JP4635333B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、詳しくはDRAM(Dynamic Random Access Memory)とロジック素子とを混載した半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
年々加速される微細化競争によって、特に大容量のDRAMと高速ロジック素子とを1チップに搭載する複合デバイスの開発が行われている。その構成の一例としては、DRAMのメモリセルゲートを基板に上に積み上げ、メモリセルトランジスタの拡散層の取り出しには、いわゆるセルフアラインコンタクトを用い、一方、ロジック素子はセルフアラインコンタクトを用いずに形成するという構成のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、積み上げ型のDRAMもさまざまな問題が顕在化してきている。
【0004】
トランジスタ性能を維持するため、DRAMメモリセルの縮小とともに基板濃度はますます高くなってきていて、DRAM部の接合リークも厳しい状態に近づいている。このため、メガビット級のDRAMでの接合リークの抑制が困難になってきている。すなわち、従来は余裕を持って制御可能であったDRAMのデータ保持特性の維持が困難なものとなってきている。このままでは世代ごとにキャパシタ容量を増大させていくしか有効な手段が見当たらない。
【0005】
また、DRAMセルの縮小化にともない、拡散層と取り出し電極との接触面積が狭くなり、世代ごとに2倍の勢いでコンタクト抵抗が上昇するようになっている。0.1μm以降の世代では、このコンタクト抵抗が数キロΩになることが予想され、メモリセルのワードトランジスタのオン抵抗に効いてくるようになると予想される。したがって、セルトランジスタのみならず、このコンタクト抵抗のばらつきがDRAM動作に厳しく影響してくるようになり、製造上、一層の精密性が要求されるようになって来ている。
【0006】
また、DRAMセルの縮小化にともない、セルトランジスタのゲート電極とその脇に形成される拡散層の取り出し電極との層間絶縁距離は世代ごとに近づきつつある。メガビット級のDRAMを製造する上で、この耐圧を確保するためには20nm〜30nmが限界の距離といわれている。そのため、0.1μm以降の世代のDRAMでは、この耐圧限界距離以下の距離で拡散層の取り出し電極を形成することが困難になってきている。
【0007】
一方、ロジック部のトランジスタ性能の向上も目覚しく、0.1μm以降の世代のロジックトランジスタでは、そのゲート長が50nm〜70nm、ゲート絶縁膜が1.5nm以下の極薄膜を形成することが要求されるようになると予想される。この厚さ以下から、従来から用いられてきた良質な絶縁膜である酸化シリコン(SiO2 )の適用が限界となり、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化アルミニウム、BST(BaTiO3 とSrTiO3 との混晶)等の新たな絶縁膜の適用が不可欠になると予想されている。
【0008】
上記酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化アルミニウム、BST等の絶縁材料からなるゲート絶縁膜は、拡散層の活性化に必要な熱処理を避けるため、またゲート電極を形成する際のプラズマダメージを回避するために、拡散層を形成した後にダミーゲートパターン電極を置き換えるリプレースメントゲート電極が提案されている。このリプレースメントゲート電極構造であっても、従来のポリシリコンゲート電極で問題となる空乏化抑制のために、比較的耐熱性の低い上記材料の採用が必要となってくると予想される。
【0009】
また、上記リプレースメントゲートの製造プロセスでは、ダミーゲートパターン上を化学的機械研磨(以下CMPという、CMPはChemical Mechanical Polishing )によって露出させる工程をともなうため、ゲート電極上部にセルフアラインコンタクトとキャパシタを形成するスタック型のDRAMセルとは整合性が良くなく、また、DRAMのコンタクト活性化に必要な熱処理に対しても整合性が良くない。
【0010】
このように、現在の0.18μm世代では、何とか許容できている技術であっても、今後の0.1μm世代以降では、何らかの対策が必要となり、チップの性能トレンドを維持するためには、積み上げ型のDRAM構造の抜本的な改良が必要となると予想される。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされた半導体装置およびその製造方法である。
【0012】
本発明の半導体装置は、メモリ素子とロジック素子とを同一半導体基板上に形成した半導体装置において、前記メモリ素子のトランジスタは、前記半導体基板に形成した溝内にゲート絶縁膜を介して埋め込んだゲート電極と、前記溝の側壁の前記半導体基板表面側に形成した拡散層とを有し、前記ゲート電極上に絶縁膜を介して前記ゲート電極にオーバラップする状態で前記拡散層に接続される取り出し電極を備えたものである。
【0013】
また、前記半導体基板に素子分離領域が形成され、前記ゲート電極に接続されるワード線は、前記半導体基板および前記素子分離領域に形成した溝に前記ゲート電極に接続して形成されるものである。また、前記拡散層は深さ方向に不純物濃度が薄くなるものである。
【0014】
上記半導体装置では、ゲート絶縁膜を介して半導体基板に埋め込まれたゲート電極上に絶縁膜を介してこのゲート電極にオーバラップする状態で拡散層に接続される取り出し電極を備えていることから、ゲート電極上の絶縁膜を20nm〜30nm以上の十分な膜厚を確保することが可能になり、それによって、ゲート電極(ワード線)と拡散層に接続される取り出し電極との耐圧が確保されるようになる。また、半導体基板にゲート絶縁膜を介してゲート電極が埋め込まれ、拡散層が半導体基板表面側に形成されていることから、チャネルはゲート電極が形成されている溝底部側の半導体基板を廻り込むように形成される。そのため、実効的なチャネル長が十分に確保されるため、バックバイアスを印加して、短チャネル効果が厳しいDRAMのトランジスタ特性が安定化される。さらに、取り出し電極は拡散層の半導体基板の表面側全域に接続させることが可能になり、コンタクト抵抗の低減が図れる。
【0015】
また、ワード線は、半導体基板および素子分離領域に形成した溝にゲート電極に接続されるように形成されていることから、ゲート電極との同時形成を可能としている。また、拡散層は深さ方向に不純物濃度が薄くなっていることから、接合の電界を緩和することが可能になり、データ保持特性の性能が維持される。
【0016】
本発明の半導体装置の製造方法は、メモリ素子とロジック素子とを同一半導体基板上に形成する半導体装置の製造方法において、前記メモリ素子のメモリトランジスタは、前記半導体基板および該半導体基板に形成した素子分離領域に溝を形成する工程と、前記溝内にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記溝の上部を残した状態で前記溝内を埋め込むようにゲート電極およびワード線を形成する工程と、前記溝の側壁の前記半導体基板表面側に拡散層を形成する工程と、前記溝の上部を埋め込むように絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート電極上に前記絶縁膜を介して前記ゲート電極にオーバラップする状態で前記拡散層に達する接続孔を形成する工程と、前記接続孔内に取り出し電極を形成する工程と、前記取り出し電極を活性化する熱処理を行う工程とにより形成され、前記ロジック素子のロジックトランジスタは、前記ゲート電極および前記ワード線と同一層で前記半導体基板上にダミーゲートパターンを形成する工程と、前記ダミーゲートパターンをマスクにしてロジックトランジスタの低濃度拡散層を形成する工程と、前記ダミーゲートパターンの側壁にサイドウォールを形成する工程と、前記ダミーゲートパターンと前記サイドウォールとをマスクにしてロジックトランジスタの拡散層を形成する工程と、前記絶縁膜と同一層でダミーゲートパターンを覆う工程と、前記接続孔内に取り出し電極を形成した後の前記絶縁膜の平坦化工程で前記ダミーゲートパターンの上部を露出させる工程と、前記活性化の熱処理を行った後に前記ダミーゲートパターンを除去してゲート溝を形成する工程と、前記ゲート溝にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程とにより形成される。また、前記メモリトランジスタの拡散層は深さ方向に不純物濃度が薄くなるように形成する。
【0017】
上記半導体装置の製造方法では、半導体基板に形成した溝内に、その溝の上部を残して、ゲート絶縁膜を介してゲート電極(ワード線)を埋め込むように形成し、また、溝の側壁の半導体基板表面側に拡散層を形成し、さらに溝の上部を埋め込むように絶縁膜を形成し、ゲート電極上に絶縁膜を介してゲート電極にオーバラップする状態で拡散層に達する接続孔を形成することから、接続孔内に形成される取り出し電極とゲート電極とは絶縁膜によって離間され、しかもその絶縁膜は例えば20nm〜30nm以上の十分な膜厚を確保することが可能になる。そのため、ゲート電極(ワード線)と拡散層に接続される取り出し電極との耐圧を確保することが可能になる。
【0018】
また、半導体基板に形成した溝内にゲート絶縁膜を介してゲート電極を埋め込み、拡散層を半導体基板表面側に形成することから、チャネルはゲート電極が形成されている溝底部側の半導体基板を廻り込むように形成される。そのため、実効的なチャネル長が十分に確保されるため、バックバイアスを印加して、短チャネル効果が厳しいDRAMのトランジスタ特性が安定化される。さらに、取り出し電極は拡散層の半導体基板の表面側全域に接続させることが可能になり、コンタクト抵抗の低減が図れる。
【0019】
また、ワード線は、半導体基板および素子分離領域に形成した溝にゲート電極に接続されるように形成されていることから、ゲート電極との同時形成を可能としている。また、拡散層は深さ方向に不純物濃度が薄くなるように形成することから、接合の電界を緩和することが可能になり、データ保持特性の性能が維持される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体装置に係る実施の形態の一例を、図1の概略構成断面図によって説明する。
【0021】
図1に示すように、半導体基板11には素子分離領域12が形成されている。この素子分離領域12は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation )技術によって、例えば0.1μm〜0,2μm程度の深さに形成されている。上記上記半導体基板11および上記素子分離領域12には、溝13が例えば50nm〜100nm程度の深さに形成され、その溝13内にはゲート絶縁膜15を介してワード線(ゲート電極)16が形成されている。なお、半導体基板11に形成された溝13の深さと素子分離領域12に形成された溝13の深さに多少の差を生じていても差支えはない。
【0022】
さらに、上記溝13の底部における半導体基板11にはチャネル拡散層14が形成されている。上記チャネル拡散層14は、高濃度(例えば1.0×1018/cm3 〜1.0×1019/cm3 )にしなければならないが、半導体基板11を掘り下げた溝13底部の半導体基板11部分に形成されているものであり、溝13の側壁や上部はほとんど基板濃度としてよく、その領域は極めて低濃度(例えば1.0×1017/cm3 〜1.0×1018/cm3 )となっている。
【0023】
上記ゲート絶縁膜15は、最先端のロジックのトランジスタよりもやや厚めの膜厚を有し、またゲート長もやや長く形成されるため、この世代であっても、熱酸化による酸化シリコン膜の適用が可能である。したがって、DRAM領域の上記ゲート絶縁膜15は、例えば1.5nm〜2nm程度の厚さの酸化シリコン膜で形成されている。
【0024】
また、上記ワード線(ゲート電極)16は、少なくとも後に説明する取り出し電極20との耐圧が確保される距離として、その表面が溝13の上部の半導体基板11表面より少なくとも30nm以上50nm以下、好ましくは40nm以上50nm以下、下がった状態に形成されている。この実施の形態では、例えば50nm程度下がった状態に形成されている。
【0025】
また上記ワード線(ゲート電極)16は、遅延を抑制するため、従来から用いてきたタングステンシリサイド(WSi2 )/ポリシリコンからなるポリサイド構造に代わり、例えばタングステン/窒化タングステン/ポリシリコンもしくはコバルト/コバルトシリサイド/ポリシリコンからなる耐熱性のポリメタルゲート構造を用いることができる。本実施の形態では、Nチャネルトランジスタを構成しているため、ゲート電極およびワード線をポリメタルゲート構造で形成している。そのため、ホウ素の突き抜けや窒化タングステン界面への偏析などの問題は発生しない。
【0026】
また、上記溝13の側壁上部における半導体基板11表面側には、DRAM領域の拡散層17が形成されている。この拡散層17の底部はでき得る限り薄い濃度に設定され、半導体基板11との電界を緩和させることが望ましい。もともと半導体基板11側は、この拡散層17の接合部では低濃度に設定されているため、拡散層17とともに、低電界強度の接合が形成されている。この接合によってDRAMデータ保持特性が維持される。
【0027】
上記説明したように、半導体基板11にゲート絶縁膜15を介してゲート電極16が埋め込まれ、拡散層17が半導体基板11表面側に形成されていることから、チャネルはゲート電極16が形成されている溝13底部側の半導体基板11を廻り込むように形成される。そのため、実効的なチャネル長を確保することもでき、バックバイアスを印加して短チャネル効果が厳しいDRAMセルのトランジスタ特性を安定化させることもできる。
【0028】
上記半導体基板11上の全面には、第1の層間絶縁膜(絶縁膜)18が形成されている。この第1層間絶縁膜18表面は平坦化されている。上記第1の層間絶縁膜18上にはDRAM領域の拡散層17に達する接続孔19が形成されている。この接続孔19は、拡散層17の表面全面で取り出し電極をコンタクトさせることが可能なように、接続孔19の開口径をでき得る限り大きく形成することが望ましい。それによってコンタクト抵抗の低減が図られる。また、図面では、多少アライメントずれを起こした状態をわざと記載したが、接続孔開口時に過剰なオーバエッチングを施さなければ、接続孔19内に形成されるワード線取り出し電極の物理的な距離を確保することが可能となる。なお、上部からみた投影デザインでは、この接続孔19が完全にワード線(ゲート電極)16にオーバラップする形となっている。上記接続孔19内には、例えばリンドープトポリシリコンで形成される取り出し電極20が形成されている。
【0029】
一方、ロジック領域には、ロジックトランジスタが形成される。すなわち、上記第1の層間絶縁膜18に形成された半導体基板11に達する溝81の内部にはゲート絶縁膜82を介してゲート電極84が形成されている。この溝81の側壁はサイドウォール73によって形成されていて、このサイドウォール73の下部における半導体基板11には低濃度拡散層72、72が形成され、この低濃度拡散層72、72を介したゲート電極84の両側の半導体基板11には拡散層74、74が形成されている。また、ロジック領域の素子分離領域12上には第1の層間絶縁膜18に形成された溝81が配置され、その溝81内にはワード線84が形成されている。このワード線84が形成されている溝81の側壁も先に説明したのと同様に、サイドウォール73によって形成されている。
【0030】
さらに、上記第1の層間絶縁膜18上には、取り出し電極20、ゲート電極84等を覆う第2の層間絶縁膜21が形成されている。この第2の層間絶縁膜21にはビットコンタクトホール22が形成されている。また第2の層間絶縁膜21上にはビット線23が形成されていて、その一部は上記ビットコンタクトホール22を通じて取り出し電極20に接続されている。このビット線23は、金属配線により形成され、その下部に密着層23aが形成され、その上部にオフセット絶縁膜24が形成されている。
【0031】
上記第2の層間絶縁膜21上には、上記ビット線23を覆うエッチングストッパ層25および第3の層間絶縁膜26が形成されている。この第3の層間絶縁膜26表面は平坦化されている。上記第3の層間絶縁膜26には上記取り出し電極20に接続する接続孔27が形成され、この接続孔27内にはビット線23との絶縁を図るためにサイドウォール絶縁膜28が形成されている。
【0032】
さらに、記憶ノードに接続するキャパシタ31が形成されている。ここでは、熱処理が不要なMIM(Metal/insulator/Metal)構造のキャパシタが用いられている。MIM構造のキャパシタ31は0.1μm以降のDRAMでは必須になると予想され、現在では、一例として、電極にルテニウム(Ru)、酸化ルテニウム(Ru)系材料が用いられ、誘電体膜にはBST(BaTiO3 とSrTiO3 との混晶)系の膜が採用される。
【0033】
なお、上記キャパシタには、上記MIM構造のキャパシタ31に限定されることはなく、例えばポリシリコンの結晶粒を利用したHSGの記憶ノード電極もしくはシリンダ形状の記憶ノード電極を適用することも可能であり、絶縁膜に従来から用いられている酸化シリコン膜と窒化シリコン膜と酸化シリコン膜との積層膜(ONO膜)、酸化タンタル膜、酸化アルミニウム膜等を用いることができる。
【0034】
上記第3の層間絶縁膜26上には、上記MIM構造のキャパシタ31を覆う第4の層間絶縁膜32が形成されている。この第4の層間絶縁膜32表面は平坦化されている。上記第4の層間絶縁膜32ないし上記第1の層間絶縁膜18には、キャパシタ取り出し電極、ワード線取り出し電極、ビット線取り出し電極、ロジック領域の拡散層取り出し電極、ロジック領域のゲート取り出し電極等を形成するための接続孔33、34、35、85、86等が形成されている。さらに、接続孔33、34、35、85、86等には、キャパシタ取り出し電極36、ワード線取り出し電極37、ビット線取り出し電極38、ロジック領域の拡散層取り出し電極87、ロジック領域のゲート取り出し電極88等が形成されている。
【0035】
さらに、第4の層間絶縁膜32上には、第5の層間絶縁膜39が形成されている。上記第5の層間絶縁膜39には、各電極36〜38、87、88等に達する各配線溝40が形成され、各配線溝40に第1の配線41が形成されている。この第1の配線41は例えば銅配線からなる。図示はしないが、さらに必要に応じて上層配線を形成する。
【0036】
上記半導体装置1では、ゲート絶縁膜15を介して半導体基板11に埋め込まれたゲート電極16上に第1の層間絶縁膜(絶縁膜)18を介してこのゲート電極15にオーバラップする状態で拡散層17に接続される取り出し電極20を備えていることから、ゲート電極16上の第1の層間絶縁膜18を20nm〜30nm以上の十分な膜厚を確保することが可能になり、それによって、ゲート電極(ワード線)16と拡散層17に接続される取り出し電極20との耐圧が確保されるようになる。
【0037】
また、半導体基板11にゲート絶縁膜15を介してゲート電極16が埋め込まれ、拡散層17が半導体基板11表面側に形成されていることから、チャネルはゲート電極16が形成されている溝13底部側の半導体基板11を廻り込むように形成されている。そのため、実効的なチャネル長が十分に確保されるため、バックバイアスを印加して、短チャネル効果が厳しいDRAMのトランジスタ特性が安定化される。さらに、取り出し電極20は拡散層17の半導体基板11表面側全域に接続させることが可能になり、コンタクト抵抗の低減が図れる。
【0038】
また、ワード線16(16w)は、半導体基板11および素子分離領域12に形成した溝13にゲート電極に接続されるように形成されていることから、ゲート電極16との同時形成を可能としている。また、拡散層17は深さ方向に不純物濃度が薄くなっていることから、接合の電界を緩和することが可能になり、データ保持特性の性能が維持される。
【0039】
本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を、図2〜図8の概略構成断面図によって説明する。図2〜図8では、前記図1によって説明したのと同様なる構成部品には同一符号を付与する。
【0040】
図2の(1)に示すように、例えばSTI(Shallow Trench Isolation )技術によって、半導体基板11に素子分離領域12を形成する。さらにリソグラフィー技術に用いるレジスト膜61を形成した後、DRAM部のゲート電極およびワード線となる部分のレジスト膜61に開口部62を形成する。図面では酸化シリコンからなるバッファ層51を形成した半導体基板11を示しているが、場合によっては、上記バッファ層51は必要としない。また上記素子分離領域12は0.1μm〜0,2μm程度の深さに形成される。
【0041】
次いで、図2の(2)に示すように、上記レジスト膜61をエッチングマスクに用いて、バッファ層51、素子分離領域12および半導体基板11をエッチング(例えば連続的にエッチング)して素子分離領域12(フィールド)および半導体基板11に溝13を形成する。この溝13の深さは、例えば50nm〜100nm程度であり、半導体基板11に形成された溝13の深さと素子分離領域12に形成された溝13の深さとが多少の差を生じてもよい。
【0042】
その後上記レジスト膜61を通常の除去技術によって除去し、さらにバッファ層51をエッチングにより除去する。
【0043】
次いで、図3の(3)に示すように、DRAM領域のチャネルドーズを例えばイオン注入法によって行って、溝13の底部における半導体基板11にチャネル拡散層14を形成する。その後、上記溝13の内面および半導体基板11、素子分離領域12上にDRAM部のゲート絶縁膜15を形成する。さらに溝13を埋め込むように半導体基板11、素子分離領域12上にゲート電極形成膜52を形成する。
【0044】
DRAM領域のワードトランジスタのチャネルとして、高濃度(例えば1.0×1018/cm3 〜1.0×1019/cm3 )にしなければならない領域は、半導体基板11を掘り下げた溝13底部の半導体基板11部分であり、溝13の側壁や上部にはほとんど基板濃度としてのイオン注入を行う必要はない。したがって、極めて低濃度(例えば1.0×1017/cm3 〜1.0×1018/cm3 )での形成が可能になる。
【0045】
DRAMセルは、最先端のロジックのトランジスタよりもやや厚めのゲート絶縁膜を有し、またゲート長もやや長く形成されるため、この世代であっても、熱酸化による酸化シリコン膜の適用が可能である。したがって、DRAM領域の上記ゲート絶縁膜15は、例えば1.5nm〜2nm程度の厚さの酸化シリコン膜で形成される。また、ゲート電極形成膜52は、遅延を抑制するため、従来から用いてきたタングステンシリサイド(WSi2 )/ポリシリコンからなるポリサイド構造に代わり、例えばタングステン/窒化タングステン/ポリシリコンもしくはコバルト/コバルトシリサイド/ポリシリコンからなる耐熱性のポリメタルゲート構造を用いることができる。本プロセスでは、Nチャネルトランジスタを形成するため、DRAM領域のトランジスタのゲート電極およびワード線をポリメタルゲート構造で形成している(図面ではメタル部分とポリシリコン部分とを描いている)。そのため、ホウ素の突き抜けや窒化タングステン界面への偏析などの問題は発生しない。
【0046】
また、上記ゲート絶縁膜15と上記ゲート電極形成膜52は、ロジック領域のダミーゲートパターンとして用いることができる。したがって、このゲート電極形成膜52の膜厚は合計で150nm〜200nm程度が必要になる。
【0047】
さらに、全面にレジスト膜91を形成した後、リソグラフィー技術によって、DRAM領域のワード線(ゲート電極も含む)を形成するためにロジック領域のみを上記レジスト膜91で覆うようにパターニングを行う。次いで、上記レジスト膜91をマスクに用いてDRAM領域のエッチバックを行う。
【0048】
図3の(4)に示すように、溝13内にのみ、上記ゲート電極形成膜52を残すようにして、ワード線(一部がゲート電極となる)16を形成する。その際、DRAM領域のワード線16形成のためのエッチバックは半導体基板11よりも例えば50nm程度低くなるように行い、後に形成される拡散層取り出し電極との耐圧距離を確保する。
【0049】
次いでイオン注入によって、半導体基板11表面側にDRAM領域の拡散層17を形成する。このイオン注入では、データ保持特性を考慮してリンをイオン注入する。このとき、拡散層17の底部はでき得る限り薄い濃度に設定し、半導体基板11との電界を緩和させることが望ましい。もともと半導体基板11側は、この拡散層17の接合部では低濃度に設定されているため、拡散層17とともに、低電界強度の接合が形成される。この接合がDRAMデータ保持特性の傾向を維持する。なお、DRAM領域の拡散層17を形成する際にはロジック領域はゲート電極形成膜52で覆われているため、特にマスクを必要としないのでマスク形成工程も必要としない。
【0050】
上記説明したように、半導体基板11にゲート絶縁膜15を介してゲート電極16が埋め込まれ、拡散層17が半導体基板11表面側に形成されていることから、チャネルはゲート電極16が形成されている溝13底部側の半導体基板11を廻り込むように形成される。そのため、実効的なチャネル長を確保することもでき、バックバイアスを印加して短チャネル効果が厳しいDRAMセルのトランジスタ特性を安定化させることもできる。
【0051】
図4の(5)に示すように、ロジック領域のダミーゲートパターンのパターニングを行う。まず全面にレジスト膜92を形成し、例えばリソグラフィー技術によってレジスト膜92をロジック領域のゲート電極パターンに加工する。その際、DRAM領域はレジスト膜92で保護しておく。
【0052】
図4の(6)に示すように、上記レジスト膜92〔前記図4の(5)参照〕をエッチングマスクにしてゲート電極形成膜52をエッチング加工してロジック領域にダミーゲートパターン71を形成する。その後、上記レジスト膜92を除去する。
【0053】
次いで、ロジック領域のnチャネルトランジスタの形成領域上を開口したレジスト膜(図示せず)を形成し、続いてそのレジスト膜をマスクに用いて半導体基板11にイオン注入を行い、nチャネルトランジスタの低濃度拡散層72、72を形成する。その後、上記レジスト膜を除去する。同様にして、ロジック領域のpチャネルトランジスタの形成領域上を開口したレジスト膜(図示せず)を形成し、続いてそのレジスト膜をマスクに用いて半導体基板11にイオン注入を行い、pチャネルトランジスタのエクステンション(図示せず)を形成する。その後、上記レジスト膜を除去する。
【0054】
次いでサイドウォール形成膜73Fを全面に形成する。このサイドウォール形成膜73Fは、DRAM領域のゲート電極16上に直接接触する状態に形成されるため、窒化シリコンよりも低応力の酸化シリコンで形成することが好ましい。または、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜もしくは酸化窒化シリコン膜で形成することも可能である。その後、全面にレジスト膜93を形成し、例えばリソグラフィー技術によってロジック領域のレジスト膜93を除去し、DRAM領域のレジスト膜93は残して、DRAM領域を保護しておく。その状態で、上記サイドウォール形成膜73Fをエッチバックする。
【0055】
その結果、図5の(7)に示すように、ダミーゲートパターン71の側壁にサイドウォール形成膜73Fでサイドウォール73が形成される。次いで、ロジック領域のnチャネルトランジスタの形成領域上を開口したレジスト膜(図示せず)を形成し、続いてそのレジスト膜をマスクに用いて半導体基板11にイオン注入を行い、nチャネルトランジスタの拡散層74、74を形成する。その後、上記レジスト膜を除去する。同様にして、ロジック領域のpチャネルトランジスタの形成領域上を開口したレジスト膜(図示せず)を形成し、続いてそのレジスト膜をマスクに用いて半導体基板11にイオン注入を行い、pチャネルトランジスタの拡散層(図示せず)を形成する。その後、上記レジスト膜を除去する。
【0056】
さらに、通常のシリサイド化技術を用いて、上記ロジック領域の各拡散層74上に選択的にシリサイド層75を形成する。このとき、ダミーゲートパターン71の頂上部にもシリサイド層75が形成されるが、後の化学的機械研磨(以下CMPという、CMPはChemical Mechanical Polishing )工程でこのシリサイド層は除去されることになる。なお、ダミーゲートパターン71のタングステン膜上にシリサイド層を形成したくない場合には、ダミーゲートパターン71上に予め窒化シリコン膜(図示せず)等でキャップ層を形成しておくことによりダミーゲートパターン71上のシリサイド化を阻止することができる。
【0057】
次に、半導体基板11上の全面にキャップ絶縁膜76を形成する。このキャップ絶縁膜76はシリサイド層を形成した領域の接合リークを抑制する効果があるが、不要であれば形成する必要はない。次いで、全面に第1の層間絶縁膜(絶縁膜)18を形成した後、CMPによって、第1層間絶縁膜18表面を平坦化する。上記第1の層間絶縁膜18表面を平坦化する方法は、平坦化を実現することができる方法であればCMPに限定されることはなく、例えばエッチバック法等を用いることも可能である。その後、上記第1の層間絶縁膜18上にレジスト膜53を形成した後、リソグラフィー技術によって、上記レジスト膜53に接続孔パターン54を形成する。
【0058】
次いで、図5の(8)に示すように、上記レジスト膜〔図3の(5)参照〕をエッチングマスクに用いて、第1の層間絶縁膜18を貫通してDRAM領域の拡散層17に達する接続孔19を形成する。このとき、DRAM領域のワード線(ゲート電極)16はコンタクトを取るべき拡散層17よりも半導体基板11表面下に配置されているので、セルフアラインコンタクト等の特別な技術を用いる必要はない。またDRAMの拡散層17全面が取り出し電極とコンタクトできるように、接続孔19の開口径をでき得る限り大きく形成することが望ましい。それによってコンタクト抵抗の低減が図られる。また、図面では、多少アライメントずれを起こした状態をわざと記載したが、接続孔開口時に過剰なオーバエッチングを施さなければ、後の工程で接続孔19内に形成されるワード線取り出し電極の物理的な距離を確保することが可能となる。なお、上部からみた投影デザインでは、この接続孔19が完全にワード線(ゲート電極)16にオーバラップする形となっている。
【0059】
次いで、上記接続孔19内を埋め込むように、第1の層間絶縁膜18上に、取り出し電極形成膜55を形成する。この取り出し電極形成膜55は、例えばリンドープトポリシリコンで形成される。この拡散層取り出しのための取り出し電極形成膜55は、従来通り、DRAM領域に接合リークの低減を考慮してリンドープトポリシリコンが選択されることが望ましい。その後、リンドープトポリシリコンを活性化するための熱処理を行う。この熱処理としては900℃程度の急速加熱処理(以下RTAという、RTAはRapid Thermal Annealing の略)が必要になる。その後は、ロジック領域のゲート電極を形成する工程となるため、一切の高温熱処理を行わないようにする必要がある。
【0060】
その後、図6の(9)に示すように、例えばCMPによって、第1の層間絶縁膜18上の余剰な取り出し電極形成膜55(リンドープトポリシリコン)を除去して、接続孔19内に取り出し電極形成膜55からなる取り出し電極20を形成するとともに、第1の層間絶縁膜18を研磨してその表面を平坦化させる。その際、ロジック領域のダミーゲートパターン71上部を露出させる。
【0061】
次いで、図6の(10)に示すように、DRAM領域に形成された拡散層取り出しのための取り出し電極20を保護するキャップ絶縁膜77を形成する。そしてレジスト膜94を形成した後、リソグラフィー技術によって上記レジスト膜94をDRAM領域のみに残す。このキャップ絶縁膜77は、後の工程で行うCMPによって除去されるため、材質は問わない。一例として、窒化シリコンもしくは酸化シリコンで形成される。その後、ロジック領域におけるダミーゲートパターン71を除去する。
【0062】
その結果、図7の(11)に示すように、上記ダミーゲートパターンを除去部分に溝81が形成される。このダミーゲートパターンの除去は、下地が酸化シリコン系であるため反応性イオンエッチングで行うことも可能であり、または硫酸過水もしくはフッ硝酸によるウエットエッチングにより除去することも可能である。
【0063】
そして、図7の(12)に示すように、上記溝81の内壁に上記ロジック領域のゲート絶縁膜82を形成した後、その溝81内部を埋め込むようにゲート電極形成膜83を形成する。このゲート絶縁膜82およびゲート電極形成膜83は上記キャップ絶縁膜77上にも形成される。上記ゲート絶縁膜82は、酸化シリコン膜で形成されるが、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化アルミニウム、BST等の高誘電体膜を用いることも可能である。また上記ゲート電極形成膜83はタングステン膜/窒化チタン膜の積層膜で形成することが一般的である。
【0064】
再びCMPによって、第1の層間絶縁膜18上の余剰なゲート絶縁膜82とゲート電極形成膜83とを除去して、溝81内にゲート絶縁膜82を介してゲート電極形成膜83からなるゲート電極84を形成するとともに、第1の層間絶縁膜18表面を平坦化する。その結果、ロジック領域のゲート電極84上部は露出される。その際、DRAM領域の拡散層を取り出すための取り出し電極20の上部も研磨されるが、何ら問題はない。
【0065】
次いで、DRAM領域の取り出し電極20上およびロジック領域のゲート電極84上を覆うキャップ絶縁膜(第2の層間絶縁膜)21を全面に形成する。
【0066】
その後、図8の(13)に示すように、通常のDRAMプロセスを経る。すなわち、上記第2の層間絶縁膜21を形成した後、ビットコンタクトホール22を形成する。次いで、金属電極によるビット線23を形成する。このビット線23は、その下部に密着層23aを成膜して形成され、その上部にオフセット絶縁膜24を成膜して形成される。その後、ビット線23を覆うエッチングストッパ層25および第3の層間絶縁膜26を形成する。そして、第3の層間絶縁膜26表面を平坦化する。次に、第3の層間絶縁膜26に上記取り出し電極20に接続する接続孔27を自己整合コンタクトを形成する技術によって形成する。この接続孔27内にはビット線23との絶縁を図るためにサイドウォール絶縁膜28が形成されている。
【0067】
次いで、熱処理が不要なMIM(Metal/insulator/Metal)構造のキャパシタ31を形成する。MIM構造のキャパシタ31は0.1μm以降のDRAMでは必須になると予想され、現在では、一例として、電極にルテニウム(Ru)、酸化ルテニウム(Ru)系材料が用いられ、誘電体膜にはBST(BaTiO3 とSrTiO3 との混晶)系の膜が採用される。
【0068】
次いで、上記第3の層間絶縁膜26上に、上記MIM構造のキャパシタ31を覆う第4の層間絶縁膜32を形成する。その後、CMPによって上記第4の層間絶縁膜32表面を平坦化する。次いで、第4の層間絶縁膜32ないし第1の層間絶縁膜18に、キャパシタ取り出し電極、ワード線取り出し電極、ビット線取り出し電極、ロジック領域の拡散層取り出し電極、ロジック領域のゲート取り出し電極等を形成するための接続孔33、34、35、85、86等を形成する。さらに、接続孔33、34、35、85、86等に、キャパシタ取り出し電極36、ワード線取り出し電極37、ビット線取り出し電極38、ロジック領域の拡散層取り出し電極87、ロジック領域のゲート取り出し電極88等を形成する。さらに、第4の層間絶縁膜32上に第5の層間絶縁膜39を形成する。次いで、この第5の層間絶縁膜39に各電極36〜38、87、88等に達する各配線溝40を形成し、配線溝40に第1の配線41を形成する。この第1の配線41は例えば銅配線からなる。図示はしないが、さらに必要に応じて上層配線を形成する。
【0069】
上記半導体装置1の製造方法では、半導体基板11に形成した溝13内に、その溝13の上部を残して、ゲート絶縁膜15を介してゲート電極(ワード線)16を埋め込むように形成し、また、溝13の側壁の半導体基板11表面側に拡散層17を形成し、さらに溝13の上部を埋め込むように第1の層間絶縁膜(絶縁膜)18を形成し、ゲート電極16上に第1の層間絶縁膜18を介してゲート電極16にオーバラップする状態で拡散層17に達する接続孔19を形成することから、接続孔19内に形成される取り出し電極20とゲート電極16とは第1の層間絶縁膜18によって離間され、しかもその第1の層間絶縁膜18は例えば30nm以上の十分な膜厚を確保することが可能になる。そのため、ゲート電極(ワード線16と拡散層17に接続される取り出し電極20との耐圧を確保することが可能になる。
【0070】
また、半導体基板11に形成した溝13内にゲート絶縁膜15を介してゲート電極16を埋め込み、拡散層17を半導体基板11表面側に形成することから、チャネルはゲート電極16が形成されている溝13底部側の半導体基板11を廻り込むように形成される。そのため、実効的なチャネル長が十分に確保されるため、バックバイアスを印加して、短チャネル効果が厳しいDRAMのトランジスタ特性が安定化される。さらに、取り出し電極20は拡散層17の半導体基板11の表面側全域に接続させることが可能になり、コンタクト抵抗の低減が図れる。
【0071】
また、ワード線16(16w)は、半導体基板11および素子分離領域12に形成した溝13にゲート電極16に接続されるように形成されていることから、ゲート電極16との同時形成を可能としている。また、拡散層17は深さ方向に不純物濃度が薄くなるように形成することから、接合の電界を緩和することが可能になり、データ保持特性の性能が維持される。
【0072】
上記DRAM領域に用いた技術は、汎用DRAMのメモリチップの製造にも適用することが可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の半導体装置およびその製造方法によれば、DRAM領域の拡散層下部の基板濃度をセルトランジスタに要求されるほど濃くする必要がないので接合の電界を緩和することが可能になり、DRAM領域のセル縮小化でますます厳しくなるデータ保持特性の性能を維持することが可能になる。
【0074】
また、DRAM領域のセルトランジスタの実効的なチャネル長が延びるため、短チャネル効果を抑制し、トランジスタ特性の安定化を図ることができる。
【0075】
さらに、DRAM領域の拡散層全面を取り出し電極とのコンタクトに使用するため、実効面積を有効に使用することができるので、拡散層のコンタクト抵抗を、そのセルデザインで実現可能な最低の抵抗値に抑制することが可能となる。
【0076】
またさらに、上部投影デザイン的に、DRAM領域の拡散層の取り出し電極と、ワード線(ゲート電極)とがオーバラップすることが可能となり、セルの微細化が可能になる。現在のDRAM構造では、ワード線と取り出し電極間は20nm〜30nm程度の距離の確保が必要とされているが、本発明のDRAM構造では、この距離の確保が必要なくなる。
【0077】
ロジック領域の高駆動力トランジスタを実現するために、リプレースメントゲート電極とDRAMの1チップ化を可能にした。これによって、ロジック領域のゲートは熱処理に対するケアが不要となり、ゲート絶縁膜に、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化アルミニウム、BST(BaTiO3 とSrTiO3 との混晶)等、およびゲート電極に、Cu/TiN、W/TiN等を用いることが可能になった。それによって、ロジック素子の性能の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図である。
【図2】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(1)、(2)である。
【図3】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(3)、(4)である。
【図4】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(5)、(6)である。
【図5】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(7)、(8)である。
【図6】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(9)、(10)である。
【図7】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(11)、(12)である。
【図8】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を示す概略構成断面図(13)である。
【符号の説明】
1…半導体装置、11…半導体基板、13…溝、15…ゲート絶縁膜、16…ゲート電極、17…拡散層、20…取り出し電極

Claims (2)

  1. メモリ素子とロジック素子とを同一半導体基板上に形成する半導体装置の製造方法において、
    前記メモリ素子のメモリトランジスタは、
    前記半導体基板および該半導体基板に形成した素子分離領域に溝を形成する工程と、
    前記溝内にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記溝の上部を残した状態で前記溝内を埋め込むようにゲート電極およびワード線を形成する工程と、
    前記溝の側壁の前記半導体基板表面側に拡散層を形成する工程と、
    前記溝の上部を埋め込むように絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート電極上に前記絶縁膜を介して前記ゲート電極にオーバラップする状態で前記拡散層に達する接続孔を形成する工程と、
    前記接続孔内に取り出し電極を形成する工程と、
    前記取り出し電極を活性化する熱処理を行う工程とにより形成され、
    前記ロジック素子のロジックトランジスタは、
    前記ゲート電極および前記ワード線と同一層で前記半導体基板上にダミーゲートパターンを形成する工程と、
    前記ダミーゲートパターンをマスクにしてロジックトランジスタの低濃度拡散層を形成する工程と、
    前記ダミーゲートパターンの側壁にサイドウォールを形成する工程と、
    前記ダミーゲートパターンと前記サイドウォールとをマスクにしてロジックトランジスタの拡散層を形成する工程と、
    前記絶縁膜と同一層でダミーゲートパターンを覆う工程と、
    前記接続孔内に取り出し電極を形成した後の前記絶縁膜の平坦化工程で前記ダミーゲートパターンの上部を露出させる工程と、
    前記活性化の熱処理を行った後に前記ダミーゲートパターンを除去してゲート溝を形成する工程と、
    前記ゲート溝にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程とにより形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記拡散層は深さ方向に不純物濃度が薄くなるように形成することを特徴とする請求項記載の半導体装置の製造方法。
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