JP4780342B2 - 半導体集積回路の電源モデル作成方法、装置、およびプログラム - Google Patents

半導体集積回路の電源モデル作成方法、装置、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は半導体集積回路の電源モデルの作成方法に関し、特に、半導体集積回路において発生する放射電磁界をシミュレーションするための、電源端子間に実際に流れる電流の変化を表す電源モデルの作成方法、装置、およびプログラムに関する。
電子機器に搭載されるプリント回路基板(Printed Circuit Board、以下、「PCB」とも表記する。)からは、EMI(Elecromagnetic Interference:不要電磁放射)が発生する。EMI発生の主な要因としては、PCB上の高周波電流、特に半導体集積回路(Large Scale Integrated Circuit、以下、「LSI」とも表記する。)の電源端子からの高周波電流が考えられる。そこで、電子機器のEMI対策として、PCBの設計段階においてその電源層を流れる高周波電流を見積る必要がある。このため、EMIシミュレーションに用いるための適切なLSI電源モデルが必要とされる。
また、EMIシミュレーションに限定されず、信号系への漏れ出し電流の解析、半導体の電源電圧の信号スイッチング時の安定性の解析など、LSI電源モデルに要求される役割は大きくなって来ている。
従来のLSI電源モデルは、図1に示すように、LSIの電源端子間の、電流源である動作部分91と、動作部分91に並列な内部容量部分92を持つ簡易な構造が一般的であった。電源の配線の部分として、抵抗素子や分布定数の配線モデルを上下の端子に接続して使用できるようになっている。この電源モデルは、LSIの電源端子から外部に流れる電流が、外部の負荷によって変動するため、充分な精度を有していた。
このような電源モデルを設計する方法が、特許文献1「EMIシミュレーション用半導体集積回路電源モデルの作成方法、装置およびプログラム」で提案されている。この文献においては、電源の動作部分を可変抵抗と負荷容量で記述した電源モデルが記載され、可変抵抗の動作でLSIの電源電流の値をコントロールするようになっている。また、特許文献2「EMIシミュレーション用半導体集積回路の電源モデルおよびその作成方法」には、電源の動作部分にはトランジスタ記述のモデルを用い、内部容量にはLSI内のトランジスタの動作状態に応じたものと、LSIの構造から生じるジャンクション容量とを考慮した複数の容量モデルを組み合わせたモデルが記載されている。
しかし近年、LSIが大規模化し、高速化していく状況においては、上記の簡易モデルでは不十分になって来ているという指摘がある。LSIのサイズが大きい場合、LSIの動作部分および内部容量部分はLSIの内部に分布して存在しているが、それを従来の電源モデルの記述においては、図2に示すように電源モデル93が一つだけ、LSIの中央に存在しているような構造であった。この場合、LSIには複数のパッケージとPCBの配線が存在しているが、LSIの動作部分や内部容量の位置情報が考慮されていないため、複数のパッケージに流れる電流の差が正確に見積もれなくなる。また、電源配線も図に表すように単純な抵抗素子94一本で表す等していたが、電源回路網が複雑化して来ているため、正確なモデル化を行う必要性が生じて来ている。従来はモデルにおける解析周波数が低かったため、図19のような簡易モデルにおいても充分な精度を有していたが、LSIの高速化により問題となる周波数も上昇しているため、従来の簡易モデルでは充分ではなくなって来ている。
そのような状況への対策として、新たな電源ノイズ解析用の半導体装置モデルとその作成方法の一例が、特許文献3「半導体装置モデルとその作成方法および装置」に記載されている。
この特許文献は、半導体装置の電源ノイズの振る舞いを解析する場合に用いる半導体装置モデルの作成方法に関するもので、電源ノイズの解析を高精度に行うため、電源ノイズ解析対象の半導体装置について、電源配線、内部容量、内部消費電流、および入出力セルのモデル(サブモデル)を作成し、これら電源配線、内部容量、内部消費電流、および入出力セルのモデル(サブモデル)を結合することにより、電源ノイズ解析用の半導体装置モデルを作成する。
モデルの形状としては、LSIの電源配線の層を指定した分割数で格子状に分割し、各分割した領域(電源格子)の各々に存在する電源配線の抵抗およびインダクタンスを十字型の回路モデルに割り付けて電源配線のサブモデルとする。また、各々の電源配線サブモデルの中心にノイズ源のモデルや内部容量のモデルを結合して、実際の電流の動作を表現できるとしている。
このようにすれば、大規模なLSIにおいてもLSI内の容量分布を定義することができ、より正確なモデルを作成することが可能であるとしている。
しかしこの方法には、具体的な分割数をどのように決めるかの記述されていない。分割数を変化させて解析を繰り返していけば最適な分割数は求まると考えられるが、具体的な指針があるわけでは無いので、分割数が大きすぎれば解析時間が必要以上にかかり、小さすぎれば解析精度が充分であるとは言えなくなってしまう。また、分割数の増減を繰り返し、最適な分割数を得ようとすれば、そのために工数を割くことになる。
特開2002−304434号公報 特開2001−222573号公報 特開2004−234618号公報
本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、LSI内部の位置情報を考慮した、妥当な解析精度を持つ、LSIの電源モデル、その作成方法およびその作成プログラムを提供することにある。
本発明は、例えば図6に示すように、LSIを解析上限周波数に対応した波長の長さより充分短い長さの辺を持つセルに分割し、そのセル内にLSI内の配置情報と、セルのサイズに合わせた適切な割合の、LSIの動作部分と内部容量部分を付加する。また、各セルの電源回路は、容量成分を持つ配線モデルが格子状になっている記述で表現する。そうしてそれら各セルのモデルを結合させて、LSIの電源モデルを表す。
また、各セルの一辺の長さを、解析上限周波数に対応した波長の長さよりも充分短い長さとすれば、挿入される動作部分のモデルや内部容量部分のモデルをセルの中に集中定数的に置くことが可能である。通常、解析周波数の波長よりも充分に小さい長さ(通常、波長の1/10〜1/20程度)の回路や構造物の解析を行う場合、分布定数で記述したモデルと集中定数で記述したモデルはほぼ等しいと考えることができるからである。
しかし、今回の場合はLSIのチップ内に分布定数的に内部容量が存在しているため、電源配線に内部容量がぶら下がっている形になる。通常は、電源配線を構成する配線モデルの誘電体の誘電率から求まる波長短縮の値から、解析上限周波数に対応した波長の長さを求めるが、今回考えなくてはいけないのは、電源配線の持つ容量以上の内部容量がぶら下がっている配線での波長短縮の値である。そこで、このような状況におけるみなしの波長短縮の値を求め、みなしの解析上限周波数に対応した波長の長さを求める。このみなしの波長短縮の値は、LSIの電源回路を構成する配線容量の値と、LSI内に存在するトランジスタ等の容量からなる内部容量の値と、通常の波長短縮の値の演算により求める。この値よりみなしの解析上限周波数に対応した波長の長さを求め、セルのサイズを決定する。
この方法により作成されたLSIの電源モデルは、適切なセル分割を行いそのセル毎に動作部分と内部容量部分を有し、各セル毎に電源回路のモデルで結合しているため、LSI内の位置情報が反映されているモデルとなっている。また、各セル内における動作部分と内部容量部分は集中的に存在しているが、各セルの一辺の長さが解析上限周波数に対応した波長の長さより充分小さいため、集中的に存在しても分布して存在したときの特性と殆ど変わらない特性が得られる。
また、各セルの適切なサイズに合わせてLSIを分割しているので、必要以上に電源モデルが複雑にならず、余計な解析時間を要することもない。さらに、セルの適切なサイズは、電源配線構造や内部容量値、さらに上限解析周波数等、LSIの情報等から自動的に求めることが可能であるため、モデルを自動作成することが可能な装置およびプログラムの構築が可能である。
本発明によれば、従来の電源モデルでは対応できなかった、LSIの高速化に対応した、内部がセル分割された電源モデルを容易に作成することが可能になる。この方法で作成された電源モデルは、元々上限解析周波数を考慮して作成されているため、妥当なサイズでのセル分割をしており、解析精度も妥当であると考えられる。また、セル分割のサイズをほぼ自動的に決定可能なため、セルのサイズを決定するのに余分な時間は必要無く、セルサイズを細かくしすぎて必要以上の解析時間を取られることも無い。また、入力データを用意するだけで、電源モデルの知識が深くないユーザーであっても、容易にモデルを作成可能なツールを提供できる。
図1は従来の半導体集積回路内部の電源モデルの基本構成図である。 図2は従来の導体集積回路内部の電源モデルに電源回路モデルを接続した記述の一例である。 図3は本発明の第1の実施形態による半導体集積回路電源モデル作成装置の構成を示すブロック図である。 図4は第1の実施形態による半導体集積回路電源モデル作成装置の処理の流れを示すフローチャートである。 図5は分布定数モデルと、複数分割した集中定数モデルにおける配線と、両者の特性の比較結果を示す図である。 図6は本発明の第1の実施形態による半導体集積回路電源モデル作成装置によって作成された半導体集積回路内部の電源モデルの構成図である。 図7は本発明の第1の実施形態による半導体集積回路電源モデル作成装置によって作成された半導体集積回路内部の電源モデルの一例と、従来の半導体集積回路内部の電源モデルの一例をそれぞれ示す図である。 図8は本発明の第2の実施形態による半導体集積回路電源モデル作成装置の構成を示す図である。 図9は第2の実施形態による半導体集積回路電源モデル作成装置の処理の流れを示すフローチャートである。 図10は本発明の第2の実施形態による半導体集積回路電源モデル作成装置によって作成された半導体集積回路内部の電源モデルの構成図である。 図11は本発明の第2の実施形態による半導体集積回路電源モデル作成装置によって作成された半導体集積回路内部の電源モデルの一例と、従来の半導体集積回路内部の電源モデルの一例をそれぞれ示す図である。 図12は本発明の第3の実施形態に従い作成された複数の動作部分を有する半導体集積回路内部の電源モデルおよび各セルにおけるモデルの構成図の一例を示す図である。 図13は本発明の第3の実施形態に従い作成された複数の内部容量部分を有する半導体集積回路内部の電源モデルおよび各セルにおけるモデルの構成図の一例を示す図である。 図14は本発明の第3の実施形態に従い作成された2種類の動作部分を有する半導体集積回路内部の電源モデルおよび各セルにおけるモデルの構成の一例と、電流源の電流波形を示す図である。 図15は本発明の第3の実施形態に従い作成された2種類の内部容量部分を有する半導体集積回路内部の電源モデルおよび各セルにおけるモデルの構成の一例を示す図である。 図16は本発明の第4の実施形態に従い作成された複数の電源系統を有する半導体集積回路内部の電源モデルおよび各セルにおけるモデルの構成の一例を示す図である。 図17は本発明の第4の実施形態に従い作成された2種類の電源系統を有する半導体集積回路内部の電源モデルおよび各セルにおけるモデルの構成の一例と、各電源源の電流波形を示す図である。 図18は本発明の第5の実施形態による半導体集積回路電源モデル作成装置で使用される半導体集積回路電源モデル作成プログラムの流れ図である。 図19は本発明の第5の実施形態による半導体集積回路電源モデル作成装置の構成図である。
符号の説明
1 入力データ
2 電源配線構造情報
3 トランジスタ構造情報
4 解析周波数情報
5 サイズ情報
6 素子配置情報
7 半導体集積回路全体電源モデル
8 LSIの全回路接続情報
9 LSIのレイアウト情報
10 第1の実施形態において作成される半導体集積回路の電源モデル
11 電源層が一層の半導体集積回路の電源モデルの全体図
12 電源層が一層の各セルの電源モデルにおける電源回路のモデル
13 分布定数で記述された配線モデル
14 電源層が一層の各セルの電源モデルにおける動作部分のモデル
15 電源層が一層の各セルの電源モデルにおける内部容量部分のモデル
16 第1の実施形態において作成された半導体集積回路の電源モデルの一例
17 第1の実施形態において作成された各セルの電源モデルの一例
18 従来の半導体集積回路の電源モデルの一例
19 LSIの外部端子の位置の一例
20 第2の実施形態において作成される半導体集積回路の電源モデル
21 電源層が2層の半導体集積回路の電源モデルの全体図
22 電源層が2層の各セルの電源モデルにおける電源回路のモデル
23 分布定数で記述された配線モデル
24 電源層が2層の各セルの電源モデルにおける動作部分のモデル
25 電源層が2層の各セルの電源モデルにおける内部容量部分のモデル
26 電源層が2層の各セルの電源モデルにおける電源回路のモデル
27 第2の実施形態において作成された半導体集積回路の電源モデルの一例
28 第2の実施形態において作成された各セルの電源モデルの一例
29 従来の半導体集積回路の電源モデルの一例
31 第3の実施形態における半導体集積回路の電源モデルの一例
32 電源層が2層の各セルの電源モデルにおける電源回路のモデル
33 分布定数で記述された配線モデル
34 電源層が2層の各セルの電源モデルにおける動作部分のモデル
34a 各セルの電源モデルにおける複数の動作部分のモデルのうちの一つ
34b 各セルの電源モデルにおける複数の動作部分のモデルのうちの一つ
35 電源層が二層の各セルの電源モデルにおける内部容量部分のモデル
35a 各セルの電源モデルにおける複数の内部容量部分のモデルのうちの一つ
35b 各セルの電源モデルにおける複数の内部容量部分のモデルのうちの一つ
36 電源層が2層の各セルの電源モデルにおける電源回路のモデル
37 第3の実施形態における半導体集積回路の電源モデルの一例
40 電流源
41 電流源
42 電流源からの電流が出力される端子
43 2種類の周波数特性の異なる内部容量部分で構成されている第3の実施形態の一例における内部容量部分のモデル
44 内部容量部分
45 内部容量部分
51 第1の電源層
52 第2の電源層
53 第3の電源層
54 第1の電源層に対応した各セルの電源モデルにおける電源回路のモデル
55 第2の電源層に対応した各セルの電源モデルにおける電源回路のモデル
56 第3の電源層に対応した各セルの電源モデルにおける電源回路のモデル
57 各セルの電源モデルにおける第1と第3の電源層間の動作部分のモデル
58 各セルの電源モデルにおける第1と第3の電源層間の内部容量部分のモデル
59 各セルの電源モデルにおける第2と第3の電源層間の動作部分のモデル
60 各セルの電源モデルにおける第2と第3の電源層間の内部容量部分のモデル
61 第4の実施形態の一例における第1の電源層
62 第4の実施形態の一例における第2の電源層
63 第4の実施形態の一例における第3の電源層
64 第4の実施形態の一例における第1の電源層に対応した各セルの電源モデルにおける電源回路のモデル
65 第4の実施形態の一例における第2の電源層に対応した各セルの電源モデルにおける電源回路のモデル
66 第4の実施形態の一例における第3の電源層に対応した各セルの電源モデルにおける電源回路のモデル
67 第4の実施形態の一例における第1と第3の電源層間の動作部分である電流源のモデル
68 第4の実施形態の一例における第1と第3の電源層間の内部容量部分である内部容量部分のモデル
69 第4の実施形態の一例における第2と第3の電源層間の動作部分である電流源のモデル
70 第4の実施形態の一例における第2と第3の電源層間の内部容量部分である内部容量部分のモデル
71 処理装置
72 データ処理装置
73 記憶装置
74 入力装置
75 表示装置
76 出力装置
77 記録媒体
78 データベース
79 モデル生成プログラム
80 入力データ
81 出力される半導体集積回路の電源モデル
91 従来の電源モデルにおける動作部分のモデル
92 従来の電源モデルにおける内部容量部分のモデル
93 従来の電源モデル
94 抵抗素子で表現された電源配線モデル
100、200 入力部
110、210 分割セルサイズ決定部
120、220 モデル作成部
130、230 モデル結合部
140、240 記憶部
150、250 出力部
111〜116、121、122、131 ステップ
211〜216、221、222、231 ステップ
301〜326 ステップ
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
本実施形態では、LSIの電源層が1層のみで構成される電源モデルを作成する。通常、LSIには2種類以上の電源があるが、この場合、2種類の電源のうち片側は大地に接続されているものとする。したがって、LSIの動作している部分や内部容量は、電源層と大地間に存在している。
図3は本実施形態の半導体集積回路電源モデル作成装置の構成図である。この装置は、データを入力する入力部100と、LSIの分割セルサイズを決定する分割セルサイズ決定部110と、分割された各セル毎に、電源回路のモデル、動作部分のモデル、内部容量部分のモデルを作成するモデル作成部120と、各セル毎のモデルを結合してLSIの電源モデルを出力するモデル結合部130と、入力部100から入力されたデータを記憶し、また各部110から130での途中の処理データを一時的に保存する記憶部140と、作成された電源モデルを出力するプリンタ、ディスプレイ等の出力部150で構成されている。
図4は、入力部100から入力される、電源モデルを作成する際に必要となる情報と、分割セルサイズ決定部110とモデル作成部120とモデル結合部130における処理の流れを示している。電源モデルを作成する際に必要となる情報は、図4の左側に示したような、電源配線の長さ、幅、厚さ、誘電体の種類等である、電源配線構造情報LSIの電源配線構造情報2と、内部容量部分を構成するトランジスタのゲート幅やゲート長、拡散層の表面積等であるトランジスタ構造情報3と、モデルを使用する際の上限周波数の情報である解析周波数情報4と、LSIのチップサイズであるサイズ情報5と、LSI内の動作部分や内部容量の配置情報である素子配置情報6と、LSI全体における動作部分と内部容量部分で構成された従来の記述の電源モデルである半導体集積回路全体電源モデル7を含む。これらの情報から、適切なサイズでセル分割された電源モデルが作成可能である。また、電源配線構造情報2とトランジスタ構造情報3を両方とも含むデータとして、LSIの全回路接続情報8が存在し、サイズ情報5と素子配置情報6を両方とも含むデータとしてはLSIのレイアウト情報9が存在するので、入力データとしてはそれらを用いるようにすることも可能である。また、トランジスタ構造情報3はLSI内部容量を求めるための情報であり、トランジスタの記述ではなく、容量セル等実際の容量モデルのデータであっても構わない。また、従来の電源モデルである半導体集積回路全体電源モデル7は、LSIの全回路接続情報8からLSI全体における動作部分と内部容量部分を導出して記述したものであり、例としては特開2001-222573号公報や特開2002-304434号公報に記載されている方法により事前に作成されているものとする。必要に応じて分割セルサイズ決定部110に入力する前に入力データから作成することも可能である。さらに、半導体集積回路全体電源モデル7の記述が各セルにおけるモデルの記述に適用されるが、トランジスタ記述のモデルから電流源記述のモデルに変える等、記述の変換も可能である。
分割セルサイズ決定部110はステップ111〜116で構成されている。
ステップ111において、電源配線構造情報2から、LSIの電源層における電源配線と大地間の配線容量の合計値Cline1を算出する。
ステップ112において、トランジスタ構造情報3から、電源層と大地間に付加されたLSIの内部容量の合計値Cin1を求める。
ステップ113において、電源配線構造情報2から、電源層における電源配線の波長短縮の値ηnを求める。この値は、電源配線の誘電体層の誘電率εrから次式により自動的に算出される。
Figure 0004780342
ステップ114で、求められたCline1、Cin1、ηnの値より、電源配線に内部容量がぶら下がった時の波長を求める際の波長短縮の値ηd1を求める。ここで、電源配線に内部容量がぶら下がっているということは、等価的に電源配線の容量が増加していると考えることができ、さらに言えば等価的に電源配線の誘電体層の誘電率が増加していると考えることができる。したがって、Cline1とCin1の値から等価的な誘電率が求まるので、みかけの波長短縮の値ηd1は(2)式より求められる。
Figure 0004780342
ステップ115において、解析周波数情報4から、解析の上限周波数Fmaxを導出し、Fmaxに対応した真空中の波長をλmin0としたとき、(2)式で計算された波長短縮の値ηd1を用いて、Fmaxに対応したみなしの波長λmin1を(3)式より求める。
λmin1=ηd1*λmin0 (3)
このとき、Fmaxの値によるλmin0の値は、解析周波数情報4に含まれていても構わないし、ツールのデータベースとして保持しておくことも可能である。
ここで、(1)〜(3))式をまとめ、λmin1を、λmin0、Cline1、Cin1、ηnの値を用いて表すと、(4)式のようになる。
Figure 0004780342
さらに、ステップ116において、サイズ情報5から求められたλmin1の値より、LSIの分割セルの一辺の長さlcell1の長さを求める。ここで、Clayton R.Paul著、櫻井 秋久 監訳「EMC概論」(ミマツデータシステム、平成8年2月29日初版発行)のp22において、「素子の集中定数モデルにキルヒホッフの電圧・電流則が適用できるのは回路の大きさが電気的に小さい場合に限られる」と記述されている。つまり、電流源や内部容量といった電源モデルの素子は集中定数モデルとして存在するものであるが、実際のLSIの中ではそれらに対応するものが平面上に分布するように存在しているわけであり、ある一点に集中的にモデルがぶら下がった状態でそのLSIを表す場合、それぞれのモデルの距離が電気的に小さい場合でなくてはならない。したがって、LSIの分割セルの各中心に電流源や内部容量の素子がぶら下がって存在する場合には、各中心同士の距離が電気的に充分小さい、つまり各分割セルの一辺の長さが電気的に充分小さければよい。つまり、考えるべき最大周波数における波長λmin1よりもモデル同士の距離、すなわち各分割セルの一辺の長さが充分小さくなるように分割サイズを決定すればよいので、LSIの分割セルの一辺の長さlcell1の長さを、(5)式の関係式を満たし、かつLSIのチップがきちんと整数分割できるように求める。
lcell1≦λmin1/n (5)
ここで、nの値は、lcell1がλmin1より充分小さくなる任意の値である。先述の「EMC概論」のp19〜20において、「電子回路もしくは電磁波を放射する構造物は、その物理的な最大の大きさLが波長λより充分に小さい、すなわちL≪λであれば、電気的に小さいと言われ、一つの近似的基準にすぎないが、
L<λ/10 (6)
であるとき回路および電磁構造物は電気的に小さいと仮定する。」と言う意味の記述があり、これを元にnの値を設定すると、nの値を10より大きくとれば、集中定数的な電源モデルそれぞれがlcell1の距離で存在していても電気的には問題ないということになり、実際のLSI内の状態を等価的に表せると言うことができる。したがって、(5)式のnの値の目安は10以上である。lcell1がλmax1より充分小さくなり、かつ計算時間がそれほど増大しないようにするとして、nは10〜20といった値を取ることが望まれる。しかし、解析精度、計算時間等の兼ね合いから、必要な場合においてこのnの値はそれに限定されるものではない。
ここで、nの値の妥当性を、分布定数と集中定数のモデルを用いた配線についてSPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)を用いて解析した結果によって具体的に検討してみる。図5(a)は長さlt=150mmの伝送線路の、片方の端に電流値1Aの交流電流源を取付け、もう片方の端を開放とした解析回路であり、開放端の電圧の周波数特性を求めている。伝送線路は分布定数で記述されており、誘電体層の比誘電率εra=4のマイクロストリップラインとしてモデルを作成したものであり、この伝送線路の単位長さ当りのLCRのパラメータは、L=3.161×10-10[H/mm]、C=3.711×10-14 [F/mm]、R=2.255×10-3 [Ω/mm]と求められている。一方、図5(b)は図5(a)の回路を、集中定数を使用したモデルで記述し直したものであり、LCRの素子で構成された集中定数単位モデル(各値はLu、Cu、Ru)を直列に接続して、伝送線路の等価回路を構成しているものである。集中定数単位モデルの各素子の値は、伝送線路全体でのLCRのそれぞれの値を、集中定数単位モデルの段数で割ったものである。ここで、先程の解析周波数に対応する波長と回路の電気的な長さを考えれば、分布定数の伝送線路を、集中定数単位モデル何段で表せるかを判断することができる。ここで解析する周波数を1GHzまでとすると、そのときの波長λtl1gは真空中では300mmであり、非誘電率εra=4であるから、
Figure 0004780342
と求められる。したがって、伝送線路長ltは1GHzでの波長と等しいので、(6)式に従えば、集中定数単位モデルを10段より多い数にすれば、集中定数単位モデルは1GHzの波長よりも充分小さい電気的な長さと近似できるため、集中定数を用いた等価回路でも伝送線路は表せるということになる。図5(c)〜図5(f)は、図5(a)の分布定数のモデル用いたとき、および図5(b)の集中定数を使用したモデル(4種類)解析結果を比較したグラフである。集中定数単位モデルの段数(=伝送線路の分割数)はそれぞれ、図5(c)では1(=分割なし)、図5(d)では5、図5(e)では10、図5(f)では20としている。このとき、例えば図5(e)における集中定数単位モデルの段数を10としたとき、集中定数単位モデルの長さは150/10=15mmに相当するので、そのときの集中定数単位モデルの各素子の値Lu、Cu、Ruは、
Lu=3.161×10-10×15=4.7415×10-9[H]
Cu=3.711×10-14×15=5.5665×10-13[F]
Ru=2.255×10-3×15=4.7415×10-2[Ω]
となる。他の段数のときも、それ相応の値を取る。図5(c)〜(f)の結果を比較してみると、図5(c)の、集中定数単位モデルの段数が1(=分割無し)では全く結果が異なり、図5(d)の段数を5としても900MHz以上で現れるピークの周波数や値が大きく異なるなど、分布定数のモデルと等価とは言うことはできない。しかし図5(e)に示すように段数を10とすると、900MHz以上で現れているピークの周波数では0.5%、値も2%程度のずれしかなく、特性はほぼ一致していると言える。また、図5(f)のように段数を20とした場合はさらに特性は一致し、ピークでの周波数のずれは0.1%、値のずれも0.6%程度となる。したがって、集中定数単位モデルの段数、すなわち伝送線路の分割数は10より大きければ妥当であると考えてもよい。したがって、(6)式におけるnの値は10より大きい値を取り、10〜20程度であれば妥当であるとしてよい。
モデル作成部120処理は2つのステップ121、122で構成されている。
ステップ121においては、電源配線構造情報2と、分割セルサイズ決定部110によって導出されたlcell1の値より決定されたセルのサイズに合わせて、セルの電源回路のモデルを作成する。電源回路のモデルの構造は、配線モデルが格子状になって存在し、セルの中心に動作部分と内部容量部分が接続される端子と、外側の辺に隣のセルとの接合端子を持つ。図6に示したモデルでは、電源回路のモデル12は十字型をしており、他のセルとの接合端子は辺の中心に取る構造となっているが、他の形状を選ぶことも可能である。また、配線のモデル13には分布定数のモデルを使用しているが、インダクタンス、抵抗、容量で記述する集中定数のモデルを選ぶことも可能である。
ステップ122においては、素子配置情報6、半導体集積回路全体電源モデル7、および分割セルサイズ決定部110によって導出されたlcell1の値より、決定されたセルのサイズおよびLSI内部の素子の配置情報に従い、各セルに適切な割合で内部動作部分のモデル14および内部容量部分のモデル15を挿入し、電源回路のモデルと接続する。図4における内部動作部分のモデル14および内部容量部分のモデル15の大きさは、分割セルサイズ決定部110で作成されたLSI全体のモデルに対して、セルのサイズおよび配置情報等から考えられる割合になっている。図6では動作部分に電流源のモデル、内部容量部分に集中定数のモデルを用いていて、全体に対しその割合を掛け合わせれば各セル毎のモデルは自動作成可能である。もしトランジスタ記述のような別のモデルを使用した場合においても、LSI全体のモデルから各セル毎のモデルを作成することは可能である。また、素子配置情報6に従った場合、内部動作部分および内部容量部分の全体に対する割合は同じにすることも可能である。
モデル結合部130の処理はステップ131で構成されている。
ステップ131において、モデル結合部130は、モデル作成部120で求められた各セル毎のモデルをそれぞれの外部セルとの接続端子で接合し、電源層を1層だけ持つLSI全体の電源モデル10を導出する。なお、最も外側の各セルの辺の複数の接合端子については、LSIの外部との単一または複数の接続端子とすることが可能であり、そうでない場合は何も接続しない等の処置を行う。
このようにして、電源配線構造情報2、トランジスタ構造情報3、解析周波数情報4、サイズ情報5、素子配置情報6、および半導体集積回路全体電源モデル7より、電源層が1層のLSI全体の電源モデル10を作成することができる。電源モデル10は、動作部分14のモデルや内部容量部分のモデル15が集中的に存在しても、それらの距離が配線に容量がぶら下がった状態での波長短縮の値を用いて計算した上限解析周波数に対応した波長よりも充分に電気的に小さい値となっているため、LSI内部に動作部分および内部容量部分が分散して存在している場合と同等の解析精度を持っていると考えられる。また、適切なサイズのセルに分割し、サイズおよび配置情報を考慮して動作部分および内部容量を適切な割合で各セルに割り振り、それらを電源回路のモデルで結合させているので、位置情報を考慮したモデルとなり、解析周波数の高周波化にも充分対応可能となっている。
ここで、具体的な値を用いて上記の各ステップの処理を説明する。
まず、入力データ2〜7を揃える。このとき、解析周波数情報4には上限解析周波数は1GHzでそれに対応した真空中の波長λ1GHz0は300[mm]、サイズ情報5にはLSIのチップサイズは5[mm]×5[mm]、半導体集積回路全体電源モデル7は動作部分が電流源のモデル、内部容量部分が集中定数の容量素子1本で記述されていて、電流源の振幅の値が1[A]、内部容量が3500[pF]とされている、という情報であったとする。またその他の入力データ2、3、6にも、モデル作成に必要なデータは揃っていたとする。
ステップ111において、電源配線構造情報2より配線容量の合計値Cline1を算出する。ここで、Cline1=50[pF]と算出されたとする。
ステップ112において、トランジスタ構造情報3より内部容量の合計値Cin1を算出する。ここで、Cin1=10000[pF]と算出されたとする。この値は半導体集積回路全体電源モデル7の内部容量部分の値と等しいが、これは内部容量部分が容量素子で記述されていたためであり、トランジスタ等で記述されている場合も存在するため、ステップ112で求める必要性がある。
ステップ113において、電源配線構造情報2より電源配線の波長短縮の値ηnを求める。ここでは電源配線を構成する配線における誘電体の誘電率εr=4であったとして、(1)式より
Figure 0004780342
と求まる。
ステップ114において、内部容量存在時の電源配線の波長短縮の値ηd1を求める。(2)式より
Figure 0004780342
求まる。
ステップ115において、解析周波数情報4より解析上限周波数Fmaxにおけるみなしの波長の値λmin1を求める。ここで、1GHzにおける真空中の波長λ1GHz0=300[mm]であるから、(3)式より
λmin1=0.0353*300≒10.6[mm]
と求まる。
ステップ116において、LSIのレイアウト情報より分割セルの1辺の長さlcell1を求める。各分割セルの中心にぶら下がる電源モデル間の距離、すなわち各分割セルの一辺の長さがみなしの波長λmin1よりも充分小さい長さになるように分割サイズを決定する必要があるので、(5)式においてその条件を充分に満たす値としてn=10を選んだとすると
lcell1≦10.6/10=1.06[mm]
となる。ここで、LSIのチップサイズは5[mm]×5[mm]であり、上の式を満たし、LSIがきちんと整数分割できる値として、lcell1=1[mm]と値を選べば、必要以上に細かい分割を行う必要もなく、電気的に妥当なモデルが作成されることになる。この場合セルのサイズは1[mm]×1[mm]となるので、LSIは25分割されたセルで構成されることになる。
ステップ121において、電源配線構造情報2とlcell1の値より、各セルの電源回路のモデルを作成する。ここでは図6に示した例と同様に、配線にはεr=4の値で作成された分布定数記述のモデルを十字型に並べたモデルとした。
ステップ122において、素子配置情報6、半導体集積回路全体電源モデル7とlcell1の値より、各セル毎の電源モデルを作成し、ステップ121で作成された電源回路のモデルと接続する。レイアウト情報より、LSIの動作部分と内部容量がLSI全体に等しい割合で分配されているとすると、各セルにおける動作部分と内部容量の全体と比較した割合はそれぞれ1/25となる。したがって、各セルにおける電流源の振幅の値は1/25=0.04[A]、容量値は10000/25=400[pF]と求まる。
最後に、ステップ131において、モデル作成部120で作成された各セルの電源モデルを結合させ、LSIの電源モデル10を作成する。作成された電源モデル10を図7(a)に示す。
同様のLSIについての従来の電源モデルは図7(b)に示すものであり、両者を比較すると、今回提案したモデルは従来のものに比べて解析精度が上昇し、高周波への対応がされている。例えば、実際のレイアウトでは24個の位置にピンが存在するとしたら、図7(a)のモデルではそれに対応する(位置が充分に近い)外部端子が存在し、さらにその端子から解析周波数(〜1GHz)の波長より電気的に充分小さい距離に、そのセルの面積に対応した動作部分および内部容量が存在し、かつその間の距離に対応した電源回路のモデルが存在するため、解析周波数に対応して充分位置情報が反映された解析結果が得られる。しかし図7(b)のモデルでは外部端子へ、LSIの中心から抵抗素子(配線モデルを使用してもよい)が1本だけでつながれたという構成のモデルであり、外部端子とLSIの中心にぶら下がる動作部分および内部容量とは、解析周波数(〜1GHz)の波長より電気的に充分小さい距離にあるとは言えない。この場合、図5(c)における集中定数単位モデルの段数(=線路の分割数)が少ない(1または5)のときのように、解析周波数が上限値の1GHzに近付くにつれて特性が異なっていくと考えられる。
また、今回のモデルでは分割数を5×5としたが、(5)式におけるnの値を10としたためこのような結果となった。しかし、作成者が解析精度を上げる、または外部端子の位置を実際のピンに近づける等の目的で、nの値を変えることも可能である。例えば、n=20とした場合、先の例において
lcell1≦10.6/20=0.53[mm]
となり、妥当な値はlcell1=0.5[mm]となり、LSIは10×10の100分割となる。しかし、やみくもに分割数を増やすわけではなく、上限解析周波数に対し充分な解析精度を持ち、かつ解析時間ができるだけ増大しないように、妥当な分割数を選択することが必要である。その選択の際、基準として(6)式に記述されている近似があるが、全ての場合においてそれに限定されるものではない。
[第2の実施形態]
本実施形態では、LSIの電源層を2層持つ構造の電源モデルを作成する方法を述べる。この場合、LSIの動作している部分や内部容量は、2種類の電源層間に存在している。また、電源層を構成する配線は、それぞれ大地との間に容量成分を有している。ここで、この2層の電源層は、第1の実施形態に示したような等価的に電源層1層とみなすことができる。その場合、この等価的な1層の電源層の配線と大地との間に存在する配線容量成分は、前記2層の電源層の配線と大地との間に存在する配線容量成分の合計になる。したがって、この考えを元に、第1の実施形態に示したような方法により、電源層を2層持つ構造の電源モデルを作成する。
図8は、本発明の第2の実施形態による、半導体集積回路電源モデル作成装置の構成図である。本装置も第1の実施形態と同様に、データを入力する入力部200と、LSIの分割セルサイズを決定する分割セルサイズ決定部210と、分割された各セル毎に、電源回路のモデル、動作部分のモデル、内部容量部分のモデルを作成するモデル作成部220と、各セル毎のモデルを結合してLSIの電源モデルを出力するモデル結合部230と、入力部200から入力されたデータを記憶し、また各部210から230での途中の処理データを一時的に保存する記憶部240と、作成された電源モデルを出力するプリンタ、ディスプレイ等の出力部250で構成されている。
図9は、入力部200から入力される、電源モデルを作成する際に必要となる情報と、分割セルサイズ決定部210とモデル作成部220とモデル結合部230における処理の流れを示している。また、電源モデルを作成する際に必要となる情報も、第1の実施形態と同様に、図9の左側に示したような、電源配線の長さ、幅、厚さ、誘電体の種類等である、電源配線構造情報LSIの電源配線構造情報2、内部容量部分を構成するトランジスタのゲート幅やゲート長、拡散層の表面積等であるトランジスタ構造情報3、モデルを使用する際の上限周波数の情報である解析周波数情報4、LSIのチップサイズであるサイズ情報5、LSI内の動作部分や内部容量の配置情報である素子配置情報6、LSI全体における動作部分と内部容量部分で構成された従来記述の電源モデルである半導体集積回路全体電源モデル7を含み、これらの情報から、適切なサイズでセル分割された電源モデルが作成可能である。また、第1の実施形態と同様、電源配線構造情報2と、トランジスタ構造情報3を両方とも含むデータとして、LSIの全回路接続情報8が存在し、サイズ情報5と素子配置情報6を両方とも含むデータとしてはLSIのレイアウト情報9が存在するので、入力データとしてはそれらを用いるようにすることも可能である。また、第1の実施形態と同様に、トランジスタ構造情報3をトランジスタの記述ではなく、容量セル等実際の容量モデルのデータで置き換えても構わない。また、第1の実施形態と同様に、従来の電源モデルである半導体集積回路全体電源モデル7は、LSIの全回路接続情報8からLSI全体における動作部分と内部容量部分を導出して記述したものであり、必要に応じて分割セルサイズ決定部14の処理の前に入力データから作成することも可能である。さらに、第1の実施形態と同様に、モデル7の記述が各セルにおけるモデルの記述に適用されるが、その記述の変換も可能である。
分割セルサイズ決定部210の処理はステップ211〜216で構成されている。
まず、ステップ211において、電源配線構造情報2から、LSIの電源層における電源配線と大地間の配線容量の合計値Cline2を算出する。電源層が2層存在するため、Cline2の値は両方の層と大地間の値の合計となる。
ステップ212において、トランジスタ構造情報3から、2つの電源層間に付加されたLSIの内部容量の合計値Cin2を求める。
ステップ213において、電源配線構造情報2から、電源層における電源配線の波長短縮の値ηnを求める。この値は、電源配線の誘電体層の誘電率εrから自動的に算出され、
Figure 0004780342
である。電源層が2層存在するものの、電源配線を構成している誘電体の種類は普通は変わらないため、ηnの値は一義的に決定される。もし複数種類の誘電体が存在している場合は、それらの中で、最も誘電率εrの値が大きいものを使い、(1)式からηnを求める。
ステップ214において、求められたCline2、Cin2、ηnの値より、電源配線間に内部容量が存在している時の波長を求める際の波長短縮の値ηd2を求める。ここで、第1の実施形態のところでも触れたが、電源配線間に内部容量が存在しているということは、等価的に電源配線の容量が増加していると考えることができ、さらに言えば等価的に電源配線の誘電体層の誘電率が増加していると考えることができる。したがって、Cline2とCin2の値から等価的な誘電率が求まるので、みかけの波長短縮の値ηd2は(7)式より求められる。
Figure 0004780342
ステップ215では、解析周波数情報4から、解析の上限周波数Fmaxを導出し、Fmaxに対応した真空中の波長をλmin0としたとき、(7)式で計算された波長短縮の値ηd2を用いて、Fmaxに対応したみなしの波長λmin2を(8)式より求める。
λmin2=ηd2*λmin0 (8)
このとき、第1の実施形態と同様に、Fmaxの値によるλmin0の値は、解析周波数情報4に含まれていても構わないし、ツールのデータベースとして保持しておくことも可能である。
ここで、(1)、(7)、(8)式をまとめ、λmin2を、λmin0、Cline2、Cin2、ηnの値を用いて表すと、(9)式のようになる。
Figure 0004780342
さらに、ステップ216において、サイズ情報5から求められたλmin2の値よりも充分小さくなるよう、LSIの分割セルの一辺の長さlcell2の長さを、(10)式の関係式を満たし、かつLSIのチップがきちんと整数分割できるように求める。
lcell2≦λmin2/n (10)
第1の実施形態と同様に、この式において、lcell2がλmin2よりも充分に電気的に小さい値を取るようにnの値を決定する必要がある。一般には、nに10〜20といった、lcell2がλmax2より充分小さくなり、かつ計算時間がそれほど増大しないような値を取ることが望まれる。しかし、やはり第1の実施形態と同様に、解析精度、計算時間等の兼ね合いから、必要な場合においてこのnの値はそれに限定されるものではない。
モデル作成部220の処理はステップ221と222で構成されている。
ステップ221においては、電源配線構造情報2と、分割セルサイズ決定部210によって導出されたlcell2の値より、決定されたセルのサイズに合わせて、セルの電源回路のモデルを作成する。電源層が2層存在するため、電源回路のモデルが2層存在し、それぞれが、格子状になった電源回路のモデルとして存在し、セルの中心に動作部分および内部容量部分が接続される端子と、外側の辺に隣のセルとの接合端子を持つ構造となっている。図10に示したモデルでは、それぞれの電源回路のモデル22は十字型をしており、他のセルとの接合端子は辺の中心に取る構造となっているが、第1の実施形態と同様に、他の形状を選ぶことも可能であり、配線のモデル23には分布定数のモデルを使用しているが、インダクタンス、抵抗、容量で記述する集中定数のモデルを選ぶことも可能である。
ステップ222においては、素子配置情報6、半導体集積回路全体電源モデル7、および分割セルサイズ決定部200によって導出されたlcell2の値より、決定されたセルのサイズおよびLSI内部の素子の配置情報に従い、各セルに適切な割合で内部動作部分のモデル24および内部容量部分のモデル25を挿入し、電源回路のモデル間に接続する。図10における内部動作部分のモデル24および内部容量部分のモデル25の大きさは、第1の実施形態と同様に、分割セルサイズ決定部210で作成したLSI全体のモデルに対して、セルのサイズおよび配置情報等から考えられる割合になっている。図8の場合でも第1の実施形態と同様に、動作部分に電流源のモデル、内部容量部分に集中定数のモデルを用いていて、全体に対しその割合を掛け合わせれば各セル毎のモデルは自動作成可能である。また、第1の実施形態と同様に、トランジスタ記述のような別のモデルを使用した場合においても、LSI全体のモデルから各セル毎のモデルを作成することは可能であり、素子配置情報6に従い、内部動作部分および内部容量部分の全体に対する割合をそれぞれ別々に持つことも可能である。
モデル結合部230の処理はステップ231で構成されている。
ステップ231において、モデル作成部220で求められた各セル毎のモデルをそれぞれの外部セルとの接続端子で接合し、電源層を2層持つLSI全体の電源モデル20を導出する。なお、第1の実施形態と同様に、最も外側の各セルの辺の複数の接合端子については、LSIの外部との単一または複数の接続端子とすることが可能であり、そうでない場合は何も接続しない等の処置を行う。
このようにして、電源配線構造情報2、トランジスタ構造情報3、解析周波数情報4、サイズ情報5、素子配置情報6およびレイアウト情報2、および半導体集積回路全体電源モデル7より、電源層が2層のLSI全体の電源モデル20を作成することができる。この電源モデル20は、第1の実施形態と同様に、動作部分のモデル24や内部容量部分のモデル25が集中的に存在しても、それらの距離が配線間に容量が存在している状態での波長短縮の値を用いて計算した上限解析周波数に対応した波長よりも充分に電気的に小さい値となっているため、LSI内部に動作部分および内部容量部分が分散して存在している場合と同等の解析精度を持っていると考えられる。また、適切なサイズのセルに分割し、サイズおよび配置情報を考慮して動作部分および内部容量を適切な割合で各セルに割り振り、それらを電源回路のモデルで結合させているので、位置情報を考慮したモデルとなり、解析周波数の高周波化にも充分対応可能となっている。
ここで、第1の実施形態と同様に、具体的な値を用いて各ステップの処理を説明する。
まず、入力データ2〜7を揃える。このとき、解析周波数情報4には上限解析周波数は1GHzでそれに対応した真空中の波長λ1GHz0は300[mm]、サイズ情報5にはLSIのチップサイズは6[mm]×6[mm]、半導体集積回路全体電源モデル7は動作部分が電流源のモデル、内部容量部分が集中定数の容量素子1本で記述されていて、電流源の振幅の値が1[A]、内部容量が3500[pF]とされている、という情報であったとする。また、その他の入力データ2、3、6にも、モデル作成に必要なデータは揃っていたとする。
ステップ211において、電源配線構造情報2より2つの電源配線層の電源配線と大地間の配線容量の合計値Cline2を算出する。ここで、Cline2=100[pF]と算出されたとする。
ステップ212において、トランジスタ構造情報3より2つの電源配線層間に存在する内部容量の合計値Cin2を算出する。ここで、Cin2=5000[pF]と算出されたとする。この値も半導体集積回路全体電源モデル7の内部容量部分の値と等しいが、これは内部容量部分が容量素子で記述されていたためであり、トランジスタ等で記述されている場合も存在するため、ステップ212で求める必要性がある。
ステップ213において、電源配線構造情報2より電源配線の波長短縮の値ηnを求める。ここでは2つの電源配線層における電源配線を構成する配線における誘電体の誘電率εr=4であったとして、(1)式より
Figure 0004780342
と求まる。
ステップ214において、内部容量存在時の電源配線の波長短縮の値ηd2を求める。(7)式より
Figure 0004780342
と求まる。
ステップ215において、解析周波数情報4より解析上限周波数Fmaxにおけるみなしの波長の値λmin2を求める。ここで、1GHzにおける真空中の波長は300[mm]であるから、(8)式より
λmin2 =0.0700*300≒ 21.0[mm]
と求まる。
次に、ステップ216において、LSIのレイアウト情報より分割セルの1辺の長さlcell1を求める。各分割セルの中心にぶら下がる電源モデル間の距離、すなわち各分割セルの一辺の長さがみなしの波長λmin2よりも充分小さい長さになるように分割サイズを決定する必要があるので、(10)式においてその条件を充分に満たす値としてn=10を選んだとすると
lcell2≦21.0/10=2.10[mm]
となる。ここで、LSIのチップサイズは6[mm]×6[mm]であり、上の式を満たし、LSIがきちんと整数分割できる値として、lcell2=2[mm]と値を選べば、必要以上に細かい分割を行う必要もなく、電気的に妥当なモデルが作成されることになる。この場合セルのサイズは2[mm]×2[mm]となるので、LSIは9分割されたセルで構成されることになる。
ステップ221において、電源配線構造情報2とlcell2の値より、各セルの2つの電源配線に対応した電源回路のモデルを作成する。ここでは図10に示した例と同様に、配線にはεr=4の値で作成された分布定数記述のモデルを十字型に並べたモデルとした。
ステップ222において、素子配置情報6、半導体集積回路全体電源モデル7とlcell2の値より、各セル毎の電源モデルを作成し、ステップ221で作成された2つの電源配線に対応した電源回路のモデルと接続する。レイアウト情報より、LSIの動作部分と内部容量がLSI全体に等しい割合で分配されているとすると、各セルにおける動作部分と内部容量の全体と比較した割合はそれぞれ1/9となる。したがって、各セルにおける電流源の振幅の値は1/9≒0.111[A]、容量値は5000/9≒555.6[pF]と求まる。
最後に、ステップ231において、モデル作成部220で作成された各セルの電源モデルを結合させ、LSIの電源モデル27を作成する。作成された電源モデル27を図11(a)に示す。
同様のLSIについての従来の電源モデルは図11(b)であり、両者を比較すると、図7の場合と同様に、解析周波数(〜1GHz)の波長より電気的に充分小さい距離で電源モデルが分散して存在し、それらを電源回路で接続している電源モデル(図11(a))の方の解析精度が、そのような構造になっていない電源モデル(図11(b))よりも解析精度は高いと考えることができる。
[第3の実施形態]
本実施形態では、LSIの電源モデルにおける、各セルにおけるLSIの電源モデルについて、動作部分および内部容量部分が複数ある場合についてのLSIの電源モデルの作成方法について説明する。
図12は、本実施形態における一例として、第2の実施形態における電源層が2層あるLSIの電源モデル31の各セルのLSIの電源モデルにおいて、LSIの動作部分が2種類存在するモデルである。これは、LSIの動作周波数が異なる等、異なる動作をするものが2種類存在したため、動作部分34も34aと34bの2種類が作成されている。これは、図9における入力データの半導体集積回路全体電源モデル7において、LSI全体のモデルで動作部分が2種類存在しているので、ステップ212において、分割セルサイズ決定部210によって求められた各セルのサイズと素子配置情報6によって、それぞれが適切な割合で各セルに配分される。したがって素子配置情報6により、各セルにおける動作部分それぞれ(図12における34aと34b)の割合が異なる場合もある。勿論、動作部分34の34aと34bそれぞれと内部容量部分35が別々の割合を持つ場合もある。また、図12では34aと34bどちらの動作部分も電流源モデルで記述したが、片方だけトランジスタのモデルで記述するなどの組み合わせも可能である。
図13は、本実施形態における一例として、第2の実施形態における電源層が2層あるLSIの電源モデル37の各セルのLSIの電源モデルにおいて、LSIの内部容量部分が2種類存在するモデルである。これは、LSI内に既存の動作していないトランジスタの容量と、デカップリング効果を上げるためにLSI内部に挿入された容量セル等、異なる種類の容量が2種類存在したため、内部容量部分35も35aと35bの2種類が作成されている。これらの容量は図13に示したように容量と抵抗の直列接続にしたモデルを記述した場合、容量と抵抗の比が各々のモデルによって異なるといった特性の違いを示す。
これは、図9における入力データの半導体集積回路全体電源モデル7において内部容量部分が2種類存在しているので、分割セルサイズ決定部210によって求められた各セルのサイズと素子配置情報6によって、それぞれが適切な割合で各セルに配分される。したがって、レイアウト情報により、各セルにおける内部容量部分それぞれの割合(図13における35aと35b)が異なる場合もある。勿論、動作部分34と内部容量部分35の35aと35bそれぞれが別々の割合を持つ場合も存在する。また、図13ではどちらの内部容量部分35a、35bも容量と抵抗の直列接続にしたモデルで記述したが、片方だけトランジスタのモデルで記述するなどの組み合わせも可能である。
本例においては、図12および図13とも、第2の実施形態における電源層が2つある場合の各セルの電源モデルを示したが、第1の実施形態における電源層が1つしかない場合についても同様である。
本実施形態の具体例を図14および図15に示す。
図14(a)は5mm×5mmのLSIを5×5に分割した電源層が2層のモデルであり、各セル毎に内部容量は400[pF]の容量素子の1種類しか有さないが、動作部分を2種類有しているモデルである。動作部分は2種類とも時間変化する電流源で表示されているモデルであり、40に示した電流源[A]は、図14(b)に示すようなピーク値4.0[mA]、底辺が10[ns]の三角波を40[ns]周期の間に2度端子42に出力し、41に示した電流源[B]は、図14(c)に示すようなピーク値6.0[mA]、底辺が5[ns]の三角波を30[ns]周期の間に2度端子42に出力する。したがって、端子42には、電流源[A]と[B]の出力の合成されたものが出力されるような構造になっている。
図15も5mm×5mmのLSIを5×5に分割した電源層が2層のモデルであり、各セル毎に動作部分は振幅1[A]の電流源の1種類しか有さないが、内部容量部分を2種類有しているモデルである。内部容量部分43は、100[pF]の容量素子と50[mΩ]の抵抗素子が直列に接続されている内部容量部分[A]である44と、300[pF]の容量素子と30[mΩ]の抵抗素子が直列に接続されている内部容量部分[B]である45の2種類で構成されているが、内部容量部分44と45はそれぞれ直列に接続されている容量値と抵抗値の比が異なるため、それぞれ周波数特性が異なる。
[第4の実施形態]
本実施形態では、複数組の電源系がある場合のLSIの電源モデルにおける、電源層を全て同じサイズでセル分割し、各セル毎に複数の電源系統を持ち、セル内の電源系統毎に動作部分と内部容量部分を、セルサイズおよび配置情報により適切な割合で有するモデルの作成方法について説明する。
図16は、本実施形態における一例として、LSIのチップ内に電源層が3層ある場合のLSIの電源モデルの各セルにおいてのモデルを示している。第1の電源層51と第3の電源層53、および第2の電源層52と第3の電源層53には、それぞれ異なる電位差が存在し、したがってこのLSIは、2系統の電源組を持っていると考えることができる。この場合、第1と第3の電源層間、および第2と第3の電源層間において、第2の実施形態の例に従い、モデル化の処理を行う。ここで、電源系統が1つのときと異なるのは、分割セルサイズ決定部210においては、それぞれの電源系統についてステップ211〜216の処理を行い、それぞれの電源系統において(10)式を満たすようなlcell2の値を求め、LSIをセル分割する。このとき、それぞれの系統での処理におけるnの値は共通にする。その後、ステップ211にて各セルのそれぞれの電源層51、52、53について電源層のモデル54、55、56を作成し、半導体集積回路全体電源モデル7よりそれぞれの電源系統における動作部分と内部容量部分のモデルを、分割セルサイズ決定部210で求められたセルサイズおよび素子配置情報6に従い、適切な割合でそれぞれの電源系統の電源層のモデル間に接続する。そしてモデル結合部220において各セルのモデルを各電源層のモデルの接続端子で接続すれば、複数の電源系統を持つLSIの電源モデルが作成される。外部端子の処理は、第2の実施形態に示した場合と同様である。
図16に示した、各セルの電源モデルは、第1、第2、第3の電源層51、52、53に対応した第1、第2、第3の電源回路のモデル54、55、56を持ち、それぞれの電源系統において動作部分と内部容量部分を持った構造である。このとき、第3の実施形態で示したように、各々の電源系の動作部分、内部容量部分のモデルが、複数存在する場合も存在する。また、図16のように、第1と第3の電源層51、53間では動作部分57がトランジスタ記述モデルで内部容量部分58が容量のみのモデル、第2と第3の電源層52、53間では動作部分59が電流源モデルで内部容量部分60が容量と抵抗の直列接続の記述のモデルとなっていて、それぞれの電源系統においてモデルの記述が異なっているが必要に応じてモデルの記述を変えることは可能であり、共通の記述にしても問題は無い。
前述の例では、電源層が3層あって、電源系統が2種類存在したが、電源層が2層でもそれぞれが対大地間で電源系統を持っている場合も存在する。この場合は、前述の方法にて第2の実施形態の例を使用していたものを、第1の実施形態の例に置き換えれば、同様に電源モデルを作成することが可能である。
また、同様に電源系統が3系統以上存在する場合も、同様の処理を行えば電源モデルの作成は可能である。
本実施形態の具体例を図17に示す。
図17(a)は、電源層が61、62、63の3層が存在する4[mm]×4[mm]のLSIのモデルであり、1[mm]×1[mm]のセルで4×4に分割されている。電源系統は電源層61と63間、および電源層62と63間の2系統が存在し、電源層61、62、63に相当する電源回路のモデル64、65、66と、電源回路モデル64と66間に動作部分として電流源67[A]と内部容量部分として100[pF]の容量素子と10[mΩ]の抵抗素子が直列に接続された内部容量部分68[C]、および電源回路モデル66と67間に動作部分として電流源69[B]と内部容量部分として500[pF]の容量素子と20[mΩ]の抵抗素子が直列に接続された内部容量部分70[D]を組み合わせて、各セル毎のモデルは構成されている。動作部分67、69は2種類とも時間変化する電流源で表示されているモデルであり、電流源67[A]は、図17(b)に示すようなピーク値3.0[mA]、底辺が10[ns]の三角波を40[ns]周期で2回出力し、電流源69[B]は、図17(c)に示すようなピーク値10.0[mA]、底辺が5[ns]の三角波を25[ns]周期で2回出力する。そして電流源67と69の動作を含む2種類の電源系の動作を組み合わせたものが、各セル毎のモデルの動作となる。
[第5の実施形態]
本実施形態では、電源配線構造情報、トランジスタ構造情報、解析周波数情報、サイズ情報、素子配置情報、半導体集積回路全体電源モデルという入力情報から、適切なサイズにセル分割されたLSIの電源モデルを作成するプログラムおよびそのプログラムを適用した電源モデル作成装置について説明する。
図18は、第1および第2の実施形態に記された方法で、LSIの電源モデルを作成するプログラムの一例のフローチャートである。また、図19は、図18のプログラムを用いたLSI電源モデル作成装置の構成図である。
図19の電源モデル作成支援装置は、プログラム制御により動作するデータ処理装置72および情報を記憶する記憶装置73からなる処理装置71と、入力装置74と、表示装置75と、出力装置76と、記録媒体77を有する。入力装置74は、キーボードおよびマウス、音声入力装置等、ユーザーが任意にデータを入力可能な装置である。表示装置75は、ユーザーが入力結果および途中処理の経過を確認できるディスプレイ装置である。出力装置76は、印刷装置およびデータの格納装置等、処理によって得られた出力結果であるLSIの電源モデルの記述をユーザーが獲得できる装置である。記録媒体77は、図6、図10、図12、図13、および図16に示したような各セルにおける電源モデルの回路構造と記述方法を記したテンプレートや、周波数と真空時の波長との関係が示された情報であるF-λテーブルが格納されたデータベース78と、図18に記されたモデル作成方法を実現するプログラム(以下、「モデル生成プログラム」とも記述する)79と、電源モデル作成のための入力データ80が記録されている。この記録媒体80は磁気ディスク、半導体メモリ、CD−ROMその他の記録媒体であってよい。モデル生成プログラム79は記録媒体77から処理装置71に読み込まれ、処理装置71の動作を制御する。
まず、入力装置74より入力データ80を処理装置71に入力し、そのデータを記憶装置73に記憶する。この入力データ80とは、図4および図9のフローチャートにおける入力データ1のことであり、電源層の数、電源配線の長さ、幅、厚さ、誘電体の種類等である電源配線構造情報LSIの電源配線構造情報2、内部容量部分を構成するトランジスタのゲート幅やゲート長、拡散層の表面積等であるトランジスタ構造情報3、モデルを使用する際の上限周波数の情報である解析周波数情報4、LSIのチップサイズであるサイズ情報5、LSI内の動作部分や内部容量の配置情報である素子配置情報6、LSI全体における動作部分と内部容量部分で構成された従来記述の電源モデルである半導体集積回路全体電源モデル7のデータである。このデータは、通常記録媒体77に、データベース78やモデル生成プログラム79と共に格納されていて、入力装置74によってその中から呼び出す。しかし、入力データ80のうちの一部もしくは全部を、記録媒体77から呼び出すのでは無く、入力装置74によって新たに与えても良い(解析周波数情報4は入力装置74で新たに与え、その他のデータは記録媒体77から呼び出す、等)。
次に、モデル生成プログラム79を記録媒体77から呼び出し、処理装置71を制御することで、図18のモデル生成プログラムの処理が開始される。この処理は、入力データ80の入力が完了した時点で、自動的に開始されるとしても良い。
次に、記憶装置73から記憶された電源配線構造情報2を読み出し、このデータにおいて、作成する電源モデルの電源層が一層かそうでないかを確認する(ステップ301、302)。
もし電源層が一層であった場合は、以下に示す処理に従う。
まず、記憶装置73から記憶された電源配線構造情報2を再度読み出し、配線容量の合計値Cline1を算出し、記憶装置73に記憶する(ステップ303)。
次に、記憶装置73から該記憶されたトランジスタ構造情報3を読み出し、内部容量の合計値Cin1を算出し、記憶装置73に記憶する(ステップ304)。
次に、記憶装置73から記憶された電源配線構造情報2を再度読み出し、真空中の波長短縮の値ηnを算出し、記憶装置73に記憶する(ステップ305)。
次に、記憶装置73から記憶されたCline1、Cin1、ηnの値を読み出し、内部容量存在時の電源配線の波長短縮の値ηd1を算出し、記憶装置73に記憶する(ステップ306)。
次に、記憶装置73から該記憶された解析周波数情報4、ηd1の値、さらに記録媒体77からデータベース78に格納されているF-λテーブルの値を読み出し、解析上限周波数に対応した波長λmin1の値を算出し、記憶装置73に記憶する(ステップ307)。
次に、(5)式におけるnの値を入力装置74により入力し、記憶装置73に記憶する。このnの値は、入力データ80やデータベース78の中に格納しておくことも可能であり、その場合は、記録媒体77の中から値を読み出し、記憶装置73に記憶するという処理を行う(ステップ308)。
次に、記憶装置73から記憶されたλmin1の値、nの値、およびサイズ情報5を読み出し、(5)式の処理を行い、分割されるセルの一辺の長さlcell1の候補値を求め、記憶装置73に記憶する。Lcell1の値は、(5)式を満たしLSIのチップをきちんと整数分割できる最大の値(以下、「最適値1」とも記述する)と、その整数分の一の値が無限に求まることになるが、記憶できる容量には限界があるため、任意の数(最適値1と、その1/10の値までの10個、等)だけ記憶装置73に記憶することにする。また、lcell1の候補値の代わりに条件式をそのまま記憶してもよい(ステップ309)。
次に、記憶装置73から記憶されたlcell1の候補値を読み出し、ユーザーがlcell1を最適値1に自動決定する場合と、そうではない場合のどちらかを選択し、入力装置74を用いてその結果を入力する(ステップ310)。Lcell1を最適値1に自動決定する場合は、lcell1の値は最適値1が選択され、記憶装置73に記憶される。一方そうしない場合は、表示装置75に表示されたlcell1の候補値の中からユーザーが値を選択し、入力装置74によってlcell1の値を入力し、その値が記憶装置73に記憶される(ステップ311)。
次に、記憶装置73から記憶された電源配線構造情報2とlcell1の値、さらにデータベース78から電源回路のモデルのテンプレートを読み出し、各セルにおける電源回路のモデルを作成し、各セル毎の電源回路のモデルの構成を記憶装置73に記憶する(ステップ312)。
次に、記憶装置73から記憶された素子配置情報6、半導体集積回路全体電源モデル7、lcell1の値、各セル毎の電源回路のモデルの構成、さらにデータベース78から電源モデルのテンプレートを読み出し、各セルにおける電源モデルを作成し、各セル毎の電源モデルの構成を記憶装置73に記憶する(ステップ313)。
次に、記憶装置73から記憶された各セル毎の電源モデルの構成を読み出し、セル同士を結合させ、LSIの電源モデル81(図3における電源モデル10)を作成する(ステップ314)。この結果を出力装置76より出力する。
一方、図18におけるステップ302にて、電源層が一層でない場合には、以下に示す処理に従う。
まず、記憶装置73から記憶された電源配線構造情報2を再度読み出し、配線容量の合計値Cline2を算出し、記憶装置73に記憶する(ステップ315)。
次に、記憶装置73から該記憶されたトランジスタ構造情報3を読み出し、内部容量の合計値Cin2を算出し、記憶装置73に記憶する(ステップ316)。
次に、記憶装置73から記憶された電源配線構造情報2を再度読み出し、真空中の波長短縮の値ηnを算出し、記憶装置73に記憶する(ステップ317)。
次に、記憶装置73から記憶されたCline2、Cin2、ηnの値を読み出し、内部容量存在時の電源配線の波長短縮の値ηd2を算出し、記憶装置73に記憶する(ステップ318)。
次に、記憶装置73から記憶された解析周波数情報4、ηd2の値、さらに記録媒体77からデータベース78に格納されているF-λテーブルの値を読み出し、解析上限周波数に対応した波長λmin2の値を算出し、記憶装置73に記憶する(ステップ319)。
次に、(10)式におけるnの値を入力装置74により入力し、記憶装置73に記憶する。ステップ308の場合と同じく、nの値を入力データ80やデータベース78の中に格納しておいたものを記録媒体77の中から値を読み出し、記憶装置73に記憶するという処理を行っても良い(ステップ320)。
次に、記憶装置73から記憶されたλmin2の値、nの値、およびサイズ情報5を読み出し、(10)式の処理を行い、分割されるセルの一辺の長さlcell2の候補値を求め、記憶装置73に記憶する。lcell2の値は、(10)式を満たしLSIのチップをきちんと整数分割できる最大の値(以下、「最適値2」とも記述する)と、その整数分の一の値が無限に求まることになるが、記憶できる容量には限界があるため、任意の数(最適値2と、その1/10の値までの10個、等)だけ記憶装置73に記憶することにする。また、lcell2の候補値の代わりに、条件式をそのまま記憶してもよい(ステップ321)。
次に、記憶装置73から記憶されたlcell2の候補値を読み出し、ユーザーがlcell2を最適値2に自動決定する場合と、そうではない場合のどちらかを選択し、入力装置74を用いてその結果を入力する(ステップ322)。lcell2を最適値2に自動決定する場合は、lcell2の値は最適値2が選択され、記憶装置73に記憶される。一方そうしない場合は、表示装置75に表示されたlcell2の候補値の中からユーザーが値を選択し、入力装置74によってlcell2の値を入力し、その値が記憶装置73に記憶される(ステップ323)。
次に、記憶装置73から記憶された電源配線構造情報2とlcell2の値、さらにデータベース78から電源回路のモデルのテンプレートを読み出し、各セルにおける電源回路のモデルを作成し、各セル毎の電源回路のモデルの構成を記憶装置73に記憶する(ステップ324)。
次に、記憶装置73から記憶された素子配置情報6、半導体集積回路全体電源モデル7、lcell2の値、各セル毎の電源回路のモデルの構成、さらにデータベース78から電源モデルのテンプレートを読み出し、各セルにおける電源モデルを作成し、各セル毎の電源モデルの構成を記憶装置73に記憶する(ステップ325)。
次に、記憶装置73から該記憶された各セル毎の電源モデルの構成を読み出し、セル同士を結合させ、LSIの電源モデル81(図9における電源モデル20)を作成する(ステップ326)。この結果を出力装置76より出力する。
なお、図18の各ステップの処理は、図4の第1の実施形態および図9の第2の実施形態におけるブロック図における各ステップの処理に対応している。図18のステップ303は図4におけるステップ111、ステップ304はステップ112、ステップ305はステップ113、ステップ306はステップ114、ステップ307はステップ115、ステップ308〜311はステップ116、ステップ312はステップ121、ステップ313はステップ122、ステップ314はステップ131にそれぞれ対応している。また、図18のステップ315は図9におけるステップ211、ステップ316はステップ212、ステップ317はステップ213、ステップ318はステップ214、ステップ319はステップ215、ステップ320〜323はステップ216、ステップ324はステップ221、ステップ325はステップ222、ステップ326はステップ231にそれぞれ対応している。
図18のモデル生成プログラムおよび図19に示した電源モデル作成装置において、ユーザーは、必要なデータを用意することで、妥当な解析精度を持つLSIの電源モデルをほぼ自動的に作成することができる。また、以前提案されている半導体集積回路全体電源モデル7の自動作成手法を適用した自動作成支援システムと組み合わせれば、ユーザーが用意する入力データをさらに減らすことが可能になり、LSIの電源モデルの作成に対して殆ど知識を必要とせずに、LSIの電源モデルを作成することができる。
また、図16のように、第4の実施形態に示した電源系統が複数ある場合の電源モデル作成についても、図18のプログラムにおいて、ステップ303〜314またはステップ315〜326の処理を複数電源系統に対して行うことにより、同様にLSIの電源モデルが作成可能である。
このような電源モデル作成装置を用いれば、LSIの全回路接続情報、レイアウト情報および解析条件を入力することにより、LSIの電源モデルが自動生成可能である。このシステムには、LSI全体においての動作部分および内部容量部分の作成手法が必要になるが、この方法には以前何種類かの方法が提案されているため、その手法もシステムに組み込むことによって、簡単に実現可能である。
ここで、本実施形態の具体例として、図7(a)に示したモデルを図19の自動作成支援装置で、図4に記述されたステップで作成される際の処理動作を示す。
まず、入力装置74より入力データ80を処理装置71に入力し、そのデータを記憶装置73に記憶する。この入力データ80の中には、解析周波数情報4には上限解析周波数は1GHzで、それに対応した真空中の波長λ1GHz0は300[mm]とされているF-λテーブル、サイズ情報5にはLSIのチップサイズは5[mm]×5[mm]、半導体集積回路全体電源モデル7は動作部分が電流源のモデル、内部容量部分が集中定数の容量素子1本で記述されていて、電流源の振幅の値が1[A]、内部容量が3500[pF]とされ、その他の入力データである電源層の数(今回は1層のみ)、電源配線の長さ、幅、厚さ、誘電体の種類等である電源配線構造情報LSIの電源配線構造情報2、内部容量部分を構成するトランジスタのゲート幅やゲート長、拡散層の表面積等であるトランジスタ構造情報3、LSI内の動作部分や内部容量の配置情報であり、LSIの動作部分と内部容量がLSI全体に等しい割合で分配されているという素子配置情報6と、モデル作成に必要なデータは揃っているとする。
次に、モデル生成プログラム79を記録媒体77から呼び出し、処理装置71を制御することで、図18のモデル生成プログラムの処理が開始されるとする。
次に、記憶装置73から記憶された電源配線構造情報2を読み出し、このデータにおいて、作成する電源モデルの電源層が一層かそうでないかを確認するが(ステップ301および302)、データから電源配線層は一層であるということが確認されるので、図18に従い、ステップ303〜314の処理が行われる。
まず、ステップ303として、記憶装置73から記憶された電源配線構造情報2を再度読み出し、電源配線構造情報2より配線容量の合計値としてCline1=50[pF]を算出し(ステップ111)、記憶装置73に記憶する。
次に、ステップ304として、記憶装置73から記憶されたトランジスタ構造情報3を読み出し、内部容量の合計値としてCin1=10000[pF]を算出し(ステップ112)、記憶装置73に記憶する。
次に、ステップ305として、記憶装置73から記憶された電源配線構造情報2を再度読み出し、誘電体の比誘電率から真空中の波長短縮の値ηn=0.5(ステップ113)を算出し、記憶装置73に記憶する。
次に、ステップ306として、記憶装置73から記憶されたCline1=50[pF]、Cin1=10000[pF]、ηn=0.5の値を読み出し、内部容量存在時の電源配線の波長短縮の値
Figure 0004780342
を算出し(図3のステップ114)、記憶装置73に記憶する。
次に、ステップ307として、記憶装置73から記憶された解析周波数1GHz、記録媒体77からデータベース78に格納されているF-λテーブルの値とを読み出し、それらから真空中の波長λ1GHz0=300[mm]という値を読み出し、およびηd1=0.0353の値を読み出し、解析上限周波数に対応した波長
λmin1=0.0353*300≒10.6[mm]
を算出し(ステップ115)、記憶装置73に記憶する。
次に、ステップ308として、(6)式におけるnの値として「n=10」を入力装置74により入力し、記憶装置73に記憶する。
次に、ステップ309として、記憶装置73から該記憶されたλmin1=10.6[mm]、n=10の値、およびLSIのチップサイズは5[mm]×5[mm]というサイズ情報を読み出し、(5)式の処理を行い、分割されるセルの一辺の長さ
lcell1≦10.6/10=1.06[mm]
としてlcell1の候補値を求め、記憶装置73に記憶する。ここでは、lcell1≦1.06[mm]という条件と、最適値を記憶装置73に記憶するとする。この場合、サイズ情報と条件式を組み合わせて、整数分割できる最大値である最適値1=1.0[mm]である。
次に、ステップ310として、記憶装置73から記憶されたlcell1≦1.06[mm]という条件式と、最適値1であるlcell1=1.0[mm]という値を読み出し、lcell1の値を選択する。ここでは、最適値1に自動決定する場合と、そうではない場合のどちらかを選択する。ここでは、lcell1を最適値1=1.0[mm]という値に自動決定するとし、lcell1=1.0[mm]が決定され(ステップ308からこの310の処理までで、図3のステップ116)、記憶装置73に記憶される。この場合、図18のステップ311は行われない。この場合セルのサイズは1[mm]×1[mm]となるので、LSIは25分割されたセルで構成されることになる。
次に、ステップ312として、記憶装置73から該記憶された電源配線構造情報2とlcell1=1.0[mm]という値、さらにデータベース78から電源回路のモデルのテンプレートを読み出し、各セル毎に、配線にはεr=4の値で作成された分布定数記述のモデルを十字型に並べた電源回路のモデルを作成し(ステップ121)、各セル毎の電源回路のモデルの構成を記憶装置73に記憶する。
次に、ステップ313として、記憶装置73から該記憶された、LSIの動作部分と内部容量がLSI全体に等しい割合で分配されているという素子配置情報6、動作部分が電流源のモデル、内部容量部分が集中定数の容量素子1本で記述されていて、電流源の振幅の値が1[A]、内部容量が3500[pF]であるという半導体集積回路全体電源モデルの情報7、lcell1=1.0[mm]という値、各セル毎の電源回路のモデルの構成、さらにデータベース78から電源モデルのテンプレートを読み出し、各セルにおける電流源の振幅の値を1/25=0.04[A]、容量値は10000/25=400[pF]と求め、各セルにおける電源モデルを作成し(ステップ122)、各セル毎の電源モデルの構成を記憶装置73に記憶する。
次に、ステップ314として、記憶装置73から記憶された各セル毎の電源モデルの構成を読み出し、セル同士を結合させ(ステップ131)、LSIの電源モデル81(図4における電源モデル10、図6における電源モデル11に対応)を作成し、この結果を出力装置76より出力する。こうして出力されるモデルの構造が図7(a)である。

Claims (14)

  1. 半導体集積回路のサイズに合わせて適切なサイズに分割されたセルの組み合わせによって構成され、各セルが、容量成分を持つ配線によって構成された電源回路1層と、前記電源回路と大地間に存在し、前記半導体集積回路において一定の動作を行っている内部動作部分と、前記電源回路と大地間に存在し、前記半導体集積回路において動作していない内部容量部分とから構成される、半導体集積回路の電源モデルを、分割セルサイズ決定手段とモデル作成手段とモデル結合手段と出力手段と記憶手段とを有し、前記記憶手段は、前記電源モデルを作成するのに必要な情報である、半導体集積回路の電源配線構造情報、半導体集積回路のトランジスタ構造情報、モデルを使用する際の上限周波数の情報である解析周波数情報、半導体集積回路のサイズ情報、半導体集積回路の全体電源モデルを記憶すると共に、前記分割セルサイズ決定手段、前記モデル作成手段、前記モデル結合手段における作業領域である半導体集積回路電源モデル作成装置によって作成する方法であって、
    前記分割セルサイズ決定手段によって、電源層における配線の持つ誘電体から導き出される波長短縮の値をηn、電源層における配線と大地間に生じている配線容量の合計値をCline1、配線と大地の間に付加されている内部容量の合計値をCin1、上限周波数Fmaxに対応する真空中の波長をλmin0としたとき、λmin1を次式により求め
    Figure 0004780342
    各セルの1辺の長さlcell1を、λmin1の値と比較して電気的に充分短い値をとるように決定するステップと、
    前記モデル作成手段によって、前記半導体集積回路の電源配線構造情報とlcell1の値より、配線モデルが格子状になって存在し、セルの中心に内部動作部分と内部容量部分が接続される端子と、外側の辺に隣接セルとの接合端子を持つ、セルの電源回路のモデルを作成し、半導体集積回路の素子配置情報と、半導体集積回路の全体電源モデルと、前記lcell1の値より、各セルに適切な割合で内部動作部分のモデルおよび内部容量部分のモデルを挿入し、前記電源回路のモデルと接続するステップと、
    前記モデル結合手段によって、各セルの、前記電源回路のモデル、前記内部動作部分のモデル、および前記内部容量部分のモデルをそれぞれの外部セルとの接続端子で接合し、電源層を1層だけ持つ、半導体集積回路全体の電源モデルを導出するステップと、
    前記出力手段によって、導出された電源モデルを出力するステップと
    を有する、半導体集積回路の電源モデルの作成方法。
  2. 半導体集積回路のサイズに合わせて適切なサイズに分割されたセルの組み合わせによって構成され、各セルが、各セルが、容量成分を持つ配線によって構成された電源回路2層と、前記2層の電源回路間に存在する前記半導体集積回路において一定の動作を行っている内部動作部分と、前記2層の電源回路間に存在し、前記半導体集積回路において動作していない内部容量部分とから構成される、半導体集積回路の電源モデルを、分割セルサイズ決定手段とモデル作成手段とモデル結合手段と出力手段と記憶手段と有し、前記記憶手段は、前記電源モデルを作成するのに必要な情報である、半導体集積回路の電源配線構造情報、半導体集積回路のトランジスタ構造情報、モデルを使用する際の上限周波数の情報である解析周波数情報、半導体集積回路のサイズ情報、半導体集積回路の全体電源モデルを記憶すると共に、前記分割セルサイズ決定手段、前記モデル作成手段、前記モデル結合手段における作業領域である半導体集積回路電源モデル作成装置によって作成する方法であって、
    前記分割セルサイズ決定手段によって、電源層における配線の持つ誘電体から導き出される波長短縮の値をηn、2つの電源層における配線と大地間に生じている配線容量の合計値をCline2、2つの電源層における配線間に付加されている内部容量の合計値をCin2、上限周波数Fmaxに対応する真空中の波長をλmin0としたとき、λmin2を次式により求め
    Figure 0004780342
    各セルの1辺の長さlcell2を、λmin2の値と比較して電気的に充分短い値をとるように決定するステップと、
    前記モデル作成手段によって、半導体集積回路の電源配線構造情報とlcell2の値より、配線モデルが格子状になって存在し、セルの中心に内部動作部分と内部容量部分が接続される端子と、外側の辺に隣接セルとの接合端子を持つ、セルの電源回路のモデルを作成し、半導体集積回路の素子配置情報と、半導体集積回路の全体電源モデルと、前記lcell2の値より、各セルに適切な割合で内部動作部分のモデルおよび内部容量部分のモデルを挿入し、前記電源回路のモデルと接続するステップと、
    前記モデル結合手段によって、各セルの、前記電源回路のモデル、前記内部動作部分のモデル、および前記内部容量部分のモデルをそれぞれの外部セルとの接続端子で接合し、電源層を2層持つ、半導体集積回路全体の電源モデルを導出するステップと
    前記出力手段によって、導出された電源モデルを出力するステップと
    を有する、半導体集積回路の電源モデルの作成方法。
  3. 前記内部動作部分が、前記半導体集積回路おける素子配置情報および前記各セルのサイズにより、各セル毎に適切な割合で存在する、請求項1または2に記載の、半導体集積回路の電源モデルの作成方法。
  4. 前記内部容量部分が、前記半導体集積回路全体における素子配置情報および前記各セルのサイズにより、各セル毎に適切な割合で存在する、請求項1または2に記載の、半導体集積回路の電源モデルの作成方法。
  5. 各セルが持つ内部動作部分が、種類が異なる複数のものによって構成されている、請求項1または2に記載の、半導体集積回路の電源モデルの作成方法。
  6. 各セルが持つ内部容量部分が、種類が異なる複数のものによって構成されている、請求項1または2に記載の、半導体集積回路の電源モデルの作成方法。
  7. 複数の内部動作部分が、前記半導体集積回路全体における素子配置情報および前記各セルのサイズにより、それぞれが各セル毎に適切な割合で存在する、請求項5に記載の、半導体集積回路の電源モデルの作成方法。
  8. 複数の内部容量部分が、前記半導体集積回路全体における素子配置情報および前記各セルのサイズにより、それぞれが各セル毎に適切な割合で存在する、請求項6に記載の、半導体集積回路の電源モデルの作成方法。
  9. 複数組の電源系統を有する半導体集積回路において、前記分割セルサイズ決定手段によって、複数の電源系統において共通のセル分割サイズを求め、各セル毎に複数の電源系統を持ち、セル内の電源系統毎に請求項1〜8記載の何れか電源モデルが存在する、半導体集積回路の電源モデルの設計方法。
  10. 半導体集積回路のサイズに合わせて適切なサイズに分割されたセルの組み合わせによって構成され、各セルが、容量成分を持つ配線によって構成された電源回路1層と、前記電源回路と大地間に存在し、前記半導体集積回路において一定の動作を行っている単一または複数の内部動作部分と、前記電源回路と大地間に存在し、前記半導体集積回路において動作していない単一または複数の内部容量部分とから構成される、半導体集積回路の電源モデルの作成装置であって、
    電源層における配線の持つ誘電体から導き出される波長短縮の値をηn、電源層における配線と大地間に生じている配線容量の合計値をCline1、配線と大地の間に付加されている内部容量の合計値をCin1、上限周波数Fmaxに対応する真空中の波長をλmin0としたとき、λmin1を次式により求め
    Figure 0004780342
    各セルの1辺の長さlcell1を、λmin1の値と比較して電気的に充分短い値をとるように決定する分割セルサイズ決定手段と、
    半導体集積回路の電源配線構造情報とlcell1の値より、配線モデルが格子状になって存在し、セルの中心に単一または複数の内部動作部分と単一または複数の内部容量部分が接続される端子と、外側の辺に隣接セルとの接合端子を持つ、セルの電源回路のモデルを作成し、半導体集積回路の素子配置情報と、半導体集積回路の全体電源モデルと、前記lcell1の値より、各セルに適切な割合で単一または複数の内部動作部分のモデルおよび単一または複数の内部容量部分のモデルを挿入し、前記電源回路のモデルと接続するモデル作成手段と、
    各セルの、前記電源回路のモデル、前記単一または複数の内部動作部分のモデル、および前記単一または複数の内部容量部分のモデルをそれぞれの外部セルとの接続端子で接合し、電源層を1層だけ持つ、半導体集積回路全体の電源モデルを導出するモデル結合手段と、
    導出された電源モデルを出力する出力手段と、
    前記電源モデルを作成するのに必要な情報である、半導体集積回路の電源配線構造情報、半導体集積回路のトランジスタ構造情報、モデルを使用する際の上限周波数の情報である解析周波数情報、半導体集積回路のサイズ情報、半導体集積回路の全体電源モデルを記憶すると共に、前記分割セルサイズ決定手段、前記モデル作成手段、前記モデル結合手段における作業領域としての記憶手段と
    を有する、半導体集積回路の電源モデルの作成装置。
  11. 半導体集積回路のサイズに合わせて適切なサイズに分割されたセルの組み合わせによって構成され、各セルが、容量成分を持つ配線によって構成された電源回路2層と、前記2層の電源回路間に存在する前記半導体集積回路において一定の動作を行っている単一または複数の内部動作部分と、前記2層の電源回路間に存在し、前記半導体集積回路において動作していない単一または複数の内部容量部分とから構成される、半導体集積回路の電源モデルの作成装置であって、
    電源層における配線の持つ誘電体から導き出される波長短縮の値をηn、2つの電源層における配線と大地間に生じている配線容量の合計値をCline2、2つの電源層間に付加されている内部容量の合計値をCin2、上限周波数Fmaxに対応する真空中の波長をλmin0としたとき、λmin2を次式により求め
    Figure 0004780342
    各セルの1辺の長さlcell2を、λmin2の値と比較して電気的に充分短い値をとるように決定する分割セルサイズ決定手段と、
    半導体集積回路の電源配線構造情報とlcell2の値より、配線モデルが格子状になって存在し、セルの中心に単一または複数の内部動作部分と単一または複数の内部容量部分が接続される端子と、外側の辺に隣接セルとの接合端子を持つ、セルの電源回路のモデルを作成し、半導体集積回路の素子配置情報と、半導体集積回路の全体電源モデルと、前記lcell2の値より、各セルに適切な割合で単一または複数の内部動作部分のモデルおよび単一または複数の内部容量部分のモデルを挿入し、前記電源回路のモデルと接続するモデル作成手段と、
    各セルの、前記電源回路のモデル、前記単一または複数の内部動作部分のモデル、および前記単一または複数の内部容量部分のモデルをそれぞれの外部セルとの接続端子で接合し、電源層を2層持つ、半導体集積回路全体の電源モデルを導出するモデル結合手段と
    導出された電源モデルを出力する出力手段と、
    前記電源モデルを作成するのに必要な情報である、半導体集積回路の電源配線構造情報、半導体集積回路のトランジスタ構造情報、モデルを使用する際の上限周波数の情報である解析周波数情報、半導体集積回路のサイズ情報、半導体集積回路の全体電源モデルを記憶すると共に、前記分割セルサイズ決定手段、前記モデル作成手段、前記モデル結合手段
    における作業領域としての記憶手段と
    を有する、半導体集積回路の電源モデルの作成装置。
  12. 複数の電源系統を有する半導体集積回路のサイズに合わせて適切なサイズに分割されたセルの組み合わせによって構成され、各電源系統の各セルが、容量成分を持つ配線によって構成された電源回路1層と、前記電源回路と大地間に存在し、前記半導体集積回路において一定の動作を行っている単一または複数の内部動作部分と、前記電源回路と大地間に存在し、前記半導体集積回路において動作していない単一または複数の内部容量部分とから構成される、半導体集積回路の電源モデルの作成装置であって、
    各電源系統の電源層における配線の持つ誘電体から導き出される波長短縮の値をηn、各電源層における配線と大地間に生じている配線容量の合計値をCline1、配線と大地の間に付加されている内部容量の合計値をCin1、上限周波数Fmaxに対応する真空中の波長をλmin0としたとき、各電源系統におけるλmin1を次式により求め
    Figure 0004780342
    各セルの1辺の長さlcell1を、全ての電源系統のλmin1の値と比較して電気的に充分短い値をとるように決定する分割セルサイズ決定手段と、
    半導体集積回路の電源配線構造情報とlcell1の値より、各電源系統毎に配線モデルが格子状になって存在し、セルの中心に単一または複数の内部動作部分と単一または複数の内部容量部分が接続される端子と、外側の辺に隣接セルとの接合端子を持つ、セルの電源回路のモデルを作成し、半導体集積回路の素子配置情報と、半導体集積回路の全体電源モデルと、前記lcell1の値より、各電源系統の各セルに適切な割合で単一または複数の内部動作部分のモデルおよび単一または複数の内部容量部分のモデルを挿入し、前記電源回路のモデルと接続するモデル作成手段と、
    各電源系統の各セルに、前記電源回路のモデル、前記単一または複数の内部動作部分のモデル、および前記単一または複数の内部容量部分のモデルをそれぞれの外部セルとの接続端子で接合し、各電源系統毎に電源層を1層だけ持つ、半導体集積回路全体の電源モデルを導出するモデル結合手段と、
    導出された電源モデルを出力する出力手段と、
    前記電源モデルを作成するのに必要な情報である、半導体集積回路の電源配線構造情報、半導体集積回路のトランジスタ構造情報、モデルを使用する際の上限周波数の情報である解析周波数情報、半導体集積回路のサイズ情報、半導体集積回路の全体電源モデルを記憶すると共に、前記分割セルサイズ決定手段、前記モデル作成手段、前記モデル結合手段
    における作業領域としての記憶手段と
    を有する、半導体集積回路の電源モデルの作成装置。
  13. 複数の電源系統を有する半導体集積回路のサイズに合わせて適切なサイズに分割されたセルの組み合わせによって構成され、各電源系統の各セルが、容量成分を持つ配線によって構成された電源回路2層と、前記2層の電源回路間に存在する前記半導体集積回路において一定の動作を行っている単一または複数の内部動作部分と、前記2層の電源回路間に存在し、前記半導体集積回路において動作していない単一または複数の内部容量部分とから構成される、半導体集積回路の電源モデルの作成装置であって、
    各電源系統の電源層における配線の持つ誘電体から導き出される波長短縮の値をηn、各電源系統の2つの電源層における配線と大地間に生じている配線容量の合計値をCline2、2つの電源層の配線間に付加されている内部容量の合計値をCin2、上限周波数Fmaxに対応する真空中の波長をλmin0としたとき、λmin2を次式により求め
    Figure 0004780342
    各セルの1辺の長さlcell2を、全ての電源系統のλmin2の値と比較して電気的に充分短い値をとるように決定する分割セルサイズ決定手段と、
    半導体集積回路の電源配線構造情報とlcell2の値より、各電源系統毎に配線モデルが格子状になって存在し、セルの中心に単一または複数の内部動作部分と単一または複数の内部容量部分が接続される端子と、外側の辺に隣接セルとの接合端子を持つ、セルの電源回路のモデルを作成し、半導体集積回路の素子配置情報と、半導体集積回路の全体電源モデルと、前記lcell2の値より、各電源系統の各セルに適切な割合で単一または複数の内部動作部分のモデルおよび単一または複数の内部容量部分のモデルを挿入し、前記電源回路のモデルと接続するモデル作成手段と、
    各電源系統の各セルの、前記電源回路のモデル、前記単一または複数の内部動作部分のモデル、および前記単一または複数の内部容量部分のモデルをそれぞれの外部セルとの接続端子で接合し、各電源系統毎に電源層を2層持つ、半導体集積回路全体の電源モデルを導出するモデル結合手段と
    導出された電源モデルを出力する出力手段と、
    前記電源モデルを作成するのに必要な情報である、半導体集積回路の電源配線構造情報、半導体集積回路のトランジスタ構造情報、モデルを使用する際の上限周波数の情報である解析周波数情報、半導体集積回路のサイズ情報、半導体集積回路の全体電源モデルを記憶すると共に、前記分割セルサイズ決定手段、前記モデル作成手段、前記モデル結合手段における作業領域としての記憶手段と
    を有する、半導体集積回路の電源モデルの作成装置。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の、半導体集積回路の電源モデルの作成方法をコンピュータに実行させるための、半導体集積回路の電源モデルの作成プログラム。
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