JP3962963B2 - 四級アンモニウム塩基を有するポリマーおよびその製造方法 - Google Patents

四級アンモニウム塩基を有するポリマーおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法関する。本発明の製造方法により得られる四級アンモニウム塩基を有するポリマーはプラスチック用の改質剤、永久帯電防止剤、防菌剤、製紙用薬品、水処理剤等に利用できる。特に、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂の改質剤、永久帯電防止剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、四級アンモニウム塩基を有するポリマーは、特公昭49−16033号公報や特開昭63−54466号公報に記載されているように四級アンモニウム塩基を有するモノマーを溶媒中で重合することによって製造されている。しかし、四級アンモニウム塩基を有するポリマーを前記プラスチック用の改質剤等の用途で使用するためには、一般的に、得られたポリマー溶液から重合溶媒を除去することが必要な場合が多いにもかかわらず、これらの公知文献には、重合溶媒の具体的な除去方法として、真空乾燥や再沈精製によって溶媒を除去する方法が記載されているだけである。かかる真空乾燥や再沈精製は、組成や分子量等が限定された特定のポリマーを少量得る方法としては優れているが、組成、ガラス転移温度、分子量分布等の異なる各種の四級アンモニウム塩基を有するポリマーを工業的に得る方法としては好ましい手段とはいえない。
【0003】
また、四級アンモニウム塩基を有するポリマーは、ポリマー側鎖の四級アンモニウム塩基同士の会合がポリマー分子間で生じるため、アミノ基が四級化されていない同組成のポリマーに比較して溶融時の粘度が著しく高くなる。そのため、ポリマーの組成によっては、重合溶媒の除去および反応容器からのポリマーの取り出しを高温で長時間行う必要が生じてくる。しかし四級アンモニウム塩基は熱安定性に乏しいため、高温下での操作により、四級アンモニウム塩基を有するポリマーの変色、分解、変質が起こりやすい。
【0004】
一方、四級アンモニウム塩基を有するポリマーの粒子を直接得る方法として、疎水性溶媒中に四級アンモニウム塩基を有するモノマー水溶液を懸濁・分散させて重合する、いわゆる逆相懸濁重合法が知られている。逆相懸濁重合法では、ポリマーが沈殿・分散状態で得られるため、溶液重合法のように溶媒を除去する工程が不要となり、有用な製造方法であるといえる。しかし、一般的に、逆相懸濁重合法は、親水性モノマーの水溶液を疎水性溶媒に懸濁・分散させて重合する方法をとるため、親水性モノマーである四級アンモニウム塩基を有するモノマーと、疎水性モノマーとを共重合した共重合体を得ることができない。また、疎水性モノマーを共重合させない場合であっても、当該逆相懸濁重合法では、通常、水系溶媒中で四級化反応を行うことが困難な場合が多いため、四級化反応を特定の溶媒中で行った後、重合前にあらためてモノマー水溶液の調整が必要となる等の不利があった。従来、このような共重合体を得るには、溶液重合法等により三級アミノ基を有する共重合体を製造した後、四級化剤により四級化する方法が知られている。しかし、このような方法では、前記のように溶媒の除去の際に変色等のおそれがあり、工程的に容易な方法であるとはいえなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、四級アンモニウム塩基を有するポリマーを製造する際に重合溶媒を除去するための加熱等の工程を必要とせず、容易に四級アンモニウム塩基を有するポリマーを溶媒から分離して取り出すことができ、また、疎水性モノマーが高い導入度で共重合されてなる共重合体を得ることができる四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の現状に鑑み鋭意検討の結果、三級アミノ基を有するビニルモノマーを含有するビニルモノマー成分を重合する際に、特定の溶媒を使用し、四級化反応と重合反応を同一工程で進行させることにより四級アンモニウム塩基を有するポリマーを製造すれば、当該ポリマーが粒子状態で析出し、容易に粉体として得られることを見出した。また、当該製造方法によれば、従来の製造方法では、一般に、親水性のモノマーである四級アンモニウム塩基を有するモノマーと共重合させることが特に困難であった疎水性ビニルモノマーが共重合されてなる四級アンモニウム塩基を有するポリマーを、容易に粒子状態として得ることができ、前記同様、容易に粉体として得られることも見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明は、一般式(1):
【0008】
【化2】
【0009】
(式中、Xは−(CH)n−(但し、nは2〜4の整数を示す)を示し、RとRはそれぞれ独立して炭素数1〜9のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示す)で表される三級アミノ基を有するビニルモノマー含有してなるビニルモノマー成分(A)を原料として四級アンモニウム塩基を有するポリマーを製造する方法であって、溶媒として、前記ビニルモノマー成分(A)を溶解し、得られる四級アンモニウム塩基を有するポリマーを溶解させず、かつ重合不活性な溶媒(B)を使用し、四級化剤(C)により前記ビニルモノマー成分(A)中の三級アミノ基を有するビニルモノマーにおける三級アミノ基を四級化しながら、前記ビニルモノマー成分(A)を重合させることを特徴とする、四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法において原料として使用するビニルモノマー成分(A)における三級アミノ基を有するビニルモノマーは、前記一般式(1)で表される三級アミノ基を有するビニルモノマーであれば特に制限されない。
【0011】
かかる三級アミノ基を有するビニルモノマーの具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート{なお、(メタ)アクリとは、アクリまたはメタクリを意味する。以下、同様の意味である。}、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。これらの中でも特に好ましくはジメチルアミノエチルメタクリレートである。
【0012】
また、前記三級アミノ基は、後述の四級化剤(C)により四級化してなることにより、一般式(2):
【0013】
【化3】
【0014】
(式中、X、R1 、R2 は前記と同じ、R3 は水素原子または炭素数1〜9のアルキル基もしくは炭素数1〜9のアルキル基を有してもよいベンジル基を示し、Yはハロゲン原子、R4 SO3 、R4 OSO3 (但し、R4 は炭素数1〜20のアルキル基または炭素数1〜20のアルキル基を有してもよいフェニル基を示す)で表される四級アンモニウム塩基となる。
【0015】
また、前記ビニルモノマー成分(A)には前記三級アミノ基を有するビニルモノマーおよび/またはその四級化物に共重合しうるこれ以外のビニルモノマー(以下、共重合用ビニルモノマーという)を含有させることができる。ここで、前記三級アミノ基を有するビニルモノマーの四級化物とは、三級アミノ基を有するビニルモノマーが四級化剤(C)により四級化されてなる四級アンモニウム塩基を有するビニルモノマーをいう。なお、三級アミノ基を有するビニルモノマーおよび/またはその四級化物に共重合しうるとしたのは、本発明においては四級化反応と重合反応が同一工程で進行するため、重合反応途中においては共重合用ビニルモノマーが、三級アミノ基を有するビニルモノマーまたはその四級化物のいずれの状態と共重合しているかを明確に区別できないためである。当該共重合用ビニルモノマーは、得られる四級アンモニウム塩基を有するポリマーの各種物性の改善のために適宣に選択して使用でき、三級アミノ基を有するビニルモノマーおよび/またはその四級化物に共重合するものであれば特に制限されない。当該共重合用ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン等の芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類および酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類等を挙げることができる。これら共重合用ビニルモノマーは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。なお、本発明においては、上記共重合用ビニルモノマーのうち、親水性のビニルモノマーまたは疎水性のビニルモノマーのいずれであっても四級アンモニウム塩基を有するポリマーに好ましく導入させることができる。また、特に、本発明においては、従来粒子状態で得ることが困難であった疎水性ビニルモノマーを共重合してなる四級アンモニウム塩基を有するポリマーを容易に得ることができる。前記具体例中における疎水性ビニルモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン等の疎水性の芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル等の疎水性のシアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル類、ビニルエステル類等が挙げられる。また、親水性ビニルモノマーとしては(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
【0016】
なお、本発明で得られる四級アンモニウム塩基を有するポリマーの共重合組成比に関しては特に制限を受けず、最終用途における性能を考慮して任意に設定することができる。例えば永久帯電防止剤等の用途に用いる場合には、得られるポリマーの共重合組成比における四級アンモニウム塩基を有するモノマー成分の導入率が、好ましくは5モル%以上、特に好ましくは20モル%以上である。
【0017】
また、本発明の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法によれば、共重合組成比における疎水性ビニルモノマーの導入率を20モル%以上に高めることができる。なお、重合中の分散安定性の点で好ましくは30モル%以上である。また、微粒子として得られる共重合体の収率を考慮して、疎水性ビニルモノマーの導入率の上限としては好ましくは95モル%以下、特に好ましくは80モル%以下である。
【0018】
また、本発明では、当該製造方法により得られた分散液を長期間保管する際などにおいて分散安定性の向上が求められる場合や、当該製造方法により得られる四級アンモニウム塩基を有するポリマーを用いてなる塗膜に耐水性、耐久性等の向上が求められる場合、さらには当該ポリマーの溶融時の流動特性を調整することが求められる場合においては、共重合用ビニルモノマーとして、多官能性ビニルモノマーを含有させることができる。なお、多官能性ビニルモノマーを含有させることにより当該分散液の分散安定性が向上するのは、四級アンモニウム塩基を有するポリマーに部分的な架橋または高度な分岐構造の形成による高分子量化が起こり、ポリマー粒子の重合溶媒による膨潤が抑えられたためと考えられる。また、塗膜の性能の向上が見られるのは、架橋ポリマーエマルジョンの場合と同じように、架橋もしくは高分子量化もしくは高度に分岐したポリマーが、乾燥の過程において通常以上に、互いに絡み合いを起こしているためと考えられる。なお、当該多官能性ビニルモノマーは、溶液重合などの他の製造方法において疎水性モノマーを共重合する際には、ゲル化、増粘、不安定化の原因になるため、ビニルモノマー成分(A)全体の0.1%未満程度といった極めて少量しか併用することはできない。当該多官能性ビニルモノマーとしては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用することができる。当該多官能性ビニルモノマーを使用する場合、その使用量はビニルモノマー成分(A)全体の5モル%以下になるようにするのが望ましい。5モル%を超えると、重合中に分散液が不安定になり、全体がゲル化してしまう場合がある。
【0019】
本発明においては、溶媒として、前記ビニルモノマー成分(A)を溶解し、得られる四級アンモニウム塩基を有するポリマーを溶解させず、かつ重合不活性な性質を有する溶媒(B)を使用する。具体的には、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素等の飽和炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、疎水性のケトン系溶媒、エステル系溶媒、ニトリル系溶媒等が使用でき、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、イソオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の飽和炭化水素系溶媒;エチルベンゼン、テトラリン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等の疎水性のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、2−エチルブチルアセタート、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン等のエステル系溶媒;アセトニトリル、バレロニトリル等のニトリル系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で使用することも、2種以上使用して混合溶媒として使用することもでき、これらの中でも、飽和炭化水素系溶媒や芳香族炭化水素系溶媒を含有してなる溶媒が好ましい。
【0020】
また、本発明においては、前記溶媒(B)に加えて、前記ビニルモノマー成分(A)の溶解性、重合速度、得られる四級アンモニウム塩基を有するポリマーの分子量および粒子径等を制御するために、必要により、任意の溶媒として、前記三級アミノ基を有するビニルモノマーを四級化して得られる四級アンモニウム塩基を有するビニルモノマーを溶解しうる溶媒を併用することもできる。当該溶媒としては、具体的にはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、1−ペンタノール、イソペンチルアルコール、1−ヘキサノール等のアルコール系溶媒、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒等が挙げられる。これら溶媒は1種以上を前記溶媒(B)と併用することができる。使用量は、全溶媒量に対して通常30重量%以下とするのが好ましい。30重量%以上使用した場合、生成する四級アンモニウム塩基を有するポリマー粒子の凝集性が高くなり好ましくない。またこれら溶媒は、前記溶媒(B)と均一に混合できるものが好ましい。
【0021】
本発明における四級化剤(C)としては各種公知の四級化剤が使用できる。具体例としては、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル硫酸等のアルキル硫酸、p−トルエンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル、及びアルキルクロライド、アルキルブロマイド、ベンジルクロライド等が挙げられる。これら四級化剤(C)の中でも、特にアルキル硫酸またはアルキルスルホン酸エステルを使用した場合が、得られる四級アンモニウム塩基を有するポリマーの耐熱性の面から好ましい。これら四級化剤(C)は、それら四級化剤(C)が液状であれば直接添加して反応系を形成させてもよく、あるいは四級化剤(C)を溶媒に溶解させて添加して反応系を形成させてもよい。溶媒に溶解させる場合に使用される溶媒は、四級化剤を溶解させるものすべてを使用することができるが、前記溶媒(B)と均一に混合できるものが好ましい。なお、本発明において、反応系とは、前記ビニルモノマー(A)、前記溶媒(B)および四級化剤(C)を含有してなる系をいう。
【0022】
本発明の製造方法は、前記ビニルモノマー成分(A)中の三級アミノ基を有するビニルモノマーにおける三級アミノ基を前記四級化剤(C)により四級化しながら前記ビニルモノマー成分(A)を重合させることを特徴とするものである。ここで、四級化しながら重合させるとは、前記反応系において四級化反応および重合反応を同一工程で進行させることをいい、通常、四級化反応を行う時期において重合反応が未完了であればよい。このような四級化しながら重合させる方法としては、(1)前記ビニルモノマー成分(A)および前記四級化剤(C)を全量添加して形成した反応系において四級化反応および重合反応を同一工程で進行させる方法、(2)反応系を形成させる際において、前記ビニルモノマー成分(A)および/または前記四級化剤(C)を段階的または連続的に添加することにより、前記反応系を形成させながら四級化反応および重合反応を進行させる方法等が挙げられる。これらの中では(2)の方法が、得られる四級アンモニウム塩基を有するポリマーの凝集が起こりにくく、分散性および粒子径を制御できる点で好ましい。
【0023】
前記、(2)の方法を採用した場合、原則として、前記ビニルモノマー成分(A)における三級アミノ基を有するビニルモノマーをあらかじめ添加した場合は前記四級化剤(C)は段階的または連続的に当該成分に添加して反応系を形成させるのが好ましく、前記四級化剤(C)をあらかじめ添加した場合は前記ビニルモノマー成分(A)における三級アミノ基を有するモノマーは段階的または連続的に当該成分に添加して反応系を形成させるのが好ましい。具体的には、▲1▼前記ビニルモノマー成分(A)および前記溶媒(B)をあらかじめ含有してなる系に対し、前記四級化剤(C)を段階的または連続的に添加することにより反応系を形成させる方法、▲2▼前記溶媒(B)および前記四級化剤(C)をあらかじめ含有してなる系に対し、前記ビニルモノマー成分(A)を段階的または連続的に添加することにより反応系を形成させる方法、▲3▼前記溶媒(B)をあらかじめ含有してなる系に対し、前記ビニルモノマー成分(A)と四級化剤(C)を段階的または連続的に添加することにより反応系を形成させる方法等が例示できる。なお、前記▲2▼および▲3▼の場合において反応系を形成させる際に、前記共重合用ビニルモノマーの一部または全部をあらかじめ含有させてもよい。また、前記ビニルモノマー成分(A)および/または四級化剤(C)を段階的または連続的に添加する具体的な手段としては、特に限定はされないが、滴下等により連続して添加する手段、段階に分けて複数回に分割して添加する手段等が例示できる。
【0024】
なお、前記(2)の方法において、前記ビニルモノマー成分(A)および/または四級化剤(C)を添加して反応系を形成させる時期としては、通常、重合条件下、すなわち重合開始剤の存在下、後述する重合温度に達してから添加するのが好ましい。当該重合条件下に前記ビニルモノマー成分(A)および/または四級化剤(C)を添加することにより、添加とともに前記四級化反応および重合反応を同一工程で進行させることができる。なお、重合開始剤としては特に限定されず各種公知のものを使用できる。また、前記重合開始剤は、通常、あらかじめ添加されるが、前記四級化剤(C)や前記ビニルモノマー成分(A)と混合して段階的または連続的に添加することもできる。また、前記(1)の方法においては、通常、反応系を形成した後これを重合条件下に反応させることにより、前記四級化反応および重合反応を同一工程で進行させることができる。当該(1)の場合においても重合開始剤の添加時期は特に限定されず、あらかじめ添加してもよく、反応系と混合して添加してもよく、反応系を形成した後に添加してもよい。
【0025】
本発明では、四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造の際、以下に述べる条件で重合反応を行う。重合温度は重合開始剤の種類により異なり、特に限定されるものではないが、通常は30〜150℃の範囲である。重合時間は通常、3〜15時間程度である。重合の進行とともに生成してくる四級アンモニウム塩基を有するポリマーが、溶媒に不溶となって粒子状態で析出してくる。また、重合の際のビニルモノマー成分(A)の濃度は、通常、1〜70重量%程度、好ましくは20〜60重量%程度である。重合濃度が70重量%を超えると、分散状態が悪くなり析出ポリマーが過度に凝集する場合があり、1重量%未満では工業的製造において意味を成さない。
【0026】
また、本発明においては、必要に応じて分散安定剤(D)を使用することができる。分散安定剤(D)は重合の進行とともに不溶化してくるポリマーの分散性を向上させるものである。分散安定剤は、使用する溶媒、モノマー及び得られるポリマーの性質等により適宣選択されるが、特にポリマー粒子同士の凝集が起こりにくくする目的で、ポリマー粒子への親和性及び吸着性が高く、使用する溶媒への溶解性の高いものが好ましい。当該分散安定剤(D)の添加時期としては特に限定されるものではないが、通常は、溶媒(B)とともにあらかじめ添加する。
【0027】
本発明において使用される分散安定剤(D)としては、特に限定されるものではなく、上記条件に適合するものであれば問題なく使用できる。具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン等の芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル類、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、ビニルアルコール等の各種ビニルモノマーの1種単独からなる重合体または2種以上からなる共重合体;四級アンモニウム塩基等のカチオン性基を有するモノマーの単独重合体または他のモノマーとの共重合体;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類;上記各種重合体または共重合体の末端に重合性基を有するマクロモノマー類等が挙げられる。なお、上記各種共重合体の組成としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体いずれも適用できる。これら分散安定剤(D)の中でも、ポリスチレン系ポリマー(スチレンの単独重合体またはスチレンと前記各種ビニルモノマーとの共重合体、スチレン系マクロモノマー等)等が好ましく、特にスチレン系マクロモノマーが凝集性が低く分散安定性が高い点で好ましい。なお、スチレン系マクロモノマーとは、スチレンの単独重合体またはスチレンと前記各種ビニルモノマーとの共重合体の重合末端に重合性基を有するものをいい、具体的には、スチレンの単独重合体の末端に重合性基を有するもの(市販品としては、東亞合成(株)製の商品名AS−6が例示できる)や、スチレンおよび(メタ)アクリロニトリルの共重合体の末端に重合性基を有するもの(市販品としては、東亞合成(株)製の商品名AN−6が例示できる)等が挙げられる。また、これら分散安定剤(D)はそれぞれ1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。またこれら分散安定剤(D)の使用量としては、前記ビニルモノマー成分(A)に対し15重量%以下とするのが望ましく、好ましくは10重量%以下である。使用量が15重量%以上になると目的とする四級アンモニウム塩基を有するポリマーの性能に影響が出る可能性があり好ましくない。
【0028】
本発明の製造方法により得られる四級アンモニウム塩基を有するポリマーの重量平均分子量は通常10000〜5000000であり、数平均分子量は通常5000〜2000000である。なお、通常の分析条件ではカラム充填剤への吸着が起きてしまうため、前記四級アンモニウム塩基を有するポリマーの分子量をGPCで測定することはできない。しかし、例えば酢酸緩衝液/アセトニトリル混合液を溶離液として使用することにより吸着を抑えることで、平均分子量を測定することが可能となる。
【0029】
前記の製造方法により、本発明の四級アンモニウム塩基を有するポリマーは、分散液として得られ、析出したポリマー粒子の分散状態またはそれに近い状態にある。ポリマー粒子としては、粒子同士がある程度二次的に凝集したものであってもよい。得られる前記ポリマー粒子(二次的に凝集したものも含む。以下同じ)の粒子径は通常0.5〜500μm、好ましくは100μm以下である。また、共重合用ビニルモノマーとして多官能性のビニルモノマーを併用した場合は、同一条件の多官能性のビニルモノマーを併用しない場合に比較してポリマー粒子径が小型化する傾向にあり、通常10μm以下である。本発明における前記ポリマー粒子は、溶媒と分離し、さらに乾燥を行うことによって、粉体として得ることができる。当該ポリマー粒子を溶媒と分離する方法としては、遠心沈降し上澄み液を取り除く方法(以下、遠心分離処理という)や濾別法等の各種公知の方法を使用することができる。溶媒と分離されたポリマー粒子は前記の溶媒(B)等によって洗浄した後、粒子の融着が誘発されず粒子が変質、変色しない温度で乾燥させることにより、好ましく粉体にすることができる。当該製造方法で得られた四級アンモニウム塩基を有するポリマーの溶融時の粘度は、モノマー組成や分子量によっても大きく左右されるので粘度差の範囲を一概に決定することはできないが、溶液均一重合法で製造した同組成・同分子量の四級アンモニウム塩基を有するポリマーと比較すると、大幅に高くなる。さらに、両者の溶媒に対する溶解性にも差異が見られることから、本発明の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの重合においては、粒子を形成する過程で部分的に分岐またはグラフト的構造が導入されているものと考えられる。さらに、多官能性ビニルモノマーを併用した場合は、ゲル架橋が起きていない段階においても、当該分散液の安定性が向上することと、得られるポリマー粒子が小型化するとともに、溶融時の粘度も大幅に上昇することが認められている。これらのことから、多官能性ビニルモノマーを併用した場合は、多官能性ビニルモノマーに基く部分的架橋・高分子量化が起こるだけでなく、前記多官能性ビニルモノマーを併用しない態様におけるものと同様の分岐(またはグラフト化)もさらに起こりやすくなっているものと思われる。
【0030】
【発明の効果】
本発明により、▲1▼四級アンモニウム塩基を有するポリマーを、容易に粒子状態で高収率に得ることが可能となり、当該ポリマーの析出粒子の取り出し工程においても、従来の加熱、溶媒除去工程が不要となり、耐熱性が低い四級アンモニウム塩基を有するポリマーを、変色、変質、分解を起こさず、粉体として取り出すことが可能となった。▲2▼また、特に従来、粒子状態で得ることが困難であった疎水性ビニルモノマーが共重合されてなる四級アンモニウム塩基を有するポリマーを、容易に粒子状態で高収率に得ることが可能となり、前記同様、ポリマーの変色等を起さず容易に粉体として取り出すことが可能になった。▲3▼また、本発明においては、親水性または疎水性にかかわらず各種ビニルモノマーを高い導入率で共重合してなる四級アンモニウム塩基を有するポリマーを得ることが可能になった。▲4▼さらに本発明では、四級化反応と重合反応を同一工程で進行させるため、従来別々に行っていた四級化工程と重合工程という製造工程の簡略化が実現でき、また、四級化反応と重合反応において溶媒を変更する必要もなくなり、製造時間の大幅な短縮を可能にした。
【0031】
また、▲5▼本発明においては、四級アンモニウム塩基を有するポリマーの共重合用ビニルモノマーとして多官能性のビニルモノマーを、ゲル化させることなく併用することができる。その結果、分散液としての分散安定性を向上させることができ、また、ポリマー粒子径を小さくすることができる。さらに、多官能性のビニルモノマーを併用した場合、部分的な架橋または高度な分岐構造の形成により高分子量化したポリマーが形成されるため、例えば、本発明の四級アンモニウム塩基を有するポリマーを塗膜として用いた場合において、耐水性、耐久性等の性能を向上させることができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例、比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、分子量の測定は1M酢酸緩衝液(pH4.6)/アセトニトリル混合液を溶離液として使用したGPCを用いて行い、分子量はポリエチレングリコール換算値として算出した。
【0033】
実施例1
撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入管、滴下ラインを取り付けた500mlの反応容器に、スチレン45g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート45.3g、シクロヘキサン197.3g、ポリスチレン(新日鐵化学(株)製 商品名エスチレンGP−G32、重量平均分子量20万)6.9g、アゾビスイソブチロニトリル1.2gを入れ、窒素雰囲気下で30分以上撹拌、溶解させた。撹拌しながら30分かけて70℃まで加温、この温度を保ちながらジエチル硫酸46.6gを90分かけて滴下し、滴下終了後、その温度を保ちながら引き続き5時間重合を行い、ポリマー粒子の分散液を得た。その後、ポリマー粒子含有液を濾別し、シクロヘキサンで洗浄後、減圧乾燥して、白色のポリマー粉体127.9g(収率95重量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量23.7万、数平均分子量6.6万、全モノマーに対する最終転化率96モル%、ポリマー粒子径平均値は、30μmであった。
【0034】
実施例2
撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入管、滴下ラインを取り付けた500mlの反応容器に、スチレン45g、ジエチル硫酸46.6g、トルエン197.3g、スチレン系マクロモノマー(東亜合成(株)製 商品名AS−6、重量平均分子量6000)6.9g、アゾビスイソブチロニトリル1.2gを入れ、窒素雰囲気下で30分以上撹拌、溶解させた。撹拌しながら40分かけて80℃まで加温、この温度を保ちながらN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート45.3gを90分かけて滴下し、滴下終了後、その温度を保ちながら引き続き5時間重合を行い、ポリマー粒子の分散液を得た。その後、ポリマー粒子含有液を濾別し、トルエンで洗浄後、減圧乾燥して、白色のポリマー粉体137.4g(収率97重量%)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量34.2万、数平均分子量8.5万、全モノマーに対する最終転化率98モル%、ポリマー粒子径平均値は、12μmであった。
【0035】
実施例3〜15
実施例1または実施例2において、ビニルモノマーの組成、四級化剤、溶媒の組成、重合濃度、重合温度、分散安定剤を表1のように変化させた他は、滴下成分が四級化剤である場合は実施例1と同様にして、滴下成分がビニルモノマー成分である場合は実施例2と同様にして重合を行った。結果を表2に示す。
【0036】
比較例1
撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入管、滴下ラインを取り付けた500mlの反応容器に、スチレン50g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート43.5g、キシレン31.6g、アゾビスイソブチロニトリル0.5gを入れ、撹拌、溶解させた後、窒素ガスを通じながら1時間かけて85℃まで加温し、この温度を保ちながら2時間重合を行った。さらに、スチレン50g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート43.5g、キシレン31.6g、アゾビスイソブチロニトリル0.5gの混合液を2時間かけて滴下し、引き続き3時間重合を行い、三級アミノ基を有するポリマーを合成した。次いで、N,N−ジメチルアセトアミド50gを加えて希釈し、ジエチル硫酸25gを1時間かけて滴下し、四級化を行った。引き続き、溶媒を除去するために加熱を行ったが、途中で反応混合液の流動性がなくなり溶媒を完全に除去することができなかった。また、途中で撹拌ができなくなったために、器壁付近でのローカルヒートが起こり、部分的な変色が見られた。
【0037】
比較例2
撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入管、滴下ラインを取り付けた500mlの反応容器に、スチレン45g、シクロヘキサン197.3g、ポリスチレン(新日鐵化学(株)製 商品名エスチレンGP−G32、重量平均分子量20万)6.9g、アゾビスイソブチロニトリル1.2gを仕込み、窒素雰囲気下で30分以上撹拌させた。次いで撹拌しながら30分かけて80℃まで加温、この温度を保ちながらN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのジエチル硫酸4級塩89.7gとイソプロピルアルコール89.7gの混合液を90分かけて滴下し、滴下終了後、その温度を保ちながら5時間重合を行った。得られるポリマー粒子はかなり凝集し、反応容器への付着が起こったため、その後の濾別はかなり困難であった。濾別後、シクロヘキサンで洗浄、次いで減圧乾燥して、白色のポリマー粉体94.2g(収率70重量%)を得た。得られたポリマーの組成分析を行ったところ、スチレンユニットが全体の13モル%しか導入されておらず、共重合がほとんど進行していなかったことが確認された。
【0038】
比較例3
撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入管、滴下ラインを取り付けた500mlの反応容器に、スチレン45g、シクロヘキサン197.3g、スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(モル比 前者/後者=90/10;荒川化学工業(株)製、商品名ルナペール351)のジエチル硫酸4級塩6.9g、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.5gを仕込み、窒素雰囲気下で30分以上撹拌させた。次いで撹拌しながら30分かけて50℃まで加温、この温度を保ちながらN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのジエチル硫酸4級塩89.7gと水89.7gの水溶液を90分かけて滴下し、滴下終了後、その温度を保ちながら5時間重合を行い、ポリマー粒子を得た。その後、ポリマー粒子含有液を濾別し、シクロヘキサンで洗浄後減圧乾燥して、白色のポリマー粉体92.7g(収率65重量%)を得た。得られたポリマーの組成分析を行ったところ、スチレンユニットが全体の7モル%しか導入されておらず、共重合がほとんど進行していなかったことが確認された。
【0039】
比較例4
撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入管を取り付けた500mlの反応容器に、スチレン45g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのジエチル硫酸4級塩89.7g、アセトニトリル197.3gを仕込み、撹拌しながら30分かけて50℃まで加温し溶解させた。次いで窒素雰囲気下で30分以上撹拌させた後、過硫酸アンモニウムの1%水溶液を10g添加した。温度を50℃に保ちながら5時間重合を行い、ポリマーを得た。得られたポリマーはかなり反応容器への付着があり、濾別はかなり困難であった。ポリマー含有液を濾別後、アセトニトリルで洗浄、減圧乾燥して、白色のポリマー固体を90.3g(収率67.0重量%)を得た。得られたポリマーの組成分析を行ったところ、スチレンユニットが全体の6モル%しか導入されておらず、共重合がほとんど進行していなかったことが確認された。
【0040】
また、以下に多官能性のビニルモノマーを併用した場合の実施例について記載する。
【0041】
実施例16
撹拌装置、温度計、還流冷却管、窒素導入管、滴下ラインを取り付けた500mlの反応容器に、スチレン60.0g、ジエチル硫酸62.2g、トルエン277.4g、アゾビスイソブチロニトリル0.8gを入れ、窒素雰囲気下で30分以上撹拌、溶解させた。撹拌しながら30分かけて80℃まで加温、この温度を保ちながらN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート60.4gと55%ジビニルベンゼン2.3gを240分かけて滴下し、滴下終了後、その温度を保ちながら引き続き2時間重合を行い、ポリマー粒子の分散液を得た。その後、当該分散液を遠心分離処理、洗浄、減圧乾燥することにより、白色のポリマー粉体170.6g(収率重量95%)を得た。全モノマーに対する最終転化率99モル%、ポリマー粒子径平均値は、3μmであった。得られたポリマーは、水に不溶になるため分子量を測定することはできなかった。
【0042】
実施例17
撹拌装置、温度計、還流冷却管、窒素導入管、滴下ラインを取り付けた500mlの反応容器に、スチレン系マクロモノマー(東亜合成(株)製 商品名AS−6、重量平均分子量6000)11.1g,スチレン45.0g、ジエチル硫酸70.0g、トルエン222.7g、アゾビスイソブチロニトリル2.9gを入れ、窒素雰囲気下で30分以上撹拌、溶解させた。撹拌しながら30分かけて90℃まで加温、この温度を保ちながらN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート80.1g、n−ブチルアクリレート27.6gとエチレングリコールジメタクリレート2.1gとの混合モノマー液を240分かけて滴下し、滴下終了後、その温度を保ちながら引き続き2時間重合を行い、ポリマー粒子の分散液を得た。その後、当該分散液を遠心分離処理、洗浄、減圧乾燥することにより、白色のポリマー粉体205.2g(収率重量93%)を得た。全モノマーに対する最終転化率97モル%、ポリマー粒子径平均値は、3μmであった。なお、得られたポリマーは、水に不溶になるため分子量を測定することはできなかった。
【0043】
比較例5
撹拌装置、温度計、還流冷却管、窒素導入管、滴下ラインを取り付けた500mlの反応容器に、スチレン60.0g、トルエン220.5g、アゾビスイソブチロニトリル1.6gを入れ、窒素雰囲気下で30分以上撹拌、溶解させた。撹拌しながら30分かけて80℃まで加温、この温度を保ちながらN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート60.4gと55%ジビニルベンゼン2.3g、トルエン60.4gの混合溶液の滴下を行ったところ、滴下途中で溶液の粘度が徐々に高くなり、最終的にはゲル化して撹拌できなくなった。
【0044】
(分散安定性)
実施例2、14、16および17で得られた分散液を密封容器に入れ、40℃の恒温器中に静置し、所定時間後の分散液濃度を測定した。結果を表4に示す。
【0045】
また、得られた分散液をガラス板上にバーコーターにより乾燥塗工量が20g/m2 になるように塗布し、130℃で1時間乾燥させ、以下の評価に供した。結果を表4に示す。
【0046】
(乾燥膜の耐水性)
乾燥膜の表面を水を含んだガーゼでこすり、乾燥膜の表面状態を以下の基準により肉眼で観察した。
○:変化なし △:艶引け ×:一部溶解
なお、艶引けとは、表面が微妙に溶解した結果、傷が付いたり、光沢が失われたりする状態をいう。以下同様である。
【0047】
(乾燥膜の耐溶剤性)
得られた分散液をガラス板上にバーコーターにより乾燥塗工量が20g/m2 になるように塗布し、130℃で1時間乾燥させた。乾燥膜の表面をテトラヒドロフラン(50重量%)とメタノール(50重量%)との混合溶媒を含んだガーゼでこすり、乾燥膜の表面状態を以下の基準により肉眼で観察した。
○:変化なし △:艶引け ×:一部溶解
【0048】
(乾燥膜の鉛筆硬度)
得られた分散液をガラス板上にバーコーターにより乾燥塗工量が20g/m2 になるように塗布し、130℃で1時間乾燥させた。乾燥膜の鉛筆硬度をJISK 5400の試験方法に従って測定した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
表4において、実施例16および17は多官能性ビニルモノマーを併用してなる例であり、実施例16は実施例2と比較して、実施例17は実施例14と比較して、塗膜の性能の向上が見られる。
【0054】
また、前記の各比較例について本発明との差異を説明する。疎水性ビニルモノマーを共重合する方法としては、本発明の方法以外では溶液重合法が考えられる。比較例1は溶液重合法により製造した共重合体を四級化したものであるが、得られた四級アンモニウム塩基を有するポリマーと溶媒とを有効に分離することができなかった。比較例2〜4は、別途三級アミノ基を有するビニルモノマーを四級化して得た四級アンモニウム塩基を有するビニルモノマーを使用して分散重合あるいは懸濁重合による製造を試みたものであるが、当該四級化物に対して疎水性ビニルモノマーをほとんど共重合させることができなかった。また、比較例5は多官能性ビニルモノマーを併用したものであるが、溶液重合法により三級アミノ基を有する共重合体を製造する途中にゲル化してしまった。なお溶液重合法においてあらかじめ四級化したモノマーを用いた場合に、多官能性モノマーを添加しても共重合できない状況は同様である。

Claims (16)

  1. 一般式(1):
    (式中、Xは−(CH)n−(但し、nは2〜4の整数を示す)を示し、RとRはそれぞれ独立して炭素数1〜9のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示す)で表される三級アミノ基を有するビニルモノマー含有してなるビニルモノマー成分(A)を原料として四級アンモニウム塩基を有するポリマーを製造する方法であって、溶媒として、前記ビニルモノマー成分(A)を溶解し、得られる四級アンモニウム塩基を有するポリマーを溶解させず、かつ重合不活性な溶媒(B)を使用し、四級化剤(C)により前記ビニルモノマー成分(A)中の三級アミノ基を有するビニルモノマーにおける三級アミノ基を四級化しながら、前記ビニルモノマー成分(A)を重合させることを特徴とする、四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法。
  2. 前記ビニルモノマー成分(A)および/または前記四級化剤(C)を段階的または連続的に添加することにより、前記ビニルモノマー成分(A)、前記溶媒(B)および前記四級化剤(C)を含有する反応系を形成させながら、四級化反応および重合反応を進行させることを特徴とする、請求項1記載の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法。
  3. 前記ビニルモノマー成分(A)および前記溶媒(B)をあらかじめ含有してなる系に対し、前記四級化剤(C)を段階的または連続的に添加することにより前記反応系を形成させることを特徴とする、請求項2記載の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法。
  4. 前記溶媒(B)および前記四級化剤(C)をあらかじめ含有してなる系に対し、前記ビニルモノマー成分(A)を段階的または連続的に添加することにより前記反応系を形成させることを特徴とする、請求項2記載の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法。
  5. 前記ビニルモノマー成分(A)が、前記三級アミノ基を有するビニルモノマーおよび/またはその四級化物に共重合しうるこれ以外のビニルモノマーを含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法。
  6. 前記三級アミノ基を有するビニルモノマーおよび/またはその四級化物に共重合しうるこれ以外のビニルモノマーが、疎水性ビニルモノマーを含有することを特徴とする、請求項5記載の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法。
  7. 前記四級アンモニウム塩基を有するポリマーの共重合組成比における疎水性ビニルモノマーの導入率が20〜95モル%である請求項6記載の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法。
  8. 前記三級アミノ基を有するビニルモノマーおよび/またはその四級化物に共重合しうるこれ以外のビニルモノマーが、多官能性ビニルモノマーを含有することを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法。
  9. 前記溶媒(B)が、飽和炭化水素系溶媒および/または芳香族炭化水素系溶媒を含有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法。
  10. 四級アンモニウム塩基を有するポリマーを製造する際において、さらに分散安定剤(D)を使用することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法。
  11. 前記分散安定剤(D)が、ポリスチレン系ポリマーを含有することを特徴とする、請求項10記載の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法。
  12. 前記分散安定剤(D)が、スチレン系マクロモノマーを含有することを特徴とする、請求項10記載の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法。
  13. 前記四級アンモニウム塩基を有するポリマーの重量平均分子量が10000〜5000000である請求項1〜12のいずれかに記載の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法。
  14. 前記四級アンモニウム塩基を有するポリマーの数平均分子量が5000〜2000000である請求項1〜13のいずれかに記載の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法。
  15. 四級アンモニウム塩基を有するポリマーが粒子状態で得られることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法。
  16. 四級アンモニウム塩基を有するポリマーの粒子の粒子径が0.5〜500μmである請求項15記載の四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造方法。
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