JP3204412B2 - 難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性熱可塑性樹脂組成物

Info

Publication number
JP3204412B2
JP3204412B2 JP10544792A JP10544792A JP3204412B2 JP 3204412 B2 JP3204412 B2 JP 3204412B2 JP 10544792 A JP10544792 A JP 10544792A JP 10544792 A JP10544792 A JP 10544792A JP 3204412 B2 JP3204412 B2 JP 3204412B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
aromatic vinyl
parts
component
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10544792A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05279549A (ja
Inventor
徳彦 安藤
謙治 延原
一樹 岩井
建樹 古山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP10544792A priority Critical patent/JP3204412B2/ja
Publication of JPH05279549A publication Critical patent/JPH05279549A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3204412B2 publication Critical patent/JP3204412B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面光沢を低下させる
ことなく耐薬ストレスクラッキング性を向上させた難燃
性の樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】難燃性樹脂は、電気製品のハウジング部
品の成形材料として広く使用されている。電気製品には
可塑剤を含む被覆材で被覆された電線が用いられるの
で、その可塑剤によってハウジングや成形材料が破損す
るという耐薬ストレスクラッキング不足によるトラブル
が生じる。しかし、従来の難燃性樹脂では耐薬ストレス
クラッキング性が充分でなく、その改良が求められてい
た。難燃性のABS樹脂では、その改良方法として、A
BS樹脂中のシアン化ビニル含量を高くする方法が一般
に用いられており、この方法で耐薬ストレスクラッキン
グ性が改善されているが未だ十分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を解決するためになされたもので、表面光沢を
低下させることなく耐薬ストレスクラッキング性に優れ
た難燃性の樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (A)ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニルおよびシア
ン化ビニルを重合して得られるゴム強化スチレン系樹脂
10〜100重量%および (B)芳香族ビニルとシアン化ビニルからなる共重合体
0〜90重量%から成る混合物100重量部に対して、 (C)芳香族ビニル−共役ジエン系のブロック共重合体
および/またはその水素添加物:0.5〜20重量部 (D)ハロゲン化ポリオレフィン:0.5〜20重量部 (E)難燃剤:0〜50重量部 (F)アンチモン化合物:0〜15重量部を含有するこ
とを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成物ならびに、 (A)ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニルおよびシア
ン化ビニルを重合して得られるゴム強化スチレン系樹脂
10〜100重量%および (B)芳香族ビニルとシアン化ビニルから成る共重合体
0〜90重量%から成る混合物100重量部に対して (C′)下記に示す芳香族ビニル共役ジエン系のブロッ
ク共重合体0.5〜20重量部 (E)難燃剤:0〜50重量部 (F)アンチモン化合物:0〜15重量部を含有するこ
とを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成物 記 上記(C′)成分は、芳香族ビニル化合物含量が25〜
95重量%の芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック
共重合体であって、該共重合体が、下記一般式のもので
る。 (A−B)n および/またはA−B−Aおよび/または
(A−B)n X (式中Aは芳香族ビニル化合物重合体ブロックであっ
て、両端のAの合計量は芳香族ビニル化合物全体の50
〜97重量%を含み、Bは共役ジエンと芳香族ビニル化
合物との共重合体であって、芳香族ビニル化合物が漸増
するテーパブロックを2〜10個有し、nは3〜6の整
数、Xはカップリング剤の残基である。)を提供するも
のである。
【0005】以下、本発明について詳細に説明する。
(A)成分に使用されるゴム状重合体としては、例えば
ポリブタジエン、ブタジエン−スチレンランダム共重合
体、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体などで代表されるジエン系ゴム状重合体あるいは
その水素添加物、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体、アクリル酸エステルを主体としたアクリルゴム、イ
ソブチレン−イソプロピレン共重合体、シリコーンゴ
ム、ポリウレタンゴムなどを使用することができるが、
所望のグラフト率を容易に得るためにはポリブタジエ
ン、ブタジエン−スチレン共重合体などのジエン系ゴム
状重合体を使用することが好ましく、また耐光性を向上
させるためにシリコーンゴム、エチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合
体、エチレン−ブテン共重合体などのエチレン−α−オ
レフィン系ゴム状重合体、ジエン系ゴム状重合体の水素
添加物を使用することが好ましい。
【0006】(A)成分で使用される芳香族ビニル化合
物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、ビニルトルエン及びクロルスチレ
ン、ブロモスチレンなどのハロゲン置換スチレンなどが
挙げられ、好ましくはスチレン、α−メチルスチレンが
挙げられる。
【0007】また、シアン化ビニル化合物としては、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ
る。
【0008】なお、(A)成分のゴム強化スチレン系樹
脂中のゴム質重合体以外の成分である(共)重合されて
いる芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物の割合
は、好ましくは50〜97/50〜3重量%、更に好ま
しくは60〜95/40〜5重量%である。シアン化ビ
ニル化合物が50重量%を超えると、熱安定性が低下
し、好ましくない。また、シアン化ビニル化合物が3重
量%未満であると耐衝撃性、耐薬品性が劣る。
【0009】また、必要に応じて併用できる前記以外の
他の単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル
などの(メタ)アクリル酸エステル;アクリル酸、メタ
クリル酸等の(メタ)アクリル酸;マレイミド、N−フ
ェニルマレイミド等のマレイミド系単量体;ジビニルベ
ンゼンで代表される非共役ジビニル化合物、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレートなどの多価(メタ)アクリレート
化合物の1種または2種以上を、重合工程や本発明の組
成物の物性に影響を与えない範囲で適宜使用することが
できる。なお、これらの他の単量体の使用量は、単量体
混合物中に好ましくは50重量%以下、更に好ましくは
30重量%以下である。
【0010】(A)成分のゴム状重合体成分の含有量は
好ましくは3〜60重量%、更に好ましくは5〜40重
量%である。含有量が3重量%未満であると十分な耐衝
撃性が得られず好ましくない。一方、60重量%を超え
ると、難燃性、実用成形性が低下し好ましくない。
【0011】また、(A)成分中のグラフト率は好まし
くは15〜180重量%、更に好ましくは30〜150
重量%で、グラフト率が15重量%未満では、十分な耐
衝撃性が得られず好ましくない。一方、180重量%を
超えると成形品の光沢度の低下、耐熱性の低下の傾向が
あり好ましくない。
【0012】さらに(A)成分中のメチルエチルケトン
可溶分の極限粘度は好ましくは0.3〜0.8dl/
g、さらに好ましくは0.35〜0.7dl/gであ
る。この範囲にあると、耐衝撃性と実用成形性のバラン
スの良好な難燃性樹脂組成物が得られる。本発明に使用
される(A)成分中のメチルエチルケトン可溶分の重量
平均分子量は、10,000〜800,000、好まし
くは、50,000〜500,000で、この範囲より
小さいと耐衝撃性の改良が期待できず、またこの範囲よ
り大きいと、(A)〜(B)成分との相溶性が悪くなり
好ましくない。
【0013】(A)成分の製造方法としては、公知の乳
化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合などにより重合
すればよい。この際、メチルエチルケトン可溶分の極限
粘度は、重合時の分子量調節剤の種類、量を適宜選択す
ることにより調節することができる。また、グラフト率
については、分子量調節剤の種類、量、さらには単量体
成分(単量体混合物)の重合系への添加時間などを適宜
選択することにより調節することができる。
【0014】(B)成分は、芳香族ビニルとシアン化ビ
ニルから成る共重合体であり、スチレン系樹脂である。
(B)成分に(共)重合されている芳香族ビニル化合物
としては、先に示した芳香族ビニル化合物が使用でき
る。好ましくはスチレン、α−メチルスチレンである。
また、共重合されているシアン化ビニル化合物として
は、アクリロニトリル、メタクリトニトリルなどが挙げ
られる。
【0015】なお、(B)成分に共重合されている芳香
族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物の割合は、好ま
しくは50〜100/50〜0重量%、更に好ましくは
60〜95/40〜5重量%である。シアン化ビニル化
合物が50重量%を超えると、熱安定性が低下し好まし
くない。シアン化ビニル化合物を使用すると(A)成分
との混合性が一段と向上し、優れた品質の組成物が得ら
れる。必要に応じて、他の共重合可能な単量体を用いる
ことができる。他の共重合可能な単量体としては、前記
した他の共重合可能な単量体を使用することができる。
また、(B)成分の極限粘度は好ましくは0.3〜0.
8dl/g、さらに好ましくは0.35〜0.7dl/
gである。この範囲にあると、耐衝撃性と実用成形性の
バランスの良好な難燃性樹脂組成物が得られる。(B)
成分の製造方法としては、公知の乳化重合、懸濁重合、
溶液重合、塊状重合などにより重合すればよい。なお、
(B)成分は、(A)成分と(B)成分から成る混合物
中のゴム状重合体の含量を調整するために配合されるも
のである。
【0016】(C)成分は芳香族ビニル−共役ジエン系
ブロック共重合体および/またはその水素添加物であ
る。請求項(1)の組成物で使用される(C)成分のブ
ロック共重合体については、特に制限されるものでない
が、好ましくは、下記の芳香族ビニル化合物−共役ジエ
ンブロック共重合体またはその水素添加物である。(A
−B)n および/またはA−B−Aおよび/または(A
−B)n X(式中、Aは芳香族ビニル化合物の重合体ブ
ロックであり、全芳香族ビニル化合物の50重量%以上を
含むことが好ましく、さらに50〜97重量%含んでい
るのが好ましい。Bは共役ジエンあるいはB中に50重
量%以下の芳香族ビニル化合物が共重合された共役ジエ
ンの共重合体ブロックであり、かつAの合計量は全芳香
族ビニル化合物の50〜100重量%、Xはカップリン
グ剤の残基、nは2〜6好ましくは3〜6の整数であ
る。)上記ブロック共重合体の全芳香族ビニル化合物の
含量は25〜95重量%、好ましくは28〜90重量%
である。
【0017】ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル
化合物は、先に示したものが使用できる。これらのうち
特に好ましいものはスチレンである。一方、共役ジエン
化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、ピペ
リレンなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは
ブタジエン、イソプレンである。さらに、請求項(2)
の組成物で使用される(C′)成分のブロック共重合体
も使用でき、この(C′)成分を用いると耐薬ストレス
クラッキング性が一段と優れた組成物が得られるので好
ましい。
【0018】(C)成分の添加量は、(A)成分と
(B)成分から成る混合物100重量部に対して0.5
〜20重量部、好ましくは3〜10重量部である。添加
量が0.5重量部未満であると目的とする耐薬ストレス
クラッキング性が得られず、一方、20重量部を超える
と難燃性および表面光沢が著しく低下し、好ましくな
い。
【0019】(D)成分はハロゲン化ポリオレフィンで
あり、例えば塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、臭素化ポリエチレン、塩素化エチレン−プロピレン
共重合体などが挙げられる。これらの中では、塩素化ポ
リエチレン、塩素化ポリプロピレンなどの塩素化ポリオ
レフィン、特に塩素化ポリエチレンが好ましい。これら
のハロゲン化ポリオレフィン中のハロゲン含有量は、好
ましくは20〜50重量%、さらに好ましくは25〜4
5重量%である。(D)成分を用いることにより、
(E)成分単独で使用する場合に比べ難燃性を向上させ
ることができ、また(C)成分と同様に耐薬ストレスク
ラッキング性を向上させることができる。
【0020】本発明に使用されるハロゲン化ポリオレフ
ィンの重量平均分子量は、好ましくは100,000〜
300,000、更に好ましくは150,000〜25
0,000である。重量分子量が100,000未満で
あると十分な耐薬ストレスクラッキング性が得られず3
00,000を超えると実用成形性が低下するので、好
ましくない。また、(D)成分の添加量は(A)成分と
(B)成分から成る混合物100重量部に対して0.5
〜20重量部、好ましくは3〜10重量部である。添加
量が0.5重量部未満であると目的とする耐薬ストレス
クラッキング性が得られず、一方、20重量部を超える
、耐薬ストレスクラッキング性は向上するものの、
用成形性および成形熱安定性が著しく低下し、好ましく
ない。
【0021】(E)成分は難燃剤であり、主としてハロ
ゲン化有機化合物で、特に限定するものではないが、
えばテトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビス
フェノールSなどが挙げられる。(E)成分の添加量
は、(A)成分と(B)成分からなる混合物100重量
部に対して0〜50重量部、好ましくは1〜45重量
部、さらに好ましくは5〜40重量部、特に好ましくは
15〜30重量部である。添加量が50重量部を超える
と成形熱安定性が著しく低下し、好ましくない。
【0022】(F)成分は、アンチモン化合物であり、
例えば三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化ア
ンチモン、アンチモン酸ナトリウム、リン酸アンチモン
などが挙げられるが、好ましくは三酸化アンチモン、ア
ンチモン酸ナトリウムである。(F)成分を用いると、
一般と優れた難燃性が得られる。(F)成分の添加量が
(A)成分と(B)成分なる混合物100重量部に対し
て15重量部を超えると耐衝撃性が著しく低下し、好ま
しくない。
【0023】請求項(2)の(A)成分と(B)成分
は、請求項(1)と同じである。すなわち、(A)成分
は、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニルおよびシアン
化ビニルを重合して得られるゴム強化スチレン系樹脂で
あり、(B)成分は、芳香族ビニルとシアン化ビニルか
らなる共重合体である。(A)成分10〜100重量%
と(B)成分90〜0重量%から成る混合物100重量
部に対して、請求項(2)の(C′)成分は、下記に示
すブロック共重合体およびその水素添加物が用いられ
る。(C′)成分を用いると一段と耐薬ストレスクラッ
キング性の優れた組成物が得られる。
【0024】(C′)成分は、芳香族ビニル化合物の含
量が25〜95重量%のブロック共重合体であって、一
般式 (A−B)n および/またはA−B−Aおよび/または
(A−B)n X (式中、Aは芳香族ビニル化合物単量体ブロックであっ
て、Aの合計量は芳香族ビニル化合物の50〜97重量
%を含み、Bは共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共
重合体であって、Bが芳香族ビニル化合物が漸増するテ
ーパーブロックを2〜10個有し、nは3〜6の整数、
Xはカップリング剤の残基)で表わされブロック共重
合体である。上記式中のBに於いて芳香族ビニル化合物
がモノマー単位で1個もしくは4個以下連なった連鎖を
構成する芳香族ビニル化合物の含量が、好ましくは芳香
族ビニル化合物全体の1〜25重量%、更に好ましくは
2〜20重量%、特に好ましくは5〜20重量%であ
る。B中の芳香族ビニル化合物と共役ジエンの組成割合
は好ましくは、3〜15/97〜85重量%である。こ
の範囲にあると耐薬ストレスクラッキング性に優れる。
一方、テーパーブロックの好ましい数は2〜7個であ
る。上記の芳香族ビニル化合物は先に示した芳香族ビニ
ル化合物が使用できる。好ましくはスチレンである。共
役ジエンとしては先に示されたものが使用できる。好ま
しくはブタジエン、イソプレンである。
【0025】(C′)成分は、例えば次のような方法で
製造することができる。すなわち炭化水素溶媒中にエー
テルまたは第3級アミンを添加し、有機リチウム化合物
を開始剤として用い、まず、芳香族ビニル化合物を重合
し、重合反応が実質的に終了したのち、芳香族ビニル化
合物と共役ジエン化合物の混合物を2回〜10回に分け
て添加して重合し、必要ならそののち、1回添加分と等
量の共役ジエンを添加して重合する。
【0026】さらに一般式A−B−Aのブロック共重合
体は、そののち芳香族ビニル化合物を重合して得られ
る。また一般式(A−B)n Xのブロック共重合体は、
そののち従来公知のカップリング剤、例えばテトラクロ
ロシランなどを用いてカップリング反応を行うことによ
って得られる。なお(A−B)n 型ブロック共重合体
は、上記A−B−A型の製造において、最初に共役ジエ
ンと芳香族ビニル化合物を同時に加えて重合すればよ
い。またA−B−A型のブロック共重合体の製造におい
ては、最後の芳香族ビニル化合物を重合しなければよ
い。上記の芳香族ビニル化合物と共役ジエンの混合物を
2回〜10回に分けて重合する工程において、各回の単
量体の使用量は同程度の方が好ましく、また、モノマー
を添加する方法としては、モノマー混合物を添加する方
法または共役ジエンと芳香族ビニル化合物を別々に同時
に添加しても良い。
【0027】ブロック共重合体中の好ましい芳香族ビニ
ル化合物の連鎖分布の量は、炭化水素溶媒中にエーテル
または第3級アミンをモノマー100重量部当り0.0
05〜5重量部、好ましくは0.005〜0.5重量部
添加することにより得られる。
【0028】本発明に使用されるブロック共重合体の製
造に用いられる炭化水素溶媒としては、シクロペンタジ
エン、シクロヘキサン、ベンゼン、キシレンおよびこれ
らとペンタヘキサン、ヘプタン、ブタンなどとの混合物
が用いられる。また有機リチウム化合物としては、n−
ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−
ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、iso−ヘキ
シルリチウム、フェニルリチウム、ナフチルリチウムな
どが用いられる。
【0029】(C′)成分の添加量は、(A)成分と
(B)成分から成る混合物100重量部に対して0.5
〜20重量部、好ましくは、3〜10重量部である。添
加量が0.5重量部未満であると目的とする耐薬ストレ
スクラッキング性が得られず、一方、20重量部を超え
ると難燃性および表面光沢が著しく低下し、好ましくな
い。請求項(2)の(E)成分および(F)成分は、そ
の配合量とも請求項(1)のものと同じである。
【0030】本発明の難燃性樹脂組成物は、公知の樹脂
組成物の製造方法となんら変わることなく製造すること
ができる。すなわち、前記各成分およびその他の必要と
される添加剤を、通常用いられるヘンシェル型ミキサ
ー、タンブラーなどによる混合、および熱ロール、押出
機、バンバリーミキサーなどによる溶融混合により製造
することができるが、前記一部成分について、高濃度に
配合したマスターバッチをあらかじめ調製し、これを未
配合の成分に配合する、いわゆるマスターバッチ方式で
混合することもできる。
【0031】本発明の難燃性樹脂組成物は、引き続き押
出成形、射出成形、圧縮成形などにより成形されて成形
品とされるが、これらの成形品は、機械的性質のほか、
難燃性、耐薬ストレスクラッキング性、実用成形性およ
び耐衝撃性にも優れており、表面外観も良好であるの
で、機械部品、電気部品、自動車部品として極めて有用
である。
【0032】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例中の部および%は、それぞれ重量基
準である。また、得られた組成物についての物性の評価
は下記の通りである。 耐薬品性 耐薬ストレスクラッキング性を測定するために、幅40
mm、厚さ1.6mmの試験片を1/4楕円の治具に固
定して可塑剤を塗布し、48時間後に生ずる亀裂の位置
により臨界歪を求め評価した。 燃焼試験UL94 に準拠した。 試験片;1/8″×1/2″×5″および1/12″×
1/2″×5″ 表面光沢 光沢計を用い、光源を試料に対して入射角45°で照射
し、光沢度(%)を測定した。
【0033】(A)グラフト共重合体の調製;ポリブタ
ジエンラテックスの存在下に、スチレン、アクリロニト
リルおよび重合薬品を用い、乳化重合を行い、表1に示
すグラフト共重合体を得た。
【表1】 (B)共重合体の調製;スチレン、アクリルニトリルお
よび重合薬品を用い、バルク重合で表2の共重合体を得
た。
【表2】 (C)ブロック共重合体の調製;スチレン、ブタジエン
および有機リチウム化合物を用い、バルク重合で表3の
ブロック共重合体を得た。
【表3】 (D)成分の調製;(D)成分として、ダイソー株式会
社製ダイソラックH135(塩素含有量35%、重量平
均分子量200,000)を用いた。 (E)成分の調製;(E)成分としてテトラブロモビス
フェノールA(TBA)を用いた。 (F)成分の調製;(F)成分として三酸化アンチモン
を用いた。
【0034】実施例1〜7、比較例1〜4 表4に示す配合処方で、それぞれヘンシェルミキサーを
用いて混合し、50mmφの単軸押出機で溶融混練りし
てペレットを作製し、これを用いて各種物性の評価を行
った。結果を併せて表4に示す。
【表4】
【0035】実施例1〜9は、本発明の難燃性樹脂組成
物であり、本発明の目的とするものが得られる。これに
対し、比較例1は(C)成分のブロック共重合体、
(D)成分のハロゲン化ポリオレフィンをともに未添加
の例で耐薬品性が劣る。また、比較例2は(C)成分、
未添加の例であり、やはり耐薬品性が劣る。(D)成分
のみ範囲を越えて添加した比較例3は、表面光沢性が劣
る。比較例4は(C)成分を範囲を超えて加え(D)成
分を加えない例で、難燃性、表面光沢性が劣る。比較例
5は(C)成分、(D)成分ともに範囲を超えて加えた
例で、難燃性、表面光沢性が劣る。
【0036】
【発明の効果】本発明の難燃性樹脂組成物は、芳香族ビ
ニル−共役ジエンブロック共重合体および塩素化ポリオ
レフィン化合物を含有することにより、表面光沢や実用
成形性を低下させることなく耐薬ストレスクラッキング
性が著しく改良される。
【0037】従来の難燃性樹脂組成物では耐薬品性が悪
いために、新しい用途への展開に大きな支障となってい
たが、本発明の難燃性樹脂組成物は耐薬品性に優れてい
ることから、新しい用途への展開が期待できる。従って
工業的価値は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C08L 51/04 53:02 23:28) (72)発明者 古山 建樹 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−183748(JP,A) 特開 平2−20562(JP,A) 特開 昭62−197409(JP,A) 特開 昭59−187045(JP,A) 特開 昭62−197410(JP,A) 特開 昭62−212464(JP,A) 特開 昭56−50943(JP,A) 特表 平5−504980(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 55/02 C08K 3/22 C08K 5/00 C08L 25/12 C08L 51/04 C08L 53/02 C08L 23/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニ
    ルおよびシアン化ビニルを重合して得られるゴム強化ス
    チレン系樹脂10〜100重量%および (B)芳香族ビニルとシアン化ビニルからなる共重合体
    0〜90重量%から成る混合物100重量部に対して、 (C)芳香族ビニル−共役ジエン系のブロック共重合体
    および/またはその水素添加物:0.5〜20重量部 (D)ハロゲン化ポリオレフィン:0.5〜20重量部 (E)難燃剤:0〜50重量部 (F)アンチモン化合物:0〜15重量部 を含有することを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】(A)ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニ
    ルおよびシアン化ビニルを重合して得られるゴム強化ス
    チレン系樹脂10〜100重量%および (B)芳香族ビニルとシアン化ビニルから成る共重合体
    0〜90重量%から成る混合物100重量部に対して (C′)下記に示す芳香族ビニル共役ジエン系のブロッ
    ク共重合体0.5〜20重量部 (E)難燃剤:0〜50重量部 (F)アンチモン化合物:0〜15重量部 を含有することを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成
    物。 記 上記(C′)成分は、芳香族ビニル化合物含量が25〜
    95重量%の芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック
    共重合体であって、該共重合体が、下記一般式のもので
    ある。 (A−B)n および/またはA−B−Aおよび/または
    (A−B)n X (式中Aは芳香族ビニル化合物重合体ブロックであっ
    て、両端のAの合計量は芳香族ビニル化合物全体の50
    〜97重量%を含み、Bは共役ジエンと芳香族ビニル化
    合物との共重合体であって、かつ芳香族ビニル化合物が
    漸増するテーパブロックを2〜10個有し、nは3〜6
    の整数、Xはカップリング剤の残基である。)
JP10544792A 1992-03-31 1992-03-31 難燃性熱可塑性樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3204412B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10544792A JP3204412B2 (ja) 1992-03-31 1992-03-31 難燃性熱可塑性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10544792A JP3204412B2 (ja) 1992-03-31 1992-03-31 難燃性熱可塑性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05279549A JPH05279549A (ja) 1993-10-26
JP3204412B2 true JP3204412B2 (ja) 2001-09-04

Family

ID=14407849

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10544792A Expired - Fee Related JP3204412B2 (ja) 1992-03-31 1992-03-31 難燃性熱可塑性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3204412B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19638256A1 (de) * 1996-09-19 1998-03-26 Basf Ag Thermoplastische Formmassen
KR20040012014A (ko) * 2002-07-31 2004-02-11 제일모직주식회사 내충격성 및 외관 특성이 우수한 난연성 스티렌계 수지조성물
KR101101578B1 (ko) * 2006-09-11 2012-01-02 주식회사 엘지화학 난연성 및 내후성이 우수한 열가소성 수지 조성물
JP2010222448A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Ps Japan Corp 耐薬品性に優れるスチレン系樹脂組成物及びこれを用いて形成された成形体
JP2010222456A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Ps Japan Corp 耐薬品性に優れるスチレン系樹脂組成物及びこれを用いて形成された成形体
WO2019158564A1 (en) * 2018-02-16 2019-08-22 Ineos Styrolution Group Gmbh High heat resistant abs molding composition
CN112272686B (zh) * 2018-04-16 2023-10-27 英力士苯领集团股份公司 超高流量丙烯腈丁二烯苯乙烯共聚物组合物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05279549A (ja) 1993-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3109279B1 (en) Thermoplastic resin composition, and molded product and method for producing same
KR20060131373A (ko) 내화학성과 내크랙성이 우수한 내열성 abs 수지 조성물
JP3204412B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JPS6366862B2 (ja)
JP3364993B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JPH0525360A (ja) ブロツク共重合体樹脂組成物
JPH0195143A (ja) 樹脂組成物
JPS60170650A (ja) 熱可塑性エラストマ−組成物
JPH02279753A (ja) 樹脂組成物
JPH01138252A (ja) 樹脂組成物
JPH0593120A (ja) 樹脂組成物
JPS6225698B2 (ja)
JPH0488047A (ja) 樹脂組成物
JPH0312099B2 (ja)
JPH0841281A (ja) 耐衝撃性樹脂組成物
JPH01289851A (ja) 樹脂組成物
JPH0428744A (ja) 樹脂組成物
JPH0488046A (ja) 樹脂組成物
JPH03237148A (ja) 樹脂組成物
JPH01139638A (ja) 樹脂組成物
JPS634586B2 (ja)
JPH01289850A (ja) 樹脂組成物
JPH0257088B2 (ja)
JPH028236A (ja) 樹脂組成物
JPH01278550A (ja) 樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees