JP3961211B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置の製造方法に関わり、特に、高融点金属膜/多結晶シリコン膜の積層構造からなるポリメタルゲート電極を有するMOS型トランジスタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の動作速度を向上させるため、配線、電極などの低抵抗化の研究開発が盛んに行われている。特に、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、フラッシュ・メモリなどの揮発性或いは不揮発性の半導体メモリ、若しくはこれらを混載するシステムLSIに使用されるワード線及びゲート電極の抵抗値を下げることは、重要な研究課題となっている。これは、周辺回路の面積を削減してチップ面積の増大を防止し、同時にワード線遅延を抑えることを目的としている。具体的には、ワード線、ゲート電極のシート抵抗値を数Ω程度まで低減する必要がある。
【0003】
従来、半導体メモリのワード線、ゲート電極には、タングステンシリサイド膜(Wシリサイド膜)と多結晶シリコン膜(ポリシリコン膜)の積層構造、いわゆるWポリサイド構造が用いられてきた。しかし、このWポリサイド構造では、シート抵抗値を数Ω程度まで低減することは難しい。そこで、W膜/WNx膜(タングステン窒化膜)/ポリシリコン膜の積層構造を使用したWポリメタル構造が検討されている。
【0004】
ここで、第1の従来例として、Wポリメタル構造を有するMOSFETゲート電極(Wポリメタルゲート電極)の製造方法を図11(a)乃至図11(c)を参照して示す。まず、半導体基板51上に、ゲート酸化膜52、ポリシリコン膜53、WNx膜54、W膜55、及びシリコン窒化膜56を順に堆積する(図11(a))。これらの堆積膜(52〜56)をパターニングしてWポリメタルゲート電極を形成する。水蒸気/水素の酸化/還元雰囲気において熱を加えることで、W膜55を酸化させずにポリシリコン膜53のみを酸化する選択後酸化を行う。Wポリメタルゲート電極をマスクとして、基板51中に浅い拡散領域64を形成する(図11(b))。シリコン窒化膜の堆積及びエッチバックにより、Wポリメタルゲート電極の側面に側壁窒化膜58を形成し、深い拡散領域68を形成する(図11(c))。
【0005】
次に、第2の従来例として、フラッシュ・メモリにおけるWポリメタルゲート電極の製造方法を図12(a)乃至図12(c)を参照して示す。まず、半導体基板51上に、ゲート酸化膜52、浮遊ゲート電極膜94、酸化膜/窒化膜/酸化膜の積層膜(ONO膜)95、ポリシリコン膜83、WNx膜84、W膜85、及びシリコン窒化膜86を順に堆積する。これらの堆積膜のうちシリコン窒化膜86からポリシリコン膜83の一部分までをパターニングする。シリコン窒化膜88を基板51全面に堆積する(図12(a))。シリコン窒化膜88をエッチバックして側壁窒化膜88を形成する(図12(b))。シリコン窒化膜86及び側壁窒化膜88マスクとして、ポリシリコン膜83の残り部分からゲート絶縁膜52までをエッチングする。酸素酸素雰囲気での通常の後酸化処理により、浮遊ゲート電極膜94を後酸化する(図12(c))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のWポリメタルゲート電極の製造方法には、以下に示すような問題点がある。
【0007】
まず、第1の従来例において、W膜55の耐酸化性の低さから、ゲート電極のパターニング後に行うポリシリコン膜53の後酸化処理を、通常の酸素雰囲気で行う熱酸化ではなく、特殊な処理条件が求められる選択後酸化で行う必要がある。従って、熱処理工程の複雑化、処理コストの増大などを招いてしまう。
【0008】
また、ソース/ドレイン拡散領域(64、68)のシリサイデーション工程において、通常、チタン、コバルトなどの金属膜をスパッタした後にRTA(ラビット・サーマル・アニール)を行い、シリコン上にのみTiやCoのシリサイド膜を形成する。未反応のTiやCoを硫酸過酸化水素処理により除去する。この硫酸過酸化水素処理により、継ぎ目70から処理剤が侵入し、W膜55が溶解してしまう惧れがある。従って、W膜55の健全性が保てず、低抵抗なWポリメタルゲート電極を歩留り良く製造することが困難になり、ひいてはデバイスの信頼性の低下につながる。
【0009】
また、W膜55がシリコン窒化膜56及び側壁窒化膜58により囲まれた後に、深い拡散領域64の活性化工程を行う場合、窒化膜の継ぎ目70(図11(c)参照)から酸化剤が侵入し、W膜55が体積膨張を伴って酸化してしまう惧れもある。
【0010】
またさらに、基板51に接続されるコンタクトプラグ57を、ゲート電極パターンに対して自己整合的に形成すること(ゲートSAC)が一般的に行われている。しかし、図13に示すように、側壁窒化膜58はエッチバック法により形成されているため、シリコン窒化膜56と側壁窒化膜58とから成るゲートキャップの肩61は落ちている。すると、層間絶縁膜59のコンタクトホールRIEにおける窒化膜(56、58)の選択比が低いため、コンタクトプラグ57とW膜55がショート60しやすい。従って、ショート不良の発生率が高くなり、歩留り、信頼性に影響を与えてしまう。
【0011】
一方、第2の従来例においても同様に、窒化膜(86、88)の継ぎ目から酸化剤、或いは硫酸過酸化水素処理における処理剤が侵入し、W膜85を酸化、溶解させてしまう惧れがある。また、ゲートキャップの肩落ちにより、ゲートSACにおけるショート不良の発生率が高くなってしまう。
【0012】
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するために成されたものであり、その目的は、ポリメタルゲート電極を構成する高融点金属膜の酸化及び溶解を防止する半導体装置の製造方法を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、ゲートSACのプロセスマージンを拡大する半導体装置の製造方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、
(1)半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する第1工程と、
(2)ゲート絶縁膜の上に第1の多結晶シリコン膜と、高融点金属膜と、ゲートキャップ絶縁膜とから成るポリメタルゲート電極を形成する第2工程と、
(3)ポリメタルゲート電極の側面に側壁絶縁膜を形成する第3工程と、
(4)半導体基板全面に第2の多結晶シリコン膜を堆積する第4工程と、
(5)平坦化処理により、ゲートキャップ絶縁膜及び側壁絶縁膜が表出するまで第2の多結晶シリコン膜を除去する第5工程と、
(6)ゲートキャップ絶縁膜及び側壁絶縁膜を除去して、溝を形成する第6工程と、
(7)溝の内部にシリコン窒化膜を埋め込み、シリコン窒化膜から成るダマシンゲートキャップを形成する第7工程と、
(8)ダマシンゲートキャップをマスクとして、第2の多結晶シリコン膜を除去する第8工程と
を少なくとも有する半導体装置の製造方法であることである。
【0016】
本発明の第2の特徴は、
(1)半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する第1工程と、
(2)ゲート絶縁膜の上に第1の多結晶シリコン膜、高融点金属膜、ゲートキャップ絶縁膜を順に堆積する第2工程と、
(3)同一マスクを用いて、ゲートキャップ絶縁膜、高融点金属膜、及び多結晶シリコン膜の一部分を選択的に除去して、凸部を形成する第3工程と、
(4)凸部の側面に側壁絶縁膜を形成する第4工程と、
(5)半導体基板全面に第2の多結晶シリコン膜を堆積する第5工程と、
(6)平坦化処理により、ゲートキャップ絶縁膜及び側壁絶縁膜が表出するまで第2の多結晶シリコン膜を除去する第6工程と、
(7)ゲートキャップ絶縁膜及び側壁絶縁膜を除去して、溝を形成する第7工程と、
(8)溝の内部にシリコン窒化膜を埋め込み、シリコン窒化膜から成るダマシンゲートキャップを形成する第8工程と、
(9)ダマシンゲートキャップをマスクとして、第2の多結晶シリコン膜及び第1の多結晶シリコン膜を除去する第9工程と
を少なくとも有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0017】
ここで、本発明の第1の特徴では、ポリメタルゲート電極を第2工程において一度に形成しているが、本発明の第2の特徴では、第3工程において、第1の多結晶シリコン膜の一部分までを選択的に除去し、第9工程において、第1の多結晶シリコン膜の残り部分を除去することで、ポリメタルゲート電極を形成している。従って、この間の工程で形成されるダマシンゲートキャップは、高融点金属膜から第1の多結晶シリコン膜の一部分までの凸部を覆うことができる。
【0018】
本発明の第2の特徴によれば、ダマシンゲートキャップを凸部の上面及び側面に一体形成することができるため、第1の多結晶シリコン膜の後酸化工程において、ゲートキャップの継ぎ目から酸化剤などが侵入することがなくなる。よって、通常の後酸化工程を行っても、酸化剤により高融点金属膜が酸化されることを回避することができる。
【0019】
本発明の第3の特徴は、半導体基板と、半導体基板の上にゲート絶縁膜を介して配置された、高融点金属膜と多結晶シリコン膜の積層構造を有するポリメタルゲート電極と、高融点金属膜の上面及び側面に配置されたダマシンゲートキャップとを少なくとも有し、このダマシンゲートキャップは、継ぎ目の無い一体物である半導体装置であることである。
【0020】
本発明の第3の特徴によれば、多結晶シリコン膜の後酸化処理を行う場合、ダマシンゲートキャップの継ぎ目から酸化剤などが侵入することがなくなる。よって、通常の後酸化処理であっても、酸化剤により高融点金属膜が酸化されることを回避することができる。また同様に、ソース/ドレインのシリサイド化工程において必要となる硫酸過酸化水素処理により高融点金属膜が溶解されることを回避することができる。
【0021】
また、フラッシュメモリでは、ポリメタルゲートとゲート絶縁膜の間に浮遊ゲートと高誘電体膜を有する積層構造ゲート電極が用いられる。このような場合にも本発明を適用することができ、通常の後酸化工程を用いて浮遊ゲート電極膜の十分な後酸化処理を行うことができる。つまり、半導体装置は、ゲート絶縁膜とポリメタルゲート電極の間において、ゲート絶縁膜の上に配置された浮遊ゲート電極膜と、浮遊ゲート電極膜の上に配置された高誘電率膜とを更に有していても構わない。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図面の記載において同一あるいは類似部分には同一あるいは類似な符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、層の厚みと幅との関係、各層の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の特徴部分の構成を示す断面図である。第1の実施の形態に係る半導体装置は、高融点金属膜と多結晶シリコン膜(ポリシリコン膜)の積層構造であるポリメタル構造を有するポリメタルゲート電極、或いはポリメタル構造を有するワード線を有するメモリデバイスである。図1は、MOSトランジスタが有するMOSFETの断面構成を示している。図1に示すように、MOSFETは、半導体基板(シリコン基板)1と、シリコン基板1の上に配置されたゲート絶縁膜(ゲート酸化膜)2と、ゲート酸化膜2の上に配置されたポリメタルゲート電極(3〜5)と、ポリメタルゲート電極(3〜5)の上面19及び側面20に配置されたダマシンゲートキャップ11とを少なくとも有している。ポリメタルゲート電極(3〜5)は、第1のポリシリコン膜3と、バリア膜4と、高融点金属膜5とから構成されている。バリア膜4は、ポリシリコン膜3と高融点金属膜5の間で生じる反応を防止するための膜である。ここでは、高融点金属膜として、タングステン膜(W膜)5を使用し、バリア膜として、タングステン窒化膜とシリコンの合金膜(WSiN膜)4を使用した場合について説明する。勿論、高融点金属膜5及びバリア膜4として、他の高融点金属及びその窒化膜とシリコンの合金膜をそれぞれ使用することは可能である。また、ゲート絶縁膜2としてシリコン酸化膜を使用するが、シリコンに酸素と窒素が添加されたシリコン酸窒化膜、或いはシリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層膜を用いても構わない。
【0024】
ダマシンゲートキャップ11は、シリコン窒化物で構成され、方形状のポリメタルゲート電極(3〜5)を覆い隠すようなコの字型の形状を有する。また、ダマシンゲートキャップ11は、ポリメタルゲート電極(3〜5)の上面19に配置された部分とその側面20に配置された部分との間に、継ぎ目が無い一体物である。つまり、従来のように、上面部分に配置された窒化膜と側面部分に配置された側壁窒化膜とが別の製造方法、製造工程により形成されたものではなく、上面部分と側面部分とを同時に一体形成された膜である。さらに、ダマシンゲートキャップ11自体の上面21および側面22は、実質的に垂直に交わっている。
【0025】
ポリメタルゲート電極(3〜5)とダマシンゲートキャップ11との間には、シリコン窒化膜6及びライナー8が配置されている。シリコン窒化膜6は、ポリメタルゲート電極(3〜5)の上面19、つまりW膜5の上に配置されている。また、ライナー8は、シリコン窒化物で構成され、ポリメタルゲート電極(3〜5)の側面20及びシリコン窒化膜6の側面に配置されている。図1において、シリコン窒化物から成るダマシンゲートキャップ11、シリコン窒化膜6、及びライナー8には、同一のハッチングを示した。
【0026】
図1において、2つのポリメタルゲート電極を示した。隣接するポリメタルゲート電極の間の半導体基板1の上部には、MOSFETを構成するソース/ドレイン領域などの拡散領域(14、18)が形成されている。拡散領域(14、18)は、ポリメタルゲート電極(3〜5)の間に形成された浅い拡散領域14と、ダマシンゲートキャップ11までを含む領域の間に形成された深い拡散領域18とから構成されている。浅い拡散領域14は、ソース/ドレイン領域のエクステンションとなる領域である。拡散領域(14、18)には、トランジスタのタイプ別に、n型/p型の不純物が所定濃度で添加されている。ポリメタルゲート電極(3〜5)と基板1との間に所定の電位差が加わると、ゲート電極(3〜5)下の基板1の上部に、拡散領域(14,18)間を接続するチャネル領域が形成/消滅して、MOSFETのオン/オフがスイッチングされる。
【0027】
次に、図1に示したMOSFETのポリメタルゲート電極の製造方法を図2乃至図3を参照して説明する。
【0028】
(イ)まず、熱酸化処理により半導体基板1の上にゲート酸化膜2を形成する。CVD法(化学的気相成長法:Chemical Vapor Deposition)により第1のポリシリコン膜3を堆積する。スパッタ法によりWNx膜4を堆積する。スパッタ法によりW膜5を堆積する。CVD法によりシリコン窒化膜6を堆積する。最後に、CVD法によりゲートキャップ絶縁膜(シリコン酸化膜)7を堆積する。以上の成膜・堆積工程が終了した状態を図2(a)に示す。なお、WNx膜4は、以後の製造工程における各種加熱処理により第1のポリシリコン膜3と反応し、シリコンとの合金膜(WSiN膜)に変化する。
【0029】
(ロ)次に、フォトリソグラフィ法によりゲート電極を形成したい領域に選択的にレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、シリコン酸化膜7及びシリコン窒化膜6をRIE法(反応性イオンエッチング法:Reactive Ion Etching 法)によりエッチングする。レジストパターンを除去する。シリコン酸化膜7をマスクとして、W膜5、WNx膜4、第1のポリシリコン膜3をRIE法によりエッチングする。W膜5とWNx膜4と第1のポリシリコン膜3とから成るポリメタルゲート電極が形成される。必要に応じて、水蒸気/水素の酸化/還元雰囲気において800〜900℃程度まで加熱して、W膜5を酸化させずに第1のポリシリコン膜を選択的に後酸化する、いわゆる選択後酸化を行う。また、ポリメタルゲート電極パターンをマスクとして、イオン注入法よりポリメタルゲート電極(3〜5)が形成されていない領域の半導体基板1の上部に選択的に不純物イオンを注入して浅い拡散領域14を形成する。以上の工程が終了した状態を図2(b)に示す。
【0030】
(ハ)次に、CVD法により基板1全面にシリコン窒化膜(ライナー)8、ゲートキャップ絶縁膜(シリコン酸化膜)9を順に堆積する。RIE法によりシリコン酸化膜をエッチバックする。エッチバックは、ポリメタルゲート電極の上方及び基板1の上にシリコン窒化膜8が表出し、ポリメタルゲート電極の側面に側壁絶縁膜(側壁酸化膜)9が形成された時点で終了する。以上の工程が終了した状態を図2(c)に示す。
【0031】
(ニ)次に、図2(d)に示すように、側壁酸化膜9をマスクとして、RIE法によりポリメタルゲート電極の上方及び基板1の上に表出したシリコン窒化膜8を選択的にエッチングする。このエッチングは、ポリメタルゲート電極の上部にシリコン酸化膜7が表出した時点で終了する。
【0032】
(ホ)次に、CVD法により半導体基板1全面に第2の多結晶シリコン膜(第2のポリシリコン膜)10を堆積する。そして、CMP(化学的機械的研磨:Chemical Mechanical polishing)などの平坦化処理により、シリコン酸化膜7及び側壁酸化膜9が表出するまで、第2のポリシリコン膜10を除去する。以上の工程が終了した状態を図3(a)に示す。
【0033】
(へ)次に、シリコン酸化物の等方的なエッチングにより、シリコン酸化膜7及び側壁酸化膜9を除去して、図3(b)に示すような溝12を形成する。RIE法によりシリコン窒化膜6及びライナー8をエッチバックする。
【0034】
(ト)次に、CVD法によりシリコン窒化膜11を基板1全面に堆積する。このとき、溝12の内部にシリコン窒化膜11が埋め込まれる。CMPなどの平坦化処理により、第2のポリシリコン膜10が表出するまでシリコン窒化膜11を除去して、溝12に埋め込まれたダマシンゲートキャップ11を形成する。以上の工程が終了した状態を図3(c)に示す。
【0035】
(チ)最後に、ダマシンゲートキャップ11をマスクとして、第2のポリシリコン膜10を除去する。ダマシンゲートキャップ11をマスクとして、イオン注入法よりポリメタルゲート電極及びダマシンゲートキャップ11が形成されていない領域の半導体基板1の上部に選択的に不純物イオンを注入して深い拡散領域18を形成する。以上の工程が終了した状態を図3(d)に示す。そして、CVD法により半導体基板1全面にシリコン酸化膜などの層間絶縁膜13を堆積する。以上の工程を経て、図1に示すようにMOSFETのポリメタルゲート電極を製造することができる。
【0036】
なお、このようにして形成されたポリメタルゲート電極に対して、以下に示す工程を経て、図4に示すようなシリサイド膜17及びコンタクトプラグ15を形成することができる。まず、層間絶縁膜13を堆積する前に、硫酸過酸化水素処理を伴う通常のシリサイデーション工程により、表出したソース/ドレイン拡散領域(14、18)の表面にシリサイド膜17を形成する。その後、層間絶縁膜13を堆積する。RIE法を用いてソース/ドレイン拡散領域(14、18)上の層間絶縁膜13にコンタクトホールを形成する(ゲートSAC工程)。このとき、コンタクトホールは、ゲート電極パターンに対して自己整合的に形成される。次に、CVD法により多結晶シリコンからなるコンタクトプラグ15をコンタクトホール内に埋め込む。
【0037】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、溝12の内部にシリコン窒化物を埋め込むことでダマシンゲートキャップ11を形成する。従って、一体物であるダマシンゲートキャップ11がポリメタルゲート電極(3〜5)の上面及び側面に形成される。即ち、ダマシン法により、ダマシンゲートキャップ11をポリメタルゲート電極(3〜5)の上面及び側面に一体形成することができる。よって、ソース/ドレイン拡散領域(14、18)のシリサイデーション工程において必要となる硫酸過酸化水素処理において、継ぎ目70から処理剤が侵入し、高融点金属膜が溶解されることを回避することができる。従って、ポリメタルゲート電極の製造歩留りを向上させ、ひいては半導体装置の製造歩留りを向上させることができる。
【0038】
また、ゲートSAC工程において、層間絶縁膜13に対するダマシンゲートキャップ(シリコン窒化膜)11のエッチング選択比は十分高いものではない。しかし、ダマシンゲートキャップ11の側面と上面は実質的に垂直に交わり、その肩16の部分に従来のような肩落ちがない。従って、従来のようなコンタクトプラグ15とW膜5の間のショート不良を抑制し、ゲートSAC工程のプロセスマージンを増加させることができる。
【0039】
なお、第1の実施の形態においては、ポリメタルゲート電極(3〜5)とダマシンゲートキャップ11の間に、シリコン窒化膜6及びライナー8を形成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるわけではない。シリコン窒化膜6及びライナー8を形成せずに、ポリメタルゲート電極(3〜5)の上面及び側面に直接、ダマシンゲートキャップ11を形成しても構わない。この場合、まず、図2(a)に示した工程において、W膜5を堆積した後にシリコン窒化膜6を堆積せずに、シリコン酸化膜7を堆積すればよい。そして、図2(c)に示した工程において、シリコン窒化膜(ライナー)8を形成せずに、ポリメタルゲート電極の側面に直接、側壁酸化膜9を形成すればよい。なお、シリコン窒化膜6及びライナー8を形成しない場合については、第3の実施の形態において詳細に説明する。
【0040】
またここでは、ゲートキャップ絶縁膜としてシリコン酸化膜7を使用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるわけではない。シリコン酸化膜の代わりにシリコン酸窒化膜、或いはこれらの積層膜であっても構わない。つまり、図3(b)に示した溝12の形成工程において、シリコン窒化膜6及びライナー8、及び第2のポリシリコン膜10に対して十分なエッチング選択比を有し、溝を形成することができる膜であればよい。同様に、側壁絶縁膜として側壁酸化膜9を使用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その他の構成を有していても構わない。
【0041】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、2重ゲート電極構造を有するフラッシュ・メモリにおけるポリメタルゲート電極について説明する。図5は、第2の実施の形態に係るフラッシュ・メモリのゲート電極部分の構造を示す断面図である。フラッシュ・メモリは、半導体基板(シリコン基板)1と、シリコン基板1の上に配置されたゲート絶縁膜(ゲート酸化膜)2と、ゲート酸化膜2の上に配置された浮遊ゲート電極膜44と、浮遊ゲート電極膜44の上に配置された高誘電率膜45と、高誘電率膜45の上に配置された制御ゲート電極(33〜35)と、制御ゲート電極(33〜35)の上面23及び側面24に配置されたダマシンゲートキャップ41とを少なくとも有している。浮遊ゲート電極膜44は、周囲から電気的に絶縁された多結晶シリコン膜からなる電極膜である。蓄積されている電荷量によりセルのビット情報が決まり、制御ゲート電極(33〜35)に印加する電圧を制御することで、電荷を注入し或いは取り出すことができる。ここでは、高誘電率膜として、酸化膜/窒化膜/酸化膜の積層膜(ONO膜)45を使用する。制御ゲート電極(33〜35)は、第1のポリシリコン膜33と、バリア膜(WSiN膜)34と、高融点金属膜(W膜)35とから成るポリメタルゲート電極である。
【0042】
ダマシンゲートキャップ41は、第1のポリシリコン膜33の下部を除く、W膜35とWSiN膜34と第1のポリシリコン膜の上部の側面24、及びW膜35の上面23に配置されている。また、ダマシンゲートキャップ41は、シリコン窒化物で構成され、方形状のW膜35、WSiN膜34及び第1のポリシリコン膜33の上部を覆い隠すようなコの字型の形状を有する。また、ダマシンゲートキャップ41は、W膜35の上面23に配置された部分と、W膜35、WSiN膜34及び第1のポリシリコン膜33の上部の側面24に配置された部分との間に、窒化膜の継ぎ目が無い一体物である。つまり、従来のように、上面部分に配置された窒化膜と側面部分に配置された側壁窒化膜とが別の製造方法、製造工程により形成されたものではなく、上面部分と側面部分とを同時に一体形成された膜である。さらに、ダマシンゲートキャップ41自体の上面25および側面26は、実質的に垂直に交わっている。
【0043】
ポリメタルゲート電極(33〜35)とダマシンゲートキャップ41との間には、シリコン窒化膜36及びライナー38が配置されている。シリコン窒化膜36は、W膜35の上に配置されている。また、ライナー8は、シリコン窒化物で構成され、W膜35、WSiN膜34及び第1のポリシリコン膜33の上部の側面24及びシリコン窒化膜36の側面に配置されている。図5において、シリコン窒化物から成るダマシンゲートキャップ41、シリコン窒化膜36、及びライナー38には、同一のハッチングを示した。
【0044】
次に、図5に示したフラッシュ・メモリのゲート電極の製造方法を図6乃至図7を参照して説明する。
【0045】
(イ)まず、熱酸化処理によりシリコン基板1の上にゲート酸化膜2を形成する。CVD法によりポリシリコン膜(浮遊ゲート電極膜)44を堆積する。CVD法によりONO膜45を堆積する。CVD法により第1のポリシリコン膜33を堆積する。スパッタ法によりWNx膜34を堆積する。スパッタ法によりW膜35を堆積する。CVD法によりシリコン窒化膜36を堆積する。最後に、CVD法によりゲートキャップ絶縁膜(シリコン酸化膜)37を堆積する。以上の成膜・堆積工程が終了した状態を図6(a)に示す。なお、WNx膜34は、以後の工程における各種加熱処理により第1のポリシリコン膜33と反応し、シリコンとの合金膜(WSiN膜)34に変化する。
【0046】
(ロ)次に、フォトリソグラフィ法によりゲート電極を形成したい領域に選択的にレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、シリコン酸化膜37及びシリコン窒化膜36をRIE法によりエッチングする。レジストパターンを除去する。シリコン酸化膜37をマスクとして、W膜35、WSiN膜34、及び第1のポリシリコン膜33の上部をRIE法によりエッチングする。W膜5とWSiN膜34と第1のポリシリコン膜33の上部とから成る凸部が形成される。次に、CVD法により基板1全面にシリコン窒化膜(ライナー)38、シリコン酸化膜39を順に堆積する。RIE法によりシリコン酸化膜39をエッチバックする。エッチバックは、凸部の上面及び下面にシリコン窒化膜38が表出し、凸部の側面に側壁酸化膜39が形成された時点で終了する。以上の工程が終了した状態を図6(b)に示す。
【0047】
(ハ)次に、図6(c)に示すように、側壁酸化膜39をマスクとして、RIE法により凸部の上面及び下面に表出したシリコン窒化膜38を選択的にエッチングする。このエッチングは、凸部の上面にシリコン酸化膜37が表出した時点で終了する。
【0048】
(ニ)次に、CVD法によりシリコン基板1全面に第2の多結晶シリコン膜(第2のポリシリコン膜)40を堆積する。そして、CMPなどの平坦化処理により、シリコン酸化膜37及び側壁酸化膜39が表出するまで、第2のポリシリコン膜40を除去する。以上の工程が終了した状態を図6(d)に示す。
【0049】
(ホ)次に、シリコン酸化物の等方的なエッチングによりシリコン酸化膜37及び側壁酸化膜39を除去して、図7(a)に示すような溝42を形成する。RIE法によりシリコン窒化膜36及びライナー38をエッチバックする。
【0050】
(へ)次に、CVD法によりシリコン窒化膜41を基板1全面に堆積する。このとき、溝42の内部にシリコン窒化膜41が埋め込まれる。CMPなどの平坦化処理により、第2のポリシリコン膜40が表出するまでシリコン窒化膜41を除去して、溝42に埋め込まれたダマシンゲートキャップ41を形成する。以上の工程が終了した状態を図7(b)に示す。
【0051】
(ト)最後に、ダマシンゲートキャップ41をマスクとして、RIE法により第2のポリシリコン膜40、第1のポリシリコン膜33、ONO膜45、及び浮遊ゲート電極膜44を除去する。通常の熱処理により浮遊ゲート電極膜44及び第1のポリシリコン膜33の後酸化を行う。以上の工程が終了した状態を図7(c)に示す。そして、CVD法によりシリコン基板1全面にシリコン酸化膜などの層間絶縁膜43を堆積する。以上の工程を経て、図5に示すようにフラッシュ・メモリのゲート電極を製造することができる。
【0052】
一般的に、フラッシュ・メモリにおいて、浮遊ゲート電極膜44への電子の注入及び引き抜きを行うために、ゲート絶縁膜2及びONO膜45には、通常のMOSFETに比べて強い電界が加えられる。浮遊ゲート電極膜44のゲートエッジ部分の形状が尖っていると、その部分に電界が集中し、書き込み/消去のしきい電圧にばらつきが生じてしまう。従って、このエッジ部分を十分丸めるために、ある程度の高温の雰囲気において、ポリシリコン膜の後酸化処理を行う。第1の実施の形態で示した水蒸気/水素雰囲気での選択後酸化では、800〜900℃程度の温度しか得られないため、この場合、十分な後酸化を行うことができない。第2の実施の形態によれば、耐酸化性の弱いW膜35をダマシンゲートキャップ41により覆い、浮遊ゲート電極膜44及び第1のポリシリコン膜33の下部を露出させることができる。従って、W膜35を酸化させることなく、通常の後酸化工程において十分な後酸化処理を行うことができる。従来のような選択後酸化などの特殊な処理が不要となるため、特殊な処理に要するコストを削減し、ひいては半導体装置の製造コストを削減することができる。
【0053】
また、第2の実施の形態で示したフラッシュ・メモリのゲート電極に対して、第1の実施の形態と同様にして、シリサイド膜及びコンタクトプラグを形成することができる。つまり、シリサイデーション工程において必要となる硫酸過酸化水素処理において、ダマシンゲートキャップの継ぎ目から処理剤が侵入し、高融点金属膜が溶解されることを回避することができる。また、ダマシンゲートキャップ41の側面と上面は実質的に垂直に交わり、その肩の部分に従来のような肩落ちがない。従って、ゲートSAC工程において、従来のようなコンタクトプラグとW膜35の間のショート不良を抑制し、ゲートSAC工程のプロセスマージンを増加させることができる。
【0054】
なお、第2の実施の形態では、W膜/WSiN膜/ポリシリコン膜のポリメタル構造のうち、W膜とWSiN膜とポリシリコン膜の一部分にのみ、ダマシンゲートキャップを形成する場合について示した。第1の実施の形態で示したMOSFETのゲート電極のような浮遊ゲート電極を持たないシングルゲート構造に対しても、第2の実施の形態で示したようなダマシンゲートキャップを適用することができる。この場合、十分なポリシリコン膜の後酸化処理を行えるなどの効果がある。
【0055】
(第3の実施の形態)
第1及び第2の実施の形態においては、ポリメタルゲート電極とダマシンゲートキャップの間に、シリコン窒化膜及びライナーを形成した場合について説明したが、本発明は、これに限定されるわけではない。本発明の第3の実施の形態においては、第1の実施の形態で示したMOSFETにおいて、シリコン窒化膜及びライナーを形成せずに、ポリメタルゲート電極の上面及び側面に直接、ダマシンゲートキャップを形成する場合について説明する。
【0056】
図8は、本発明の第3の実施の形態に係るMOSFETの構成を示す断面図である。MOSFETは、高融点金属膜(W膜)5とバリア膜(WSiN膜)4と第1の多結晶シリコン膜(第1のポリシリコン膜)3のポリメタル構造を有するポリメタルゲート電極、或いはポリメタル構造を有するワード線を有する。図1は、MOSトランジスタが有するMOSFETの断面構成を示している。図8に示すように、MOSFETは、半導体基板(シリコン基板)1と、シリコン基板1の上に配置されたゲート絶縁膜(ゲート酸化膜)2と、ゲート酸化膜2の上に配置されたポリメタルゲート電極(3〜5)と、ポリメタルゲート電極(3〜5)の上面19及び側面20に配置されたダマシンゲートキャップ11とを有している。
【0057】
ダマシンゲートキャップ11は、シリコン窒化物で構成され、方形状のポリメタルゲート電極(3〜5)を覆い隠すようなコの字型の形状を有する。また、ダマシンゲートキャップ11は、ポリメタルゲート電極(3〜5)の上面19に配置された部分とその側面20に配置された部分との間に、継ぎ目が無い一体物である。つまり、従来のように、上面部分に配置された窒化膜と側面部分に配置された側壁窒化膜とが別の製造方法、製造工程により形成されたものではなく、上面部分と側面部分とを同時に一体形成された膜である。さらに、ダマシンゲートキャップ11自体の上面21および側面22は、実質的に垂直に交わっている。ダマシンゲートキャップ11は、ポリメタルゲート電極(3〜5)の上に直接配置され、図1及び図5に示したMOSFETのように、シリコン窒化膜6及びライナー8は配置されていない。
【0058】
次に、図8に示したMOSFETのポリメタルゲート電極の製造方法を図9及び図10を参照して説明する。
【0059】
(イ)まず、シリコン基板1の上にゲート酸化膜2を形成する。第1のポリシリコン膜3を堆積する。WNx膜4を堆積する。W膜5を堆積する。最後に、ゲートキャップ絶縁膜(シリコン酸化膜)7を堆積する。以上の成膜・堆積工程が終了した状態を図9(a)に示す。なお、WNx膜4は、第1のポリシリコン膜3と反応し、シリコンとの合金膜(WSiN膜)に変化する。
【0060】
(ロ)次に、シリコン酸化膜7を選択的にエッチングする。シリコン酸化膜7をマスクとして、W膜5、WNx膜4、第1のポリシリコン膜3をエッチングする。W膜5とWNx膜4と第1のポリシリコン膜3とから成るポリメタルゲート電極が形成される。必要に応じて、水蒸気/水素の酸化/還元雰囲気において800〜900℃程度まで加熱して、W膜5を酸化させずに第1のポリシリコン膜を選択的に後酸化する、いわゆる選択後酸化を行う。また、図には示さないが、ポリメタルゲート電極パターンをマスクとして、イオン注入法よりポリメタルゲート電極(3〜5)が形成されていない領域のシリコン基板1の上部に選択的に不純物イオンを注入して浅い拡散領域を形成する。
【0061】
次に、シリコン基板1全面にシリコン酸化膜9を堆積する。RIE法によりシリコン酸化膜をエッチバックする。エッチバックは、ポリメタルゲート電極の上方のシリコン酸化膜7が表出し、ポリメタルゲート電極の側面に側壁絶縁膜(側壁酸化膜)9が形成された時点で終了する。以上の工程が終了した状態を図9(b)に示す。エッチバックにより形成された側壁酸化膜9及びシリコン酸化膜9が交わる肩27の部分は、従来技術に係るMOSFET(図11(c)参照)と同様に、肩落ちが見られる。
【0062】
(ハ)次に、CVD法によりシリコン基板1全面に第2の多結晶シリコン膜(第2のポリシリコン膜)10を堆積する。そして、平坦化処理により、シリコン酸化膜7及び側壁酸化膜9が表出するまで、第2のポリシリコン膜10を除去する。以上の工程が終了した状態を図9(c)に示す。なお、第2のポリシリコン膜10のエッチバックが終了した時点において、平坦化された表面と側壁酸化膜9の側面の接続部分28は、実質的に垂直に交わっていることが望ましい。
【0063】
(ニ)次に、ウェットエッチングなどのシリコン酸化物の等方的なエッチングにより、シリコン酸化膜7及び側壁酸化膜9を除去して、図10(a)に示すような溝12を形成する。
【0064】
(ホ)次に、図10(b)に示すように、CVD法によりシリコン窒化膜11を基板1全面に堆積する。このとき、溝12の内部にシリコン窒化膜11が埋め込まれる。
【0065】
(へ)次に、図10(c)に示すように、CMPなどの平坦化処理により、第2のポリシリコン膜10が表出するまでシリコン窒化膜11を除去して、溝12に埋め込まれたダマシンゲートキャップ11を形成する。
【0066】
(ト)最後に、ダマシンゲートキャップ11をマスクとして、第2のポリシリコン膜10を除去する。イオン注入法よりポリメタルゲート電極(3〜5)及びダマシンゲートキャップ11が形成されていない領域のシリコン基板1の上部に選択的に不純物イオンを注入して深い拡散領域18を形成する。そして、CVD法によりシリコン基板1全面にシリコン酸化膜などの層間絶縁膜13を堆積する。以上の工程を経て、図8に示すようにMOSFETのポリメタルゲート電極を製造することができる。
【0067】
このようにして形成されたポリメタルゲート電極に対して、第1の実施の形態で図4を参照して示した方法により、シリサイド膜及びコンタクトプラグを形成することができる。
【0068】
以上説明したように、本発明の第3の実施の形態によれば、ポリメタルゲート電極(3〜5)とダマシンゲートキャップ11の間に、シリコン窒化膜及びライナーを形成しない場合においても、第1の実施の形態と同様な作用効果を相することができる。つまり、溝12の内部にシリコン窒化物を埋め込むことでダマシンゲートキャップ11を形成する。即ち、ダマシン法により、ダマシンゲートキャップ11をポリメタルゲート電極(3〜5)の上面及び側面に一体形成することができる。よって、ソース/ドレイン拡散領域のシリサイド膜の形成工程で必要となる硫酸過酸化水素処理において、窒化膜の継ぎ目から処理剤が侵入し、高融点金属膜が溶解されることを回避することができる。従って、ポリメタルゲート電極の製造歩留りを向上させ、ひいては半導体装置の製造歩留りを向上させることができる。
【0069】
また、ダマシンゲートキャップ11の側面と上面は実質的に垂直に交わり、その肩16の部分に従来のような肩落ちがないため、ゲートSAC工程において、従来のようなコンタクトプラグとW膜5の間のショート不良を抑制し、ゲートSAC工程のプロセスマージンを増加させることができる。
【0070】
またここでは、ゲートキャップ絶縁膜としてシリコン酸化膜7を使用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるわけではない。シリコン酸化膜の代わりにシリコン酸窒化膜、シリコン窒化膜、或いはこれらの積層膜であっても構わない。つまり、図10(a)に示した溝12の形成工程において、W膜5、WSiN膜4、第1のポリシリコン膜3、及び第2のポリシリコン膜10に対して十分なエッチング選択比を有し、溝を形成することができる膜であればよい。同様に、側壁絶縁膜として側壁酸化膜9を使用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その他の構成を有していても構わない。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ポリメタルゲート電極を構成する高融点金属膜の酸化及び溶解を防止する半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0072】
また本発明によれば、ゲートSACのプロセスマージンを拡大する半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るMOSFETのゲート電極部分の構成を示す断面図である。
【図2】図2(a)乃至図2(d)は、図1に示したMOSFETのゲート電極部分の製造方法における主要な製造工程を示す断面図である(その1)。
【図3】図3(a)乃至図3(d)は、図1に示したMOSFETのゲート電極部分の製造方法における主要な製造工程を示す断面図である(その2)。
【図4】図1に示したMOSFETのゲート電極部分に対して、ソース/ドレイン拡散領域上のシリサイド膜、及びゲート電極に対して自己整合的に形成されたコンタクトプラグを付加した断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るフラッシュ・メモリのゲート電極部分の構成を示す断面図である。
【図6】図6(a)乃至図6(d)は、図5に示したフラッシュ・メモリのゲート電極部分の製造方法における主要な製造工程を示す断面図である(その1)。
【図7】図7(a)乃至図7(c)は、図5に示したフラッシュ・メモリのゲート電極部分の製造方法における主要な製造工程を示す断面図である(その2)。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るMOSFETのゲート電極部分の構成を示す断面図である。
【図9】図9(a)乃至図9(c)は、図8に示したMOSFETのゲート電極部分の製造方法における主要な製造工程を示す断面図である(その1)。
【図10】図10(a)乃至図10(c)は、図8に示したMOSFETのゲート電極部分の製造方法における主要な製造工程を示す断面図である(その2)。
【図11】図11(a)乃至図11(c)は、従来技術に係るWポリメタルゲート電極部分の製造方法における主要な製造工程を示す断面図である。
【図12】図12(a)乃至図12(c)は、従来技術に係るフラッシュ・メモリのゲート電極部分の製造方法における主要な製造工程を示す断面図である。
【図13】図11(c)に示した従来のWポリメタルゲート電極部分に対して、ソース/ドレイン拡散領域上のシリサイド膜、及びゲート電極に対して自己整合的に形成されたコンタクトプラグを付加した断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板
2 ゲート酸化膜
3、33 第1のポリシリコン膜
4、34 バリア膜(WSiN膜)
5、35 高融点金属膜(W膜)
6、36 シリコン窒化膜
7、37 シリコン酸化膜
8、38 ライナー
9、39 側壁酸化膜
10、40 第2のポリシリコン膜
11、41 ダマシンゲートキャップ
12、42 溝
13、43 層間絶縁膜
14 浅い拡散領域
15 コンタクトプラグ
16、27、28 肩
17 シリサイド膜
18 深い拡散領域
19、21、23、25 上面
20、22、24、26 側面
44 浮遊ゲート電極膜
45 高誘電率膜(ONO膜)

Claims (10)

  1. 半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する第1工程と、
    前記ゲート絶縁膜の上に第1の多結晶シリコン膜と、高融点金属膜と、ゲートキャップ絶縁膜とから成るポリメタルゲート電極を形成する第2工程と、
    前記ポリメタルゲート電極の側面に側壁絶縁膜を形成する第3工程と、
    前記半導体基板全面に第2の多結晶シリコン膜を堆積する第4工程と、
    平坦化処理により、前記ゲートキャップ絶縁膜及び前記側壁絶縁膜が表出するまで前記第2の多結晶シリコン膜を除去する第5工程と、
    前記第5工程の後に前記ゲートキャップ絶縁膜及び前記側壁絶縁膜を除去して、溝を形成する第6工程と、
    前記溝の内部にシリコン窒化膜を埋め込み、当該シリコン窒化膜から成るダマシンゲートキャップを形成する第7工程と、
    前記ダマシンゲートキャップをマスクとして、前記第2の多結晶シリコン膜を除去する第8工程と
    を少なくとも有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記第2工程と前記第3工程の間に、前記半導体基板全面にシリコン窒化物から成るライナーを堆積する工程を更に有し、
    前記第3工程は、前記ポリメタルゲート電極の側面に堆積された前記ライナーの上に前記側壁絶縁膜を形成する工程であり、
    前記第3工程と前記第4工程の間に、前記側壁絶縁膜をマスクとして前記ライナーを選択的に除去する工程を更に有し、
    前記第6工程と前記第7工程の間に、前記ライナーをエッチバックする工程を更に有する
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第2工程において、前記第1の多結晶シリコン膜と前記高融点金属膜の間に、高融点金属の窒化膜を更に堆積することを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第2工程において、前記高融点金属膜と前記ゲートキャップ絶縁膜の間に、シリコン窒化膜を更に堆積することを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記第2工程と前記第3工程の間に、水素/水蒸気雰囲気でのシリコンの選択後酸化を行う工程を更に有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  6. 半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する第1工程と、
    前記ゲート絶縁膜の上に第1の多結晶シリコン膜、高融点金属膜、ゲートキャップ絶縁膜を順に堆積する第2工程と、
    同一マスクを用いて、前記ゲートキャップ絶縁膜、前記高融点金属膜、及び前記多結晶シリコン膜の一部分を選択的に除去して、凸部を形成する第3工程と、
    前記凸部の側面に側壁絶縁膜を形成する第4工程と、
    前記半導体基板全面に第2の多結晶シリコン膜を堆積する第5工程と、
    平坦化処理により、前記ゲートキャップ絶縁膜及び前記側壁絶縁膜が表出するまで前記第2の多結晶シリコン膜を除去する第6工程と、
    前記第6工程の後に前記ゲートキャップ絶縁膜及び前記側壁絶縁膜を除去して、溝を形成する第7工程と、
    前記溝の内部にシリコン窒化膜を埋め込み、当該シリコン窒化膜から成るダマシンゲートキャップを形成する第8工程と、
    前記ダマシンゲートキャップをマスクとして、前記第2の多結晶シリコン膜及び前記第1の多結晶シリコン膜を除去する第9工程と
    を少なくとも有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 前記第3工程と前記第4工程の間に、前記半導体基板全面にシリコン窒化物から成るライナーを堆積する工程を更に有し、
    前記第4工程は、前記凸部の側面に堆積された前記ライナーの上に前記側壁絶縁膜を形成する工程であり、
    前記第4工程と前記第5工程の間に、前記側壁絶縁膜をマスクとして前記ライナーを選択的に除去する工程を更に有し、
    前記第7工程と前記第8工程の間に、前記ライナーをエッチバックする工程を更に有する
    ことを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記第2工程において、前記第1の多結晶シリコン膜と前記高融点金属膜の間に、高融点金属の窒化膜を更に堆積することを特徴とする請求項6又は7記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記第2工程において、前記高融点金属膜と前記ゲートキャップ絶縁膜の間に、シリコン窒化膜を更に堆積することを特徴とする請求項6又は7記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記第1工程と前記第2工程の間に、
    前記ゲート絶縁膜の上に浮遊ゲート電極膜を堆積する工程と、
    前記浮遊ゲート電極膜の上に高誘電率膜を形成する工程と
    を更に有し、
    前記第2工程は、前記高誘電率膜の上に第1の多結晶シリコン膜、高融点金属膜、ゲートキャップ絶縁膜を順に堆積する工程であり、
    前記第9工程は、前記ダマシンゲートキャップをマスクとして、前記第2の多結晶シリコン膜、前記第1の多結晶シリコン膜、前記高誘電率膜、及び浮遊ゲート電極膜を除去する工程である
    ことを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
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