JP2921493B2 - プラズマ発生装置 - Google Patents

プラズマ発生装置

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JP2921493B2 JP8172101A JP17210196A JP2921493B2 JP 2921493 B2 JP2921493 B2 JP 2921493B2 JP 8172101 A JP8172101 A JP 8172101A JP 17210196 A JP17210196 A JP 17210196A JP 2921493 B2 JP2921493 B2 JP 2921493B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エッチング装置、
成膜装置等のプラズマを利用する半導体製造装置に使用
される高周波プラズマ発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス製造におけるエッチン
グ、CVD(化学的気相成長)等の加工工程ではプラズ
マを利用した方法が広く使用されているが、近年のデバ
イスの高集積化に伴う微細加工技術の進展により、低圧
力かつ高密度なプラズマが強く望まれるようになってき
た。低圧高密度プラズマの生成方法として、以下に示す
ように誘導結合型プラズマ装置を用いる方法が提案され
ている。図3はUSP5423945に提案されている
方法を示したものである。誘電体からなる円筒状の真空
チャンバー(3−1)の外周に高周波コイル(3−2)
を巻回させ、このコイルに高周波電源(3−3)より高
周波電力を供給し、真空チャンバー内に誘導磁界および
誘導電界を発生させプラズマを生成するというものであ
る。また図4に示すように、USP393504では、
真空チャンバー(4−1)の上面開口部を閉塞する平板
状誘電体(4−2)の上に渦巻き状の平面コイル(4−
3)を配置し、このコイルに高周波電源(4−4)より
高周波電力を供給し、誘導磁界および誘導電界を発生さ
せる方法が提案されている。
【0003】USP5423945(図3)に示される
誘導結合型プラズマ発生装置の場合、均一な密度分布を
持ったプラズマを生成することが困難である。このこと
は例えば「ジャーナル・オブ・バキュームサイエンス・
アンド・テクノロジー(J.Vac.Sci.B12(1),478(1994))」
にも示されている。当該文献中のFig.4(c)、Fig6(c)に
は、上記のタイプの誘導結合型プラズマ発生装置のプラ
ズマ密度分布が図示されており、プラズマ密度分布は真
空チャンバーの壁近傍で高く容器中央では低くなること
が示されている。上記タイプのプラズマ発生装置では、
生成されたプラズマの表皮効果のため誘導電界がプラズ
マの表面だけに留まり、中央方向へのエネルギ伝達効率
が著しく低下する。このため中央部には高密度プラズマ
が生成され難く、均一な密度分布を持ったプラズマを広
いマージンを持って生成することが困難となる。プラズ
マ密度分布の不均一が発生すると、半導体デバイス製造
時のプラズマ処理工程においてチャージアップによる素
子破壊やウェハ面内での処理状態のばらつきを引き起こ
す原因となるため、大きな問題となる。
【0004】また、USP393504(図4)に示さ
れる誘導結合型プラズマ発生装置では平板状の誘電体を
用いており、装置の大型化への対応が困難であるという
問題がある。最近の動向としてウエハーの大口径化が8
インチから更にそれ以上へと進みつつあり、これに対応
できるように装置全体とともに誘電体平板も大型化する
必要がある。ところが平板状誘電体を大型化すると自重
による変形が生じるため、装置の大型化に際し大きな障
害となる。また、前述のUSP5423945(図3)
に示す装置を用いた場合と同様にプラズマ密度分布が不
均一になるという問題もある。これは例えば「ジャーナ
ル・オブ・バキュームサイエンス・アンド・テクノロジ
ー(J.Vac.Sci.A13(5),2464(1995))」に示されており、
当該文献中のFig.7(a)〜(c)には、上記のタイプの誘導
結合型プラズマ発生装置について、真空チャンバー内の
圧力を変動させた場合のプラズマ密度分布の変化が図示
されている。いずれの場合にもプラズマ密度分布は真空
チャンバーの壁近傍で高く容器中央においては低くなる
ことが示されている。プラズマ密度分布の不均一が発生
すると、半導体デバイス製造時のプラズマ処理工程にお
いてチャージアップによる素子破壊やウェハ面内での処
理状態のばらつきを引き起こす原因となるため、大きな
問題となる。
【0005】本発明は、均一なプラズマ密度分布を持っ
た低圧高密度プラズマを生成しプラズマプロセスに適用
することにより、プラズマ照射時のチャージアップによ
る半導体素子破壊を防止し、またウェハ面内における処
理状態の均一性を向上させることを目的とする。特に、
ウェハが大口径化し、製造装置が大型化した場合にも適
用可能な方法を提供するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例USP54
23945、USP393504に示されるプラズマ発
生装置は均一な密度分布を持ったプラズマを発生させる
ことが難しく、特に装置が大型化した場合にはさらに困
難となる。プラズマの不均一は、半導体デバイス製造時
のプラズマ処理工程においてチャージアップによる素子
破壊や、ウェハ面内での処理状態のばらつきという問題
を引き起こす原因となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のプラズマ発生装
置は、円筒状誘電体及び該円筒状誘電体の上面開口部を
閉塞する平板状誘電体からなり該平板状誘電体に外部に
対して凹状部が設けられた真空チャンバーと、該真空チ
ャンバー内に設けられ上面に半導体ウェハを設置し前記
円筒状誘電体に周囲を囲まれたウェハステージと、該真
空チャンバーの内部にガスを導入する手段と、前記真空
チャンバー内の前記半導体ウェハの上方の空間を囲む前
記円筒状誘電体の外周壁に巻回された第1の高周波コイ
ルと、前記凹状部内の前記真空チャンバーの外壁に巻回
された第2の高周波コイルと、前記第1の高周波コイル
及び前記第2の高周波コイルに高周波電力を供給する手
段とを有し、前記第1の高周波コイル及び前記第2の高
周波コイルにより前記真空チャンバー内で密度の均一性
を改善したプラズマを生成し、前記半導体ウェハにプラ
ズマ照射することを特徴とする。
【0008】設置された複数の高周波コイルに独立に高
周波電力を供給できるため、従来技術で問題となってい
たプラズマ密度分布の偏りを補正することができ、均一
なプラズマ密度分布を持ったプラズマを生成することが
できる。これにより、プラズマ照射時のチャージアップ
による半導体素子破壊を防止することができ、またウェ
ハ面内における処理状態の均一性を向上させることがで
きる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、円筒状誘電体の外周壁
に巻回された第1の高周波コイルと、平板状誘電体に設
けられた凹状または凸状の形状を有する部分の外壁に巻
回された第2の高周波コイルを有し、それぞれに高周波
電力を供給して誘導磁場、誘導電場を形成させて真空チ
ャンバー内にプラズマを発生させるものである。従来は
プラズマ発生に一つの高周波コイルを用いていたため、
生じたプラズマ密度の偏りを補正することが困難であっ
た。これに対し、本発明は2つの高周波コイルを有しそ
れぞれに供給する電力を独立に制御し、一方のコイルに
より生じたプラズマ密度の偏りを他方の高周波コイルに
供給する電力を調整することにより補正する。これによ
り、均一なプラズマ密度分布を持ったプラズマを発生さ
せることができる。
【0010】
【実施例】
(実施例1)本発明をエッチング装置に適用した例につ
いて説明する。図1にプラズマ発生装置を示す。真空チ
ャンバー(1−1)は、円筒状誘電体(1−2)とその
上面開口部を閉塞する平板状誘電体(1−4)で形成さ
れる。該平板状誘電体の中央部には凹状部が設けられて
いる(1−3)。円筒状誘電体(1−2)の外側には第
1の高周波コイル(1−5)が巻回されており、さらに
上部平板の凹状部の外側に第2の高周波コイル(1−
6)が巻回されている。前記2つの高周波コイルにはそ
れぞれ13.56MHzの高周波電源(1−7、1−
8)が接続され、高周波電力供給可能となっている。真
空チャンバー(1−1)内には、半導体ウェハ(1−
9)を設置するウェハステージ(1−10)が設けられ
ている。
【0011】以下、この装置を用いたエッチング処理の
実施例を示す。まずウェハステージにウェハを設置する
(1−9)。次にガス導入口(1−11)からエッチン
グガスとしてハロゲンガスを導入し、ガス排気口(1−
12)より排気量を調節することにより、容器内圧力を
10mTorrに調節する。その後、高周波コイル(1
−5)に2000W、さらにもう一方の高周波コイル
(1−6)に500Wの高周波電力を供給し、真空チャ
ンバー(1−1)内にプラズマを発生させる。発生した
プラズマを用いてウェハのエッチング処理を行う。本発
明におけるプラズマ発生装置においては、2つの高周波
コイルに供給する高周波電力を独立に制御できるため、
生成したプラズマのプラズマ密度分布が均一となるよう
に調節可能となり、従来技術においてはプラズマ密度の
均一性が10%程度であったものが5%程度に改善でき
る。これは、ウェハの大口径化に伴う装置の大型化にお
いて有効となり、特に処理ウェハが8インチ以上のもの
である場合に効果的となる。プラズマ密度分布が均一に
なるように制御されたプラズマを用いることにより、プ
ラズマ照射によるチャージアップによって生じる半導体
素子破壊を防止することができ、また、ウェハ処理のウ
ェハ面内均一性の向上が図れる。
【0012】(実施例2)本発明の第2の実施例を示
す。図2に示すプラズマ発生装置は、円筒状誘電体(2
−1)と該円筒状誘電体の上部に位置する4個の凹状部
が設けられた平板状誘電体(2−2)から形成されてい
る。円形の平板状誘電体(2−2)に4個の凹状部(2
−3、2−4、2−5および2−5に対称に位置する凹
状部)が配置されている。円筒状誘電体(2−1)の外
周壁には高周波コイル(2−8)が巻回されており、該
高周波コイルは13.56MHzの高周波電源(2−
6)に接続されている。さらに平板状誘電体に形成され
ている4個の凹状部には、外側にそれぞれ高周波コイル
(2−9)が巻回されている。これらは互いに接続され
一体になっており、13.56MHzの高周波電源(2
−7)に接続されている。実施例1と同様にガス導入口
(2−10)からエッチングガスを導入し排気機構によ
り反応圧力を調節した後、2つの高周波電源(2−6、
2−7)より高周波コイルに電力を供給し真空チャンバ
ー内にプラズマを発生させ、ウェハステージ(2−1
1)に設置されたウェハ(2−12)の処理を行う。2
つの高周波コイルに独立に電力を供給することにより、
1つの高周波コイルを用いた場合に比べ、より均一なプ
ラズマを発生させ、プラズマ照射によるチャージアップ
に起因する半導体素子破壊を防止することができ、さら
にウェハ処理のウェハ面内の均一性の向上が図れる。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、2つの高周波コイルを
用いそれぞれ供給する電力を独立に調整することによ
り、処理ウェハの大口径化に伴う装置の大型化において
も、均一なプラズマ密度分布を持った低圧高密度プラズ
マの生成が可能となる。均一プラズマを用いることによ
り、プラズマ照射によるチャージアップに起因する半導
体素子破壊を防止することができ、また、ウェハ処理の
ウェハ面内均一性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ発生装置を適用した実施例1
のエッチング装置を示す図である。
【図2】本発明のプラズマ発生装置を適用した実施例2
のエッチング装置を示す図である。
【図3】従来のプラズマ発生装置の例を示す図である。
【図4】従来のプラズマ発生装置の例を示す図である。
【符号の説明】
1−1 真空チャンバー 1−2 円筒状誘電体 1−3 平板状誘電体に設けられた中央凹状部 1−4 平板状誘電体 1−5、1−6 高周波コイル 1−7、1−8 高周波電源 1−9 半導体ウェハ 1−10 ウェハステージ 1−11 ガス導入口 1−12 ガス排気口 2−1 円筒状誘電体 2−2 4個の凹状部が設けられた平板状誘電体 2−3、2−4、2−5 平板状誘電体に設けられた
凹状部 2−6、2−7 高周波電源 2−8、2−9 高周波コイル 2−10 ガス導入口 2−11 ウェハステージ 2−12 半導体ウェハ 3−1 円筒状誘電体 3−2 高周波コイル 3−3 高周波電源 4−1 真空チャンバー 4−2 平板状誘電体 4−3 渦巻き状平面コイル 4−4 高周波電源
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/3065 H01L 21/205 H05H 1/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状誘電体及び該円筒状誘電体の上面
    開口部を閉塞する平板状誘電体からなり該平板状誘電体
    外部に対して凹状部が設けられた真空チャンバーと、
    該真空チャンバー内に設けられ上面に半導体ウェハを設
    置し前記円筒状誘電体に周囲を囲まれたウェハステージ
    と、該真空チャンバーの内部にガスを導入する手段と、
    前記真空チャンバー内の前記半導体ウェハの上方の空間
    を囲む前記円筒状誘電体の外周壁に巻回された第1の高
    周波コイルと、前記凹状部内の前記真空チャンバーの
    壁に巻回された第2の高周波コイルと、前記第1の高周
    波コイル及び前記第2の高周波コイルに高周波電
    する手段とを有し、前記第1の高周波コイル及び前記
    第2の高周波コイルにより前記真空チャンバー内で密度
    の均一性を改善したプラズマを生成し、前記半導体ウェ
    ハにプラズマ照射することを特徴とするプラズマ発生装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第1の高周波コイルに供給される前
    記高周波電力および前記第2の高周波コイルに供給され
    る前記高周波電力が、各々独立に制御されることを特徴
    とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
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