JP3956436B2 - データ復調方法及びこれを用いた光ディスク装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、光ディスクに記録されたディジタルデータ信号を再生するために好適な復調方法とその方法を用いた光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクに情報データをピット列として記録・再生する方法として、データ「1」をピットの前縁もしくは後縁に対応させて記録し、再生信号波形のエッジ位置を検出して元の情報データを再生する方法がある。このマークエッジ方式では、データ「1」に対応させてピットを記録するピットポジション方式と比べて高密度記録が可能である。
【0003】
図15を用いて、マークエッジ方式におけるデータの記録・再生方法を説明する。尚、ここでは、(2,7)RLL変調等の最小ランレングスが2の符号化方式によってユーザデータを変調する場合を例にして説明する。このとき、検出窓幅をTとして、最短のピット長、スペース長は3Tである。また、光ディスクと読み取り光スポットで決まる再生チャネル特性としては、PR(1,2,3,3,2,1)特性とする。これは、仮想的にデータ列「…0001000…」を光ディスクに記録した場合に、その再生応答波形が「…01233210…」という形をとることを示している。最小ランレングスが2の符号化方式を採用した場合、データ識別点において取り得る再生信号のレベルは、 PR(1,2,3,3,2,1)特性を重ね合せることにより、0、1、2、3、4、6、8、9、10、11、12の11レベルであることが分かる。5と7のレベルはランレングス制約から現れない。
【0004】
同様のことを、ランダムパターンに対して行うと、アイパターンは図14(a)に示したようになることが分かる。PR(1,2,3,3,2,1)特性は応答波形の及ぶ範囲が広く、その結果、アイの開口高さも低い。図14(b)、(c)、(d)に示したPR(1,3,3,1)特性、PR(1,2,2,1)特性、PR(1,2,1)特性におけるアイパターンと比較するとその違いは顕著であるが、いずれの場合についても、中心レベルでスライスして得られるエッジの位置は一点に集中しており、このエッジ位置を検出することによりデータ再生は可能である。
【0005】
記録データ2001に対して、データ「1」で極性反転することにより、記録データパルス列2002を得る。パルス列2002に対して適当な記録波形制御(図示せず)を施すことによって、記録マーク列2003をディスク上に記録する。記録マーク上を読み取り光スポットにより走査することにより、再生信号2004を得る。再生信号2004は適当なスライスレベル2005によってパルス2006のように二値化される。二値化パルス2006の立ち上がり及び立ち下がりエッジのタイミングでパルス信号2007を得る。パルス信号2007はPLL回路(同期クロック抽出回路、図示せず)に供給され、同期したクロック信号2008がPLL回路から出力される。この図ではパルス信号2007の立ち上がりエッジとクロック信号2008の立ち上がりエッジが同期している。クロック信号2008の立ち下がりエッジでパルス信号2007をラッチすることにより、弁別データパルス2009が得られる。弁別データパルス2009が"H"のとき、弁別データを「1」に対応させると、記録データと同じ再生データ2010が得られる。
【0006】
パルス信号2007を立ち上がり/立ち下がりのパルス列に分けて、それぞれ独立に処理した後、同期パターンを用いて前縁データと後縁データの相対的なタイミングずれを吸収して再合成する方法も提案されている。この種の従来技術としては、特開平8−212718が挙げられる。
【0007】
図15に示したデータの記録・再生方法とは別の従来方法を図16と図17を用いて説明する。記録データ2101から記録データパルス列2102を得、記録マーク列2103から再生信号2104を得るところまでは図15と同様である。本方法では、再生信号をクロック信号でサンプルし、そのサンプルデータ列2105の情報から、クロック信号を再生信号2104に同期させるとともに、エッジデータを抽出する。この処理を図17を用いて説明する。再生信号2201はA/D変換器2202にて、クロック信号2208によってサンプルされる。サンプルデータはディジタル等化器2203により符号間干渉を除去され、PR(1,2,3,3,2,1)特性に等化された後、振幅/レベル補正部2204で、振幅変動とレベル変動を除去され、データ判定部2205に送られる。この間の処理は全てクロック信号2208に同期して行われる。振幅/レベル補正部2204を通過したサンプルデータ2209は位相比較器2206に送られ、ここでA/D変換のサンプルタイミングのずれが電圧として検出され、VCO(電圧制御発振器)2207の発振周波数を制御することによって、クロック信号2208を得る。データ判定部2205では、2つのしきい値レベル2106、2107により、エッジデータか否かを判別して再生データ2210を出力する。すなわち、これらのレベルの間にあるサンプルデータを「1」、このレベルの間にないデータを「0」と判定することにより、記録データ2101と同じ再生データ2108が得られる。
【0008】
以下、図15の方法をアナログ処理、図16の方法をディジタル処理と呼んで区別することにする。
【0009】
図15、16で説明した従来技術は再生信号のレベル変動や振幅変動に対して、敏感である。このために、信頼性向上の手段として、スライスレベルの補正技術が考案されている。アナログ処理では、特開平2-81324や特開昭62-254514等、ディジタル処理では、特開平8−263943等で開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
アナログ処理で行なう従来技術では、エッジデータのみの位相情報からデータを検出するために、高密度化するに伴いアイ開口の高さが低下してSNが低下した場合には、必要なエラー率を確保することが困難になることが予想される。
【0011】
一方、ディジタル処理で行う従来技術では、データ弁別に用いる情報はエッジデータのみであり、同様の問題が発生するとともに、転送速度の向上に伴いクロック周波数が高くなるために、実際の回路で実現できる動作スピードには限界があり、並列処理等により回路規模を増やして対応する必要がある。
【0012】
本発明の目的は、データ弁別に用いる情報として、少なくともエッジデータの前後のサンプルデータも用いたディジタル処理によるデータ復調処理を、回路規模の増加が比較的少なく、判定に必要な動作スピードも低減できる方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、エッジデータ部のサンプルデータとその前後のサンプルデータに対して、2つのしきい値レベルによりエッジレベルとエッジレベルより上、エッジレベルより下の3値のレベルの判定を行い、当該サンプルデータがエッジレベルにある場合と当該サンプルデータがエッジレベルになく、その前後のサンプルデータがエッジレベルより上と下のレベルにある場合に、当該サンプルデータをエッジデータとして復調データ「1」を出力する手段を設ける。
【0014】
更に、クロック信号を2分周したクロック信号により、サブ・サンプリングを行うことにより3値判定を実施する手段と、この手段により得られる判定結果に対して、未サンプルデータがエッジデータか否かの判定を実施する手段とを設ける。後者の手段は、サブ・サンプルデータがエッジレベルである場合には復調データ「1」を出力し、連続するサブ・サンプルデータがエッジレベルより上と下のレベルである場合には、その間の未サンプルデータに対して復調データ「1」を出力するものである。
【0015】
更に、上記の手段を効果的に行うために、再生信号のレベル変動や振幅変動をサンプルデータ系列からディジタル的に検出し、これを、アナログ再生信号もしくはサンプルデータ列に対して補正する手段を併用する。
【0016】
更に、光ディスクの形態に応じて、RAM(Random Access Memory)タイプのディスクに対しては、上記の手段を記録データ部の先頭部に設けた特定パターンを利用して高速に引き込み動作を完了し、ユーザデータ部では通常の動作に戻す手段を設け、ROM(Read Only Memory)タイプのディスクにおける引き込み動作とは切り替える手段を設ける。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施例におけるデータ復調方法を図1を用いて説明する。従来技術の説明と同様に、(2,7)RLL、EFM(Eight To Fourteen)変調、8/16変調等の最小ランレングスが2の符号化方式によってユーザデータを変調する場合を例にして説明し、光ディスクと読み取り光スポットで決まる再生チャネル特性としては、PR(1,2,3,3,2,1)特性を仮定する。尚、本発明は、図14(b)、(c)、(d)に示したPR(1,3,3,1)特性、PR(1,2,2,1)特性、PR(1,2,1)特性等々に関して同様に適用することができる。また、以下では説明は省略するが、(1,7)RLLのようなランレングスが1の符号化方式おいても適用可能である。
【0018】
記録データ101に対して、データ「1」で極性反転することにより、記録データパルス列102を得る。パルス列102に対して適当な記録波形制御(図示せず)を施してレーザパワーを変調することによって、記録マーク列103をディスク上に記録する。記録マーク上を読み取り光スポットにより走査することにより、再生信号104を得る。クロック信号から生成した2分周クロック信号によって再生信号104をサンプルしたデータ列105(●)を得る。尚、クロック信号でサンプルした場合には、データ列105の他にデータ列106(○)が得られる。図16と同様に、再生信号104に対して、2つのしきい値レベル107、108を設定し、サンプルデータ列105を3つのレベルに判定する。すなわち、しきい値レベル107より大きいレベルのデータを"2"、しきい値レベル108より小さいレベルのデータを"0"、107と108の間にあるデータを"1"と判定する。このような規則に従って中間値データ列109を得る。中間値データ列109に対して2の剰余項(中間値"2"と"0"は「0」、中間値"1"は「1」となる)を演算することによって、サンプルデータ列105のデータ判定が実行され、データ列111が得られる。一方、未サンプルデータ列106のデータ判定は、中間値データ列109の状態遷移に従って行われる。すなわち、中間値"2"と"0"の間の遷移があるときには、その間の未サンプルデータはエッジデータであることが一義的に定まるので「1」と判定する。また、中間値"0"と"1"、"1"と"2"、"0"から"0"、"2"から"2"の間の遷移のときは、その間の未サンプルデータはエッジデータではないので「0」と判定する。これ以外の遷移、"1"から"1"は起こり得ない。このような規則によって、未サンプルデータ列106のデータ判定が実行され、データ列110が得られる。データ列110と111を合成することによって、再生データ112が得られる。
【0019】
図2を用いて図1に示したデータ復調処理を実現するための回路構成例について説明する。再生信号201はA/D変換器202にて、2分周クロック信号210によってサンプルされる。2分周クロック信号210は、クロック信号213を分周器209により2分周することで得られる。A/D変換後のサンプルデータはディジタル等化器203により符号間干渉が除去され、PR(1,2,3,3,2,1)特性に等化された後、振幅/レベル補正部204で、振幅変動とレベル変動を除去され、中間値判定部205に送られる。この間の処理は全て2分周クロック信号210に同期して行われる。振幅/レベル補正部204を通過したサンプルデータ212は位相比較器207に送られ、ここでA/D変換のサンプルタイミングのずれが電圧変化として検出され、VCO(電圧制御発振器)208の発振周波数を制御することによって、クロック信号213を得る。中間値判定部205では、2つのしきい値レベル(図示せず)により、"2"、"1"、"0"の3値に判定する。3値に判定された中間値データはポストコーダ206に送られ、クロック信号213に同期して最終的な再生データ211を出力する。
【0020】
中間値判定部205の構成例について図4を用いて説明する。振幅/レベル補正部204からディジタルデータ401が出力され、ディジタル比較器A402の反転入力とディジタル比較器B403の非反転入力に入力される。ディジタル比較器A402の非反転入力には、ディジタル比較器Aしきい値発生部404からしきい値107に相当するしきい値データが入力されている。ディジタル比較器B403の反転入力には、ディジタル比較器Bしきい値発生部405からしきい値108に相当するしきい値データが入力されている。尚、しきい値107、108の設定値は外部から発生部404、405を通じて、設定変更ができる。入力データ401がしきい値データ107より大きい場合、ディジタル比較器A402は"H"の論理レベルを、等しいか小さい場合には"L"の論理レベルの信号(D1)406を出力する。同様に、入力信号401がしきい値データ108より大きい場合、ディジタル比較器B403は"H"の論理レベルを、等しいか小さい場合には"L"の論理レベルの信号(D0)407を出力する。D1とD0の"H"の個数を判定データとして見た場合、しきい値107より上にあるサンプルデータはD1=D0="H"で"2"に、しきい値108より下にあるサンプルデータはD1=D0="L"で"0"に、しきい値107と108の間にあるサンプルデータはD1="L"、D0="H"で"1"にそれぞれ判定される。
【0021】
ポストコーダ206の構成例について図3を用いて説明する。中間値判定部204から出力された3値判定結果の内、D1が301、D0が302としてフリップフロップ(FF)303に入力される。クロック信号317を分周器318で2分周した2分周クロック信号304によりD1、D0がラッチされ、次段のFF306に送られる。このデータ(305)はFF306で2分周クロック信号304でラッチされ、データ(307)となる。データ(305)の上位ビットと下位ビットは排他的論理和ゲート308に送られる。排他的論理和の演算は、2つの入力データがともに"H"と"L"のときに"L"を出力し、どちらか一方が"L"のときに"H"を出力する。データ(305)が"2"と"0"のとき"L"を、"1"のとき"H"を出力(309)する。一方、データ(305)とFF306で2分周クロック間隔でディレイされたデータ(307)を用いて、未サンプルデータの判定が行われる。データ(305)からデータ(307)の遷移に対して、未サンプルデータを"1"と判定する基準は、上位ビットと下位ビットがともに"L"から"H"もしくは"H"から"L"に変化することである。そこで、本実施例では、データ(305)とデータ(307)の下位ビットを排他的論理和ゲート310に入力し、下位ビットを排他的論理和ゲート311に入力して、その結果を論理積ゲート312に入力する。論理積ゲート312の出力(313)は排他的論理和ゲート310と311がともに"H"のときのみ、"H"となり、それ以外は"L"となるので、これによって、未サンプルデータの判定が正しく実行されることになる。サンプルデータ列の判定結果は排他的論理和ゲート308の出力として、未サンプルデータ列の判定結果は論理積ゲート313の出力として、FF314に送られ、2分周クロック信号304でラッチされた後、データ(315)、データ(316)として出力される。ここまでの処理は説明の通り、2分周クロック信号304に同期して行われる。データ(315)と(316)とを2ビットのパラレル/シリアル(P/S)変換器319に供給し、クロック信号317により、シリアルデータに変換することによって再生データ320が得られる。
【0022】
振幅/レベル補正部204の動作について図5を用いて説明する。再生信号501を2分周クロックでサンプルしたデータ列を●で示し、そのレベルをdk(kは時刻を示す添字である)で表示する。サンプルデータdkとdk+2の平均値をとることによって未サンプルデータdk+1を推定する。サンプルデータdkと未サンプルデータdk+1に対して、しきい値レベル502と503の間にあるか否かを判定することによって、エッジデータの候補を選択する。図5の例では、dk-8、dk-1、dk+3、dk+7、dk+10の5個のデータがエッジデータの候補となる。これらのデータのレベルを単純平均をとり、再生信号501の基準レベルを求め、サンプルデータから差し引くことによってA/D変換器の基準レベルとなるようにレベル補正を行う。尚、基準レベルを求める際のエッジデータの個数はレベル補正の追従帯域を考慮して決める設計事項であり、本発明では特にこれを限定するものではない。
【0023】
次に、振幅補正処理に関して説明する。本実施例では、エッジ部の勾配を演算し、これが略一定になるようにゲインを制御することによって振幅変動を抑圧する。具体的には、dk-2とdk、dk+2とdk+4、dk+6とdk+8、等のサンプルデータのレベル差を勾配量Gjとして演算し、目標となる勾配値G0をGjで割ることによってゲイン補正量△Gjを求める。レベル補正処理と同様に、複数の勾配量データGjの平均値Gを用いることで、振幅補正の追従帯域が決まる。求められた平均的なゲイン補正量△Gでサンプルデータを増倍し振幅変動を補正する。尚、この例では、3Tの長さのピットの分解能は4Tの長さのピットの分解能より低下しており、dk-2とdk、dk+2とdk+4のレベル差とdk+6とdk+8のレベル差が異なるため、記録データ中のピットの長さの発生確率により、目標振幅に対して各々の振幅値がばらつくが、本発明はそれらを全て補正するものではなく、記録媒体のトラック一周の感度変動や光スポットのフォーカスサーボの変動等による振幅変動に追従すればよいので問題はない。(2,7)RLL変調等のランレングス制約符号では、短いピットの発生頻度が高いので、3T振幅の平均値が目標振幅に近づくように補正されることになる。
【0024】
位相比較器207の動作について図6を用いて説明する。図6は振幅/レベル補正処理の説明に用いた図5の枠内を時間軸を拡大して表示したものである。●はサンプルデータである。適正なタイミングで再生信号601をサンプルした場合を(b)に示す。サンプルデータ604、605はエッジデータであり、基準レベルに一致している。これに対して、サンプルタイミングが再生信号601に対して進んでいる場合、(a)に示したように、前エッジに相当するデータ604のレベルは上側に変位し、後エッジに相当するデータ605は下側に変位する。逆に、サンプルタイミングが再生信号601に対して遅れている場合、(c)に示したように、前エッジに相当するデータ604のレベルは下側に変位し、後エッジに相当するデータ605は上側に変位する。すなわち、順次検出される前エッジデータL(前)と後エッジデータL(後)のレベル差△LをL(前)−L(後)として定義すると、△Lは極性も含めてクロック信号と再生信号との位相差を表す。位相比較器はレベル差△Lを位相比較誤差として出力し、次段のVCO208に供給する。サンプルデータが前エッジか後エッジであるかの判断はその前後のサンプルデータとの大小関係から容易に行える。例えば、データ605が後エッジであることは、データ605より以前のサンプルデータが自分より大きく、かつ、以後のサンプルデータ606が自分より小さいことから判定することができる。尚、前エッジデータと後エッジデータが組みで検出できない場合、これを破棄する。また、レベル差△Lは再生信号の振幅によって容易に変化してしまうため、位相比較器207の出力は、先に説明した振幅補正処理によって設定されている目標振幅で規格化されている。以上の説明では、エッジデータがサンプルデータである場合を想定したが、サンプルデータ606と607のように、その間の未サンプルデータがエッジデータである場合には、データ606と607の加算平均をとってエッジデータのレベルを推定し、上述の手順でレベル差△Lを求める。
【0025】
等化器203の動作について図7を用いて説明する。等化器203はFF等を用いた遅延回路702〜705と加算器、乗算器から構成される。遅延回路により順次、2クロック遅延されたディジタル信号が701、706、707、708、709である。通常の等化器では、ディジタル信号701〜709に対して各々乗算器が設けられるが、本実施例では、回路規模の縮小化と乗算器の係数値の非対称設定による位相発生を抑えるために、ディジタル信号701と709、706と708は同じ係数値を掛ける構成としている。このため、ディジタル信号701と709の加算を加算器710で、706と708の加算を加算器711で先行して行い、ディジタル信号712、714を得る。このディジタル信号712、714及び713に対して、乗算器715、717、716で係数h(ア4)、係数h(0)、係数h(ア2)の乗算を実行し、その結果715〜717を加算器718に供給して、等化後の出力719を得る。乗算器715、717、716の係数値は外部から設定できる構成になっており、目標とする再生チャネル特性に適合するように適応的に設定する。
【0026】
本特許の第二の実施例について図8を用いて説明する。
【0027】
本実施例は図1に示した第一の実施例とは等化器と振幅/レベル補正部の構成が異なっている。ここでは、この違いについてのみ説明し、それ以外の部分に関しては省略する。再生信号201はアナログ等化器816を通り、高周波域の振幅特性が強調される。これにより、最短マークの振幅が強調され、A/D変換器202でサンプルした際に、A/D変換器の量子化誤差で信号成分が雑音に埋もれることを防ぐものである。ここでの等化条件は粗くてよく、後段のディジタル等化器203でPR(1,2,3,3,2,1)特性を与える。アナログ等化器816の出力信号は差動増幅器815を通り、A/D変換器202に供給される。ディジタル等化器203の出力は振幅/レベル補正に供給され、補正ゲイン量とサンプルデータの平均DCレベルが検出され、それぞれD/A変換器814でアナログ信号に変換され、補正ゲイン量は差動増幅器815のゲイン設定電圧として、平均DCレベルは反転端子に入力される。この結果、差動増幅器815を通過する再生信号は、A/D変換器202の基準レベルを中心に、目標振幅をもって振幅とレベルが補正された信号としてA/D変換器202に入力される。
【0028】
本特許の第三の実施例について図9を用いて説明する。
【0029】
第一及び第二の実施例と異なるのは、中間値判定部の動作である。第一及び第二の実施例では、中間値判定部は図4に示したような2つの比較器で構成し、単純な3値判定を行うものである。これに対して、本実施例では、サンプルデータから補間処理によって未サンプルデータを推定し、サンプルデータと合わせた3個のサンプルデータdk-1、dk、dk+1の3値判定結果からdkの3値判定を行うものである。
【0030】
本実施例の原理に関して、図10を用いて説明する。
【0031】
エッジ部のサンプルデータをdk、その前後のサンプルデータをdk-1、dk+1とする。dk-1は"0"、dkは"1"、dk+1は"2"に判定されるべきデータである。これに雑音が重畳することによって、サンプルデータdkの発生頻度の分布は1003のようになる。同様に、サンプルデータdk+1の分布は1004、dk-1の分布は1005のようになる。
【0032】
各々のサンプルデータの検出レベルには相関がないので、発生頻度分布は雑音レベルに起因した同じ形状を呈する。しきい値レベル1001、1002を越える確率をpとする。サンプルデータdkの3値判定だけでデータを復調する場合、正しく"1"と判定できない確率は、"0"及び"2"と誤って判定される確率の和となるので2pとなる。このとき、エッジは未検出ということになる。更に、サンプルデータdk+1が"1"と判定され、サンプルデータdkが"0"または"2"と判定される場合、時刻kからk+1にエッジ位置が移動したものと見なされる誤りとなる。この確率は2p2となる。これに対して、dk-1とdk+1の判定結果を考慮してdkを判定するやり方では、dkが正しく"1"と判定できない場合でも、dk-1とdk+1が正しく"0"と"2"に判定できていれば、dkを"1"と判定する。この判定方法により、dkの判定を誤る確率はdk単独で誤る確率2pと、dk-1とdk+1の少なくともどちらか一方が正しく"0"と"2"に判定できない確率2p−p2の積で求められ、4p2−2p3となる。例えば、dkの3値判定による誤り率(2p)が10のマイナス2乗とした場合、dk-1とdk+1の3値判定結果を考慮することにより、誤り確率(4p2−2p3)は10のマイナス4乗台となり、2桁の誤り率の低減効果が期待できる。
【0033】
図9(a)はクロック信号にてサンプルされたサンプルデータの一例であり、これを用いて3値判定の動作を実現するブロック図(図9(b))を説明する。図9(a)に示すように、しきい値906と907の間にあるサンプルデータを"1"、しきい値906より上側にあるサンプルデータを"2"、しきい値907より下側にあるサンプルデータは"0"と判定する。これを実行するのが3値判定部917である。サンプルデータ901はディジタル比較器A902、ディジタル比較器B903に入力され、一方、しきい値906、907は比較器Aしきい値発生部904、比較器Bしきい値発生部905から出力される。比較器A902の出力908と比較器B903の出力909を上位、下位ビットとする2ビットデータが3値判定結果となる。時刻kの3値判定結果をakとして、シフトレジスタ910には常に3サンプルデータ分の3値判定結果ak-1、ak、ak+1が記憶され、サンプルクロックに同期して順次右側に移動する。判定結果訂正部911はシフトレジスタ910に記憶された3個の判定結果ak-1、ak、ak+1に対して、ak-1とak+1がそれぞれ"0"と"2"もしくは"2"と"0"で、akが"1"以外のときに、akを"1"に訂正する。この例としては、図9(a)の▲2▼のケースが相当する。訂正が施された3値判定結果に対して、ポストコーダ912は、3値判定結果の上位と下位のビットに対して排他的論理和を演算して再生データを出力する。
【0034】
上記の判定法では、エッジデータに対応しないサンプルデータdkがノイズの影響を受けてこのしきい値の範囲に入ることによって、"1"と判定される状況が起こり得る。この例として、図9(a)の▲1▼、▲3▼、▲4▼のケースがこれに相当する。このとき、dkが"2"もしくは"0"と判定されていれば、時刻kにおける再生データは「0」となる筈であるから、時刻kの再生データが「1」と誤判定される。これは、再生データが一ビットだけ前後にシフトするエラーである。そこで、本実施例では、中間値"1"と判定されたサンプルデータに対して、これを確認する機能ブロックを追加している。中間値"1"と判定されるサンプルデータはエッジ部のデータであることが必要条件となる。これを簡易な構成の回路で実現するには、例えば、3ビット分の平均DCレベルを求め、このレベルがしきい値906と907の間にあることを判定すればよい。この平均操作によって、雑音の影響が緩和され、時刻kのサンプルデータがしきい値の間に入って"1"と誤判定される問題が解消される。この平均操作の結果、"1"と誤判定されるのは、時刻k-1とk+1のサンプルデータに重畳する雑音が時刻kと同じ方向に同じ量だけ重畳した場合であり、確率的にはpの3乗程度の小さい値となることが期待できる。
【0035】
サンプルデータ901は、タイミング調整用に設けられた遅延回路914を通って、シフトレジスタ915に送られる。時刻kとその前後の時刻k-1とk+1におけるサンプルデータdk-1、dk、dk+1がシフトレジスタ915に格納され順次右側に移動する。時刻kにおけるサンプルデータの平均値が平均値演算器916にて演算、出力され、3値判定部917に送られ、平均値レベルに対して3値判定が実行される。この判定結果が判定結果訂正部911に送られ、"1"と判定されたakを"0"もしくは"2"に訂正する。
【0036】
図9(a)に示した、▲1▼から▲4▼までのケースに対して、3値判定の流れを図9(c)を用いてまとめる。ケース▲1▼から▲4▼までの数値列は3値判定部917で得られた判定結果である。[ ]付きの判定結果は誤判定したビットを表しており、□で囲った判定結果はそれがシフトレジスタに格納されていることを表している。▲1▼のケースでは、2段目にあるように、シフトレジスタの内容が2[1]1のときに、[1]を[2]に訂正している。▲2▼のケースでは、2段目にあるように、シフトレジスタの内容が0[2]2のときに、前後の判定結果が"0"と"2"なので、[2]を[1]に訂正している。▲3▼のケースでは、2段目にあるように、シフトレジスタの内容が0[1]1のときに、[1]を[0]に訂正している。▲4▼のケースでは、2段目にあるように、シフトレジスタの内容が1[1]2のときに、[1]を[2]に訂正している。
【0037】
以上、クロック信号によって得られるサンプルデータからデータを再生する方法について詳細に説明した。2分周クロック信号によってサンプルを行う場合に関しては、サンプルデータから補間処理によって未サンプルデータを推定し、サンプルデータと合わせた3個のサンプルデータdk-1、dk、dk+1を用いて上記のような3値判定を行うことで実現できる。このとき、2分周クロック信号でサンプルされたサンプルデータから補間処理によって未サンプルデータを推定し、サンプルデータと合わせた3個のサンプルデータdk-1、dk、dk+1の3値判定結果からdkの3値判定を行う場合には、補間処理によるサンプルデータのSN比の劣化が懸念されるが、これに関しては以下の通り問題にはならないことが原理的に示される。
【0038】
今、dk-1とdk+1が2分周クロック信号によってサンプルされたデータであるとし、この平均値からdkを推定することを考える。dk-1とdk+1のサンプルデータの検出レベルを確率変数と考え、平均値がそれぞれdk-1、dk+1であり、分散値がσの正規分布に従うものとする。これを確率変数dk-1、dk+1は確率分布P(dk-1、σ2)、P(dk+1、σ2)に従うということにする。dk-1とdk+1の平均値であるdkは、確率変数dkは確率分布P((dk-1+dk+1)/2、σ2/2)に従うことが示される。
【0039】
これに関しては、例えば、「統計入門」(松下嘉米男著、岩波全書)の第7章平均値と分散、問題13(3)の解答から明らかである。すなわち、dkの分散値はdk-1、dk+1の分散値σの1/√2(=0.707)になることが分かる。このため、平均値をとることによるSN比の劣化はなく、むしろSN比は向上する。
【0040】
2分周クロック信号によってサンプルされたサンプルデータから3値判定する際の具体的な回路構成を図11に示す。図11(a)は2分周クロック信号により得られるサンプルデータ1100からサンプルデータ補間部1101で未サンプルデータを求める場合で、以降の処理に関しては図9(b)に示した構成と全く同じであるので、詳細は省略する。
【0041】
図11(b)は2分周クロック信号により得られるサンプルデータ1100を図9(b)と同様に3値判定し、この結果に対して訂正をかける構成となっている。3値判定判定結果を格納するシフトレジスタ1110には、ak-2、ak、ak+2というように1ビットおきの判定結果が格納される。同様に、シフトレジスタ1115には、dk-2、dk、dk+2というように1ビットおきのサンプルデータが格納され、重み付き平均値演算部1116に送られる。dkがエッジデータであるかの判定には、図9で説明したように、dk-1とdk+1のサンプルデータが必要となるが、本実施例では、これをdk-2とdk及びdkとdk+2の平均値により得るものである。すなわち、dk-1は(1/2)dk-2+(1/2)dk、dk+1は(1/2)dk+(1/2)dk+2となるので、dk、dk-1、dk+1の平均値は(1/6)dk-2+(2/3)dk+(1/6)dk+2となる。このように、dk-2とdk、dk+2との平均操作を行うときに、1:4:1の重み付けをする。これらのブロックを除いては図9(b)に示した構成と全く同じであるので、詳細は省略する。
【0042】
次に、本発明におけるデータ復調方法を光ディスク装置に適用した場合の実施例に関して図12を用いて詳細に説明する。光ディスクの形態としては、CD、CD−ROM等のROMタイプの他、相変化媒体や光磁気媒体等を用いたRAMタイプの光ディスク等に対して適用できるが、ここでは、ROMディスクと相変化媒体を用いたRAMディスクを例に説明する。
【0043】
ユーザデータ1200はSCSI等のインターフェース1201を介して、フォーマット回路1202に送られ、ここで、光ディスクに記録する際の各種のフォーマットパターンを付加された後、符号化器1203に供給される。符号化器1203では、ユーザデータを(2,7)RLL、EFM、8/16変調等のランレングス制約を持つようなチャネルデータに変換するとともに、エラー訂正用のコード情報を付加して次段へと送る。ライトパルス生成部1204はチャネルデータ「1」がピットの前縁と後縁に位置するよう、記録マークを形成するライトパルスを生成する。レーザドライバ1206はライトパルス生成部1204から送られたパルス列とライトパワー設定部1205から送られたパワーの設定値に従って、光ヘッド1209内の半導体レーザ(図示せず)に駆動電流を供給する。駆動電流によって発光パワーが変調された結果、光ディスク1210上のユーザデータの記録領域に所望の記録ピットが形成される。自動パワー制御(APC)回路1207はデータ再生時のパワーレベルの変動を制御し、高周波重畳(HF)回路1208は半導体レーザのレーザ発振の変動であるレーザ雑音を抑圧する。
【0044】
フォーカス制御1211、トラッキング制御1212、シーク制御1213はサーボコントローラ1214からの指令で、光ヘッド1209で形成する絞り込みスポットを光ディスク1210上の記録トラックに追従させる。スピンドルモータ1215はスピンドルモータ制御1216により、光ディスクの回転数の制御を行う。サーボコントローラ1214及びスピンドルモータ制御1216はドライブコントローラ1217により制御される。
【0045】
データ再生時には、光ヘッド1209内の光検出器(図示せず)からの信号をプリアンプ1218を通して、データ復調器1219に送る。データ復調器1219は、上記で説明したデータ復調方法により、前縁と後縁に対応したデータ「1」を復調した後、エラー訂正回路(ECC)1220に送る。 ECC1220では、エラー訂正コードによって、復調データに発生したエラーを検出し訂正する。訂正後の再生チャネルデータはフォーマット回路1202に送られ、付加パターンを除いた後、元のユーザデータに戻し、ユーザデータインタフェース1201に送る。
【0046】
以上、光ディスク装置におけるデータの記録から復調までの一連の流れに関して説明してきたが、光ディスク1210が再生専用のROMタイプのディスクの場合と、書き換え可能なRAMタイプのディスクの場合では若干、詳細な動作は異なる。
【0047】
ROMタイプのディスクではディスク上に再生すべきデータがピット列で既に形成されているため、再生信号が常にプリアンプ1218を通ってデータ復調器1219に供給される。一方、RAMタイプのディスクでは、通常、セクタと呼ばれるデータ単位で管理され、データが記録されていないセクタもある。RAMタイプの光ディスク上にはセクタの先頭部にプリピット情報として、アドレス情報を読み取ることによって、ユーザデータの記録・再生を行う。従って、データ復調器1219には、プリピット情報とセクタに記録されたデータの再生信号が不連続にプリアンプ1218を通って入ってくることになる。そこで、プリピット情報とセクタデータの先頭には既知のデータパターンが埋め込まれており、この領域でデータ復調の引き込み動作を完了させる。この動作をここでは初期モードと呼び、以降の動作を通常モードと呼ぶことにする。
【0048】
図13はデータ復調における初期モードについて示したものである。既知データパターンは4Tピット/4Tスペースの繰り返しとした。チャネルクロック信号でサンプリングする場合を図13(a)に、チャネルクロック信号の2分周クロック信号でサンプリングする場合について図13(b)にそれぞれ示した。
【0049】
図13(a)において、プリアンプを通った後の再生信号1300に対して、サンプルクロック1301は、初期モードには、4T間隔の組みパルス1302、1303によって再生信号をサンプリングし、サンプルデータ1304、1305を得る。サンプルクロック1301の信号源は、位相同期ループを構成するVCOを中心発振周波数で発振させたクロック信号をカウンタに通すことによって得る。サンプルデータ1304と1305の平均値レベルは再生信号の中心レベルに一致することから、これをスライスレベルとして再生信号1300を2値化し、パルス信号1306を得る。パルス信号が安定に出力されるまでの間、VCOの発振を止め、パルス信号1306の立ち下がりのタイミング1307で再度、発振を開始することによって、再生信号に対して位相差がないサンプルクロック1301を得ることができる。その後、再生信号1300のサンプルデータが得られ、このデータからしきい値1308、1309によって、エッジデータを検出を開始する。検出されたエッジデータから位相同期ループ制御とレベル変動及び振幅変動の補正制御を開始する。検出されたエッジデータの平均値レベルとして中央レベル1310を得て、これを基準としてしきい値レベル1308、1309を微調整する。
【0050】
図13(b)において、プリアンプを通った後の再生信号1300に対して、サンプルクロック1301は、初期モードには、4T間隔の組みパルス1302、1303によって再生信号をサンプリングし、サンプルデータ1304、1305を得る。サンプルクロック1301の信号源は、位相同期ループを構成するVCOを中心発振周波数で発振させたクロック信号を2分周したのち、カウンタに通すことによって得る。サンプルデータ1304と1305の平均値レベルは再生信号の中心レベルに一致することから、これをスライスレベルとして再生信号1300を2値化し、パルス信号1306を得る。パルス信号が安定に出力されるまでの間、VCOの発振を止め、パルス信号1306の立ち下がりのタイミング1307で再度、発振を開始することによって、再生信号に対して位相差がないサンプルクロック1301を得ることができる。その後、再生信号1300のサンプルデータが得られ、このデータからしきい値1308、1309によって、エッジデータを検出を開始する。検出されたエッジデータから位相同期ループ制御とレベル変動及び振幅変動の補正制御を開始する。検出されたエッジデータの平均値レベルとして中央レベル1310を得て、これを基準としてしきい値レベル1308、1309を微調整する。
【0051】
初期モードにおいては、整定時間を短縮するために、特定パターン部において位相同期ループの制御とレベル/振幅変動の補正制御の追従帯域を広げ、ゲインを高くし、ユーザデータ領域に入る迄には引き込み動作を完了させる。その後、帯域とゲインの設定を切り替えて、ユーザデータ領域では、通常モードの動作に移行し、データ復調の動作を安定化させる。
【0052】
一方、ROMタイプディスクの場合には、再生信号が途切れないので、通常モードの動作でデータ復調を行なう。
【0053】
【発明の効果】
エッジデータ部のサンプルデータとその前後のサンプルデータに対して、2つのしきい値レベルによりエッジレベルとエッジレベルより上、エッジレベルより下の3値のレベルの判定を行い、当該サンプルデータがエッジレベルにある場合と当該サンプルデータがエッジレベルになく、その前後のサンプルデータがエッジレベルより上と下のレベルにある場合に、当該サンプルデータをエッジデータとして復調データ「1」を出力することにより、当該サンプルデータが雑音によりしきい値を越えた場合でも当該サンプルデータを正しく「1」と復調できる確率が向上する。これにより、SN救済の効果が期待できる。
【0054】
更に、クロック信号を2分周したクロック信号により、間引きサンプリングを行うことにより3値判定を実施することにより、最も複雑な判定処理部の動作スピードが従来に比べて2分の1に低減でき、再生データを復調する部分だけをクロックのスピードで行えばよいので、高速データ転送に対しても容易に対応でき、従来の半導体プロセスがLSI化に使用できる利点がある。
【0055】
更に、再生信号に付随するレベル変動や振幅変動をサンプルデータ系列からディジタル的に検出し、これを、アナログ再生信号もしくはサンプルデータ列に対して補正する方法を併用することにより、上記のデータ復調の信頼性が向上する。
【0056】
更に、上記のデータ復調を記録データ部の先頭部に設けた特定パターンを利用して高速に引き込み動作を完了し、ユーザデータ部では通常の動作に戻すことによって、ROMタイプだけでなくRAMタイプディスクに対しても安定なデータ復調が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるデータ復調方法の概念を説明する図。
【図2】本発明の第一の実施例を示すブロック図。
【図3】ポストコーダの構成例を示すブロック図。
【図4】中間値判定部の構成例を示すブロック図。
【図5】振幅/レベル補正部の動作を説明する概念図。
【図6】位相比較器の動作を説明する概念図。
【図7】等化器の構成例を示すブロック図。
【図8】本発明の第二の実施例を示すブロック図。
【図9】本発明の第三の実施例を説明する概念図及びブロック図。
【図10】本発明の第三の実施例におけるデータ復調方法の原理図。
【図11】本発明の第三の実施例における回路構成例を示すブロック図。
【図12】本発明のデータ復調を光ディスク装置に適用する場合の全体ブロック図。
【図13】本発明のデータ復調における初期モードを説明する図。
【図14】再生チャネル特性の違いによるアイパターンの形態。
【図15】従来のアナログ方式におけるデータ復調方法の概念を説明する図。
【図16】従来のディジタル方式におけるデータ復調方法の概念を説明する図。
【図17】従来のディジタル方式におけるデータ復調方法を実現するブロック図。
【符号の説明】
101…記録データ、102…記録データパルス列、103…記録マーク列、
104…再生信号、105…サンプルデータ列、107,108…しきい値レベル、109…中間値データ列、112…再生データ。
Claims (5)
- 符号化データの「1」を記録領域の前縁部及び後縁部に対応させて記録し、該記録領域を再生するデータ復調方法において、
前記符号化データの検出窓幅の2倍の時間間隔で再生信号をサンプリングし、該サンプリングによって得られたサブ・サンプルデータから補間処理により、検出窓幅の時間間隔のサンプルデータを得て、該サンプルデータを前縁部及び後縁部のレベルを挟んで設定した2つのしきい値レベルにより、該サンプルデータをエッジレベルより下、エッジレベル、エッジレベルより上の3種類に判定し、エッジレベルと判定されたサンプルデータ、もしくは、前後のサンプルデータがエッジレベルを挟むレベルに判定されたサンプルデータに対して「1」と復調することを特徴とするデータ復調方法。 - 符号化データの「1」を記録領域の前縁部及び後縁部に対応させて記録し、該記録領域を再生するデータ復調方法において、
前記符号化データの検出窓幅の2倍の時間間隔で再生信号をサンプリングし、該サンプリングによって得られたサブ・サンプルデータを前縁部及び後縁部のレベルを挟んで設定した2つのしきい値レベルにより、該サブ・サンプルデータをエッジレベルより下、エッジレベル、エッジレベルより上の3種類に判定し、エッジレベルと判定されたサブ・サンプルデータに対して「1」と復調するとともに、連続する1組のサブ・サンプルデータがエッジレベルを挟むレベルと判定された場合に、その間の未サンプルデータに対して「1」と復調することを特徴とするデータ復調方法。 - デジタルデータ記録媒体からの反射光の強弱に対応した再生信号を発生する光検出回路と、
該光検出回路からの信号をサンプリングして、連続する2つのサンプリングデータの各データをレベル範囲毎に3つのデータの何れかに変換し、上記2つのサンプリングデータの変換後のデータの中間値が上記3つのデータの何れになるかを判定し、上記2つのサンプリングデータの変換後の上記データ間に上記判定されたデータを追加するデータ復調回路とを有することを特徴とする光ディスク装置。 - デジタルデータ記録媒体からの反射光の強弱に対応した再生信号を発生する光検出回路と、
該光検出回路からの信号をサンプリングして、連続する3つのサンプリングデータの各データを第1のレベル範囲、該第1のレベル範囲よりも低い第2のレベル範囲及び該第1のレベル範囲よりも高い第3のレベル範囲を示す3つのデータの何れかに変換するとともに、上記3つのサンプリングデータの平均レベルが上記3つのデータの何れになるかを判定し、上記変換後の上記3つのサンプリングデータの2番目のデータが上記第1のレベル範囲を示すデータであるときに該2番目のデータを上記判定されたデータに訂正するデータ復調回路とを有することを特徴とする光ディスク装置。 - デジタルデータ記録媒体からの反射光の強弱に対応した再生信号を発生する光検出回路と、
該光検出回路からの信号をサンプリングして、連続する2つのサンプリングデータの平均値サンプリングデータを該連続する2つのサンプリングデータの間に追加し、追加後の3つのサンプリングデータの各データを第1のレベル範囲、該第1のレベル範囲よりも低い第2のレベル範囲及び該第1のレベル範囲よりも高い第3のレベル範囲を示す3つのデータの何れかに変換するとともに上記3つのサンプリングデータの平均レベルが上記3つのデータの何れになるかを判定し、上記変換後の上記3つのサンプリングデータの2番目のデータが上記第1のレベル範囲を示すデータであるときに該2番目のデータを上記判定されたデータに訂正するデータ復調回路とを有することを特徴とする光ディスク装置。
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