JP3389363B2 - 新規な触媒及び触媒を用いてカルボン酸を製造する方法 - Google Patents

新規な触媒及び触媒を用いてカルボン酸を製造する方法

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JP3389363B2
JP3389363B2 JP02814495A JP2814495A JP3389363B2 JP 3389363 B2 JP3389363 B2 JP 3389363B2 JP 02814495 A JP02814495 A JP 02814495A JP 2814495 A JP2814495 A JP 2814495A JP 3389363 B2 JP3389363 B2 JP 3389363B2
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カウンシル・オブ・サイエンティフィック・アンド・インダストリアル・リサーチ
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  • Catalysts (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカルボン酸の製造に有用
な新規な触媒、触媒を製造する方法及びカルボン酸の製
造におけるその使用に関する。本発明は特に炭化水素の
酸化によるカルボン酸の製造に有用な触媒に関する。本
発明は更に特にシクロペンタン、シクロヘキサン、シク
ロヘプタン、C4−C6パラフィン、トルエン、o−キシレ
ン、m−キシレン、p−キシレン等の如き特定の炭化水
素を酸化するために高度に有効な触媒に関する。酸化は
一段で液相において空気又は酸素により行われ得る。本
発明の触媒はアジピン酸、ピメリン酸、グルタル酸、フ
タール酸の様なジカルボン酸及び酢酸、安息香酸の様な
モノカルボン酸の製造に特に有用である。
【0002】ジカルボン酸の主要な応用はポリエステ
ル、ポリアミド、可塑剤、合成潤滑剤及びアルキッドの
製造にある。アジピン酸は特にナイロン66、特殊グレ
ードの可塑剤、合成潤滑油、アルキッド及びポリウレタ
ンの製造に広い応用を見出している。モノカルボン酸は
溶剤として且つ可塑剤及び純粋化学製品の合成に用いら
れる。一般にジカルボン酸は遷移金属触媒、例えばコバ
ルト又はマンガンを用いる炭化水素の触媒的酸化により
製造される。かかるプロセスにおいては、時に、形成さ
れる中間体が分離されたり、又使用される酸化剤とのそ
れらの反応性により更に酸化に付される必要がある。
【0003】
【従来の技術】一例として、アジピン酸はシクロヘキサ
ンを第一段階においてシクロヘキサノンとシクロヘキサ
ノールとの混合物へ酸化し、続いて第二段階においてこ
の混合物を空気又は硝酸によりアジピン酸へ酸化するこ
とによりつくられる。現在、アジピン酸はシクロヘキサ
ンから二段階酸化プロセスにより製造される。第一段階
においてシクロヘキサンは液相において約 150℃で空気
又は酸素によりコバルト又はマンガン触媒の存在におい
て酸化されシクロヘキサノン及びシクロヘキサノールの
混合物を形成する。第二段階においてこの混合物は硝酸
により50−80℃においてバナジウム−銅触媒の存在にお
いてアジピン酸へ酸化される。アジピン酸への全体の選
択率はシクロヘキサンに基づいて約70%である。他のプ
ロセスも又知られているが、それらはヒドロペルオキシ
ドの高濃度を含むか又はシクロヘキサンを酸化するため
の触媒として臭素含有触媒又はコバルト触媒の高濃度を
利用する。
【0004】上述のプロセスを遂行するために用いる触
媒は次の如き欠点を有する: 1. 1回通過当たりのシクロヘキサンの低い(3−8
%)転化率は、第一段階においてシクロヘキサンの約95
%のリサイクルを必要とする。 2. ヒドロペルオキシドの高い濃度(0.2−10%)はそれ
らの使用される反応温度、即ち約 150℃における爆発性
により、プロセスを危険にする。 3. プロセスは反応の間にラクトン及びオキシ酸の如き
望ましからざる副生物の生成を生じ、これらは分離され
る必要がある。これらの望ましからざる生成物の分離は
複雑な工程を必要とする。 4. 臭素触媒の使用は装置のひどい腐蝕へと導く。プロ
セスは5−25kg/cm2で運転するから、かかる腐蝕は爆発
の危険へと導く。更に、第二段階において酸化剤として
用いられる硝酸からの窒素の酸化物を含むガス状の汚染
物の存在は、きびしい腐蝕及び環境問題へと導く。 5. 各酸化段階に対して別個の酸化反応器システムの必
要性。
【0005】製品の選択性を上昇させるために、コバル
ト塩と共にマンガン、ニッケル、クロム、銅又は亜鉛塩
を含むコバルト触媒が用いられたが、これらは上述の欠
点の除去をもたらさなかった。
【0006】シクロヘキサンの一段階空気酸化によるア
ジピン酸の製造も又従来調査された。ケイ・タナカのCh
em. Tech. 4(9), 1974, 555-559頁、Chem. Eng. News 5
2(15) 1974, 24頁、予稿(Div Petr Chem) Amer, Chem.
Soc. 19(1), 1974, 103-111頁及び特公昭50−19534号公
及びJGD Schultz 及びA OnopchenkoのJ. Org. Chem,
38, 1973, 3729-3733頁及びJ. Org. Chem, 45, 1980, 3
716-3719頁及び米国特許4,263,453 は、コバルト触媒を
用いるかかる単一段階プロセスを述べている。Steinmet
z 等による最近の特許である米国特許第4,902,827 はコ
バルトと共に可なり大きな濃度におけるジルコニウム及
びハフニウム塩の使用を述べている。米国特許第3,649,
689 はコバルトカルボン酸塩及び臭素化合物を含有する
触媒を用いるシクロヘキサンのアジピン酸への酸化をク
レームしている。
【0007】これらの一段階でのシクロヘキサンの酸化
によりアジピン酸を製造するための以前の企図は、主た
る焦点がコバルト触媒の使用と80− 130℃の範囲のより
低い酸化温度にあった。
【0008】タナカは又その場で第一コバルト(cobalto
us) を触媒的に活性な第二コバルト(cobaltic)の状態へ
転換するために、アセトアルデヒド、2−ブタノン、シ
クロヘキサノン等の促進剤の使用を述べている。これら
の促進剤は触媒活性を保持するために反応器へ連続的に
供給さるべきである。
【0009】アジピン酸を製造するための上述の公知の
一段階プロセスの欠点は次の如くである: 1. 生成されるアジピン酸が低純度のものである。それ
は第一コバルト塩の最初の高い割合がカプロラクトンの
生成を導き、これは急速にポリカプロラクトンへ重合す
る。 2. ハフニウム、ジルコニウム等の如き希金属の共触媒
としての使用は高価であり、且つそれらの濃度の監視は
複雑な仕事である。 3. 臭化物の共触媒としての使用は反応器及び他のプロ
セス設備の構造の特殊な非腐蝕性材料を必要とし、それ
によりプロセスのコストを増加する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的は
次の通りである: 1. シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロヘプタ
ン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシ
レン等の如き炭化水素の空気又は酸素による対応するカ
ルボン酸への70%をこえる製品選択率及びより高い(60
−98%)炭化水素転化率での酸化に対して有用な新しい
触媒を提供すること。 2. 上記新規な触媒の対応する第一コバルト及び第一鉄
塩の混合物からの製造のプロセスを提供すること。 3. 適宜の炭化水素の空気又は酸素による第二コバルト
塩70−99重量%と第二鉄塩1−30重量%の混合物からな
る新規な触媒を用いる酸化により、カルボン酸を60−98
%の高い炭化水素転化率と70%をこえるカルボン酸選択
率で製造するための改良されたプロセスを提供するこ
と。 4. 望ましくない副生物、例えばラクトン、オキシ酸等
の生成を実質的に減少させるか又は除去する、ジカルボ
ン酸の製造のための改良されたプロセスを提供するこ
と。
【0011】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は第二
バルト塩70−99重量%と第二鉄塩1−30重量%を含み、
塩の酸成分は酢酸、プロピオン酸、ナフテン酸、アジピ
ン酸、フタール酸等から選択される、炭化水素の酸化に
よるカルボン酸の製造に対し有用な新規な触媒を提供す
る。
【0012】本発明は又対応する第一コバルトの塩の70
−99重量%と対応する第一鉄の塩1−30重量%との混合
物を、開始剤及び2乃至4の範囲の炭素原子を有する脂
肪族モノカルボン酸又はそれらの混合物から選ばれた溶
剤及び酸素又は空気の存在において、60− 150℃の範囲
内の温度及び1−50kg/cm2の範囲内の圧力で0.25−8時
間の範囲内の時間反応させることからなる、炭化水素の
酸化によるカルボン酸の製造に有用な新規な触媒の製造
のためのプロセスを提供する。
【0013】第一コバルト塩及び第一鉄塩の酸成分は酢
酸、プロピオン酸、ナフテン酸、安息香酸、アジピン
酸、フタール酸等から選択され得る。第一コバルト塩の
量は好ましくは85−99重量%の範囲であり、第一鉄塩は
1−15重量%である。使用される開始剤は2−ブタノ
ン、パラアルデヒド、シクロヘキサノン、シクロヘキサ
ノール、アセトアルデヒド、部分酸化炭化水素等から選
択され得る。使用される開始剤の量は第一コバルト塩の
10− 100重量%の範囲であり得る。使用される溶剤は酢
酸、プロピオン酸、酪酸等及びそれらの混合物から選択
され得る。開始剤の量は、好ましくは第一コバルト塩の
30−50重量%の範囲であり得る。使用される溶剤は第一
コバルト塩の2000− 12000重量%の範囲であり得る。
【0014】反応は任意の酸素又は空気空間速度、好ま
しくは30−60h-1の範囲内で行われ得る。使用される温
度は好ましくは80− 130℃の範囲内であり得る。使用さ
れる圧力は好ましくは1−10kg/cm2の範囲内であり得
る。空気又は酸素との接触時間は好ましくは0.25−3時
間の範囲内であり得る。
【0015】本発明の他の目的によれば、炭化水素の酸
素又は空気での酸化によるカルボン酸の製造のための改
良されたプロセスが提供され、次の工程からなる: (a) 炭化水素を、第二コバルト塩70−99重量%と第二鉄
塩1−30重量%を含み、塩の酸成分が酢酸、プロピオン
酸、ナフテン酸、アジピン酸、フタール酸等から選択さ
れる触媒と接触させる。 (b) 得られた混合物を酸素又は空気と、1−70kg/cm2
範囲内の圧力及び60−150℃の温度範囲で1乃至8時間
の範囲の期間、1− 200h-1の空間速度で接触させる。 (c) 未反応の炭化水素及び触媒を通常の方法により分離
する。 (d) 生成されたカルボン酸を結晶化又は分別蒸留により
分離する。 (e) もし必要なら、上記(b) 及び(c) の段階で得られた
炭化水素、溶剤及び触媒をリサイクルする。
【0016】本発明の好ましい実施態様では、反応に用
いられる触媒対炭化水素比は重量で0.01乃至0.5 の間の
範囲であり、使用される圧力は10−50kg/cm2の範囲であ
り、使用される温度は70− 150℃の範囲、空間速度は1
−60h-1の範囲である。
【0017】本発明の特定の特徴によれば、アジピン酸
の製造のための改良されたプロセスが提供され、次の工
程からなる: (a) シクロヘキンを触媒と接触させる; (b) 得られた混合物を酸素又は空気と1−70kg/cm2の範
囲の圧力と70− 150℃の範囲の温度で1−8時間の範囲
の期間、1− 200h-1の空間速度で接触させる; (c) 未反応のシクロヘキサン及び触媒を常法により分離
する; (d) 生成したアジピン酸を結晶化又は分別蒸留により分
離する;そして (e) もし必要なら、工程(b) 乃至(c) からの未反応のシ
クロヘキサン、溶剤及び触媒をリサイクルする。
【0018】
【発明の効果】本発明の触媒は上記に説明した如く、シ
クロヘキサン、シクロヘプタン、シクロペンタン、トル
エン及びキシレンの如き炭化水素を酸化することにより
試験される時、カルボン酸の生産の選択率はシクロパラ
フィン酸化において70−79%、又トルエン及びキシレン
に対し94−98%の範囲で、炭化水素転化率は80及び90%
の間の範囲であった。上述の触媒を用いる生成物選択率
はこれまで公知の触媒を用いて達成可能であった最大よ
りも2−4%高いことが見出された。酸生成物の分離後
の未反応及び部分酸化炭化水素及び溶剤はリサイクルさ
れて、追加量の酸を回収し、それによりプロセスの効率
を増加することができる。
【0019】
【実施例】又以下に示された実施例は本発明を説明する
ためのみのもので、それ故本発明の範囲を限定するもの
と考えられてはならないことが注意さるべきである。
【0020】実施例1−3は本発明の新規な触媒を調製
するプロセスを述べるものである。
【0021】実施例I 18gの酢酸第一コバルト、 Co(OCOCH3)2・4H2O、2gの
酢酸第一鉄、3gのシクロヘキサノンの 500gの酢酸中
の溶液が95℃に加熱され、酸素で20h-1の空間速度で1
時間、第二コバルト及び第二鉄イオンの合計濃度が全金
属イオンの約85%になるまで処理された。この段階にお
いて、その様に調製された触媒中の各種イオンの濃度
(全金属塩の重量%)は次の様であった。:酢酸第二コ
バルト79%、酢酸第一コバルト11%、酢酸第二鉄6%、
酢酸第一鉄4%。
【0022】実施例II 17gのナフテン酸第一コバルト、3gのナフテン酸第一
鉄及び 3.5gの2−ブタノンの400gの酢酸中の溶液が1
00℃に加熱され、攪拌しながら酸素で20kg/cm2の圧力で
2時間処理された。この期間の後合計の第一鉄及び第一
コバルトイオンの約89%がその様に調製された触媒中で
より高い酸化状態へと変換される。この段階において調
製された触媒中の全イオンの重量%は次の様であった:
第二コバルト79%、第一コバルト6%、第二鉄13%及び
第一鉄2%。
【0023】実施例III 16gのアジピン酸第一コバルト及び4gのアジピン酸第
一鉄、6gのパラアルデヒド、 150gの酢酸の溶液が 1
20℃に加熱され、10kg/cm2の圧力で4時間酸素で処理さ
れた。この期間の後組み合わせの第一鉄及び第一コバル
トイオンの90%がより高い酸化状態へ変換された。全イ
オンの重量%に基づく調製された触媒の組成は次の様で
あった:第二コバルト75%、第一コバルト5%、第二鉄
15%及び第一鉄5%。
【0024】上記実施例で調製された触媒は、シクロヘ
キサン、シクロペンタン、シクロヘプタン、トルエン、
C4−C6パラフィン、o−キシレン、m−キシレン、p−
キシレンの様な炭化水素を酸化する触媒として、アジピ
ン酸、グルタル酸、ピメリン酸、安息香酸、酢酸、イソ
フタール酸、フタール酸、テレフタール酸等の対応する
ジカルボン酸又はモノカルボン酸の製造のために使用さ
れ得る。
【0025】実施例IV 上記実施例Iから生ずる触媒混合物 165g及び35gのシ
クロヘキサンが酸素と25h-1の空間速度において、95
℃、20kg/cm2において 500mlのオートクレーブ中で反応
された。3時間の終りに、反応混合物はフラッシュ(fl
ash)され、未反応シクロヘキサン 8.7g、水10.2g及び
酢酸 6.1gを含む物質80gを回収した。25℃へ冷却した
残渣は粗95%アジピン酸結晶24.0g及び 105gの濾液プ
ラス酢酸洗滌物を産生し、これはアジピン酸 9.6gと1
2.1gのシクロヘキサノン、シクロヘキサノール、シク
ロヘキシルアセテート、モノシクロヘキシルアジペート
等及び低級ジカルボン酸の如き部分酸化生成物を含み、
これらはリサイクルされ得る。シクロヘキサン転化率は
75.1%で、アジピン酸への全選択率は71%であった。
【0026】実施例V シクロヘキサン35g、実施例IIからの触媒混合物165gが
酸素で空間速度20h-1で 110℃、30kg/cm2において酸化
された。2時間の終りに、反応混合物はフラッシュさ
れ、シクロヘキサン10.5g、水10.1g及び酢酸79.4gを
含む物質 100gを回収した。
【0027】冷却及び濾過の残渣は粗98.5%アジピン酸
25.3gを産生した。濾液はアジピン酸11.9gを含み、シ
クロヘキサン転化率は82%、アジピン酸への全選択率は
73.8%であった。
【0028】実施例VI 5.0gの酢酸第一コバルト四水物及び 0.5gの酢酸第一
鉄と2gのシクロヘキサノンの160gの氷酢酸中の溶液
が95%で酸素と1分当たり100mlの割合で攪拌して2時
間接触され、約90%の第一コバルト並びに第一鉄塩が第
二コバルト及び第二鉄塩へ転化された。35gのシクロヘ
キサンが次いで添加され、混合物は更に酸素と25h-1
空間速度で95℃及び圧力40kg/cm2で反応した。4時間の
終りに生成物は蒸留され、未反応シクロヘキサン、水及
びいくらかのアジピン酸を除去した。残渣は冷却して濾
過され、23.8gの98.5%アジピン酸を回収した。濾液は
9.1gのアジピン酸を含んでいた。記録されたシクロヘ
キサン転化率は71%であり、アジピン酸への全選択率は
76.8%であった。
【0029】実施例VII 実施例III からの触媒混合物175gとシクロヘキサン35
gが、6時間、100℃、30kg/cm2において、酸素と出口
において1分当たり50mlの割合で処理された。アジピン
酸への全選択率は74.5%であり、シクロヘキサンの転化
率は80%であった。
【0030】本発明は上述の実施例を以てアジピン酸の
製造に特に関連して記述されているが、本発明がアジピ
ン酸の調製のみに限定されると解釈さるべきではない。
本発明のプロセスはグルタル酸、ピメリン酸、フタール
酸、イソフタール酸及びテレフタール酸の如きジカルボ
ン酸及び酢酸、プロピオン酸及び安息香酸の如きモノカ
ルボン酸の製造に対して使用され得る。これは下記に示
す実施例において例示される。
【0031】実施例VIII p−キシレン40g、80%の酢酸第二コバルト、10%の酢
酸第二鉄、8%の酢酸第一コバルト及び2%の酢酸第一
鉄を含む触媒 5.5gが酸素と空間速度30h-1で、 130
℃、10kg/cm2で4時間反応された。酸化生成物はフラッ
シュされ、 4.0gの未反応p−キシレン、 8.2gの水及
び残りは酢酸を含む蒸留物30.0gを回収した。残渣は冷
却され、濾過されて、固体は酢酸で浸出され、乾燥され
て粗98%テレフタール酸の51.9gを産出し、これは90%
のp−キシレン転化率及び92%のイソフタール酸選択率
に対応する。溶液が新しい実験へリサイクルされる時、
53.5gのテレフタール酸を産出し、これは95%のテレフ
タール酸への選択率に対応する。
【0032】実施例IX m−キシレン40g、85%(重量)の酢酸第二コバルト、
8%の酢酸第二鉄、5%の酢酸第一コバルト及び2%の
酢酸第一鉄を含む触媒6g及び 200gの酢酸の溶液が酸
素と空間速度25h-1、 135℃及び20kg/cm2において4時
間反応された。酸化生成物はフラッシュされて、 3.5g
の未反応m−キシレン、 8.5gの水及び6.5gの酢酸か
らなる18.5gの蒸留液を回収した。残渣は室温へ冷却後
濾過され、固体は酢酸で浸出され乾燥されて、98%イソ
フタール酸53.4gを産出し、これは91.2%に達した反応
したm−キシレンを基にして、93.5%の選択率に対応す
る。濾液は新しい実験にリサイクルされる時、イソフタ
ール酸への97%の選択率を得た。
【0033】実施例X 30gのシクロペンタン、80%(重量)の酢酸第二コバル
ト、12%の酢酸第二鉄、6%の酢酸第一コバルト及び2
%の酢酸第一鉄からなる 5.0gの触媒及び 150gの酢酸
を含む溶液が空気と空間速度60h-1で95℃及び45kg/cm2
において4時間反応された。酸化生成物はフラッシュさ
れて 4.0gの未反応シクロペンタン、10gの水及び36g
の酢酸を含む50gの蒸留物を回収した。残渣は34.3gの
グルタル酸を含み、86%のシクロペンタン転化率及び71
%のグルタル酸への選択率に対応した。
【0034】実施例XI 85%の酢酸第二コバルト、8%の酢酸第二鉄、5%の酢
酸第一コバルト及び2%の酢酸第一鉄からなる 4.0gの
触媒を含む酢酸中の 200gの溶液及び50gのトルエンが
酸素と空間速度40h-1で85℃で4時間反応された。酸化
生成物は処理されて61.7gの安息香酸、 2.1gのベンズ
アルデヒド及び 1.0gの未反応トルエンを産出した。こ
れは98%の炭化水素転化率及び安息香酸への95%選択
率、40%以上のベンズアルデヒドに対応した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 63/06 C07C 63/06 63/24 63/24 63/26 63/26 F // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07C 45/36 C07C 45/36 47/54 47/54 (72)発明者 ジリンドラ・ナライン・クルスレスサ インド国ウッタル・プラデシ,デラドゥ ーン,インディアン・インスティテュー ト・オブ・ペトロリアム研究所内 (72)発明者 マヘンドラ・プラタップ・サックセナ インド国ウッタル・プラデシ,デラドゥ ーン,インディアン・インスティテュー ト・オブ・ペトロリアム研究所内 (72)発明者 アソーク・クマー・グプタ インド国ウッタル・プラデシ,デラドゥ ーン,インディアン・インスティテュー ト・オブ・ペトロリアム研究所内 (72)発明者 ハリ・バグワン・ゴーヤル インド国ウッタル・プラデシ,デラドゥ ーン,インディアン・インスティテュー ト・オブ・ペトロリアム研究所内 (72)発明者 ラメッシュワー・プラサド インド国ウッタル・プラデシ,デラドゥ ーン,インディアン・インスティテュー ト・オブ・ペトロリアム研究所内 (72)発明者 トゥグラ・サンドラ・ラマ・プラサダ・ ラド インド国ウッタル・プラデシ,デラドゥ ーン,インディアン・インスティテュー ト・オブ・ペトロリアム研究所内 (72)発明者 プラカッシュ・ダーヤドバーイ・パテル インド国ボンベイ,ナリマン・ポイン ト,エンバッシー・センター・801 (56)参考文献 特開 平3−223229(JP,A) 特開 昭49−135958(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 C07B 61/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第二コバルト塩70−99重量%及び第二鉄
    塩1−30重量%を含み、塩の酸成分が酢酸、プロピオン
    酸、ナフテン酸、アジピン酸及びフタール酸から選ばれ
    、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタ
    ン、C −C パラフィン、トルエン、o−キシレン、
    m−キシレン及びp−キシレンから選ばれる炭化水素の
    酸化によるカルボン酸の製造のための触媒。
  2. 【請求項2】 触媒が第二コバルト塩70−99重量%及び
    第二鉄塩1−30重量%を含む請求項1記載の触媒。
  3. 【請求項3】 塩の酸成分が酢酸、プロピオン酸、ナフ
    テン酸、アジピン酸及びフタール酸から選ばれる、第一
    コバルト塩70−99重量%、第一鉄塩1−30重量%の混合
    物を、第一コバルト塩及び第一鉄塩を、対応する第二コ
    バルト塩及び第二鉄塩に転換する反応のための開始剤の
    存在において2乃至4の範囲の炭素原子を有する脂肪族
    モノカルボン酸又はその混合物から選ばれた溶剤及び酸
    素又は空気と、60−150℃の範囲内の温度及び1−50kg/
    cm2の範囲内の圧力において0.25−8時間の範囲内の時
    間反応させることからなる、シクロペンタン、シクロヘ
    キサン、シクロヘプタン、C−Cパラフィン、トル
    エン、o−キシレン、m−キシレン及びp−キシレンか
    ら選ばれる炭化水素の酸化によるカルボン酸の製造のた
    めの触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 反応が10−90h-1の範囲内の空間速度で
    行われる請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 第一コバルト塩の量が80−99重量%の範
    囲であり、第一鉄塩の量が1−20重量%の範囲、開始剤
    が第一コバルト塩の重量の10− 100%の範囲であり、溶
    剤が第一コバルト塩の2000− 12000重量%の範囲であ
    り、空間速度が30−60h-1、温度が80− 150℃、圧力が
    1−25kg/cm2の範囲であり、反応時間が0.5−3時間の
    範囲である請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 2−ブタノン、シクロヘキサノール、シ
    クロヘキサノン、アセトアルデヒド、部分酸化炭化水素
    から選ばれる開始剤が用いられる請求項3記載の方法。
  7. 【請求項7】 酢酸、プロピオン酸、ブタン酸又はそれ
    らの混合物から選ばれる溶剤が用いられる請求項3記載
    の方法。
  8. 【請求項8】(a) 炭化水素を、第二コバルト塩70−99重
    量%と第二鉄塩1−30重量%を含み、塩の酸成分が酢
    酸、プロピオン酸、ナフテン酸、アジピン酸、フタール
    酸から選ばれる触媒と接触させ; (b) 得られた混合物を酸素又は空気と、1− 200h-1
    空間速度、60− 150℃の範囲内の温度、及び1−70kg/c
    m2の範囲内の圧力で1−8時間の範囲内の期間接触さ
    せ; (c) 未反応の炭化水素及び触媒を常法により分離し; (d) 形成されたカルボン酸を結晶化又は分別蒸留により
    分離し;そして (e) もし必要なら、上記工程(b) 乃至(c) において回収
    された炭化水素、溶剤及び触媒をリサイクルすることか
    らなる、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプ
    タン、C −C パラフィン、トルエン、o−キシレ
    ン、m−キシレン及びp−キシレンから選ばれる炭化水
    素の酸素又は空気による酸化によりカルボン酸を製造す
    る方法。
  9. 【請求項9】 使用された触媒対炭化水素の比が重量で
    0.01乃至0.5 であり、使用された圧力が10−50kg/cm2
    範囲であり、使用された温度が70− 150℃の範囲であ
    り、且つ空間速度が10−90h-1の範囲である請求項8記
    載の方法。
  10. 【請求項10】(a) シクロヘキサンを、第二コバルト塩
    70−99重量%と第二鉄塩1−30重量%を含み、塩の酸成
    分が酢酸、プロピオン酸、ナフテン酸、アジピン酸、フ
    タール酸から選ばれる触媒と接触させ; (b) 得られた混合物を酸素又は空気と、1− 200h-1
    空間速度、70− 150℃の範囲内の温度、及び1−70kg/c
    m2の範囲内の圧力で1−8時間の範囲内の期間接触さ
    せ; (c) 未反応のシクロヘキサン及び触媒を常法により分離
    し; (d) 形成されたアジピン酸を結晶化又は分別蒸留により
    分離し;そして (e) もし必要なら、上記工程(b) 乃至(c) からの未反応
    のシクロヘキサン、溶剤及び触媒をリサイクルすること
    からなる、新規触媒を用いるシクロヘキサンの酸化によ
    りアジピン酸を製造する方法。
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