JP3970175B2 - 高衝撃熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、実用強度が特に高く、透明性、剛性に優れ、その他の物性バランスも良好な高衝撃熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
SBS樹脂は、衝撃強度及び透明性の優れた樹脂として、広く知られているが、剛性が低いという欠点を有している。これを改良する目的で、PS樹脂の添加が行われてきた(例えば、特公昭56−50903号公報)。しかしながら、剛性は高くなるものの、衝撃強度が低下してしまう。
また、特開平7−268175号公報には、スチレン系重合体として一般用ポリスチレン、スチレン含量70質量%のスチレンブタジエンブロック共重合体及びスチレン含量40質量%のスチレンブタジエンブロック共重合体からなるスチレン系樹脂組成物が具体的に開示されている。しかしながら、このような樹脂組成物では、衝撃強度、透明性、剛性等の物性バランスの良好な熱可塑性樹脂組成物は得られていなかった。
【0003】
【特許文献1】
特公昭56−50903号公報
【特許文献2】
特開平7−268175号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的とするところは、実用強度が特に高く、透明性、剛性に優れ、その他の物性バランスも良好な高衝撃熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、芳香族ビニル単量体単位特定量と共役ジエン単位特定量よりなる共重合体2種類と、芳香族ビニル単量体単位特定量と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位特定量からなる共重合体と、芳香族ビニル単量体単位特定量と不飽和ニトリル単量体単位特定量からなる共重合体を、特定の割合で混合することにより、実用強度が特に高く、透明性、剛性に優れ、その他の物性バランスも良好な高衝撃熱可塑性樹脂組成物を見出した。
【0006】
即ち、本発明は、(A)芳香族ビニル単量体単位85〜95質量%と共役ジエン単位5〜15質量%よりなる共重合体5〜85質量%、(B)芳香族ビニル単量体単位70〜95質量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位5〜30質量%からなる共重合体5〜85質量%、(C)芳香族ビニル単量体単位20〜60質量%未満と共役ジエン単位40超〜80質量%からなる共重合体1〜45質量%、(D)芳香族ビニル単量体単位60〜85質量%と不飽和ニトリル単量体単位15〜40質量%からなる共重合体0.1〜10質量%からなる高衝撃熱可塑性樹脂組成物である。
【0007】
本発明の高衝撃熱可塑性樹脂組成物中の(A)共重合体は、芳香族ビニル単量体単位85〜95質量%と共役ジエン単位5〜15質量%からなる。芳香族ビニル単量体単位が85質量%未満、すなわち共役ジエン単位が15質量%を越えると、得られる組成物の透明性及び剛性が低下する。また、芳香族ビニル単量体単位が95質量%を越える場合、すなわち共役ジエン単位が5質量%未満であると、得られる組成物の実用強度が低くなる。
【0008】
本発明の(A)共重合体に用いる芳香族ビニル単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
【0009】
本発明の(A)共重合体に用いる共役ジエンとしては1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、これらの中で1,3−ブタジエンが特に好ましい。
(A)の共重合体は、芳香族ビニル単量体単位を主体としたブロックと共役ジエン単位を主体としたブロックを有する芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単位とからなるブロック共重合体またはそれを主体とした共重合体であることが好ましい。
この場合、ブロック共重合体の構造および各ブロック部分の構造は、特に限定されない。ブロック共重合体の構造としては、芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロック、共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックからなる例えば直線型、星型等のブロック共重合体がある。また、芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロックあるいは共役ジエン単位を主体とする重合体ブロック中に共重合されている芳香族ビニル単量体単位は重合体ブロック中に均一に分布していても、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。
(A)のブロック共重合体は、よく知られているように有機溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として芳香族ビニル単量体及び共役ジエンのモノマーを重合することにより製造できる。
また、(A)のブロック共重合体のブロック率及び分子量は特に限定されないが、ブロック率は50〜85%であることが好ましく、分子量(数平均分子量)は80000〜300000であることが好ましい。
【0010】
本発明の高衝撃熱可塑性樹脂組成物中の(B)共重合体は、芳香族ビニル単量体単位70〜95質量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位5〜30質量%からなる。好ましくは、芳香族ビニル単量体単位70〜85質量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位15〜30質量%からなることである。更に好ましくは、芳香族ビニル単量体単位75〜80質量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位20〜25質量%からなることである。芳香族ビニル単量体単位が70質量%未満、すなわち(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位が30質量%を越える場合、または芳香族ビニル単量体単位が95質量%を越える場合、すなわち(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位が5質量%未満であると、得られる組成物の透明性が低下する。
【0011】
本発明の(B)共重合体に用いる芳香族ビニル単量体としては、前述と同様のスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
【0012】
本発明の(B)共重合体の製造方法については特に制限はなく、例えば乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法等の重合方法が採用できる。
また、(B)共重合体は特に限定されないが、分子量(重量平均分子量)は100000〜350000であることが好ましい。
【0013】
本発明の高衝撃熱可塑性樹脂組成物中の(C)共重合体は、芳香族ビニル単量体単位20〜60質量%未満と共役ジエン単位40超〜80質量%からなる。好ましくは、芳香族ビニル単量体単位35〜55質量%と共役ジエン単位45〜65質量%からなることである。芳香族ビニル単量体単位が20質量%未満、すなわち共役ジエン単位が80質量%を越える場合、得られる組成物の剛性が低くなる。また、芳香族ビニル単量体単位が60質量%以上の場合、すなわち共役ジエン単位が40質量%以下であると、得られる組成物の実用強度が低くなる。
【0014】
本発明の(C)共重合体に用いる芳香族ビニル単量体としては、前述と同様のスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
【0015】
本発明の(C)共重合体に用いる共役ジエンとしては、前述と同様の1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、これらの中で1,3−ブタジエンが特に好ましい。
(C)の共重合体は、(A)の共重合体と同様に、芳香族ビニル単量体単位を主体としたブロックと共役ジエン単位を主体としたブロックを有する芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単位とからなるブロック共重合体またはそれを主体とした共重合体であることが好ましい。
この場合、ブロック共重合体の構造および各ブロック部分の構造は、特に限定されない。ブロック共重合体の構造としては、芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロック、共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなる例えば直線型、星型等のブロック共重合体がある。また、芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロックあるいは共役ジエンを主体とする重合体ブロック中に共重合されている芳香族ビニル単量体単位は重合体ブロック中に均一に分布していても、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。
(C)のブロック共重合体は、(A)のブロック共重合体と同様に、よく知られているように有機溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として芳香族ビニル単量体単位及び共役ジエンのモノマーを重合することにより製造できる。
また、(C)のブロック共重合体のブロック率及び分子量は特に限定されないが、ブロック率は70〜95%であることが好ましく、分子量(数平均分子量)は50000〜150000であることが好ましい。
【0016】
本発明の高衝撃熱可塑性樹脂組成物中の(D)共重合体は、芳香族ビニル単量体単位60〜85質量%と不飽和ニトリル単量体単位15〜40質量%からなる。好ましくは、芳香族ビニル単量体単位65〜85質量%と不飽和ニトリル単量体単位15〜35質量%からなることであり、更に好ましくは、芳香族ビニル単量体単位70〜85質量%と不飽和ニトリル単量体単位15〜30質量%からなることである。芳香族ビニル単量体単位が60質量%未満、すなわち不飽和ニトリル単量体単位が40質量%を越える場合、得られる組成物の透明性が低下する。また、芳香族ビニル単量体単位が85質量%を越える場合、すなわち不飽和ニトリル単量体単位が15質量%未満であると、得られる組成物の実用強度が低くなる。
【0017】
本発明で用いる(D)共重合体中の芳香族ビニル単量体単位としては、前述と同様のスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
【0018】
本発明で用いる(D)共重合体中の不飽和ニトリル単量体単位としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等が挙げられ、これらの中でアクリロニトリルが特に好ましい。
(D)共重合体の製造方法については特に制限はなく、例えば乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法等の重合方法が採用できる。
また、(D)共重合体は特に限定されないが、分子量(重量平均分子量)は50000〜300000であることが好ましい。
【0019】
本発明の高衝撃熱可塑性樹脂組成物は、(A)共重合体5〜85質量%、(B)共重合体5〜85質量%、(C)共重合体1〜45質量%、(D)共重合体0.1〜10質量%からなる。好ましくは、(A)共重合体5〜80質量%、(B)共重合体5〜80質量%、(C)共重合体1〜40質量%、(D)共重合体1〜10質量%からなることである。更に好ましくは、(A)共重合体10〜60質量%、(B)共重合体10〜60質量%、(C)共重合体2〜35質量%、(D)共重合体1〜8質量%からなることである。(A)共重合体が5質量%未満であるか、(B)共重合体が85質量%を超えるか、(C)共重合体が1質量%未満であるか、あるいは(D)共重合体が0.1質量%未満であると、得られる組成物の実用強度が低くなる。また、(A)共重合体が85質量%を超えるか、(B)共重合体が5質量%未満であるか、あるいは(C)共重合体が45質量%を超える場合、得られる組成物の剛性が低くなる。また、(D)共重合体が10質量%を超えると、得られる組成物の透明性が低下する。
更に、本発明の高衝撃熱可塑性樹脂組成物は、(A)共重合体中の共役ジエン単位と(C)共重合体中の共役ジエン単位の合計が組成物全体((A)+(B)+(C)+(D))の5〜30質量%であることが好ましい。
【0020】
本発明の高衝撃熱可塑性樹脂組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲内で用途に応じて他の添加剤あるいは改質剤を加えて組成物とすることが可能である。
本発明の高衝撃熱可塑性樹脂組成物に必要に応じて配合することができる添加剤としては、各種安定剤、加工助剤、耐光性向上剤、軟化剤、可塑剤、帯電防止剤、防曇剤、鉱油、フィラー、顔料、難燃剤、滑剤等が挙げられる。
【0021】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。これらはいずれも例示的なものであって、本発明の内容を限定するものではない。
参考例1 (A)共重合体の製造
内容積200リットルの重合缶に65リットルのシクロヘキサンと8.5gのテトラヒドロフラン(ランダム化剤)及び3.7kgのスチレンを仕込み攪拌を行いながら30℃にて125mlのn−ブチルリチウム(10%シクロヘキサン溶液)(開始剤)を添加後、昇温を行い、40分間重合させた。次に、ブタジエン0.5kgを添加し、40分間重合させた。次にスチレン7.4kgとブタジエン0.8kgを添加し、40分間重合させた。次にスチレン7.9kgとブタジエン2.1kgを添加し、40分間重合させた。その後、重合液に過剰のメタノールを添加し重合を停止させ、溶媒除去、乾燥させて目的の共重合体(a−1)を得た。他の共重合体(a−2〜4)も、仕込み量を変えた以外は、ほぼ同様の条件により作成した。尚、得られた共重合体(a−1〜4)の組成は、仕込みモノマーがほぼ完全に消費されるので、スチレン/ブタジエンの仕込み比と実質的に同じである。これらを表1に示す。
【0022】
参考例2 (B)共重合体の製造
内容積200リットルの重合缶に、純水70.4kg、第三リン酸カルシウム300gを加え、攪拌した後、スチレン64.6kg、メチルメタクリレート15.4kg、ベンゾイルパーオキサイド267.2gを加え、密封して100℃で6時間反応させた。これを冷却した後、中和、脱水、乾燥し、共重合体(b−1)を得た。他の共重合体(b−2〜4)も、仕込み量を変えた以外は、ほぼ同様の条件により作成した。これらを表2に示す。
【0023】
参考例3 (C)共重合体の製造
内容積200リットルの重合缶に65リットルのシクロヘキサンと7.0gのテトラヒドロフラン(ランダム化剤)及び3.3kgのスチレンを仕込み攪拌を行いながら30℃にて125mlのn−ブチルリチウム(10%シクロヘキサン溶液)(開始剤)を添加後、昇温を行い、40分間重合させた。次にスチレン5.1kgとブタジエン12.6kgを添加し、40分間重合させた。その後、重合液に過剰のメタノールを添加し重合を停止させ、溶媒除去、乾燥させて目的の共重合体(c−1)を得た。他の共重合体(c−2〜5)も、仕込み量を変えた以外は、ほぼ同様の条件により作成した。尚、得られた共重合体(c−1〜5)の組成は、仕込みモノマーがほぼ完全に消費されるので、スチレン/ブタジエンの仕込み比と実質的に同じである。これらを表3に示す。
【0024】
参考例4 (D)共重合体の製造
スチレン7.5kg、アクリロニトリル2.5kg、第三リン酸カルシウム250g、t−ドデシルメルカプタン50g、ベンゾイルパーオキサイド20g及び水25kgを70℃に加熱し重合を開始した。重合開始から7時間後に、温度を75℃に昇温して3時間保ち重合を完結させた(重合率97質量%)。得られた反応液を塩酸にて中和し、脱水、乾燥後白色ビーズ状の共重合体(c−1)を得た。他の共重合体(c−2〜4)も、仕込み量を変えた以外は、ほぼ同様の条件により作成した。これらを表4に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0003970175
【0026】
【表2】
Figure 0003970175
【0027】
【表3】
Figure 0003970175
【0028】
【表4】
Figure 0003970175
【0029】
実施例1〜7
表5に示した配合割合で全量8kgになるように、(A)共重合体、(B)共重合体、(C)共重合体及び(D)共重合体を、20リットルヘンシェルミキサーに投入しブレンド後、TEM35B押出機(東芝、2軸同方向)にて、温度200℃で押出しペレット化した。このペレットを使用し、射出成形機により試験片を作成し、実用強度、曇り度、全光線透過率、曲げ弾性率を測定した。結果は表5に示す。
【0030】
比較例1〜13
表6及び表7に示した配合割合で全量8kgになるように、(A)共重合体、(B)共重合体、(C)共重合体及び(D)共重合体を、20リットルヘンシェルミキサーに投入し(前記と同じ)ブレンド後、TEM35B押出機(東芝、2軸同方向)にて、温度200℃で押出しペレット化した。このペレットを使用し、射出成形機により試験片を作成し、実用強度、曇り度、全光線透過率、曲げ弾性率を測定した。結果は表6及び表7に示す。
【0031】
比較例1及び2は、(A)共重合体中の芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単位の量が本発明の範囲外。比較例3及び4は、(B)共重合体中の芳香族ビニル単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の量が範囲外。比較例5及び6は、(C)共重合体中の芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単位の量が範囲外。比較例7及び8は、(D)共重合体中の芳香族ビニル単量体単位と不飽和ニトリル単量体単位の量が本発明の範囲外。比較例9及び10は、(D)共重合体の含有量が範囲外。比較例11は、(A)共重合体及び(B)共重合体の含有量が範囲外。比較例12は、(A)共重合体、(B)共重合体、(C)共重合体及び(D)共重合体の含有量が範囲外。比較例13は、(C)共重合体の含有量が範囲外である。
【0032】
【表5】
Figure 0003970175
【0033】
【表6】
Figure 0003970175
【0034】
【表7】
Figure 0003970175
【0035】
尚、表5、表6及び表7における物性測定は、以下の方法で行った。
(1) 実用強度は、成形温度200℃で成形した厚さ2.0mmの射出成形品によりハイドロショット(島津製作所製、HTM−1)を用いてブレイクポイントを測定した。
【0036】
(2)透明性は、成形温度200℃で成形した厚さ2.0mmの射出成形品により、曇り度及び全光線透過率を、ASTM D1003に準拠し、日本電色工業製HAZEメーター(NDH−1001DP型)を用いて測定した。
【0037】
(3)剛性は、ASTM D−790に従い、成形温度220℃で成形した厚さ6.4mmの射出成形品により曲げ弾性率を測定した。
【0038】
実施例及び比較例の結果から、組成物中の(A)共重合体が、芳香族ビニル単量体単位85〜95質量%と共役ジエン単位5〜15質量%からなり、それ自体の含有量が5〜85質量%であり、(B)共重合体が、芳香族ビニル単量体単位70〜95質量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位5〜30質量%からなり、それ自体の含有量が5〜85質量%であり、(C)共重合体が、芳香族ビニル単量体単位20〜60質量%未満と共役ジエン単位40超〜80質量%からなり、それ自体の含有量が1〜45質量%であり、(D)共重合体が、芳香族ビニル単量体単位60〜85質量%と不飽和ニトリル単量体単位15〜40質量%からなり、それ自体の含有量が0.1〜10質量%であるときにのみ、実用強度が特に高く、透明性、剛性に優れ、その他の物性バランスも良好であることがわかる。
【0039】
【発明の効果】
上記で述べたとおり、特定の割合の芳香族ビニル単量体単位及び共役ジエン単位を含有する(A)共重合体、特定の割合の芳香族ビニル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位を含有する(B)共重合体、特定の割合の芳香族ビニル単量体単位及び共役ジエン単位を含有する(C)共重合体、並びに特定の割合の芳香族ビニル単量体単位及び不飽和ニトリル単量体単位を含有する(D)共重合体を必須成分とし、これらを特定の割合で配合した本発明の高衝撃熱可塑性樹脂組成物は、実用強度が特に高く、透明性、剛性に優れ、その他の物性バランスも良好であり、産業上の利用価値が極めて大きい。

Claims (7)

  1. (A)芳香族ビニル単量体単位85〜95質量%と共役ジエン単位5〜15質量%よりなる共重合体5〜85質量%、(B)芳香族ビニル単量体単位70〜95質量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位5〜30質量%からなる共重合体5〜85質量%、(C)芳香族ビニル単量体単位20〜60質量%未満と共役ジエン単位40超〜80質量%からなる共重合体1〜45質量%、(D)芳香族ビニル単量体単位60〜85質量%と不飽和ニトリル単量体単位15〜40質量%からなる共重合体0.1〜10質量%からなる高衝撃熱可塑性樹脂組成物。
  2. (A)芳香族ビニル単量体単位85〜90質量%と共役ジエン単位5〜10質量%よりなる共重合体5〜85質量%、(B)芳香族ビニル単量体単位70〜95質量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位5〜30質量%からなる共重合体5〜85質量%、(C)芳香族ビニル単量体単位20〜60質量%未満と共役ジエン単位40超〜80質量%からなる共重合体1〜45質量%、(D)芳香族ビニル単量体単位60〜85質量%と不飽和ニトリル単量体単位15〜40質量%からなる共重合体0.1〜10質量%からなる高衝撃熱可塑性樹脂組成物。
  3. (A)共重合体中の共役ジエン単位と(C)共重合体中の共役ジエン単位の合計が全体((A)+(B)+(C)+(D))の5〜30質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の高衝撃熱可塑性樹脂組成物。
  4. (A)共重合体及び(C)共重合体が芳香族ビニル単量体単位からなるブロックと共役ジエン単位からなるブロックを有するブロック共重合体であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の高衝撃熱可塑性樹脂組成物。
  5. (A)共重合体及び(C)共重合体の芳香族ビニル単量体単位がスチレン、共役ジエン単位がブタジエンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の高衝撃熱可塑性樹脂組成物。
  6. (B)共重合体の芳香族ビニル単量体単位がスチレン、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位がメチルメタクリレートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の高衝撃熱可塑性樹脂組成物。
  7. (D)共重合体の芳香族ビニル単量体単位がスチレン、不飽和ニトリル単量体単位がアクリロニトリルであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の高衝撃熱可塑性樹脂組成物。
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