JP3959509B2 - 節付き杭及び節付き杭の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、節付き杭及び節付き杭の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、中空丸杭の外周に環状リブを多数設けてなる節付き杭では、比較的小規模(通常2〜3階建ての建造物)や軟弱地盤での使用に見合った、口径30〜40cm程度、杭長さ6〜10m程度のものしか製造されていなかった。また、一般に節付き杭では垂直方向の支持力のみが考慮され、水平力に対する考慮がなされていなかった。
【0003】
一方、高層建造物等では、プレストレスを導入したいわゆるPHC杭や、鉄筋コンクリート構造のいわゆるPRC杭が使用されていた。これらの杭は、垂直力のみならず水平力をも考慮された構造の杭であった。
【0004】
従って、従来は、「節杭」と「PHC杭又はPRC杭」とは、全く異なる取扱い(製造業者、使用対象の建造物など)をされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年、節付き杭では、外表面積の広い節付き杭の摩擦力に着目して、需要が多くなってきていた。また、杭穴掘削技術が進歩し、穴壁を整えて、精度も高い杭穴が掘削できるようになり、また高強度の杭周固定液も開発され、高い支持力を有する杭を支える埋設技術も高まっていた。即ち、既製杭を使用して、既製杭単独の耐力ではなく、杭穴内の構造物(既製杭、杭周固定液)一体で、所定の耐力を発揮できるような構造として認められてきた。この場合、既製杭の強度が問題となってくる。
【0006】
これらの埋設技術を使用して、節付き杭を埋設する試みがされている。しかし、前記のように節付き杭では、大きな支持力を有する構造がなかった為、これらの埋設技術を応用することができない問題点があった。
【0007】
また、この問題を解決し、節付き杭の終局強度を高める為に、プレストレスを導入して、PHC杭類似の製造をするものも試みられている。
【0008】
この場合、一般にプレストレス導入量によって、導入量の少ない方から順にA種、B種、C種に規格されており、求める耐力に応じた高いプレストレスを導入すると、型枠からの脱型が困難で、脱型時に節部を破壊する問題点があった。取り分け、実際の水平力に耐え得るC種の製造は困難であった。
【0009】
また、節付き杭に水平耐力を高める工夫として、鋼管を巻いたいわゆるSC杭とすることも考えられるが、高価であり、現実に実施することは困難であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
然るにこの発明は、節付き杭にストレスを導入するPC鋼棒に加えて、構造鉄筋やストレスを導入しない鋼棒を合わせて埋設したので、前記問題点を解決した。
【0011】
即ちこの発明は、軸部にリング状の節部を所定間隔で一体に突設してなるコンクリート製の節杭において、前記軸部に、「 B 種又は C 種に相当する破壊曲げモーメントを発揮できるようにプレストレスを導入したPC鋼棒及び構造鉄筋その他の鋼棒」を埋設し、前記プレストレス量は A 種の規格に対応した量としたことを特徴とする節付き杭である。また、前記において、軸部の杭頭部にのみ構造鉄筋を埋設した節付き杭である。また、前記において、構造鉄筋を、軸部の上端からフーチングと連結できる長さ宛て突出させた節付き杭である。
【0012】
更に、この発明は、軸部にリング状の節部を所定間隔で一体に突設してなる節杭用の型枠内に、 B 種又は C 種に相当する破壊曲げモーメントを発揮できるように複数のPC鋼棒と必要な構造鉄筋とを配置し、前記PC鋼棒を選択して、A 種の規格に対応した量のストレスを導入し、前記ストレスの導入に前後してコンクリートを打設して固化させることを特徴とした節付き杭の製造方法である。
【0013】
前記における構造鉄筋とは、コンクリートに埋設され、鉄筋コンクリート構造としての構造計算時に考慮される軸筋で、通常は異形鉄筋が使用される。
【0014】
また、前記におけるストレスを導入しない鋼棒とは、例えばPC鋼棒として使用する鋼棒をストレスを導入せずに埋設したものを指す。
【0015】
また、PC鋼棒と構造鉄筋とを埋設した場合、PC鋼棒へのストレスの導入はPC鋼棒の全部又は一部のいずれとすることもできる。
【0016】
また、前記におけるストレスの導入は、いわゆるプレテンション、ポストテンションのいずれでも可能である。
【0017】
【実施の態様】
従来例として、軸部1の外径D1 (=300mm)、節部2、2を外径D2 (=450mm)で、L1 (=1m)ごとに設けて、外形の節付き杭5を構成する。軸部1には、6本のPC鋼棒3(図中黒丸)を全長に亘り環状に配置し、6本のPC鋼棒にストレスを導入して、遠心成形で節付き杭を構成する(図1(a)(b))。この場合、ストレス量をA種、B種、C種の各規格に対応した量とした場合の夫々の節付き杭5を製造する。これらの杭の短期許容曲げモーメント及び破壊曲げモーメントを測定する(表1)。
【0018】
【表1】
【0019】
次にこの発明の節付き杭を、前記節付き杭5と同じ外径D1 、節部の外径D2、節間隔L1 であって、軸部1に6本の異形鉄筋(構造鉄筋)6、6と6本のPC鋼棒3、3とを交互に環状に全長に亘り配置して、PC鋼棒3に、A種相当のストレスを導入して、節付き杭7を製造する(図1(a)(c))。この場合、異形鉄筋6の外径を異なるものとした場合の夫々の短期許容曲げモーメント及び破壊曲げモーメントを測定する(表2)。
【0020】
【表2】
【0021】
表1、2より、この発明の節付き杭7は、A種のストレス導入量ながら、D−13を6本でB種相当、D−16でC種相当の破壊曲げモーメントを達成できた。
【0022】
【作用】
節付き杭としたので、同一軸径の丸杭に比して、表面積を大きくできる。
【0023】
プレストレスを導入したPC鋼棒以外に構造鉄筋その他の鋼棒を埋設したので、埋設位置での軸部の曲げ強度及びせん断強度を高めることができる。
【0024】
【実施例1】
図面に基づきこの発明の実施例を説明する。
【0025】
節杭用の型枠内に、全長に亘り、PC鋼棒3、3を環状に配置すると共に、PC鋼棒3、3の間に異形鉄筋(構造鉄筋)6、6を環状に配置する。また、異形鉄筋6の外側に、高強度のスパイラル鉄筋を配置して、必要ならば異形鉄筋と結束する。
【0026】
続いて、PC鋼棒3、3にストレスを導入しながらコンクリートを打設して、この発明の節付き杭7を構成する(図1(c)、図2(a))。
【0027】
この節付き杭7は、通常の杭と同様に杭穴内に埋設して使用する。また、この節付き杭は水平耐力を強化したので、PHC杭の上端に連結して杭全体の地上付近に位置する部分に使用すれば、効果的である。
【0028】
また、ストレス導入量をA種相当、C種相当の異なるものを別途製造し、ストレス量が多く水平耐力が大きなC種相当品を、A種相当品の上端部に連結して使用することもできる。
【0029】
前記実施例において、使用するPC鋼棒3の数、ストレス導入量、異形鉄筋6の種類や量、等は、節付き杭7に求められる耐力により種々選択して実施する。同様に、節部2の外径、節部2の間隔も適宜選択して実施する。
【0030】
また、前記実施例において、高強度のスパイラル鉄筋を使用したが、通常のスパイラル鉄筋を使用することもできる。
【0031】
また、前記実施例において、異形鉄筋6を全長に亘り埋設したが、杭頭部8に当たる部分にのみ埋設することもできる(図2(b))。
【0032】
また、前記実施例において、異形鉄筋6を軸部1に埋設したが、軸部1の上端1aから異形鉄筋6、6の上部を、突出させて突出部9、9を形成することもできる(図2(c))。この場合、突出部9の長さLは、上方に構築されるフーチング10内に埋設してフーチング10と一体の節付き杭とすることができる長さとするが、フーチング10内での異形鉄筋6の定着等を考慮すれば、異形鉄筋6の外径D1 の35倍以上が望ましい。更に、この場合、図2(b)のような上部のみに埋設した異形鉄筋6の上端を突出させて、突出部9を係止することもできる(図示していない)。
【0033】
また、前記実施例において、異形鉄筋6の全部又は一部に代えて、ストレスを導入しないPC鋼棒4とすることもできる(図1(c))。
【0034】
【発明の効果】
節付き杭に構造鉄筋等を埋設したので、少量のプレストレス(A種相当)であっても、高い水平耐力を有する節付き杭を製造することができる効果がある。従って、表面積が大きな節付き杭の用途を広げて、これを有効に活用できる効果がある。また、ストレス量を低く抑えて、製造できるので、型枠からの脱型時に節部の欠け等が生じるおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の実施例及び比較従来例の節付き杭の正面図、(b)は比較従来例の横断面図、(c)は実施例の横断面図である。
【図2】(a)(b)(c)はこの実施例の節付き杭の概略した縦断面図である。
【符号の説明】
1 軸部
1a 軸部の上端
2 節部
3 PC鋼棒(ストレス有り)
5 節付き杭(従来例)
6 異形鉄筋(構造鉄筋)
7 節付き杭
8 杭頭部(杭)
9 突出部(異形鉄筋)
10 フーチング
Claims (4)
- 軸部にリング状の節部を所定間隔で一体に突設してなるコンクリート製の節杭において、前記軸部に、「 B 種又は C 種に相当する破壊曲げモーメントを発揮できるようにプレストレスを導入したPC鋼棒及び構造鉄筋その他の鋼棒」を埋設し、前記プレストレス量は A 種の規格に対応した量としたことを特徴とする節付き杭。
- 軸部の杭頭部にのみ構造鉄筋を埋設した請求項1記載の節付き杭。
- 構造鉄筋を、軸部の上端からフーチングと連結できる長さ宛て突出させた請求項1又は2記載の節付き杭。
- 軸部にリング状の節部を所定間隔で一体に突設してなる節杭用の型枠内に、 B 種又は C 種に相当する破壊曲げモーメントを発揮できるように複数のPC鋼棒と必要な構造鉄筋とを配置し、前記PC鋼棒を選択して、A 種の規格に対応した量のストレスを導入し、前記ストレスの導入に前後してコンクリートを打設して固化させることを特徴とした節付き杭の製造方法。
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JP25660597A JP3959509B2 (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | 節付き杭及び節付き杭の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25660597A JP3959509B2 (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | 節付き杭及び節付き杭の製造方法 |
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JPH1193162A JPH1193162A (ja) | 1999-04-06 |
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ID=17294963
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP25660597A Expired - Lifetime JP3959509B2 (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | 節付き杭及び節付き杭の製造方法 |
Country Status (1)
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-
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- 1997-09-22 JP JP25660597A patent/JP3959509B2/ja not_active Expired - Lifetime
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