JP3157650B2 - プラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理方法

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JP3157650B2 JP12849593A JP12849593A JP3157650B2 JP 3157650 B2 JP3157650 B2 JP 3157650B2 JP 12849593 A JP12849593 A JP 12849593A JP 12849593 A JP12849593 A JP 12849593A JP 3157650 B2 JP3157650 B2 JP 3157650B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘリコン波によるプラ
ズマ中で被処理体を処理するプラズマ処理方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば半導体素子の製造プロ
セスにおいて、処理室内にプラズマを発生させてこのプ
ラズマ雰囲気中で、被処理体例えば半導体ウエハに対し
てエッチング処理を始めとした各種のプラズマ処理が行
われているが、近年はこの種の被処理体に施すパターン
の微細化が進むにつれて、サブハーフミクロン単位の下
でより高精度にプラズマ処理を行うことが要求されてい
る。
【0003】かかる要求に応えるため、高密度のプラズ
マを発生させるプラズマソースについて開発が進めら
れ、例えば特公平3−43774号に示されたような電
子サイクロトロン共鳴(ECR)を利用したプラズマ装
置が提案されている。
【0004】しかしながら上記の電子サイクロトロン共
鳴(ECR)を利用したプラズマ装置は、2.45GH
zのマイクロ波を伝搬するための導波管や、875Ga
ussもの大きな磁場を形成するための大きな電磁石が
必要であり、装置全体として極めて肥大化してしまって
いる。
【0005】こうした中で最近注目を浴びているプラズ
マソースとして、ヘリコン波を利用したものがある。こ
れは円筒状のチャンバに磁場を与え、このチャンバ近傍
に設けた螺旋状のアンテナに対して高周波を印加し、前
記磁場とこの高周波により発生するヘリコン波のエネル
ギーを利用してプラズマを励起するものであり、高い密
度のプラズマを生成できるようになっている。そしてこ
のヘリコン波を利用したプラズマ装置も実用化されよう
としている。
【0006】ところが上記構成による方法では、発生し
たプラズマが被処理体に向かうにつれて拡散してしまう
ので、これまでは上記プラズマ発生用磁場形成装置とは
別に、処理室の側面に別途マルチポール磁場形成装置を
設け、当該マルチポール磁場形成装置によって処理室内
にマルチポール磁場を形成し、生成されるプラズマをこ
のマルチポール磁場で閉じこめることが提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで最近は半導体
ウエハなどの被処理体が益々大口径化、大型化し、その
ためプラズマ雰囲気中でこれら被処理体に処理を施す場
合には、生成されるプラズマが、広い面積に渡って均一
化されなければならない。従って上記のヘリコン波のエ
ネルギーを利用してプラズマを励起させて、被処理体を
処理するにあたっても、プラズマ均一化のための何らか
の手段が必要となってくる。
【0008】しかしながら、上記のように処理室内にマ
ルチポール磁場を形成し、生成されるプラズマをこのマ
ルチポール磁場で閉じこめる方法では、プラズマ均一化
のためのコントロールができないという問題がある。よ
り具体的に言えば、被処理体の上にプラズマ密度の粗密
がある場合に、これを場所に応じて是正して全体として
均一化するための制御ができないのである。
【0009】この点、ことプラズマの均一化を図るとい
う点だけをみれば、ヘリコン波発生部の外周に設けたプ
ラズマ励起用コイルの外周にさらに空心コイルを設けて
全体として二重コイルとし、被処理体上の磁場をキャン
セルさせることが考えられるが、そうするとヘリコンプ
ラズマ励起のコントロールと被処理体上の磁場のコント
ロールを独立して制御できないという問題が生ずる。
【0010】そこで他の手段によって被処理体近傍の磁
場を制御してプラズマの均一化を図ることが必要となっ
てくるが、プラズマの粗密を是正するために例えば強磁
場を被処理体近傍で形成すると、今度はチャージアップ
によるデバイス破壊の問題が生じてくる。従って、磁場
を利用してプラズマの均一化を実現するためには、弱い
磁場であることが必要である。
【0011】本発明は以上のような問題点、条件等に鑑
みてなされたものであり、電子サイクロトロン共鳴を利
用して叙上の均一化のためのコントロールを可能とした
新しいプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者らの実験、考察に
よれば、電子サイクロトロン共鳴を利用すると、僅かな
磁場の差でプラズマ密度を大きく変化させられることが
確認できた。そこで本発明ではそのような原理を利用し
て、被処理体面上のプラズマ密度をコントロールさせる
こととした。また電子サイクロトロン共鳴を利用するに
あたっては、被処理体近傍の磁場を低レベルとし、さら
に実施装置の小型化にも留意した。
【0013】そのため本発明では請求項1に記載したよ
うに,高周波電力による交番電界と磁場によって発生さ
せた電磁波のエネルギーを利用してプラズマを発生さ
せ,処理室内の被処理体に対して前記プラズマ雰囲気の
下で処理を施す方法であって,前記交番電界を高周波,
好ましくは1MHz〜1GHz程度の高周波電力を印加
することによって創出させ,さらに被処理体周辺部で電
子サイクロトロン共鳴領域を形成させるように,磁場強
度を調整することを特徴とする,構成を採ったものであ
る。
【0014】発明者らの実験によれば、例えばヘリコン
波を発生させるためのアンテナに螺旋状のものを使用
し、このアンテナを適宜回転させたりすれば、ヘリコン
波プラズマ発生用の磁場強度の調整によって、被処理体
の近傍にて電子サイクロトロン共鳴領域を形成させるこ
とが確認できた。
【0015】またさらにそのような方法においてさらに
部分的にプラズマ密度の粗密を是正するため,請求項2
に記載したように,補助磁場形成手段を別途設け,この
補助磁場形成手段によって被処理体周辺部における電子
サイクロトロン共鳴領域を形成させるように構成しても
よい。またさらに,請求項3のように,前記被処理体に
対して略円錐状に電子サイクロトロン共鳴領域を形成さ
せるように,磁場強度を調整したり,請求項4のよう
に,別途設けた補助磁場形成手段によって被処理体に対
して略円錐状に電子サイクロトロン共鳴領域を形成して
もよい。
【0016】
【作用】プラズマ励起のための交番電界創出用に使用す
る高周波は、例えば13.56MHzのRF帯域の高周
波を使用することができ、このとき被処理体近傍にて電
子サイクロトロン共鳴領域を形成する場合、当該共鳴領
域の磁束密度の小さいものでもよく、例えば10〜20
G程度の磁場を形成できればよい。従ってヘリコン波プ
ラズマ発生用の磁場を形成する磁場形成装置も、従来よ
りも小型化できる。また請求項2に記載したように、別
途補助磁場形成手段を設ける場合でも、当該補助磁場形
成手段に使用する電磁コイルなども小さくできる。
【0017】而して例えば電子サイクロトロン共鳴が起
こった際の磁場とプラズマ密度の関係をグラフに示す
と、図1に示したようになる。図1は13.56MHz
印加の場合の、横軸に磁場強度、縦軸にプラズマ密度を
表す飽和イオン電流をとったときの特性の概略を示して
おり、この特性グラフにおけるピークAは(アンテナの
形状によっては変化するが、ほぼ10G前後のあた
り)、電子サイクロトロン共鳴点であり、同グラフから
わかるように、当該ピークAから右の部分のCの範囲で
急峻にプラズマ密度が低下し、逆にBの範囲では漸次増
加する傾向にあり、このBよりも磁場強度が強い所では
プラズマ密度がほぼフラットな特性を示している。また
上記グラフに示される特性曲線は、例えば横軸にヘリコ
ン波プラズマ発生用の磁場を形成する磁場形成装置にお
ける電磁コイルの中心からの距離をとってもほぼ同様な
特性が得られる。従ってこのような特性を利用すれば、
被処理体上にプラズマ密度の粗密がある場合、それを是
正することが可能である。
【0018】例えば従来提案されているヘリコン波プラ
ズマソースを使用した場合、プラズマ発生室は被処理体
に処理を施す処理室の上方に設けられているため、発生
したプラズマは拡散しながら被処理体に向かうため、プ
ラズマ密度は被処理体の周辺部の方が粗になる傾向があ
る。かかる場合には、その被処理体周辺部のプラズマ密
度を高くすれば、結果的にプラズマ密度の粗密は是正さ
れて当該被処理体上のプラズマ密度は均一化されること
になる。
【0019】これを本発明に即して説明すると、例えば
図2に示したように被処理体W0の周辺部には、図1に
示した特性グラフにおけるA部(電子サイクロトロン共
鳴点)を形成させ、被処理体W0中心部には図1に示し
た特性グラフにおけるD部を形成させるように、この被
処理体W上に電子サイクロトロン共鳴領域を形成すれ
ば、被処理体W0の中心部のプラズマ密度を変化させ
ず、周辺部のみの密度を高くして、この被処理体W0
のプラズマ密度を均一化することができる。
【0020】また適宜補助磁場形成手段,例えばコイル
等を適当に配設すれば,例えば図3に示したように被処
理体W0に対して略円錐状に,図1に示したグラフにお
けるA部(電子サイクロトロン共鳴点)を形成し,中心
部には同グラフにおけるC部を形成させることができ,
中心部におけるプラズマ密度は,A部とC部との重合に
よって相殺されてその結果ほぼ変わらず,周辺部のみの
密度を高くして,結果的に被処理体W0上のプラズマ密
度を均一化することができる。
【0021】かかる作用効果に鑑みれば,請求項2,4
では,プラズマ密度の粗密が例えば同心円状に粗密粗密
の連続状態であっても,複数の補助磁場形成手段によっ
てそれに対応した電子サイクロトロン共鳴領域を同心円
状に複数形成させることにより,プラズマ密度を均一化
することができるものである。
【0022】ところで電磁波はエネルギーが高いので、
直接被処理体に衝突すると、その際の衝撃によって被処
理体が破壊されるおそれがある。この点、電子サイクロ
トロン共鳴領域は、そのような電磁波を伝播させにくい
性質を有しているので、例えば図3に示したように被処
理体W0上方を覆うように電子サイクロトロン共鳴領域
を形成すれば、ヘリコン波の直撃を防止することがで
き、被処理体W0の破壊を防ぐことが可能である。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
すると、図4は本実施例を実施するために使用したプラ
ズマ装置1の構成を模式的に示しており、このプラズマ
装置1は、上部に位置するプラズマ発生室20と、当該
プラズマ発生室20の下部に位置して、当該プラズマ発
生室20内に発生したプラズマによって被処理体、例え
ば半導体ウエハWに対してエッチング等の処理を行うた
めのプラズマ処理室30を有している。
【0024】上記プラズマ発生室20は、例えば全体が
略円筒形であり、その上部がドーム形状を有するベルジ
ャ21内に形成されており、このベルジャ21の外周に
は、当該ベルジャ21を囲むように螺旋状のアンテナ2
2が配置されている。このアンテナ22には、ブロッキ
ングコンデンサ23を介して、高周波電源24からの高
周波電力、例えば周波数が13.56MHzで、パワー
が1〜2000Wの高周波電力が印加されるように構成
されている。
【0025】上記アンテナ22の外周には、プラズマ発
生用の磁場を形成するための主電磁コイル25が配置さ
れており、電源26からの直流電流を印加させることに
よって上記プラズマ発生室20内に、プラズマ励起用の
例えば1〜600Gaussの静磁場が、垂直方向に形
成できるように構成されている。上記ベルジャ21の頂
上部には、処理ガス導入口27が設けられ、別設のガス
源28からAr等の不活性ガスや、処理ガス、例えばC
HF3が処理室20内に導入されるよう構成されてい
る。
【0026】一方上記プラズマ処理室30は、アルミ等
の材質によって構成され接地されている処理容器31内
に形成されており、処理ガスの導入もできるように構成
されている。またその側壁下方には、排気口32が設け
られており、当該排気口32と通じている真空ポンプ
(図示せず)などの排気手段によって、上記プラズマ処
理室30内は、所定の減圧雰囲気、例えば1.0×10
-3〜1.0Torrに設定、維持することが可能であ
る。
【0027】上記プラズマ処理室30内には、上記半導
体ウエハWを載置してこれを保持するためのサセプタ3
3が設けられている。このサセプタ33はアルミ等の材
質によって構成され、さらに処理容器31外部のマッチ
ングボックス34を介して高周波電源35に接続されて
おり、例えば13.56MHzの高周波電力の印加によ
ってRFバイアスが励起されるように構成されている。
【0028】そして上記サセプタ33の下方には、この
サセプタ33と同心円状となるように、径の異なる環状
の補助電磁コイル41、42が内側から順に配置されて
いる。これら各補助電磁コイル41、42は、それぞれ
処理容器31外部にある電源43によって夫々独立して
励磁され、上記半導体ウエハW近傍に所定の磁場を形成
するように構成されている。本実施例ではこれら各補助
電磁コイル41、42によって、上記半導体ウエハW上
に5〜20Gauss程度の磁場を、径の異なる同心円
状の2つの環状に形成させることが可能になっている。
【0029】本実施例を実施するためのプラズマ装置1
は以上の構成を有しており、その動作等を例えばエッチ
ング処理を例にとって説明すると、まずエッチング処理
対象となる半導体ウエハWは、このプラズマ装置1にゲ
ートバルブ(図示せず)を介して設けられているロード
ロック室(図示せず)からプラズマ処理室30内に搬入
され、サセプタ33上に載置されて、保持される。保持
の手段は、例えば静電チャック等を使用することができ
る。
【0030】その後処理ガス導入口27から、Ar又は
所定の処理ガス例えばCHF3が、プラズマ発生室20
内に導入され、同時に排気手段による真空引きによって
これらプラズマ発生室20、プラズマ処理室30内は、
所定の減圧雰囲気、例えば3mTorrに維持される。
この状態で高周波電源24によって13.56MHzの
高周波をアンテナ22に印加させてプラズマ発生室20
内に電界を創出させる一方、電源26によって主電磁コ
イル25を励磁させて上記プラズマ発生室20内に、例
えば650Gaussの磁場を形成させると、上記プラ
ズマ発生室20内にヘリコン波によるプラズマが発生し
て、螺旋運動しながらプラズマ処理室30内の半導体ウ
エハWに向けて拡散して導入される。これによって上記
半導体ウエハWに対してエッチング処理がなされる。
【0031】なお本実施例では、上記サセプタ33に対
して高周波電源35によって、例えば13.56MHz
のRFバイアスを印加できるように構成されているの
で、使用される処理ガスや減圧雰囲気に応じてこのRF
バイアスを適宜印加させることにより、プラズマ中のイ
オンの加速を制御して被処理体に応じた適切なエッチン
グ処理を実行することが可能である。
【0032】そして例えば上記半導体ウエハWにおける
最周辺部のプラズマ密度が中心部よりも低いことが判明
した場合には、当該最周辺部のプラズマ密度を高くすれ
ばよいが、上記プラズマ装置1によれば、例えば外側の
補助電磁コイル42を励磁させて、上記半導体ウエハW
面の当該最周辺部に電子サイクロトロン共鳴領域を形成
させれば、当該最周辺部のプラズマ密度が高くなり、そ
の結果上記半導体ウエハW上のプラズマ密度が均一化さ
れる。なお上記プラズマ装置1の構成によれば、10〜
15Gauss前後で電子サイクロトロン共鳴を起こす
ことができた。
【0033】かかる場合、中心部と最周辺部との密度勾
配が急峻であったり、逆に緩慢である場合には、既述の
図1に示したグラフにおけるA部、C部、D部を利用す
るようにして、適宜補助電磁コイル42の励磁レベルを
調整して上記半導体ウエハW近傍の磁場強度を調整し、
それによって電子サイクロトロン共鳴領域の形成箇所を
適宜変化させればよい。かかる操作によってプラズマ密
度の粗密度、即ち密度勾配に応じて、均一化のためのプ
ラズマ密度の部分的な調整が可能である。
【0034】さらにまた上記プラズマ装置1によれば、
補助電磁コイル42の内周にも、独立した補助電磁コイ
ル41が設けられているので、例えば側面からみて波打
つようにして上記半導体ウエハW上にプラズマ密度の差
があっても、それに応じて補助電磁コイル41を適宜作
動させることによって、そのような波打った密度差を是
正することが可能である。
【0035】そのような部分的な調整が不要なプラズマ
密度差がある場合には、各補助電磁コイル41、42を
使用せずに、アンテナ22の配置位置の回転移動や、ベ
ルジャ外周に設けたプラズマ励起用の主電磁コイル25
の励磁レベルの調整によっても、上記半導体ウエハW上
に電子サイクロトロン共鳴領域を形成させて、既述の図
1に示したグラフにおけるA部、C部、D部を利用して
の、プラズマ密度のコントロールを実施することが可能
である。
【0036】実際に上記プラズマ装置1を使用して、各
補助電磁コイル41、42を使用せずにプラズマ励起用
の主電磁コイル25のみによって上記半導体ウエハW面
近傍に電子サイクロトロン共鳴領域を形成させた結果を
図5に示す。図5は、横軸に主電磁コイル25の中心
(図4におけるX)から上記半導体ウエハWに向けての
垂直方向の距離、縦軸にプラズマ密度を表す飽和イオン
電流をとった場合の、電子サイクロトロン共鳴がない場
合(グラフ中の細線)と、電子サイクロトロン共鳴があ
る場合(グラフ中の太線)との比較を、夫々高周波電源
24のパワーを変えた場合について示している。
【0037】上記グラフによれば、電子サイクロトロン
共鳴がない場合には、主電磁コイル25の中心から離れ
るに従ってプラズマ密度は低下しているが、電子サイク
ロトロン共鳴がある場合には、当該共鳴箇所でプラズマ
密度が高くなっている。即ち図5に示したグラフによれ
ば、主電磁コイル25の中心から約350mmのところで
ピークがあり、このピークの箇所が電子サイクロトロン
共鳴点である。ちなみにこの地点での磁場強度14Ga
ussであった。またそのような特性は、高周波電源2
4のパワーを変えた場合にも殆ど変わらないことも同グ
ラフから確認できる。
【0038】さらにまた別な実験によれば、主電磁コイ
ル25によるプラズマ発生室20内の磁場強度を400
Gaussに低下させた場合にも、上記グラフと同様な
特性が得られ、このときは主電磁コイル25の中心から
約280mmのところでピークが見られた。また当該ピー
クの磁場強度は約16Gaussであった。
【0039】従って、補助電磁コイル41、42を使用
しなくとも、上記半導体ウエハW近傍での磁場強度を主
電磁コイル25によって適宜調整することにより、上記
半導体ウエハW上に電子サイクロトロン共鳴を起こし
て、プラズマ密度の是正を行うことが可能である。
【0040】なお上記実施例における補助磁場形成装置
である補助電磁コイル41、42は、いずれもプラズマ
処理室30内に設置されていたが、これに限らずプラズ
マ処理室30外、即ち処理容器31外方に設置してもよ
い。
【0041】また従来のマルチポール磁場を利用したヘ
リンコ波プラズマ装置においても、本発明は適用可能で
ある。
【0042】さらにまた上記実施例では、被処理体とし
ての半導体ウエハWに対してエッチング処理を行う場合
について説明したが、これに限らず本発明は、他のプラ
ズマ処理、例えばアッシング処理やCVD処理に対して
も適用可能である。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、ヘリンコ波のエネルギ
ーを利用したプラズマによって、被処理体に各種処理を
施す場合、小さいレベルでの僅かな磁場強度の差を利用
して、被処理体上のプラズマ密度をコントロールし、こ
れを均一化することが可能である。また上記プラズマ密
度をコントロールする際に利用する電子サイクロトロン
共鳴は、RF帯域での小さい磁場強度の下で実現される
ものであるから、使用する磁場形成装置も、従来の電子
サイクロトロン共鳴を利用したこの種の装置よりも小型
化できる。さらにまた本発明によれば、被処理体に対し
てヘリコン波が直撃するのを防止して、当該被処理体を
保護することが可能である。
【0044】特に請求項2,4によれば,細かく部分的
にプラズマ密度をコントロールすることが可能である。
しかもヘリコン波プラズマ発生用の磁場形成装置とは,
全く独立してそのような制御をすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための磁場強度とプラ
ズマ密度との関係を示すグラフである。
【図2】本発明を利用してのプラズマ密度のコントロー
ルを行う場合の被処理体の説明図である。
【図3】本発明を利用してのプラズマ密度のコントロー
ルを行う場合の被処理体の説明図である。
【図4】本発明の実施例に使用したプラズマ装置を模式
的に示した説明図である。
【図5】本発明の実施例に従って電子サイクロトロン共
鳴を発生させた場合とさせない場合の各々における距離
とプラズマ密度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 プラズマ装置 20 プラズマ発生室 21 ベルジャ 22 アンテナ 24 高周波電源 25 電磁コイル 27 処理ガス導入口 28 ガス源 30 プラズマ処理室 31 処理容器 32 排気口 33 サセプタ 41 補助電磁コイル 42 補助電磁コイル W 半導体ウエハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 H01L 21/205

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波電力による交番電界と磁場によっ
    て発生させたヘリコン波のエネルギーを利用してプラズ
    マを発生させ,処理室内の被処理体に対して前記プラズ
    マ雰囲気の下で処理を施す方法であって, 被処理体の周辺部で電子サイクロトロン共鳴領域を形成
    させるように,磁場強度を調整することを特徴とする,
    プラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】 補助磁場形成手段を別途設け,この補助
    磁場形成手段によって被処理体周辺部における電子サイ
    クロトロン共鳴領域が形成されることを特徴とする,請
    求項1に記載のプラズマ処理方法。
  3. 【請求項3】 高周波電力による交番電界と磁場によっ
    て発生させたヘリコン波のエネルギーを利用してプラズ
    マを発生させ,処理室内の被処理体に対して前記プラズ
    マ雰囲気の下で処理を施す方法であって, 前記被処理体に対して略円錐状に電子サイクロトロン共
    鳴領域を形成させるように,磁場強度を調整することを
    特徴とする,プラズマ処理方法。
  4. 【請求項4】 補助磁場形成手段を別途設け,この補助
    磁場形成手段によって被処理体に対して略円錐状に電子
    サイクロトロン共鳴領域が形成されることを特徴とす
    る,請求項3に記載のプラズマ処理方法。
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KR20030069704A (ko) * 2002-02-22 2003-08-27 주식회사 아토 반도체소자 제조장치
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