JP3972021B2 - プラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体およびプラズマディスプレイ前面板の製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体およびプラズマディスプレイ前面板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に電極が形成されたガラス基板上に誘電体層が形成され、この誘電体層の上にパターニングされたスペーサ層を有するプラズマディスプレイ前面板を製造するための未焼成積層体、および、プラズマディスプレイ前面板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
放電現象を利用して多数の微細なセルを自己発光させることにより画像を形成するプラズマディスプレイ(PDP)は、大画面、薄型、軽量、フラットという、従来のディスプレイでは実現できなかった優れた特徴を有しており、その普及が図られている。
【0003】
従来のプラズマディスプレイは、縦方向にリブを入れたストレート構造のセルが主流であった。しかし、近年、プラズマディスプレイ前面への効率的な導光を図るため、縦方向だけでなく横方向にもリブを入れたワッフル構造のセルが開発された。セルをワッフル構造にすることで、隣接セルからの漏光を防ぎ、極めて高効率な前面への導光を実現できる。
【0004】
図1にワッフル構造型セルを有するプラズマディスプレイの要部の分解斜視図を示す。プラズマディスプレイは、透明電極110とバス電極112からなる複合電極11が互いに平行に形成された前面板1と、上記複合電極11と直交するようにアドレス電極21が互いに平行に形成された背面板2とが対向して配設され、一体化されてなる表示素子である。前記前面板1は表示面となる透明ガラス基板10を有しており、このガラス基板10の内側、すなわち背面板2側には、上記複合電極11が配置されている。そして、この複合電極11を覆うように誘電体層12が形成され、この誘電体層12上にはパターニングされたスペーサ層16が設けられており、この誘電体層12およびスペーサ層16の表面にはMgO等からなる保護膜19が形成されている。一方、背面板2の基板20の前面板1側には、上記のアドレス電極21が配置され、このアドレス電極21を覆うように誘電体層22が形成され、この誘電体層22上に下記の発光部が形成されている。
【0005】
上記の複合電極11とアドレス電極21とが交差する空間に位置することになる前記発光部は多数のセルから構成されている。多数のセルは、前記誘電体層22上の縦横方向に形成されたリブ24によって構成されており、リブ24の壁面とリブ内の誘電体層22の表面、すなわち各セルの内面と底面を覆うようにして蛍光体層26が設けられている。プラズマディスプレイでは、前面板の複合電極間に交流電源から所定の電圧を印加して電場を形成することにより、セル内で放電が行われ、この放電により生じる紫外線により蛍光体層26を発光させる。
【0006】
図2は、ワッフル構造型セルを有するプラズマディスプレイの前面板1を背面板側から見た斜視図である。また、図3は、ワッフル構造型セルを有するプラズマディスプレイの断面図である。図2に示すように、ワッフル構造型のプラズマディスプレイでは、誘電体層12上に、ライン状に等間隔に配列した多数のスペーサ層16が設けられている。図3に示すように、この前面板1では、前記スペーサ層16がリブ24と接触するため、リブ24で囲まれてなる各セルの上部に隙間Xができ、この隙間Xを通じて各セルへ希ガスを導入できる。
【0007】
このような前面板を製造する方法としては、スクリーン印刷法を利用した製造方法とフォトリソグラフィー法を利用した製造方法の2つに大別できる。
スクリーン印刷法を利用した製造方法では、ガラス基板10上にガラスペースト膜を形成し、500℃〜700℃で焼成して誘電体層12を形成した後、誘電体層12上にガラスペースト組成物をスクリーン印刷によりパターン状に積層し、それを再度500℃〜700℃で焼成してスペーサ層16を形成する。
【0008】
しかし、スクリーン印刷法を利用した製造方法では、2度の焼成工程が必要であるため、製造コストがかかり、また、パターンの位置精度が悪いという問題があった。
【0009】
次に、図10を参照しながら、フォトリソグラフィー法を利用した製造プロセスを説明する。まず、ガラス基板10上に非感光性ガラスペースト膜からなる未焼成誘電体層12A、および、感光性ガラスペースト膜からなる感光性未露光未焼成スペーサ材料層16Aを形成し、この感光性未露光未焼成スペーサ材料層16Aに、フォトマスク3を介して紫外線などを照射する(図10(a))。つぎに、現像処理してレジストパターン16A´を顕在化させる(図10(b))。これを500℃〜700℃で焼成することにより誘電体層12およびスペーサ層16を同時に形成する(図10(c))。
【0010】
フォトリソグラフィー法を利用した製造方法では、1度の焼成で、誘電体層12およびスペーサ層16を同時に焼成できるため、スクリーン印刷法を利用した製造方法と比較して製造コストを抑えることができるという利点がある。
【0011】
しかしながら、上述のような製造プロセスにおいては、現像処理してレジストパターンを顕在化させた際、本来スペーサ層として残すべき部分以外にスペーサ材料が残存することがあった(図10(b)参照)。現像除去部位(凹部)に残ったスペーサ材料残渣Aは、焼成処理によってガラスフリット成分が溶融して幾分フラットになるものの、誘電体層12の露光表面に凸凹として残り、スペーサ層16間の誘電体層12の膜厚が不均一化するといった問題が生じる(図10(c)参照)。
【0012】
図3から分かるように、プラズマディスプレイにおいては、スペーサ層16間に発光部が配置されるため、この部分の誘電体層12の膜厚が不均一だと、光透過率、放電特性が不均一となり、画像に歪みが生じる一因となる。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−150949号
【特許文献2】
特開2002−328467号
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、放電特性および光透過率のムラのないプラズマディスプレイ前面板を得ることができる材料および製造方法を提供することを課題とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するために、鋭意、実験、検討を重ねたところ、以下のような知見を得るに至った。
【0016】
すなわち、未焼成誘電体層とその上に形成するスペーサ材料層との間に、スペーサ層を得るための現像水または水溶液によって溶解除去可能または膨潤され、かつ焼成処理によって焼尽可能な材料層を中間層として、積層しておき、その後、露光処理以降の処理を従来通りに行うことにより、前述のスペーサ材料残渣を焼成処理前に除去しておくことができ、しかも、焼成処理によって中間層は焼尽されて存在しなくなるので、焼成後の積層構造は従来と同様になる。
また、係る中間層を含む上下層の2層もしくは3層を予め離型支持フィルム上に形成しておき、この積層体を製造時に基板上に積層するようにすることによって、膜厚均一性および表面平滑性の良好な層を形成できることも、知るに至った。
【0017】
本発明は、前記知見に基づいてなされたもので、本発明に係るプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体は、離型支持フィルム上に下記(i)〜(iii)のいずれかを形成したことを特徴とする。
(i)可焼尽性中間層および未焼成誘電体層
(ii)スペーサ材料層および可焼尽性中間層
(iii)スペーサ材料層、可焼尽性中間層および未焼成誘電体層
【0018】
ここで、本願明細書において、「プラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体」とは、プラズマディスプレイ前面板を製造する際、離型支持フィルム上に製膜された各層を、離型支持フィルムを剥がしてガラス基板上に貼着するために用いられる積層体を意味する。
【0019】
本発明のプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体を用いることにより、プラズマディスプレイ前面板の製造に際して、水溶性または水膨潤性の可焼尽性中間層が、未焼成誘電体層とスペーサ材料層との間に位置することになる。前記スペーサ材料層にパターン光を照射し、現像することにより、前記スペーサ材料層をパターン化する際、パターン凸部間の前記可焼尽性中間層の露出表面には、スペーサ材料の滓が残留するが、本発明の未焼成積層体を用いた場合には、スペーサ材料の滓は可焼尽性中間層の表面に形成されることになり、現像液(水もしくは水溶液)によってスペーサ材料残渣が運び去られるため、現像除去部位へのスペーサ層材料の残存を容易に防ぐことができる。
【0020】
本発明のプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体において、前記離型支持フィルムと反対側の表面が離型保護フィルムによって保護されていることが好ましい。
【0021】
また、前記スペーサ材料層が、水現像型の感光性ガラスペースト膜であることが好ましい。また、可焼尽性中間層が、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、水溶性セルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂からなり、その厚さが5μm以下であることが好ましい。
【0022】
また、本発明に係るプラズマディスプレイ前面板の製造方法は、ガラス基板の電極形成面の上に、下層から順に、ガラスペースト材料からなる未焼成誘電体層、水溶性または水膨潤性の可焼尽性中間層、および、感光性未露光未焼成スペーサ材料層を積層し、前記スペーサ材料層にパターン光を照射し、現像することにより、前記スペーサ材料層をパターン化し、前記ガラス基板上の未焼成誘電体層、可焼尽性中間層、および前記パターン化スペーサ材料層を同時に焼成処理することにより、前記可焼尽性中間層を焼尽させ、ガラス基板上に前記誘電体層とスペーサ層とを同時に形成することを特徴とする。
【0023】
本発明のプラズマディスプレイ前面板の製造方法においては、ガラス基板上に前記可焼尽性中間層と、未焼成誘電体層および/またはスペーサ材料層とを形成する際、上述の本発明のプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体を用いることが好ましい。すなわち、離型支持フィルム上に製膜された各層を、離型支持フィルムを剥がしてガラス基板上に貼着することにより、ガラス基板上に前記可焼尽性中間層と、未焼成誘電体層および/またはスペーサ材料層とを積層することが好ましい。
【0024】
本発明のプラズマディスプレイ前面板の製造方法において、本発明のプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体を用いてガラス基板上に各層を積層することにより、膜厚均一性および表面平滑性の良好な層を形成することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明に係る未焼成積層体の主な供給形態としては、可焼尽性中間層と、感光性未露光未焼成スペーサ材料層または未焼成誘電体層との2層構成体と、未焼成誘電体層と可焼尽性中間層と感光性未露光未焼成スペーサ材料層とからなる3層構成体とが考えられる。これらの2層構成体および3層構成体は、両面を容易に剥離可能な離型フィルムにより保護されて、貯蔵、搬送、および取り扱いが容易とされる。
【0026】
本発明に係る未焼成積層体の特徴は、予め製造しておき、使用期限はあるものの所定期間を貯蔵しておくことができるので、プラズマディスプレイ前面板を製造する場合に、即座に使用することができ、プラズマディスプレイ前面板の製造の効率化を高めることができる点にある。そして、係る未焼成積層体の本質的かつ最大の特徴は、可焼尽性中間層を有する点にある。この可焼尽性中間層は、水溶性もしくは水膨張性を有しており、さらに焼成処理条件において完全に焼尽されてしまう特性を持つことにある。
【0027】
この可焼尽性中間層は、プラズマディスプレイ前面板の製造時において、後述の製造方法において詳述するが、未焼成誘電体層とスペーサ材料層との間に位置することになる。このような積層状態にある前記スペーサ材料層にパターン光を照射し、現像することにより、スペーサ材料層をパターン化すると、従来技術の項で説明したように、パターン凸部間の前記可焼尽性中間層の露出表面には、スペーサ材料の滓が残留する。従来の製造方法では、このスペーサ材料の残渣がそのまま残り、焼成処理によって溶融し、均一な平滑面であるべき誘電体層露出表面を凹凸のある面へと劣化させていた。これに対して、本発明の未焼成積層体を用いた場合には、スペーサ材料の滓は可焼尽性中間層の表面に形成されることになり、この可焼尽性中間層が水溶性である場合には、現像液(水もしくは水溶液)によって露出部分の可焼尽性中間層ごとスペーサ材料残渣は、洗い流される。また、可焼尽性中間層が水膨潤性である場合には、現像液によって膨潤し、その表面に存在するスペーサ材料残渣を浮き上がらせ、容易に現像液によって運び去られる。
【0028】
前述のようなスペーサ材料残渣の現像液による除去を可能にし、その役割を終えた可焼尽性中間層は、未焼成誘電体層および未焼成スペーサ材料層の焼成処理によって、完全に焼尽されてしまう。その結果、従来と同じ構成および寸法の誘電体層とスペーサ層とが前面板のガラス基板上に形成される。得られた前面板と、従来の前面板との違いは、スペーサ層と隣接のスペーサ層との間の誘電体層露出面が、従来は凹凸が存在したのに比べ、本発明により製造した前面板では、前記露出面が平滑となっている点にある。これは、本発明の未焼成積層体が構成要素として水溶性もしくは水膨張性の可焼尽性中間層を有していることから得られる格別顕著な効果である。
【0029】
以下、本発明に係る未焼成積層体の各層の構成について、説明し、その後、本発明の未焼成積層体を用いたプラズマディスプレイ前面板の製造方法について詳述する。
【0030】
〔A〕未焼成積層体
図4に、本発明の未焼成積層体の主な供給形態の断面図を示す。図4(i)は、可焼尽性中間層および未焼成誘電体層の2層構成体の例である。図4(i)において、符号180は、可剥離性の支持フィルムであり、この上には可焼尽性中間層14が形成されている。この可焼尽性中間層14の上にはガラスペースト材料からなる未焼成誘電体層12Aが形成され、その上には保護層として保護フィルム182が被覆されている。
【0031】
また、図4(ii)は、スペーサ材料層および可焼尽性中間層の2層構成体の例である。図4(ii)において、可剥離性の支持フィルム180の上に、感光性未露光未焼成スペーサ材料層16Aが形成されている。このスペーサ材料層16Aの上には水溶性または水膨潤性の可焼尽性中間層14が形成され、その上には保護層として保護フィルム182が被覆されている。
【0032】
また、図4(iii)は、スペーサ材料層、可焼尽性中間層および未焼成誘電体層の3層構成体の例である。図4(iii)において、可剥離性の支持フィルム180の上に、感光性未露光未焼成スペーサ材料層16Aが形成されている。このスペーサ材料層16Aの上には水溶性または水膨潤性の可焼尽性中間層14が形成され、さらに、この可焼尽性中間層14の上には未焼成誘電体層12Aが形成されている。この未焼成誘電体層12Aの表面は、保護フィルム182によって保護されている。
【0033】
(a)可焼尽性中間層
可焼尽性中間層14は、水溶性または水膨潤性であり、水で洗浄して溶解あるいは膨潤することにより、現像除去部位に残存する感光性未露光未焼成スペーサ材料層を浮かせて除去するための層である。
【0034】
可焼尽性中間層14は、水溶性または水膨潤性であって、500〜700℃で焼成することによって分解、焼失するものであれば特に限定されないが、水溶性樹脂および水膨潤性樹脂の少なくとも1種からなることが好ましい。可焼尽性中間層は、水溶性樹脂および水膨潤性樹脂の少なくとも1種、および溶剤を含有する可焼尽性中間層組成物を用いて形成することが好ましい。
【0035】
(i)水溶性樹脂または水膨潤性樹脂
水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、水溶性セルロース等を好ましく用いることができる。また、水膨潤性樹脂としては、前記水溶性樹脂を部分的に架橋したものを用いることができる。これらは単独、または2種類以上を混合して用いてもよい。
【0036】
ポリビニルアルコール誘導体の具体例としては、例えば、シラノール変性ポリビニルアルコール、カチオン変成ポリビニルアルコール、メルカプト基含有ポリビニルアルコール、ブチラール樹脂等が挙げられる。
【0037】
水溶性セルロースの具体例としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
【0038】
これらのうち、水溶性、熱分解性、耐溶剤性(誘電体層の溶剤に対する抵抗性という観点から、ポリビニルアルコール、ヒドロキメチルセルロースが好ましい。
【0039】
(ii)溶剤
可焼尽性中間層を形成するために用いる溶剤としては、水溶性樹脂または水膨潤性樹脂の溶解性が良好で、塗布に適した粘性を付与することができ、乾燥されることによって容易に蒸発除去できるものであれば、とくに限定されず、水、イソプロピルアルコール等の有機溶剤を用いることができる。
【0040】
(iii)可焼尽性中間層の形成
可焼尽性中間層は、上記水溶性樹脂または水膨潤性樹脂を溶剤で塗布に適した濃度に希釈し、当該組成物を用いて塗膜を形成した後、乾燥して溶剤を除去することにより形成できる。
【0041】
可焼尽性中間層を形成するための可焼尽性中間層組成物における水溶性樹脂または水膨潤性樹脂の割合は、50重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましく、0.1〜20重量%以下が最も好ましい。
【0042】
可焼尽性中間層の厚さは20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。可焼尽性中間層が厚すぎると、後の水洗工程で感光性未露光未焼成スペーサ材料層のパターンまで流されてしまうので好ましくない。可焼尽性中間層の最適な膜厚は0.1〜3μmである。
【0043】
(b)未焼成誘電体層
未焼成誘電体層12Aは、ガラスフリットを含有するガラスペースト組成物を用いて形成した塗膜を乾燥したガラスペースト膜からなる。未焼成誘電体層12Aは、焼成工程で有機物が除去されるとともにガラスフリットが焼結されて誘電体層12となる層である。未焼成誘電体層12Aを形成するためのガラスペースト組成物は、ガラスフリット、結着樹脂、溶剤等を含有する。
【0044】
(i)ガラスフリット
ガラスペースト組成物に含まれるガラスフリットは、必要な透明性を満たすものであれば特に限定はないが、例えば具体的には、PbO−SiO2系、PbO−B23−SiO2系、ZnO−SiO2系、ZnO−B23−SiO2系、BiO−SiO2系、BiO−B23−SiO2系のホウ珪酸鉛ガラス、ホウ珪酸亜鉛ガラス、ホウ珪酸ビスマスガラス等のガラス粉末を用いることができる。
【0045】
ガラスフリットの粒子径は、作製するパターンの形状によるが、平均粒径が0.1〜10μm、より好ましくは0.5〜8μmが好適に用いられる。平均粒径が10μmを超えると、高精度のパターン形成時に表面凹凸が生じるため好ましくなく、平均粒径が0.1μm未満では焼成時に微細な空洞が形成され絶縁不良発生の原因となり好ましくない。前記ガラスフリットの形状としては、球状、ブロック状、フレーク状、デンドライト状が挙げられ、その単独又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0046】
また、ガラスフリットに加えて、セラミックス(コーディライト等)、金属等の無機粉末を用いてもよい。無機粉末として、具体的には、酸化コバルト、酸化鉄、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化マンガン、酸化ネオジウム、酸化バナジウム、酸化セリウムチペークイエロー、酸化カドミウム、酸化ルテニウム、シリカ、マグネシア、スピネルなどNa、K、Mg、Ca、Ba、Ti、Zr、Al等の各酸化物等が挙げられる。
【0047】
なお、前記無機粉末が酸化ケイ素、酸化アルミニウムまたは酸化チタンを含有すると濁りが生じ、光線透過率が低下するので、それらの成分を含まない無機粉末が望ましい。
【0048】
無機粉末として、黒、赤、青、緑等に発色する無機顔料を添加して、各色のパターンを形成することにより、誘電体層にプラズマディスプレイのカラーフィルターとしての機能を持たせることも好ましい。
【0049】
また、無機粉末は物性値の異なる微粒子の混合物であってもよい。特に、ガラスフリットと熱軟化点の異なるセラミックス粉末等を用いることによって、焼成時の収縮率を抑制することができる。この無機粉末は、誘電体層の特性に応じて形状、物性値の組合等を変えて配合するのがよい。
【0050】
(ii) 結着樹脂
ガラスペースト組成物に含まれる結着樹脂としては、アクリル樹脂、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂などが知られている。アクリル樹脂、特にヒドロキシル基を有するアクリル系樹脂が含有されていることにより、ガラス基板に対する優れた加熱接着性が発揮されるため好ましい。
【0051】
ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂としては、ヒドロキシル基を有するモノマーを主要な共重合性モノマーとし、さらに必要に応じてそれらと共重合可能な他のモノマーを重合して得た共重合体が挙げられる。前記ヒドロキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜20のモノアルコールとのモノエステル化物が好適であり、例えばヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートなどを挙げることができ、また、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜10のグリコールとのモノエステル化物やグリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、ジペンタエリトリトールモノアクリレート、ジペンタエリトリトールモノメタクリレート、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシルエチルアクリレート、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートなどのエポキシエステル化合物を挙げることができる。
【0052】
上記ヒドロキシル基を有するモノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのα,β−不飽和カルボン酸、及びこれらの無水物またはハーフエステル化物、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロメチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロメチルメタクリレートなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、p−ビニルトルエンなどのスチレン類などが好ましく挙げられる。また、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなども用いることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0053】
(iii)溶剤
ガラスペースト組成物に含まれる溶剤としては、有機成分の溶解性が良好で、感光性ガラスペースト組成物に適度な粘性を付与することができ、乾燥されることによって容易に蒸発除去できるものであればとくに限定されない。また、特に好ましい溶剤として、沸点が100〜200℃であるケトン類、アルコール類およびエステル類を挙げることができる。
【0054】
かかる溶剤の具体例としては、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;n−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系アルコール類;酢酸−n−ブチル、酢酸アミルなどの飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸エチル、乳酸−n−ブチルなどの乳酸エステル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテートなどのエーテル系エステル類などを例示することができ、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0055】
(iv)未焼成誘電体層の形成
未焼成誘電体層は、上記ガラスペースト組成物の塗膜を形成した後、当該塗膜を乾燥して溶媒を除去することにより形成できる。
【0056】
ガラスフリットと無機粒子を合計した無機成分と結着樹脂等の有機成分との比率は、無機成分と有機成分の総和100重量部に対して、有機成分が10〜40重量部、無機粉末が90〜65重量部、好ましくは有機成分が15〜35重量部、無機粉末が85〜70重量部、さらに好ましくは有機成分が20〜30重量部、無機粉末が80〜70重量部の範囲がよい。有機成分が10重量部未満の場合には、フィルム形成ができず、有機成分が35重量部を超えると焼成後にシュリンクが大きくなり好ましくない。
【0057】
また、溶剤の含有割合は、ガラスペースト組成物の粘度を好適な範囲に維持するため、無機成分と有機成分との総和100重量部に対して、300重量部以下が好ましく、より好ましくは10〜70重量部、25〜35重量部が最も好ましい。
【0058】
ガラスペースト組成物には、ガラスフリット、結着樹脂、溶剤の必須成分のほかに、可塑剤、分散剤、粘着性付与剤、表面張力調整剤、安定剤、消泡剤などの各種添加剤が任意成分として含有されていてもよい。
【0059】
乾燥後の未焼成誘電体層の膜厚は、10〜100μm、好ましくは25〜70μmとすることが好ましい。
【0060】
(c)スペーサ材料層
スペーサ材料層16Aは、感光性ガラスペースト組成物を用いて形成した塗膜を乾燥した感光性ガラスペースト膜からなる。スペーサ材料層16Aは、フォトリソグラフィー法によりパターンを形成した後、焼成工程で有機物を除去するとともにガラスフリットを焼結することにより、スペーサ層16となる層である。
【0061】
スペーサ材料層の形成に用いる感光性ガラスペースト組成物は、紫外線、エキシマレーザー、X線、電子線(以下光線等という)による露光処理に対して必要な透明性を持ち、フォトリソグラフィー手段で精度の高いパターンが形成できるスペーサ材料層を形成できれば、特に限定されない。
【0062】
このような感光性ガラスペースト組成物としては、例えば特開2000−268633号公報、特開2000−53444号公報、特開平11−246638号公報、特開2002−328470号公報に記載の感光性ペースト組成物などが挙げられる。
【0063】
特に水現像型の感光性ガラスペースト組成物は、前記誘電体パターン形成工程における現像工程と、前記水洗工程とを同時に行うことができて製造工程を簡素化できる上、光線透過率がよく有機成分を多くしても光線透過率を高く維持でき、フォトリソグラフィー手段で精度の高いパターンが形成できるので好ましい。
【0064】
感光性ガラスペースト組成物は、レジスト組成物、ガラスフリット、溶剤等を含有する。このうち、ガラスフリットおよび溶剤は、(b)未焼成誘電体層の項で述べたガラスペースト組成物と同じものを使用できる。
【0065】
感光性ガラスペースト組成物に用いるレジスト組成物は、結着樹脂、光重合性単量体および光重合開始剤を含有する。
【0066】
(i)結着樹脂
感光性ガラスペースト組成物に含まれる結着樹脂としては、(b)未焼成誘電体層の項で述べたガラスペースト組成物中の結着樹脂と同じものを用いることができるが、特に、感光性ガラスペースト組成物では、ヒドロキシル基を有するアクリル系樹脂と水溶性セルロース誘導体とを組み合わせて用いることにより、紫外線、エキシマレーザー、X線、電子線などの活性光線の透過率が向上し、精度の高いパターンが形成できるため好ましい。
【0067】
水溶性セルロース誘導体としては、公知のものが使用でき特に限定されないが、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
【0068】
(ii)光重合性単量体
光重合性単量体としては、公知の光重合性単量体でよく特に限定されないが、例えばベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、スチレン、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールモノメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、ジペンタエリトリトールモノアクリレート、ジペンタエリトリトールモノメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フタル酸変性モノアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、カルドエポキシジアクリレート、これら例示化合物の(メタ)アクリレートをフマレートに代えたフマル酸エステル、イタコネートに代えたイタコン酸エステル、マレエートに代えたマレイン酸エステルなどが挙げられる。
【0069】
(iii)光重合開始剤
光重合開始剤としては、一般に知られているものを用いることができ、例えばベンゾフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾインアルキルエーテル類、アセトフェノン類、アミノアセトフェノン類、ベンジル類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルアルキルケタール類、アントラキノン類、ケタール類、チオキサントン類等が挙げられる。具体的な例として2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビスートリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4'−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−イソアミル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4'−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリルニ量体などを挙げることができる。これらは単独でもまたは2種以上を組合せても使用できる。
【0070】
(iv)スペーサ材料層の形成
スペーサ材料層は、上記感光性ガラスペースト組成物の塗膜を形成した後、当該塗膜を乾燥して溶媒を除去することにより形成できる。
【0071】
感光性ガラスペースト組成物において、水溶性セルロース誘導体とヒドロキシル基を有するアクリル樹脂の比率は2つの成分の総和100重量部に対し、水溶性セルロース誘導体が50〜90重量部、ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂が50〜10重量部、好ましくは水溶性セルロース誘導体が60〜80重量部、ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂が40〜20重量部、さらに好ましくは水溶性セルロース誘導体が60〜70重量部、ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂が40〜30重量部の範囲がよい。
【0072】
水溶性セルロース誘導体と光重合性単量体との比率は2つの成分の総和100重量部に対し、水溶性セルロース誘導体が10〜50重量部、光重合性単量体が90〜50重量部、好ましくは水溶性セルロース誘導体が20〜40重量部、光重合性単量体が80〜60重量部、さらに好ましくは水溶性セルロース誘導体が25〜35重量部、光重合性単量体が75〜65重量部の範囲がよい。
【0073】
光重合開始剤は、水溶性セルロース誘導体と光重合性単量体の総和100重量部に対し、0.1〜10重量部の範囲、より好ましくは0.2〜5重量部の範囲が好適に用いられる。光重合開始剤が0.1重量部未満の場合、硬化性が低下する。また、光重合開始剤が10重量部を超える場合、開始剤の吸収による底部硬化不良が見られる。
【0074】
水溶性セルロース誘導体やアクリル樹脂等の結着樹脂、光重合開始剤等の有機成分と、ガラスフリットと無機粒子を合計した無機成分との比率は、感光性ガラスペースト組成物の総和100重量部に対し、有機成分が10〜40重量部、無機粉末が90〜60重量部、好ましくは有機成分が15〜35重量部、無機粉末が85〜65重量部、さらに好ましくは有機成分が20〜30重量部、無機粉末が80〜70重量部の範囲がよい。
【0075】
また、溶剤の含有割合は、感光性ガラスペースト組成物の粘度を好適な範囲に維持するため、無機成分と有機成分との総和100重量部に対して、300重量部以下が好ましく、より好ましくは10〜70重量部、25〜35重量部が最も好ましい。
【0076】
上記に加えて、必要に応じて、紫外線吸収剤、増感剤、増感助剤、重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、有機溶媒、分散剤、消泡剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤などの添加剤成分を加えることができる。
【0077】
感光性ガラスペースト組成物の塗膜を乾燥して得られる感光性未露光未焼成スペーサ材料層の膜厚は、10〜50μm、好ましくは15〜40μmである。
【0078】
(d)未焼成積層体の製造方法
本発明の未焼成積層体の製造に使用する支持フィルム180としては、支持フィルム上に製膜された各層を支持フィルムから容易に剥離することができ、各層をガラス基板上に転写できる離型フィルムであれば特に限定なく使用でき、例えば膜厚15〜125μmのポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂フィルムからなる可撓性フィルムが挙げられる。前記支持フィルムには必要に応じて、転写が容易となるように離型処理されていることが好ましい。
【0079】
支持フィルム上にスペーサ材料層16A、可焼尽性中間層14、未焼成誘電体層12Aを形成するに際しては、各層を形成するための組成物を調整し、支持フィルム180上にアプリケーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、カーテンフローコーターなどを用いて支持フィルムに塗布する。特にロールコーターが膜厚の均一性に優れ、かつ厚さの厚い膜が効率よく形成できて好ましい。塗膜を乾燥させた後、この乾燥させた塗膜の上に次の層を形成するための組成物を塗布することにより、各層を積層していき、図4(i)〜(iii)に記載の本発明の未焼成積層体を作製する。
【0080】
支持フィルム180と反対側の表面には未使用時に感光性ペースト組成物層等を安定に保護するため保護フィルム182を貼着するのがよい。この保護フィルムとしては、シリコーンをコーティングまたは焼き付けした厚さ15〜125μm程度のポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリエチレンフィルムなどが好適である。
【0081】
〔B〕プラズマディスプレイ前面板の製造方法
本発明のプラズマディスプレイ前面板の製造方法は、ガラス基板の電極形成面の上に、下層から順に、ガラスペースト材料からなる未焼成誘電体層、水溶性または水膨潤性の可焼尽性中間層、および、感光性未露光未焼成スペーサ材料層を積層し、前記スペーサ材料層にパターン光を照射し、現像することにより、前記スペーサ材料層をパターン化し、前記ガラス基板上の未焼成誘電体層、可焼尽性中間層、および前記パターン化スペーサ材料層を同時に焼成処理することにより、前記可焼尽性中間層を焼尽させ、ガラス基板上に前記誘電体層とスペーサ層とを同時に形成することを特徴とする。
【0082】
(a)ガラス基板上への各層の形成
ガラス基板上に、可焼尽性中間層、未焼成誘電体層およびスペーサ材料層を積層する方法については特に限定されるものではなく、例えば、塗布法、スクリーン印刷法等の公知の手法を用いて各層を積層することが可能である。ただし、膜厚均一性および表面平滑性の良好な層を形成できるという観点からは、上述した図4(i)〜(iii)に記載の本発明の未焼成積層体を用いて、各層を形成する方法が最も好ましい。
【0083】
図4(i)に記載の未焼成積層体を用いてプラズマディスプレイ前面板の製造する工程を、図5および図6を参照しながら説明する。まず、支持フィルム180、可焼尽性中間層14、未焼成誘電体層12Aおよび保護フィルム182の順に積層した未焼成積層体を作製し(図5(a))、図6に示すように保護フィルム182を剥離し、ガラス基板10の電極11設置面に露出した未焼成誘電体層12Aを重ね合わせて、支持フィルム180上から加熱ローラ40を移動させることにより、未焼成誘電体層12Aおよび可焼尽性中間層14をガラス基板の表面に熱圧着させる(図5(b))。
【0084】
熱圧着は、ガラス基板10の表面温度を80〜140℃に加熱し、ロール圧1〜5kg/cm2、移動速度0.1〜10.0m/分の範囲で行うのがよい。前記ガラス基板は予熱されていてもよく、予熱温度としては例えば40〜100℃の範囲が選択される。
【0085】
未焼成誘電体層12A上から剥離した保護フィルム182は、順次巻き取りローラ42でロール状に巻き取って保存すれば再利用が可能である。
【0086】
このようにして、ガラス基板の表面にガラス基板10の表面に未焼成誘電体層12Aおよび可焼尽性中間層14を加熱接着した後(図5(b))、可焼尽性中間層14から支持フィルム180を剥離して、可焼尽性中間層14を表面に露出させる(図5(c))。可焼尽性中間層14から剥離した支持フィルム180もまた、順次巻き取りローラでロール状に巻き取って保存すれば再利用が可能である。
【0087】
次いで、表面に露出した可焼尽性中間層14の上に、スペーサ材料層16Aを積層する(図5(d))。スペーサ材料層16Aの積層方法は特に限定されないが、可焼尽性中間層および未焼成誘電体層の形成と同様の手法により積層することが好ましい。すなわち、支持フィルム上に感光性ガラスペースト組成物を塗布して乾燥することによりスペーサ材料層16Aを形成し、スペーサ材料層16Aが可焼尽性中間層14に接触するようにして可焼尽性中間層14の上に積層し、当該支持フィルム上に加熱ローラを移動させることにより、スペーサ材料層16Aを可焼尽性中間層14の表面に転写することが好ましい。
【0088】
次に、図4(ii)に記載の未焼成積層体を用いてプラズマディスプレイ前面板を製造する場合について、図7を参照しながら説明する。まず、支持フィルム180、スペーサ材料層16A、可焼尽性中間層14および保護フィルム182の順に積層した未焼成積層体を作製する(図7(a))。別途、ガラス基板10の電極11設置面に未焼成誘電体層12Aを形成する(図7(b))。未焼成誘電体層12Aの形成方法は特に限定されないが、支持フィルム上にガラスペースト組成物を塗布して乾燥することにより未焼成誘電体層12Aを形成し、この未焼成誘電体層12Aがガラス基板10の電極11設置面に接触するようにしてガラス基板10の上に積層し、当該支持フィルム上に加熱ローラを移動させることにより、ガラス基板10の上に未焼成誘電体層12Aを転写することが好ましい。この未焼成誘電体層12Aの表面に、図7(a)の未焼成積層体の保護フィルム182を剥離して可焼尽性中間層14を重ね合わせて、支持フィルム180上から加熱ローラ40を移動させることにより、可焼尽性中間層14およびスペーサ材料層16Aを未焼成誘電体層12Aに加熱接着させる(図7(c))。ついで、スペーサ材料層16A上の支持フィルム180を剥離することにより、ガラス基板10上に未焼成誘電体層12A、可焼尽性中間層14およびスペーサ材料層16Aを形成できる(図7(d))。
【0089】
図4(iii)に記載の未焼成積層体を用いてプラズマディスプレイ前面板の製造する場合について、図8を参照しながら説明する。まず、支持フィルム180、スペーサ材料層16A、可焼尽性中間層14、未焼成誘電体層12Aおよび保護フィルム182の順に積層した未焼成積層体を作製する(図8(a))。この未焼成積層体の保護フィルム182を剥離して未焼成誘電体層12Aを露出させ、ガラス基板10の電極11設置面にこの未焼成誘電体層12Aを重ね合わせて、支持フィルム180上から加熱ローラ40を移動させ、未焼成誘電体層12Aおよび可焼尽性中間層14をガラス基板の表面に加熱接着させる(図8(b))。ついで、スペーサ材料層16A上の支持フィルム180を剥離することにより、ガラス基板10上に未焼成誘電体層12A、可焼尽性中間層14およびスペーサ材料層16Aを形成できる(図8(c))。
【0090】
(b)露光・現像処理
次に、露光・現像処理について、図9を参照しながら説明する。上述の方法によって、ガラス基板上に未焼成誘電体層12A、可焼尽性中間層14、スペーサ材料層16Aを形成した後、前記スペーサ材料層16Aにフォトマスク3をあわせて露光することにより、パターン部分のスペーサ材料層を硬化させる(図9(a))。
【0091】
スペーサ材料層16Aが、酸素存在下では硬化反応が進行しにくい感光性材料からなる場合、スペーサ材料層16Aの表面を透明フィルムで被覆した状態で露光することが好ましい。例えば、本発明の未焼成積層体において支持フィルム180として透明フィルムを用いた場合は、ガラス基板上へ各層を形成した後、スペーサ材料層16A上に支持フィルム180を貼り付けたままの状態で露光し、露光完了後に支持フィルム180を剥離することが好ましい。
【0092】
露光で使用される放射線照射装置としては、フォトリソグラフィー法で一般的に使用されている紫外線照射装置、半導体および液晶表示装置を製造する際に使用されている露光装置などが使用できる。
【0093】
つぎに、現像により感光性未露光未焼成スペーサ材料層の未硬化部分16Aを除去して、レジストパターン16A´を顕在化させる(図9(b)参照)。
【0094】
上記現像処理では汎用のアルカリ現像液や水が用いられ、アルカリ現像液のアルカリ成分としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、ベンジルアミン、ブチルアミンなどの第1級アミン、ジメチルアミン、ジベンジルアミン、ジエタノールアミンなどの第2級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの第3級アミン、モロホリン、ピペラジン、ピリジンなどの環状アミン、エチレンジアミン、へキサメチレンジアミンなどのポリアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルベンジルアンモニウムヒドロキシドなどのアンモニウムヒドロキシド類、トリメチルスルホニウムヒドロキシド類、トリメチルスルホニウムヒドロキシド、ジエチルメチルスルホニウムヒドロキシド、ジメチルベンジルスルホニウムヒドロキシドなどのスルホニウムヒドロキシド類、コリン、ケイ酸塩含有緩衝液などが挙げられるがフリットのアルカリ成分によるダメージを考慮すると水が好ましい。
【0095】
前記スペーサ材料層をパターン化する際、パターン凸部間の前記可焼尽性中間層の露出表面には、スペーサ材料の滓が残留するが(図9(b)A参照)、本発明の製造方法においては、このスペーサ材料の滓Aは可焼尽性中間層14の表面に形成されることになる。
【0096】
この可焼尽性中間層14が水溶性である場合、図9(c−1)に示すように、現像液(水もしくは水溶液)によって露出部分の可焼尽性中間層ごとスペーサ材料残渣Aは、洗い流される。また、可焼尽性中間層が水膨潤性である場合には、図9(c−2)に示すように、可焼尽性中間層14は現像液によって膨潤し、その表面に存在するスペーサ材料残渣Aを浮き上がらせ、容易に現像液によって運び去られる。
【0097】
このようにして、本発明においては、表面を現像液(水もしくは水溶液)で洗浄することにより、パターンを残すべき部分以外に残存するスペーサ材料残渣Aを容易に洗い流すことができる。
【0098】
ここで「洗浄する」とは、現像液(水もしくは水溶液)と接触させることを意味し、例えば浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法、パドル法等、可焼尽性中間層14を溶解または膨潤させて現像除去部位に残存するスペーサ材料残渣を除去できる限り、いかなる手段を用いてもよい。
【0099】
(c)焼成
パターンを形成した積層体を、500℃〜700℃で焼成することにより、未焼成誘電体層12Aおよび感光性未露光未焼成スペーサ材料層16A´に含まれるガラスフリットが焼結され、それぞれ誘電体層12、スペーサ層16となる。これによって、誘電体層12上にスペーサ層16がパターニングされた本発明のプラズマディスプレイ前面板が得られる(図9(d)参照)。焼成工程で、積層体中の有機物は、揮発、分解されるため、焼成後の積層体中に可焼尽性中間層14は残らない。
【0100】
このようにして、表面に電極が形成されたガラス基板上に誘電体層が形成され、この誘電体層の上にパターニングされたスペーサ層を有するプラズマディスプレイ前面板を製造した後、表面に露出している誘電体層およびスペーサ層上をMgO等の保護膜19で被覆することが好ましい。
【0101】
このように本発明のプラズマディスプレイ前面板の製造方法によれば、未焼成誘電体層12Aおよび感光性未露光未焼成スペーサ材料層16Aの間に水溶性および/または水膨潤性の可焼尽性中間層14を設けて、パターン形成後に、現像除去部位に残存するスペーサ材料層の残渣を水で洗い流すことができるため、現像除去部位の平坦性を向上することができ、放電特性および光透過率のムラないプラズマディスプレイ前面板を製造することが可能となる。
【0102】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、これら実施例は本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。なお、以下の説明においては、実施例とともに比較例も記載している。
【0103】
<実施例1>
(1)可焼尽性中間層組成物の調整
ポリビニルアルコール(商品名PVA−235、クラレ社製)4重量部、溶媒として水53重量部及びイソプロピルアルコール43重量部をかきまぜ機で12時間混合することで水溶性の可焼尽性中間層組成物を調整した。
【0104】
(2)可焼尽性中間層の形成
得られた可焼尽性中間層組成物を離型ポリエチレンテレフタレート(商品名ピューレックスA53、帝人デュポンフィルム(株)社製)からなる支持フィルム上にリップコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で6分間乾燥して溶媒を完全に除去し、厚さ0.5μmの可焼尽性中間層を支持フィルム上に形成した。
【0105】
(3)ガラスペースト組成物の調整
アクリル樹脂としてイソブチルメタクリレート/ヒドロキシエチルアクリレート=80/20(重量%)共重合体(Mw=20000)20重量部、溶剤として3−メトキシ−3−メチルブタノール20重量部及びガラスフリット80重量部を混練することでガラスペースト組成物を調整した。
【0106】
(4)未焼成誘電体層の形成
得られたガラスペースト組成物を(2)で得られた支持フィルム上に形成された可焼尽性中間層上にリップコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で60分間乾燥して溶剤を完全に除去し、厚さ60μmの未焼成誘電体層を支持フィルム上に形成した。次に未焼成誘電体層上に25μmの厚みの離型ポリエチレンテレフタレート(商品名ピューレックスA53、帝人デュポンフィルム(株)社製)を張り合わせ、未焼成誘電体層および可焼尽性中間層転写用の未焼成積層体を製造した。
【0107】
(5)水現像型レジスト組成物の調整
水溶性セルロース誘導体としてヒドロキシプロピルセルロース22重量部、アクリル樹脂としてスチレン/ヒドロキシエチルメタクリレート=55/45(重量%)共重合体(Mw=40000)14重量部、光重合単量体として2−メタクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート(商品名HO−MPP、共栄社化学(株)社製)63重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(商品名IR−651、チバガイギー社製)0.9重量部、紫外線吸収剤としてアゾ染料(商品名染料SS、ダイトーケミックス社製)0.1重量部及び溶剤として3−メトキシ−3−メチルブタノール100重量部をかきまぜ機で3時間混合することにより、水現像型レジスト組成物を調整した。
【0108】
(5)の水現像型レジスト組成物(固形分50%)20重量部とガラスフリット80重量部を混練することで水現像型感光性ガラスペースト組成物を調整した。
【0109】
(6)スペーサ材料層の形成
得られた水現像型感光性ガラスペースト組成物をポリエチレンテレフタレートからなる支持フィルム上にリップコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で6分間乾燥して溶剤を完全に除去し、厚さ40μmのスペーサ材料層を支持フィルム上に形成した。次にスペーサ材料層上に25μm厚みのポリエチレンフィルムを張り合わせ、スペーサ材料層転写用の未焼成積層体を製造した。
【0110】
(7)ガラス基板上への各層の形成
(4)で得られた未焼成積層体の離型ポリエチレンテレフタレート(商品名ピューレックスA24、帝人デュポンフィルム(株)社製)をはがしながら、予め80℃に加熱しておいたバス電極が形成されたガラス基板にホットロールラミネーターにより105℃でラミネートして、ガラス基板上に未焼成誘電体層および可焼尽性中間層を形成した。エア圧力は3kg/cm2とし、ラミネート速度は1.0m/minとした。
続いて支持フィルムの離型ポリエチレンテレフタレート(商品名ピューレックスA53、帝人デュポンフィルム(株)社製)を剥離した。
【0111】
次に、(6)で得られた未焼成積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、予め80℃に加熱しておいた上記(7)で得られた可焼尽性中間層表面にロールラミネーターにより常温でラミネートして、可焼尽性中間層上にスペーサ材料層を形成した。エア圧力は3kg/cm2とし、ラミネート速度は1.0m/minとした。
【0112】
(8)評価
スペーサ材料層に試験角パターンマスクを介して、超高圧水銀灯により300mJ/cm2の照射量で紫外線露光を行なった。続いて支持フィルムのポリエチレンテレフタレートを剥離した後、液温30℃の水を用いて3kg/cm2の噴射圧で、30秒間のスプレー現像を行ないパターン形成した。得られたパターンについて走査型顕微鏡を用いて密着性及びパターン形状を評価したところ、残った最小線幅は60μmであり、パターンのライン間にスペーサ材料層の残渣は観察されず、良好なパターン形状が得られた。
【0113】
また、パターンの焼成後の形状安定性を評価するため、上記の方法でパターンを形成し、昇温スピード1.0℃/minで加熱させ、580℃で30分間保持する焼成処理を行なったところ、良好な焼成パターンが得られた。また、パターンのライン間の底面は平坦であり、残渣の溶融痕跡による凸凹は観察されなかった。
【0114】
<実施例2>
(1)ガラスペースト組成物の調整
アクリル樹脂としてイソブチルメタクリレート/ヒドロキシエチルアクリレート=80/20(重量%)共重合体(Mw=20000)20重量部、溶剤として3−メトキシ−3−メチルブタノール20重量部及びガラスフリット80重量部を混練することでガラスペースト組成物を調整した。
【0115】
(2)未焼成誘電体層の形成
得られたガラスペースト組成物を離型ポリエチレンテレフタレート(商品名ピューレックスA24、帝人デュポンフィルム(株)社製)からなる支持フィルム上にリップコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で6分間乾燥して溶媒を完全に除去し、厚さ60μmの未焼成誘電体層を支持フィルム上に形成した。
【0116】
(3)可焼尽性中間層組成物の調整
ポリビニルアルコール(商品名PVA−235、クラレ社製)4重量部、溶媒として水53重量部及びイソプロピルアルコール43重量部をかきまぜ機で12時間混合することで水溶性の可焼尽性中間層組成物を調整した。
【0117】
(4)可焼尽性中間層の形成
得られた可焼尽性中間層組成物を(2)で得られた支持フィルム上に形成された未焼成誘電体層上にリップコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で6分間乾燥して溶剤を完全に除去し、厚さ0.5μmの可焼尽性中間層を形成した。
【0118】
(5)水現像型レジスト組成物の調整
水溶性セルロース誘導体としてヒドロキシプロピルセルロース22重量部、アクリル樹脂としてスチレン/ヒドロキシエチルメタクリレート=55/45(重量%)共重合体(Mw=40000)14重量部、光重合単量体として2−メタクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート(商品名HO−MPP、共栄社化学(株)社製)63重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(商品名IR−651、チバガイギー社製)0.9重量部、紫外線吸収剤としてアゾ染料(商品名染料SS、ダイトーケミックス社製)0.1重量部及び溶剤として3−メトキシ−3−メチルブタノール100重量部をかきまぜ機で3時間混合することにより、水現像型レジスト組成物を調整した。
【0119】
(5)の水現像型レジスト組成物(固形分50%)20重量部とガラスフリット80重量部を混練することで水現像型感光性ガラスペースト組成物を調整した。
【0120】
(6)スペーサ材料層の形成
得られた水現像型感光性ガラスペースト組成物を(4)で得られた支持フィルム上に形成された可焼尽性中間層上にリップコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で6分間乾燥して溶剤を完全に除去し、厚さ40μmのスペーサ材料層を形成した。次にスペーサ材料層上に離型ポリエチレンテレフタレート(商品名ピューレックスA53、帝人デュポンフィルム(株)社製)を張り合わせ5層構造の未焼成積層体を製造した。
【0121】
(7)ガラス基板上への各層の形成
次に、(6)で得られた未焼成積層体の離型ポリエチレンテレフタレート(商品名ピューレックスA24、帝人デュポンフィルム(株)社製)を剥がしながら、予め80℃に加熱しておいたバス電極が形成されたガラス基板にホットロールラミネーターにより105℃でラミネートして、ガラス基板上に未焼成誘電体層、可焼尽性中間層、スペーサ材料層を形成した。エア圧力は3kg/cm2とし、ラミネート速度は1.0m/minとした。
【0122】
(8)評価
スペーサ材料層に試験角パターンマスクを介して、超高圧水銀灯により300mJ/cm2の照射量で紫外線露光を行った。続いて離型ポリエチレンテレフタレート(商品名ピューレックスA53、帝人デュポンフィルム(株)社製)を剥離した後、液温30℃の水を用いて3kg/cm2の噴射圧で、30秒間のスプレー現像を行ないパターン形成した。得られたパターンについて走査型顕微鏡を用いて密着性及びパターン形状を評価したところ、残った最小線幅は60μmであり、パターンのライン間にスペーサ材料層の残渣は観察されず、良好なパターン形状が得られた。
【0123】
また、パターンの焼成後の形状安定性を評価するため、上記の方法でパターンを形成し、昇温スピード1.0℃/minで加熱させ、580℃で30分間保持する焼成処理を行なったところ、良好な焼成パターンが得られた。また、パターンのライン間の底面は平坦であり、残渣の溶融痕跡による凸凹は観察されなかった。
【0124】
<実施例3>
実施例1で使用した可焼尽性中間層組成物をヒドロキシメチルセルロース(商品名メトローズ65S−400、信越化学工業社製)4重量部、溶媒として水50重量部及びメタノール46重量部をかきまぜ機で12時間混合することで得た水溶性の可焼尽性中間層組成物に代えた以外は、実施例1と同様の操作及び評価によりパターンを形成したところ、残った最小線幅は60μmであり、パターンのライン間にスペーサ材料層の残渣は観察されず、良好なパターン形状が得られた。
【0125】
また、パターンの焼成後の形状安定性を評価するため、上記の方法でパターンを形成し、昇温スピード1.0℃/minで加熱させ、580℃で30分間保持する焼成処理を行なったところ、良好な焼成パターンが得られた。また、パターンのライン間の底面は平坦であり、残渣の溶融痕跡による凸凹は観察されなかった。
【0126】
<実施例4>
実施例1で使用した可焼尽性中間層組成物をブチラール樹脂(商品名エスレックBX−L、セキスイ化学社製)10重量部をメタノール90重量部に溶解して得た溶液50重量部と実施例2で得た可焼尽性中間層組成物125重量部を混合し、かきまぜ機で12時間混合することで得た水膨潤性の可焼尽性中間層組成物に代えた以外は、実施例1と同様の操作及び評価によりパターンを形成したところ、残った最小線幅は60μmであり、パターンのライン間にスペーサ材料層の残渣は観察されず、良好なパターン形状が得られた。
【0127】
また、パターンの焼成後の形状安定性を評価するため、上記の方法でパターンを形成し、昇温スピード1.0℃/minで加熱させ、580℃で30分間保持する焼成処理を行なったところ、良好な焼成パターンが得られた。また、パターンのライン間の底面は平坦であり、残渣の溶融痕跡による凸凹は観察されなかった。
【0128】
<比較例1>
(1)ガラスペースト組成物の調整
アクリル樹脂としてイソブチルメタクリレート/ヒドロキシエチルアクリレート=80/20(重量%)共重合体(Mw=20000)20重量部、溶剤として3−メトキシ―3−メチルブタノール20重量部及びガラスフリット80重量部を混練することでガラスペースト組成物を調整した。
【0129】
(2)未焼成誘電体層の形成
得られたガラスペースト組成物をポリエチレンテレフタレートからなる支持フィルム上にリップコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で6分間乾燥して溶媒を完全に除去し、厚さ60μmの未焼成誘電体層を支持フィルム上に形成した。次に未焼成誘電体層上に25μmの厚みのポリエチレンフィルムを張り合わせ未焼成誘電体層転写用の未焼成積層体を製造した。
【0130】
(3)水現像型レジスト組成物の調整
水溶性セルロース誘導体としてヒドロキシプロピルセルロース22重量部、アクリル樹脂としてスチレン/ヒドロキシエチルメタクリレート=55/45(重量%)共重合体(Mw=40000)14重量部、光重合単量体として2−メタクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート(商品名HO−MPP、共栄社化学(株)社製)63重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(商品名IR−651、チバガイギー社製)0.9重量部、紫外線吸収剤としてアゾ染料(商品名染料SS、ダイトーケミックス社製)0.1重量部及び溶剤として3−メトキシ−3−メチルブタノール100重量部をかきまぜ機で3時間混合することにより、水現像型レジスト組成物を調整した。
【0131】
(3)の水現像型レジスト組成物(固形分50%)20重量部とガラスフリット80重量部を混練することで水現像型感光性ガラスペースト組成物を調整した。
【0132】
(4)スペーサ材料層の形成
得られた水現像型感光性ガラスペースト組成物をポリエチレンテレフタレートからなる支持フィルム上にリップコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で6分間乾燥して溶剤を完全に除去し、厚さ40μmのスペーサ材料層を支持フィルム上に形成した。次にスペーサ材料層上に25μm厚みのポリエチレンフィルムを張り合わせスペーサ材料層転写用の未焼成積層体を製造した。
【0133】
(5)ガラス基板上への各層の形成
(2)で得られた未焼成積層体のポリエチレンフィルムをはがしながら、予め80℃に加熱しておいたバス電極が形成されたガラス基板にホットロールラミネーターにより105℃でラミネートして、ガラス基板上に未焼成誘電体層を形成した。エア圧力は3kg/cm2とし、ラミネート速度は1.0m/minとした。続いて支持フィルムのポリエチレンテレフタレートを剥離した。
【0134】
次に、(4)で得られた未焼成積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、予め80℃に加熱しておいた上記(5)で得られた未焼成誘電体層の表面にロールラミネーターにより常温でラミネートして、未焼成誘電体層上にスペーサ材料層を形成した。エア圧力は3kg/cm2とし、ラミネート速度は1.0m/minとした。
【0135】
(6)評価
スペーサ材料層に試験角パターンマスクを介して、超高圧水銀灯により300mJ/cm2の照射量で紫外線露光を行なった。続いて支持フィルムのポリエチレンテレフタレートを剥離した後、液温30℃の水を用いて3kg/cm2の噴射圧で、30秒間のスプレー現像を行ないパターン形成した。得られたパターンについて走査型顕微鏡を用いて密着性及びパターン形状を評価したところ、残った最小線幅は60μmであり、良好なパターン形状が得られた。しかし、パターンのライン間に若干のスペーサ材料層の残渣が観察された。
【0136】
また、パターンの焼成後の形状安定性を評価するため、上記の方法でパターンを形成し、昇温スピード1.0℃/minで加熱させ、580℃で30分間保持する焼成処理を行なったところ、パターンのライン間の底面に平坦性の乱れが発生していた。
【0137】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、未焼成誘電体層と感光性未露光未焼成スペーサ材料層の間に、水溶性もしくは水膨張性を有しており、さらに焼成処理条件において完全に焼尽されてしまう中間層を設けて、感光性未露光未焼成スペーサ材料層の現像後、あるいは、現像と同時に、パターンを水で洗浄して可焼尽性中間層を水で溶解又は膨潤させるため、現像除去部位に残存するスペーサ層を簡単に除去することができる。これにより、現像除去部位の膜厚が均一で、放電特性および光透過率のムラのないプラズマディスプレイ前面板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワッフル構造型セルを有するプラズマディスプレイの展開図である。
【図2】プラズマディスプレイ前面板背面の斜視図である。
【図3】ワッフル構造型セルを有するプラズマディスプレイの断面図である。
【図4】本発明のプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体の主な供給形態を示す断面図である。
【図5】図4(i)のプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体を用いたプラズマディスプレイ前面板の製造工程を示す図である。
【図6】図4(i)のプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体を用いて、ガラス基板10上に、未焼成誘電体層12Aおよび可焼尽性中間層14を転写する工程を示す図である。
【図7】図4(ii)のプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体を用いたプラズマディスプレイ前面板の製造工程を示す図である。
【図8】図4(iii)のプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体を用いたプラズマディスプレイ前面板の製造工程を示す図である。
【図9】本発明のプラズマディスプレイ前面板の製造方法における露光・現像工程および焼成工程を示す図である。
【図10】従来技術のプラズマディスプレイ前面板の製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1 前面板
10 ガラス基板
11 電極
110 透明電極
112 バス電極
12 誘電体層
12A 未焼成誘電体層
14 可焼尽性中間層
16 スペーサ層
16A スペーサ材料層
16A´ レジストパターン
18 離型フィルム
180 支持フィルム
182 保護フィルム
19 保護膜
2 背面板
20 基板
21 アドレス電極
22 誘電体層
24 リブ
26 蛍光体層
3 フォトマスク
40 加熱ローラ
42 巻き取りローラ

Claims (11)

  1. 表面に多数の電極が形成されているガラス基板上に誘電体層が形成され、この誘電体層の上に均一厚の複数のスペーサ層が少なくとも形成されてなるプラズマディスプレイ前面板を製造するための未焼成積層体であって、
    離型支持フィルム上に形成された水溶性または水膨潤性の可焼尽性中間層と、この可焼尽性中間層の上に形成されたガラスペースト材料からなる未焼成誘電体層とを少なくとも有することを特徴とするプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体。
  2. 表面に多数の電極が形成されているガラス基板上に誘電体層が形成され、この誘電体層の上に均一厚の複数のスペーサ層が少なくとも形成されてなるプラズマディスプレイ前面板を製造するための未焼成積層体であって、
    離型支持フィルム上に形成された水現像型の感光性未露光未焼成スペーサ材料層と、このスペーサ材料層の上に形成された水溶性または水膨潤性の可焼尽性中間層とを少なくとも有することを特徴とするプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体。
  3. 表面に多数の電極が形成されているガラス基板上に誘電体層が形成され、この誘電体層の上に均一厚の複数のスペーサ層が少なくとも形成されてなるプラズマディスプレイ前面板を製造するための未焼成積層体であって、
    離型支持フィルム上に形成された水現像型の感光性未露光未焼成スペーサ材料層と、このスペーサ材料層の上に形成された水溶性または水膨潤性の可焼尽性中間層と、この可焼尽性中間層の上に形成されたガラスペースト材料からなる未焼成誘電体層とを少なくとも有することを特徴とするプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体。
  4. 前記離型支持フィルムと反対側の表面が離型保護フィルムによって保護されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体。
  5. 前記スペーサ材料層が、水現像型の感光性ガラスペースト材料からなることを特徴とする請求項2または3に記載のプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体。
  6. 前記可焼尽性中間層は、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、水溶性セルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体。
  7. 前記可焼尽性中間層の厚さが、5μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイ前面板製造用未焼成積層体。
  8. 表面に多数の電極が形成されているガラス基板上に誘電体層が形成され、この誘電体層の上に均一厚の複数のスペーサ層が少なくとも形成されてなるプラズマディスプレイ前面板の製造方法であって、
    (a)前記ガラス基板の電極形成面の上に、ガラスペースト材料からなる未焼成誘電体層、水溶性または水膨潤性の可焼尽性中間層、および、水現像型の感光性未露光未焼成スペーサ材料層をこの積層順にて形成し、
    (b)前記スペーサ材料層にパターン光を照射し、現像することにより、前記スペーサ材料層をパターン化し、
    (c)前記ガラス基板上の未焼成誘電体層、可焼尽性中間層、および前記パターン化スペーサ材料層を同時に焼成処理することにより、前記可焼尽性中間層を焼尽させ、ガラス基板上に前記誘電体層とスペーサ層とを同時に形成することを特徴とするプラズマディスプレイ前面板の製造方法。
  9. 前記(a)の工程において、
    予め離型支持フィルム上に、水溶性または水膨潤性の可焼尽性中間層、およびガラスペースト材料からなる未焼成誘電体層の順に形成し、これら2層を前記未焼成誘電体層が前記ガラス基板の電極形成面上に位置するようにして、前記ガラス基板に積層し、
    前記離型支持フィルムを前記可焼尽性中間層から剥離して、前記可焼尽性中間層を表面に露出させた後、前記可焼尽性中間層の上に感光性未露光未焼成スペーサ材料層を形成することを特徴とする請求項8に記載のプラズマディスプレイ前面板の製造方法。
  10. 前記(a)の工程において、
    予め離型支持フィルム上に、感光性未露光未焼成スペーサ材料層、および水溶性または水膨潤性の可焼尽性中間層の順に形成し、
    次に、前記ガラス基板の電極形成面上にガラスペースト材料からなる未焼成誘電体層を形成し、
    前記未焼成誘電体層上に、前記スペーサ材料層および可焼尽性中間層とからなる2層を、その可焼尽性中間層が位置するようにして、積層することを特徴とする請求項8に記載のプラズマディスプレイ前面板の製造方法。
  11. 前記(a)の工程において、
    予め離型支持フィルム上に、感光性未露光未焼成スペーサ材料層、水溶性または水膨潤性の可焼尽性中間層、およびガラスペースト材料からなる未焼成誘電体層の順に形成し、これら3層を前記未焼成誘電体層が前記ガラス基板の電極形成面上に位置するようにして、前記ガラス基板上に積層することを特徴とする請求項8に記載のプラズマディスプレイ前面板の製造方法。
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