JP3971167B2 - 等価回路の導出方法、および、そのためのシステム - Google Patents
等価回路の導出方法、および、そのためのシステム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路網を等価回路により表現するための技術に係り、特に、精度を確保して少ない構成素子で等価回路を表現する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI動作周波数の高速化に伴い、このようなLSIを搭載した電子機器からの放射、伝導ノイズによる他の電子機器への障害(EMI)が問題となっている。このEMI問題に対して、これまでは、試作品、製品に対して、個別的に放射を抑制すること、電動のノイズを低減することについて、試行錯誤的に対処していた。しかし、対処療法的な対策では、製品開発コスト、開発期間の増加を招き、結果として、他社製品との競争力の低下につながる。このようなことから、製品設計段階で、放射の抑制、および、伝導ノイズの低減を考慮した設計が必要となる。
【0003】
放射および伝導ノイズは、LSIの高速スイッチング動作で生じる高周波電流が原因で発生する。すなわち、図3Aに示すように、LSI110内部で発生した高周波電流は、プリント回路基板(PCB)100の電源・GND層120、および、電源ケーブル130へと伝播し、これが伝導ノイズCNとなる。また、この伝導ノイズCNによるPCB電源・GND層120の共振、また、電源ケーブル130自身のアンテナ作用により、電磁波として放射される。この電磁波が放射ノイズRNとなる。従って、伝導ノイズ、放射ノイズの抑制を考慮した電子機器の設計を行うには、LSI動作時においてPCBを伝播する高周波電流の高精度な予測評価技術が必要となる。
【0004】
LSI動作時においてPCBへ伝播する高周波電流の予測・評価には、回路解析による方法が一般に用いられる。これは、LSI動作状態における電子機器の電気的な特性(電流・電圧波形など)をコンピュータシミュレーションにより再現し、EMIで問題となる箇所を特定するものである。これには、LSI動作状態の電気的特性を高精度に再現するPCBの等価回路モデル化技術が必要不可欠である。
【0005】
ここでは、等価回路作成法であるPEEC“Partial Element Equivalent Circuit”法を例にとり、インダクタンス(L)および抵抗(R)による等価回路作成技術を説明する。図2は、PEEC法による等価回路作成の作業フローを示している。この作業フローに従い、PCBの等価回路を作成する。この等価回路の作成は、コンピュータにより行われる。
【0006】
ステップS101において、PCB導体のジオメトリおよび材質情報のコンピュータへの入力を受け付ける。ここで、PCBには、ガラスエポキシ等の絶縁体層がある。この入力の際には、導体部分の形状のみ入力する。
【0007】
図3Bに、入力を受け付けたPCBの導体のみのジオメトリを示す。図3BのPCBは、大きさ100mm×100mm、導体厚35μm、材質Cu、層間1mmの2層構造となっており、第1層120aおよび第2層120bにそれぞれ4個づつ、計8個の回路接続用端子T1〜T8がある。
【0008】
ステップS102において、導体ジオメトリデータからメッシュデータを作成する。図3BのPCB導体ジオメトリデータから作成したメッシュデータを図4に示す。表皮効果の影響を考慮しないと導体の厚さ方向では電流は一様に流れるため、図4では、PCB導体を、その厚さを無視して、2次元平面220aおよび220bで近似し、三角形要素221にてメッシュデータを作成している。
【0009】
ステップS103において、等価回路の回路網を定義し、各枝の抵抗(R)、インダクタンス(L)および各インダクタンス間の相互インダクタンス(M)を導出する。PEEC法では、三角メッシュの中心部にノード(N)を置き、このノードと隣接する3つの三角メッシュ中心部のノードとを結ぶように回路網を定義する。この回路網の各枝は、RとLの直列接続となり、各L間には相互インダクタンスMが存在する。この回路網を図5に示す。表1に、図4のメッシュデータにおけるノード数および回路網の枝数を示す。この回路網の各枝に対して、抵抗(R)、インダクタンス(L)および各インダクタンス間の相互インダクタンス(M)を計算により求める。R、L、M導出の詳細は、K.J.Scott ,`Practical Simulation of PRINTED CIRCUIT BOARD and related structures',RESEARCH STUDIES PRESS LTD.,Englandに記載されている。
【0010】
【表1】
【0011】
ステップS104において、回路網の各枝に対して求めたR、Lおよび各L間のMをまとめて1つの回路網にする。図3Bおよび図4のPCBに対して求めたR,L,Mからなる回路網を図6に示す。なお、図6はわかりやすくするため、全体の回路網から枝を減じて示してある。図6に示すように、回路網には回路接続端子T1〜T8以外の中間ノードNが複数存在し、RとLが直列接続された枝SCでマトリクス状に接続され、PCB導体形状を忠実に再現したモデルとなっている。表2に、図3BのPCBに対する等価回路を構成するR,L,Mの個数を示す。
【0012】
【表2】
【0013】
ステップS105において、回路解析ソフトのデータフォーマットに従い、等価回路を出力する。図7に、図3BのPCB等価回路を、汎用回路解析ソフトウェアSPICEのデータフォーマットにしたがって出力したデータの一部分を示す。図7において、4種類のデータDt1〜Dt4が示されている。データDt1は、回路接続端子名であって、最後の番号が図3Bに示すようなPCBの端子番号を示している。なお、図7では、6個の端子が存在している場合の例である。Dt2は、電流参照のための電圧原のデータである。Dt3は、回路網の各枝に対する抵抗RおよびインダクタンスLのデータである。この例では、R:4569個、L:4569個存在する。Dt4は、回路網の各L間の相互インダクタンスMである。この例では、M:2087561個存在する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
LSI動作時においてPCBへ伝播する高周波電流の予測・評価には、PCB等価回路モデルにLSI等のデバイスモデルを組込み、回路解析によるシミュレーションを行う。回路解析には節点解析法が用いられる。これは、入力された回路網に対して、各節点電圧を未知数としコンダクタンス関係式を解くものである。このコンダクタンス関係式を(101)式に示す。
【0015】
【数1】
【0016】
ここで、nは回路網のノード数であり、Gは n×n のコンダクタンス行列、V1〜VnおよびI1〜Inはそれぞれ節点電圧および節点電流を表わす。この方程式をコンピュータにより解く場合、n個の節点電圧およびn×n個のコンダクタンス行列を格納するメモリ容量が最低限必要である。図6の回路網の場合、節点電圧とコンダクタンス行列lにおける要素数の合計は2577630個となる。これら全てを単精度(4byte)型実数で格納すると10310520byte(約10Mbyte)のメモリ容量が必要である。
【0017】
実際の電子機器に使用されているような複雑形状PCBでは、従来技術で等価回路を作成すると、図3BのPCBの場合に比べ、等価回路を導出する際のメッシュ数がさらに多くなる。このため、等価回路のノード、および、枝数が膨大なる。その結果、これを用いた回路解析では、より多くのメモリ容量と解析時間とを必要とする。また、メモリ容量および解析時間を現実的に利用可能な大きさに制限すると、要素数の多い複雑なモデリングが不可能となる。そのため、簡素化したモデル化にならざるを得ず、解析精度が悪くなる問題がある。
【0018】
そこで、本発明の第1の目的は、目的の精度を確保して、回路網を構成する素子数を大幅に削減した等価回路を導出する方法を提供することにある。
【0019】
また、本発明の第2の目的は、等価回路の解析結果を用いて、元の複雑な回路網の電流分布や電圧分布等を再現することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、導体と、それを支持する誘電体と、複数設けられた外部との入出力端子とを有し、内部に電流の湧き出し源および消失源がなく、電流および電圧の入出力量に対して線形性および相反性が成り立ち、かつ、内部における電気的特性が時間に関して不変であるような対象について、コンピュータにより等価回路を導出する。その際、等価回路の決定の対象となる基板における導体の形状を特定するジオメトリ情報、および、基板の材質を特定する材質情報の入力を受け付ける。受け付けたジオメトリ情報に基づいて、対象の導体の形状をメッシュで区画して表現するメッシュデータを生成して記憶する。前記メッシュデータから、節点アドミタンス行列を求めて記憶する。前記メッシュデータに基づいて、節点数、独立の回路網数を求め、いずれかの基準節点から他の節点を放射状に結ぶ木構造の接続関係を決めるインシデンス行列を決定し、前記求められた節点アドミタンス行列と、インシデンス行列とで、等価回路網の構造を決定し、等価回路の素子の値を決定する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、それぞれ図面を参照して説明する。
【0022】
本発明は、外部との入出力端子を複数有し、内部に電流等の湧き出し源や消失源がなく、電流および電圧等の入出力量に対して線形性および相反性が成り立ち、かつ内部の特性が時間不変であるような性質を持つ体系に適用される。すなわち、本発明の適用は、そのような条件が満足される体系であることを前提とする。そのような体系に該当する典型的になものとして、導体を有するプリント回路基板(PCB)が挙げられる。本発明は、例えば、PCBの解析に適用される。以下の例では、PCB導体を対象として説明する。
【0023】
また、本発明では、対象となるPCB導体を外部との入出力端子のみから構成され、体系の連続成分ごとに木構造となるように、該入出力端子間に回路枝を持ち、前記回路枝間の相互作用を記述する回路素子を備える等価回路で表わすものとする。この回路網は外部回路を接続する端子のうち、各連続領域において基準となる端子から他の端子へ回路枝が放射状に伸びた木構造であり、インダクタンスと抵抗の直列接続からなる枝と、各インダクタンス間の相互インダクタンス、および同一連続領域にある各抵抗間の相互抵抗で表わされる。
【0024】
また、前記表現された等価回路を用いて回路応答をコンピュータ上で解析し、その解析結果から、内部に電流等の湧き出し源や消失源がなく、電流等の該端子からの入力量と出力量が常に一致している体系における、外部との接続端子のみの電位等を抽出し、これを電源等として、等価回路に置き換える前の体系の電流分布等をコンピュータ上で解析することができる。
【0025】
なお、本実施の形態の説明で用いられる木、枝、節点行列、シンシデンス行列等の文言は、回路網の分野においてはよく用いられる周知の文言である。これらの文言が説明されている参考文献として、小澤孝夫著,「電気回路I−基礎・交流編」,昇晃堂,pp125−197がある。また、本実施の形態で説明される数式の導出方法についても、上記文献に参考となる記載がある。
【0026】
ここで、実施形態の説明に先立ち、本発明の等価回路導出の原理について説明する。
【0027】
図8Aに、従来法による部分回路網PNと、それに接続された外部回路網ExNを示す。一方、本発明の第1の実施形態である等価回路の基本構造を図12に示し、等価回路を図1に示す。図12において、外部回路は、図示していないが、図8Aに示すものと同様の回路が接続される。図8Aに示す部分回路網PNが、例えば、図1に示す等価回路に変換される。本発明の等価回路網には、図1に示すように、外部回路ExNとの接続節点である外部接続端子T1〜T8が存在し、かつ、これら以外には、回路節点は存在しない。また、これらの節点(外部接続端子)T1〜T8間は、独立木を構成する回路枝SCと、これらの枝SC間の相互インピーダンスINZ(相互Rおよび相互L)とで結ばれる構造となっている。
【0028】
次に、等価回路を導出する前の図8Aの回路網と、本発明による、図1の等価回路が同等であることを示す。
【0029】
まず、枝電圧vと枝電流iに対する回路網の行列方程式を求める。図8Aの内部回路網の各枝に対して枝電圧vと枝電流iの関係は、枝のインピーダンスzを用いて(1)式となる。
【0030】
v=zi………(1)
【0031】
これより、各枝電圧を成分に持つベクトルvv(以下、表記の都合で、ベクトル量については、添え字vを付す。)と、各枝電流を成分にもつベクトルivにより行列方程式(2)が得られる。
【0032】
vv=Ziv………(2)
【0033】
このとき、行列Zの対角成分は各枝のインピーダンスzであり、それ以外の成分は各枝間の相互インピーダンスとなる。行列Zは正則行列であり、この逆行列Dyが存在する。これにより、(2)式の行列方程式は(3)式となる。
【0034】
Dyvv=iv, Dy=Z-1………(3)
【0035】
次に、各節点の電圧(節点電圧)Vと節点へ流入する電流(節点電流)Iに対する回路網の節点行列方程式を求める。ここで、回路網の枝と節点の接続関係を表すインシデンス行列Aを導入する。行列Aの列は回路網の枝に、行は回路網の節点にそれぞれ対応し、番号j節点から番号kの枝が出る場合には、行列Aの(j,k)成分は“1”となり、この逆に枝が入る場合には“−1”となり、それ以外は“0”となる。
【0036】
例えば、図8Aの部分回路網の、ある一部分を抜き出した回路網を図8Bに示す。図8Bにおいてo,p,q,r,sは、部分回路での節点を表わす。b1〜b7は、回路網の枝を表わす。図8Bの回路網に対するインシデンス行列Aexは(4)式となる。
【0037】
【数2】
【0038】
(4)式において、行列Aexの各行は節点o〜sに対応している。各列は枝b1〜b7に対応している。
【0039】
同様の方法で、図8Aの部分回路網に対するインシデンス行列をAとする。また、節点電圧を成分にもつベクトル(節点電圧ベクトル)をVv、節点電流を成分に持つベクトル(節点電流ベクトル)をIvとする。枝電圧ベクトルvvと節点電圧ベクトルVvおよび枝電流ベクトルivと節点電流ベクトルIvとの間にはインシデンス行列Aにより(5)式の関係がある。
【0040】
vv=AtVv
Aiv=Iv ………(5)
【0041】
ここで、添字tは行列の行成分と列成分を入れ替えた転置を表わす。(5)式の関係より、(3)の行列方程式は、(6)の節点方程式となる。
【0042】
ADyAtVv=Iv………(6)
【0043】
これは、節点電圧ベクトルVと節点電流ベクトルIの関係式であり、さらに(7)式で表される。
【0044】
YVv=Iv
Y=ADyAt………(7)
ここで、Yは節点アドミタンス行列と呼ばれる。
【0045】
次に、回路網の節点行列方程式を縮約する。節点行列方程式(7)に対して、節点電圧ベクトルVvを外部回路と接続する部分の節点電圧ベクトルVvrと内部節点の節点電圧ベクトルVveに分ける。同様に、節点電流ベクトルIvも外部回路と接続する部分の節点電流ベクトルIvrと内部節点の節点電流ベクトルIeとに分ける。節点アドミタンス行列もこれに対応した部分行列に分けると、(7)の節点方程式は(8)式となる。
【0046】
【数3】
【0047】
(8)式より、2つの節点行列方程式(9)、(10)が得られる。
【0048】
Y11Vvr+Y12Vve=Ivr………(9)
【0049】
Y21Vvr+Y22Vve=Ive………(10)
【0050】
部分回路に電流の湧き出し源や消失源がないため、外部回路と接続しない内部節点電流ベクトルIveは0となる。Ivrにおいて恒常的に0となる成分が存在しなければ、Y22は逆行列を持つ。これにより外部回路と接続しない節点電圧ベクトルVveは(11)式となる。
【0051】
Vve=−Y22 -1Y21Vvr………(11)
【0052】
(11)式より、(6)式の節点方程式は、外部回路と接続する節点のみに対する節点方程式(12)に縮約することができる。
【0053】
Y’Vvr=Ivr
Y’=Y11−Y12Y22 -1Y21 ………(12)
【0054】
ここで、外部回路と接続する節点のみに対する縮約した節点アドミタンス行列を新たにY’とおいた。
【0055】
次に、縮約した節点行列方程式(12)に対しての回路網を定め、そのインピーダンス行列を求める。節点行列方程式(12)に対応する回路網は図1となる。図1の回路網は各連結部分において基準となる節点が1つ存在し、これから木構造となるように連結部分の各節点へ枝が伸びている。ここで外部回路と接続する節点電流ベクトルIvrを、新たに定義した回路網の基準となる節点の部分ベクトルIvkとそれ以外の節点の部分ベクトルIvnとに分ける。同様に、節点電圧ベクトルVrも回路網の基準となる部分ベクトルVvkとそれ以外の部分ベクトルVvnに分ける。これを(13)式に示す。
【0056】
【数4】
【0057】
また、新たに定義した回路網に対する枝電圧ベクトルをvv’、枝電流ベクトルをiv’とすると、節点電圧ベクトルVvrと節点電流ベクトルIvr、との関係は(14)式となる。
【0058】
【数5】
【0059】
ここで、Bは基準となる節点部分を表わし、各連結成分に対して基準節点部分が“−1”、それ以外は“0”となる行列である。(5)式の関係より、新たに定義した回路網のインシデンス行列(これをA’とする)は(15)式となる。
【0060】
【数6】
【0061】
ここで、Enは、部分回路網の基準となる端子以外の部分を表わす単位行列である。また、枝電圧ベクトルVv’と枝電流ベクトルiv’は、アドミタンス行列Dy’により(16)式の関係がある。
【0062】
Dy’vv’=iv’………(16)
【0063】
(14)、(15)、(16)式の関係を用いると、節点アドミタンス行列Y’は(17)式となる。
【0064】
【数7】
【0065】
(17)式より、節点アドミタンス行列Y’の部分行列が新たに定義した回路網のアドミタンス行列Dy’となっており、この逆行列Z’が新たに定義した回路網のインピーダンス行列となる。
【0066】
vv=Z’iv………(17’)
【0067】
次に、インピーダンス行列から等価回路を求める。インピーダンス行列Z’の対角成分は自己インピーダンスであり、それ以外の成分が各枝間の相互インピーダンスとなる。
【0068】
このようにして求めたインピーダンス行列から、汎用回路解析ソフトSPICEのネットリストを作成することができる。ここでは、周波数が充分高い領域で使用されるPCBを想定する。周波数が充分高い領域では、インダクタンス成分が支配的となるため、抵抗の効果は無視することができる。その場合、インピーダンス行列Z’は、インダクタンス行列Dzと扱うことができる。
【0069】
インダクタンス行列Dzは、対角成分が各枝の自己インダクタンス、それ以外の成分が相互インダクタンスとなる。汎用回路解析ソフトSPICEのネットリストは、自己インダクタンスと各自己インタクダンス間の相互結合係数で構成されている。すなわち、インダクタンス行列をDy=(dij)、自己インダクタンスをLi、インダクタンスLi、Li間の相互インダクタンスをMij、結合係数Kijとすると、(18)式、(19)式の関係が得られる。
【0070】
【数8】
【0071】
(18)式、(19)式の関係を用いると、インダクタンス行列からSPICEのネットリストが作成できる。
【0072】
このように、内部に電流等の湧き出源しや消失源がなく、線形かつ周波数の単一の関数である素子のみから構成された部分回路網は、部分回路網がそれ以外の外部回路網と接続する節点のみから構成され、該節点間の連結成分ごとに、木構造となるように該節点間に回路枝を持ち、前記回路間の相互作用を記述する回路素子を備えた回路網で記述できる。また前述の方法により、内部に電流や熱等の湧き出し源や消失源がなく、線形かつ周波数の単一の関数である素子のみから構成された部分回路網に対し、部分回路網がそれ以外の外部回路網と接続する節点のみから構成され、該節点間の連結成分ごとに、木構造となるように該節点間に回路枝を持ち、前記回路間の相互作用を記述する回路素子を備えた等価回路を作成できる。このように従来法では、等価回路網はモデル形状に依存しているため、複雑な形状に対しては等価回路を構成する素子数が膨大となったが、本実施例ではモデル形状や、もとの等価回路網の複雑さに依存しない。図5に示す従来法による等価回路では、回路網を構成する素子数が192であるのに対し、図1に示す本発明では等価回路の素子数は6、および相互インピーダンスが15の合計21となり、等価回路の素子数を1/9に削減できた。これにより、解析時間短縮やメモリ使用量削減といった効果がある。
【0073】
ここで、前述した節点行列方程式(7)について、木構造を決めるインシデンス行列についてさらに説明する。
【0074】
回路網がn個の節点からなり、m個の枝で構成されている場合、インシデンス行列Apのm個の列ベクトルをaiとすると、インシデンス行列Aは、(20)式となる。
【0075】
A=(a1,a2,…,am)………(20)
【0076】
さらに、回路網がk個の独立な回路網から構成されている(ただし、各回路網間の相互作用は存在する)場合、回路網の“木”の総数は、(n−k)である。この“木”をベクトルtiで表すと、インシデンス行列Aの各列ベクトルaiは、“木”のベクトルtiの1次結合で表される。すなわち、cliを任意の実数として、(21)式の関係を得る。
【0077】
【数9】
【0078】
これより、インシデンス行列Aは、(22)式で表すことができる。
【0079】
【数10】
【0080】
したがって、節点アドミタンス行列Yは、(7)式の関係を用いると、(23)式になる。
【0081】
Y=(t1,t2,…,tn-k)CDyCt(t1,t2,…,tn-k)t
………(23)
【0082】
ここで、インシデンス行列および回路網のアドミタンス行列に対して、新たにA’=(t1,t2,…,tn-k),D’y=CDyCtとすると、節点アドミタンス行列Yは、(24)式となる。
【0083】
Y=ADyAt=A’D’yA’t………(24)
【0084】
ここで、ECTASでは、離散化された導体表面の電流分布を(25)式で記述する。
【0085】
【数11】
【0086】
ここで、JおよびTは、それぞれ電流ベクトル、電流ベクトルポテンシャルの法線成分である。Cは、これらの関係を表す行列である。また、M、Rは、それぞれ、インダクタンス行列、および、抵抗行列である。CtTは、導体に接続された電圧源の効果を表す。すなわち、(22)式に示すインシデンス行列は、木構造を示しており、複数の補木を含むいかなる回路網でも、その木のみからなる回路網に縮約できることを意味している。
【0087】
節点アドミタンス行列Yの階数(これをRANKで表す)を考える。インシデンス行列A’の列成分ベクトルは、n−k個の“木”のベクトルから構成されており、“木”のベクトル群はすべて1次独立であるため、
RANK(A’)=n−k
となる。また、回路網のアドミタンス行列D’yは、(n−k)×(n−k)の正則行列であるため、
RANK(D’y)=n−k
である。これより、節点アドミタンス行列Yの階数は、(26)式となり、回路網の木の総数と一致する。
【0088】
RANK(Y)=RANK(A’D’yA’t)=n−k ………(26)
【0089】
対象とする回路網がn個の節点からなり、k個の独立な回路網が存在する場合、この回路網の“木”の数は、n−kである。したがって、縮約されたインシデンス行列A’は、n−k個の“木”のベクトルからなる。ここで、i番目の独立な回路網に対して、基準となる節点からそれ以外の節点へ、放射状に枝が延びたような“木”のみからなる回路網を考える。例えば、図20の左側に示す回路網から、同図右側に示す、放射状に枝が延びたような“木”のみからなる回路網を考える。回路を構成するすべての独立な回路網が、図20に示すような回路網とした場合、節点および枝の順番を適当に選ぶと、インシデンス行列A’は、(27)式とおくことができる。
【0090】
【数12】
【0091】
ここで、En-kは、(n−k)×(n−k)の単位行列であり、Bkは、各独立な回路網に対して基準となる節点に対応した行成分が“−1”で、それ以外の成分は“0”の行列である。節点電圧Vを、k個の各独立な回路網の基準となる節点の部分Vkと、それ以外の部分Vn-kとに分ける。
【0092】
【数13】
【0093】
(7)式の節点方程式は、(5)式、(6)式、(27)式および(28)式の関係を用いると、(29)式となり、(30)式を得る。
【0094】
【数14】
【0095】
ここで、Vn-k+Bt kVkについて考える。Bkは、各独立な回路網に対して基準となる節点の行成分が“−1”の行列であり、Vkが基準となる節点の電圧ベクトル、Vn-kがそれ以外の節点の電圧ベクトルである。したがって、Vn-k+Bt kVkは、回路網の“木”に対する枝電圧ベクトルvとなる。すなわち、(30)式は、回路網の枝電圧と枝電流の関係を表す回路方程式(16)となる。
【0096】
これより、任意形状導体の節点アドミタンス行列Yが与えられた場合、この導体の集中定数化を行うには、節点アドミタンス行列Yに対し、(31)式となる行の入れ替えを含む、変換行列Pを求めればよい。このとき、行列Pは、(32)式に示す形となる。
【0097】
【数15】
【0098】
ここで、Gは、入れ替えを表す行列である。したがって、行列PのD’ y -1成分が求めるインピーダンス行列Dzとなる。そして、その回路網は、縮約されたインシデンス行列A’に対応した、各領域の基準節点から放射状に延びた回路網となる。
【0099】
次に、前述した原理を用いて、PCBについての等価回路を生成する本発明の実施形態について説明する。
【0100】
図21に、本実施形態において等価回路の生成に用いる情報処理システムのハードウェア構成を示す。図21に示す情報処理システム500は、コンピュータ510と、キーボード521およびマウス522と、表示装置530とを有する。コンピュータ510は、中央演算ユニット(CPU)511と、リードオンリメモリ(ROM)512と、ランダムアクセスメモリ(RAM)513と、記憶装置514とを有する。記憶装置514は、例えば、ハードディスク装置で構成される。この記憶装置514には、オペレーティングシステムを含む、CPU511が実行する各種プログラム、および、データが格納される。各種プログラムおよびデータの一部として、本発明の等価回路導出を行うためのプログラム、および、それに必要なデータが記憶される。等価回路を生成するプログラムには、対象導体からメッシュデータを生成するプログラム、節点アドミタンス関係式を導くプログラム、節点アドミタンス関係式から等価回路を作成するプログラム、および、回路解析ソフトのフォーマットで等価回路を出力するためのプログラムが含まれる。ここで、対象導体からメッシュデータを生成するプログラム、および、回路解析ソフトのフォーマットで等価回路を出力するためのプログラムについては、既に述べたように、従来用いられているプログラムを利用することができる。
【0101】
図21の情報処理システム500のコンピュータ510により、これらのプログラムを実行することで、例えば、図9に示すような手順で、等価回路を生成する。すなわち、コンピュータ510により、等価回路の決定の対象となる基板における導体の形状を特定するジオメトリ情報、および、基板の材質を特定する材質情報の入力を受け付ける手段と、受け付けたジオメトリ情報に基づいて、対象の導体の形状をメッシュで区画して表現するメッシュデータを生成して記憶する手段と、前記メッシュデータから、節点アドミタンス行列を求めて記憶する手段と、前記メッシュデータに基づいて、節点数、独立の回路網数を求め、いずれかの基準節点から他の節点を放射状に結ぶ木構造の接続関係を決めるインシデンス行列を決定する手段と、前記求められた節点アドミタンス行列と、インシデンス行列とで、等価回路網の構造を決定する手段と、等価回路網の素子の値を決定する手段とが実現される。
【0102】
次に、図9に示すフローチャートとを参照して、本発明の第1の実施形態による等価回路生成手順について説明する。ここでは、図3Bに示すようなPCBと同様の二層構造のPCBについての、等価回路生成を行う場合を例として説明する。ただし、説明を簡単にするため、図3Bとは異なる導体レイアウトを有するPCBについての等価回路を導出する場合を例とする。そして、そのPCBは、外部接続端子T1〜T8を有し、T1〜T4は、第1層に配置され、T5〜T8は、第2層に配置されるものとする。なお、説明の便宜上、第1層の導体部と、第2層の導体部とは、上下関係において重なり合わないレイアウトになっているものとする。
【0103】
図9に示す、本発明による等価回路導出の作業フローにおいて、ステップS101において、「PCBジオメトリ、材質情報の入力」、および、ステップS102において、「導体ジオメトリ情報からメッシュデータを作成」の各処理をまず行う。これらの処理は、前述した従来技術の処理と同様に行うことができる。例えば、PCBの設計データを予め記憶装置514に格納しておき、この記憶装置514から等価回路を生成する対象となるPCBについての導体配線の設計データ、および、材質指定データを読み出すことにより行う。これらは、キーボード521およびマウス522による操作入力による指示を受け付けることで実行される。導体配線の設計データとしては、例えば、図12に示すようなPCB320において、外部接続端子T1〜T8と、図示していない導体部分の形状を示すデータが存在する。
【0104】
なお、CADソフトウェア、ドローイングソフトウェア等を用いて、キーボード521およびマウス522による操作を受け付けて、基板上での導体レイアウトの描画処理を行うことで、PCB導体の幾何学的特徴の入力を受け付けることができる。そして、併せて、材質に関する情報の入力を行う。入力された情報は、RAM513において記憶され、さらに、記憶装置514に保存される。
【0105】
ステップS203において、ステップS102で作成したメッシュの回路接続端子間における抵抗(R)およびインダクタンス(L)に対する節点アドミタンス関係式を求める。図10に、図3Bに示すPCBに対するR成分の節点アドミタンス関係式(51)を、図11に、図3Bに示すPCBに対するL成分のアドミタンス関係式(52)を示す。ここで、図10および図11の行列部分にあるT1〜T8、および、節点電圧V、節点電流Iの添字番号は、図12のPCBにおける回路接続端子番号に対応する。
【0106】
なお、図10および図11に示すRおよびLに対する節点アドミタンス関係式(51)および(52)は、次のようにして求める。
【0107】
まず、渦電流を規定する下記方程式(201)を用いて基本方程式を導出する。
【0108】
【数16】
【0109】
式(201)において、導体表面での電荷分布は、時間的に変動しないと仮定する。すなわち、電流密度に関して下式(202)が成り立つとする。
【0110】
【数17】
【0111】
これにより、電流密度ベクトルは、ベクトルポテンシャルTで表される。さらに、導体を薄板近似、すなわち導体面と垂直な方向に電流は流れないと仮定すると、電流密度分布は以下の式(203)となる。
【0112】
【数18】
【0113】
式(203)において、nは導体面に対する法線ベクトルである。式(203)より、電流密度ベクトルjは、スカラポテンシャルTnで表されることがわかる。そこで、式(201)のjをTnに置き換え、離散化する。例えば、三角要素に離散化した場合、各頂点での値をTi、Tj、Tkとすると任意の三角要素内におけるTは、以下に表される。
【0114】
【数19】
【0115】
電流ベクトルjは、Tを用いて以下の式(205)で表される。
【0116】
【数20】
【0117】
これにより、上記式(201)はTにより以下に離散化される。
【0118】
【数21】
【0119】
式(206)において、行列Ctは、導体表面の電流を駆動する電圧源の位置を示す行列である。例えば、図23に示すように、ノード▲1▼−▲2▼における電圧がV1で、ここから流れ込む電流がI1、ノード▲3▼−▲4▼における電圧がV2で、ここから流れ込む電流がI2、ノード▲5▼−▲6▼における電圧がV3で、ここから流れ込む電流がI3の場合、行列Ctは、以下の式(207)となる。
【0120】
【数22】
【0121】
また、各電圧源V1、V2、V3から流れ込む電流I1,I2、I3と導体平面上電流スカラポテンシャルTとの関係は、下式(208)となる。
【0122】
【数23】
【0123】
インダクタンス及び抵抗に対するアドミタンス行列Yを導出するためには、式(206)を固有値解法で解く。すなわち、Γを固有値行列、Hを固有ベクトル行列、Eを単位行列とし、以下の式(209)の固有値問題を考える。
【0124】
【数24】
【0125】
式(209)により、もとの行列方程式(206)は、式(210)となる。
【0126】
【数25】
【0127】
式(210)において、uはTを固有ベクトルの線径結合で表したときの各固有モードの大きさを意味する。
式(210)の左からCHΓ-1を掛け、式(208)の電流関係式を用いると、下式(211)となる。
【0128】
【数26】
【0129】
式(211)のuの項は、抵抗の効果を表す。これより、インダクタンスに対する節点アドミタンス行列YLは、以下の式(212)となる。
【0130】
【数27】
【0131】
また、式(210)の左からCHを掛けると、下式(213)になる。
【0132】
【数28】
【0133】
式(213)のuの項はインダクタンスによる効果を表す。これより、抵抗に対する節点アドミタンス行列YRは、以下の式(214)となる。
【0134】
【数29】
【0135】
ステップS204において、RおよびL成分に対する節点アドミタンス関係式から回路網を定義し、この各枝のRおよび相互R、LおよびMを導出し、等価回路を作成する。定義する回路網は、連続した導体上の任意の1端子を基準とし、この端子から同一導体上にある他の端子へ枝が伸びた回路網となる。ここでは、第1層と第2層の2つの連続導体に対して、それぞれ、T1およびT5の回路接続端子を基準とし、これらの端子から同一導体上にある他の回路接続端子へと枝SCが伸び、回路枝SC間の相互作用を記述する回路素子を備える回路網とする。図12に定義した回路網を示す。
【0136】
ここで、節点アドミタンス行列から等価回路の導出方法について説明する。導出の手順は、下記▲1▼、▲2▼、▲3▼の手順となる。
▲1▼‘節点アドミタンス行列Y’から‘枝アドミタンス行列D’を求める。
▲2▼‘枝アドミタンス行列D’から逆行列である‘枝インピーダンス行列Z’を求める。
▲3▼‘枝インピーダンス行列Z’から等価回路を作成する。
なお、節点と枝との関係は、図24に示したように表される。
【0137】
ここで、インシデンス行列とは、上述した文献にも記載されているとおり広く知られているが、‘節点’と‘枝’との接続関係を表す行列である(図25参照)。節点と枝との接続関係は、枝の本数に制限がなければ、無限の組み合わせがある。すなわち、インシデンス行列Aの列ベクトルをaとすると、以下の式(215)と表される。
【0138】
【数30】
【0139】
回路網の独立な枝(これを‘木’と呼ぶ)の数は、非連結な回路網(枝で連結されていない回路網)の数をk、全回路網の節点の数をnとすると、n−k本の‘木’が存在する。例えば、図26に示すような、2つの非連結な回路網があった場合、全節点数は7であるから、7−2=5の木が存在する。ここで、n―k本の‘木’をベクトルtとすると、インシデンス行列Aの各列ベクトルaは木ベクトルtの一時結合で式(216)のように表すことができる。
【0140】
【数31】
【0141】
したがって、インシデンス行列Aは、下式(217)のように表すことができる。
【0142】
【数32】
【0143】
そこで、節点アドミタンス行列YとDとの関係は下式(218)のようになる。
【0144】
【数33】
【0145】
ここでインシデンス行列Aおよび枝アドミタンス行列Dを新たに、下式(219)と置く。
【0146】
【数34】
【0147】
そうすると節点アドミタンス行列と枝アドミタンス行列との関係は以下の式(220)となる。
【0148】
【数35】
【0149】
これは、木以外の枝を含むいかなる回路網も、木のみからなる回路網に縮約できることを意味している(図27(a),(b)参照)。木のみからなる回路網として、各連結された回路網において基準節点を選び、そこから他の節点へと枝が伸びた回路網を選ぶ。例えば、図27(b)の木のみからなる回路網の場合、縮約したインシデンス行列は以下となる。
【0150】
【数36】
【0151】
このように、縮約したシンシデンス行列A’は、式(222)のように、単位行列部Eと、各連結回路網の基準となる節点部が−1である行列Bの部分に分けることができる。
【0152】
【数37】
【0153】
したがって、節点アドミタンス行列と枝アドミタンス行列の関係は、以下の式(223)となる。
【0154】
【数38】
【0155】
すなわち、節点アドミタンス行列Yの部分行列がすでに枝アドミタンス行列Dとなっている。しかし、等価回路を導出するには、Dの逆行列である枝インピーダンス行列Zを求めなければならない。これを求める方法として節点アドミタンス行列のRank計算がある。すなわち、節点アドミタンス行列として、下式(224)のY行列が与えられた場合、
【0156】
【数39】
【0157】
Y行列の左辺から変換行列Pを掛けて、以下の式(225)の行列となる変換を行う。
【0158】
【数40】
【0159】
式(225)において、Eは対角成分のみが1で、それ以外が0となる行列(単位行列)であり、0はすべての成分が0である行列である。このとき、変換行列の各成分は以下の式(226)となる。
【0160】
【数41】
【0161】
これにより、変換行列Pの部分行列が求める枝インピーダンス行列Zとなることがわかる。
【0162】
つぎに、枝インピーダンス行列Zから等価回路を導出する。まず、枝インピーダンス行列Zについて説明する。下式(227)に示した回路の場合、枝電圧ベクトルv、枝電流ベクトルi、枝インピーダンス行列Zとの関係は、以下の通りとなる。
【0163】
【数42】
【0164】
これにより、枝インピーダンス行列Zから等価回路が求まる。
【0165】
以上の手法により、インダクタンス及び抵抗に対するインピーダンス行列Zをそれぞれもとめ、これらの直列接続により、図15に示した等価回路を導出する。
【0166】
次に、図15に示した回路網において、各回路枝SCのインピーダンスZのR、L成分、および、これらの相互作用成分を求める。まず、Rと各R間の相互作用成分を求める。図10に示すR成分に対する節点アドミタンス関係式(51)において、行列の基本変形により、各連続導体の基準となる端子以外に対応する行列の対角成分が1となるように変形すると、図13Aに示す行列関係式(53)が得られる。これより、図13Bおよび図13Cに示す二つの関係式(54)、(55)が得られる。
【0167】
図13Bに示す式は、枝電圧と枝電流の関係を表わしている。また、右辺行列の対角成分が、図12の回路網における各枝の抵抗Rに対応する。行列のそれ以外の成分が、各R間の相互作用に対応する。
【0168】
図11に示す、インダクタンス(L)に対する節点アドミタンス関係式(52)に対しても同様の変換が可能である。この変換結果を図14に示す。Lの場合もRと同様に、図14に示す(56)式の右辺行列の対角成分が、図12の回路網における各枝のインダクタンスL、それ以外の成分が各L間の相互インダクタンスMとなる。
【0169】
図13Bの(54)式が示すように、各抵抗間の相互作用は、同一導体にある枝間のみしか存在しない。一方、図14の(56)式が示すように、各インダクタンス間の相互インダクタンスMは、全てのインダクタンス間に存在する。これより、図3Bおよび図4に示すようなPCBに対して、本実施形態による等価回路は、図15に示すような木構造の回路構成となる。また、図15に示す回路網のノード(節点)および枝数を表3に、Rおよび相互R、L、Mの数を表4にそれぞれ示す。図15では、接続端子T1から3本の回路枝SCが設けられている。そして、各回路枝SCには、それぞれ抵抗RとインダクタンスLとが直列に接続されている。なお、R間に記載されている実線矢印は、抵抗間の相互作用を示す。また、L間に記載されている破線矢印は、インダクタンス間の相互インダクタンスを示す。
【0170】
【表3】
【0171】
【表4】
【0172】
ステップS105において、回路解析ソフトウェアのデータフォーマットに従い、等価回路を出力する。図16に、本発明による、図3BのPCBに関する等価回路を、汎用回路解析ソフトSPICEのデータフォーマットにしたがって出力したデータの一部分を示す。ここで、データDt6は、回路接続端子名であって、最後の番号が端子番号に相当する。データDt7は、電流参照のための電圧源データである。
【0173】
データDt8は、回路網の各枝に対する抵抗RおよびインダクタンスLのデータである。Dt9は、回路枝の各L間の相互インダクタンスMである。Dt10は、回路網の各R間の相互抵抗である。
【0174】
以上のようにして得られた等価回路は、図15に示すように、各4個の接続端子間にツリー構造の3本の回路枝が配置されるという極めて簡単な構造となっている。図6に示す複雑なメッシュ構造の回路網と比べると非常に簡単な回路網となっている。従って、この回路網を設ける計算量も少なくてすむ。また、回路網を用いての回路の動作特性の解析も、簡単になり、計算量も低減可能となる。
【0175】
次に、本発明に係る第2の実施形態を説明する。本実施形態は、前述のようにして得られた等価回路を用いて、回路解析を行う例である。
【0176】
図17に、図3BのPCBに対する等価回路を用いた回路解析における回路網のイメージを示す。図17に示すように、端子T1−T5間に方形波の電圧源PSと抵抗Rを直列に接続し、端子T2−T6間、T3−T7間、および、T4−T8間には、全て容量0.1nFのコンデンサCを接続してある。抵抗Rは、例えば、5Ωの抵抗値を有する。本実施形態による等価回路を用いた回路解析における電圧源PSの電圧波形を図18に示す。また、電圧源PSを流れる電流波形を図19に示す。図19の電流波形より、電圧源、抵抗およびコンデンサの単純な回路網でも、導体形状により複雑な電流波形を示すことがわかる。
【0177】
この回路解析において、各時刻におけるT1〜T8の外部接続端子に対する電圧値を導出し、この値を持つ電圧源が、例えば、図3BのPCBにおける各外部接続端子に接続された状態の電流分布を、有限要素法、モーメント法等のコンピュータシミュレーションにより再現することができる。これにより、図17に示すような、外部端子に電圧源、コンデンサ等の回路要素が接続された状態でのPCBにおける電流分布を再現することができる。図22A、図22Bに、コンピュータによる基板電流分布シミュレーションの結果を示す。図22Aおよび図22Bにおいて、それぞれ実線は、電流の流線を示す。
【0178】
導体上の電流分布の再現方法について簡単に説明する。まず、導出した等価回路に、電圧源やコンデンサ、ドライバなどの素子モデルを組み合わせ、回路解析する。例えば、図28に示したように導出した等価回路の▲1▼〜▲6▼の各ノードに電圧源、コンデンサ、ドライバを接続する。このとき、周波数領域や時間領域の解析に対して、等価回路の▲1▼〜▲6▼の各ノードにおける電圧Vを求める。各周波数や各時刻に対して、各ノードにおける電圧ベクトルVを、等価回路に接続された電圧源と見なして、上述の式(205)、(210)において、電流ベクトルTを導出することで、導体上電流分布が再現できる。
【0179】
次に、本発明による等価回路を用いた回路解析と、本発明によらな等価回路を用いた回路解析とを比較する。まず、回路解析に最低限必要なメモリ容量を比較する。本発明による等価回路の場合、節点数とコンダクタンス行列の要素数の合計は72である。これより、解析に最低限必要なメモリ容量は単精度(4byte)型変数の場合288byteである。これは、従来技術による等価回路における場合(約10Mbyte)に比べ、約1/33800である。また、解析で取り扱う変数が従来技術に比べ少ないため、解析時間の高速化も実現している。さらに、本発明では、等価回路の精度を上げるために、メッシュ数の多い複雑なモデリングを行っても、等価回路を構成する回路網は、導体上の回路接続端子数の2乗規模であって、それほど変化しない。これにより、従来技術よりも小さな回路網で高精度な等価回路が作成可能である。
【0180】
すなわち、従来法と同程度の解析精度を有する等価回路モデルを本発明手法により作成した場合、従来法に比べ等価回路を構成する素子数やノード数を大幅に削減可能である。これにより、等価回路を用いた回路解析において、従来法に比べ使用するメモリ容量を大幅に少なくすることができ、また解析時間も大幅に短縮することが可能である。また、本発明による等価回路を用いて、回路応答をコンピュータ上で解析し、その解析結果から等価回路に置き換える前の体系の電流分布をコンピュータ上で解析することも可能である。
【0181】
【発明の効果】
本発明によれば、目的の精度を確保して、回路網を構成する素子数を大幅に削減した等価回路を導出することができる。
【0182】
また、本発明によれば、等価回路の解析結果を用いて、元の複雑な回路網の電流分布や電圧分布等を再現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第1の実施形態による等価回路を模式的に湿す回路図。
【図2】 図2は、従来のPEEC方による等価回路作成手順を示すフローチャート。
【図3】 図3Aは、伝導ノイズ、放射ノイズの発生メカニズムを示す説明図、図3Bは、入力を受け付けたPCBの導体のみのジオメトリを示す斜視図。
【図4】 図4は、従来技術および本実施の形態において、PCB導体を、その厚さを無視して、2次元平面で近似し、三角形要素221にてメッシュデータを可視的に表示する説明図。
【図5】 図5は、従来技術において、三角メッシュの中心部にノードを置き、このノードと隣接する3つの三角メッシュ中心部のノードとを結ぶようにして設けた等価回路網の一例の一部を示す回路図。
【図6】 図6は、従来技術によりPCBに対して求めたR,L,Mからなる回路網を示す説明図。
【図7】 図7は、従来技術によりPCB等価回路を、汎用回路解析ソフトウェアSPICEのデータフォーマットにしたがって出力したデータの一部分を示す説明図。
【図8】 図8Aは、従来法による等価回路網を、枝および素子を減じて書き換えたものを模式的に示す回路図、図8Bは、従来法による等価回路網から一部の回路網を抜き出したものを模式的に示す回路図。
【図9】 図9は、本発明の一実施形態による等価回路の生成手順の一例を示すフローチャート。
【図10】 図10は、本発明の一実施の形態によるPCBに対するR成分の節点アドミタンス関係式を示す説明図。
【図11】 図11は、本発明の一実施の形態によるPCBのL成分に対するアドミタンス関係式を示す説明図。
【図12】 図12は、本発明の一実施の形態において基準の回路接続端子から他の接続端子を結ぶ回路枝で構成される回路網の基本構成の一例を示す説明図。
【図13】 図13A〜図13Cは、本発明の一実施の形態において節点アドミタンス関係式から導かれる行列関係式を示す説明図。
【図14】 図14は、本発明の一実施の形態において節点アドミタンス関係式からの変換結果を示す説明図。
【図15】 図15は、本発明の一実施の形態で得られる等価回路網の構成を示す説明図。
【図16】 図16は、本発明の一実施の形態による、PCB等価回路を、汎用回路解析ソフトSPICEのデータフォーマットにしたがって出力したデータの一部分を示す説明図。
【図17】 図17は、本発明の一実施の形態において、図3BのPCBに対する等価回路を用いた回路解析における回路網のイメージを示す説明図。
【図18】 図18は、本実施形態による等価回路を用いた回路解析における電圧源PSの電圧波形を示す波形図。
【図19】 図19は、本発明の一実施の形態において、電圧源を流れる電流波形を示す波形図である。
【図20】 図20は、本発明の一実施の形態において、木構造の回路網のモデルを示す説明図。
【図21】 図21は、本発明の実施形態において等価回路の生成に用いる情報処理システムのハードウェア構成を示すブロック図。
【図22】 図22Aおよび図22Bは、本発明により求められた等価回路を用いて行われたコンピュータシミュレーションによる電流分布を示す説明図。
【図23】 図23は、本発明の一実施の形態における、堂体表面の電流を駆動する電圧源の位置を示す行列Ctを説明する説明図。
【図24】 図24は、本発明の一実施の形態において、節点アドミタンス行列から等価回路の導出の説明に用いる、等価回路ならびに行列式の節点表示及び枝表示の対応、節点と枝との関係をそれぞれ示す説明図。
【図25】 図25は、本発明の一実施の形態で用いるインシデンス行列と回路網との関係を示す説明図。
【図26】 図26は、本発明の一実施の形態で、非連結な回路網の全節点数と木の数との関係を示す説明図。
【図27】 図27(a)および図27(b)は、本発明の一実施の形態において、木と枝を含む回路網を、木のみからなる回路網に縮約できることを示す説明図。
【図28】 図28は、本発明の一実施の形態において、導出した等価回路から導体上の電流分布を再現する際に、導体上のノードに電圧源等を接続した状態を示す説明図。
【符号の説明】
100…PCB、110…LSI、120…PCB電源・GND層、120a…第1層、120b…第2層、130…電源ケーブル、220a、220b…2次元平面、221…三角形要素、500…上方処理システム、510…コンピュータ、511…CPU、514…記憶装置、521…キーボード、522…マウス、530…表示装置。
Claims (9)
- 導体と、それを支持する誘電体と、複数設けられた外部との入出力端子とを有し、内部に電流の湧き出し源および消失源がなく、電流および電圧の入出力量に対して線形性および相反性が成り立ち、かつ、内部における電気的特性が時間に関して不変であるような対象について、コンピュータにより等価回路を導出する方法であって、等価回路の決定の対象となる基板における導体の形状を特定するジオメトリ情報、および、基板の材質を特定する材質情報の入力を受け付け、受け付けたジオメトリ情報に基づいて、対象の導体の形状をメッシュで区画して表現するメッシュデータを生成して記憶し、前記メッシュデータから、節点アドミタンス行列を求めて記憶し、前記メッシュデータに基づいて、節点数、独立の回路網数を求め、いづれかの基準節点から他の節点を放射状に結ぶ木構造の接続関係を決めるインシデンス行列を決定し、前記求められた節点アドミタンス行列と、インシデンス行列とで、等価回路網の構造を決定し、等価回路の素子の値を決定することを特徴とする等価回路の導出方法。
- 導体と、それを支持する誘電体と、複数設けられた外部との入出力端子とを有し、内部に電流の湧き出し源および消失源がなく、電流および電圧の入出力量に対して線形性および相反性が成り立ち、かつ、内部における電気的特性が時間に関して不変であるような対象について、コンピュータに実行させて等価回路を導出させるプログラムであって、等価回路の決定の対象となる基板における導体の形状を特定するジオメトリ情報、および、基板の材質を特定する材質情報の入力を受け付け、受け付けたジオメトリ情報に基づいて、対象の導体の形状をメッシュで区画して表現するメッシュデータを生成して記憶し、前記メッシュデータから、節点アドミタンス行列を求めて記憶し、前記メッシュデータに基づいて、節点数、独立の回路網数を求め、いづれかの基準節点から他の節点を放射状に結ぶ木構造の接続関係を決めるインシデンス行列を決定し、前記求められた節点アドミタンス行列と、インシデンス行列とで、等価回路網の構造を決定し、等価回路の素子の値を決定することをコンピュータに実行させることを特徴とする、等価回路導出のためのプログラム。
- 請求項2に記載の等価回路導出のためのプログラムを記録した記録媒体。
- 請求項2に記載されるプログラムであって、
当該プログラムで決定されるインシデンス行列は、前記外部との入出力端子となる節点間を、等価回路の決定の対象となる体系における連結成分ごとに、結ぶ回路枝を定義するデータからなり、
当該プログラムで求められる節点アドミタンス行列は、前記回路枝に含まれる回路素子、および、回路枝間の相互作用を記述する回路素子、を定義するデータからなり、
前記回路枝を定義するデータは、
回路枝が、いずれかの基準節点から他の節点に向けて木構造となるように節点間に配置される、ように定義されるデータである、
ことを特徴とするプログラム。 - 請求項4に記載されるプログラムであって、
等価回路の決定の対象となる前記体系は、外部との入出力端子のみから構成され、体系の連結成分ごとに木構造となるように入出力外部回路との接続端子を複数有し、複数の導体領域からなる電気配線である、
ことを特徴とするプログラム。 - 請求項4に記載されるプログラムであって、
等価回路の決定の対象となる前記体系は、プリント回路基板である、
ことを特徴とするプログラム。 - 請求項4乃至6のいずれか1項に記載されるプログラムを記録した記憶媒体。
- 請求項1に記載の等価回路導出方法により得られた等価回路を用いる回路解析方法であって、等価回路とする体系の外部との接続を行う節点についての電位を抽出し、これを電源として等価回路に置き換え、前記得られた等価回路を用いて、回路解析を行うことを特徴とする回路解析方法。
- 導体と、それを支持する誘電体と、複数設けられた外部との入出力端子とを有し、内部に電流の湧き出し源および消失源がなく、電流および電圧の入出力量に対して線形性および相反性が成り立ち、かつ、内部における電気的特性が時間に関して不変であるような対象について等価回路を導出するためのシステムであって、等価回路の決定の対象となる基板における導体の形状を特定するジオメトリ情報、および、基板の材質を特定する材質情報の入力を受け付ける手段と、受け付けたジオメトリ情報に基づいて、対象の導体の形状をメッシュで区画して表現するメッシュデータを生成して記憶する手段と、前記メッシュデータから、節点アドミタンス行列を求めて記憶する手段と、前記メッシュデータに基づいて、節点数、独立の回路網数を求め、いづれかの基準節点から他の節点を放射状に結ぶ木構造の接続関係を決めるインシデンス行列を決定する手段と、前記求められた節点アドミタンス行列と、インシデンス行列とで、等価回路網の構造を決定する手段と、等価回路の素子の値を決定する手段とを有することを特徴とする等価回路導出システム。
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