JP3967433B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
プラズマ処理装置は、半導体装置の製造及びコーティングの析出や表面のエッチングが必要な他のプロセスにおいて広く使われている。特に、これらのプロセスが生産規模で実施され、バッチ相互間の一様性が極めて重要な場合に然りである。
【0003】
一般にこの様なプラズマは真空室内で発生され、好ましくは、無線周波電力を印加する時にプラズマ電圧への妨害を減少させるために、プラズマ発生手段をその室の外側又は保護壁の内側に配置する。
【0004】
従って、米国特許第4844775号のように単一コイルでプラズマ室を囲む提案があり、さらに処理室の一端に対向して単一のスパイラル・コイルを配置することが多くの者から提案されている。その一例は欧州特許第EPA0379828号である。通常は、誘電体窓をコイルに隣接させて設ける。米国特許第5309063号が、誘電体コップの中でプラズマ室内へ凹入する単一コイルをこれの一変形として記載し、米国特許第52801154号及び米国特許第5397962号は回転電磁界の発生を許容するように配置した複数の間隔付きアンテナに対する提案を示す。
【0005】
しかし、これらの提案は全て、例えば加工品近傍等でプラズマの一様性が多かれ少なかれ不足する問題点がある。時には、一様性の制御された欠如が望ましい場合もある。これは、従来技術の配置では達成困難であるが、少なくとも本発明の実施例のあるものによれば達成可能である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
一面からすると、本発明によるプラズマ処理装置は、端面に平行な断面が規則的であり且つ対向端面の各々の対称中心を通る如き軸線を有する作業容積付き処理室、前記処理室の端面に処理室の内方へ前記軸線と同軸的に突き出るように設けた少なくとも1個の凹入窓、及びその窓内に同心的に配置される個別制御可能なコイル部を有し電界を誘起する複数の無線周波(RF)プラズマ発生アンテナを備え、前記複数のコイル部をそれぞれ前記断面の形状と相似的な幾何学的形状とし且つ相互に及び前記軸線に対し同軸的になるように配設してなるものである。
【0007】
コイルの幾何学的形状と処理室の作業容積の断面との整合は、ストライク(strike)されるプラズマが基本的に処理室と同一形状であることを意味する。さらに、この例に於けるこれらの独立コイルの配設は、これらコイルの独立的な制御を可能にし、さらに作業容積内の異なる部分間に於けるプラズマの制御を可能にする。従って、好ましい実施例においては、装置がさらにこれらのアンテナの実効出力を変える手段を有する。例えば、その手段が被供給RF電力の大きさ、周波数、及び/又は相対的位相を変えるか、及び/又はコイルと作業容積との間の相対的間隔を変える。
【0008】
上記断面及びコイル部は、円形、正方形、矩形、6角形、又は8角形とすることができる。コイル部は処理室を囲むものとしてもよいが、処理室の端部に隣接又はその端部上に配置してもよい。処理室には、コイル部に隣接する少なくとも1個の誘電体製の窓を設けてもよい。この窓は、処理室へ突き出るものとしてもよく、それぞれ協同するコイル部の幅と平行に且つ少なくともその幅に亘って延在する複数の不連続な環状の窓としてもよい。従って、コイル部が全体として円形である場合には、一連の間隔付き窓を設けることができる。
【0009】
装置はさらに、プラズマ又はプラズマ駆動処理の一様性の程度を検出するための少なくとも1個の検出器、及びその一様性改善用のアンテナ実効相対出力を変えるフィードバック手段を備えてもよい。
【0010】
本発明の他の一面からすると、プラズマ処理装置は、対向端面の各々の対称中心を通る如き軸線を有する作業容積付き処理室、及び少なくとも1個の無線周波(RF)プラズマ発生アンテナを備え、前記アンテナ又は各アンテナを前記処理室の端面に処理室の内方へ突き出るように設けた少なくとも1個の前記軸線と同軸的な環状誘電体溝の内部に配設してなるものである。
【0011】
前記1個のアンテナ又は各アンテナを非平面的とし且つ溝の少なくとも1の壁及び底を介して電力を伝達させることができ、その場合、1のターンを溝の1の壁に接して位置させ、別のターンを溝の他の壁に接して位置させ、第3のターンを溝の底に接して位置させることができる。
【0012】
複数のアンテナを、処理室の端面にその軸線と同軸的に且つ所期プラズマの浸透厚の少なくとも2倍だけ隔てて設けた複数の環状誘電体溝の内部にそれぞれ配設することができる。
【0014】
本発明を以上のように定義したが、本発明は、上記諸特徴を以下に記載するように組合せた発明性のある任意の結合を含むことを理解すべきである。
【0015】
【実施例】
本発明は各種態様で実施できるが、特定の実施例を図面により以下に説明する。
【0016】
図1は、プラズマ処理装置10の図式的縦断面図を示す。それは、ウェーハ処理室11及びウェーハを支持して処理に適するレベルまで移動するウェーハ処理・移動手段12を有する。処理室11は、一般に円形又は方形断面の金属容器であるが、他の多辺形とすることも可能である。1個以上の開口を存在させ、気体の受入れを許容し且つ可能な診断をする。室11の一部分を凹入モジュール13として誘電体材料で形成し、そのモジュール13の外側に電気的コイル14、15(2個を例示する。)を配置し、室11内のプラズマへの無線周波(RF)電力の結合に使用する。この室は、プラズマを内部でストライクするための円筒形又は方形の作業容積16を含む。この容積の軸線17は、その複数の端面の各々の対称中心を通る。
【0017】
その室内のプラズマ閉じ込め(confinement)を改善しプラズマ密度を高めるために該室11の側壁及び/又は頂部の周りに特定向きで磁石(図示せず)を設けることができる。小形永久磁石をこの目的に使用することは周知であり、ここに説明する全ての実施例に適用することができる。
【0018】
通常の作動状態において、この室11の内部は高真空に保たれるので、誘電体材料製のモジュール部13を室11の主要構造に適宜密封する必要がある。
【0019】
プラズマ内へ無線周波電力を結合するためのコイルを誘電体セクションの表面近傍に設け、プラズマ内への効率的な伝達作用を発揮させる。それらは、以下に説明するように各種態様で巻くことができる。
【0020】
適当な電源18で発生した無線周波(RF)電力がインピーダンス整合システム19を介してコイル14、15の各々に供給される。このシステムは、各コイル14、15へ供給されるRF電力の制御を許容しつつ電源に対し一定インピーダンスを示す。代替案として、各コイルに対して個別の電源及びインピーダンス整合システムを設けるか、又は他の各種システムの変形を使うことができる。各コイルへのRF電力供給の制御は操作員の介入により行ってもよい。より広い用途で使い得る代案は、プラズマ又はプロセス空間の一様性を監視するシステムから受信の制御信号によるもので、それによりフィードバック・ループを形成することができる。従って、例えば一層多くのRF電力をプラズマの対称軸線17以遠へコイル14、15によって結合することが可能になり、通常発生する壁損失の補償が可能になる。
【0021】
コイル形状の詳細を図2及び他の図に示す。すべての場合に多重コイルを使い、各コイルへ供給される無線周波電力の大きさ、周波数、若しくは相対的位相の調整、又は各コイルの位置調整によりプラズマ空間一様性の制御を可能にする。
図2及び3に示す設計の各コイル14a、15aは、平面的又はスパイラル環状に近く、プラズマ処理室11の頂部に設けた誘電体材料製の対応環状リング゛20、21の背後に置かれる。しかし、好ましくは、コイル14a、15aを図14及び15に示す型のコイルに置換えて、電力伝達を高める。その場合、リング20、21を誘電体溝に置換える。誘電体環状リングに対する支持構造22、23も丸い形状であるから、その室が真空に排気された時の力に対する支持のため複数の強固な筋かい控え24が必要になる。ある環境条件のもとで、とくに最内側コイルが小径である場合には、最内側誘電体リング20を誘電体材料の円形盤に置換え、中央支持の必要性を除くことができる。
【0022】
誘電体リング構造に代えて、誘電体材料製の単一円盤を使い、環状スパイラルコイルをその背後に設置してもよい。この方法は、システムの複雑性を低減するが、しかしその径が大きいので誘電体円盤を肉厚の材料で作らねばならず、それによって両側間の大気圧に近い圧力に耐えなければならない。コイルとプラズマとの間の距離が増えると、プラズマへの無線周波電力結合の効率が低下する。
【0023】
誘電体窓の外側に平面的な環状スパイラルコイルが配置されてプラズマがそのコイル下方の室内に形成された場合には、RF磁界線は、それらがプラズマと交差する距離の大部分において殆ど放射状となる。ファラデーの法則から、方位電界と関連電流とがプラズマ内に誘起される。プラズマ電流は、コイル電流と向きが反対であって、プラズマ内へのRF進入の浸透厚と同程度の厚さを有する窓近傍層内に局限される。
【0024】
個別コイル・ユニットが十分よく隔てて分けられている場合には、コイル・ユニット間の交差は微少であり、それぞれ分離して取扱うことができる。
【0025】
この点及び以下の実施例において、円形コイルと円筒形作業容積を説明するが、このことは平面的環状4角形コイル、又は6角形コイル、又はプラズマ室若しくは作業容積に適する他の形状のコイルの使用を除外するものではない。各種実施例で使用する誘電体窓は、コイルの形状に適する一つの部材か、又は適当な形の環状セクション群である。
【0026】
いずれの場合にも、コイルは、円形、方形、6角形、若しくは他の適当な断面形状の導電材料撚り線の1本若しくは複数本によって形成するか、又は特に大電力運用の場合にコイルを管状導電材料で形成し水、若しくは他の適当な冷媒をその中に流してもよい。
【0027】
全ての実施例に対し、処理室へのガス供給は、作業容積の対称軸線の周りのリング中の又は誘電体リング間の適当な支持リング内に取付けた一連の等間隔の小さな穴に連通した高圧室を介して行うことができる。然しこのことは、これに加え又はこれに代えて、処理室内の他の位置におけるガス供給点の使用を除外するものではない。
【0028】
さらに、処理室内のプラズマ閉じ込めを改善するため、処理室側壁上に配置の磁石に加え、付加的な小磁石の群を支持リングの一部又は全部の適当な内部スロット中へ配置してもよい。
【0029】
図4は、プラズマ室内に複数の環状で平面的又は殆ど平面的なコイル14b、15bを配置した設計を示す。各コイルは、各コイルの各個別ターンの周囲又は各コイル・ユニット全体の周囲の剛性又は可撓性のある連続的絶縁材料によってプラズマから電気的に絶縁される。各コイル・ユニットへの電気的接続は、プラズマ室壁面又は頂面内の適当な真空シールを介してプラズマ室内へ引き込まれる。
【0030】
少なくとも図2〜4に示すコイルは、単一ターンのものであって、平面的コイル又はソレノイドではない。場合によっては、単一ターンと複数ターンのコイルの組合せを使ってもよい。
【0031】
図5及び6は、全部又は一部が誘電体材料からなる円形対称型集合体25を処理室頂部へ凹入させた実施例を示す。コイル14d、15dはソレノイド状であり、集合体25の側壁26に隣接して集合体25の外側に配置され、その側壁は直立又は軸線に対して適当な角度に設定される。各コイル14d、15dの中心は、対称軸線17上に落ちる。
【0032】
前述のように、ソレノイド・コイルを誘電体窓の外に配置し、プラズマを処理室内において窓の位置に応じコイルの内又は外に形成した場合には、RF磁界線が、プラズマとの交差距離の大部分において殆どコイル軸線(一定径のソレノイド)と並行になる。ファラデーの法則から、方位電界と関連電流とがプラズマ内に誘起される。プラズマ電流は、コイル電流と向きが反対であって、プラズマ内へのRF進入の浸透厚程度の厚さを有する窓近傍層内に局限される。個別コイル・ユニットが十分よく隔てて分けられている場合には、コイル・ユニット間の交差は微少であり、それぞれ分離して取扱うことができる。
【0033】
従って、例えば「プラズマ放電と材料処理(Principles of Plasma Discharges and Materials Processing)」、 MAリーバーマン及びAJリヒテンベルグ(MA Lieberman and A.J Lichtenberg)、(Wiley 1994)の誘導によれば、浸透厚δは下記式(1)で与えられる。ここに、mは電子の質量、eは電子の電荷、μ0は自由空間の透磁率、nsはプラズマ端部の電子密度である。
【0034】
【数1】
Figure 0003967433
【0035】
誘導的に結合されたプラズマでは、電子密度の典型値が1×1017m-3以上のオーダーであるから、浸透厚は17mm以下となる。
【0036】
従って、アンテナが少なくとも浸透厚の2倍以上隔てられれば、それらは空間の隔たった部分と結合する。本出願人は、アンテナを通常約100mm以上隔てるので、アンテナの直前に一様なプラズマの創出を求めず、むしろ高密度プラズマの部分的領域を作り、アンテナから適当距離で配置した基板の上方に前記領域からの拡散により一様プラズマを形成する。この配置は、例えば1997年9月24日に提出し引用により本願に含める名称「プラズマ処理装置」の本出願人の係属中PCT出願に記載したフィードバック制御装置に特に適する。
【0037】
図5及び6に示す設計は、多重ソレノイド・コイルを利用する。少なくとも1のコイルが誘電体構造25のコイル径より小径のセクションに隣接し、且つ少なくとも1のコイルが誘電体構造25のコイル径より大径のセクションに隣接する。無線周波電力が、プラズマ室内のプラズマの隣接コイルと誘電体構造で隔てられた部位と結合する。二重陰影を付した部分26は、誘電体又は導電体のいずれでもよい。
【0038】
図7、8及び9は、一部又は全部を誘電体材料製とした円形対称型集合体27をプラズマ室の頂部へ凹入させた設計を示す。(二重陰影を付した部分はこの場合も誘電体又は導電体のいずれでもよい。)軸対称型チャンネル28において、コイル14e、15e、29が集合体の外側に配置されてソレノイドを形成する。各コイルの中心は対称軸線17の上に落ちる。コイル14e、15eが、それらの形状に適合した誘電体材料製のチャンネル28内に配置される。
【0039】
図8及び9の配置において、各コイルは、コイル径より小径に形成されたプララズマ領域とコイル径より大径に形成されたプララズマ領域との両者に結合することができる。
【0040】
図10は、軸について同心的な複数のコイル14f、15fをプラズマ室11の内部に配置した設計を示す。各コイル14f、15fは、各コイルの個別ターンの周り又は各コイル・ユニット全体の周りの剛性又は可撓性がある連続的絶縁材料30によってプラズマから絶縁されている。各コイル・ユニットへの電気的接続は、プラズマ室の壁又は頂部内の適当な真空シールを介してプラズマ室内へ導入される。
【0041】
図11に示すように、同軸コイル中の少なくとも一つを、環状誘電体窓31に隣接してプラズマ室の壁の周りに延在する環状コイル15gとすることができる。この場合にも、図示ターンは単なる例であり、誘電体窓31には適当なシールが必要であることを理解すべきである。当業者にとって、所要のシール方法は周知である。さらに、窓31の反対側のプラズマ室諸部品間に強固な機械的取付け又は位置決めをするために外部ヨーク又は同等部材を設ける必要がある。
【0042】
以上の説明から明らかなように、処理室内のプラズマへ誘電体窓を介し、該窓のプラズマ対向面と反対側に隣接するアンテナによって無線周波電力を誘導的に結合することができる。窓は、プラズマ形成用のプラズマ室内部の低い圧力と、アンテナが存在する外側の通常大気圧である圧力との差圧を保つ。
【0043】
誘電体窓はしばしば、プラズマ室の端壁の一部分又は側壁の一部分を形成する。多重式アンテナを使う場合には、高いRF結合効率のための薄い窓の必要性と両面間の差圧に耐えるための適当に厚い窓の必要性との釣り合いをとるために、多数の小さな誘電体窓をそれぞれ対応する個別アンテナに割当てて使用するのが有利なこともある。この様な配置は、例えば図2、5、7、及び8に示される。
【0044】
とくにアンテナを、プラズマ室の端部又は側部内に設けた誘電体材料製溝のなかに配置することができる。円筒形のプラズマ室の場合には、同心型の円形溝をその室の端部に設けることができる。然し、この設計は円筒形室に限られず、特定のプラズマ室に適する他の形状のものの中に、誘電体溝を作ることができる。
【0045】
図12ないし17を参照して、溝型誘電体窓と協同するアンテナの3種類の設計を説明する。説明を誘電体溝用の円筒形の幾何学的形状について行うが、同様な設計を他の幾何学的形状に対して適用することを除外する意図はない。各例において、1以上のターンの単一アンテナを各溝の中に配置する。
【0046】
第1の設計を図12及び13に示す。アンテナ14hは誘電体溝32の輪郭に似た輪郭を持った1ターンのコイルである。その変形には、内側表面への冷却流体管の取付け又は4辺形セクション管を形成するための第4辺の閉鎖が含まれる。コイル14hを流れる電流は、誘電体溝32の反対側のプラズマ内に電界及び関連電流を誘起する。誘電体溝32及びアンテナ14hの幾何学的形状のために、電力が溝の下方及び両側のプラズマに結合される。従って、比較的小形で構造的に強い誘電体窓を維持しつつ比較的大量のプラズマに電力を結合することができる。アンテナのこの非平面的設計は、多重アンテナプラズマ室上の複数の同心的誘電体溝窓の各々の内部で使うことができる。
【0047】
図14及び15は、第2の非平面的設計のアンテナ14iを示す。アンテナ14iは3ターンのコイルであって、第1ターンは該コイル用の誘電体溝32の1側壁33に隣接して巻かれ、第2ターンはその溝の底34に接して巻かれ、第3ターンはその溝の第2側壁35に接して巻かれる。よってコイルの各ターンは、溝32の対応する各側と隣接するプラズマに電力を結合し、それによって電力が結合されるプラズマの量を増大させる。図示コイルは、円形断面の材料を巻いたものとして示したが、他の断面形状の使用も可能であり、材料としても多重撚り線、ロッド、冷媒流体が通り得る管のいずれかを使用できる。3ターンのコイルを図示したが、ターン数の増減させたものの使用を除外するものではなく、例えば溝32の底近くの1ターンと片側の近くの1ターンからなる2ターン、又は各側壁近傍にそれぞれ2ターン及び底付近の2ターンからなる6ターン等が可能である。このアンテナ設計の他の利点は、2ターン以上を使うことによりコイルのインダクタンスを単一ターン・コイルの場合に比して増大させ、それによってRF電源とアンテナとの間に必要な整合回路を簡単化できる。この設計のアンテナを、多重アンテナ・システムの複数の同心的誘電体溝窓の各々に取付けることができる。
【0048】
図16及び17に示す設計は、スパイラル型に巻いたのち誘電体溝窓37内に配置した単一ターンのアンテナ14jに係るものである。スパイラルを適当に巻き、コイルの諸セクションを溝37の3側壁の各々に近接配置する。誘電体溝の3側壁の各々から電力がプラズマ中へ結合される。スパイラルのピッチは、釣り合わされるべき複数の制限に基づいて選択される。例えば、密なピッチは溝の所定側壁近傍のコイル通過の頻度を挙げて特定部位のプラズマへの電力の結合効率を向上させるが、そのコイル製作のための電線、ロッド又は管の全長が増え、オーム損が増大する。
【0049】
ここで理解すべきことに、多重ネスト型コイルの使用は大容量プラズマ源の構築を可能にして、加工品のより大きな表面積を処理する機会を与える。規則的断面形状のコイル及びプラズマ室について説明したが、ネスト型コイルの利点の多くは、断面従ってコイルが規則的でない場合、例えば腎臓形である場合にも同様に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、プラズマ処理装置の図式的説明図である。
【図2】は、図1の装置で使うコイル部における断面図である。
【図3】は、図2の装置を上方から見た図である。
【図4】は、コイル部の他の実施例の説明図である。
【図5】は、コイル部のさらに他の実施例の縦断面図である。
【図6】は、図5のコイル部の平面図である。
【図7】は、別のコイル部の縦断面図である。
【図8】は、なお別のコイル部の縦断面図である。
【図9】は、図8のコイル部の平面図である。
【図10】は、他の実施例のコイル部における縦断面図である。
【図11】は、さらに他のコイル部における縦断面図である。
【図12】は、別のコイル部の平面図である。
【図13】は、図12のコイル部の縦断面図である。
【図14】は、さらに別のコイル部の平面図である。
【図15】は、図14のコイル部の縦断面図である。
【図16】は、他の実施例のコイル部の平面図である。
【図17】は、そのコイル部の図式的三次元図である。
【符号の説明】
10…プラズマ処理装置 11…ウェーハ処理室
12…ウェーハ支持・移動手段
13…凹入モジュール部
14、15、29…コイル(アンテナ)
16…作業容積 17…軸線
18…電源
19…インピーダンス整合システム
20、21…環状リング 22、23…支持構造
24…筋かい控え 25、27…円形対称型集合体
26、33、35…側壁(セクション)
28…軸対称型チャンネル 30…連続的絶縁材料
31…環状誘電体窓 32…誘電体溝
34…底 37…誘電体溝型窓

Claims (21)

  1. 端面に平行な断面が規則的であり且つ対向端面の各々の対称中心を通る如き軸線を有する作業容積付き処理室、前記処理室の端面に処理室の内方へ前記軸線と同軸的に突き出るように設けた少なくとも1個の凹入窓、及び前記窓内に同心的に配置される個別制御可能なコイル部を有し電界を誘起する複数の無線周波(RF)プラズマ発生アンテナを備え、前記複数のコイル部をそれぞれ前記断面の形状と相似的な幾何学的形状とし且つ相互に及び前記軸線に対し同軸的になるように配設してなるプラズマ処理装置。
  2. 請求項1のプラズマ処理装置において、前記複数アンテナの実効相対出力を変化させる手段を設けてなるプラズマ処理装置。
  3. 請求項2のプラズマ処理装置において、前記変化させる手段をして、供給されるRF電力の大きさ、周波数、及び/又は相対的位相、並びに/又はコイルと作業容積との間の相対的間隔を変化させてなるプラズマ処理装置。
  4. 請求項1〜3の何れかのプラズマ処理装置において、前記断面及び前記コイル部を円形、正方形、矩形、6角形、又は8角形としてなるプラズマ処理装置。
  5. 請求項1〜4の何れかのプラズマ処理装置において、前記窓内のコイル部と同軸的に前記処理室の壁の周りを囲む環状コイル部を有する無線周波(RF)プラズマ発生アンテナを更に設けてなるプラズマ処理装置。
  6. 請求項1〜5の何れかのプラズマ処理装置において、前記窓をコイル部と隣接する1個以上の誘電体窓としてなるプラズマ処理装置。
  7. 請求項1〜6の何れかのプラズマ処理装置において、前記窓を複数の不連続な環状窓としてなるプラズマ処理装置。
  8. 請求項7のプラズマ処理装置において、前記各窓を、協同するコイル部と平行に且つ少なくとも該コイル部の幅に亘り延在させてなるプラズマ処理装置。
  9. 請求項1〜8の何れかのプラズマ処理装置において、前記同心的配置の複数のコイル部を相互に所期プラズマの浸透厚の少なくとも2倍だけ隔ててなるプラズマ処理装置。
  10. 請求項1〜9の何れかのプラズマ処理装置において、前記窓を、前記処理室の端面に処理室の内方へ前記軸線と同軸的に突き出るように設けた少なくとも1個の環状誘電体凹入窓としてなるプラズマ処理装置。
  11. 請求項10のプラズマ処理装置において、前記窓を処理室の内方へ突き出る溝としてなるプラズマ処理装置。
  12. 請求項11のプラズマ処理装置において、前記コイルを1ターン・アンテナとし、前記コイルの内側断面を前記溝の断面内側形状に整合させてなるプラズマ処理装置。
  13. 請求項11のプラズマ処理装置において、前記コイルに複数のターンを設け、該各ターンを前記溝の側壁及び底に隣接させてなるプラズマ処理装置。
  14. 請求項11のプラズマ処理装置において、前記コイルを前記溝に沿って延在するスパイラル状とし、該コイルのセクションを前記溝の両側壁及び底の各々に隣接させてなるプラズマ処理装置。
  15. 請求項10〜14の何れかのプラズマ処理装置において、前記窓内のコイル部と同軸的に前記処理室の壁の周りを囲む環状コイル部を有する無線周波(RF)プラズマ発生アンテナを更に設けてなるプラズマ処理装置。
  16. 請求項1〜15の何れかのプラズマ処理装置において、プラズマ又はプラズマ駆動のプロセスの一様性の程度を検出するための少なくとも1個の検出器、及び一様性改善のためアンテナの実効相対出力を変えるフィードバック手段を設けてなるプラズマ処理装置。
  17. 対向端面の各々の対称中心を通る如き軸線を有する作業容積付き処理室、及び少なくとも1個の無線周波(RF)プラズマ発生アンテナを備え、1個の前記アンテナ又は各アンテナを前記処理室の端面に処理室の内方へ突き出るように設けた少なくとも1個の前記軸線と同軸的な環状誘電体溝の内部に配設してなるプラズマ処理装置。
  18. 請求項17のプラズマ処理装置において、一個の前記アンテナ又は各アンテナが非平面的であり且つ溝の少なくとも1の壁及び底を介して電力を伝達してなるプラズマ処理装置。
  19. 請求項18のプラズマ処理装置において、1個の前記アンテナ又は各アンテナに、溝の1の壁に接して位置する第1ターン、溝の他の壁に接して位置する第2ターン、及び溝の底に接して位置する第3ターンを設けてなるプラズマ処理装置。
  20. 請求項17〜19のプラズマ処理装置において、複数の前記アンテナを、前記処理室の端面に前記軸線と同軸的に且つ相互に所期プラズマの浸透厚の少なくとも2倍の間隔で設けた複数の環状誘電体溝の内部にそれぞれ配設してなるプラズマ処理装置。
  21. 請求項1〜20の何れかのプラズマ処理装置において、電源と前記アンテナとの間に接続されて各コイル部に供給されるRF電力の制御を許容しつつ電源に対し一定インピーダンスを示すインピーダンス整合システムを備えてなるプラズマ処理装置。
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