JP3969847B2 - 撥水剤及びその処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撥水剤及びその処理方法に関し、更に詳しくは、被処理面に対して優れた濡れ性を発揮することができ、被処理面に展延するだけで優れた撥水性及び撥水持続性を有する撥水性被膜を容易に形成することができる撥水剤及びその処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来から、例えば、自動車、船舶、車両等における窓ガラス等のガラス面等の被処理面に、撥水性を付与することができるガラス用撥水剤があった。このガラス用撥水剤を、例えば、自動車のフロントガラス等に処理した場合には、雨天時の高速走行等において、良好な視界を確保することができた。
【0003】
前記ガラス用撥水剤としては、例えば、アルキルポリシロキサン、並びに硫酸、リン酸、芳香族スルホン酸、脂肪族スルホン酸及び塩酸の群から選ばれた1つの酸よりなる組成物(特公昭50−15473号公報)、ジメチルポリシロキサンを主成分とするオルガノポリシロキサンと、特定のフッ素化スルホン酸を揮発性溶剤に溶解したことを特徴とする無機材表面の撥水性処理剤(特公昭63−67828号公報)、水及び/又は水溶性有機溶媒中に、アミノ変性シリコーンオイルと界面活性剤とを含有する自動車のウインドガラス用撥水剤(特開平5−301742号公報)、アルコール溶液に特定量のフルオロアルキルシランと特定量の酸触媒と特定量の水とを含有してなる撥水処理剤(特開平5−311156号)、フルオロアルキルシラン、強酸又は強アルカリ触媒、アルコール類を主成分とする溶剤及び不溶性微粉末を含有する長期持続型撥水剤(特開平8−277388号公報)、アルコキシ基含有フルオロアルキルシラン、強酸又は強アルカリ触媒及び前記アルコキシ基含有フルオロアルキルシランを溶解するアルコールを主成分とする無水溶剤と、特定濃度の低級アルコール水溶液とからなる二液性長期持続型ガラス用撥水処理剤(特開平9−104861号公報)、特定のフルオロアルキル基含有アルコキシシラン、特定のアルコキシシラン、加水分解触媒及び有機溶媒を含有する撥水剤組成物(特開平9−13017号公報)、アルコールと特定のフルオロアルキル基含有アルコキシシランと特定の両末端水酸基含有オルガノシロキサンと加水分解触媒とを含有する撥水剤組成物(特開平9−176622号公報)等があった。
【0004】
これらの問題は、例えば、ガラス用撥水剤における被処理面に対する濡れ性(「レベリング性」、「塗工性」等と言い換えることもできる。)が悪いことによって、ガラス用撥水剤が被処理面上で凝集すること等に起因すると考えられる。
【0005】
さらに、前記ガラス用撥水剤においては、例えば、撥水剤処理面が乾燥した後において、この撥水剤処理面から過剰の撥水剤成分を除去する除去作業、撥水剤処理面に付着した撥水剤成分をレベリングさせるレベリング作業等を行なわなければならず、特に、撥水剤処理面が乾燥した後にガラス面から過剰の撥水剤成分を拭き取ることが困難であり、一度付着乾燥した過剰の撥水剤成分を除去する拭き取り作業等が煩雑かつ重労働であるという問題、言い換えると、撥水剤処理面が乾燥した後において、撥水剤処理面の拭き取り仕上げ作業を省略することができないという問題があった。
【0006】
よって、従来から、被処理面に対して優れた濡れ性を有し、撥水剤処理面が乾燥した後において、撥水剤処理面の拭き取り仕上げ作業を行なう必要がない撥水剤及びその処理方法が望まれていた。また、撥水剤における保存安定性をより向上させることが望まれていた。
【0007】
本発明は、従来からの諸問題を解決することを目的とする。
【0008】
本発明の目的は、被処理面に対して優れた濡れ性を有し、被処理面に展延するだけで優れた撥水性及び撥水持続性を有する撥水性被膜を容易に形成することができる撥水剤及びその処理方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、優れた保存安定性を有する撥水剤及びその処理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、(A)アルコキシ基を有するフルオロアルキル基含有アルコキシシランと、(B)加水分解用触媒と、(C)エタノール、i−プロピルアルコール、及びn−プロピルアルコールからなる群より選択される少なくとも一種のアルコールと、(D)その沸点が40〜130℃である低沸点炭化水素系溶剤と、(E)揮発性シリコンとを含有することを特徴とする撥水剤であり、
前記撥水剤における好適な態様では、前記低沸点炭化水素系溶剤がヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、ヘプタン、及びオクタンからなる群より選択される少なくとも一種の炭化水素系溶剤であり、
前記課題を解決するための第2の手段は、前記撥水剤を被処理面に展延した後に、撥水剤処理面を乾燥することを特徴とする撥水剤の処理方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の撥水剤は、(A)フルオロアルキル基含有アルコキシシラン(以下、A成分と称する。)と、(B)加水分解用触媒(以下、B成分と称する。)と、(C)アルコール(以下、C成分と称する。)と、(D)低沸点炭化水素系溶剤(以下、D成分と称する。)と、(E)揮発性シリコン(以下、E成分と称する。)とを含有する。
−(A)フルオロアルキル基含有アルコキシシラン−
本発明におけるフルオロアルキル基含有アルコキシシランは、例えば、一般式:CF3 (CF2 )m (CH2 )2 SiRn X3-n(ただし、Rは炭化水素基、Xはアルコキシ基、mは5〜9のいずれかの整数、nは0〜2のいずれかの整数を表わす。)で示すことができる。
【0012】
前記炭化水素基としては、例えば、アルキル基(「Cr H2r+1基」と示すこともできる。)、アルケニル基、アルキル基を有するフェニル基等を挙げることができ、特に、炭素数1〜18(「前記rが1〜18」と示すこともできる。)のいずれかのアルキル基、炭素数1〜18のいずれかのアルケニル基等が好ましく、炭素数1〜4(「前記rが1〜4」と示すこともできる。)のいずれかのアルキル基がより好ましい。
【0013】
前記アルコキシ基(「OCs H2s+1基」と示すこともできる。)としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができ、前記アルコキシ基においては、その炭素数が1〜3(「前記sが1〜3」と示すこともできる。)のいずれかであるのが好ましい。
【0014】
前記一般式におけるmは、5〜9のいずれかの整数であり、前記mが5〜9のいずれかの整数であると優れた撥水性を実現することができ、特に、このmが4〜8のいずれかの整数であるのが好ましい。言い換えると、前記フルオロアルキル基含有アルコキシシランが、炭素数6〜10のいずれかのフルオロアルキル基(以下、「Rf基」と称することがある。)を含有し、特に、炭素数5〜9のいずれかのRf基を含有するのが好ましい。
【0015】
前記一般式におけるnは、0〜2のいずれかの整数であり、特に、このnが0又は1であるのが好ましい。前記nが0又は1であると、例えば、前記アルコキシ基と被処理面とを、例えば前記アルコキシ基とガラス面におけるOH基とをより効果的に反応させること等ができ、優れた撥水持続性を実現することができる。
【0016】
本発明の撥水剤における前記フルオロアルキル基含有アルコキシシランの配合割合は、A〜E成分の合計が100重量%になるように、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.2〜4重量%の範囲内から選択される。
【0017】
前記A成分の配合割合が0.01重量%を下回る場合には、被処理面に撥水剤を展延した場合に、撥水剤処理面全体に均一に優れた撥水性を付与することができないことがある。
【0018】
前記A成分の配合割合が5重量%を上回る場合には、被処理面に撥水剤を展延した場合に、A成分が被処理面に過剰に処理されてしまうことがあるので、例えば、撥水剤処理面が曇ってしまう等の不具合を生じ、この過剰なA成分の除去作業を行なわなければならず、撥水性被膜を容易に形成することができない。
【0019】
前記A成分は1種単独であっても良いし、2種以上を併用しても良い。
−(B)加水分解用触媒−
本発明における加水分解用触媒は、前記A成分中のアルコキシ基の加水分解反応における触媒としての機能を有する。
【0020】
前記加水分解用触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸等の有機酸、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、エチレンジアミン、アルカノールアミン等の有機塩基等を挙げることができ、特に、塩酸、硫酸、硝酸等の強酸触媒が好ましい。前記加水分解用触媒として前記強酸触媒を採用すると、優れた撥水性及び撥水持続性を有する撥水性被膜をより効果的に形成することができ、しかも撥水剤における優れた保存安定性を実現することができる。
【0021】
本発明の撥水剤における前記加水分解用触媒の配合割合は、A〜E成分の合計が100重量%になるように、通常0.001〜2重量%、好ましくは0.005〜1重量%の範囲内から適宜に選択される。
【0022】
前記B成分の配合割合が0.001重量%を下回る場合には、例えば、前記A成分中のアルコキシ基の加水分解反応における反応速度が遅い等の不具合を生じ、充分な触媒機能を発揮することができず、前記B成分の配合割合が2重量%を上回る場合には、例えば、撥水剤における保存安定性が悪くなってしまう等の不具合を生じてしまうことがあるので、このような不具合を生じてしまった場合には、優れた撥水性及び撥水持続性を有する撥水性被膜を形成することができない。
【0023】
前記B成分は1種単独であっても良いし、2種以上を併用しても良い。
−(C)アルコール−
本発明におけるアルコールは、エタノール、i−プロピルアルコール、及びn−プロピルアルコールからなる群より選択される少なくとも一種のアルコールであり、その炭素数が2又は3の1価アルコールと言い換えることができる。
【0024】
前記アルコールは、前記A成分等を効果的に溶解する機能を有し、このアルコールが、例えば、被処理面に撥水剤を展延した後に蒸発することにより、速やかに被処理面上に撥水性被膜を形成することができる。
【0025】
前記アルコールは、撥水剤における保存安定性を向上させる機能を有する。
【0026】
本発明の撥水剤における前記アルコールの配合割合は、A〜E成分の合計が100重量%になるように、通常5〜20重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲内から適宜に選択される。
【0027】
前記C成分の配合割合が5重量%を下回る場合には、例えば、撥水剤における前記A成分の溶解力が不足してしまうことがあるので、優れた撥水性被膜を形成することができない、優れた保存安定性を実現することができない等の不具合を生じることがある。
【0028】
前記C成分の配合割合が20重量%を上回る場合には、例えば、撥水剤における被処理面に対する濡れ性が悪くなり、撥水剤が被処理面上で凝集する、平滑性に優れた撥水性被膜を得ることができない等の不具合を生じることがある。
【0029】
前記C成分は1種単独であっても良いし、2種以上を併用しても良い。
−(D)低沸点炭化水素系溶剤−
本発明における低沸点炭化水素系溶剤は、その沸点が40〜130℃、好ましくは50〜100℃であり、撥水剤における揮発成分を効果的に速やかに揮発させる機能を有する。
【0030】
前記低沸点炭化水素系溶剤としては、例えば、その炭素数が6〜8のいずれかである炭化水素系溶剤、好ましくはその炭素数が6〜7のいずれかである炭化水素系溶剤等を挙げることができ、特に、ヘキサン(異性体の沸点範囲49.7〜68.7℃)、シクロヘキサン(沸点80.7℃)、ベンゼン(沸点80.1℃)、ヘプタン(異性体の沸点範囲79.2〜98,4℃)、及びオクタン(異性体の沸点範囲99.2〜125.7℃)からなる群より選択される少なくとも一種の炭化水素系溶剤等を好適に採用することができる。
【0031】
前記低沸点炭化水素系溶剤においては、その沸点が40℃を下回ると、この低沸点炭化水素系溶剤の揮発性が強くなりすぎて、例えば、被処理面に撥水剤を展延した場合に、撥水剤が充分にレベリングする前に低沸点炭化水素系溶剤が蒸発してしまうので、優れた撥水性被膜を形成することができない等の不具合を生じ、その沸点が130℃を上回ると、この低沸点炭化水素系溶剤の揮発性が弱くなりすぎて、例えば、被処理面に撥水剤を展延した後に、低沸点炭化水素系溶剤が前記A成分等を抱き込んで液ムラ等を形成してしまって、前記A成分等を効果的に被処理面にレベリングさせることができず、この液ムラ等を除去する拭き取り作業等を行なわなければならない等の不具合を生じる。
【0032】
本発明の撥水剤における前記低沸点炭化水素系溶剤の配合割合は、A〜E成分の合計が100重量%になるように、通常63重量%以上、好ましくは65〜85重量%の範囲内から適宜に選択される。
【0033】
前記D成分の配合割合が63重量%を下回る場合には、例えば、撥水剤における揮発成分量が相対的に減少してしまうので、撥水剤における揮発成分を速やかに揮発させることができない等の不具合を生じることがある。
【0034】
前記D成分の配合割合が85重量%を上回る場合には、例えば、撥水剤における前記A成分の相溶性が悪くなり、撥水剤中で前記A成分が分離してしまう等の不具合を生じることがある。
【0035】
前記D成分は1種単独であっても良いし、2種以上を併用しても良い。
−(E)揮発性シリコン−
本発明における揮発性シリコンは、前記A成分等の被処理面に対する濡れ性を向上させる機能を有する。
【0036】
前記揮発性シリコンとしては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、及びドデカメチルペンタシロキサンからなる群より選択される少なくとも一種の揮発性シリコン等を好適に採用することができる。
【0037】
本発明の撥水剤における前記揮発性シリコンの配合割合は、A〜E成分の合計が100重量%となるように、通常5〜20重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲内から適宜に選択される。
【0038】
前記E成分の配合割合が5重量%を下回る場合には、例えば、前記A成分等の被処理面に対する濡れ性を充分に向上させることができない等の不具合を生じることがある。
【0039】
前記E成分の配合割合が20重量%を上回る場合には、例えば、撥水剤の保存安定性が悪くなる(「ポットライフが短くなる」言い換えることもできる。)等の不具合を生じることがある。
【0040】
前記E成分は1種単独であっても良いし、2種以上を併用しても良い。
−(F)添加剤−
本発明の撥水剤には、例えば、前記A成分等を効果的に溶解させること、前記各成分同士の相溶性を向上させること、不快な臭気を防止すること、耐候性の向上等を目的として、例えば、炭化水素類、ケトン類、エステル類、エーテル類、香料、紫外線吸収剤等の添加剤(以下、「F成分」と称することがある。)を配合することができる。
−撥水剤の調製方法−
本発明の撥水剤は、前記A〜F成分を室温下において所定の容器内で混合することにより、例えば、均一な溶液等の調製液に調製することができるが、前記加水分解性基の反応をより抑制するという観点からすると、前記B成分以外の各成分を予め混合した後に、前記B成分を最後に配合するのが好ましい。
【0041】
前記調製液は、例えば、ボトル、スプレー缶、エアゾール缶等の所定の容器に充填することができる。
−撥水剤の処理方法−
本発明の撥水剤は、例えば、ガラス面等の被処理面に、例えば、スプレーコート、ディッピング、ワイピング、刷毛塗り、フェルト、スポンジ、布、タオル、ネル、ガーゼ、不織布、綿、毛、化繊、紙等の各種薄材等の塗布材を用いた塗布材拭き等の方法によって展延することができ、撥水剤を被処理面に展延した後に、例えば、撥水剤処理面を風乾等により乾燥することによって、常温で被処理面に処理することができる。前記塗布材拭きによる撥水剤の処理方法においては、例えば、撥水剤を塗布材に含浸させ、この撥水剤を含浸させた塗布材で被処理面に撥水剤を展延することができ、より広い面積の被処理面に展延する場合には、再度、撥水剤を塗布材に含浸させて、再度、被処理面に撥水剤を展延することができる。
【0042】
前記塗布材拭きによる撥水剤の処理方法においては、例えば、前記所定の容器に撥水剤吐出口を設け、この撥水剤吐出口に前記塗布材を備えた塗布具を装着してなる塗布具装着容器を採用することができる。この塗布具装着容器を採用することにより、例えば、被処理面に撥水剤を連続的に処理すること、撥水剤の処理効率を向上させること、より広い面積の被処理面に簡単に撥水剤を展延すること、作業者が撥水剤を片手で容易に展延すること等ができる。
【0043】
以下、本発明の実施例について、詳述する。
(実施例1〜10及び比較例1〜6)
表1及び表2に示す配合割合で各成分を配合し、撥水剤を調製した。なお、表1及び表2中の各成分の詳細を以下に示す。
フルオロアルキル基(Rf基)含有アルコキシシラン▲1▼:ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、
フルオロアルキル基(Rf基)含有アルコキシシラン▲2▼:ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、
フルオロアルキル基(Rf基)含有アルコキシシラン▲3▼:ヘプタデカフルオロデシルトリイソプロポキシシラン、
【0044】
【表1】
【表2】
前記撥水剤を含浸させたネルによって、縦150mm×横150mm×厚さ5mmのガラス板に、前記撥水剤を展延した後に、このガラス板における撥水剤処理面を30分間室温(25℃)で乾燥し、前記ガラス面に撥水性被膜を形成し、以下の評価を行なった。結果を表3に示す。
【0045】
<外観(レベリング性及び透明性)>
ガラス面に形成された撥水性被膜を目視で観察し、以下の基準で評価した。
均一で歪みがなく平滑性に優れ、白化がなく透明性に優れる・・・◎
歪みが若干あり、白化が若干確認されるが透明性は良好である・・〇
歪みがあり、白化がやや目立ち透明性がやや劣る・・・・・・・・△
歪みが著しく、白化が多く透明性が劣り視界が邪魔される・・・・×
<初期撥水性>
撥水剤処理面を乾燥した後に、水平になるように配置した撥水性被膜上に水滴を落とし、協和界面科学(株)製の接触角測定機「型式S−150」により水の接触角を測定し、以下の基準で評価した。
【0046】
105°以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◎
100〜105°・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〇
95〜100°・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・△
95°未満・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・×
<撥水持続性>
スポンジにガラス用油膜取り剤(タイホー工業(株)製「クリンビュースペシャル」)を付け、このスポンジを撥水剤処理面上で50回円を描くように擦り動かした後に、撥水剤処理面を水洗、乾燥し、水平になるように配置した撥水性被膜上に水滴を落とし、協和界面科学(株)製の接触角測定機「型式S−150」により水の接触角を測定し、以下の基準で評価した。
100°以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◎
95〜100°・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〇
90〜95°・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・△
90°未満・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・×
<保存安定性>
前記撥水剤を45℃の恒温槽中に静置し、1ヶ月経過する毎に、前記初期撥水性の評価と同様の方法で水の接触角を測定し、この接触角が95°を下回った時点での経過月数により、保存安定性を判断し、以下の基準で評価した。
6ヶ月以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◎
4〜5ヶ月・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〇
2〜3ヶ月・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・△
1ヶ月・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・×
【0047】
【表3】
【発明の効果】
本発明の撥水剤によれば、被処理面に対して優れた濡れ性を発揮することができ、被処理面に展延するだけで優れた撥水性及び撥水持続性を有する撥水性被膜を容易に形成することができる。
Claims (3)
- (A)アルコキシ基を有するフルオロアルキル基含有アルコキシシランと、(B)加水分解用触媒と、(C)エタノール、i−プロピルアルコール、及びn−プロピルアルコールからなる群より選択される少なくとも一種のアルコールと、(D)その沸点が40〜130℃である低沸点炭化水素系溶剤と、(E)揮発性シリコンとを含有することを特徴とする撥水剤。
- 前記低沸点炭化水素系溶剤がヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、ヘプタン、及びオクタンからなる群より選択される少なくとも一種の炭化水素系溶剤である前記請求項1に記載の撥水剤。
- 前記請求項1に記載の撥水剤を被処理面に展延した後に、撥水剤処理面を乾燥することを特徴とする撥水剤の処理方法。
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