JP3969685B2 - ミシンの上糸切断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は釦穴を縫製する釦穴かがりミシン等のミシンの上糸切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ミシンの上糸切断装置として、例えば実公昭61−5258号公報に記載のものが知られている。
この公報に記載のミシンの上糸切断装置は、糸切り軸を戻す付勢力(ばね力)に抗して糸切り軸を、操作レバーを操作することにより、軸回りに回転させるとともに軸方向に移動させ、これによって、糸切り軸に支持腕を介して設けられた糸切り鋏を、後退位置から上糸の切断位置に移動させ、この移動時に、布押えが取付けられた送り腕の先端部に設けられた係合体の閉鎖部を、糸切り鋏の可動刃の係合ピンに係合させることで、該可動刃を閉回動させて固定刃との協働で上糸を切断するとともに、次のミシンの運転時に送り腕の移動に関連して前記係合体の開放部を前記係合ピンに係合させることで、前記可動刃を前記付勢力によって復帰した後退位置において逆方向に開回動させて、固定刃の先端部に対して可動刃の先端部を開くようにしたものである。
【0003】
上記次の運転時において可動刃を開回動させる場合、以下のようにして行っている。すなわち、次のミシンの運転時において、図18に示すように、まず図示しない足踏みペダルの踏み込みにより、クラッチレバー82が矢印E方向へ回動し、それに伴いリンク88,95が矢印F方向へ移動し、リンク90が矢印G方向へ回動し、リンク96が矢印H方向へ移動し、リンク91が矢印J方向へ回動し、これによってピン101が支持腕45に取付けられたストッパ100をばね97の力で押すことにより糸切り軸5は矢印K方向へ押し付けられる。
【0004】
次に、ミシンの始動により送り腕29が移動体30によって矢印L方向へ移動すると、図19および図20に示すように、可動刃54のピン52が係合体44の開放部43に当たり、固定刃50と可動刃54、押え板51の摩擦抵抗により可動刃54ごと矢印L方向へ移動しようとするが、前記ストッパ100とピン101により支持腕45(糸切り軸5)が、矢印L方向への移動を阻止されているので、可動刃54は矢印L方向に移動することなく(可動刃54が後退位置から切断位置に移動することなく)、段ねじ53を中心に、矢印M方向に回動して固定刃50に対し開き、保持した上糸を離すとともに次の上糸切断に待機する。
【0005】
一方、前記送り腕29の移動によって係合体44の開放部43が可動刃54のピン52に当たるときには、接触子78が押上体74の傾斜面74aを上って高位部74cに係合し、これにより、糸切り軸5は反時計方向への回動が阻止されるので、前記可動刃54は後退位置から切断位置に回転移動することなく、段ねじ53を中心に、図20に示す矢印M方向に回動して固定刃50に対し開き、保持した上糸を離すとともに次の上糸切断に待機する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のミシンの上糸切断装置は、糸切り鋏の可動刃54を固定刃50との摩擦抵抗に抗して開かせるために、前記ストッパ100によって支持腕45を介して糸切り軸5を切断位置側に移動させないようにしている、言い換えれば糸切り鋏を切断位置側に移動させないようにしているが、このストッパ100は、クラッチレバー82を操作することによって、リンク88,95,90,96,91を介して作動させているので、クラッチレバーのないミシンには使用できないという問題があった。
【0007】
また、上記従来のミシンの上糸切断装置は、糸切り鋏の可動刃54を固定刃50との摩擦抵抗に抗して開かせるために、送り腕29に設けられた押上体74に、糸切り軸5に設けた接触子78を係合することで、糸切り軸5の反時計方向への回動を阻止し、これによって、糸切り鋏を切断位置側に回転移動させないようにしているが、前記押上体74はばね76によって上方に付勢されたものであるので、糸切り鋏の可動刃54と固定刃50との摩擦抵抗が大きいと、言い換えれば、糸切り鋏を開閉するための動作力が大きいと、前記押上体74が前記接触子78によって下方に押されて、下方に回転移動することがあり、この場合、糸切り鋏の可動刃54を確実に開くことができなくなるという問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、クラッチレバーを使用することなく、糸切り軸の切断位置側への移動を阻止し、また、糸切り鋏の切断位置側への回転移動を確実に阻止して、糸切り鋏を確実に開くことができるミシンの上糸切断装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のミシンの上糸切断装置は、ミシンフレームに、軸回りに回転可能にかつ軸方向に移動可能に設けられた糸切り軸と、前記ミシンフレームに回動操作可能に設けられて、所定の位置から回動操作されることで、この回動操作を伝達する伝達機構を介して前記糸切り軸を軸回りに回転かつ軸方向に移動させる操作レバーと、この操作レバーの操作によって、軸回りに回転されかつ軸方向に移動された糸切り軸を、元に戻す方向に付勢する付勢部材と、前記糸切り軸に基端部が固定され、先端部が縫合部に向けて配置された支持腕と、この支持腕の先端部に設けられて、前記糸切り軸の移動と回転によって、上糸の切断位置に進退する糸切り鋏と、前記ミシンフレームに、前記糸切り軸の軸方向に移動可能に設けられた送り腕と、この送り腕に設けられて、該送り腕の移動または前記糸切り軸による糸切り鋏の進退移動によって、該糸切り鋏に係合することで該糸切り鋏を開閉させる係合体とを備え、前記ミシンフレームに、前記糸切り軸の、前記付勢部材の付勢力に抗する軸方向への前進移動を阻止可能な阻止手段を設け、前記阻止手段を、前記操作レバーに連結されたリンク機構と、このリンク機構に連結されて、前記操作レバーの操作によってリンク機構を介して動作する阻止腕と、前記支持腕の先端部に設けられて、前記阻止腕が接離自在に当接可能なストッパとを備えた構成とし、前記阻止腕を、前記操作レバーが前記所定の位置にあるときに、前記ストッパに当接して、前記支持腕の前進移動を阻止し、一方、前記操作レバーが所定位置から回動操作されたときに、前記ストッパから離れて支持腕の前進移動阻止を解除するように構成したものである。
【0010】
前記伝達機構は、例えば、操作レバーの回動操作によって、回動するカム体と、前記糸切り軸に外挿固定され、前記カム体の回動によって回動される回動腕と、前記操作レバーの回動操作によって糸切り軸の軸方向に揺動し、自由端が糸切り軸の端部に当接される揺動軸等によって構成されるが、これに限ることなく、操作レバーの回動操作によって、糸切り軸を軸回りに回転かつ軸方向に移動させる機構であればどのようなものでもよい。
【0011】
前記糸切り鋏は、例えば、支持腕の先端部に固定された固定刃と、この固定刃に重ねられた可動刃とによって構成するが、この可動刃に弾性板で形成し、可動刃との間で切断された上糸を挟持する押え板を重ねてもよい。
前記係合体には、例えば、開放部と閉鎖部を対向して形成し、開放部が糸切り鋏に係合することで該糸切り鋏が開き、閉鎖部が糸切り鋏に係合することで該糸切り鋏が閉じるようにする。
前記阻止手段では、糸切り軸の移動を直接阻止できるように構成してもよいし、糸切り軸に固定された支持腕の移動を阻止できるようにすることで、糸切り軸の移動を間接的に阻止できるように構成してもよい。
【0012】
請求項1のミシンの上糸切断装置においては、まず操作レバーを所定の位置から回動操作することで、前記糸切り軸の軸方向への前進移動を阻止している阻止手段が解除されて、該糸切り軸が軸方向に前進移動可能となる。
そして、操作レバーを所定の位置から回動操作することで、前記伝達機構を介して前記糸切り軸が、前記付勢部材の付勢力に抗して軸回りに回転するとともに軸方向に前進移動する。糸切り軸が軸方向に前進移動すると、支持腕が糸切り軸とともに移動し、これによって糸切り鋏が切断位置に向けて前進移動する。この移動時に、前記送り腕の先端部に設けられた係合体が糸切り鋏に係合することで、該糸切り鋏が閉じて上糸が切断される。
【0013】
次いで、前記操作レバーを前記所定の位置に戻すと、糸切り軸が前記付勢部材の付勢力によって後退移動し、これによって、支持腕とともに糸切り鋏が後退移動して元の位置に戻るとともに、前記糸切り鋏が係合体から外れる。
また、操作レバーを所定の位置に戻すことで、前記糸切り軸は、阻止手段によって、軸方向への前進移動が阻止される。
【0014】
次のミシンの運転時に、前記送り腕が前進移動することで係合体が前進移動して、糸切り鋏に係合し該糸切り鋏が係合体とともに前進移動しようとするが、該糸切り鋏は、前記支持腕を介して糸切り軸に設けられており、該糸切り軸は前記阻止手段によって前進移動が阻止されているので、糸切り鋏は前進移動が阻止されている。したがって、糸切り鋏に係合体が前進移動して係合することで、糸切り鋏が開いて、次の上糸切断に待機する。
【0015】
このように、請求項1のミシンの上糸切断装置では、ミシンフレームに阻止手段を設け、この阻止手段を、操作レバーが所定の位置にあるときに、前記糸切り軸の軸方向への前進移動を阻止し、一方、前記操作レバーが所定位置から回動操作されたときに、前記糸切り軸の軸方向への前進移動阻止を解除するように構成したので、従来のようなクラッチレバーを使用することなく、糸切り軸の切断位置側への前進移動を阻止して、糸切り鋏が確実に開く。
【0016】
また、前記阻止手段によって、糸切り軸の軸方向への前進移動を阻止したので、前記糸切り軸を元に戻す方向(後退方向)に付勢する付勢部材の付勢力を強くしなくても、糸切り軸の前進移動を確実に阻止することができるので、糸切り軸を前進移動させる操作レバーを操作する荷重が軽減される。
さらに、前記付勢部材の付勢力を強くしなくても、前記阻止手段によって糸切り軸の前進移動が阻止されるので、前記支持腕が縫製とともに前進移動することがないので、該支持腕に設けられた糸切り鋏が開くタイミングが変化することがなく、よって安定した縫製が行える。
【0017】
請求項2のミシンの上糸切断装置は、請求項1において、前記阻止手段を、前記操作レバーに連結されたリンク機構と、このリンク機構に連結されて、前記操作レバーの操作によってリンク機構を介して動作する阻止腕と、前記支持腕の先端部に設けられて、前記阻止腕が接離自在に当接可能なストッパとを備えた構成とし、
前記阻止腕を、前記操作レバーが前記所定の位置にあるときに、前記ストッパに当接して、前記支持腕の前進移動を阻止し、一方、前記操作レバーが所定位置から回動操作されたときに、前記ストッパから離れて支持腕の前進移動阻止を解除するように構成したものである。
【0018】
前記リンク機構は、例えば、前記操作レバーに回動自在に連結された阻止リンクと、この阻止リンクに回動自在に連結され、中央部が回動自在に支持されたL字状をなす阻止レバーと、この阻止レバーに回動自在に連結された阻止ロッドとで構成し、この阻止ロッドに、中央部が回動自在に支持されたL字状の阻止腕を連結する。
【0019】
また、上糸の切断後に、操作レバーを所定の位置に戻すことで、前記リンク機構を介して阻止腕が作動して、ストッパに当接することで、前記支持腕の前進移動を阻止するので、該支持腕が固定された糸切り軸の切断位置側への前進移動を阻止して、糸切り鋏が確実に開くので、前記操作レバーの操作によって、リンク機構を介して阻止腕がストッパに確実に接離自在に当接され、これによって、糸切り鋏を開く際における、糸切り軸の切断位置側への前進移動阻止が確実なものとなる。
【0020】
請求項2のミシンの上糸切断装置は、請求項1において、前記阻止腕の、前記ストッパと当接する部分に、カム部を形成し、該阻止腕を、ばね部材によって前記ストッパ側に付勢したものである。
【0021】
請求項2のミシンの上糸切断装置においては、請求項1と同様の作用効果が得られるのは勿論のこと、上糸切断装置の組立誤差、部品の製造誤差、上糸切断装置の作動誤差等に起因して、前記ストッパの位置に若干のバラツキがあった場合に、前記阻止腕がばね部材によってストッパ側に付勢されて、阻止腕のカム部がストッパに当接するので、ストッパの位置のバラツキを吸収して、該ストッパに確実に阻止腕が当接される。
【0022】
請求項3のミシンの上糸切断装置は、ミシンフレームに、軸回りに回転可能にかつ軸方向に移動可能に設けられた糸切り軸と、軸回りに回転されかつ軸方向に移動された糸切り軸を、元に戻す方向に付勢する付勢部材と、前記糸切り軸に基端部が固定され、先端部が縫合部に向けて配置された支持腕と、この支持腕の先端部に設けられて、前記糸切り軸の移動と回転によって、上糸の切断位置に進退する糸切り鋏と、前記ミシンフレームに、前記糸切り軸の軸方向に移動可能に設けられた送り腕と、この送り腕に設けられて、該送り腕の移動または前記糸切り軸による糸切り鋏の進退移動によって、該糸切り鋏に係合することで該糸切り鋏を開閉させる係合体とを備え、前記糸切り軸に接触子を設け、前記送り腕に、該送り腕が前進移動することにより、前記接触子に当たってこれを、前記糸切り軸の前記付勢部材による付勢方向の軸回り方向に押し上げる押上体を設け、前記押上体を、ばね部材によって上方に付勢した状態で前記接触子を押し上げるように構成し、該押上体の下方に、該押上体の下方への移動を阻止するストッパを設け、さらに、前記押上体に、該押上体が前記ストッパによって下方の移動が阻止された場合に、前記接触子を上方に押し上げる凸部を形成したものである。
【0023】
請求項3のミシンの上糸切断装置においては、前記糸切り軸が、前記付勢部材の付勢力に抗して軸回りに回転するとともに軸方向に前進移動する。糸切り軸が軸回りに、一方向に回転すると、支持腕が糸切り軸とともに一方向に回転移動し、これによって糸切り鋏が切断位置に向けて回転移動する。この移動時に、前記送り腕の先端部に設けられた係合体が糸切り鋏に係合することで、該糸切り鋏が閉じて上糸が切断される。
【0024】
次いで、糸切り軸が前記付勢部材の付勢力によって前記一方向と逆方向に回転して、これによって、支持腕とともに糸切り鋏が逆方向に回転移動して元の位置に戻るとともに、前記糸切り鋏が係合体から外れる。
【0025】
次のミシンの運転時に、前記送り腕が前進移動することで係合体が前進移動して、糸切り鋏に係合し該糸切り鋏が切断位置に回転移動しようとする。
一方、前記送り腕の前進移動によって、係合体が糸切り鋏に係合するときは、前記糸切り軸に設けられた接触子が押上体に当たって、該接触子が前記糸切り軸の、前記付勢部材による付勢方向の軸回り方向(逆方向)に押し上げられ、これによって、糸切り軸は一方向への回転が阻止される。
ここにおいて、糸切り鋏を開閉するための動作力が大きいと、前記押上体が逆に接触子によって押されて下方に移動してしまうが、このとき、前記接触子が押上体に形成された凸部に当たるとともに、該押上体が前記ストッパに当接して、該ストッパによって、押上体の下方への移動が阻止されるので、前記接触子は前記凸部によって強制的に押し上げられ、これによって、前記糸切り軸は一方向への回転が確実に阻止される。
したがって、糸切り鋏は、一方向への回転移動すなわち、切断位置への回転移動が阻止されているので、該糸切り鋏に前記係合体が前進移動して係合することで、糸切り鋏が開いて、次の上糸切断に待機する。
【0026】
このように、請求項3のミシンの上糸切断装置では、押上体の下方への移動をストッパによって阻止し、該押上体に形成された凸部によって接触子を強制的に押上げて、糸切り軸の一方向への回転を阻止することで、糸切り鋏の切断位置への回転移動を阻止したので、糸切り鋏の動作力が大きくても、確実に糸切り鋏が開く。
【0027】
請求項4のミシンの上糸切断装置は、ミシンフレームに、軸回りに回転可能にかつ軸方向に移動可能に設けられた糸切り軸と、軸回りに回転されかつ軸方向に移動された糸切り軸を、元に戻す方向に付勢する付勢部材と前記糸切り軸に基端部が固定され、先端部が縫合部に向けて配置された支持腕と、この支持腕の先端部に設けられて、前記糸切り軸の移動と回転によって、糸の切断位置に進退する糸切り鋏と、前記ミシンフレームに、前記糸切り軸の軸方向に移動可能に設けられた送り腕と、この送り腕に設けられて、該送り腕の移動または前記糸切り軸による糸切り鋏の進退移動によって、該糸切り鋏に係合することで該糸切り鋏を開閉させる係合体とを備え、前記糸切り軸に接触子を設け、前記送り腕に、該送り腕が軸方向に移動した場合に、前記接触子を上方に押し上げた状態で固定するカム体を設けたものである。
【0028】
請求項4のミシンの上糸切断装置においては、前記糸切り軸が、前記付勢部材の付勢力に抗して軸回りに回転するとともに軸方向に前進移動する。糸切り軸が軸回りに、一方向に回転すると、支持腕が糸切り軸とともに一方向に回転移動し、これによって糸切り鋏が切断位置に向けて回転移動する。この移動時に、前記送り腕の先端部に設けられた係合体が糸切り鋏に係合することで、該糸切り鋏が閉じて上糸が切断される。
【0029】
次いで、糸切り軸が前記付勢部材の付勢力によって前記一方向と逆方向に回転して、これによって、支持腕とともに糸切り鋏が逆方向に回転移動して元の位置に戻るとともに、前記糸切り鋏が係合体から外れる。
【0030】
次のミシンの運転時に、前記送り腕が前進移動することで係合体が前進移動して、糸切り鋏に係合し該糸切り鋏が切断位置に回転移動しようとする。
一方、前記送り腕の前進移動によって、係合体が糸切り鋏に係合するときは、前記糸切り軸に設けられた接触子が前記カム体によって、上方に押上げられた状態で固定され、これによって、糸切り軸は一方向への回転が阻止される。
したがって、糸切り鋏は、一方向への回転移動すなわち、切断位置への回転移動が阻止されているので、該糸切り鋏に前記係合体が前進移動して係合することで、糸切り鋏が開いて、次の上糸切断に待機する。
【0031】
このように、請求項4のミシンの上糸切断装置では、糸切り軸に接触子を設け、送り腕に、該送り腕が軸方向に移動した場合に、前記接触子を上方に押し上げた状態で固定するカム体を設けたので、糸切り軸の一方向への回転を阻止することができ、これによって、糸切り鋏の切断位置への回転移動を阻止することができるので、糸切り鋏が確実に開く。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明のミシンの上糸切断装置の実施の形態例について説明する。
(第1実施形態例)
図1および図2は本発明のミシンの上糸切断装置の第1例を示すもので、図1はその要部の正面図、図2は同平面図である。
図1において符号1は、ミシンのベッドを示す。このベッド1には、胴部2が立設されており、該胴部2の上端部には、アーム4が水平に設けられており、このアーム4の先端部にはあご部3が形成されている。そして、前記ベッド1、胴部2、アーム4、あご部3によって側面視ほぼコ字状をなすミシンフレームが構成されている。
【0033】
前記アーム4の下方には、糸切り軸5がアーム4内の上軸(図示略)と平行に配設されている。また、前記アーム4の下面には支持体6が固定されており、この支持体6には軸受体8が支軸7回りに回動自在に取付けられている。前記軸受体8は、前記糸切り軸5を軸回りに回転自在にかつ軸方向に移動自在に支持しており、該糸切り軸5の先端部(左端部)は、前記あご部3に固定されている受体9に形成された縦長の孔10に遊嵌されている。また、前記糸切り軸5の基端部(右端部)には、回動腕13の基端部(上端部)が外挿固定されている。この回動腕13の下端部には係止爪11が形成されており、中央部にはコロ12が前記糸切り軸5と平行に設けられている。
【0034】
前記糸切り軸5は、図1および図2に示すように、軸受体8の端面と回動腕13の端部側面との間に圧縮配置した弱いばね(付勢部材)15により常に右方への軸方向の付勢力と、図4に示すように、上端を段ねじ16により胴部2に回動自在に設けた下糸切りレバー17の上端部に設けられたばね掛け18と、回動腕13との間に設けた弱いばね(付勢部材)19により常に時計方向への付勢力を受けるようになっている。
また、図4に示すように、胴部2には、先端部に足踏ペダル(図示略)に連結する鎖20を連結したほぼL字状の操作レバー21の基端部が段ねじ22によって回動自在に設けられている。該操作レバー21はばね28により常に時計方向への付勢力を受け、その上面が下糸切りレバー17の基部に当たり停止するようになっており、この停止位置が操作レバー21を回動操作し始める所定の位置となっている。
【0035】
さらに、前記操作レバー21の右端部に形成されて、前記糸切り軸5の基端部側に突出する突出部には、外周が球形のコロ14がほぼ鉛直な軸回りに回動自在に設けられている。また、操作レバー21の中途部には、カム体26が段ねじ27によって回動自在に取付けれている。このカム体26の左端部は前記下糸切りレバー17に段ねじ24によって回動自在に連結されており、該カム体26の右端部には、前記回動腕13のコロ12がばね19の付勢力によって圧接するカム部25が形成されている。
【0036】
また、図1および図4に示すように、胴部2に近いアーム4の側面には、支持板67がねじ68によって固定されており、この支持板67の平坦部下面には、揺動体69の基端部が、前記糸切り軸5の軸線に直交する鉛直な軸部を有する段ねじ70によって回動自在に取付けられている。
前記揺動体69は、図2および図4に示すように、その自由端が糸切り軸5の基端部と操作レバー21のコロ14との間に延出され、コロ14に対応する側面に斜面71を有する山形の突部72が形成されたものであり、該揺動体69は前記糸切り軸5のばね15の付勢力によって図2において常に段ねじ70を中心とすする時計方向への回転力(付勢力)を受けて突部72を形成した面とコロ14とが圧接するようになっている。
【0037】
図1に示す曲折した送り腕29は、その基端部が軸31に回動自在に取付けられ、先端部は縫合部まで延出されたものである。前記軸31は、ミシン機構に連動して左右に所望に移動する移動体30に設けられており、これによって、前記送り腕29は左右に移動可能となるとともに、前記軸31を中心として上下に回動可能となっている。
前記送り腕29の先端部には、図1および図2に示すように、支持板34と上げ板39とが固定されている。前記支持板34には布押え33が支持されており、この布押え33には、ベッド1上面のミシン縫合部に位置し釦穴かがり縫い目の周囲を囲む孔32が形成されている。また、前記上げ板39には、左右に長い溝38が形成されており、この溝38には、押え棒35の下端に固定した部体36から糸切り軸5に直交する方向に突出する軸37が貫通遊嵌されている。
【0038】
また、前記送り腕29の先端部上面には、断面V字状の溝40が糸切り軸5の軸線と平行に形成されており、該溝40には、その上方から前記部体36の軸37の先端部に回動自在に設けられた案内コロ41が配設され、押え棒35の下方への押圧力をこれらコロ41と溝40とを介して布押え33に作用させるようになっている。
さらに、前記送り腕29の先端部には係合体44が固定されている。この係合体44には、糸切り軸5の軸線方向(布押え33の移動方向)に対して交差し、かつ互いに対向する面をもつ一対の閉鎖部42と開放部43とが形成されている。
【0039】
前記糸切り軸5の先端部には、図1および図2に示すように、自由端が送り腕29の上方から側方に延びかつ下方に曲折して送り腕29の先端後方に延出する支持腕45の基端部が固定されており、この支持腕45の先端面には、図3に示すような部体36に形成された円弧状の案内溝46内に遊嵌する係合片47が形成されている。
また、前記支持腕45の先端部側面には、平坦面49を有する支持体48が固定されており、該支持体48には固定刃50が固定されている。この固定刃50には、可動刃54が重ねられるようにして設けられ、さらに、この可動刃54には、弾性板で形成した押え板51が重ねるようにして設けられている。前記可動刃54は、段ねじ53によって固定刃50に対して回動自在となっており、押え板51は段ねじ53とピン99により固定されている。また、可動刃54には前記係合体44の閉鎖部42と開放部43に対し係合し得るピン52が立設されている。そして、可動刃54は前記ピン52に前記係合体44の閉鎖部42と開放部43が係合することで、前記段ねじ53回りに回動して固定刃50の先端との間で糸切断・保持および糸端開放作用を生じるようになっている。
【0040】
前記移動体30には、図4に示すように、支持体58が固定されており、この支持体58には係脱体55が軸57により回動自在に支持されている。この係脱体55には、前記回動腕13の下端の係止爪11に対向し斜め上方に折り曲げた係止部59と、下糸切りレバー17に基部を固定した押圧板60の先端下方に対向する平面部61とが一体的に形成されるとともに、停止片62が形成されている。そして、前記係脱体55には、支持体58の上面と該係脱体55の下面との間に配設された圧縮ばね63の付勢力により常には停止片62と支持体58の一端部とが圧接するように、軸57を中心とする反時計方向への回動力が作用するようになっている。
また、前記操作レバー21とカム体26とを連結する段ねじ27には、リング64が掛けられており、該リング64の上部には、下方へ引張ることにより前記押え棒35を適宜の機構を介して上昇させるワイヤ65が連結されている。
【0041】
前記送り腕29の側面には、図1、図13および図14に示すように、押上体74が前記支軸7と平行な軸(段ねじ)75によって回動自在に取付けられており、この押上体74は巻きばね76によって常には図1の反時計方向に付勢され、該押上体74の一端部(右端部)はストッパ77に押し当てられた状態となっている。
前記押上体74は、前記送り腕29が前進移動することにより、後述する接触子78に当たってこれを、前記糸切り軸5の時計方向に押し上げるもので、その上面には斜面74aを介して連続する低位部74bと高位部74cが形成されており、高位部74cには凸部74dが形成されている。なお、前記低位部74bおよび高位部74cは、前記押上体74の一端部(右端部)がストッパ77に押し当てられた状態において、略水平となるように形成されている。また、前記押上体74の下方には、該押上体74の下方への移動を阻止するストッパ300が設けられており、押上体74が軸75回りに回転して、その下面74eが前記ストッパ300に当接することで、ストッパ74の下方への移動を阻止するようになっている。
【0042】
一方、前記糸切り軸5には前記接触子78の基端部が固定され、この接触子78の先端部(自由端)は、前記押上体74の上面に形成された前記低位部74bから傾斜面74aを通って高位部74c、凸部74dに至る移動経路内に配置されている。
また、前記接触子78に対する高位部74cの上下位置関係は、送り腕29の前進移動により接触子78の自由端が高位部74cに乗り上がった状態で、前記回動腕13のコロ12が、図4に示すように、カム体26のカム部25に係合するまで糸切り軸5が同図の時計方向に回転した位置に維持されるように設定されている。
さらに、前記凸部74dの位置は、前記送り腕29の前進移動により、押上体74が接触子78によって押されて下方に回転して、該押上体74の下面74eが前記ストッパ300に当接し、接触子78の低部78aが凸部74dに乗り上がった状態で、前記回動腕13のコロ14が図4に示すように、カム体26のカム部25に係合するまで、糸切り軸5が同図の時計方向に回転した位置になるように設定されている。また、前記接触子78の低部78aが凸部74dに乗り上げるタイミングは、前記回動腕13の係止爪11が係止部59から外れた後に乗り上げるタイミングに設定されている。
【0043】
ミシンの背面側のミシンフレームには、図3(a)に示すように、前記糸切り軸5の、前記ばね15の付勢力に抗する軸方向、つまり右方への前進移動を阻止する阻止手段200が設けられている。この阻止手段200は、前記操作レバー21が前記所定の位置にあるときに(図4において操作レバー21が実線の位置にあるときに)、前記糸切り軸5の軸方向への前進移動を阻止し、一方、前記操作レバー21が所定位置から回動操作されたときに、前記糸切り軸5の軸方向への前進移動阻止を解除するように構成されている。
【0044】
前記阻止手段200の詳細について以下に説明する。
すなわちまず、前記操作レバー21には、図3(a)、(b)に示すように、リンク機構210が連結されている。このリンク機構210は、前記操作レバー21に下端部が回動自在に連結された阻止リンク201と、この阻止リンク201の上端部に一端部が回動自在に連結され、中央部が支点軸205によって回動自在に支持されたL字状をなす阻止レバー202と、この阻止レバー202の他端部に一端部が自由軸207によって回動自在に連結された阻止ロッド203とで構成されている。
前記リンク機構210を構成する阻止ロッド203の他端部には、L字状をなす阻止腕204の一端部が自由軸208によって回動自在に連結されており、この阻止腕204の中央部は支点軸206によって回動自在に支持されている。
【0045】
また、前記支持腕45の先端部には、L字状をなすストッパ100がその一端部を上方に向けて固定されており、該ストッパ100の一端部には前記阻止腕204の他端部が接離自在に当接するようになっている。
前記阻止腕204は、前記操作レバー21が前記所定の位置にあるときに(図4において操作レバー21が実線の位置にあるときに)、前記ストッパ100に当接して、前記支持腕45の右方への前進移動を阻止することで、糸切り軸5の前進移動を阻止するようになっている。
一方、前記阻止腕204は、前記操作レバー21が所定位置から回動操作されたときに、阻止リンク201、阻止レバー202、阻止ロッド203を介して支点軸206を中心に反時計方向に回転することで、前記ストッパ100から離れて支持腕45の前進移動阻止を解除し、これによって、糸切り軸5の前進移動阻止を解除するようになっている。
【0046】
以上が本例のミシンの上糸切断装置の構成であり、次にその作用について説明する。
図1、図2および図4は、ミシンによる釦穴かがり縫い目の一サイクルが完了し、針66が上死点付近となって停止しかつ操作レバー21を操作しない状態であり、この状態においては可動刃54が開放しており、また操作レバー21の上端部がばね28の付勢力によって図4の実線のように下糸切りレバー17の基部に当接して停止しており、回動腕13はばね19の付勢力によってそのコロ12がカム体26に圧接し糸切り軸5を一定の回動位置に維持するとともに、糸切り軸5の基端部はばね15の付勢力によって、図2において揺動体69に段ねじ70を中心とする時計方向の押圧力を与えて、該揺動体69とコロ14とは突部72より低い位置において押圧接触している。
【0047】
また、前記回動腕13の下端部の係止爪11はばね63の付勢力によって停止片62が支持体58の一端部に接して停止している係脱体55の係止部59の左方に位置している。さらに、前記糸切り軸5に支持腕45を介して取付けられている糸切り鋏(固定刃50、可動刃54、押え板51)は、図2に示すように、可動刃54のピン52が係合体44の開放部43に当たって段ねじ53を中心に時計方向に回転し、固定刃50と可動刃54との先端部が開きかつそれら刃の先端は針66の上下動経路から図2の斜め右上方に後退した位置(後退位置)にある。
【0048】
また、図3(a)に示すように、前記阻止手段200の阻止腕204は、支持腕45に固定されたストッパ100に当接しており、これによって、支持腕45は図3において右方への前進移動が阻止されることで、糸切り軸5が右方への前進移動を阻止されている。
【0049】
この状態から図4に示す実線位置の操作レバー21を足踏ペダル等によって鎖20を介してばね28に抗して図4の破線の位置まで回動操作すると、図3(a)に示す前記阻止手段200の阻止リンク201が下方に引かれて、阻止レバー202が支点軸205を中心として反時計方向に回転し、これによって阻止ロッド203が左方に移動する。阻止ロッド203が左方に移動すると、図3(c)に示すように、阻止腕204が支点軸206を中心として反時計方向に回転して、その先端部が前記ストッパ100から離れる。これによって、前記阻止手段200による阻止が解除されて、支持腕45および糸切り軸5が図3(c)において右方に前進移動可能な状態となる。
【0050】
また、操作レバー21を図4の破線の位置まで回動操作すると、操作レバー21が段ねじ22を中心として反時計方向に回転することで、カム体26の中央部の段ねじ27が段ねじ22を中心として弧を画いて下降し、これによりカム体26が段ねじ24を中心として時計方向に回転してそのカム部25によりコロ12を右方に押す。すると、回動腕13がその上端部を中心として前記ばね19に抗して反時計方向に回転し、これによって、糸切り軸5が軸回りに反時計方向に回転する。
一方、前記回動腕13の下端の係止爪11は係脱体55の係止部59を押して乗り越え、またカム体26の肘張り作用により下糸切りレバー17を段ねじ16を中心として時計方向に回転し、押圧板60の先端は係脱体55の平面部61の上面に近接した位置となる。
また、前記操作レバー21の回動操作によって、図2に示すコロ14は揺動体69の斜面71を押して突部72の頂部にあり、これによって揺動体69は段ねじ70を中心として反時計方向に回転し、糸切り軸5が軸方向左方に前進移動する。
【0051】
前記糸切り軸5の反時計方向への回転と、軸方向左方への前進移動とにより、図2に示す糸切り鋏は、下方と左方と(切断位置)に移動(正確には斜めの円弧運動)し、その先端部は針66の上下動経路に前進する。
前記糸切り鋏が切断位置に前進すると、可動刃54のピン52が、係合体44の閉鎖部42に当たり、これによって、可動刃54が段ねじ53を中心として反時計方向に回転し、押え板51の下面との間に針糸を挟持した後に、固定刃50との協働で針糸を挟み切断し、図5および図6の状態となる。
【0052】
次いで、図4に破線で示す操作レバー21をさらに二点鎖線位置まで回動操作すると、操作レバー21が段ねじ22を中心としてさらに反時計方向に回転することで、図5に示すカム体26はさらに段ねじ24を中心として時計方向に回転し、これにより下糸切りレバー17もさらに時計方向に回転して押圧板60の先端が係脱体55の平面部61をばね63に抗して押し、係脱体55を軸57を中心として時計方向に回転して係止部59の上端を回動腕13の係止爪11下端の回動経路より下方に移動させる。このため回動腕13は時計方向への回転が阻害されないので、そのコロ12がばね19の付勢力によってカム体26のカム部25に接しながら糸切り軸5をその軸回りに時計方向に回転し、係止爪11は係止部59の左方に位置する。
【0053】
また、前記操作レバー21の回動操作によりコロ14は図2に示す揺動体69の突部72の頂部を乗り越えるため、揺動体69は糸切り軸5のばね15の付勢力によって段ねじ70を中心として時計方向に回転するから、糸切り軸5はその軸方向右方にわずかに後退移動する。
前記糸切り軸5の軸回りの時計方向への回転と、軸方向右方への後退移動とによって、図6に示す糸切り鋏は上方と右方に移動しそれらの先端部は針66の上下動経路から後退し、この位置においては可動刃54のピン52が係合体44の開放部43に押されないので可動刃54と固定刃50との先端は閉じており、各部は図7および図8の状態となる。
【0054】
また、前記操作レバー21の回動操作時において、前記リング64、ワイヤ65が下方に引かれ、これによって押え棒35が上昇する。押え棒35が上昇すると、部体36が上昇し、軸37、上げ板39の孔38を介して送り腕29がその基部の軸31を中心として図1において時計方向に回転して布押え33が上昇し、また部体36の上昇によりその溝46に遊嵌している係合片47が持ち上げられて、図1に示す糸切り軸5は支軸7を中心として時計方向に回転し、糸切り鋏は布押え33とともに上昇する。
なお、前記操作レバー21の回動操作により図3に示す阻止手段200は、その阻止腕204が支点軸206を中心としてさらに反時計方向に回転するが、この場合、阻止腕204の先端部がストッパ100からさらに離れることになる。
【0055】
次に、図4に二点鎖線で示す操作レバー21の操作を開放すると、操作レバー21はばね28の付勢力によって実線の位置に戻る。
すなわち、操作レバー21の操作開放により操作レバー21、カム体26、下糸切りレバー17、揺動体69、糸切り軸5、送り腕29等はそれぞれ上述した操作レバーの操作時とは逆方向に回転、移動し、まず図7に示す操作レバー21が図5の位置まで復元すると、カム体26が回転して下糸切りレバー17を反時計方向に回転し、カム体26のカム面25によりコロ12がばね19に抗して右方に押され回動腕13を介して糸切り軸5をその軸回りに反時計方向に回転するとともに、コロ14による揺動体69の反時計方向への回転により糸切り軸5をばね15に抗して図1の左方に移動して、図8の糸切り鋏は図6のように針上下動経路(切断位置)に前進し、また回動腕13下端の係止爪11は、図5のように、下糸切りレバー17の回転により押圧板60先端に押圧が解除され復元した係脱体55の係止部59右方に位置している。また、操作レバー21の復元により押え棒35が下降し、布押え33が下降するとともに糸切り軸5も支軸7を中心として図1において反時計方向に回転して糸切り鋏も下降する。
【0056】
次いで、図5の状態の操作レバー21が図9(図1実線)の位置まで復元すると、カム体26はさらに段ねじ27を中心として反時計方向に回転し、そのカム面25にばね19の付勢力によってコロ12はその面に沿い接しようとするが、回動腕13の係止爪11が図9のように高い位置にある係脱体55の係止部59に係止され、これによって糸切り軸5の回転は阻止されて糸切り鋏を前進位置に維持し、また糸切り軸5は、コロ14が揺動体69の突部72を乗り越えるのでばね15の付勢力によって揺動体69が図2において段ねじ70を中心として時計方向に回転するから、図1において右方に移動し、糸切り鋏は図10の位置に係止され、針66と布に連なる針糸の切断が終了する。
【0057】
また、前記操作レバー21の復元時において、前記阻止手段200も元に復元する。すなわち、操作レバー21が上昇すると、阻止リンク201が上方に押されて、阻止レバー202が支点軸205を中心として時計方向に回転し、これによって阻止ロッド203が右方に移動する。阻止ロッド203が右方に移動すると、阻止腕204が支点軸206を中心として時計方向に回転して、その先端部が前記ストッパ100に当接する。これによって、支持腕45は図3において右方への前進移動が阻止されることになり、糸切り軸5が右方への前進移動を阻止された状態となる。
【0058】
次に、この状態から次の縫合個所をセットした後に、ミシンを駆動させて前記移動体30が左方に前進移動すると、これに伴って送り腕29が、図10および図11に示すように、左方に前進移動し、これによって係合体44が左方に前進移動して、該係合体44の開放部43が可動刃54のピン52に当たってこれを押す。
【0059】
一方、送り腕29の前進移動によって、係合体44の開放部43が可動刃54のピン52に当たるときは、前記糸切り軸5に設けられた接触子78の自由端が押上体74の斜面74aを上って高位部74cに係合し、これにより接触子78が、糸切り軸5の時計方向に押上げられ、これによって、糸切り軸5は半時計方向の回転が阻止される。
ここにおいて、前記可動刃54を開閉するための動作力が大きいと、前記押上体74が逆に接触子78によって押されて下方に移動してしまうが、このとき、図14に示すように、前記接触子78が押上体74の高位部74cに形成された凸部74dに乗り上げるとともに、該押上体74の下面74eが前記ストッパ300に当接して、該ストッパ300によって、押上体74の下方への移動が阻止される。したがって、前記接触子78は前記凸部74dによって強制的に押し上げられ、これによって、前記糸切り軸5は反時計方向への回転が確実に阻止される。
【0060】
したがって、係合体44の開放部43が可動刃54のピン52に係合してから(当たってから)さらに送り腕29が図10において左方に移動し、ピン52が斜め左下方に押されると、糸切り軸5を付勢するばね15,19の付勢力が、可動刃54と固定刃50との摩擦力より弱くても、糸切り軸5は前進移動および反時計方向への回転が阻止されているので、可動刃54は図11に示すように、後退位置において、軸53を中心として時計方向に回転して、固定刃50に対して開き、押え板51との間に保持していた針側の針糸切断端を離し、次の上糸切断に待機する。
【0061】
以上のように、本例のミシンの上糸切断装置では、操作レバー21が所定の位置にあるときに、前記糸切り軸5の軸方向への前進移動を阻止手段200によって阻止し、一方、前記操作レバー21が所定位置から回動操作されたときに、前記糸切り軸の軸方向への前進移動阻止を解除することができるので、従来のようなクラッチレバーを使用することなく、糸切り軸の切断位置側への前進移動を阻止して、糸切り鋏の可動刃54を確実に開くことができる。
【0062】
また、前記阻止手段200によって、糸切り軸5の軸方向への前進移動を阻止したので、前記糸切り軸5を元に戻す方向(後退方向)に付勢するばね15の付勢力を強くしなくても、糸切り軸5の前進移動を確実に阻止することができるので、糸切り軸5を前進移動させる操作レバー21を操作する荷重を軽減することができる。
さらに、前記ばね15の付勢力を強くしなくても、前記阻止手段200によって糸切り軸5の前進移動を阻止することができるので、前記支持腕45が縫製とともに前進移動することがない。したがって、該支持腕45に設けられた糸切り鋏の可動刃54が開くタイミングが変化することがなく、よって安定した縫製を行うことができる。
【0063】
また、押上体74の下方への移動をストッパ300によって阻止し、該押上体74の高位部74cに形成された凸部74dによって接触子78を強制的に押上げて、糸切り軸5の反時計方向への回転を阻止することで、糸切り鋏の切断位置への回転移動を阻止したので、糸切り鋏の可動刃54の動作力が大きくても、確実に可動刃54を開くことができる。
【0064】
(第2実施形態例)
図15および図16は本発明のミシンの上糸切断装置の第2例を示すものである。これらの図に示す上糸切断装置が、前記第1例の上糸切断装置と異なる点は、前記阻止手段200を構成する阻止腕204の阻止ロッド203に対する取付構造であり、他の部分は同一構成であるので、該取付構造についてのみ説明する。
【0065】
すなわち、前記阻止ロッド203の端部下面には、凹部203aが形成されており、この凹部203aにはばね(ばね部材)209が配設されており、このばね209の右端部は阻止ロッド203の端部に固定されている。
一方、前記阻止腕204の上端部には横方向に長い長穴204bが形成されており、この長穴204bには、前記自由軸208が遊嵌されており、この自由軸208は阻止ロッド203の、凹部203aより左側において固定されている。また、前記阻止腕204の上端部には、前記ばね209の左端部が固定されている。なお、このばね209は引張りばねである。
【0066】
さらに、前記阻止腕204の下端部にはカム部204aが形成されており、このカム部204aは前記ばね209によってストッパ100の上端部に付勢された状態で当接されている。
そして、上記のような阻止腕204とバネ209を備えた上糸切断装置では、該上糸切断装置の組立誤差、部品の製造誤差、上糸切断装置の作動誤差等に起因して、前記ストッパ100の位置が図16(a)に示すように、右寄りにある場合は、阻止腕204が前記長穴204bによって左側に寄るとともに、ばね209によってカム部204aがストッパ100に当接し、一方、ストッパ100の位置が図16(b)に示すように、左寄りにある場合は、阻止腕204が前記長穴204bによって右側に寄るとともに、ばね209によってカム部204aがストッパ100に当接するようになっている。
【0067】
このように、本例の上糸切断装置では、上糸切断装置の組立誤差、部品の製造誤差、上糸切断装置の作動誤差等に起因して、前記ストッパ100の位置に若干のバラツキがあった場合に、前記阻止腕204がばね209によってストッパ100側に付勢されて、阻止腕204のカム部204aがストッパ100に当接するので、ストッパ100の位置のバラツキを吸収して、該ストッパ100に確実に阻止腕204を当接することができるという利点がある。
【0068】
(第3実施形態例)
図17は本発明のミシンの上糸切断装置の第3例を示すものである。この図に示す上糸切断装置が、前記第1例の上糸切断装置と異なる点は、前記押上体74の形状と、該押上体74の上方にカム体301を固定した点であり、他の部分は同一構成であるので、該押上体74およびカム体301についてのみ説明する。
【0069】
すなわち、前記送り腕29の側面に取付けられた押上体74の先端部には、該押上体74の上面に形成された前記低位部74bより低い段部74fが形成されており、この段部74の先端部が前記巻きばね76によってストッパ77に付勢された状態で当接されている。また、前記段部74の上方には、カム体301がねじ302,302によって固定されており、このカム体301の上面に、前記低位部74bより高い高位部74cが形成されている。
【0070】
そして、前記カム体301を備えた上糸切断装置では、糸切り鋏の可動刃54を開く際において、送り腕29の前進移動によって、前記糸切り軸5に設けられた接触子78の自由端が押上体74の斜面74aを上って、カム体301の高位部74cに係合し、これにより接触子78が、糸切り軸5の時計方向に押上げられた状態で固定され、これによって、糸切り軸5は半時計方向の回転が阻止される。
したがって、糸切り鋏は切断位置への回転移動が阻止されるので、該糸切り鋏の可動刃54のピン52に、前記係合体44の開放部43が係合することで、可動刃54を確実に開くことができる。
【0071】
なお、上記の例では、接触子78ひとつで押上体74とカム体301に当接させているが、接触子を二つに分けてもよい。また、押上体74を配置せず、カム体301だけで接触子78を押上げるようにしてもよい。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1のミシンの上糸切断装置によれば、糸切り軸と、この糸切り軸を軸回りに回転かつ軸方向に移動させる操作レバーと、糸切り軸を元に戻す方向に付勢する付勢部材と、糸切り軸に固定された支持腕と、この支持腕の先端部に設けられて、前記糸切り軸の移動と回転によって、上糸の切断位置に進退する糸切り鋏と、前記糸切り軸の軸方向に移動可能に設けられた送り腕と、この送り腕に設けられて、該糸切り鋏に係合することで該糸切り鋏を開閉させる係合体とを備え、
前記糸切り軸の、前記付勢部材の付勢力に抗する軸方向への前進移動を阻止可能な阻止手段を、前記操作レバーが前記所定の位置にあるときに、前記糸切り軸の軸方向への前進移動を阻止し、一方、前記操作レバーが所定位置から回動操作されたときに、前記糸切り軸の軸方向への前進移動阻止を解除するように構成したので、従来のようなクラッチレバーを使用することなく、糸切り軸の切断位置側への前進移動を阻止して、糸切り鋏を確実に開くことができる。
【0073】
また、前記阻止手段によって、糸切り軸の軸方向への前進移動を阻止したので、前記糸切り軸を元に戻す方向(後退方向)に付勢する付勢部材の付勢力を強くしなくても、糸切り軸の前進移動を確実に阻止することができるので、糸切り軸を前進移動させる操作レバーを操作する荷重を軽減することができる。
さらに、前記付勢部材の付勢力を強くしなくても、前記阻止手段によって糸切り軸の前進移動が阻止されるので、前記支持腕が縫製とともに前進移動することがないので、該支持腕に設けられた糸切り鋏が開くタイミングが変化することがなく、よって安定した縫製を行うことができる。
【0074】
また、前記阻止手段を、前記操作レバーに連結されたリンク機構と、このリンク機構に連結された阻止腕と、前記支持腕の先端部に設けられて、前記阻止腕が接離自在に当接可能なストッパとを備えた構成とし、前記阻止腕を、前記操作レバーが前記所定の位置にあるときに、前記ストッパに当接して、前記支持腕の前進移動を阻止し、一方、前記操作レバーが所定位置から回動操作されたときに、前記リンク機構を介して動作して前記ストッパから離れて支持腕の前進移動阻止を解除するように構成したので、前記操作レバーの操作によって、リンク機構を介して阻止腕がストッパに確実に接離自在に当接され、これによって、糸切り鋏を開く際における、糸切り軸の切断位置側への前進移動阻止を確実なものとすることができる。
【0075】
請求項2のミシンの上糸切断装置にとれば、請求項1と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記阻止腕の、前記ストッパと当接する部分に、カム部を形成し、該阻止腕を、ばね部材によって前記ストッパ側に付勢したので、上糸切断装置の組立誤差、部品の製造誤差、上糸切断装置の作動誤差等に起因して、前記ストッパの位置に若干のバラツキがあった場合に、前記阻止腕がばね部材によってストッパ側に付勢されて、阻止腕のカム部がストッパに当接するので、ストッパの位置のバラツキを吸収して、該ストッパに確実に阻止腕を当接することができる
【0076】
請求項3のミシンの上糸切断装置によれば、軸回りに回転可能にかつ軸方向に移動可能に設けられた糸切り軸と、この糸切り軸を元に戻す方向に付勢する付勢部材と、前記糸切り軸に固定された支持腕と、この支持腕の先端部に設けられて、前記糸切り軸の移動と回転によって、上糸の切断位置に進退する糸切り鋏と、前記糸切り軸の軸方向に移動可能に設けられた送り腕と、この送り腕に設けられて、糸切り鋏に係合することで該糸切り鋏を開閉させる係合体とを備え、前記糸切り軸に接触子を設け、前記送り腕に、該送り腕が前進移動することにより、前記接触子に当たってこれを、前記糸切り軸の前記付勢部材による付勢方向の軸回り方向に押し上げる押上体を設け、前記押上体を、ばね部材によって上方に付勢した状態で前記接触子を押し上げるように構成し、該押上体の下方に、該押上体の下方への移動を阻止するストッパを設け、さらに、前記押上体に、該押上体が前記ストッパによって下方の移動が阻止された場合に、前記接触子を上方に押し上げる凸部を形成したので、押上体の下方への移動をストッパによって阻止し、該押上体に形成された凸部によって接触子を強制的に押し上げて、糸切り軸の一方向への回転を阻止することで、糸切り鋏の切断位置への回転移動を阻止することができる。したがって、糸切り鋏の動作力が大きくても、確実に糸切り鋏を開くことができる。
【0077】
請求項4のミシンの上糸切断装置によれば、軸回りに回転可能にかつ軸方向に移動可能に設けられた糸切り軸と、この糸切り軸を元に戻す方向に付勢する付勢部材と前記糸切り軸に固定された支持腕と、この支持腕の先端部に設けられて、前記糸切り軸の移動と回転によって、糸の切断位置に進退する糸切り鋏と、前記糸切り軸の軸方向に移動可能に設けられた送り腕と、この送り腕に設けられて、糸切り鋏に係合することで該糸切り鋏を開閉させる係合体とを備え、前記糸切り軸に接触子を設け、前記送り腕に、該送り腕が軸方向に移動した場合に、前記接触子を上方に押し上げた状態で固定するカム体を設けたので、糸切り軸の一方向への回転を阻止することができ、これによって、糸切り鋏の切断位置への回転移動を阻止することができ、よって、糸切り鋏を確実に開くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のミシンの上糸切断装置の第1例を示すもので、要部の正面図である。
【図2】同、要部の平面図である。
【図3】同、(a)はミシンの上糸切断装置の阻止手段を示す正面図、(b)は阻止手段の操作レバーの要部の正面図、(c)は阻止腕がストッパから離れた状態を示す阻止手段の要部の正面図である。
【図4】同、図1におけるA−A線視断面図である。
【図5】同、上糸切断時の状態における要部の断面図である。
【図6】同、上糸切断時の状態における要部の平面図である。
【図7】同、布押え上昇時の状態における要部の断面図である。
【図8】同、布押え上昇時の状態における要部の平面図である。
【図9】同、布押え下降時の状態における要部の断面図である。
【図10】同、布押え下降時の状態における要部の平面図である。
【図11】同、ミシンの始動初期のおける要部の平面図である。
【図12】同、図1におけるB−B線視断面図である。
【図13】同、布押え下降時の状態における送り腕の要部の正面図である。
【図14】同、ミシンの始動初期のおける送り腕の要部の正面図である。
【図15】本発明のミシンの上糸切断装置の第2例を示すもので、阻止手段の要部を示す正面図である。
【図16】同、(a)は阻止腕が左に寄った状態を示す阻止手段の要部の正面図、(b)は阻止腕が右に寄った状態を示す阻止手段の要部の正面図である。
【図17】本発明のミシンの上糸切断装置の第3例を示すもので、送り腕の要部を示す正面図である。
【図18】従来のミシンの上糸切断装置の一例を示す要部の背面図である。
【図19】従来のミシンの上糸切断装置の一例を示す要部の正面図である。
【図20】従来のミシンの上糸切断装置の一例を示す要部の平面図である。
【符号の説明】
5 糸切り軸
21 操作レバー
15 ばね(付勢部材)
19 ばね(付勢部材)
29 送り腕
44 係合体
45 支持腕
50 固定刃(糸切り鋏)
54 可動刃(糸切り鋏)
74 押上体
74d 凸部
76 巻きばね(ばね部材)
78 接触子
100 ストッパ
200 阻止手段
201 阻止リンク
202 阻止レバー
203 阻止ロッド
204 阻止腕
210 リンク機構
300 ストッパ
301 カム体
Claims (4)
- ミシンフレームに、軸回りに回転可能にかつ軸方向に移動可能に設けられた糸切り軸と、
前記ミシンフレームに回動操作可能に設けられて、所定の位置から回動操作されることで、この回動操作を伝達する伝達機構を介して前記糸切り軸を軸回りに回転かつ軸方向に移動させる操作レバーと、
この操作レバーの操作によって、軸回りに回転されかつ軸方向に移動された糸切り軸を、元に戻す方向に付勢する付勢部材と、
前記糸切り軸に基端部が固定され、先端部が縫合部に向けて配置された支持腕と、
この支持腕の先端部に設けられて、前記糸切り軸の移動と回転によって、上糸の切断位置に進退する糸切り鋏と、
前記ミシンフレームに、前記糸切り軸の軸方向に移動可能に設けられた送り腕と、
この送り腕に設けられて、該送り腕の移動または前記糸切り軸による糸切り鋏の進退移動によって、該糸切り鋏に係合することで該糸切り鋏を開閉させる係合体とを備え、
前記ミシンフレームには、前記糸切り軸の、前記付勢部材の付勢力に抗する軸方向への前進移動を阻止可能な阻止手段が設けられ、
前記阻止手段が、前記操作レバーに連結されたリンク機構と、このリンク機構に連結されて、前記操作レバーの操作によってリンク機構を介して動作する阻止腕と、前記支持腕の先端部に設けられて、前記阻止腕が接離自在に当接可能なストッパとを備え、
前記阻止腕は、前記操作レバーが前記所定の位置にあるときに、前記ストッパに当接して、前記支持腕の前進移動を阻止し、一方、前記操作レバーが所定位置から回動操作されたときに、前記ストッパから離れて支持腕の前進移動阻止を解除するものであることを特徴とするミシンの上糸切断装置。 - 前記阻止腕の、前記ストッパと当接する部分には、カム部が形成され、該阻止腕は、ばね部材によって前記ストッパ側に付勢されていることを特徴とする請求項1記載のミシンの上糸切断装置。
- ミシンフレームに、軸回りに回転可能にかつ軸方向に移動可能に設けられた糸切り軸と、
軸回りに回転されかつ軸方向に移動された糸切り軸を、元に戻す方向に付勢する付勢部材と、
前記糸切り軸に基端部が固定され、先端部が縫合部に向けて配置された支持腕と、
この支持腕の先端部に設けられて、前記糸切り軸の移動と回転によって、上糸の切断位置に進退する糸切り鋏と、
前記ミシンフレームに、前記糸切り軸の軸方向に移動可能に設けられた送り腕と、
この送り腕に設けられて、該送り腕の移動または前記糸切り軸による糸切り鋏の進退移動によって、該糸切り鋏に係合することで該糸切り鋏を開閉させる係合体とを備え、
前記糸切り軸には接触子が設けられ、
前記送り腕には、該送り腕が前進移動することにより、前記接触子に当たってこれを、前記糸切り軸の前記付勢部材による付勢方向の軸回り方向に押し上げる押上体が設けられ、
前記押上体は、ばね部材によって上方に付勢された状態で前記接触子を押し上げるように構成され、該押上体の下方には、該押上体の下方への移動を阻止するストッパが設けられ、
さらに、前記押上体には、該押上体が前記ストッパによって下方の移動が阻止された場合に、前記接触子を上方に押し上げる凸部が形成されていることを特徴とするミシンの上糸切断装置。 - ミシンフレームに、軸回りに回転可能にかつ軸方向に移動可能に設けられた糸切り軸と、
軸回りに回転されかつ軸方向に移動された糸切り軸を、元に戻す方向に付勢する付勢部材と
前記糸切り軸に基端部が固定され、先端部が縫合部に向けて配置された支持腕と、
この支持腕の先端部に設けられて、前記糸切り軸の移動と回転によって、糸の切断位置に進退する糸切り鋏と、
前記ミシンフレームに、前記糸切り軸の軸方向に移動可能に設けられた送り腕と、
この送り腕に設けられて、該送り腕の移動または前記糸切り軸による糸切り鋏の進退移動によって、該糸切り鋏に係合することで該糸切り鋏を開閉させる係合体とを備え、
前記糸切り軸には接触子が設けられ、前記送り腕には、該送り腕が軸方向に移動した場合に、前記接触子を上方に押し上げた状態で固定するカム体が設けられていることを特徴とするミシンの上糸切断装置。
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