュアルモードが選択された場合には、このオート/マニュアルモード指令部61からマニュアルモード指令信号が送信され、ネックヒータ2がマニュアルモードで作動することになる。
また、このエアコンECU6において、オートモードにおける吹出温度および吹出風量それぞれの設定動作に寄与する機能部として、パラメータ取得部62、必要温調制御量算出部63、必要温調制御量補正部64および温調制御基本値決定部65を備えている。
パラメータ取得部62は、環境情報を含むパラメータを取得する。具体的には、車室内温度センサ110によって検出された車室内温度、外気温度センサ111によって検出された外気温度、日射量センサ112によって検出された日射量、湿度センサ113によって検出された車室内の湿度、車速センサ115によって検出された車両の走行速度(車速)を取得する。また、このパラメータ取得部62は、乗員Mのディスプレイ操作によって設定された設定温度(乗員Mが要求する車室内温度)の情報も取得する。更に、このパラメータ取得部62は、ルーフ開閉切替スイッチ114の出力信号(可動ルーフ開放指令信号または可動ルーフ閉鎖指令信号)も受信する。この出力信号を受信することによって現在の可動ルーフの状態(開放状態であるのか閉鎖状態であるのか)を把握できるようになっている。
必要温調制御量算出部63は、前記パラメータ取得部62によって取得されたパラメータに基づいて必要温調制御量(TAOBiseat)を算出すると共に、この必要温調制御量(TAOBiseat)からネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)を算出する。このネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)は、現在、乗員Mが要求している温調状態を得るために必要となるネックヒータ2から吹き出される温調風の制御量である。
前記必要温調制御量(TAOBiseat)の算出手法としては、以下の式(1)によって基本項を算出した後に、この算出した基本項を以下の式(2)に当て嵌めることによって算出する。なお、この必要温調制御量(TAOBiseat)の算出動作は所定時間毎に繰り返されて更新されていく。
基本項=設定温度項−車室内温度項−外気温度項−定数 …(1)
必要温調制御量(TAOBiseat)=基本項−日射量補正項−湿度補正項−仕向地補正項 …(2)
ここで、設定温度項は、乗員Mのディスプレイ操作によって設定された前記設定温度に対し、車種毎に予め設定された係数を乗算するなどして規定された値である。また、車室内温度項は、車室内温度センサ110によって検出された車室内温度に対し、車種毎に予め設定された係数を乗算するなどして規定された値である。外気温度項は、外気温度センサ111によって検出された外気温度に対し、車種毎に予め設定された係数を乗算するなどして規定された値である。日射量補正項は、日射量センサ112によって検出された日射量に対し、車種毎に予め設定された係数を乗算するなどして規定された値である。湿度補正項は、湿度センサ113によって検出された車室内の湿度に対し、車種毎に予め設定された係数を乗算するなどして規定された値である。なお、前記各係数は、車種毎に実験またはシミュレーションによって予め設定されている。また、式(1)の定数も、実験またはシミュレーションによって車種毎に予め設定されている。また、式(2)の仕向地補正項は、車両が寒冷地仕様であるか否か、また、車両の輸出国に応じて、実験またはシミュレーションによって予め設定されたものである。
前記式(1)によれば、乗員Mが要求する温調風の設定温度に対して車室内温度項が小さいほどまた外気温度項が小さいほど、基本項は大きな値として算出され、それに伴って必要温調制御量(TAOBiseat)も大きい値として算出されることになる。これは、乗員Mが要求する温調風の設定温度に対して車室内温度が低いほどまた外気温度が低いほど、乗員Mの暖房要求は高くなる傾向にあるため、この場合、必要温調制御量(TAOBiseat)を大きい値として算出して、温調風の目標吹出温度を高くすると共に、温調風の目標吹出風量を多くすることで、乗員Mの暖房要求に十分に応えられるようにするためである(必要温調制御量と、温調風の目標吹出温度および目標吹出風量との関係については後述する)。
同様に、前記式(2)によれば、日射量補正項が小さいほど、必要温調制御量(TAOBiseat)は大きい値として算出されることになる。これは、例えば冬季において日射量が少ないほど乗員Mの暖房要求は高くなる傾向にあるため、この場合も、必要温調制御量(TAOBiseat)が大きい値として算出され、温調風の目標吹出温度を高くすると共に、温調風の目標吹出風量を多くすることで、乗員Mの暖房要求に十分に応えられるようにするためである。
また、湿度補正項が大きいほど、必要温調制御量(TAOBiseat)は小さい値として算出されることになる。これは、例えば冬季において、乗員Mに比較的高温の温調風を吹き付けたとしても、その温調風の湿度が高い場合には、乗員Mが不快感を覚える可能性がある。このため、車室内の湿度が高い場合(送風ファン21が吸い込む車室内の空気の湿度が高い場合)には、必要温調制御量(TAOBiseat)を小さい値として算出し、温調風の目標吹出温度を低くすると共に、温調風の目標吹出風量を少なくすることで、乗員Mに不快感を与えないようにするためである。
また、ネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)は、前述の如く算出された必要温調制御量(TAOBiseat)が補正されることによって算出される。この必要温調制御量(TAOBiseat)に対する補正は、必要温調制御量補正部64が受信したカスタマイズ情報に従って行われる。このカスタマイズ情報は、ネックヒータ2からの温調風の吹出温度および吹出風量を変更したい要求が乗員Mに生じた場合、該乗員Mがディスプレイ7を操作することによって入力される情報である。
図5は、このカスタマイズ情報が存在する場合(乗員Mがディスプレイ7を操作してカスタマイズ情報を入力した場合)に、必要温調制御量(TAOBiseat)を補正してネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)を求めるための補正項の値を決定するオートモードカスタマイズ設定テーブルの一例を示す図である。乗員Mのディスプレイ操作によるカスタマイズ操作は、温調制御能力を高くする側に2段階、温調制御能力を低くする側に2段階それぞれ操作が可能となっている。図5では、温調制御能力を1段階だけ高くする操作入力を「1」とし、温調制御能力を2段階高くする操作入力を「2」とし、温調制御能力を1段階だけ低くする操作入力を「−1」とし、温調制御能力を2段階低くする操作入力を「−2」としている。
そして、前記操作入力が「1」の場合には補正項の値を「5」として必要温調制御量(TAOBiseat)に「5」を加算してネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)を算出し、前記操作入力が「2」の場合には補正項の値を「10」として必要温調制御量(TAOBiseat)に「10」を加算してネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)を算出し、前記操作入力が「−1」の場合には補正項の値を「−5」として必要温調制御量(TAOBiseat)から「5」を減算してネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)を算出し、前記操作入力が「−2」の場合には補正項の値を「−10」として必要温調制御量(TAOBiseat)から「10」を減算してネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)を算出するようになっている。
このようにして算出されたネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)は温調制御基本値決定部65に出力されることになる。つまり、ネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)は、カスタマイズ情報が存在しない場合には必要温調制御量(TAOBiseat)と同一の値として温調制御基本値決定部65に出力され、カスタマイズ情報が存在する場合には必要温調制御量(TAOBiseat)が前記補正項(オートモードカスタマイズ設定テーブルによって決定された補正項)によって補正された値として温調制御基本値決定部65に出力されることになる。
温調制御基本値決定部65は、前記算出されたネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)に基づいて温調制御基本値を決定する。この温調制御基本値は、ネックヒータ2の制御モードをLoモード、Midモード、Hiモードの何れに設定するかを決定するための値である。この温調制御基本値は、図6に示す温調制御基本値決定マップにネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)を当て嵌めることによって決定される。
また、この温調制御基本値決定マップは、ネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)に応じて、ネックヒータ2の制御モードをOFF、Loモード、Midモード、Hiモードのうちの何れかに設定するものである。本実施形態では、ネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)が上昇していく状況において、その値が図中のA2に達した時点でネックヒータ2の制御モードをOFFからLoモードに切り替え、図中のB2に達した時点でネックヒータ2の制御モードをLoモードからMidモードに切り替え、図中のC2に達した時点でネックヒータ2の制御モードをMidモードからHiモードに切り替えるようになっている。また、これらモードの切り替えにはヒステリシスが設けられており、ネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)が下降していく状況において、その値が図中のC2よりも小さいC1に達するまではHiモードが維持され、図中のB2よりも小さいB1に達するまではMidモードが維持され、図中のA2よりも小さいA1に達するまではLoモードが維持されるようになっている。このようにして決定されたネックヒータ2の制御モードの情報は、エアコンECU6からネックヒータECU27に出力される。
ネックヒータECU27において、オートモードにおける吹出温度および吹出風量それぞれの設定動作に寄与する機能部として、目標吹出温度設定部27aおよび目標吹出風量設定部27bを備えている。
目標吹出温度設定部27aは、温調制御基本値決定部65によって決定された温調制御基本値に応じて、ネックヒータ2の温調風の目標吹出温度を設定する。具体的には、図7に示す温調制御テーブルに、温調制御基本値を当て嵌めることによって目標吹出温度を設定する。この温調制御基本値決定マップでは、温調制御基本値が大きいほど目標吹出温度が高い値として設定されるようになっている。具体的には、温調制御基本値に従い、Loモードに設定された場合の目標吹出温度はA(例えば37℃)、Midモードに設定された場合の目標吹出温度はB(例えば40℃)、Hiモードに設定された場合の目標吹出温度はC(例えば43℃)に設定される。これらの値はこれに限定されるものではなく適宜設定される。
目標吹出風量設定部27bは、温調制御基本値決定部65によって決定された温調制御基本値、ルーフ開閉切替スイッチ114からの出力信号、および、車速センサ115によって検出された車両の走行速度それぞれに応じて、温調風の目標吹出風量を設定する。具体的には、図7に示す温調制御テーブルに、温調制御基本値、ルーフ状態、車速を当て嵌めることによって送風ファン出力(目標吹出風量)を設定する。この温調制御基本値決定マップでは、温調制御基本値が大きいほど送風ファン出力が大きい値として設定され、可動ルーフの閉鎖状態よりも開放状態の方が送風ファン出力が大きい値として設定され、更に、可動ルーフが開放状態にある場合において車速が所定値(例えば50km/h)未満である場合よりも所定値以上である方が送風ファン出力が大きい値として設定されるようになっている。また、可動ルーフが閉鎖状態にある場合には、車速に関わりなく送風ファン出力は可動ルーフが開放状態にある場合よりも小さい値として設定されるようになっている。
また、前述したようにディスプレイ7の操作によってマニュアルモードが選択された場合には、オート/マニュアルモード指令部61からマニュアルモード指令信号が送信され、ネックヒータ2がマニュアルモードで作動することになる。
このマニュアルモードでは、図示しないマニュアルモードカスタマイズ設定テーブルに従って送風ファン出力(目標吹出風量)および目標吹出温度が設定されることになる。
具体的には、ディスプレイ7の操作によってLoモードに設定された場合であってカスタマイズ情報が存在していない場合には目標吹出温度がA(例えば37℃)に、温調制御能力を1段階だけ低くするカスタマイズ情報が存在する場合には目標吹出温度がA−(例えば36℃)に、温調制御能力を1段階だけ高くするカスタマイズ情報が存在する場合には目標吹出温度がA+(例えば38℃)にそれぞれ設定される。また、Midモードに設定された場合であってカスタマイズ情報が存在していない場合には目標吹出温度がB(例えば40℃)に、温調制御能力を1段階だけ低くするカスタマイズ情報が存在する場合には目標吹出温度がB−(例えば39℃)に、温調制御能力を1段階だけ高くするカスタマイズ情報が存在する場合には目標吹出温度がB+(例えば41℃)にそれぞれ設定される。また、Hiモードに設定された場合であってカスタマイズ情報が存在していない場合には目標吹出温度がC(例えば43℃)に、温調制御能力を1段階だけ低くするカスタマイズ情報が存在する場合には目標吹出温度がC−(例えば42℃)に、温調制御能力を1段階だけ高くするカスタマイズ情報が存在する場合には目標吹出温度がC+(例えば44℃)にそれぞれ設定される。
また、このマニュアルモードにおいても、制御モード、ルーフ開閉切替スイッチ114からの出力信号、および、車速センサ115によって検出された車両の走行速度それぞれに応じて、温調風の目標吹出風量が設定される。具体的には、図示しないマニュアルモードカスタマイズ設定テーブルに、制御モード、カスタマイズ情報、ルーフ状態、車速を当て嵌めることによって送風ファン出力(目標吹出風量)を設定する。このマニュアルモードカスタマイズ設定テーブルでは、制御モードに応じて送風ファン出力が設定され、可動ルーフの閉鎖状態よりも開放状態の方が送風ファン出力が大きい値として設定され、更に、可動ルーフが開放状態にある場合において車速が所定値(例えば50km/h)未満である場合よりも所定値以上である方が送風ファン出力が大きい値として設定されるようになっている。また、可動ルーフが閉鎖状態にある場合には、車速に関わりなく送風ファン出力は可動ルーフが開放状態にある場合よりも小さい値として設定されるようになっている。
(車室内空調装置の温調制御)
次に、車室内空調装置3の温調制御の概略について説明する。この車室内空調装置3の温調制御では、エアミックスドア34cの回動位置の制御による吹出温度の制御(何れかの開口部31d,31e,31fから吹き出される温調風の温度の制御)、および、ブロア32aの回転速度の制御による吹出風量の制御(何れかの開口部31d,31e,31fから吹き出される温調風の風量の制御)が行われる。
また、これら吹出温度の制御および吹出風量の制御の制御モードとしては、乗員Mの手動操作によるマニュアルモードと、エアコンECU6によって行われるオートモードとがある。マニュアルモードとオートモードとの切り替えは、前記ディスプレイ7上に表示されるモード選択画面での操作によって行われる。
本実施形態の特徴は、前記オートモードにおける吹出温度および吹出風量それぞれの設定動作にある。前述したようにエアコンECU6にはオート/マニュアルモード指令部61が備えられており、ディスプレイ7の操作によってオートモードが選択された場合には、このオート/マニュアルモード指令部61からオートモード指令信号が送信され、車室内空調装置3がオートモードで作動する。一方、ディスプレイ7の操作によってマニュアルモードが選択された場合には、このオート/マニュアルモード指令部61からマニュアルモード指令信号が送信され、車室内空調装置3がマニュアルモードで作動することになる。
また、前述したように、エアコンECU6は、パラメータ取得部62、必要温調制御量算出部63、必要温調制御量補正部64および温調制御基本値決定部65を備えている。
つまり、パラメータ取得部62によって取得した環境情報を含むパラメータに基づき、必要温調制御量算出部63は、前記必要温調制御量(TAOBiseat)を算出すると共に、この必要温調制御量(TAOBiseat)からエアコン必要温調制御量(ECTAOi)を算出する。必要温調制御量(TAOBiseat)の算出は前記式(1)(2)を用いて行われる。つまり、この必要温調制御量(TAOBiseat)の算出までの手順は、前述したネックヒータ2の温調制御の場合と同様にして行われる。
エアコン必要温調制御量(ECTAOi)は、現在、乗員Mが要求している温調状態を得るために必要となる車室内空調装置3から吹き出される温調風の制御量である。また、エアコン必要温調制御量(ECTAOi)は、前述の如く算出された必要温調制御量(TAOBiseat)が補正されることによって算出される。この必要温調制御量(TAOBiseat)に対する補正は、必要温調制御量補正部64が受信したカスタマイズ情報に従って行われる。このカスタマイズ情報は、車室内空調装置3からの温調風の吹出温度および吹出風量を変更したい要求が乗員Mに生じた場合、該乗員Mがディスプレイ7を操作することによって入力される情報である。なお、カスタマイズ情報に基づく必要温調制御量(TAOBiseat)に対する補正は、前述した場合と同様に、カスタマイズ情報に応じた補正項が加算または減算されることで行われる。
このようにして算出されたエアコン必要温調制御量(ECTAOi)は温調制御基本値決定部65に出力されることになる。つまり、エアコン必要温調制御量(ECTAOi)は、カスタマイズ情報が存在しない場合には必要温調制御量(TAOBiseat)と同一の値として温調制御基本値決定部65に出力され、カスタマイズ情報が存在する場合には必要温調制御量(TAOBiseat)が前記補正項によって補正された値として温調制御基本値決定部65に出力されることになる。
温調制御基本値決定部65は、前記算出されたエアコン必要温調制御量(ECTAOi)に基づいて温調制御基本値を決定する。この温調制御基本値は、車室内空調装置3の吹出温度および吹出風量を決定するための値である。この温調制御基本値は、図8に示す温調制御基本値決定マップ(車室内空調装置制御用の温調制御基本値決定マップ)にエアコン必要温調制御量(ECTAOi)を当て嵌めることによって決定される。
また、この温調制御基本値決定マップは、エアコン必要温調制御量(ECTAOi)に応じて、車室内空調装置3の吹出温度および吹出風量を設定するものである。本実施形態における図8に示す温調制御基本値決定マップの横軸が吹出温度を決定するための指標となり、縦軸が吹出風量を決定するための指標となる。この温調制御基本値決定マップの横軸において、エアコン必要温調制御量(ECTAOi)におけるD1〜D3の範囲は、必要温調制御量(TAOBiseat)が小さい値として算出されたことによる冷房運転領域であり、D4〜D7の範囲は、必要温調制御量(TAOBiseat)が大きい値として算出されたことによる暖房運転領域である。この温調制御基本値決定マップから取得された吹出温度が車室内空調装置3の目標吹出温度として設定され、この温調制御基本値決定マップから取得された吹出風量が車室内空調装置3の目標吹出風量として設定されて車室内空調装置3の各アクチュエータが制御されることになる。
また、前述したようにディスプレイ7の操作によってマニュアルモードが選択された場合には、オート/マニュアルモード指令部61からマニュアルモード指令信号が送信され、車室内空調装置3がマニュアルモードで作動することになる。
また、前記カスタマイズ情報が存在する場合には、前述した温調制御基本値決定マップ(図8)に従って設定される車室内空調装置3の目標吹出温度および目標吹出風量がカスタマイズ情報に基づく増減分だけ補正されることで、当該カスタマイズ情報に従った目標吹出温度および目標吹出風量が設定されることになる。例えば、必要温調制御量(TAOBiseat)が前記補正項によって補正されることで得られるエアコン必要温調制御量(ECTAOi)が温調制御基本値決定部65に出力され、温調制御基本値決定マップにエアコン必要温調制御量(ECTAOi)を当て嵌めることによって温調制御基本値が決定され、前述した場合と同様に、この温調制御基本値決定マップに従って車室内空調装置3の目標吹出温度および目標吹出風量が設定されて該車室内空調装置3の各アクチュエータが制御されることになる。
(シート空調装置の温調制御)
次に、シート空調装置4の温調制御の概略について説明する。このシート空調装置4の温調制御では、シートヒータ41の発熱量の制御による温度制御(シートクッション部およびシートバック部の加熱量の制御)、および、送風ファン42の回転速度の制御による吹出風量の制御(シートクッション部およびシートバック部から乗員Mに向けての送風量の制御)が行われる。
また、これら発熱量の制御および吹出風量の制御の制御モードとしても、乗員Mの手動操作によるマニュアルモードと、エアコンECU6およびシート空調ECU43によって行われるオートモードとがある。マニュアルモードとオートモードとの切り替えは、前記ディスプレイ7上に表示されるモード選択画面での操作によって行われる。
本実施形態の特徴は、前記オートモードにおける発熱量および吹出風量それぞれの設定動作にある。前述したように、エアコンECU6は、パラメータ取得部62、必要温調制御量算出部63、必要温調制御量補正部64および温調制御基本値決定部65を備えている。
つまり、パラメータ取得部62によって取得した環境情報を含むパラメータに基づき、必要温調制御量算出部63は、前記必要温調制御量(TAOBiseat)を算出すると共に、この必要温調制御量(TAOBiseat)からシート必要温調制御量(SeatTAOi)を算出する。必要温調制御量(TAOBiseat)の算出は前記式(1)(2)を用いて行われる。つまり、この必要温調制御量(TAOBiseat)の算出までの手順は、前述したネックヒータ2の温調制御の場合と同様にして行われる。
シート必要温調制御量(SeatTAOi)は、現在、乗員Mが要求している温調状態を得るために必要となるシート空調装置4の温調制御量である。また、シート必要温調制御量(SeatTAOi)は、前述の如く算出された必要温調制御量(TAOBiseat)が補正されることによって算出される。この必要温調制御量(TAOBiseat)に対する補正は、必要温調制御量補正部64が受信したカスタマイズ情報に従って行われる。このカスタマイズ情報は、シート空調装置4の温調状態(シートヒータ41の発熱量または送風ファン42からの吹出風量)を変更したい要求が乗員Mに生じた場合、該乗員Mがディスプレイ7を操作することによって入力される情報である。なお、カスタマイズ情報に基づく必要温調制御量(TAOBiseat)に対する補正は、前述した場合と同様に、カスタマイズ情報に応じた補正項が加算または減算されることで行われる。
このようにして算出されたシート必要温調制御量(SeatTAOi)は温調制御基本値決定部65に出力されることになる。つまり、シート必要温調制御量(SeatTAOi)は、カスタマイズ情報が存在しない場合には必要温調制御量(TAOBiseat)と同一の値として温調制御基本値決定部65に出力され、カスタマイズ情報が存在する場合には必要温調制御量(TAOBiseat)が前記補正項によって補正された値として温調制御基本値決定部65に出力されることになる。
温調制御基本値決定部65は、前記算出されたシート必要温調制御量(SeatTAOi)に基づいて温調制御基本値を決定する。この温調制御基本値は、シート空調装置4のシートヒータ41の発熱量または送風ファン42からの吹出風量を決定するための値である。この温調制御基本値は、図9に示す温調制御基本値決定マップ(シート空調装置制御用の温調制御基本値決定マップ)にシート必要温調制御量(SeatTAOi)を当て嵌めることによって決定される。
また、この温調制御基本値決定マップは、シート必要温調制御量(SeatTAOi)に応じて、シート空調装置4のシートヒータ41の発熱量または送風ファン42からの吹出風量を設定するものである。本実施形態における図9に示す温調制御基本値決定マップでは、縦軸のOFFよりも上側では、必要温調制御量(TAOBiseat)が大きい値として算出されたことによる加熱領域(シートヒータ41によってシートクッション部およびシートバック部を加熱する領域)であり、OFFよりも下側では、必要温調制御量(TAOBiseat)が小さい値として算出されたことによる冷却領域(送風ファン42によってシートクッション部およびシートバック部から送風を行う領域)である。この温調制御基本値決定マップにあっては、縦軸のOFFよりも上側の範囲では、上側ほどシートヒータ41の発熱量が大きく設定される。また、縦軸のOFFよりも下側の範囲では、下側ほど送風ファン42からの吹出風量が多く設定される。
また、この温調制御基本値決定マップにおいても、前述した図6の温調制御基本値決定マップと同様に、シートヒータ41の発熱量の切り替えおよび送風ファン42からの吹出風量の切り替えにはヒステリシスが設けられている。この温調制御基本値決定マップに従ってシートヒータ41の発熱量または送風ファン42からの吹出風量が設定され、シート空調ECU43に備えられた目標温度設定部44および目標風量設定部45によってシートヒータ41および送風ファン42が制御されることになる。
また、前述したようにディスプレイ7の操作によってマニュアルモードが選択された場合には、オート/マニュアルモード指令部61からマニュアルモード指令信号が送信され、シートヒータ41または送風ファン42がマニュアルモードで作動することになる。
(ステアリングヒータの温調制御)
次に、ステアリングヒータ5の温調制御の概略について説明する。このステアリングヒータ5の温調制御では、ヒータ51の発熱量の制御による温度制御(ステアリングホイールの加熱量の制御)が行われる。
また、この発熱量の制御の制御モードとしても、乗員Mの手動操作によるマニュアルモードと、エアコンECU6およびステアリングヒータECU52によって行われるオートモードとがある。マニュアルモードとオートモードとの切り替えは、前記ディスプレイ7上に表示されるモード選択画面での操作によって行われる。
本実施形態の特徴は、前記オートモードにおける発熱量の設定動作にある。前述したように、エアコンECU6は、パラメータ取得部62、必要温調制御量算出部63、必要温調制御量補正部64および温調制御基本値決定部65を備えている。
つまり、パラメータ取得部62によって取得した環境情報を含むパラメータに基づき、必要温調制御量算出部63は、前記必要温調制御量(TAOBiseat)を算出すると共に、この必要温調制御量(TAOBiseat)からステアリング必要温調制御量(SteerTAOi)を算出する。必要温調制御量(TAOBiseat)の算出は前記式(1)(2)を用いて行われる。つまり、この必要温調制御量(TAOBiseat)の算出までの手順は、前述したネックヒータ2の温調制御の場合と同様にして行われる。
ステアリング必要温調制御量(SteerTAOi)は、現在、乗員Mが要求している温調状態を得るために必要となるステアリングヒータ5の温調制御量である。また、ステアリング必要温調制御量(SteerTAOi)は、前述の如く算出された必要温調制御量(TAOBiseat)が補正されることによって算出される。この必要温調制御量(TAOBiseat)に対する補正は、必要温調制御量補正部64が受信したカスタマイズ情報に従って行われる。このカスタマイズ情報は、ステアリングヒータ5の温調状態(ヒータ51の発熱量)を変更したい要求が乗員Mに生じた場合、該乗員Mがディスプレイ7を操作することによって入力される情報である。なお、カスタマイズ情報に基づく必要温調制御量(TAOBiseat)に対する補正は、前述した場合と同様に、カスタマイズ情報に応じた補正項が加算または減算されることで行われる。
このようにして算出されたステアリング必要温調制御量(SteerTAOi)は温調制御基本値決定部65に出力されることになる。つまり、ステアリング必要温調制御量(SteerTAOi)は、カスタマイズ情報が存在しない場合には必要温調制御量(TAOBiseat)と同一の値として温調制御基本値決定部65に出力され、カスタマイズ情報が存在する場合には必要温調制御量(TAOBiseat)が前記補正項によって補正された値として温調制御基本値決定部65に出力されることになる。
温調制御基本値決定部65は、前記算出されたステアリング必要温調制御量(SteerTAOi)に基づいて温調制御基本値を決定する。この温調制御基本値は、ステアリングヒータ5のヒータ51の発熱量を決定するための値である。この温調制御基本値は、図10に示す温調制御基本値決定マップ(ステアリングヒータ制御用の温調制御基本値決定マップ)にステアリング必要温調制御量(SteerTAOi)を当て嵌めることによって決定される。
また、この温調制御基本値決定マップは、ステアリング必要温調制御量(SteerTAOi)に応じて、ステアリングヒータ5のヒータ51の発熱量を設定するものである。本実施形態における図10に示す温調制御基本値決定マップでは、縦軸の上側ほどヒータ51の発熱量が大きく設定される。
また、この温調制御基本値決定マップにおいても、前述した図6の温調制御基本値決定マップと同様に、ヒータ51の発熱量の切り替えにはヒステリシスが設けられている。この温調制御基本値決定マップに従ってヒータ51の発熱量が設定され、ステアリングヒータECU52に備えられた目標温度設定部53によってヒータ51が制御されることになる。
また、前述したようにディスプレイ7の操作によってマニュアルモードが選択された場合には、オート/マニュアルモード指令部61からマニュアルモード指令信号が送信され、ヒータ51がマニュアルモードで作動することになる。
(ネックヒータ制御の手順)
次に、前述した各温調デバイス2,3,4,5の温調制御のうちネックヒータ制御の手順を代表して図11のフローチャートに沿って説明する。このフローチャートは、温調システム1が作動され、乗員Mのディスプレイ操作によって設定温度が設定された状態においてエアコンECU6およびネックヒータECU27によって所定時間毎に繰り返して実行される。
先ず、ステップST1において、現在のネックヒータ2の制御モードがオートモードとなっているか否かを判定する。具体的には、乗員Mのディスプレイ操作によって各温調デバイス2,3,4,5の制御モードが個別に選択される状況において、ネックヒータ2の制御モードがオートモードに選択されている場合には、このステップST1でYES判定される。また、前記オールオートモードスイッチが押された場合(全ての温調デバイス2,3,4,5の制御モードをオートモードに設定する操作が行われた場合)にも、このステップST1でYES判定されることになる。
現在のネックヒータ2の制御モードがオートモードとなっており、ステップST1でYES判定された場合には、ステップST2に移り、各種パラメータを取得する。具体的には、車室内温度センサ110によって検出された車室内温度、外気温度センサ111によって検出された外気温度、日射量センサ112によって検出された日射量、湿度センサ113によって検出された車室内の湿度、車速センサ115によって検出された車両の走行速度、ルーフ開閉切替スイッチ114の出力信号から得られる可動ルーフ状態情報を取得する。
その後、ステップST3に移り、前記式(1)(2)によって必要温調制御量(TAOBiseat)を算出する。
その後、ステップST4に移り、乗員Mのディスプレイ操作によるカスタマイズ情報が存在する場合には該カスタマイズ情報を取得してステップST5に移る。また、カスタマイズ情報が存在しない場合にはそのままステップST5に移る。
ステップST5にあっては、このカスタマイズ情報の有無に応じてネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)を算出する。この際、カスタマイズ情報が存在しない場合には、ネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)は必要温調制御量(TAOBiseat)に一致する。これに対し、カスタマイズ情報が存在している場合には、図5で示したオートモードカスタマイズ設定テーブルから求められる補正項による補正が行われてネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)が算出される。
その後、ステップST6に移り、図6で示した温調制御基本値決定マップにネックヒータ必要温調制御量(NeckTAOi)を当て嵌めることによって温調制御基本値が決定される。つまり、ネックヒータ2の制御モードが、Loモード、Midモード、Hiモードの何れかに設定される。
このようにしてネックヒータ2の制御モードが設定された後、ステップST7に移り、ルーフ状態情報および車速情報を取得して、ステップST8に移り、図7で示した温調制御テーブルに従って、送風ファン出力および目標吹出温度が取得され、これらを目標吹出風量および目標吹出温度として設定して送風ファン21およびヒータ22が制御され、ネックヒータ2がオートモードで作動することになる(ステップST9)。
一方、現在のネックヒータ2の制御モードがオートモードではなく、ステップST1でNO判定された場合には、ステップST10に移り、現在のネックヒータ2の制御モードがマニュアルモードとなっているか否かを判定する。具体的には、乗員Mのディスプレイ操作によってネックヒータ2の制御モードがマニュアルモードに設定されているか否かを判定する。現在のネックヒータ2の制御モードがマニュアルモードではなく、ステップST10でNO判定された場合、つまり、ネックヒータ2の制御モードがオートモードおよびマニュアルモードの何れでもない場合には、ステップST11に移り、ネックヒータ2を停止(OFF)させる。
一方、現在のネックヒータ2の制御モードがマニュアルモードとなっており、ステップST10でYES判定された場合には、ステップST12に移り、乗員Mのディスプレイ操作によって指示されている制御モード(マニュアル指示モード)を取得する。また、ステップST13に移り、乗員Mのディスプレイ操作によるカスタマイズ情報が存在する場合には該カスタマイズ情報を取得してステップST14に移る。また、カスタマイズ情報が存在しない場合にはそのままステップST14に移る。
ステップST14にあっては、ステップST12で取得したマニュアル指示モードおよびステップST13で取得したカスタマイズ情報の有無に応じ、図示しないマニュアルモードカスタマイズ設定テーブルに従って、送風ファン出力および目標吹出温度が取得され、これらを目標吹出風量および目標吹出温度として設定して送風ファン21およびヒータ22が制御され、ネックヒータ2がマニュアルモードで作動することになる(ステップST14)。
以上の動作が繰り返され、ネックヒータ2はオートモードまたはマニュアルモードで制御され、乗員Mの首部に向けて温調風を吹き出すことで当該乗員Mの首部周辺の快適性が確保される。
なお、その他の温調デバイス3,4,5の制御においても、ネックヒータ制御の手順と同様の手順によって行われる。
つまり、車室内空調装置3の制御の手順としては、図11におけるステップST5が前記エアコン必要温調制御量(ECTAOi)の算出動作とされ、ステップST9で車室内空調装置3がオートモードで作動することになる。また、ステップST14で車室内空調装置3がマニュアルモードで作動することになる
また、シート空調装置4の制御の手順としては、図11におけるステップST5が前記シート必要温調制御量(SeatTAOi)の算出動作とされ、ステップST8でシートヒータ41の発熱量または送風ファン42からの吹出風量が設定され、ステップST9でシート空調装置4がオートモードで作動することになる。また、ステップST14でシート空調装置4がマニュアルモードで作動することになる
また、ステアリングヒータ5の制御の手順としては、図11におけるステップST5が前記ステアリング必要温調制御量(SeatTAOi)の算出動作とされ、ステップST8でヒータ51が設定され、ステップST9でステアリングヒータ5がオートモードで作動することになる。また、ステップST14でステアリングヒータ5がマニュアルモードで作動することになる
−実施形態の効果−
以上説明したように、本実施形態では、環境情報を含むパラメータに基づいて算出した必要温調制御量から温調制御基本値を決定し、この温調制御基本値に応じて複数の温調デバイス2,3,4,5それぞれの制御パラメータを制御するようにしている。このため、各温調デバイス2,3,4,5それぞれを、互いに主従の関係を有することなしに温調制御基本値に応じて制御することができ、多数の温調デバイス2,3,4,5が車両に搭載された場合であっても、これら温調デバイス2,3,4,5を互いに連携させて適正に制御することができる。
また、本実施形態では、乗員Mの手動操作により入力されるカスタマイズ情報に応じて必要温調制御量(TAOBiseat)を補正して各温調デバイス2,3,4,5毎の必要温調制御量(NeckTAOi、ECTAOi、SeatTAOi、SeatTAOi)を算出するようにしている。これにより、乗員Mの変更要求に対して良好に応えることが可能である。
−他の実施形態−
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
例えば、前記実施形態では、コンバーチブル車両に搭載された複数の温調デバイス2,3,4,5を制御対象とした場合について説明した。本発明はこれに限らず、固定式の屋根を備えた車両(非コンバーチブル車両)に搭載された複数の温調デバイスを制御対象とする場合にも適用が可能である。一般に、ネックヒータ2はコンバーチブル車両に専用の温調デバイスであるため、非コンバーチブル車両に搭載される複数の温調デバイスとしてはネックヒータ2は含まれないものとなる。
また、前記実施形態では、制御対象である温調デバイスとして、ネックヒータ2、車室内空調装置3、シート空調装置4、ステアリングヒータ5を例に挙げて説明した。本発明はこれに限らず、これらのうちから選択された複数の温調デバイスを制御対象とするようにしてもよいし、これ以外の温調デバイスを含めて制御対象とするようにしてもよい。
また、前記実施形態では、パラメータ取得部62によって取得される環境情報を含むパラメータとして、車室内温度、外気温度、日射量、車室内の湿度を例示したが、これらに限定されるものではない。例えば、これらパラメータのうちの少なくとも一つであってもよいし、これら以外のパラメータであってもよい。
また、前記実施形態では、車両の前部座席に適用されるネックヒータ2について説明したが、後部座席を有する車両における当該後部座席にもネックヒータを適用し、このネックヒータの制御装置として本発明を適用してもよい。
また、前記実施形態では、必要温調制御量補正部64および温調制御基本値決定部65をエアコンECU6に備えさせるようにしていたが、この必要温調制御量補正部64および温調制御基本値決定部65を各温調デバイス2,4,5のECU27,43,52に備えさせるようにしてもよい。
本発明は、車両に搭載された複数の温調デバイスに対する温調制御を行う温調デバイス制御装置に適用可能である。
1 温調システム
2 ネックヒータ(温調デバイス)
27 ネックヒータECU(制御部)
27a 目標吹出温度設定部
27b 目標吹出風量設定部
3 車室内空調装置(温調デバイス)
4 シート空調装置(温調デバイス)
43 シート空調ECU(制御部)
44 目標温度設定部
45 目標風量設定部
5 ステアリングヒータ(温調デバイス)
52 ステアリングヒータECU(制御部)
53 目標温度設定部
6 エアコンECU(制御部)
62 パラメータ取得部
63 必要温調制御量算出部
65 温調制御基本値決定部
110 車室内温度センサ
111 外気温度センサ
112 日射量センサ
113 湿度センサ

Claims (1)

  1. 車両に搭載された複数の温調デバイスそれぞれの制御パラメータを制御する温調デバイス制御装置において、
    環境情報を含むパラメータを取得するパラメータ取得部と、
    前記パラメータ取得部によって取得された前記パラメータに基づいて必要温調制御量を算出する必要温調制御量算出部と、
    前記必要温調制御量算出部によって算出された前記必要温調制御量に基づいて温調制御基本値を決定する温調制御基本値決定部と、
    前記温調制御基本値決定部によって決定された前記温調制御基本値に応じて前記複数の温調デバイスそれぞれの制御パラメータを制御する制御部と、
    を備えていることを特徴とする車両の温調デバイス制御装置。
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