JP5173913B2 - 回路基板の解析装置および解析方法 - Google Patents

回路基板の解析装置および解析方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5173913B2
JP5173913B2 JP2009090306A JP2009090306A JP5173913B2 JP 5173913 B2 JP5173913 B2 JP 5173913B2 JP 2009090306 A JP2009090306 A JP 2009090306A JP 2009090306 A JP2009090306 A JP 2009090306A JP 5173913 B2 JP5173913 B2 JP 5173913B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mesh
circuit
analysis
new
position information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009090306A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009266219A (ja
Inventor
一英 瓜生
徹 山田
正拓 山岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2009090306A priority Critical patent/JP5173913B2/ja
Publication of JP2009266219A publication Critical patent/JP2009266219A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5173913B2 publication Critical patent/JP5173913B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F30/00Computer-aided design [CAD]
    • G06F30/30Circuit design
    • G06F30/36Circuit design at the analogue level
    • G06F30/367Design verification, e.g. using simulation, simulation program with integrated circuit emphasis [SPICE], direct methods or relaxation methods
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F30/00Computer-aided design [CAD]
    • G06F30/20Design optimisation, verification or simulation
    • G06F30/23Design optimisation, verification or simulation using finite element methods [FEM] or finite difference methods [FDM]

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Evolutionary Computation (AREA)
  • Geometry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Design And Manufacture Of Integrated Circuits (AREA)

Description

本発明は、回路基板の解析装置および解析方法に関し、特に、各種電子機器に用いられる回路基板の電磁界解析方法に関する。
プリント基板(配線基板)の設計は、コンピュータを利用したプリント基板CAD(Computer Aided Design)によって行われることが多い(例えば、特許文献1)。CAD装
置を用いたプリント基板の設計は、自動化されている部分も多いが、熟練した設計者でなければ、適切な設計を行うことができないことが多いこともまた事実である。
高周波回路のプリント基板設計においては、配線間の干渉が伝送特性に大きな影響を与える場合があり、回路基板上での配線レイアウトパターンに依存する寄生(結合)の影響も考慮しつつ設計を行わなければならない。このような配線間の干渉量は、電磁界解析による複雑な計算によって、解析することが可能となる。
例えば、配線間の干渉量を電磁界解析で求める場合、解析対象の配線が例えば図16(a)に示すような配線パターン1000のときでは、そのままでは電磁界解析は行うことができない。したがって、配線パターン1000の全体は、図16(b)に示すようにメッシュ状(「2000」)に分割され、分割後の各セルにおける解析モデルを電磁界解析し、そして、個々のセル同士の相互作用を計算して、全体の電磁界解析が完了する。この全体の電磁界解析の結果から、配線間の干渉量を求めることが可能となる。
特開平10−214281号公報
しかしながら、実際に行われる複雑な配線設計においては、電磁界解析による非常に複雑な計算によって配線の特性を求めることが要求されるため、教科書的な単純な配線モデルを解析するのと異なり、配線間の干渉量を高い精度で求めようとすると解析処理に費やす時間が膨大になってしまい、その一方で、解析速度を上げるべく電磁界解析を荒く行おうとすると解析精度の面で問題が生じたりすることが多いのが実情である。例えば、図16(a)に示したような構造が複雑な配線パターン1000(この例は、多層基板の内層の一枚の配線パターン)の場合、図16(b)に示したようにメッシュの分割数が非常に増大するため、電磁界解析によって配線間の干渉量を求めることは可能であるが、その計算時間が膨大になってしまう。
例えば、本願発明者の検討によると、解析を行おうとする配線基板が多層基板であり、その基板寸法が40mm×40mmの8層基板で、ネット数(部品間を接続する配線数)が550で、層間を電気的に接続するビアの数が5000の場合、次のような結果が予測された。すなわち、CPUに3GHz動作のPentium(登録商標)4プロセッサと2Gバイトのメモリを用いてモーメント法による電磁界解析法をおこなうと、周波数ポイントを20ポイントについて行った場合では、解析を行いたい構造に対して必要となる物理メモリがコンピュータのメモリ量をオーバーするため、解析不可能であることが推論付けられた。仮に、そのメモリ量の制限をクリアできたとしても、解析を実行するためには、最低でも500時間以上必要となることが予想された。
さらに、周波数ポイントが増えれば増えるほど当然、処理時間ないし処理データ量は増大する。加えて、電磁界解析は一度で終わるだけではなく、配線基板を改良するごとに実行するので、非常に単純な構造の配線基板はともかく、現実問題として、電磁界解析によって配線間の干渉量を求めることは極めて時間がかかる作業となっていた。その一方で、周波数ポイントを減らしたりメッシュの分割サイズを大きくしたりすれば、解析時間を短くして無理やり電磁界解析を行うことはできるが、電磁界解析の結果から得られる配線間の干渉量の精度は悪化し、必要とされる精度が十分に得られない場合が生じ得る。
このように、現実的に使用し得るレベルには高精度な電磁界解析を行おうとすると解析時間が全然足りず、その一方で解析スピードを上げるべく電磁界解析を荒く行おうとすると解析精度が犠牲となって必要な精度が得られない等、解析スピードと解析精度との両方のバランスをとるのが非常に難しかった。それゆえ、配線間の干渉量の考慮は、電磁界解析ではなく、熟練した設計者のいわば勘によって行われることが多かったり、または、配線間の干渉量を考慮せずにトライアンドエラーにより実行させることが多いのが実情である。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、解析精度を損なうことなく、解析処理の時間を大幅に短縮することができる回路基板の電磁界解析方法を提供することにある。
本発明によって提供される解析装置は、回路基板のレイアウトをメッシュ状に分割し、この分割したメッシュ分割モデルに基づいて解析処理を行うことにより、当該分割モデルを構成する各メッシュのそれぞれに関連付けられた回路定数を抽出する回路基板の解析装置である。
この装置は、上記解析処理を行った解析済み分割モデルのメッシュ位置情報と、当該解析処理によって得られた抽出済み回路定数とを対応づけて記憶しておく記憶部と、新たに解析しようとする回路基板のレイアウトをメッシュ状に分割し、新規メッシュ分割モデルを作成する分割モデル作成手段と、上記作成した新規メッシュ分割モデルのメッシュ位置情報と、上記解析済み分割モデルのメッシュ位置情報とを比較して、それらの位置情報が一致する同一メッシュを特定する同一メッシュ特定手段と、上記新規メッシュ分割モデルに基づいて解析処理を行うことにより、当該分割モデルを構成する各メッシュに関連付けられた新規回路定数を抽出するとともに、上記特定した同一メッシュに関連付けられた新規回路定数として、当該同一メッシュの位置情報と対応づけられた前記抽出済み回路定数を再利用する回路定数抽出手段とを備えている。
また、この装置は、解析対象の回路基板のレイアウトを新規メッシュに分割し、各新規メッシュの位置情報を生成し、前記新規メッシュに対応する等価回路を示すデータを生成する分割モデル作成部と、解析済みのメッシュの位置情報と、当該解析済みのメッシュに対応する等価回路の回路定数とを蓄積した記憶部にアクセスし、前記新規メッシュと位置情報が一致する解析済みのメッシュの回路定数がある場合、当該回路定数を用いて、前記新規メッシュの回路定数を計算し、前記記憶部に蓄積する、回路定数抽出部とを備える装置であってもよい。
この構成においても、既に解析済みのメッシュと、位置情報が一致するメッシュの回路定数が記憶部にある場合は、その回路定数を用いて、新規メッシュの回路定数を計算することができる。そのため、解析精度を損なうことなく、解析処理の時間を短縮することができる。
例えばある実施形態において、上記メッシュ位置情報は、メッシュの頂点座標を含む。
例えばある実施形態では、上記分割モデル作成手段は、上記分割した各メッシュの位置関係に基づいて解析用回路モデルを設定することを特徴とする。
例えばある実施形態において、上記分割モデル作成手段は、上記解析用回路モデルとして、各メッシュにセルを設定し、互いに隣接するメッシュ間にブランチを設定することを特徴とする。
例えばある実施形態では、上記回路定数抽出手段は、行列要素の一部を前記抽出済み回路定数に置換することによって再利用の設定を行うことを特徴とする。
例えばある実施形態において、上記回路定数抽出手段は、行列要素の一部から上記抽出済み回路定数を削除して新たな要素を追加することによって再利用の設定を行うことを特徴とする。
例えばある実施形態において、前記分割モデル作成部は、前記新規メッシュにおけるインピーダンスを、抵抗(R)、インダクタンス(L)、コンダクタンス(G)、キャパシタンス(C)の少なくともいずれか1つを含む構成要素で表す等価回路のデータを生成し、前記回路定数抽出部は、前記抵抗R、インダクタンスL、コンダクタンスGおよびキャパシタンスCの少なくとも1つの値を回路定数として計算してもよい。
これにより、各メッシュのインピーダンスが、抵抗(R)、インダクタンス(L)、コンダクタンス(G)およびキャパシタンス(C)の少なくとも1つの回路定数に分離して、計算される。そのため、回路定数の蓄積および再利用がしやすくなる。
例えばある実施形態において、前記分割モデル作成部は、前記回路基板のレイアウトを新規メッシュに分割して、各新規メッシュに対応するセルを設定し、各セルとグランドとの間のキャパシタンス(C)と、セル間のキャパシタンス(C)とを含む等価回路のデータを生成してもよい。
これにより、新規メッシュおよび新規メッシュ間における寄生容量の成分を分離して計算し記憶することができる。そのため、回路定数の蓄積および再利用がしやすくなる。
例えばある実施形態において、前記分割モデル作成部は、前記回路基板のレイアウトを新規メッシュに分割して、各新規メッシュ間にブランチを設定し、各ブランチにおける自己インダクタンス(L)と、ブランチ間における相互インダクタンス(L)とを含む等価回路のデータを生成してもよい。
これにより、新規メッシュ間におけるインダクタンスの成分を分離して計算し記憶することができる。そのため、回路定数の蓄積および再利用がしやすくなる。
例えばある実施形態において、前記分割モデル作成部は、前記回路基板のレイアウトを新規メッシュに分割して、各新規メッシュに対応するセルおよび、セル間を接続するブランチとを設定し、各ブランチに対応する抵抗(R)およびインダクタンス(L)と、ブランチ間に対応する相互インダクタンス(L)と、各セルとグランドとの間のキャパシタンス(C)およびコンダクタンス(G)と、セル間のキャパシタンス(C)およびコンダクタンス(G)とを含む等価回路のデータを生成してもよい。
これにより、新規メッシュおよび新規メッシュ間における寄生容量およびコンダクタンスの成分、新規メッシュ間の抵抗、自己インダクタンスおよび相互インダクタンスの成分をそれぞれ分離して計算し、記憶することができる。そのため、回路定数の蓄積および再利用がしやすくなる。また、これらの回路定数を基に、例えばS行列演算など、多様な解析が可能になる。
また、本発明によって提供される解析方法は、回路基板のレイアウトをメッシュ状に分割し、この分割したメッシュ分割モデルに基づいて解析処理を行うことにより、当該分割モデルを構成する各メッシュのそれぞれに関連付けられた回路定数を抽出する回路基板の解析方法である。
この方法は、上記解析処理を行った解析済み分割モデルのメッシュ位置情報と、当該解析処理によって得られた抽出済み回路定数とを対応づけて記憶しておく記憶ステップと、新たに解析しようとする回路基板のレイアウトをメッシュ状に分割し、新規メッシュ分割モデルを作成する分割モデル作成ステップと、上記作成した新規メッシュ分割モデルのメッシュ位置情報と、上記解析済み分割モデルのメッシュ位置情報とを比較して、それらの位置情報が一致する同一メッシュを特定する同一メッシュ特定ステップと、上記新規メッシュ分割モデルに基づいて解析処理を行うことにより、当該分割モデルを構成する各メッシュに関連付けられた新規回路定数を抽出するとともに、上記特定した同一メッシュに関連付けられた新規回路定数として、当該同一メッシュの位置情報と対応づけられた上記抽出済み回路定数を再利用する回路定数抽出ステップとを含む。
例えばある実施形態において、上記メッシュ位置情報は、メッシュの頂点座標を含む。
例えばある実施形態では、上記分割モデル作成ステップでは、上記分割した各メッシュの位置関係に基づいて解析用回路モデルを設定する処理を含む。
例えばある実施形態において、上記回路モデル設定ステップでは、上記解析用回路モデルとして、各メッシュにセルを設定し、互いに隣接するメッシュ間にブランチを設定する処理を含む。
例えばある実施形態では、上記回路定数抽出ステップでは、行列要素の一部を上記抽出済み回路定数に置換することによって再利用の設定を行う処理を含む。
例えばある実施形態において、上記回路定数抽出ステップでは、行列要素の一部から上記抽出済み回路定数を削除して新たな要素を追加することによって再利用の設定を行う処理を含む。
コンピュータを、上記の回路基板の解析装置として機能させるプログラムまたは、そのようなプログラムを記録した記録媒体も本発明の実施形態の一つである。
本発明に係る解析方法によれば、解析処理を行った解析済み分割モデルのメッシュ位置情報と、当該解析処理によって得られた抽出済み回路定数とを対応づけて記憶しておき、この記憶した抽出済み回路定数を次回以降の解析時に再利用しているので、解析処理の一部分を略して簡単にすることができる。これによって解析精度を全く損なうことなく解析処理時間を大幅に短縮することができる。また、このように処理時間を大幅に短縮することができるため、回路基板の設計へのフィードバックも容易になり、回路基板のレイアウトの最適化を図ることが可能となる。
本発明の実施形態に係る回路基板の基本的な解析方法の一例を説明するためのフローチャート (a)はメッシュ状に分割したレイアウトの平面図、(b)は、解析用回路モデルの一例を示す図、(c)、(d)はC行列式の一例を示す図 本発明の実施形態に係る回路基板の解析方法の一例を説明するためのフローチャート (a)は新たに解析しようとする配線レイアウトの一例を示す図、(b)は過去データベースに記憶されたレイアウトの一例を示す図 (a)は新規メッシュ分割モデルの一例を示す図、(b)は過去データベースに記憶された解析済み分割モデルの一例を示す図 図5(a)の新規メッシュ分割モデルを解析用回路モデルで表現した図 (a)〜(c)は再利用の設定の一例を説明するための図 (a)〜(d)は再利用の設定の一例を説明するための図 (a)はメッシュ状に分割したレイアウトの平面図、(b)は、解析用回路モデルの一例を示す図、(c)、(d)はL行列式の一例を示す図 本発明の実施形態に係る回路基板の解析装置の構成を示す図 本発明の実施形態に係る回路基板の解析方法の一例を説明するためのフローチャート (a)はローパスフィルタの理想回路素子を示す回路図、(b)、(c)は回路図を基に作成した配線レイアウトの一例を示す図 再利用率と時間短縮率との関係を示す図 アンテナスイッチモジュールの理想等価回路を示す図 多層基板500を構成する各層を示す図 (a)は、多層基板の内層の配線パターン1000の平面図、(b)は、それをメッシュ状に分割した配線パターン2000の平面図
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
典型的な電磁界解析を経由する手法では、図16(b)に示したように配線をメッシュ状に分割し、分割されたすべての個片(メッシュ)に基づいて電磁界解析(解析計算)が
実行され、膨大な処理時間が必要となる。
これに対し、本願発明者は、解析処理によって得られた結果(回路定数)を各メッシュの位置情報と対応づけて過去データベースに蓄積しておき、このデータベースに蓄積した解析結果(回路定数)を次回以降の解析時にそのまま再利用することにより、解析精度を全く損なうことなく解析処理時間を大幅に短縮できるとの知見を得、本発明に想到した。以下、これについて説明する。
図1および図2(a)〜(d)を参照しつつ、本実施形態に係る基本的な解析方法について簡単に説明する。この解析方法では、まず、ステップS1において、回路基板のレイアウト90をメッシュ状に分割し、メッシュ分割モデル92を作成する。図2(a)では、回路基板のレイアウト90を8つの矩形状メッシュ「M1」〜「M8」に分割し、メッシュ分割モデル92を作成している。
次に、ステップS2において、分割した各メッシュ「M1」〜「M8」の位置関係に基づいて解析用回路モデル94を設定する。この解析用回路モデル94は、分割した各メッシュ「M1」〜「M8」に起因する寄生素子の影響を考慮した回路網であり、例えば、抵抗(R)、キャパシタンス(C)、インダクタンス(L)、コンダクタンス(G)の各素子(構成要素)から構成され得る。
図2(b)では、解析用回路モデル94として、各メッシュ「M1」〜「M8」がグラウンド(GND)に対して自己キャパシタンス素子を持つように設定し、各メッシュ間が相互キャパシタンス素子を持つように設定している。例えばメッシュ「M1」に自己キャパシタンス素子「C11」を設定し、2つのメッシュ「M1」−「M2」間に相互キャパシタンス素子「C12」、「C21」を設定している。なお、図面を簡略化するために相互キャパシタンス素子の一部は省略している。
次に、ステップS3において、解析用回路モデル94に基づいて解析処理を行い各メッシュ「M1」〜「M8」のそれぞれに関連付けられた回路定数を抽出する。ここで回路定数とは、解析用回路モデル94を構成する各素子(構成要素)の値である。回路定数の抽出は、解析用回路モデル94に設定された素子を行列の形に変換し、この変換した行列の各要素(各素子の値)を導出することにより行われる。
この実施形態では、図2(c)に示すように、解析用回路モデル94をC行列96の形に変換し、次いで、この変換したC行列96の各要素(キャパシタンス素子の値)を解析演算により導出する。図2(d)は、この解析演算により導出された回路定数行列98を示している。この解析演算によって、例えばメッシュ「M1」に関連付けられた回路定数として、自己キャパシタンス素子「C11」の値が抽出される。また、2つのメッシュ「M1」−「M2」間に関連付けられた回路定数として、相互キャパシタンス素子「C12」、「C21」の値が抽出される。なお、実際の解析処理に用いるC行列はインピーダンスZから逆数(1/C’)の形で分離されており、図2(c)の行列式は分離した逆数(1/C’)をさらに逆行列変換したものである。
このような解析処理手法としては特に制限されず、Moment法、PEEC(Partial Element Equivalent Circuit)法など種々の手法を採用可能である。あるいはGreen関数の準静的な近似を用いることもできる。このようにして回路基板のレイアウトに起因する寄生素子(ここではキャパシタンス素子)の影響を解析することができる。
本実施形態の解析方法においては、このようにして抽出された回路定数を、次回以降の解析時に再利用するため過去データベースに蓄積する。すなわち、ステップS4において、解析処理によって得られた回路定数(素子の値)を、抽出済み回路定数として過去データベースに記憶する。また、解析処理を行ったメッシュ分割モデル92のメッシュ位置情報を、解析済み分割モデルのメッシュ位置情報として過去データベースに記憶する。
その際、過去データベースにおいては、解析済み分割モデルのメッシュ位置情報と抽出済み回路定数とが対応づけて記憶される。例えばメッシュ「M1」に関連付けられた自己キャパシタンス素子「C11」の値(回路定数)は、メッシュ「M1」のメッシュ位置情報に対応づけて記憶される。また、2つのメッシュ「M1」−「M2」間に関連付けられた相互キャパシタンス素子「C12」、「C21」の値(回路定数)は、2つのメッシュ「M1」及び「M2」のメッシュ位置情報に対応づけて記憶される。このようにして、過去データベースには、解析済み分割モデルのメッシュ位置情報と、各メッシュに関連付けられた抽出済み回路定数とが対応づけて蓄積される。
なお、メッシュ位置情報は、解析領域上でのメッシュの位置を表す情報であり、例えば数値の組み合わせによってメッシュがどこに存在するかを特定し得るデータであればよい。本実施形態においては、メッシュ位置情報は、矩形状メッシュの4頂点に対応するメッシュ座標である。このメッシュ座標は、原点からの距離で表された絶対座標であってもよく、あるいは任意の点からの距離で表された相対座標であってもよい。また、メッシュ座標は、メッシュの頂点座標に限らず、メッシュの形状にあわせて適当なものを使用することができる。さらに、メッシュ位置情報は、メッシュの位置を表すメッシュ座標だけでなくその位置における他の情報(例えば解析周波数などのメッシュ条件または材料定数を示すデータなど)を含んでもよい。
次に、図3を参照して、過去データベースの解析結果を利用しつつ回路基板のレイアウトを解析する場合について説明する。図3は、本実施形態に係る解析方法のフローを示すフローチャートである。
本実施形態に係る解析方法では、まず、新たに解析しようとする回路基板のレイアウトを作成し(ステップS10)、この作成した回路基板のレイアウトを読み込む(ステップS11)。このようにして読み込んだ新たに解析しようとするレイアウトの一例を図4(a)に示す。ここでは、2本の配線(11a及び11b)が平行に配置されている。また、各配線(11a及び11b)の両端には、ポート(P1、P2、P3、P4)が設定されている。これらのポート(P1、P2、P3、P4)は、外部からの信号を配線(11a、11b)に入出力する役割を持つ。
次に、ステップS12において、回路基板のレイアウト10をメッシュ状に分割し、新規メッシュ分割モデル12を作成する。メッシュの形状は、回路基板レイアウトを複数のエリアに分割し得る形状であればよく、矩形状であってもよいし、円形状であってもよいし、あるいは多角形状とすることもできる。また、メッシュは、2次元の領域を表すものに限られず、3次元領域を表すものであってもよい。
この実施形態では、図5(a)に示すように矩形状にメッシュ分割している。図5(a)では、配線11aを2つに分割してメッシュ「A2」、「A3」を作成する。同様に、配線11bを2つに分割してメッシュ「A6」、「A7」を作成する。さらに、ここでは各ポートを極小のメッシュとして取り扱う。すなわち、配線11aのポートP1、P3に対してメッシュ「A1」、「A4」を作成し、配線11bのポートP2、P4に対してメッシュ「A5」、「A8」を作成する。このようにして新規メッシュ分割モデル12を作成する。なお、各ポートのメッシュサイズは、解析周波数によって適宜変更することができ、例えば、解析周波数の上限を6GHzとした場合、一辺0.5mmの正方形状のメッシュを作成し得る。
次に、ステップS13において、分割した各メッシュ「A1」〜「A8」の位置関係に基づいて、解析用回路モデル14を設定する。この実施形態では、図6に示すように、解析用回路モデル14として、各メッシュ「A1」〜「A8」がグラウンド(GND)に対して自己キャパシタンス素子を持つように設定し、各メッシュ間が相互キャパシタンス素子を持つように設定する。例えばメッシュ「A1」に自己キャパシタンス素子「C11」を設定し、2つのメッシュ「A1」−「A2」間に相互キャパシタンス素子「C12」、「C21」を設定する。このようにしてメッシュ「A1」〜「A8」のそれぞれに関連付けられたキャパシタンス素子を設定する。なお、図面を簡略化するために相互キャパシタンス素子の一部は省略している。
次に、ステップS14において、過去データベースにアクセスし、当該過去データベースに記憶された解析済み分割モデルのメッシュ位置情報を取得する。このようにして取得した解析済み分割モデル92を図5(b)に示す。なお、取得した解析済み分割モデル92は図2(a)に示した解析済み分割モデル92と同じモデルである。
次に、ステップS15において、新規メッシュ分割モデル12のメッシュ位置情報と、解析済み分割モデル92のメッシュ位置情報とを比較して、それらの位置情報が一致する同一メッシュを特定する。この実施形態では、図5(a)の各メッシュ「A1」〜「A8」のメッシュ位置情報と、図5(b)の各メッシュ「M1」〜「M8」のメッシュ位置情報とを比較する。そして、それらのメッシュ位置情報が一致する同一メッシュを特定する。この例では、図5(a)のメッシュ「A1」〜「A4」と、図5(b)のメッシュ「M1」〜「M4」とが一致しており、それゆえに、メッシュ「A1」〜「A4」を同一メッシュとして特定する。
メッシュの位置情報が、メッシュを形成する多角形の頂点座標である場合、例えば、新規メッシュ分割モデル12におけるメッシュの頂点座標と、解析済み分割モデル92のメッシュの頂点座標とを比較する処理が実行される。比較の結果、例えば、新規メッシュの頂点座標と、解析済みメッシュの頂点座標との距離が所定の範囲内にある場合に、両者は同一であると判断することができる。また、頂点座標の他に、メッシュの重心、代表点等の座標を比較対象に含めることもできる。さらに、メッシュの位置におけるその他の情報(例えば、解析周波数などメッシュ条件や、材料定数等のメッシュの性質)が比較されてもよい。
あるいは、テンプレートマッチング等の図形比較手法を用いて新規メッシュに一致する解析済みメッシュを抽出してもよい。回路基板のレイアウトの変更履歴を示すデータが使用可能な場合、変更部分のメッシュを特定することができる。そのため、変更部分以外については、変更操作前のメッシュと変更操作後とメッシュは互いに一致すると判断することができる。
次に、ステップS16において、解析用回路モデル14に基づいて解析処理を行い、各メッシュ「A1」〜「A8」のそれぞれに関連付けられた新規回路定数を抽出する。この実施形態では、図7(a)に示すように、解析用回路モデル14に設定されたキャパシタンス素子をC行列16の形に変換し、次いで、この変換したC行列16の各要素(キャパシタンス素子の値)を解析演算により導出する。図7(c)は、この解析演算により導出された新規回路定数行列18を示している。この解析演算によって、例えばメッシュ「A8」に関連付けられた新規回路定数として、自己キャパシタンス素子「C88」の値が抽出される。また、2つのメッシュ「A7」−「A8」間に関連付けられた新規回路定数として、相互キャパシタンス素子「C78」、「C87」の値が抽出される。
その際、上記特定した同一メッシュ「A1」〜「A4」に関連付けられた新規回路定数として、当該同一メッシュ「A1」〜「A4」の位置情報(延いてはメッシュ「M1」〜「M4」の位置情報)と対応づけられた抽出済み回路定数を使用する。すなわち、同一メッシュ「A1」〜「A4」に関連付けられた新規回路定数については、新たな解析演算により素子の値を導出するのではなく、過去データベースに記憶された抽出済み回路定数をそのまま再利用する。
例えば、同一メッシュ「A1」に関連付けられた新規回路定数(自己キャパシタンス素子「C11」の値)は、当該同一メッシュ「A1」の位置情報(延いてはメッシュ「M1」の位置情報)と対応づけられた抽出済み回路定数がそのまま適用される。また、2つの同一メッシュ「A1」−「A2」間に関連付けられた新規回路定数(相互キャパシタンス素子「C12」、C「21」の値)は、当該同一メッシュ「A1」及び「A2」のメッシュ位置情報(延いてはメッシュ「M1」及び「M2」のメッシュ位置情報)と対応づけられた抽出済み回路定数がそのまま適用される。
また、再利用の設定は、メッシュ分割モデルから作成した行列式を組み換えることにより行われる。この実施形態では、再利用の設定は、新規メッシュ分割モデル12から作成した図7(a)の行列式16を基にして、当該行列式16に抽出済み回路定数を置換(代入)することにより行われる。
この例では、図7(a)の破線15で囲んだ行列要素が同一メッシュ「A1」〜「A4」に関連付けられた新規回路定数に相当する。また、図2(d)の破線95で囲んだ行列要素が同一メッシュ「A1」〜「A4」の位置情報(延いてはメッシュ「M1」〜「M4」の位置情報)と対応づけられた抽出済み回路定数に相当する。
そして、図7(b)に示すように、再利用の設定は、図7(a)の破線15で囲んだ行列要素を図2(d)の破線95で囲んだ抽出済み回路定数に置換することにより行われる。その後、図7(c)に示すように、抽出済み回路定数に置換されなかった行列要素について解析演算を行うことにより、残りの部分の新規回路定数(キャパシタンス素子の値)を抽出することができる。
このようにして抽出された新規回路定数は、抽出済み回路定数として過去データベースに各メッシュ「A1」〜「A8」の位置情報とともに記憶され、次回以降の解析時に適宜再利用される(ステップS17)。また、得られた新規回路定数から回路基板の電気的特性を評価し、回路基板の電気的特性が好ましくない場合には、再びステップS10に戻ってステップS10〜ステップS17の各処理を繰り返し、回路基板の電気的特性が好ましい場合には、レイアウトの解析処理を完了する。このようにして回路基板のレイアウトを解析することができる。
本実施形態に係る解析方法によれば、解析処理を行った解析済み分割モデルのメッシュ位置情報と、当該解析処理によって得られた抽出済み回路定数とを対応づけて過去データベースに蓄積しておき、この過去データベースに蓄積された解析結果(抽出済み回路定数)を次回以降の解析時にそのまま再利用しているので、解析演算の一部分(上述した例では全体の1/4程度)を省いて簡単にすることができる。
これによって解析精度を損なうことなく解析処理時間を大幅に短縮することができ、その結果、回路基板の設計へのフィードバックも容易になり、回路基板のレイアウトの最適化を図ることが可能となる。
なお、図5(a)と図5(b)との比較では、メッシュ位置情報が一致する同一メッシュは4つ/8つであり、つまりレイアウトの50%が大きく変更されているため、省略可能な演算部分は25%程度に留まっているが、実際の設計においてはレイアウトの一部分を少しずつ変更しながら電磁界解析を繰り返し行うことが多く、それゆえにレイアウトの変更割合は、解析対象のサイズにも依存するが、全体の数パーセント程度となる場合が多い。その場合、上述した再利用の設定を行うことによって解析演算の大部分を省略することができ、この再利用によって得られるメリットは非常に大きくなる。
また、この実施形態では、再利用の設定は、新規メッシュ分割モデル12から作成した図7(a)の行列式16を基にして、当該行列式16に抽出済み回路定数を置換(代入)することにより行われるが、これに限らず、例えば解析済み分割モデル92から作成した行列式(回路定数行列98)を基にして、当該回路定数行列98に新たな素子を追加することにより行ってもよい。
その一例を図8(a)〜(d)に示す。図8(a)は、図2(d)の回路定数行列98である。ここでは、図8(a)の破線95で囲んだ行列要素が同一メッシュ「A1」〜「A4」の位置情報(延いてはメッシュ「M1」〜「M4」の位置情報)と対応づけられた抽出済み回路定数に相当する。再利用の設定は、まず、図8(b)に示すように、回路定数行列98から破線95で囲んだ行列要素以外の要素を全て削除し、次いで、図8(c)に示すように、この削除した行列98に同一メッシュに該当しないメッシュ「A5」〜「A8」に関連付けられた新たなキャパシタンス素子を追加することにより行われる。その後、図8(d)に示すように、新たに追加した行列要素について解析演算を行うことにより、再利用しない残りの部分の新規回路定数(キャパシタンス素子の値)を抽出することができる。
上述した例では、解析用回路モデルとしてキャパシタンス素子を設定し、回路定数としてキャパシタンス素子の値を抽出する場合について説明してきたが、抽出可能な回路定数はキャパシタンス素子の値に限らず、その他の素子であってもよい。
例えば、図6に示した解析用回路モデルにおいて、キャパシタンス素子の換わりに、あるいはキャパシタンス素子に加えてコンダクタンスを設定してもよい。すなわち、各メッシュとグラントとの間および、各メッシュ間にコンダクタンスが存在する等価回路のデータを、解析用回路モデルとして設定することができる。
また、別の実施形態では、解析用回路モデルは、メッシュ分割モデルを構成する各メッシュに起因する寄生素子の影響を考慮した回路網であり、キャパシタンス(C)素子だけでなく、抵抗(R)、インダクタンス(L)、コンダクタンス(G)の各素子から構成されている。詳しくは、この実施形態では、解析用回路モデルとして各メッシュにセルを設定し、互いに隣接するメッシュ間にブランチを設定する。そして、下記の設定条件Jに基づいて、各セルと、各セル間と、各ブランチと、各ブランチ間に上述した各素子を設定している。
<セル・ブランチの設定条件J>
(1)各ブランチは、自己素子として直列の抵抗(R)及び自己インダクタンス(L)を持つ。
(2)各ブランチ間は、相互素子として相互インダクタンス(L)を持つ。
(3)各セルは、自己素子としてグラウンドに対してキャパシタンス(C)及びコンダクタンス(G)を持つ。
(4)各セル間は、相互素子としてキャパシタンス(C)及びコンダクタンス(G)を持つ。
なお、セルは分割されたメッシュに対応し、ブランチは隣接するメッシュ間に相当するので、いずれのデータもメッシュの位置情報と対応づけて記憶することができる。
次に、図9(a)〜(d)を参照しつつ、解析用回路モデルとしてインダクタンス素子を設定し、回路定数としてインダクタンス素子の値を抽出する場合について説明する。すなわち、図9(a)のメッシュ分割モデル92を、上記設定条件Jの(1)、(2)に基づいて解析用回路モデル化すると図9(b)の通りである。
図9(b)では、解析用回路モデル97として、隣接する各メッシュ間にブランチ「B1」〜「B6」を設定する。そして、各ブランチ「B1」〜「B6」が自己インダクタンス素子を持つように設定し、各ブランチ間が相互インダクタンスの素子を持つように設定する。例えばブランチ「B1」に自己インダクタンス素子「L11」を設定し、2つのブランチ「B1」−「B2」間に相互インダクタンス素子「L12」、「L21」を設定している。なお、図面を簡略化するために、相互インダクタンス素子の一部は省略している。
このように設定した解析用回路モデル97を用いて解析処理を行い、各ブランチ「B1」〜「B6」のそれぞれに関連付けられた回路定数を抽出する。この実施形態では、図9(c)に示すように、解析用回路モデル97をL行列99の形に変換し、次いで、図9(d)に示すように、この変換したL行列99の各要素(インダクタンス素子の値)を解析演算により導出する。この解析演算によって、例えばブランチ「B1」に関連付けられた回路定数として、自己インダクタンス素子「L11」の値が抽出される。また、2つのブランチ「B1」−「B2」間に関連付けられた回路定数として、相互インダクタンス素子「L12」、「L21」の値が抽出される。このようにして抽出された回路定数を、次回以降の解析時に再利用するため過去データベースに蓄積する。その際、過去データベースにおいては、解析済み分割モデルのメッシュ位置情報と抽出済み回路定数とが対応づけて記憶される。
そして、インダクタンス素子の場合、例えば、ブランチ「B1」に関連付けられた自己インダクタンス素子「L11」の値(回路定数)は、当該ブランチ「B1」を架橋する2つのメッシュ「M1」及び「M2」のメッシュ位置情報に対応づけて記憶される。また、2つのブランチ「B1」−「B2」間に関連付けられた相互インダクタンス素子「L12」、「L21」の値(回路定数)は、ブランチ「B1」を架橋する2つのメッシュ「M1」及び「M2」のメッシュ位置情報と、ブランチ「B2」を架橋する2つのメッシュ「M2」及び「M3」のメッシュ位置情報と、に対応づけて記憶される。
このようにして、過去データベースには、解析済み分割モデルのメッシュ位置情報と、各メッシュに関連付けられた抽出済み回路定数(インダクタンス素子の値)とが対応づけて蓄積される。そして、蓄積された抽出済み回路定数(インダクタンス素子の値)は、次回以降の解析時に再利用され得る。
上記の解析用回路モデル97を用いた処理により、寄生成分である相互インダクタンスを分離して計算、蓄積、再利用することが可能になる。なお、図9(c)に示す解析用回路モデル97において、各ブランチの自己インダクタンスに加えて、あるいは、各ブランチの自己インダクタンスに換えて抵抗(R)を設定することもできる。これにより、抵抗(R)を回路定数として分離して計算、蓄積、再利用することができる。
上述したような解析用回路モデル14、94、97を用いることにより、メッシュのインピーダンスZを、構成要素(RLGC)に分割し、それぞれの構成要素について、計算、蓄積、再利用することができる。
一例として、モーメント法では、隣り合うメッシュのセル間に対してrooftop基底関数が定義される。このrooftop基底関数に対して、電流I及び電圧Vを電磁界から求めるとインピーダンス行列方程式Z([Z]・[I]=[V])が得られる。このインピーダンス行列式Zは、本実施形態における自己素子(R,L,C、G)の成分、および相互素子(L,C,G)の成分に分割して表すことができる。そのため、自己素子(R,L,C、G)の行列および相互素子(L,C,G)の行列を用いて、それぞれの成分について、行列方程式を解くことができる。すなわち、インピーダンス行列式Zは、自己素子(R,L,C、G)および相互素子(L,C,G)の行列を用いて、解くことができる。
例えば、上記の解析用回路モデル94から得られる行列(図7A)は、このようなインピーダンス行列方程式の寄生C成分を分離して計算するために用いることができる。同様に、解析用回路モデル97から得られる行列(図9C)は、インピーダンス行列方程式のL成分を分離して計算するために用いることができる。
具体的には、自己素子に関しては、[Rs+jωLs+1/(jωCs)+Gs]・[I]=[V]の式を用いて分割され、相互素子に関しては、[jωLm+1/(jωCm)+Gm]・[I]=[V]の式を用いて分割されることができる。
このように、分割されたメッシュに基づいて構成要素(RLGC)を含む等価回路モデルを生成することによって、メッシュにおけるインピーダンスZを各構成要素に分割することができる。分割した構成要素は、それそれ、計算され、蓄積され、そして再利用される。なお、インピーダンスZから分割した各構成要素(RLGC)を導出する方法は、上記例に限られない。
本実施形態の解析方法は、例えば、図10に示した解析装置100によって実行することができる。図10は、本実施形態にかかる解析装置をコンピュータによって実現した実施形態の概略構成を示すブロック図である。
図10に示すように、コンピュータは、CPU(演算装置)110,ROM122,RAM124,HDD(記憶部)120を備えている。また、コンピュータは図示しないインタフェースによって表示部(ここではディスプレイ)140、入力部(例えばキーボードおよびマウス)130と接続されており、CPU110は当該インタフェースを介して各種の表示を行わせるためのデータをディスプレイ140に対して出力する。ディスプレイ140はこのデータを取得して各種の表示を行う。また、CPU110は前記インタフェースを介してキーボードおよびマウス(入力部130)からの信号を取得して当該入力部130による操作内容に応じた処理を行う。
記憶部120は、例えば各種設定データ等を記憶するHDDである。この実施形態では、HDD120には過去データベース60が格納されている。過去データベース60は、解析処理を行った解析済み分割モデルのメッシュ位置情報62と、当該解析処理によって抽出された抽出済み回路定数64とを対応づけて記憶するようになっている。過去データベース60の記憶形式(例えば、テーブル形式や一覧形式など)は特に制限されない。
なお、過去データベース60は、上述したHDD120に限らず、例えばRAM124に記憶してもよい。あるいは、必要に応じてコンピュータで読み出し可能な記録媒体(例えば、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、フラッシュメモリなど)に記録することもできる。
また、HDD120には、新たに解析しようとする回路基板のレイアウトデータ66が記憶されている。この実施形態では、レイアウトデータ66は、基板データと配線データと部品データとを含んでいる。基板データは、回路基板の大きさや構造、材料を示すデータである。また、設計対象となっている回路基板が多層基板のときには、各層ごとの構成や各層の材料定数などを示すデータも含む。配線データは、基板に形成する配線のレイアウトを示すデータであり、例えば、配線パターンの形状データ(原点座標、パターン長、パターン幅等)である。解析対象が多層基板の場合には、各層ごとの配線パターンの形状データを含む。部品データは、回路基板の回路を構成する各種部品の特性を示すデータである。
このレイアウトデータ66は、例えば、キーボード、マウスなど入力部130における入力を受け付けて作成される。作成されたレイアウトデータ66は、HDD120に記憶され、必要に応じて表示部(ここではディスプレイなど)140に出力される。或いは、その他の媒体(CD−ROMなどの記憶媒体や通信回線など)を介して読み込んだレイアウトデータ66を解析対象としてもよい。
このようにして作成されたレイアウトデータ66は、ROM122に記憶されたプログラムに従って解析される。つまり、CPU110は、RAM124をワークエリアとしてROM122に記録されたプログラムを実行可能である。本実施形態においては、このプログラムは、種々の電気機器に内蔵する回路基板を解析する機能を備えており、HDD120に記録されるレイアウトデータ66を利用して回路基板に形成する配線パターン、基板に実装する各種部品等のレイアウトを決定する作業を支援する。
このプログラムは、予め作成されたこれらのデータあるいは回路設計の過程で生成したこれらのデータに基づいて所望の回路基板の干渉解析を行う。このため、プログラムは、分割モデル作成手段20と、同一メッシュ特定手段30と、回路定数抽出手段40と、回路定数出力手段50とを実現する。すなわち、CPU110がプログラムを実行することにより、これらの機能部を実現することができる。そのため、そのようなプログラムおよびプログラムを記憶した記憶媒体も本発明の実施形態に含まれる。
分割モデル作成手段20は、新たに解析しようとする回路基板のレイアウトをメッシュ状に分割し、新規メッシュ分割モデルを作成する。この実施形態では、分割モデル作成手段20は、HDD120に記憶されたレイアウトデータ66を取得するレイアウトデータ取得手段22と、取得したレイアウト(例えば配線レイアウト)をメッシュ状に分割するメッシュ分割手段24と、分割した各メッシュの位置関係に基づいて解析用回路モデル(例えば、R、L、G、Cの各素子から構成された解析用回路モデル)を設定する回路モデル設定手段26とから構成されている。
同一メッシュ特定手段30は、HDD120に格納された過去データベース60にアクセスし、解析済み分割モデルのメッシュ位置情報62を取得する。そして、取得した解析済み分割モデルのメッシュ位置情報62と、分割モデル作成手段20が作成した新規メッシュ分割モデルのメッシュ位置情報とを比較して、それらの位置情報が一致する同一メッシュを特定する。
回路定数抽出手段40は、新規メッシュ分割モデルに基づいて解析処理を行うことにより、当該分割モデルを構成する各メッシュに関連付けられた新規回路定数を抽出する。すなわち、回路定数抽出手段40は、回路モデル設定手段26が設定した解析用回路モデルに基づいて解析演算を行い、各メッシュに関連付けられた回路定数(解析用回路モデルを構成する各素子の値)を抽出する。その際、回路定数抽出手段40は、同一メッシュ特定手段30が特定した同一メッシュに関連付けられた新規回路定数として、当該同一メッシュの位置情報と対応づけられた抽出済み回路定数64を使用するようになっている。
この実施形態では、回路定数抽出手段40は、行列組み替え手段42と、解析演算手段44とから構成されている。行列組み替え手段42は、解析用回路モデルを各素子からなる行列の形に変換するとともに(図7(a)参照)、HDD120に格納された過去データベース60にアクセスし、同一メッシュの位置情報と対応づけられた抽出済み回路定数64を取得する。そして、取得した抽出済み回路定数64を各素子からなる行列要素の一部に置換することにより再利用の設定を行う(図7(b)参照)。解析演算手段44は、再利用の設定をした行列の各要素(各素子の値)を解析演算により導出する。その際、解析演算手段44は、抽出済み回路定数64に置換されなかった行列要素(素子の値)のみを導出する(図7(c)参照)。
なお、行列組み替え手段42は、解析済み分割モデルから行列を作成してもよい。すなわち、行列組み替え手段42は、HDD120に格納された過去データベース60にアクセスし、抽出済み回路定数64からなる回路定数行列を作成する(図8(a)参照)。そして、当該行列要素の一部を削除して(図8(b)参照)、新たな素子を追加することにより再利用の設定を行う(図8(c)参照)。そして、解析演算手段44は、再利用の設定をした行列の各要素(各素子の値)を解析演算により導出する。その際、解析演算手段44は、新たに追加した行列要素(素子の値)のみを導出する(図8(d)参照)。
次に、図11も加えて、本実施形態の回路基板の解析方法についてさらに説明する。図11は、本実施形態の解析方法の一例を説明するためのフローチャートである。なお、この回路基板の解析方法は、回路基板解析処理を含む配線基板の設計方法としても用いることが可能である。
まず、回路基板に形成される配線のレイアウトを作成し(ステップS100)、レイアウトの読み込みを行う(ステップS110)。このステップは、レイアウトデータ取得手段22が行う。具体的には、レイアウトデータ取得手段22は、基板のレイアウトを作成するための指示を受け付けてレイアウトデータ66(基板データと配線データと部品データと)を生成する。すなわち、キーボードやマウス等の入力部130における入力を受け付けて、その入力に応じて回路基板のレイアウトを示す画像データを生成し、その結果をディスプレイ(表示部)140に表示させるとともにそのレイアウトを示すデータをレイアウトデータとしてHDD120に記録する。
なお、レイアウトデータ取得手段22は、予め作成されてHDD120に記録されたレイアウトデータ66(基板データと配線データと部品データと)を取得して、回路基板のレイアウトを示す図として表示させてもよい。すなわち、レイアウトデータ66(基板データと配線データと部品データと)を取得してレイアウトを作成し、ディスプレイ140に出力する。この結果、ディスプレイ140上には基板のレイアウトが表示される。
次に、ステップS110で取得した配線レイアウトをメッシュ分割し、新規メッシュ分割モデルを作成する(ステップS120)。メッシュ分割は、メッシュ条件に基づいて行われる。メッシュ条件とは、例えば、解析周波数(または周波数ポイント)やメッシュ密度(またはメッシュ数)などである。設定し得るメッシュ密度は、例えば解析周波数の波長λに対して1/30程度であればよい。なお、メッシュ条件は、解析対象となる回路基板の形状や種類等にあわせて適宜適当なものを設定することができる。このステップは、メッシュ分割手段24が行う。すなわち、メッシュ分割手段24は、入力部130におけるメッシュ条件の入力を受け付けて、回路基板の配線レイアウトをメッシュ分割して新規メッシュ分割モデルを作成し、その結果をディスプレイ140に表示させる。なお、メッシュ分割部24は、入力部130で入力されたメッシュ条件の代わりに、HDD120に予め記憶されたメッシュ条件を用いてメッシュ分割してもよい。
次に、解析用回路モデルを設定する(ステップS130)。このステップは、回路モデル設定手段26が行う。すなわち、回路モデル設定手段26は、ステップS120で作成した新規メッシュ分割モデルおよび設定条件Jに基づいて解析用回路モデル(R、L、G、Cの各素子)を設定する。
次に、過去データベース60の読み込みを行う(ステップS140)。読み込む過去データベース60は、回路基板の設計者が任意で選択することができる。例えば、回路基板の設計者は、過去に解析対象となった過去レイアウトの中から今回の解析対象レイアウトに最も近い過去レイアウトを基にした解析済み分割モデルを含む過去データベース60を任意で選択することができる。過去データベースの読み込みは、キーボードやマウス等の入力部130における入力を受け付けて同一メッシュ特定手段30が実行する。すなわち、同一メッシュ特定手段30は、過去データベースを読み込むための指示を受け付けて過去データベースにアクセスし、当該過去データベースに記憶された解析済み分割モデルのメッシュ位置情報62を取得する。
次に、取得した解析済み分割モデルのメッシュ位置情報と、新規メッシュ分割モデルのメッシュ位置情報とを比較して、それらのメッシュ位置情報が一致する同一メッシュを特定する(ステップS150)。このステップは、同一メッシュ特定手段30が実行する。具体的には、同一メッシュ特定手段30は、解析済み分割モデルのメッシュ位置情報を読み出し、当該解析済み分割モデルのメッシュ位置情報とステップS120で作成した新規メッシュ分割モデルのメッシュ位置情報とを比較し、それらのメッシュ位置情報が一致するか否かを判断する。そして、それらのメッシュ位置情報が一致するメッシュを同一メッシュとして特定する。
次に、ステップS130で設定した解析用回路モデルを行列の形に変換するとともに、再利用の設定を行う(ステップS160)。このステップは、行列組み替え手段42が実行する。この実施形態では、再利用の設定は、新規メッシュ分割モデルから作成した行列を基にして、当該行列に抽出済み回路定数を置換(代入)することにより行われる。すなわち、行列組み替え手段42は、ステップS130で設定した解析用回路モデルを、各素子からなる行列の形に変換するとともに、HDD120に格納された過去データベース60にアクセスし、ステップS150で特定した同一メッシュの位置情報と対応づけられた抽出済み回路定数64を読み出す。そして、読み出した抽出済み回路定数64を、各素子からなる行列要素の一部に置換することにより再利用の設定を行う。
なお、再利用の設定は、解析済み分割モデルから作成した行列式(回路定数行列)を基にして、当該回路定数行列に新たな素子を追加することにより行ってもよい。すなわち、行列組み替え手段42は、図9(a)〜(d)に示すように、過去データベース60の抽出済み回路定数64を読み出して、当該抽出済み回路定数64からなる回路定数行列を作成し、当該行列要素の一部を削除するとともに新たな素子を追加することにより再利用の設定を行ってもよい。
次に、各素子からなる行列式を用いて解析演算を実行し(ステップS162)、解析用回路モデルを用いて設定した素子(R、L、G、C)の値(回路定数)を導出する(ステップS164)。ここで、解析処理手法としては特に限定されず、Moment法、PEEC(Partial Element Equivalent Circuit)法など、種々の手法を採用可能である。あるいは、Green関数の準静的な近似を用いることもできる。この解析演算により、各素子(R、L、G、C)の値を具体的に導出することができる。このステップは、解析演算手段44が行う。
次に、導出した素子の値(回路定数)をHDD120の過去データベースに記憶する。すなわち、ステップS170において、解析処理によって得られた回路定数(素子の値)を抽出済み回路定数として新規の過去データベースに記憶する。また、解析処理を行った新規メッシュ分割モデルのメッシュ位置情報を解析済み分割モデルのメッシュ位置情報として新規の過去データベースに記憶する。その際、過去データベースにおいては、解析済み分割モデルのメッシュ位置情報と抽出済み回路定数とが対応づけて記憶される。このステップは、回路定数出力手段50が行う。このようにして過去データベースに記憶された回路定数は、次回以降の回路基板の解析処理時に再利用することができる。
回路定数出力手段50は、さらに、導出した素子の値(回路定数)に基づいてディスプレイ(表示部)140上に回路定数を表示することができる。すなわち、ステップS164の回路定数抽出ステップの後、さらに抽出した回路定数を出力するステップを行ってもよい。ディスプレイ(表示部)140上の表示は、あらかじめ指定された所望の出力形式で行うことができる。例えば、回路基板の設計者がネットリスト形式の出力を指定した場合には、回路定数出力手段50は、導出した素子の値を用いてネットリストを作成し、該ネットリストをディスプレイ140に表示する。あるいは、Sパラメータ形式の出力を指定した場合には、回路定数出力手段50は、Sパラメータ形式でディスプレイ140に表示することもできる。この場合、回路定数出力手段50は、さらに回路行列(例えばS行列)を演算するステップを含む。例えば、回路定数出力手段50は、導出した各素子の値を用いてS行列を演算し(ステップS180)、演算で得たSパラメータをディスプレイ140に表示(出力)する(ステップS182)。
表示されるSパラメータの一例を挙げると、例えば、フィルタ回路素子が形成された回路基板を解析する場合には、フィルタ特性を評価するための指標として「S21」パラメータを表示することができる。あるいは、導出した素子の値を用いて等価回路を作成し、この等価回路をディスプレイ140に表示することもできる。無論、解析過程で得られる値やその値から算出される他の値を表示しても良い。ディスプレイ140の画面には、解析対象となる回路基板の特性等に合わせて好適なものを表示させることができる。また、導出したSパラメータに基づいて、レイアウト上に電流分布等も表示させることも可能である。
以上のように、本実施形態によれば、解析処理によって得られた抽出済み回路定数と解析済み分割モデルのメッシュ位置情報とを対応づけて記憶部に記憶しておき、この記憶した抽出済み回路定数を次回以降の解析時に使用しているので、解析処理の一部分を略して簡単にすることができる。これによって解析精度を損なうことなく解析処理時間を大幅に短縮することができ、その結果、典型的な電磁界解析では対処できなかった複雑な配線パターンの解析や大規模解析を行うことが可能となる。また、処理時間を大幅に短縮することができるため、回路基板の設計へのフィードバックも容易になり、回路基板のレイアウトの最適化を図ることが可能となる。
なお、本願発明者は、本実施形態に係る回路基板の解析方法(例えば、図11のフローチャートによる解析方法)の効果を確認するために、図12(a)に示すローパスフィルタの理想回路素子を用いて、図12(b)に示す配線レイアウト(配線寸法:1.6mm×5.6mm)を作成し、典型的な電磁界解析(再利用を行わない電磁界解析)を行ったときの解析時間を測定した。また、図12(b)の配線レイアウト中のインダクタンスパターンL1の右側を図12(c)のように少し左方向に変更し、図12(b)の解析結果を再利用して解析処理を行ったときの解析時間を測定した。
その結果、典型的な電磁界解析では解析時間が約2.5分であるのに対し、本実施形態の解析処理では解析時間が約30秒となり、本実施形態の解析方法により、解析処理時間を大幅に短縮できることが確認された。これは、再利用の設定によってC行列の全要素110万個のうちの87%もの解析演算を省略することができ、L行列の全要素420万個のうちの80%もの解析演算を省略することができたからである。なお、解析条件としては解析上限周波数6GHzとしてメッシュサイズはλ/30と設定した。
再利用率と時間短縮率との関係を図13のグラフに示す。図中において横軸が再利用率(%)を表し、縦軸が時間短縮率(%)を表す。ここで、時間短縮率とは、再利用無しの場合に比べてどれだけ解析時間を短縮できたかを百分率で示したものである。図13から明らかなように、再利用率が高くなると時間短縮率が小さくなり、このことから再利用率が高くなるほど解析時間を大幅に短縮できることが確認された。そして、再利用率が90%を超えると、再利用無しの場合に比べて実に1/5以下もの短時間で解析を完了し得ることが確認された。
なお、本実施形態の解析方法では、図12(a)および(b)のような簡単な構成の回路基板よりも複雑な構成の回路基板を解析すると、さらに顕著な効果を得ることができる。例えば、図14に示すようなアンテナスイッチモジュールの理想等価回路400をCADでレイアウト設計すると、図15に示す多層基板500となる。このように18層からなる複雑な多層基板500が解析対象となる場合には、典型的な電磁界解析(すなわち再利用無しの電磁界解析)では配線パターンが複雑化しすぎて解析時間が膨大なものとなっていたが、本実施形態の解析装置を用いれば、2周目以降は再利用によって高速で解析を行うことができる。また、本実施形態の解析方法では、半導体パッケージ(例えば、BGAパッケージ)等も2周目以降は短時間で解析することもできる。本願発明者は、本実施形態の解析方法を用いてBGAパッケージ用のグランドプレーンの解析も行った。
なお、本実施形態の回路基板の解析方法を行った後、引き続き回路基板の設計方法を実行し、さらに設計された回路基板を製造することも可能である。また、回路基板の設計方法の一工程として実行するだけでなく、本実施形態の解析方法を単独で実行することもできる。なお、典型的な回路基板の設計方法では、まず、電子機器としての基本的な仕様(機能、性能等)を決定し、次に、この仕様を実現するための回路(論理回路図)を作成し、次いで、完成した論理回路図に対してシミュレーションを繰り返し行い、動作に問題がなければ、CADを使用して実際の素子と配線パターンとなるレイアウト設計を行い、その後、マスクを作成する。本実施形態の解析方法は、前記レイアウト設計における一ステップとして実行することができる。なお、本実施形態の解析方法を含む設計方法により作成したマスクを用いて、さらに回路基板を製造することもできる。
以上、本発明を実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく種々の改変が可能である。例えば、上述の実施形態においては、セル・ブランチの設定条件Jに基づいて解析用回路モデルを構築し素子を特定しているが、配線干渉に影響し得る素子を回路定数として抽出し得るのであれば、設定条件Jによる解析用回路モデルだけに限らず、その他の設定条件を各セル及び各ブランチに課して別の回路モデルを構築しても良い。
また、上述の回路基板の解析フローにおいては、他の任意のステップを追加することが可能である。例えば、モジュールなどを解析する際には図11のSパラメータ出力後、他のSパラメータ、あるいは任意の回路を接続し、特性を表示することを行ってもよい。
さらに、上述の実施形態においては、解析対象となる回路基板はプリント基板であったが、プリント基板だけに限らず、例えば、部品内蔵基板、半導体集積回路基板等を含めた種々の回路基板に対して本発明による解析方法を適用することができる。
また、上述の実施形態においては、コンピュータにてレイアウトデータ66を作成する構成を採用していたが、レイアウトデータ66の一部またはすべてを他のコンピュータ等で作成し、このデータを使用して回路基板を解析する構成を採用しても良い。この構成においては、例えば、部品のメーカーが作成した各部品のデータベースを利用可能であり、また、回路基板の一部を設計変更する際に、作成済みのデータを流用して回路基板を解析することが可能であり、基板設計上の労力が低減される。
さらに、上述のコンピュータにおいては、基板の設計者が利用するコンピュータにてプログラムを実行し、回路基板を解析する構成としていたが、異なるコンピュータの連携によって本発明を実現しても良い。例えば、第1のコンピュータからネットワークを通じてレイアウトデータ66等を第2のコンピュータに送信し、回路基板の解析後に得られたデータ(例えば、抽出した素子値からなるネットリスト)を第2のコンピュータから第1のコンピュータに送信する。この構成によれば、第1のコンピュータにおいては、プログラムの一部、例えば、データの入力や解析結果を表示するモジュールを備えるのみで本発明を利用することが可能になる。
本発明に係る回路基板の解析装置及び解析方法は、特に、各種電子機器に用いられる回路基板の電磁界解析に用いることができ、効率的に電磁界解析を行う等の用途に有効である。
10 レイアウト
11a,11b 配線
12 新規メッシュ分割モデル
14 解析用回路モデル
16 C行列
18 新規回路定数行列
20 分割モデル作成手段
22 レイアウトデータ取得手段
24 メッシュ分割手段
26 回路モデル設定手段
30 同一メッシュ特定手段
40 回路定数抽出手段
42 行列組み替え手段
44 解析演算手段
50 回路定数出力手段
60 過去データベース
62 解析済み分割モデルのメッシュ位置情報
64 抽出済み回路定数
66 レイアウトデータ
90 レイアウト
92 メッシュ分割モデル(解析済み分割モデル)
94 解析用回路モデル
96 C行列
97 解析用回路モデル
98 回路定数行列
99 L行列
100 解析装置
120 記憶部
130 入力部
140 表示部
400 理想等価回路
500 多層基板

Claims (15)

  1. 回路基板のレイアウトをメッシュ状に分割し、この分割したメッシュ分割モデルに基づいて解析処理を行うことにより、当該分割モデルを構成する各メッシュのそれぞれに関連付けられた回路定数を抽出する回路基板の解析装置であって、
    前記解析処理を行った解析済み分割モデルのメッシュ位置情報と、当該解析処理によって得られた抽出済み回路定数とを対応づけて記憶しておく記憶部と、
    新たに解析しようとする回路基板のレイアウトをメッシュ状に分割し、新規メッシュ分割モデルを作成する分割モデル作成手段と、
    前記作成した新規メッシュ分割モデルのメッシュ位置情報と、前記解析済み分割モデルのメッシュ位置情報とを比較して、それらの位置情報が一致する同一メッシュを特定する同一メッシュ特定手段と、
    前記新規メッシュ分割モデルに基づいて解析処理を行うことにより、当該分割モデルを構成する各メッシュに関連付けられた新規回路定数を抽出するとともに、前記特定した同一メッシュに関連付けられた新規回路定数として、当該同一メッシュの位置情報と対応づけられた前記抽出済み回路定数を再利用する回路定数抽出手段と
    を備えた、回路基板の解析装置。
  2. 解析対象の回路基板のレイアウトを新規メッシュに分割し、各新規メッシュの位置情報を生成し、前記新規メッシュに対応する等価回路を示すデータを生成する分割モデル作成部と、
    解析済みのメッシュの位置情報と、当該解析済みのメッシュに対応する等価回路の回路定数とを蓄積した記憶部にアクセスし、前記新規メッシュと位置情報が一致する解析済みのメッシュの回路定数がある場合、当該回路定数を用いて、前記新規メッシュの回路定数を計算し、前記記憶部に蓄積する、回路定数抽出部とを備える、回路基板の解析装置。
  3. 前記メッシュ位置情報は、メッシュの頂点座標を含む、請求項1または2に記載の解析装置。
  4. 前記分割モデル作成手段は、前記分割した各メッシュの位置関係に基づいて、解析用回路モデルを設定することを特徴とする、請求項1〜3の何れか一つに記載の解析装置。
  5. 前記分割モデル作成手段は、前記解析用回路モデルとして、各メッシュにセルを設定し、互いに隣接するメッシュ間にブランチを設定することを特徴とする、請求項4に記載の解析装置。
  6. 前記回路定数抽出手段は、行列要素の一部を前記抽出済み回路定数に置換することによって再利用の設定を行うことを特徴とする、請求項1から5の何れか一つに記載の解析装置。
  7. 前記回路定数抽出手段は、行列要素の一部から前記抽出済み回路定数を削除して新たな要素を追加することによって再利用の設定を行うことを特徴とする、請求項1から5の何れか一つに記載の解析装置。
  8. 前記分割モデル作成部は、前記新規メッシュにおけるインピーダンスを、抵抗(R)、インダクタンス(L)、コンダクタンス(G)、キャパシタンス(C)の少なくともいずれか1つを含む構成要素で表す等価回路のデータを生成し、
    前記回路定数抽出部は、前記抵抗R、インダクタンスL、コンダクタンスGおよびキャパシタンスCの少なくとも1つの値を回路定数として計算する、請求項1から7の何れか1つに記載の回路基板の解析装置。
  9. 前記分割モデル作成部は、前記回路基板のレイアウトを新規メッシュに分割して、各新規メッシュに対応するセルを設定し、
    各セルとグランドとの間のキャパシタンス(C)と、セル間のキャパシタンス(C)とを含む等価回路のデータを生成する、請求項1から7の何れか1つに記載の回路基板の解析装置。
  10. 前記分割モデル作成部は、前記回路基板のレイアウトを新規メッシュに分割して、各新規メッシュ間にブランチを設定し、
    各ブランチにおける自己インダクタンス(L)と、ブランチ間における相互インダクタンス(L)とを含む等価回路のデータを生成する、請求項1から7の何れか1つに記載の回路基板の解析装置。
  11. 前記分割モデル作成部は、前記回路基板のレイアウトを新規メッシュに分割して、各新規メッシュに対応するセルおよび、セル間を接続するブランチとを設定し、
    各ブランチに対応する抵抗(R)およびインダクタンス(L)と、
    ブランチ間に対応する相互インダクタンス(L)と、
    各セルとグランドとの間のキャパシタンス(C)およびコンダクタンス(G)と、
    セル間のキャパシタンス(C)およびコンダクタンス(G)とを含む等価回路のデータを生成する、請求項1から7の何れか1つに記載の回路基板の解析装置。
  12. 回路基板のレイアウトをメッシュ状に分割し、この分割したメッシュ分割モデルに基づいて解析処理を行うことにより、当該分割モデルを構成する各メッシュのそれぞれに関連付けられた回路定数を抽出する回路基板の解析方法であって、
    コンピュータが、前記解析処理を行った解析済み分割モデルのメッシュ位置情報と、当該解析処理によって得られた抽出済み回路定数とを対応づけて記憶しておく記憶ステップと、
    コンピュータが、新たに解析しようとする回路基板のレイアウトをメッシュ状に分割し、新規メッシュ分割モデルを作成する分割モデル作成ステップと、
    コンピュータが、前記作成した新規メッシュ分割モデルのメッシュ位置情報と、前記解析済み分割モデルのメッシュ位置情報とを比較して、それらの位置情報が一致する同一メッシュを特定する同一メッシュ特定ステップと、
    コンピュータが、前記新規メッシュ分割モデルに基づいて解析処理を行うことにより、当該分割モデルを構成する各メッシュに関連付けられた新規回路定数を抽出するとともに、前記特定した同一メッシュに関連付けられた新規回路定数として、当該同一メッシュの位置情報と対応づけられた前記抽出済み回路定数を再利用する回路定数抽出ステップと
    を含む、回路基板の解析方法。
  13. 回路基板のレイアウトをメッシュ状に分割し、この分割したメッシュ分割モデルに基づいて解析処理を行うことにより、当該分割モデルを構成する各メッシュのそれぞれに関連付けられた回路定数を抽出する処理をコンピュータに実行させる回路基板の解析プログラムであって、
    前記解析処理を行った解析済み分割モデルのメッシュ位置情報と、当該解析処理によって得られた抽出済み回路定数とを対応づけて記憶しておく記憶処理と、
    新たに解析しようとする回路基板のレイアウトをメッシュ状に分割し、新規メッシュ分割モデルを作成する分割モデル作成処理と、
    前記作成した新規メッシュ分割モデルのメッシュ位置情報と、前記解析済み分割モデルのメッシュ位置情報とを比較して、それらの位置情報が一致する同一メッシュを特定する同一メッシュ特定処理と、
    前記新規メッシュ分割モデルに基づいて解析処理を行うことにより、当該分割モデルを構成する各メッシュに関連付けられた新規回路定数を抽出するとともに、前記特定した同
    一メッシュに関連付けられた新規回路定数として、当該同一メッシュの位置情報と対応づけられた前記抽出済み回路定数を再利用する回路定数抽出処理と
    をコンピュータに実行させる、回路基板の解析プログラム。
  14. コンピュータが、解析対象の回路基板のレイアウトを新規メッシュに分割し、各新規メッシュの位置情報を生成し、前記新規メッシュに対応する等価回路を示すデータを生成する分割モデル作成工程と、
    前記コンピュータが、解析済みのメッシュの位置情報と、当該解析済みのメッシュに対応する等価回路の回路定数とを蓄積した記憶部にアクセスし、前記新規メッシュと位置情報が一致する解析済みのメッシュの回路定数がある場合、当該回路定数を用いて、前記新規メッシュの回路定数を計算し、前記記憶部に蓄積する、回路定数抽出工程とを含む、回路基板の解析方法。
  15. 解析対象の回路基板のレイアウトを新規メッシュに分割し、各新規メッシュの位置情報を生成し、前記新規メッシュに対応する等価回路を示すデータを生成する分割モデル作成処理と、
    解析済みのメッシュの位置情報と、当該解析済みのメッシュに対応する等価回路の回路定数とを蓄積した記憶部にアクセスし、前記新規メッシュと位置情報が一致する解析済みのメッシュの回路定数がある場合、当該回路定数を用いて、前記新規メッシュの回路定数を計算し、前記記憶部に蓄積する、回路定数抽出処理とをコンピュータに実行させる、回路基板の解析プログラム。
JP2009090306A 2008-04-03 2009-04-02 回路基板の解析装置および解析方法 Expired - Fee Related JP5173913B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009090306A JP5173913B2 (ja) 2008-04-03 2009-04-02 回路基板の解析装置および解析方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008096844 2008-04-03
JP2008096844 2008-04-03
JP2009090306A JP5173913B2 (ja) 2008-04-03 2009-04-02 回路基板の解析装置および解析方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009266219A JP2009266219A (ja) 2009-11-12
JP5173913B2 true JP5173913B2 (ja) 2013-04-03

Family

ID=41134404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009090306A Expired - Fee Related JP5173913B2 (ja) 2008-04-03 2009-04-02 回路基板の解析装置および解析方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8185864B2 (ja)
JP (1) JP5173913B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010067415A1 (ja) * 2008-12-09 2010-06-17 富士通株式会社 解析装置、解析方法及び解析プログラム
US8146032B2 (en) * 2009-01-30 2012-03-27 Synopsys, Inc. Method and apparatus for performing RLC modeling and extraction for three-dimensional integrated circuit (3D-IC) designs
US9853680B2 (en) * 2014-06-12 2017-12-26 Skyworks Solutions, Inc. Circuits and methods related to adjustable compensation for parasitic effects in radio-frequency switch networks
JP6365264B2 (ja) * 2014-11-25 2018-08-01 富士通株式会社 配線のトポロジ表示プログラム、配線のトポロジ表示方法、および情報処理装置
US10490154B2 (en) 2016-12-01 2019-11-26 Seiko Epson Corporation Electro-optical device and electronic device
TWI765238B (zh) * 2020-03-20 2022-05-21 點序科技股份有限公司 印刷電路板的設計方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10214281A (ja) 1996-11-27 1998-08-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd プリント回路基板用cad装置
EP0845746A3 (en) 1996-11-27 2001-01-17 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Printed circuit board cad apparatus which determines design parameter values
JP3980811B2 (ja) * 1999-10-20 2007-09-26 富士通株式会社 電磁界強度算出装置、電磁界強度算出方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP3971167B2 (ja) 2001-11-20 2007-09-05 株式会社ルネサステクノロジ 等価回路の導出方法、および、そのためのシステム
JP2003296395A (ja) * 2002-04-01 2003-10-17 Fujitsu Ltd 相互インミッタンス計算プログラム、相互インミッタンス計算装置、相互インミッタンス計算方法および電磁界強度計算プログラム
CN100437598C (zh) * 2004-03-30 2008-11-26 日本电气株式会社 综合电源系统解析系统、解析方法及多层印刷电路基板
WO2008087849A1 (ja) 2007-01-15 2008-07-24 Panasonic Corporation 回路装置の解析装置、解析方法、解析プログラムおよび電子媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009266219A (ja) 2009-11-12
US20090254873A1 (en) 2009-10-08
US8185864B2 (en) 2012-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100739407B1 (ko) 유한 요소법을 이용한 구조 분석 방법
JP5173913B2 (ja) 回路基板の解析装置および解析方法
US7788076B2 (en) Interference analysis method, interference analysis device, interference analysis program and recording medium with interference analysis program recorded thereon
EP1365333A1 (en) Method and system for designing circuit layout
JP5001304B2 (ja) 回路装置の解析装置、回路装置の解析方法、回路装置の設計方法、回路装置の解析プログラムおよび記憶媒体
JP3971167B2 (ja) 等価回路の導出方法、および、そのためのシステム
JP2006031510A (ja) ジッタ解析方法、ジッタ解析装置及びジッタ解析プログラム
JP4401135B2 (ja) 解析モデル作成装置
US20170017744A1 (en) Modeling of Power Distribution Networks for Path Finding
JP4780342B2 (ja) 半導体集積回路の電源モデル作成方法、装置、およびプログラム
JP2005158075A (ja) 相互接続対応の集積回路設計
KR101495986B1 (ko) 더블 패터닝 기술을 위한 rc 코너해
US20140258955A1 (en) Metal Interconnect Modeling
JP5262176B2 (ja) 電源回路の設計支援装置と設計支援方法
JP2008293066A (ja) 電子回路シミュレーション用ライブラリ、ライブラリ生成システム、これらが格納された記録媒体、及びこれらを用いた電子機器の製造方法
Kapur et al. Modeling of integrated RF passive devices
JP2005293556A (ja) 干渉解析方法及び干渉解析装置及び干渉解析プログラム及び干渉解析プログラムを記録した記録媒体
JP4614094B2 (ja) 共振周波数算出装置および共振周波数算出方法
JP3664934B2 (ja) 半導体集積回路解析装置とその解析方法並びに解析方法を記録した記録媒体
JP5003407B2 (ja) プリント回路基板設計システム、プリント回路基板設計方法及びプログラム
Xu et al. Distributed port assignment for extraction of power delivery networks
JP4459171B2 (ja) 電磁界回路連携解析プログラム、記録媒体、および解析装置
WO2006100757A1 (ja) モデリング方法及び装置、プログラム及び記憶媒体
WO2023171412A1 (ja) 設計支援装置、および学習装置
JP4843091B2 (ja) パワーインテグリティ解析装置及び方法並びにプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5173913

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees