JP3956630B2 - 電気光学装置及び投射型表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の基板間に液晶等の電気光学物質を挟持してなる液晶装置等の電気光学装置の技術分野に属する。
【0002】
【背景技術】
この種の電気光学装置は、データ線や走査線などの各種配線、画素電極、画素スイッチング用の薄膜トランジスタ(以下適宜、TFTと称する)や薄膜ダイオード(以下適宜、TFDと称する)などのスイッチング素子等の各種パターンが形成された素子アレイ基板と、縞状や全面的に形成された対向電極、カラーフィルタ、各画素の開口領域を規定する遮光膜が形成された対向基板とが、一対の基板として貼り合わされてなる。そして、係る一対の基板間には、液晶等の電気光学物質が挟持されている。
【0003】
このように構成された電気光学装置では、画像表示領域における透過率が画像信号に応じて各画素毎に変化して画像表示が行われる。従って、各画素の間隙を光が素通りしてコントラスト比を低下させたり、カラー表示の場合に隣接画素間で混色するのを防ぐ必要がある。このため、基板上には、各画素の間隙を覆うように遮光膜が形成されるのが一般的である。例えば、対向基板上に、平面的に見て各画素の間隙を覆うように遮光膜を設けたり、素子アレイ基板上に遮光膜を設けたり、或いは、素子アレイ基板上に複数配列された配線をAl(アルミニウム)等の遮光性の導電材料から形成したりする。
【0004】
この種の電気光学装置は、液晶ディスプレイやモニター等の直視型表示装置の他、ライトバルブとして単板式の白黒又はカラー投射型表示装置に用いられたり、RGB(赤緑青)用の3枚のライトバルブとして複板式のカラー投射型表示装置に用いられたりする。係る投射型表示装置用途のように強力な投射光が対角3センチメートル程度の比較的小型のライトバルブ(電気光学装置)に入射する場合にも、上述のように遮光膜を設けておけば、素子アレイ基板上のTFTの特性変化や画素間の光抜けによるコントラスト比の低下を比較的良好に防ぐことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の如く対向基板に形成される遮光膜を、Al膜等の高反射率の反射膜で構成すると次の問題が生じる。即ち、投射型表示装置等の透過型液晶装置の場合には、入射光が光源側に反射しても一般に問題はない。しかしながら、前述の複板式のカラー投射型表示装置を構築した場合における合成光学系を突き抜けてくる他のライトバルブからの光(即ち、各ライトバルブに対し、投射光と逆向きにその出射側から入射する光)や、複板式や単板式を問わずに素子アレイ基板上の各膜で反射する光、素子アレイ基板の裏面で反射する光等の戻り光が、当該高反射率の反射膜の内面(即ち、素子アレイ基板側に対面する表面)で反射して、電気光学装置内に内面反射光が発生してしまう。或いは、この内面反射光が更に素子アレイ基板上や裏面で反射することにより電気光学装置内に多重反射光が発生してしまう。このように、内面反射や多重反射光が電気光学装置内に発生すると、素子アレイ基板上に形成された画素スイッチング用のTFT等のチャネル領域に至って光電効果によりトランジスタ特性を劣化させたり、迷光として投射光に混入して、最終的にコントラスト比の低下やフリッカの発生など画像品位の劣化を引き起こしてしまうという問題がある。
【0006】
他方、上述の如き遮光膜を低反射クロム膜等の低反射率の反射膜で構成すると、次の問題が生じる。即ち、特に前述の投射型表示装置用途のように強力な投射光が入射される場合には、当該低反射率の遮光膜が光を吸収することで、この遮光膜を含めた電気光学装置全体の温度上昇を招いてしまう。この結果、高温環境におけるトランジスタ特性の劣化により画像品位の劣化が引き起こされたり、動作中の加熱により液晶や偏光板等における装置不良や装置故障が発生し易くなったり、装置寿命が短命化されたりする問題点がある。
【0007】
特に、投射型表示装置では、表示画像の明るさを向上させるために、用いられる投射光の強度は一段と高められてきており、上述の如き温度上昇は、より顕著となっている。同時に明るさ向上のために各画素の開口率を向上させることも積極的に行われているので、遮光膜を形成可能な平面領域自体が小さくなってきており、投射光の入射による温度上昇を防ぐことが困難になっている。他方で、投射光の強度に比例して前述した戻り光の強度も高められてしまうので、単純に反射率の高い遮光膜を採用して温度上昇を抑えようとすると、内面反射がより顕著になってしまう。このように投射型表示装置では、上述の如きトレードオフの関係にある温度上昇と内面反射とを同時に低減することは実際上困難である。更に、このような困難な問題を解決するために、この種の電気光学装置に対して複雑な積層構造を採用することは可能であろうが、装置構成の複雑化は、製造コスト及び装置欠陥率の上昇につながり、当該電気光学装置の技術分野における低コスト化及び装置信頼性の向上という基本的要請に反する結果を招いてしまう。
【0008】
本発明は上述した問題点に鑑みなされたものであり、強力な投射光が入射される場合であっても温度上昇を抑えると共に内面反射を抑えることができ、しかも比較的容易に製造可能であり装置信頼性が高い電気光学装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、一対の第1及び第2基板と、前記第1基板上における各画素の非開口領域内に設けられた所定パターンと、前記第2基板上における前記所定パターンを平面的に見て少なくとも部分的に覆う領域に設けられた遮光膜とを備えており、前記所定パターンは、前記画素電極に対応して設けられた薄膜トランジスタと、該薄膜トランジスタに電気的に接続されたデータ線と、該データ線と交差する走査線とからなり、前記データ線と前記走査線とが重なる領域に前記薄膜トランジスタのチャネル領域が設けられており、前記遮光膜は、前記第1基板に対面しない側に位置する第1反射率の高反射膜と、前記第1基板に対面する側に位置する前記第1反射率よりも低い第2反射率の低反射膜とを含む多層膜からなり、前記第1基板の側から見て前記高反射膜は、前記低反射膜により覆われており、前記高反射膜は、前記第2基板側から見て、少なくとも前記チャネル領域を覆うと共に前記データ線及び前記走査線と夫々重なる突出部を有する十字形の島状に分断形成されており、前記各画素において隣接する前記高反射膜の突出部は、前記非開口領域において互いに対向するように設けられている。
【0010】
本発明の電気光学装置は、素子アレイ基板或いはTFTアレイ基板等の第1基板上における各画素の非開口領域内に設けられた所定パターンを、対向基板等の第2基板上に設けられた遮光膜により、平面的に見て少なくとも部分的に覆う。即ち、遮光膜は、各画素の非開口領域を少なくとも部分的に規定している。ここで、遮光膜は多層膜からなり、第1基板に対面しない側に位置する高反射膜を含む。従って、第2基板の側から投射光を入射すれば、たとえこの投射光の光強度が高くても、当該高反射膜により反射できる。このため、遮光膜が光を吸収して遮光膜を含む電気光学装置が温度上昇を招くことを、当該高反射膜の第1反射率の高さに応じて効果的に防止できる。同時に、投射光強度を高めた場合に特に問題となる、前述した複板式の投射型表示装置の場合に合成光学系を突き抜けてくる光、第1基板上の各膜で反射する光、第1基板の裏面で反射する光等の戻り光については、遮光膜を構成する多層膜のうち第1基板に対面する側に設けられた低反射膜が吸収する。このため、係る戻り光に起因した電気光学装置内における内面反射光や多重反射光を低減できる。特に戻り光の光強度は、投射光の強度を高める程高くなるが、投射光の光強度自体よりは遥かに低いため、本発明のように戻り光については電気光学装置内の低反射膜で吸収しても、投射光を直接吸収するのと比べれば温度上昇の度合いは格段に低くて済む。ここで特に、第1基板の側から見て高反射膜は、低反射膜により覆われているので、第1基板側から遮光膜に至る戻り光が高反射膜により反射されることはない。このため、戻り光による悪影響を殆ど無くすことが可能となる。同時に、第2基板側からの投射光に対しては、高反射膜の脇や隙間から露出した低反射膜により若干は吸収されることになるが、このように吸収される光量は、係る低反射膜の露出面積を小さくすることにより小さくできる。従って、低反射膜と高反射膜とをどの程度重ねるか或いは、低反射膜を高反射膜の脇や隙間からどの程度露出させるかを光源強度や装置仕様等に応じて適宜定めれば、最終的に戻り光による例えば画素スイッチング用素子の特性変化と光吸収による悪影響(例えば温度上昇により、画素スイッチング用素子の特性劣化、装置寿命の短命化、装置不良・欠陥を招くこと)との両方をバランス良く低減可能となる。加えて、第1基板の側から見て高反射膜は、低反射膜により覆われており、即ち低反射膜は、高反射膜より一回り大きく平面形成されている。このため、両者を例えば同一エッチングにより同一の平面形状に形成した場合と比べて、加熱時に両者が剥離してしまう可能性を低減できる(例えば、高反射率のアルミ膜と低反射率のクロム膜とを単純に積層した場合に、クロム膜は剥がれ易く、特に加熱時の応力発生で剥がれ易い)。一般に高反射膜と低反射膜とは材質が相異なるため、多くの場合、これらの膜間における密着性は低くならざるを得ない。このため本発明のように、第2基板上で高反射膜の上に、これよりも一回り大きく低反射膜を形成する技術は、高反射膜の下地上に低反射膜が直接接する領域ができること及び高反射膜の側面上にも低反射膜が接することから、材料の性質上密着性が悪い低反射膜と高反射膜とを積層形成する場合に、実践上非常に有利である。
【0011】
以上のように、本発明の電気光学装置によれば、強力な投射光が入射される場合であっても、温度上昇を抑えると共に内面反射を抑えることができ、高品位の画像表示が可能となる。しかも、比較的容易に製造でき、係る効果を得るための装置信頼性の低下を極力抑えることが可能となる。
【0013】
また、TFTアクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置が実現される。ここで特に第2基板に設けられた遮光膜により、第1基板上に設けられた薄膜トランジスタのチャネル領域を覆っているので、投射光が係るチャネル領域に入射して光電効果により薄膜トランジスタの特性を変化させたり、所謂フィールド反転駆動、フレーム反転駆動、ライン反転駆動、ドット反転駆動等の反転駆動時におけるフリッカを防止できる。この際、戻り光が遮光膜で反射してチャネル領域に入射することも低反射膜により効果的に阻止し得る。更に、高反射膜で投射光による温度上昇を抑えることにより、薄膜トランジスタを長期に亘って良好に動作させることも可能となる。このようにTFTアクティブマトリクス駆動により、高精細な画像表示が可能となる。
【0014】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記低反射膜は、前記各画素の非開口領域に沿って格子状又は縞状に形成されており、前記高反射膜は、島状に形成されている。
【0015】
この態様によれば、各画素の非開口領域に沿って格子状又は縞状に形成された低反射膜により、各画素の非開口領域を規定できる。そして特に、このように形成された低反射膜と共に積層形成される高反射膜は、島状に形成されている。従って、低反射膜と高反射膜との熱膨張率等の特性差に起因して、例えば加熱冷却時における応力が両者間に発生しても、島状に形成された高反射膜により、発生する応力を分散させることができ、係る応力により膜剥離が起って装置不良や装置欠陥となる可能性を低減できる。このように高反射膜で各画素の開口領域を規定する必要がないという構成上の特徴を生かして装置信頼性を高めることが可能となる。
【0016】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1反射率は、可視光領域で80%以上である。
【0017】
この態様によれば、高反射膜の第1反射率は可視光領域(380nm〜780nm)で80%以上であるので、投射光の強度が高い場合にも、遮光膜における光吸収による温度上昇を顕著に抑えることが可能となる。
【0018】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2反射率は、可視光領域で10%以下である。
【0019】
この態様によれば、低反射膜の第2反射率は可視光領域(380nm〜780nm)で10%以下であるので、投射光の強度が高い場合にも、戻り光或いは内面反射光や多重反射光を遮光膜により良好に吸収できる。
【0020】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記低反射膜は、酸化クロムを含有する膜からなる。
【0021】
この態様によれば、クロム単体からなる膜では反射率は50%程度であるのに対し、酸化クロムを含有する膜から、例えば前述した10%以下程度の低い反射率を持つ低反射膜を比較的容易に形成できる。
【0022】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記高反射膜は、窒素化合物を含有するアルミニウム膜からなる。
【0023】
或いは、本発明の電気光学装置の他の態様では、前記高反射膜は、高融点金属を含有するアルミニウム膜からなる。
【0024】
これらの態様によれば、窒素化合物を含有するアルミニウム膜や高融点金属を含有するアルミニウム膜から、例えば前述した80%以上程度に高い反射率を持つ高反射膜を比較的容易に形成できる。特に、純粋なアルミニウムから高反射膜を形成したのでは、90%以上の高反射率は得られるものの、薬品耐性や耐熱性が弱く、エッチングではパターン精度を出すことが実際上困難であり、しかも、このような膜はシリコンと相性が悪いばかりでなく、相性の良い(即ち、高い密着性が得られる)低反射膜を形成するのが極めて困難である。
【0025】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1基板に、前記所定パターンを平面的に見て少なくとも部分的に覆う領域に設けられた他の遮光膜を更に備えており、該他の遮光膜の反射率は、前記第1反射率よりも低い。
【0026】
この態様によれば、第1基板に設けられた低反射率の他の遮光膜により、第1基板上の所定パターンを少なくとも部分的に覆うので、第2基板に設けられた低反射膜と当該他の遮光膜との共同作業により、戻り光或いは内面反射光や多重反射光を更に吸収することが可能となり、戻り光や内面反射光による悪影響をより一層低減できる。
【0027】
或いは本発明の電気光学装置の他の態様では、前記所定パターンは、他の低反射膜からなるパターンを含み、該パターンの反射率は、前記第1反射率よりも低い。
【0028】
この態様によれば、第1基板には、他の低反射膜からなるパターンが設けられているので、第2基板に設けられた低反射膜と当該パターンとの共同作業により、戻り光或いは内面反射光や多重反射光を更に吸収することが可能となり、戻り光や内面反射光による悪影響をより一層低減できる。
【0029】
或いは本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1基板上に、前記第1基板の側から見て前記所定パターンを少なくとも部分的に覆う他の遮光膜を更に備え、該他の遮光膜の反射率は、前記第1反射率よりも低い。
【0030】
この態様によれば、戻り光が電気光学装置内に入る直後に、所定パターンの下側で当該他の遮光膜により反射や吸収するので、戻り光による悪影響や、戻り光が更に内面で反射してなる内面反射光による悪影響を低減できる。
【0031】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2基板の前記第1基板に対面しない側に、前記遮光膜が形成されている。
【0032】
この態様によれば、投射光を第2基板に入射する前の段階で、遮光膜により反射するので、第2基板でも光を多少吸収することから、高反射膜により温度上昇をより効率的に防ぐことが可能となる。更に、第2基板でも光を多少吸収することから、低反射膜により戻り光や内面反射光をより効率的に防ぐことが可能となる。
【0033】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2基板上における画像表示領域の外側に設けられる遮光性の額縁は、前記遮光膜と同一工程により形成される。
【0034】
この態様によれば、対向基板上に設けられた遮光性の額縁と遮光膜を同一工程により形成するので、工程数を増やすことなく遮光性の額縁を形成することができるため、コストを大幅に低減する事ができる。
【0035】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記遮光性の額縁は、前記低反射膜からなる。
【0036】
この態様によれば、電気光学装置に斜めからの入射光が照射されても、低反射膜により光を吸収するため、遮光性の額縁で覆われた領域に設けられる素子が、光の影響によりトランジスタ特性が変化することがないため、回路の誤動作等の深刻な事態を引き起こす事がない。
【0037】
また、本発明の投射型表示装置は、上記電気光学装置をライトバルブとして用いる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の実施形態は、本発明の電気光学装置を液晶装置に適用したものである。
【0039】
(電気光学装置の第1実施形態)
次に図1から図6を参照して本発明の電気光学装置の第1実施形態について説明する。本実施形態は、一対の基板の一例たるTFTアレイ基板と対向基板とを対向配置して、両者間に電気光学物質の一例たる液晶を挟持してなる電気光学装置に係る実施形態である。
【0040】
先ず図1から図3を参照して、本実施形態の電気光学装置の画像表示領域における構成についてその動作と共に説明する。ここに、図1は、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。図2は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であり、図3は、図2のA−A’断面図である。尚、図3においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0041】
図1において、本実施形態の電気光学装置では、その画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素は、画素電極9aと当該画素電極9aを制御するためのTFT30とがマトリクス状に複数形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9aを介して電気光学物質に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板(後述する)に形成された対向電極(後述する)との間で一定期間保持される。電気光学物質は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される電気光学物質容量と並列に蓄積容量70を付加する。
【0042】
図2において、本実施形態の電気光学装置においては、TFTアレイ基板上に、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられている。データ線6aは、コンタクトホール5を介してポリシリコン膜等からなる半導体層1aのうち後述のソース領域に電気的に接続されており、画素電極9aは、コンタクトホール8を介して半導体層1aのうち後述のドレイン領域に電気的に接続されている。また、半導体層1aのうちチャネル領域(図中右下がりの斜線の領域)に対向するように走査線3aが配置されており、走査線3aはゲート電極として機能する。容量線3bは、走査線3aに沿ってほぼ直線状に伸びる本線部と、データ線6aと交差する箇所からデータ線6aに沿って前段側(図中、上向き)に突出した突出部とを有する。また、図中太線で示した走査線3a及び容量線3bに沿ったストライプ状の領域には夫々、各TFT30の少なくともチャネル領域をTFTアレイ基板側から見て覆う位置に、第1遮光膜11aが設けられている。第1遮光膜11aは、各TFT30に対する遮光をより完璧に行うべく、各TFT30に対向する個所がコンタクトホール5を覆う領域にまで図中下方に夫々突出して形成されている。
【0043】
次に図3の断面図に示すように、電気光学装置は、透明なTFTアレイ基板10と、これに対向配置される透明な対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板からなり、対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。画素電極9aは例えば、ITO膜(Indium Tin Oxide膜)などの透明導電性膜からなる。また配向膜16は例えば、ポリイミド膜などの有機膜からなる。他方、対向基板20には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。TFTアレイ基板10には、図3に示すように、各画素電極9aに隣接する位置に、各画素電極9aをスイッチング制御する画素スイッチング用TFT30が設けられている。対向基板20には、更に図3に示すように、各画素の開口領域(即ち、画像表示領域内において実際に入射光が透過して表示に有効に寄与する領域)以外の領域に、即ち図2中右上がりの斜線が引かれた格子状の領域に、第2遮光膜23が設けられている。
【0044】
このように構成され、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、後述のシール材により囲まれた空間に液晶等の電気光学物質が封入され、電気光学物質層50が形成される。電気光学物質層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜16及び22により所定の配向状態をとる。電気光学物質層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した電気光学物質からなる。シール材は、TFT基板10及び対向基板20をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のスペーサが混入されている。
【0045】
図3に示すように、画素スイッチング用TFT30に各々対向する位置においてTFTアレイ基板10と各画素スイッチング用TFT30との間には、第1遮光膜11aが設けられている。第1遮光膜11aは、好ましくは不透明な高融点金属であるTi、Cr、W、Ta、Mo及びPbのうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド等から構成される。
【0046】
更に、第1遮光膜11aと複数の画素スイッチング用TFT30との間には、下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12は、画素スイッチング用TFT30を構成する半導体層1aを第1遮光膜11aから電気的絶縁するために設けられるものである。更に、下地絶縁膜12は、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、画素スイッチング用TFT30のための下地膜としての機能をも有する。
【0047】
本実施の形態では、ゲート絶縁膜2を走査線3aに対向する位置から延設して誘電体膜として用い、半導体層1aを延設して第1蓄積容量電極1fとし、更にこれらに対向する容量線3bの一部を第2蓄積容量電極とすることにより、蓄積容量70が構成されている。
【0048】
図3において、画素スイッチング用TFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜2、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えている。高濃度ドレイン領域1eには、複数の画素電極9aのうちの対応する一つが接続されている。本実施の形態では特にデータ線6aは、Al等の低抵抗な金属膜や金属シリサイド等の合金膜などの遮光性の薄膜から構成されている。また、走査線3a、ゲート絶縁膜2及び下地絶縁膜12の上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール5及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール8が各々形成された第1層間絶縁膜4が形成されている。更に、データ線6a及び第1層間絶縁膜4の上には、高濃度ドレイン領域1eへのコンタクトホール8が形成された第2層間絶縁膜7が形成されている。
【0049】
画素スイッチング用TFT30は、好ましくは上述のようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物の打ち込みを行わないオフセット構造を持ってよいし、走査線3aの一部であるゲート電極をマスクとして高濃度で不純物を打ち込み、自己整合的に高濃度ソース及びドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。また本実施の形態では、画素スイッチング用TFT30のゲート電極をソース及びドレイン領域間に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。この際、各々のゲート電極には同一の信号が印加されるようにする。
【0050】
ここで、一般には、半導体層1aのチャネル領域1a’、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c等のポリシリコン層は、光が入射すると光励起により電流が発生してしまい画素スイッチング用TFT30のトランジスタ特性が変化するが、本実施の形態では、走査線を上側から覆うように対向基板20上に第2遮光膜23が設けられており、且つ走査線3aを上側から覆うようにTFTアレイ基板10側にデータ線6aがAl等の遮光性の金属薄膜から形成されている。このため、少なくとも半導体層1aのチャネル領域1a’及び低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1cへの入射光の入射を効果的に防ぐことが出来る。また、前述のように、画素スイッチング用TFT30の下側には、第1遮光膜11aが設けられているので、少なくとも半導体層1aのチャネル領域1a’及び低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1cへの戻り光の入射を効果的に防ぐことが出来る。このような第1遮光膜11aは、走査線3aに沿って縞状に形成されているが、走査線3a及びデータ線6aに沿って格子状に形成してもよい事は言うまでもない。
【0051】
尚、第1遮光膜11aは、定電位源又は容量部分に電気的に接続されてもよい。例えば、第1遮光膜11aは、定電位とされた容量線3bに夫々電気的に接続されてもよい。この場合、定電位源としては、当該電気光学装置を駆動するための周辺回路(例えば、走査線駆動回路、データ線駆動回路等)に供給される負電源、正電源等の定電位源、接地電源、対向電極21に供給される定電位源等が挙げられる。
【0052】
図3に示すように本実施形態では特に、対向基板20上の第2遮光膜23は、積層形成された高反射膜23a及び低反射膜23bからなる。この構成について図3と共に図4から図6を参照して更に説明する。
【0053】
図3及び図4に示すように、本実施形態では、TFTアレイ基板10上における各画素の非開口領域内に設けられたTFT30、走査線3a、容量線3b、データ線6a等からなる所定パターンを、対向基板20上に設けられた第2遮光膜23により、平面的に見て覆っている。即ち、第2遮光膜23は、各画素の開口領域300の少なくとも一部を規定している。ここで、第2遮光膜23は多層膜からなり、TFTアレイ基板10に対面しない側に位置する高反射膜23a及びTFTアレイ基板10に対面する側に位置する低反射膜23bを含む。第2遮光膜23は、図4に示すように、走査線3a方向及びデータ線6a方向に沿って格子状に形成しても良いし、走査線3a方向あるいはデータ線6a方向に沿って縞状に形成しても良い。あるいは、少なくともTFT30のチャネル領域1a部分を覆うように各画素毎に島状に形成しても良い。
【0054】
従って、図5に示すように、対向基板20の側からの入射光L0の光強度が高くても、高反射膜23aにより殆ど反射できる。このため、第2遮光膜23が入射光L0を吸収して第2遮光膜23を含む電気光学装置が温度上昇することを防止できる。同時に、入射光L0の強度を高めた場合に特に問題となる、戻り光L1については、第2遮光膜23を構成する多層膜のうちTFTアレイ基板10に対面する側に設けられた低反射膜23bが吸収する。このため、係る戻り光L1に起因した電気光学装置内における内面反射光や多重反射光を低減できる。
【0055】
特に戻り光L1の光強度は、入射光L0の強度を高める程高くなるが、入射光L0の光強度自体よりは遥かに低いため、戻り光L1については電気光学装置内の低反射膜23bで吸収しても、入射光L0を直接吸収するのと比べれば温度上昇の度合いは格段に低くて済む。
【0056】
ここで図3及び図4に示すように、TFTアレイ基板10の側から見て高反射膜23aは、低反射膜23bにより覆われているので、TFTアレイ基板10側から第2遮光膜23に至る戻り光L1が高反射膜23aにより反射されることはない。このため、戻り光L1による悪影響を殆ど無くすことが可能となる。
【0057】
同時に、対向基板20側からの入射光L0に対しては、高反射膜23aの脇や隙間から露出した低反射膜23bにより若干は吸収されることになるが、このように吸収される光量は、係る低反射膜23bの露出面積を小さくすることにより小さくできる。
【0058】
加えて、図4から図6に示すように、低反射膜23bは、高反射膜23aより一回り大きく平面形成されている。このため、両者を例えば同一エッチングにより同一の平面形状に形成した場合と比べて、加熱時に両者が剥離してしまう可能性を低減できる。例えば、高反射率のアルミ膜から高反射膜23aを形成し、低反射率のクロム膜から低反射膜23bを形成した場合にも、このように一回り大きく低反射膜23aを形成すれば、高反射膜23aの下地である対向基板20(即ち、ガラス基板、石英基板等)上に低反射膜23bが直接接する領域ができること及び高反射膜23aの側面上にも低反射膜23bが接することから、両者間の密着性を高めることができる。
【0059】
以上のように、本実施形態の電気光学装置によれば、強力な入射光L0が入射される場合であっても、第2遮光膜23により、温度上昇を抑えると共に内面反射を抑えることができ、高品位の画像表示が可能となる。しかも、比較的容易に製造でき、高反射膜と低反射膜とを積層してなる第2遮光膜23を採用することによる装置信頼性の低下を極力抑えることができる。
【0060】
本実施の形態では、上述の如き入射光L0を反射する機能を十分に発揮すべく、高反射膜23aは好ましくは、可視光領域(380nm〜780nm)で80%以上の反射率を持つように形成される。このような高反射膜23aは、例えば窒素化合物を含有するアルミニウム膜や、高融点金属(Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pb等)を含有するアルミニウム膜からなる。あるいは、Au、Ag、Ptといった金属膜を高反射膜23aに使用しても良い。このような材料から高反射膜23aを形成することにより、薬品耐性や耐熱性が強く、エッチングでパターン精度を出すことが可能であり、しかもシリコンとの密着性の良い高反射膜を形成できる。
【0061】
他方、本実施形態では、上述の如き戻り光L1等を吸収する機能を十分に発揮すべく、低反射膜23bは、高反射膜23aよりも反射率の低い膜で形成する。このような低反射膜23aは、例えば酸化クロムを含有する膜から形成すれば、可視光領域(380nm〜780nm)で10%以下の反射率に抑えることができ、有利である。低反射膜23bとしては、高反射膜23aを形成した後、酸化や窒化して形成しても良いし、ポリシリコン膜等を形成しても良い。しかも、上記窒化アルミと当該酸化クロムとでは、比較的密着性が良い。
【0062】
図3に示すように、本実施形態では特に、TFTアレイ基板10上におけるデータ線6aに重ねられた低反射膜6bを更に備えている。この低反射膜6bは、例えば、クロム膜やチタン膜を含む膜からなり、その反射率は、データ線6aの反射率よりも低い。従って、対向基板20に設けられた低反射膜23bとこのデータ線6a上の低反射膜6bとの共同作業により、戻り光L1を更に吸収することが可能となる。例えば、アルミニウム膜からデータ線6aを形成した後に、この上にチタン膜、クロム膜等を成膜して、エッチングでパターンニングすれば、このようなデータ線6a上に低反射膜6bが積層された構成は比較的容易に得られる。
【0063】
但し、データ線3a自体をアルミニウムではなく、このような低反射率の導電性材料から構成しても同様の効果が得られる。即ち、例えばデータ線6aをアルミニウムよりも低反射率のチタン膜やクロム膜等の導電性材料で形成すればよい。
【0064】
尚、本実施形態では、TFTアレイ基板10上においてTFT30の下側に設けられた第1遮光膜11aの反射率が、上述の如く第2遮光膜23を構成する高反射膜23aの反射率よりも低い。従って、戻り光L1が電気光学装置内に入る直後に、TFT30の下側で第1遮光膜11aにより反射や特に吸収するので、戻り光L1による悪影響や、戻り光L1が更に内面で反射してなる内面反射光による悪影響を低減できる。
【0065】
(電気光学装置の第2実施形態)
本発明の電気光学装置の第2実施形態を、図4と同様に第2遮光膜の平面形状を示す図7を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態と比べて、対向基板20上に形成される第2遮光膜の構成のみが異なり他の構成は同様である。従って、ここでは、係る第2遮光膜の構成について説明を加える。
【0066】
図7に示すように、第2実施形態では、低反射膜23bは、第1実施形態における低反射膜23と同様に画素の開口領域300を規定すべく格子状に形成されている。しかし、第2実施形態では、高反射膜23a’は、画素毎に十字形の島状に分断形成されている。従って、低反射膜23bと高反射膜23a’との熱膨張率等の特性差に起因して、例えば加熱冷却時における応力が両者間に発生しても、島状に形成された高反射膜23a’により発生する応力を分散させることがで、第2遮光膜23の膜剥がれやクラックの発生を防止することができる。これにより、装置信頼性を高めることができる。
【0067】
(電気光学装置の第3実施形態)
本発明の電気光学装置の第3実施形態を、対向基板上の第2遮光膜の断面構造を拡大して示す図8を参照して説明する。第3実施形態は、第1実施形態と比べて、対向基板20上に形成される第2遮光膜の構成のみが異なり他の構成は同様である。従ってここでは、係る第2遮光膜の構成について説明を加える。
【0068】
図8に示すように、第3実施形態では、対向基板20上に形成される第2遮光膜23”は、高反射膜23a”及び低反射膜23b”が積層形成されてなるが、対向基板20におけるTFTアレイ基板10に対面しない側に設けられている。従って、入射光L0を対向基板20に入射する前の段階で、高反射膜23a”により反射できる。即ち、対向基板20でも光を多少吸収することを考えれば、このように高反射膜23a”により対向基板20の上側で反射することは、温度上昇を防ぐのに、より有効である。更に、対向基板20でも光を多少吸収することを考えれば、対向基板20を介して低反射膜23b”で戻り光L1を吸収することは、これらの光を、より一層減衰させるのに有効である。
【0069】
(電気光学装置の第4実施形態)
本発明の電気光学装置の第4実施形態を、対向基板上の第2遮光膜の断面構造を拡大して示す図9を参照して説明する。第4実施形態は、第1実施形態と比べて、対向基板20上に形成される第2遮光膜の構成のみが異なり他の構成は同様である。従ってここでは、係る第2遮光膜の構成について説明を加える。
【0070】
図9に示すように、第4実施形態では、対向基板20上に形成される第2遮光膜23'''は、高反射膜23a'''及び低反射膜23b'''が対向基板20を介して積層形成されてなる。そして、高反射膜23a'''は、対向基板20におけるTFTアレイ基板10に対面しない側に設けられている。従って、第2実施形態の場合と同様に、入射光L0を対向基板20に入射する前の段階で高反射膜23a'''により反射できる。
【0071】
(電気光学装置の全体構成)
次に図10及び図11を参照して、以上のように構成された電気光学装置の全体構成を説明する。尚、図10は、TFTアレイ基板10をその上に形成された各構成要素と共に対向基板20の側から見た平面図であり、図11は、対向基板20を含めて示す図10のH−H’断面図である。
【0072】
図10及び図11において、TFTアレイ基板10の上には、シール材52がその縁に沿って設けられており、その内側に並行して、第2遮光膜23と同一工程により形成された画像表示領域を規定するための額縁としての第3遮光膜53が対向基板20の液晶層50に接した面に設けられている。これにより、工程数を増やすことなく第3遮光膜53を形成することができるため、コストを大幅に低減する事ができる。また、第3遮光膜は、少なくとも図3における低反射膜23bにより形成される。これにより、斜めからの入射光が照射されても、低反射膜23bにより光を吸収するため、第3遮光膜53で覆われた領域に設けられる素子が、光の影響によりトランジスタ特性が変化することがないため、回路の誤動作等の深刻な事態を引き起こす事がない。シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための上下導通材106が設けられている。そして、図11に示すように、図10に示したシール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当該シール材52によりTFTアレイ基板10に固着されている。
【0073】
以上説明した電気光学装置の実施形態では、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape Automated Bonding)基板上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。また、本願発明をTFTアクティブマトリクス駆動方式以外の、TFDアクティブマトリクス方式、パッシブマトリクス駆動方式などいずれの方式に適用しても高品位の画像表示が可能な電気光学装置を実現できる。更にまた、上述の電気光学装置では、対向基板20の外面及びTFTアレイ基板10の外面には各々、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
【0074】
本発明は、上述した各実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう電気光学装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気光学装置の第1実施形態における画像表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設けられた各種素子、配線等の等価回路である。
【図2】図1の電気光学装置におけるデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図3】図2のA−A’断面図である。
【図4】第1実施形態における対向基板上に形成された第2遮光膜を拡大して示す平面図である。
【図5】図4の第2遮光膜が入射光を反射し、戻り光を吸収する様子を示す図式的斜視図である。
【図6】第1実施形態における対向基板上に形成された第2遮光膜を拡大して示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態における対向基板上に形成された第2遮光膜を拡大して示す平面図である。
【図8】本発明の第3実施形態における対向基板上に形成された第2遮光膜を拡大して示す断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態における対向基板上に形成された第2遮光膜を拡大して示す断面図である。
【図10】本発明の電気光学装置の全体構成を示す平面図である。
【図11】図10のH−H’断面図である。
【符号の説明】
1a…半導体層
2…ゲート絶縁膜
3a…走査線
3b…容量線
4…第1層間絶縁膜
5…コンタクトホール
6a…データ線
7…第2層間絶縁膜
8…コンタクトホール
9a…画素電極
10…TFTアレイ基板
10a…画像表示領域
11a…第1遮光膜
12…下地絶縁膜
16…配向膜
20…対向基板
21…対向電極
22…配向膜
23…第2遮光膜
23a…高反射膜
23b…低反射膜
30…TFT
50…電気光学物質層
52…シール材
53…第3遮光膜
70…蓄積容量
101…データ線駆動回路
104…走査線駆動回路

Claims (14)

  1. 一対の第1及び第2基板と、
    前記第1基板上における各画素の非開口領域内に設けられた所定パターンと、前記第2基板上における前記所定パターンを平面的に見て少なくとも部分的に覆う領域に設けられた遮光膜と
    を備えており、
    前記所定パターンは、前記画素電極に対応して設けられた薄膜トランジスタと、該薄膜トランジスタに電気的に接続されたデータ線と、該データ線と交差する走査線とからなり、前記データ線と前記走査線とが重なる領域に前記薄膜トランジスタのチャネル領域が設けられており、
    前記遮光膜は、前記第1基板に対面しない側に位置する第1反射率の高反射膜と、前記第1基板に対面する側に位置する前記第1反射率よりも低い第2反射率の低反射膜とを含む多層膜からなり、前記第1基板の側から見て前記高反射膜は、前記低反射膜により覆われており、
    前記高反射膜は、前記第2基板側から見て、少なくとも前記チャネル領域を覆うと共に前記データ線及び前記走査線と夫々重なる突出部を有する十字形の島状に分断形成されており、
    前記各画素において隣接する前記高反射膜の突出部は、前記非開口領域において互いに対向するように設けられていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記低反射膜は、前記各画素の非開口領域に沿って格子状又は縞状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記第1反射率は、可視光領域で80%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. 前記第2反射率は、可視光領域で10%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記低反射膜は、酸化クロムを含有する膜からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記高反射膜は、窒素化合物を含有するアルミニウム膜からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記高反射膜は、高融点金属を含有するアルミニウム膜からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記第1基板に、前記所定パターンを平面的に見て少なくとも部分的に覆う領域に設けられた他の遮光膜を更に備えており、
    該他の遮光膜の反射率は、前記第1反射率よりも低いことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  9. 前記所定パターンは、他の低反射膜からなるパターンを含み、
    該パターンの反射率は、前記第1反射率よりも低いことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 前記第1基板上に、前記第1基板の側から見て前記所定パターンを少なくとも部分的に覆う他の遮光膜を更に備え、
    該他の遮光膜の反射率は、前記第1反射率よりも低いことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  11. 前記第2基板の前記第1基板に対面しない側に、前記遮光膜が形成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  12. 前記第2基板上における画像表示領域の外側に設けられる遮光性の額縁は、前記遮光膜と同一工程により形成される事を特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  13. 前記遮光性の額縁は、前記低反射膜からなる事を特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の電気光学装置をライトバルブとして用いることを特徴とする投射型表示装置。
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