JP3956409B2 - Uasb方式嫌気性処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はUASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket ;上向流嫌気性汚泥床)方式嫌気性処理装置に係り、特に、UASB反応槽内のグラニュール汚泥(造粒汚泥)の浮上、流出を防止することにより、安定した効率の良い処理が可能なUASB方式嫌気性処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
UASB方式による嫌気性処理装置は 汚泥保持濃度が高く、高負荷処理が可能であることから、近年、食品排水を中心に急速に普及している。即ち、UASB法は、原水を反応槽の下部より上向流で流入させ、菌の付着担体を用いることなく、汚泥をブロック化又は粒状化させて粒径1〜数mmのグラニュール汚泥の汚泥床(スラッジブランケット)を形成させ、反応槽中に高濃度の微生物を保持して、高負荷処理を行う方法であり、好気性活性汚泥法に比べて、反応槽容積当りの有機物負荷が10kg−CODCr/m3 /day以上と非常に高い。しかも、曝気のためのエネルギーが不要である;メタンガスとしてエネルギーの回収が可能である;余剰汚泥発生量が少ない;等の優れた特長も備えている。
【0003】
しかし、UASB方式嫌気性処理装置の処理性能はグラニュール汚泥の沈降性に大きく依存しており、汚泥の沈降性が悪化した場合、汚泥保持量が低下して処理不可能な状態に陥ることもある。
【0004】
即ち、処理時間が経過してグラニュール汚泥の粒径が増大してくると、グラニュール内部の菌体は基質の透過量不足のため死滅する。また、菌体は自己分解して有機物が周囲のバクテリアに利用されたり、バルク液中に流出する。そして、これにより、グラニュール汚泥内の菌体が存在していた位置に空洞を生じる。その結果、この空洞中に内部から発生したガスがトラップされて、グラニュールの密度が低下し、最悪の場合には比重が1以下となって浮上し、処理水側に流出することとなる。この場合には、反応槽内の汚泥が減少して生物処理に支障をきたす。
【0005】
従来、このような問題を解決するものとして、浮上した汚泥を機械的に破砕して、内部の気泡を取り除いて沈降性を回復させる方法(特開平6−182382号公報)や、鉄又はカルシウム化合物を添加してグラニュール汚泥内部に沈殿物を形成させ、グラニュール汚泥の沈降性を維持する方法(特開平8−141590号公報)を提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、UASB方式嫌気性処理装置におけるグラニュール汚泥の浮上、流出の防止については種々提案がなされ、それぞれ効果が得られているが、より一層の改善が望まれているのが実情である。
【0007】
本発明は上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、UASB方式嫌気性処理装置におけるグラニュール汚泥の浮上を未然に防止して、安定した高負荷処理を可能とするUASB方式嫌気性処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のUASB方式嫌気性処理装置は、槽内にグラニュール汚泥のスラッジブランケットが形成された反応槽に有機性排水を導入して嫌気性処理するUASB方式嫌気性処理装置において、該反応槽に導入される有機性排水又は反応槽に、COD Cr 負荷量の1〜5%の粉末活性炭を添加する手段を連続的又は間欠的に備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明において、原水(有機性排水)又は反応槽に添加された粉末活性炭は、嫌気性微生物の基質となる有機物を吸着し、反応槽の内部である程度有機物を吸着しながら、一部はグラニュール汚泥表面に付着する。グラニュール汚泥表面に付着した粉末活性炭は、グラニュール汚泥の成長(生物膜の増殖)に伴ってグラニュール汚泥中に取り込まれ、内部で徐々に有機物を放出する。その結果、グラニュール汚泥内部の菌体に対して長期間にわたって基質を供給することができるため、グラニュール汚泥内部の菌体の死滅を防止すると共に、自己分解速度を低下させることが可能になると推定される。これにより、グラニュール汚泥内部での空洞生成を防止し、ひいてはグラニュール汚泥の浮上、流出を防止する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
本発明においては、粉末活性炭添加手段により、反応槽に導入される有機性排水(原水)又は反応槽に粉末活性炭を連続的又は間欠的に添加する。添加された粉末活性炭は、前述の如く、グラニュール汚泥内部の菌体の基質供給源となって、菌体の死滅、自己分解を防止する。
【0012】
本発明において、粉末活性炭の添加量は、反応槽のCODCr負荷量の1〜5%程度とする。粉末活性炭の添加量がこの範囲より少ないと、粉末活性炭添加による上記効果が十分得られない。粉末活性炭の添加量がこの範囲より多くても、グラニュール汚泥中に取り込まれる量に上限があるため、効果に差異はなく不経済である。
【0013】
添加する粉末活性炭の種類には特に制限はなく、椰子殻系、石炭系、ピッチ系等、各種のものを用いることができる。
【0014】
また、粉末活性炭の粒径は、グラニュール内に効率的に取り込まれる点から、平均粒径で5〜100μmであることが好ましい。
【0015】
粉末活性炭は、一般的には、反応槽に導入される原水に添加する、即ち、原水槽又は反応槽への原水導入配管に添加するのが望ましいが、UASB反応槽に直接添加しても良く、双方に添加しても良い。
【0016】
なお、原水にEDTA(エチレンジアミン四酢酸)などのキレート剤が含まれている場合(食品機器の洗浄薬品中にはキレート剤が含まれるケースが多く、この場合には、原水中にキレート剤が含有されることとなる。)、これがグラニュール汚泥中に浸透し、菌体と菌体の間隙に沈積している無機スケール成分を溶かし出し、結果として空洞を生成させる場合がある。本発明では、副次的効果として、EDTA等のキレート剤を粉末活性炭で吸着保持することによって、スケール成分の溶出による空隙の生成を防止することもできる。同様に、反応槽内に毒性物質等が流入した場合でも、粉末活性炭がこれらの物質をある程度吸着してバルク液中の濃度を低下させ、毒性物質等による反応阻害を防止するという効果も期待される。
【0017】
本発明のUASB方式嫌気性処理装置は、粉末活性炭添加手段を備えること以外は、従来のUASB方式嫌気性処理装置と同様の構成とされ、その処理条件等においても特に制限はない。
【0018】
本発明のUASB方式嫌気性処理装置では、粉末活性炭の添加によりグラニュール汚泥の浮上、流出を有効に防止することができるが、更に、前記特開平6−182382号公報又は特開平8−141590号公報記載の方法を採用することにより、より一層確実にグラニュール汚泥の浮上、流出を防止して、安定かつ効率的な処理を行える。
【0019】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
【0020】
実施例1
直径15cm、高さ120cmのPVC製UASBカラム(容量約21L)を用いてビール工場総合排水の処理実験を行った。排水はビール工場の総合排水(CODCr濃度:2,000〜3,000mg/L)で、予め越流LV約1m/hrの前処理沈殿槽により珪藻土などのSS成分を沈殿除去した後、ペリスタポンプでUASBカラムに連続的に通液した。通液量はスタート時を除いて100L/dayとし、負荷は、原水濃度により9〜15kgCODCr/m3 /dayの範囲で調整した。
【0021】
実験に用いた汚泥は、スターチ製造排水を処理しているUASB反応槽より採取したもので、平均粒径は約1.1mm、浮上ポテンシャルは7%程度であった。
【0022】
処理水温は32〜37℃で、UASBカラム入り口でのpHを、NaOHを用いて6.5に制御した。また、UASBカラムに導入される原水には、石炭系粉末活性炭を約50mg/L−原水の割合で(CODCr負荷量の1.6〜2.6%)で連続的に添加した。
【0023】
なお、浮上ポテンシャルとは汚泥の浮上性を示す値であり、測定方法は次の通りである。まず、フラスコ中に汚泥約20mL及び基質(酢酸、ギ酸、エタノールなど)を採り、CODCrとして2000mg/Lとし、さらに汚泥をVSSとして0.5g程度加え、過負荷条件下で24時間程度嫌気状態(35℃)で放置する。次に、浮上した汚泥、沈殿している汚泥をスポイトを用いて分離し、各々、VSS重量を測定し、次式により算出する。
浮上ポテンシャル(%) ={浮上汚泥VSS /(浮上汚泥VSS +沈殿汚泥VSS)}×100
上記処理を約6ケ月間継続して行い、スタート時(0日)、105日目及び190日目に、各々、カラム内の汚泥の浮上ポテンシャル、汚泥界面の位置、VSS濃度を調べ、結果を表1に示した。
【0024】
比較例1
原水に粉末活性炭を添加しなかったこと以外は実施例1と同様に実験を行い、結果を表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】
表1より次のことが明らかである。
【0027】
即ち、スタート時に7%の浮上ポテンシャルが、粉末活性炭を添加した実施例1では低下傾向でそのまま維持されているが、粉末活性炭を添加していない比較例1では、徐々に増大している。その結果、汚泥量を示す汚泥界面の位置も、実施例1の方が比較例1よりも早期に上昇しており、粉末活性炭添加による汚泥の浮上、流動防止効果が明らかである。汚泥濃度に関しては、実施例1,比較例1はいずれも45,000mg/Lで大差はなかった。
【0028】
上記実験では、限られた時間内で評価しているため、浮上ポテンシャル及び汚泥界面に、それほど大きな差はないが、時間の経過と共に浮上ポテンシャルの差は開き、実施例1では汚泥量がますます増加するが、比較例1では流出量が増加量を上回り、汚泥保持量は減少する。
【0029】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のUASB方式嫌気性処理装置によれば、グラニュール汚泥内部の空洞の生成を防止して、汚泥の浮上、流出を有効に防止し、UASB反応槽内の汚泥保持量を高く維持することにより、高負荷処理を安定して行うと共に、処理水中への汚泥の流入を防止して、高水質処理水を得ることが可能となる。
Claims (1)
- 槽内にグラニュール汚泥のスラッジブランケットが形成された反応槽に有機性排水を導入して嫌気性処理するUASB方式嫌気性処理装置において、
該反応槽に導入される有機性排水又は反応槽に、COD Cr 負荷量の1〜5%の粉末活性炭を連続的又は間欠的に添加する手段を備えたことを特徴とするUASB方式嫌気性処理装置。
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JP33952896A JP3956409B2 (ja) | 1996-12-19 | 1996-12-19 | Uasb方式嫌気性処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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1996
- 1996-12-19 JP JP33952896A patent/JP3956409B2/ja not_active Expired - Fee Related
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