JPH0376336B2 - - Google Patents

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JPH0376336B2
JPH0376336B2 JP59276737A JP27673784A JPH0376336B2 JP H0376336 B2 JPH0376336 B2 JP H0376336B2 JP 59276737 A JP59276737 A JP 59276737A JP 27673784 A JP27673784 A JP 27673784A JP H0376336 B2 JPH0376336 B2 JP H0376336B2
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aqueous dispersion
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monomer
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JP59276737A
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Kenji Hasui
Toshio Shinohara
Akio Furuya
Yoshinori Nagai
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Dai Nippon Toryo KK
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Dai Nippon Toryo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、カチオン性水性分散体の製造方法に
関し、さらに詳しくは、塗料に使用可能な「ソー
プフリー」(乳化剤を使用しない)カチオン性水
性分散体の製造方法に関する。 (従来技術) 従来、カチオン性水性分散体の製造方法として
は、例えば()非イオン性乳化剤を用いてビニ
ル単量体の重合を行い水性分散体を製造した後、
これにカチオン性乳化剤を混合するか、あるいは
()カチオン性乳化剤の存在下、もしくはこれ
と非イオン性乳化剤との存在下で、カチオン性重
合開始剤を用いてビニル単量体を乳化重合させる
(例えば特公昭54−43555号公報参照)方法が知ら
れていた。 又、()ポリビニルピリジンなどの水溶性カ
チオン性高分子物質の存在下で、ビニル単量体を
乳化重合せしめたり、()第四級アンモニウム
塩系ビニル単量体、第三級アミン系ビニル単量体
及び非イオン性ビニル単量体からなる共重合体の
存在下でカチオン性重合開始剤を用いてビニル単
量体を乳化重合させる(例えば特開昭59−142202
号公報)方法なども知られていた。 しかしながら、前記の如き従来方法において
は、カチオン性の乳化剤を用いるか又は乳化剤の
1種として水溶性カチオン性高分子物質を使用す
るため、得られたカチオン性水性分散体は機械的
安定性や電解質に対する安定性が悪く、また被膜
にした場合、耐水性等が著しく悪いなどというよ
うな各種欠点を有していた。 (問題を解決するための手段) 本発明は、前記の如き従来技術に鑑みてなされ
たものである。すなわち、カチオン性乳化剤ある
いは水溶性カチオン性高分子物質を全く使用せず
に(ソープフリー)、重合率が高く、しかも安定
性の極めて優れたカチオン性水性分散体を提供す
ることを目的とするものである。 即ち、本発明は、 1 100〜900重量部の水中で、単量体合計に対
し、0.1〜3重量%のカチオン性重合開始剤の
存在下、下記の一般式で示されるα,β−モノ
エチレン性不飽和カルボニル基を有する第四級
アンモニウム塩単量体0.5〜15重量%と其の他
のα,β−エチレン性不飽和非イオン性単量体
99.5〜85重量%とからなる単量体100重量部を
滴下共重合することを特徴とするソープフリー
の塗料用カチオン性水性分散体の製造方法に関
する。 一般式: (式中の、 X:Cl-、Br-、I-、SO4H-、SO4 --、CH3SO4 -
及びCH3COO-から成る陰イオンの群より選ば
れ、 R1:水素原子又はメチル基を示し、 A:−O−又は−NH−基を示し、 R2:炭素数1〜4の鎖状又は分枝状アルキレン
を示し、 R3、R3′、R3″:同一又は、異なり、それぞれヒ
ドロキシ基を置換基として有することのある炭
素数1〜4のアルキル基を示す。) 本発明のカチオン性水性分散体を得るに際して
使用する、前記一般式で示されるα,β−モノエ
チレン性不飽和カルボニル基を有する第四級アン
モニウム塩単量体としては、 塩化トリメチルアミノエチルアクリルアミド、 塩化トリメチルアミノエチルメタクリルアミ
ド、 塩化トリメチルアミノプロピルアクリルアミ
ド、 塩化トリメチルアミノプロピルメタクリルアミ
ド、 臭化トリメチルアミノプロピルアクリルアミ
ド、 臭化トリメチルアミノプロピルメタクリルアミ
ド、 トリメチルアミノブチルアクリルアミドメチル
スルフエート、 トリメチルアミノブチルメタクリルアミドメチ
ルスルフエート、 塩化トリメチルアミノメチルアクリレート、 塩化トリメチルアミノメチルメタクリレート、 塩化トリメチルアミノエチルアクリレート、 塩化トリメチルアミノエチルメタクリレート、 塩化ジエチルメチルアミノエチルアクリレー
ト、 塩化ジエチルメチルアミノエチルメタクリレー
ト、 塩化トリメチルアミノプロピルアクリレート、 塩化トリメチルアミノプロピルメタクリレート
等が挙げられ、これらは1種もしくは2種以上の
混合物として使用される。 また、本発明のカチオン性水性分散体を得るに
際して使用する、前記α,β−モノエチレン性不
飽和カルボニル基を有する第四級アンモニウム塩
単量体と共重合可能な、「其の他のα,β−エチ
レン性不飽和非イオン性単量体」としては、例え
ば(A)スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エン、モノクロルスチレン、ジビニルベンゼン等
の芳香族ビニル化合物類、(B)酢酸ビニルプロピオ
ン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、
(C)アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の
α,β−エチレン性不飽和ニトリル類、(D)アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸
ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキ
シプロピル、メタクリル酸グリシジル等のα,β
−エチレン性不飽和カルボン酸エステル、(E)フマ
ル酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキル
エステル、イタコン酸ジアルキルエステル等の
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸ジアルキ
ルエステル、(F)アクリルアミド、N−メチロール
アクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メ
トキシメタクリルアミド等のα,β−エチレン性
不飽和アミド類およびそれらのN置換誘導体類等
があげられる。 これらの単量体は、1種もしくは2種以上の混
合物として使用される。 本発明のカチオン性水性分散体の製造法は、前
記α,β−モノエチレン性不飽和カルボニル基を
有する第四級アンモニウム塩単量体と、その他の
α,β−エチレン性不飽和非イオン性単量体と
を、前者0.5〜15重量%、後者99.5〜85重量%の
割合で共重合せしめて得られる平均粒子径0.01〜
0.5μmの粒子である。 前記単量体の使用量の範囲において、前者が
0.5重量%に満たない場合には、重合率が低下す
るとともに得られる粒子の粒子径が大きくなり水
性分散体の安定性が著しく低下する。逆に15重量
%をこえると、得られる粒子の粒子径は小さくな
るので水性分散体の安定性は向上するが、系の粘
度が高くなるので作業性に支障をきたし、かつ被
膜化した時に耐水性が低下するという欠点が生ず
る。すなわちいずれの場合も好ましくない。 なお、前者(第4級アンモニウム基を有する単
量体)と後者(その他のα,β−エチレン性不飽
和非イオン性単量体)の好ましい使用量の割合
は、前者1〜10重量%に対し後者99〜90重量%、
さらにより好ましくは、前者3〜8重量%に対し
後者97〜92重量%の範囲である。 本発明の方法において使用されるカチオン性重
合開始剤としては、例えば2,2′−アゾビス(2
−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)酢酸塩、2,2′−アゾ
ビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)
塩酸塩等、通常使用されているものが使用可能で
ある。 該カチオン性重合開始剤は、重合時に使用する
単量体合計に対し0.1〜3重量%の割合で使用す
る。 本発明の方法における重合媒体としての水と、
全単量体の合計量との使用する割合は、水100〜
900重量部に対して、単量体合計100重量部の割合
である。つまり、最終カチオン性水性分散体の不
揮発分が10〜50重量%になるような割合である。 前記不揮発分が50重量%以上になるような割合
で重合を行うと、系中に凝集物がかなり多く発生
するため好ましくない。一方、不揮発分が10重量
%以下になるように重合した水性分散体は、使用
に際して適当な粘度が得にくいという実用上の問
題が生じる。 本発明のカチオン性水性分散体は、滴下共重合
法により、両方の単量体を徐々に滴下し、温度約
55〜85℃で、合計約2〜10時間乳化重合すること
により、98重量%以上の重合率で得られる。 前記方法において、α,β−モノエチレン性不
飽和カルボニル基を有する第四級アンモニウム塩
単量体は、他の単量体に溶けにくいので、あらか
じめ重合媒体として使用する水の一部に溶解せし
め、他の単量体とは別な滴下ロートにより同時に
滴下することが好ましい。尚、前記共重合反応時
には、ドデシルメルカプタン等通常使用される連
鎖移動剤等を併用してもよい。 かくして得られた本発明のカチオン性水性分散
体粒子はα,β−モノエチレン性不飽和カルボニ
ル基を有する第四級アンモニウム塩単量体が共重
合体の一成分として共重合された、数平均分子量
約1500〜10000程度の共重合体であり、該粒子は
カチオン性乳化剤を全く使用しないにもかかわら
ず、水中に安定に分散されているとともに水性分
散体の機械的な安定性や電解質に対する安定性が
極めて優れたものである。 更にカチオン性乳化剤を全く使用していないた
め、水性分散体から得られた被膜の耐水性等は著
しく優れている。 以下、本発明の詳細を実施例により具体的に説
明する。「部」又は「%」は「重量部」又は「重
量%」をもつて示す。 実施例 1 二本の滴下漏斗、コンデンサー、温度計及び撹
拌棒を付けた5口フラスコに脱イオン水110.9部
を入れ、ウオーターバスにて73℃に加温し、カチ
オン性重合開始剤として、2,2′−アゾビス(2
−アミジノプロパン)塩酸塩を0.5部添加し、そ
の5分後より反応温度を73℃に保ちながら下記の
単量体を2時間で同時に滴下した。 第一滴下漏斗 メタクリル酸メチル 56.0部 メタクリル酸2エチルヘキシル 38.0部 メタクリル酸2ヒドロキシエチル 4.0部 ドデシルメルカプタン 0.1部 第二滴下漏斗 塩化トリメチルアミノエチルメタクリレート
2.0部 脱イオン水 40.0部 滴下終了後、反応温度を約30分で84℃に上げ、
90分間その温度で反応した。 得られたカチオン性水性分散体は、単量体臭が
なく、300メツシユの金網で濾過しても凝集物は
殆どなく、状態は良好であつた。重合率は99%以
上であつた。 水性分散体の性状は、加熱残分39.6%、粘度
(25℃)11cps、PH4.0、平均粒子径0.25μm、数平
均分子量7400、重量平均分子量120000であつた。
この水性分散体の機械的安定性は10000rpeで5分
間撹拌しても異常なく、更に化学的安定性では10
%塩化ナトリウム水溶液中にこの水性分散体を滴
下しても異常なく安定であつた。 また、エチレングリコールモノブチルエーテル
を10%添加し、これをスレート板に20μm塗装し
て120℃で3分乾燥させると透明な被膜となり、
密着性は良好で、240時間の耐水性試験後も良好
であつた。 実施例 2 前記実施例1で使用したと同様の5口フラスコ
に脱イオン水243.0部を入れ、ウオーターバスに
て73℃に加温し、重合開始剤(実施例1と同一)
1.0部添加し、その5分後より反応温度を73℃に
保ちながら下記の単量体を3時間で同時に滴下し
た。 第一滴下漏斗 メタクリル酸メチル 60.0部 メタクリル酸2エチルヘキシル 39.0部 第二滴下漏斗 塩化トリメチルアミノエチルメタクリレート
1.0部 脱イオン水 60.0部 滴下終了後、反応温度を約30分で84℃に上げ、
90分間その温度で反応した。 得られたカチオン性水性分散体は、単量体臭が
なく、300メツシユの金網で濾過しても凝集物は
殆どなく、状態は良好であつた。重合率は99%以
上であつた。 水性分散体の性状は、加熱残分24.6%、粘度
(25℃)5cps、PH4.1、平均粒子径0.35μm、数平
均分子量5000、重量平均分子量130000であつた。
この水性分散体の機械的安定性は10000rpmで5
分間撹拌しても異常なく、更に化学的安定性では
10%塩化ナトリウム水溶液中にこの水性分散体を
滴下しても異常なく安定であつた。 また、エチレングリコールモノブチルエーテル
を10%添加し、これをスレート板に20μm塗装し
て120℃で3分乾燥させると透明な被膜となり、
密着性は良好で、240時間の耐水性試験後も良好
であつた。 実施例 3 前記実施例1で使用したと同様の5口フラスコ
に脱イオン水241.4部を入れ、ウオーターバスに
て73℃に加温し、重合開始剤(実施例1と同一)
0.5部添加し、その5分後より反応温度を73℃に
保ちながら下記の単量体を2時間で同時に滴下し
た。 第一滴下漏斗 メタクリル酸メチル 54.0部 メタクリル酸ブチル 37.0部 メタクリル酸グリシジル 4.0部 第二滴下漏斗 塩化トリメチルアミノエチルメタクリレート
5.0部 脱イオン水 60.0部 滴下終了後、反応温度を約30分で84℃に上げ、
90分間その温度で反応した。 得られたカチオン性水性分散体は、単量体臭が
なく、300メツシユの金網で濾過しても凝集物は
殆どなく、状態は良好であつた。重合率は99%以
上であつた。 水性分散体の性状は、加熱残分24.8%、粘度
(25℃)6cps、PH4.0、平均粒子径0.04μm、数平
均分子量4000、重量平均分子量90000であつた。
この水性分散体の機械的安定性は10000rpmで5
分間撹拌しても異常なく、更に化学的安定性では
10%塩化ナトリウム水溶液中にこの水性分散体を
滴下しても異常なく安定であつた。 また、エチレングリコールモノブチルエーテル
を10%添加し、これをスレート板に20μm塗装し
て120℃で3分乾燥させると透明な被膜となり、
密着性は良好で、240時間の耐水性試験後も良好
であつた。 実施例 4 前記実施例1で使用したと同様の5口フラスコ
に脱イオン水253.3部を入れ、ウオーターバスに
て73℃に加温し、重合開始剤(実施例1と同一)
1.0部添加し、その5分後より反応温度を73℃に
保ちながら下記の単量体を3時間で同時に滴下し
た。 第一滴下漏斗 スチレン 52.0部 アクリル酸2エチルヘキシル 34.0部 メタクリル酸2ヒドロキシエチル 4.0部 ドデシルメルカプタン 0.1部 第二滴下漏斗 塩化トリメチルアミノエチルメタクリレート
10.0部 脱イオン水 50.0部 滴下終了後、反応温度を約30分で84℃に上げ、
90分間その温度で反応した。 得られたカチオン性水性分散体は、単量体臭が
なく、300メツシユの金網で濾過しても凝集物は
殆どなく、状態は良好であつた。重合率は99%以
上であつた。 水性分散体の性状は、加熱残分24.8%、粘度
(25℃)19cps、PH3.9、平均粒子径0.1μm、数平
均分子量5400、重量平均分子量70000であつた。
この水性分散体の機械的安定性は10000rpmで5
分間撹拌しても異常なく、更に化学的安定性では
10%塩化ナトリウム水溶液中にこの水性分散体を
滴下しても異常なく安定であつた。 また、エチレングリコールモノブチルエーテル
を10%添加し、これをスレート板に20μm塗装し
て120℃で3分乾燥させると透明な被膜となり、
密着性は良好で、240時間の耐水性試験後も良好
であつた。 実施例 5 前記実施例1で使用したと同様の5口フラスコ
に脱イオン水241.8部を入れ、ウオーターバスに
て57℃に加温し、カチオン性重合開始剤として
2,2′−アゾビス(N−N′−ジメチレンイソブチ
ルアミジン)塩酸塩を0.5部添加し、その5分後
より反応温度を57℃に保ちながら下記の単量体を
3時間で同時に滴下した。 第一滴下漏斗 メタクリル酸メチル 54.0部 アクリル酸2エチルヘキシル 37.0部 メタクリル酸2ヒドロキシエチル 4.0部 ドデシルメルカプタン 0.1部 第二滴下漏斗 塩化トリメチルアミノエチルメタクリレート
5.0部 脱イオン水 60.0部 滴下終了後、反応温度を約30分で68℃に上げ、
90分間その温度で反応した。 得られたカチオン性水性分散体は、単量体臭が
なく、300メツシユの金網で濾過しても凝集物は
殆どなく、状態は良好であつた。重合率は99%以
上であつた。 水性分散体の性状は、加熱残分24.8%、粘度
(25℃)6cps、PH4.0、平均粒子径0.08μm数平均
分子量5400、重量平均分子量120000であつた。こ
の水性分散体の機械的安定性は10000rpmで5分
間撹拌しても異常なく、更に化学的安定性では10
%塩化ナトリウム水溶液中にこの水性分散体を滴
下しても異常なく安定であつた。 また、エチレングリコールモノブチルエーテル
を10%添加し、これをスレート板に20μm塗装し
て120℃で3分乾燥させると透明な被膜となり、
密着性は良好で、240時間の耐水性試験後も良好
であつた。 実施例 6 前記実施例1で使用したと同様の5口フラスコ
に脱イオン水241.8部を入れ、ウオーターバスに
て73℃に加温し、重合開始剤(実施例1と同一)
0.5部添加し、その5分後より反応温度を73℃に
保ちながら下記の単量体を2時間で同時に滴下し
た。 第一滴下漏斗 メタクリル酸メチル 54.0部 メタクリル酸2エチルヘキシル 37.0部 メタクリル酸2ヒドロキシエチル 4.0部 ドデシルメルカプタン 0.1部 第二滴下漏斗 塩化トリメチルアミノプロピルメタクリルアミド
ト 5.0部 脱イオン水 60.0部 滴下終了後、反応温度を約30分で84℃に上げ、
90分間その温度で反応した。 得られたカチオン性水性分散体は、単量体臭が
なく、300メツシユの金網で濾過しても凝集物は
殆どなく、状態は良好であつた。重合率は99%以
上であつた。 水性分散体の性状は、加熱残分24.8%、粘度
(25℃)6cps、PH5.5、平均粒子径0.28μm、数平
均分子量6000、重量平均分子量90000であつた。
この水性分散体の機械的安定性は10000rpmで5
分間撹拌しても異常なく、更に化学的安定性では
10%塩化ナトリウム水溶液中にこの水性分散体を
滴下しても異常なく安定であつた。 また、エチレングリコールモノブチルエーテル
を10%添加し、これをスレート板に20μm塗装し
て120℃で3分乾燥させると透明な被膜となり、
密着性は良好で、240時間の耐水性試験後も良好
であつた。 比較例 1 前記実施例1の配合において、塩化トリメチル
アミノエチルメタクリレートをメタクリル酸ジメ
チルアミノエチルに代えた他は全て同様にして同
様に反応を行つた所、単量体の滴下途中から分散
体の凝集が始り、滴下終了時には撹拌困難とな
り、分散体は全て凝集物となり、水性分散体は得
られなかつた。 比較例 2 α,β−モノエチレン性不飽和カルボニル基を
有する第四級アンモニウム塩単量体を全く使用し
ない系で以下の通り反応を行つた。 滴下漏斗、コンデンサー、温度計及び撹拌棒と
を付けた4口フラスコに、脱イオン水303.0部を
入れ、ウオーターバスにて73℃に加温し、開始剤
(実施例1と同一)1.0を添加し、その5分後より
反応温度を73℃に保ちながら下記の単量体を3時
間で滴下した。 滴下漏斗 メタクリル酸メチル 60.0部 メタクリル酸2エチルヘキシル 40.0部 滴下終了後、反応温度を約30分で84℃に上げ、
90分間その温度で反応した。 得られた水性分散体は重合率が低い為単量体臭
が激しかつた(重合率90%以下)。 水性分散体の性状は、加熱残分22.0%、粘度
(25℃)5cps、PH3.8、平均粒子系0.7μm、数平均
分子量5000、重量平均分子量80000であつた。こ
の水性分散体の機械的安定性は10000rpmで、5
分間撹拌した場合凝集し、極めて不安定であつ
た。また、エチレングリコールモノブチルエーテ
ルを10%添加し単量体場合にも水性分散体は凝集
してしまい、塗布等は不可能であつた。 比較例 3 前記実施例1で使用したと同様の5口フラスコ
に脱イオン水241.4部を入れ、ウオーターバスに
て73℃に加温し、アニオン系重合開始剤として過
硫酸アンモニウムを0.5部添加し、その5分後よ
り反応温度を73℃に保ちながら下記の単量体を2
時間で同時に滴下した。 第一滴下漏斗 メタクリル酸メチル 54.0部 アクリル酸ブチル 37.0部 メタクリル酸グリシジル 4.0部 第二滴下漏斗 塩化トリメチルアミノエチルメタクリレート
5.0部 脱イオン水 60.0部 滴下終了後、反応温度を約30分で84℃に上げ、
90分間その温度で反応した。 得られたカチオン性水性分散体は重合率が低い
(80%以下)為単量体臭が激しく、300メツシユの
金網で濾過しても凝集物が多量に析出していた
(単量体添加量に対して25%)。 水性分散体の性状は、加熱残分19.9%、粘度
(25℃)4cps、PH2.7、平均粒子系0.6μm、数平均
分子量9700、重量平均分子量226000であつた。 比較例 4 前記実施例1で使用したと同様の5口フラスコ
に脱イオン水253.3部を入れ、ウオーターバスに
て73℃に加温し、開始剤(実施例1と同一)1.0
部添加し、その5分後より反応温度を73℃に保ち
ながら下記の単量体を3時間で同時に滴下した。 第一滴下漏斗 スチレン 47.0部 アクリル酸2エチルヘキシル 29.0部 メタクリル酸2ヒドロキシエチル 4.0部 ドデシルメルカプタン 0.1部 第二滴下漏斗 塩化トリメチルアミノエチルメタクリレート
20.0部 脱イオン水 50.0部 滴下終了後、反応温度を約30分で84℃に上げ、
90分間その温度で反応した。 得られたカチオン性水性分散体は、単量体臭が
ないが、粘着性の凝集物が多く300メツシユの金
網で濾過困難であつた。重合率は98%であつた。 水性分散体の性状は、加熱残分24.5%、粘度
(25℃)330cps、PH3.6、平均粒子径0.25μmであ
つた。この水性分散体はテトラヒドロフランに溶
解しない為、GPC(ゲルパーミエーシヨンクロマ
トグラフ)による分子量の測定は出来なかつた。 この水性分散体の機械的安定性は10000rpmで
5分間撹拌しても異常なかつたが、化学的安定性
では10%塩化ナトリウム水溶液中にこの水性分散
体を滴下すると一部凝集して安定性は悪かつた。 また、エチレングリコールモノブチルエーテル
を10%添加し、これをスレート板に20μm塗装し
て120℃で3分乾燥させると透明な被膜となり、
密着性は良好であつたが、72時間の耐水性試験後
の被膜は白化した。 比較例 5 前記実施例1で使用したと同様の5口フラスコ
に脱イオン水469.0部を入れ、ウオーターバスに
て73℃に加温し、開始剤(実施例1と同一)4.0
部添加し、その5分後より反応温度を73℃に保ち
ながら下記の単量体を3時間で同時に滴下した。 第一滴下漏斗 メタクリル酸メチル 30.0部 アクリル酸2エチルヘキシル 10.0部 第二滴下漏斗 塩化トリメチルアミノエチルメタクリレート
60.0部 脱イオン水 120.0部 滴下終了後、反応温度を約30分で84℃に上げ、
150分間の温度で反応した。 得られたカチオン性水性分散体は、単量体臭が
ないが、粘着性の凝集物が多く300メツシユの金
網で濾過困難であつた。重合率は96%であつた。 水性分散体の性状は、加熱残分14.4%、粘度
(25℃)200cps、PH3.6、平均粒子径0.01μm以下
であつた。この水性分散体はテトラヒドロフラン
に溶解しない為、GPC(ゲルパーミエーシヨンク
ロマトグラフ)による分子量の測定は出来なかつ
た。 この水性分散体の機械的安定性は10000rpmで
5分間撹拌しても異常なかつたが、化学的安定性
では10%塩化ナトリウム水溶液中にこの水性分散
体を滴下すると一部凝集して安定性は悪かつた。 また、エチレングリコールモノブチルエーテル
を10%添加し、これをスレート板に20μm塗装し
て120℃で3分乾燥させると透明な被膜となり、
密着性は良好であつたが、耐水性試験において
は、12時間で被膜が白化し、塗膜としての実用上
の性能は全くないものであつた。 比較例 6 コンデンサー、温度計、撹拌棒を付けたフラス
コに脱イオン水280部を入れ、塩化トリメチルア
ミノエチルメタクリレート40部を溶解し、窒素気
流下でウオーターバスにて70℃に加温する。スチ
レン57部、ジビニルベンゼン3部を加えた後、脱
イオン水20部に2,2′−アゾビス(2−アミジノ
プロパン)塩酸塩10部を溶解した溶液を加え、5
時間加熱撹拌を行つた。しかし、スチレンの大部
分は均一に分散せず、分離し、重合体は大部分凝
集物となり、残留単量体も多く、安定な重合を行
う事が出来なかつた。 前記本発明の実施例1〜6及び比較例1〜6の
比較実験データを表−1に示した。
【表】 前記比較試験結果表より明らかに、本発明実施
例から得られた塗膜は、耐水性、耐食性、乾燥性
共非常に優れたものであり、塗料用被膜としての
性能を十分具備するものであつた。 一方、比較例1は、四級アンモニウム塩単量体
の代りに三級アンモニウム塩単量体を用いた例で
あるが水性分散体を得ることが出来ず、比較例2
は、四級アンモニウム塩単量体を全く使用しない
系であるが、水性分散体の機械的安定性や、溶剤
添加時の安定性が悪く正常な塗膜を形成出来ず、
又、比較例3は、本発明の範囲内の四級アンモニ
ウム塩単量体を用い、アニオン性開始剤を用いた
系であるが、凝集物が多くなり、得られた水性分
散体からは正常な塗膜形成が困難であつた。更
に、比較例4は、本発明における四級アンモニウ
ム塩単量体の使用量よりやや多い系であるが、得
られた塗膜の耐水性及び耐食性は非常に劣るとと
もに乾燥性が悪く、実用性のない塗膜であり、比
較例5は公知技術(特開昭和54−1398号)の如く
四級アンモニウム塩単量体を多量に用いた系であ
るが、得られた塗膜の耐水性、耐食性は著しく悪
く、又乾燥もを極端に悪いため塗膜としての実用
性は全くないものであつた。 比較例6は四級アンモニウム塩単量体を40%使
用して全量一括配合で重合を行つた系であるが水
性分散体を得ることが出来なかつた。 上記の通り、本発明の四級アンモニウム塩単量
体を少量の限られた範囲で使用し、滴下重合する
ことによつて、はじめて塗料塗膜として有用な耐
水性、耐食性、乾燥性を有する水性分散体を得る
ことが出来るのである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 100〜900重量部の水中で、単量体合計に対
    し、0.1〜3重量%のカチオン性重合開始剤の存
    在下、下記の一般式で示されるα,β−モノエチ
    レン性不飽和カルボニル基を有する第四級アンモ
    ニウム塩単量体0.5〜15重量%と其の他のα,β
    −エチレン性不飽和非イオン性単量体99.5〜85重
    量%とからなる単量体100重量部を滴下共重合す
    ることを特徴とするソープフリーの塗料用カチオ
    ン性水性分散体の製造方法。 一般式: (式中の、 X:Cl-、Br-、I-、SO4H-、SO4 --、CH3SO4 -
    及びCH3COO-から成る陰イオンの群より選ば
    れ、 R1:水素原子又はメチル基を示し、 A:−O−又は−NH−基を示し、 R2:炭素数1〜4の鎖状又は分枝状アルキレン
    を示し、 R3、R3′、R3″:同一又は、異なり、それぞれヒ
    ドロキシ基を置換基として有することのある炭
    素数1〜4のアルキル基を示す。)
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