JP3968427B2 - カルボン酸の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可塑剤、潤滑剤、伝熱媒体、誘電媒体、繊維、共重合体、塗料樹脂、界面活性剤、防カビ薬、殺虫剤、接着剤等として化学工業をはじめ、各種の産業分野で幅広く用いられる有用な物質であるジエステル、ポリエステル及びポリアミドの合成における重要な中間体であるカルボン酸の製造方法に関し、更に詳しくは、アルデヒド油性溶液と過酸化水素水溶液の反応によるカルボン酸の新規な製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルデヒド類を酸化してカルボン酸を製造する方法としては、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、または酸化銀等を酸化剤として用いる反応が知られている。しかしながらこれらは、毒性の高い副生物の発生、酸化剤の腐食性等の点で環境に与える負荷が大きく、工業的に優れた方法とは言い難い。
【0003】
これに対して、酸素や過酸化水素は、安価で腐食性がなく、反応後の副生物は皆無または無害な水であるために環境負荷が小さく、工業的に利用するのに優れた酸化剤ということができる。
【0004】
酸素を酸化剤とするアルデヒド類からのカルボン酸生成法が知られている(非特許文献1)が、これらの方法では銀や銅の重金属触媒存在下、酸、塩基、またはベンゼンが溶媒として用いられている。また、ニッケル錯体を触媒とする酸素によるアルデヒドの酸化反応が温和な条件下で進行することも報告されている(非特許文献2)が、シクロヘキサノンやアセトン等を溶媒として用いる必要がある。
【0005】
一方、過酸化水素を酸化剤とするアルデヒド類からカルボン酸を製造する方法としては、塩化メチレン溶媒中、当量のヘキサフルオロアセトンを使用する方法(非特許文献3)や、ギ酸を溶媒として用いる方法(非特許文献4)が知られている。
また、過酸化水素を酸化剤とする触媒的酸化反応を利用したカルボン酸の製造方法としては、メタノール溶媒中、硫酸触媒28%を用いてメチルエステルを生成する方法(非特許文献5)、THF溶媒中でPhSeOOH触媒5%を用いる方法(非特許文献6)、ジオキサンを溶媒として触媒量(0.9%)のHBrを用いる方法(非特許文献7)、またTHF溶媒中でSeO2触媒5%を用いる方法(非特許文献8)が報告されているが、いずれの反応においても過酸化水素水溶液と均一相を形成する水溶性のギ酸、メタノール、THF、ジオキサン等の溶媒を使用している。
【0006】
このように、非水溶性のアルデヒド類の酸化反応においては、過酸化水素水溶液にアルデヒド油性溶液を溶解させて均一溶液とするために、上記のような極性有機溶媒の使用が不可欠とされている。その結果、目的生成物であるカルボン酸を単離する際に極性有機溶媒の除去手段が必要となり、反応操作や装置が煩雑となる。さらに有機溶媒自身の環境及び人体への影響・毒性も指摘されるに至っている。
【0007】
【非特許文献1】
Ind. Eng. Chem., 42, 768−776 (1950)
【非特許文献2】
Chem. Lett., 1991, 5−8
【非特許文献3】
Tetrahedron Lett., 21, 685−688 (1980)
【非特許文献4】
Synthesis, 21, 295−297, (1993)
【非特許文献5】
J. Org. Chem., 49, 4740−4741 (1984)
【非特許文献6】
Tetrahedron Lett., 29, 1967−1970, (1988)
【非特許文献7】
欧州特許明細書第 424, 242号明細書
【非特許文献8】
Synth. Commun., 30, 4425−4434 (2000)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を克服するためになされたものであって、温和な反応条件下で、カルボン酸を高収率で得ることができると共に反応操作が簡便で反応終了後の溶媒除去操作を不要とし、かつ環境や人体への影響・毒性がきわめて小さい、アルデヒド類と過酸化水素水溶液との反応による安全かつ簡便で効率的なカルボン酸の製造方法を提供することをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、極性有機溶媒中、非水性アルデヒド溶液と過酸化水素水溶液との均一溶液系で酸化反応を行う従来の反応方法に代えて、高分子スルホン酸触媒存在下、過酸化水素水溶液と非水溶性のアルデヒド油性溶液との不均一溶液系を用いる反応を選定すると、従来の常識的な技術的知見とは異なり、対応するカルボン酸が高収率で安全かつ簡便に製造し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、この出願によれば、以下の発明が提供される。
(1)アルデヒドそれ自体の油性溶液と30〜60重量%の過酸化水素水溶液とを、側鎖にスルホン酸基を有するフッ素系高分子を含む触媒の存在下、不均一溶液系で反応させることを特徴とするカルボン酸の製造法。
(2)アルデヒドが、オクチルアルデヒド、 3- フェニルプロピオンアルデヒドおよびベンズアルデヒドから選ばれた少なくとも一種であり、カルボン酸が当該アルデヒドに相応するカルボン酸であることを特徴とする上記(1)に記載のカルボン酸の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る過酸化水素を用いるアルデヒド類の酸化反応によるカルボン酸の製造方法は、該酸化反応を、側鎖にスルホン酸基を有する高分子化合物を含む触媒の存在下、過酸化水素水溶液とアルデヒド油性溶液との不均一溶液中で行うことを特徴としている。
【0012】
従来、液液反応においては、原料同士、あるいは原料と酸化剤、反応促進剤などの反応試薬とが相溶性を持たない場合には、反応を円滑に進めるために原料と反応試薬等とが相互に溶解する溶媒を用いて、両者の均一な溶液を予め調製し、しかる後反応させるプロセスが選択率、収率などの点で有利であるとされていた。
【0013】
アルデヒド類と過酸化水素との反応によるカルボン酸の合成反応においても、前記したように、この発想が踏襲され、酸触媒の存在下、極性溶媒を用いてアルデヒド油性溶液と過酸化水素との均一溶液を反応させてカルボン酸類を製造するプロセスが採られている。
【0014】
本発明者らは、かかる酸化反応を更に効率的にかつ環境・人体の保護の観点から、種々様々な研究・実験、理論的考察を模索した結果、この過酸化水素を酸化剤とするアルデヒド類の酸化反応は、従来の技術常識とは異なり、均一溶液系ではなく、アルデヒド油性溶液と過酸化水素水溶液との不均一溶液系で、かつ側鎖にスルホン酸基を有する高分子化合物を含む触媒の存在下で反応を行った場合には、カルボン酸の収率が著しく向上し、しかも環境負荷の軽減に著しく貢献することを知見した。このような知見は従来の技術常識では到底予期できるものではなく、本発明者の弛まぬ実験研究の積み重ねによってはじめて見い出された特異的な現象である。
【0015】
本発明方法で用いる原料としては、従来公知の一般的なアルデヒド類を使用することができ、特に制限されるものではないが、下記一般式(1)で表されるアルデヒド類が好ましく用いられる。
RCHO (1)
(式中、Rは前記と同じ)
【0016】
Rがアルキル基の場合、そのアルキル基の炭素数は3〜22、好ましくは5〜18である。このアルキル基の具体例としては、オクチル基、2-エチルヘキシル基等が挙げられる。Rがシクロアルキル基の場合、そのシクロアルキル基の炭素数は5〜12、好ましくは5〜8である。このシクロアルキル基の具体例としては、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。Rがアリール基の場合、そのアリール基の炭素数は6〜14、好ましくは6〜10である。このアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。Rがアラルキル基の場合、そのアラルキル基の炭素数は7〜15、好ましくは7〜11である。このアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。これらRがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基の何れの場合にあっても、これらのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基は、炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基、トリメチルシリル基、ヒドロキシ基等の置換基で更に置換されていても良い。また、分子内にホルミル基とオレフィンが共存する場合には、ホルミル基が選択的に酸化されたオレフィンカルボン酸類が得られる。
【0017】
本発明で好ましく使用されるアルデヒド類の具体例としては、たとえばオクチルアルデヒド、 3- フェニルプロピオンアルデヒド、 2- エチルヘキシルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トリメチルアセトアルデヒド、 2- フェニルプロピオンアルデヒド、 p- トルアルデヒド、 p- アニスアルデヒド、 10- ウンデセンアルデヒド等が挙げられるが、特に好ましくはオクチルアルデヒド、 3- フェニルプロピオンアルデヒド、 2- エチルヘキシルアルデヒドおよびベンズアルデヒドが用いられる。
【0018】
本発明においては、上記したように、温和な反応条件下で、アルデヒド類からカルボン酸を高収率で得ることができると共に反応操作が簡便で反応終了後の媒除去操作を不要とし、かつ環境や人体への影響・毒性がきわめて小さい、アルデヒド類と過酸化水素水溶液との反応による安全かつ簡便で効率的なカルボン酸の製造方法を提供することをその目的としていることから、アルデヒドの油性溶液としては、アルデヒドそれ自体の油性溶液を用いる。
【0019】
本発明方法で用いる酸化剤は、過酸化水素であり、実施に当たってはその水溶液の形態で用いられる。過酸化水素水溶液の濃度は、 30 〜 60 重量 % の範囲から選ばれる。
また、過酸化水素水溶液の使用量にも制限はないが、一般的にはアルデヒド類に対して1.0〜10.0当量、好ましくは1.0〜1.2当量の範囲から選ばれる。
【0020】
本発明方法で用いる触媒は、側鎖にスルホン酸基を有するフッ素系高分子化合物を主体とするものである。本発明の反応は、このような触媒の使用により反応が著しく促進される。
【0021】
本発明で用いられる上記高分子化合物としては、 Nafion NR50 (Du Pont 社製 ) 、 Nafion SAC13 (Du Pont 社製 ) 等の市販品を例示することができる。
【0022】
触媒として用いられる上記スルホン酸基が側鎖に結合した高分子化合物の使用量については、量を増すほど反応が促進されるため、スルホン酸基とアルデヒドのホルミル基の当量比でスルホン酸基を大過剰に用いることができる。しかし、反応温度にも依存するが、ホルミル基に対するスルホン酸基の当量が0.0001−0.2当量、好ましくは0.01−0.1当量であっても、比較的短時間に高収率を達成することが可能である。
【0023】
本発明の製造方法で用いる触媒は、前記したスルホン酸基が側鎖に結合した高分子化合物を主体とするものであるが、必要に応じ、酢酸、リン酸、リン酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、アンモニウム塩等の補助触媒等を使用することも可能である。
【0024】
本発明方法の反応条件には、特に制約ないが、通常、反応は30〜120℃、好ましくは50〜100℃の範囲で行われる。反応圧力は常圧、加圧、減圧のいずれでも良いが、常圧で行うことが好ましい。
【0025】
また、本発明の製造方法においては、反応系中で過酸化水素水溶液とアルデヒド類とが不均一溶液を形成する方法であれば、原料、酸化剤及び触媒の添加順序や反応態様に特に制限はないが、通常、触媒を混合した過酸化水素水溶液にアルデヒド類を添加し、あらかじめ3者の不均一混合物を形成しておき、ついでこれらを撹拌しながら反応させる方法が採られる。
【0026】
本発明の製造方法においては、前記した特有な酸化反応プロセスを採ることにより、一般式(1)で表されるアルデヒド類からこれに対応する
RCO2H (2)
(式中、Rは前記と同じ)などのカルボン酸を高収率で得ることができる。
【0027】
本発明方法で得られるカルボン酸の具体例としては、例えば、オクタン酸、 3- フェニルプロピオン酸、 2- エチルヘキサン酸、安息香酸、トリメチル酢酸、 2- フェニルプロピオン酸、 p- トルイル酸、 p- アニス酸、 10- ウンデセン酸等が挙げられる。この中でも、オクタン酸、 3- フェニルプロピオン酸、 2- エチルヘキサン酸安息香酸が好ましく合成される。
【0028】
本発明方法においては、前記反応終了後、生成したカルボン酸を含む混合液を濃縮後、再結晶や蒸留、昇華等の通常の方法によって分離精製することより、高収率、高選択率で目的とするカルボン酸を得ることができる。また、触媒の分離は、反応液の濾過、もしくはデカンテーションのようなそれに類する操作により容易に達成され、回収触媒は水で洗浄することによりそのまま繰り返し使用することが可能である。
【0029】
【実施例】
本発明を以下の実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0030】
実施例1
Nafion NR50 (500 mg)、30%過酸化水素水溶液(1.3 mL, 11 mmol)およびオクチルアルデヒド(1.6 mL, 10 mmol)を混合し、90℃で2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、GLCを測定したところ、オクタン酸の収率は93%であった。
【0031】
実施例2
Nafion NR50 (500 mg)、30%過酸化水素水溶液(1.3 mL, 11 mmol)およびオクチルアルデヒド(1.6 mL, 10 mmol)を混合し、90℃で2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、GLCを測定したところ、オクタン酸の収率は93%であった。反応溶液からNafion NR50をろ別し、5 mLの水で5回洗浄した後、オクチルアルデヒド(1.6 mL, 10 mmol)および30%過酸化水素水溶液(1.3 mL, 11 mmol)を加え、90℃で2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、GLCを測定したところ、92%の収率でオクタン酸が生成していることがわかった。
【0032】
比較例1
オクチルアルデヒド(1.6 mL, 10 mmol)と30%過酸化水素水溶液(1.3 mL, 11 mmol)が均一相をなすようにジオキサン(10 mL)を溶媒として用い、触媒を使用せずに90℃で2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、GLCを測定したところ、オクタン酸の収率は30%であった。
【0033】
比較例2
オクチルアルデヒドと過酸化水素水溶液が均一相をなすように、あらかじめジオキサン(10 mL)を加えた以外は実施例1と同じ条件で反応を行った結果、オクタン酸の収率は49%であった。
【0034】
実施例3
Nafion NR50 (500 mg)、30%過酸化水素水溶液(1.3 mL, 11 mmol)および3-フェニルプロピオンアルデヒド(1.3 mL, 10 mmol)を混合し、90℃で2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、GLCを測定したところ、3-フェニルプロピオン酸の収率は92%であった。
【0035】
実施例4
Nafion NR50 (500 mg)、30%過酸化水素水溶液(1.3 mL, 11 mmol)および2-エチルヘキシルアルデヒド(1.6 mL, 10 mmol)を混合し、90℃で2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、GLCを測定したところ、2-エチルヘキサン酸の収率は65%であった。
【0036】
実施例5
Nafion NR50 (500 mg)、30%過酸化水素水溶液(1.3 mL, 11 mmol)およびトリメチルアセトアルデヒド(1.1 mL, 10 mmol)を混合し、90℃で2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、GLCを測定したところ、トリメチル酢酸の収率は32%であった。
【0037】
実施例6
Nafion NR50 (500 mg)、30%過酸化水素水溶液(1.3 mL, 11 mmol)および2-フェニルプロピオンアルデヒド(1.3 mL, 10 mmol)を混合し、90℃で2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、GLCを測定したところ、2-フェニルプロピオン酸の収率は10%であった。
【0038】
実施例7
Nafion NR50 (500 mg)、30%過酸化水素水溶液(1.3 mL, 11 mmol)およびベンズアルデヒド(1.0 mL, 10 mmol)を混合し、90℃で2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、GLCを測定したところ、安息香酸の収率は82%であった。
【0039】
実施例8
Nafion NR50 (500 mg)、30%過酸化水素水溶液(1.3 mL, 11 mmol)およびp -トルアルデヒド(1.6 mL, 10 mmol)を混合し、90℃で2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、GLCを測定したところ、p-トルイル酸の収率は42%であった。
【0040】
実施例9
Nafion NR50 (500 mg)、30%過酸化水素水溶液(1.3 mL, 11 mmol)およびp-アニスアルデヒド(1.2 mL, 10 mmol)を混合し、90℃で2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、GLCを測定したところ、p -アニス酸の収率は4%であった。
【0041】
実施例10
Nafion NR50 (500 mg)、30%過酸化水素水溶液(1.3 mL, 11 mmol)および10-ウンデセンアルデヒド(2.1 mL, 10 mmol)を混合し、90℃で2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、GLCを測定したところ、10-ウンデセン酸の収率は90%であった。
【0042】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、種々の有機化合物の中間体として幅広く用いられる有用なカルボン酸類を、温和な条件下で、かつ高収率で得ることができる。また、本発明方法は、有機溶媒、酸および塩基を使用しないため、反応操作が簡便で反応終了後の溶媒除去操作等を不要とすると共に、触媒の回収および再使用が可能であり、環境や人体への影響・毒性がきわめて小さく、環境に対する負荷を軽減する効果も有し、安全かつ簡便で効率的にカルボン酸類を得ることができる。したがって、本発明方法は工業的に多大な効果をもたらす発明ということができる。
Claims (2)
- アルデヒドそれ自体の油性溶液と30〜60重量%の過酸化水素水溶液とを、側鎖にスルホン酸基を有するフッ素系高分子を含む触媒の存在下、不均一溶液系で反応させることを特徴とするカルボン酸の製造法。
- アルデヒドが、オクチルアルデヒド、 3- フェニルプロピオンアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒドおよびベンズアルデヒドから選ばれた少なくとも一種であり、カルボン酸が当該アルデヒドに相応するカルボン酸であることを特徴とする請求項1に記載のカルボン酸の製造方法。
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