JP3937764B2 - 脱窒装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンモニア性窒素を含む原水を、アンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とする脱窒微生物の作用により、亜硝酸性窒素の存在下に脱窒処理する脱窒装置に係り、特に、この脱窒処理において、反応に関与する脱窒微生物を反応系内に高濃度に保持して、高負荷で効率的な脱窒処理を行う脱窒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、下水、工場排水、汚泥消化脱離液、埋立浸出水、屎尿等のアンモニア性窒素を含有する排水の窒素除去方法としては、硝化細菌によりアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素や硝酸性窒素に酸化し、次にメタノール等の電子供与体を添加しつつ脱窒細菌の働きにより亜硝酸性窒素や硝酸性窒素を窒素ガスに還元して水中から窒素を除去する方法が知られている。
【0003】
この方法は、アンモニア性窒素を窒素ガスに酸化するために必要な酸化力よりも過剰の酸素を必要とするため、必要酸素量が多く、多量の酸素を微生物に供給するためのエネルギーを多く必要とする。また、脱窒反応のための電子供与体としてメタノール等の有機物を添加するためのコストがかかり、またこの有機物を摂取して増殖した脱窒細菌が余剰汚泥となるため、廃棄物の量が多く、そのための処分コストが高くつく。特に、硝酸性窒素は亜硝酸性窒素に比べてより酸化された状態にあるため、これを還元するための電子供与体もより多く必要であり、発生する余剰汚泥量も多い。
【0004】
これに対して、無酸素条件下でアンモニア性窒素を電子供与体、亜硝酸性窒素を電子受容体として両者を反応させ、窒素ガスを生成することができる独立栄養性の脱窒微生物群を利用した脱窒方法が知られるようになった (Microbiology 142(1996), p2187-2196等) 。以下ではこの反応をANAMMOX反応と呼び、この反応に関与する微生物群をANAMMOX菌と呼ぶ。この方法によれば、亜硝酸性窒素の持つ酸化力を用いてアンモニア性窒素を酸化することができるため、理論量と同程度の酸素消費量で窒素除去を行うことができ、エネルギーを節約することができる。また、メタノール等の有機物を添加する必要がないため、そのコストを節約できる。この微生物は独立栄養細菌であり、有機物を利用して脱窒を行う脱窒細菌に比べると、還元する亜硝酸性窒素当たりに発生する余剰汚泥量が5分の1以下であり、廃棄物の発生量を大幅に低減することができる。この反応に関与する電子受容体としての亜硝酸性窒素は排水中のアンモニア性窒素を一部酸化することで得ることができ、また、他系統から導入しても良く、別途薬品を用いても良い。
【0005】
反応槽の型式としては、砂や合成樹脂、ゲルなどの微生物が付着するのに適した担体を充填したカラムに、上向流又は下向流で原水を通水し、担体表面で窒素化合物と微生物を接触させて脱窒反応を進行させる方式が用いられる。ここで用いる担体は、比表面積が大きいものが好適であり、特に粒径0.1〜10mm程度の顆粒状、或いはひも状、筒状、歯車状などの形状が知られている。担体は水中で緩やかに流動されることが好ましく、脱窒により発生するガスや、外部から注入するガス、撹拌機などにより流動される。
【0006】
また、水中に浮遊状態で生育する脱窒微生物を利用することもでき、生育した微生物を固液分離することにより系外へ流出する微生物量を少なくし、系内の微生物濃度を高めることで反応槽容積当たりの反応速度を高めることも好んで行われる。この場合、用いられる固液分離手段には、沈殿、浮上、遠心分離、濾過など従来公知の各種方法が適用可能である。
【0007】
また、原水を反応槽の下部より上向流で注入させ、菌の付着担体を用いることなく、汚泥をブロック化又は粒状化させて粒径0.5〜数mmのグラニュール汚泥の汚泥床を形成させ、反応槽中に高濃度で微生物を保持して高負荷処理を行うUSB (Upflow Sludge Bed:上向流汚泥床)方式も知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者が下水汚泥の嫌気性消化脱離液中の窒素を除去するためのANAMMOX菌による脱窒処理を試みたところ、次のような問題が生じた。
【0009】
(1) ANAMMOX菌を浮遊状態で反応槽に保持してANAMMOX反応による脱窒を行わせ、この後ANAMMOX汚泥を沈殿槽で処理水から沈殿分離し、濃縮されたANAMMOX汚泥をこの反応槽に返送する方法で脱窒処理を行うと、沈殿槽においてANAMMOX汚泥の一部がしばしば浮上して処理水中に流出する。そして、反応槽のANAMMOX反応速度は低い状態に留まった。
【0010】
(2) USB型の反応槽を用いて同様に脱窒処理を試みたところ、グラニュール同士が会合して1辺が数cm又はそれ以上の固まりを生じて浮上するブロッキングが発生し、同時にグラニュールが流出し、反応槽のANAMMOX反応速度は低い状態に留まった。
【0011】
また、ブロッキングを防止してグラニュールの流出を抑制しても、反応速度が徐々に低下し、ANAMMOX菌の増殖が阻害されるという現象が生じた。
【0012】
(3) 汚泥の活性が低いために、次のような問題が起こる。
即ち、ANAMMOX菌は自然界に存在する量が少なく、また増殖速度が遅いために、少量の種汚泥から立ち上げようとするとANAMMOX菌が十分増殖するまでに1年程度を要するケースもあり、実際の現場に適用するのが困難である。このため、既に稼動しているANAMMOX反応槽で増殖したANAMMOX汚泥を集積し、なるべく多量の汚泥を種汚泥として新たなANAMMOX反応槽に投入することが望まれるが、このためには多量の運搬費がかかる。
【0013】
有機物やSSを殆ど含まない基質を用いた場合には、汚泥中の懸濁物質の強熱減量(VSS)当たり、アンモニア性窒素の消費速度として0.2〜0.6kgNH4−N/kg−VSS/dayが得られるのに対して、上述の消化脱離液を処理する反応槽から得られた汚泥ではアンモニア性窒素の消費速度は0.01〜0.03kg−NH4−N/kg−VSS/day程度であり、同じ窒素除去能力を得るためには10倍量以上の汚泥が必要になり、汚泥運搬のためのコストも増大する。
【0014】
本発明は上記従来の問題点を解決し、ANAMMOX菌による脱窒処理において、汚泥の流出を防止してANAMMOX汚泥を反応系内に高濃度に保持すると共に、反応速度の低下を防止し、また、汚泥当たりの脱窒活性を高い状態に維持することができる脱窒装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の脱窒装置は、アンモニア性窒素を含む原水を、アンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とする脱窒微生物の作用により、亜硝酸性窒素の存在下に脱窒処理する脱窒槽を含む脱窒装置であって、原水中の懸濁物質を除去する懸濁物質除去手段として、該脱窒槽の上流側に、原水中の懸濁物質を沈殿除去する第1の沈殿槽を備えると共に、該脱窒槽の下流側に、脱窒処理液を上澄水と前記脱窒微生物を含む汚泥とに固液分離する第2の沈殿槽とを備え、該第1の沈殿槽の水面積負荷が第2の沈殿槽の水面積負荷よりも小さいことを特徴とする。
【0016】
本発明では、ANAMMOX反応に供する原水中の有機物(BOD)及び/又は懸濁物質(SS)を予め除去することで、上記目的を達成する。
【0017】
即ち、本発明者は、前述したANAMMOX反応における問題を解決すべく鋭意検討した結果、汚泥の流出、反応速度の低下、活性の低下等の問題は、原水中の有機物及びSSがANAMMOX反応に対して次のような阻害作用を示すことによることを知見し、ANAMMOX反応に先立ち、これらを予め除去することで、汚泥の流出を防止すると共に、反応速度を高め、また高いANAMMOX活性を維持する本発明を完成させた。
【0018】
[SSの阻害作用]
(1) ANAMMOX菌は比増殖速度が最大で0.065day−1程度(1日当たり1.065倍に増殖)と遅く、脱窒処理を行うのに十分な量の菌体を集積するには時間がかかり、また菌体の流出や、阻害による菌体の失活・死滅などから回復するのにも時間がかかるという問題がある。
【0019】
更に、本発明者が検討を行ったところ、ANAMMOX菌はフロックの形成能力が弱く、どのような反応槽を用いても必ず固液分離困難な分散状の菌体が流出する。これはANAMMOX菌は菌体外に産出する高分子コロイド様物質量が少なく、このためにフロック形成能力が低いものと推定された。
【0020】
このようなことから、ANAMMOX菌に最も適した生育環境を整えても、実質的には最大速度の0.065day−1では菌体は増殖せず、見掛け上0.02〜0.05day−1程度の増殖速度しか得られないということが確認された。
【0021】
一方で、ANAMMOX反応槽にSSが流入すると、そのうちの少なくとも一部はANAMMOX菌体と同様に系内に濃縮されて留まる。特に、多くの場合、分散状のANAMMOX菌体が系内に留まる以上の効率でSSが系内に留まることが確認された。
【0022】
この結果、ANAMMOX菌を系内に多く留めるように装置を製作ないし運転するほど、それ以上の効率で系内にSSが蓄積されるため、必要なANAMMOX菌の量に対して、ANAMMOX活性を持たない原水由来のSSの割合が増大する。そして、後段に固液分離装置がある場合には、系内のSS濃度が高いほど固液分離が困難になる。
【0023】
例えば、沈殿槽では沈降汚泥の界面が上昇し、汚泥界面が処理水流出トラフに達すると汚泥が流出し、系内の汚泥が失われるだけでなく、処理水質の悪化を招く。これを軽減するためにはより大きな分離面積、即ち低い水面積負荷と、長い滞留時間が必要であるが、このためには沈殿槽の建設費と運転費が増大する。また、実用上、これらのコストにも限界がある。
【0024】
また、浮上分離装置であれば、浮上のための微細気泡が多く必要となり、この微細気泡を作り出す設備のコストと運転費用が嵩む。そして、処理水中に流出するSSも多くなるため、これを防止するためにより大きな分離面積が必要となり、そのための建設費と運転費が嵩む。
【0025】
また、USB反応槽やその他のGSS(気固液分離装置)を備える反応槽の場合には、槽内に保持されるSSが増大すると、担体の間にSSが目詰まりしてショートパスが生じ、処理能力が低下したり、目詰まりした担体同士が結びついてブロック状になり、これが固まりとなって浮上する現象が生ずる。このブロックが発生する機構の詳細は明確ではないが、担体間に捕捉されたSSの間に、更に前記分散状のANAMMOX菌が捕捉され、大小さまざまの粒子が緊密に充填されることで特に強固なブロックが生成することによると推定される。そして、一旦このようなブロックが生成すると、ANAMMOX反応により生じたガスをブロック内の隙間にトラップして浮力が生じたり、またブロック内部が腐敗して腐敗ガスが発生して浮力が生じ、水面付近まで浮上して、菌体が処理水中に流出するようになる。また、ガスの排出を妨げて装置に不具合を生じさせることにもなる。
【0026】
(2) 特に、SSの流入は、担体を用いたANAMMOX反応系において、次のような阻害作用がある。
【0027】
本発明者による検討で、ANAMMOX菌が形成する生物膜は、他の微生物が形成する生物膜、例えばBOD除去や硝化や脱窒に使用される生物膜に比べて、空隙が多いため密度が低く、柔らかく、剥離しやすいことが判明した。特に、SSを多く含む環境で成長したANAMMOX菌の生物膜は、空隙間にSSが捕捉されており、またSSを抱き込んでいるために剥離が促進されてしまうという現象が観察された。このために担体表面積当りに付着するANAMMOX菌の量が少なくなり、SSが無い場合に比べて低い反応速度しか得られなくなる。
【0028】
また、生物担体として用いられるゲル、粒状のプラスチックなどは、常に流動していないと、担体間にSSを捕捉する濾過作用を持つため、SSの量に応じて適宜バブリングや逆洗等で担体を流動させ、捕捉されたSSを解放する必要がある。従って、SSの量が多い場合には、このような担体の洗浄操作も多く行う必要があるが、この操作を行う際にもANAMMOX菌の生物膜は容易に剥離されてしまう。
【0029】
[有機物(BOD)の阻害作用]
(1) ANAMMOX反応槽に有機物が流入した場合、ANAMMOX反応槽内でこの有機物を酸化する従属栄養細菌が増殖する。このとき従属栄養細菌は電子受容体として、硝酸性窒素や亜硝酸性窒素や硫酸塩等を利用する。増殖した従属栄養細菌はSSと同じ挙動を示すため、上述したSSの影響と同様の影響が生じ、特に担体に付着する能力はこのような従属栄養細菌の方が強いことから、担体表面上のANAMMOX菌量はより一層少なくなる。
【0030】
(2) これらの従属栄養細菌は亜硝酸性窒素を電子受容体として利用して消費するため、ANAMMOX反応槽内の一部又は全体において亜硝酸性窒素が不足し、ANAMMOX反応が効率的に進行しないばかりでなく、ANAMMOX菌の増殖も妨げられることとなる。
【0031】
(3) ANAMMOX反応槽に長期間連続的又は断続的に有機物が流入すると、詳細な機構は不明であるが、ANAMMOX菌が増殖しなくなり、さらには徐々にANAMMOX反応速度が低下し、遂にはANAMMOX反応を生じなくなる現象が確認された。これは、おそらくANAMMOX菌の周辺でこれらの有機物が腐敗して局部的に有機酸や硫化物イオンやその他の阻害物質が発生し、ANAMMOX菌を阻害していることによるものと推定される。また、ANAMMOX菌が自然界で増殖できる環境は限られているため、環境に応じて適切な生存戦略を採るであろうことを考えると、このように有機物が常時流入する環境はANAMMOX菌が生存に不適当であると判断する機構が働いて、ANAMMOX菌が休眠状態に入ってしまう可能性、或いはBODの悪影響から逃れるためにANAMMOX菌の生息形態が分散状態に変化し、積極的に反応槽内から流出することで生存を図っている可能性も考えられる。
【0032】
このようにANAMMOX反応が阻害される有機物濃度は、反応槽内でANAMMOX反応により除去されるアンモニア性窒素量に対して、BODとして0.02〜15kg−BOD/kg−NH4−Nであり、特に0.2〜10kg−BOD/kg−NH4−Nで生じやすい。
【0033】
本発明の脱窒装置では、特に該懸濁物質除去手段として、該脱窒槽の上流側に、原水中の懸濁物質を沈殿除去する第1の沈殿槽を備えると共に、該脱窒槽の下流側に、脱窒処理液を上澄水と前記脱窒微生物を含む汚泥とに固液分離する第2の沈殿槽とを備え、該第1の沈殿槽の水面積負荷が第2の沈殿槽の水面積負荷の0.01〜0.8倍であることが好ましく、これにより、沈殿槽面積を抑えた上で効率的な処理を行える。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の脱窒装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0035】
まず、本発明の脱窒工程の前段の懸濁物質(SS)除去工程について説明する。
【0036】
SS除去手段としては、沈殿槽であり、特に分離する前に生物処理を行ってフロックを形成させ、SSをフロックにとり込んだ状態で分離するか、または凝集剤を加えてSSを凝集させた状態で分離するものが好適である。
【0037】
本発明において、このSS除去手段が沈殿槽(第1の沈殿槽)で、また、後述のANAMMOX脱窒槽が後段に沈殿槽(第2の沈殿槽)を備える。この第1の沈殿槽における水面積負荷が第2の沈殿槽における水面積負荷の0.01倍以上とするのが良く、特に0.1倍以上とするのが好ましく、0.3〜0.8倍とするのが最も好ましい。
【0038】
これは次の理由による。即ち、沈殿槽を用いた場合のSSの除去能力は主に水面積負荷に影響され、水面積負荷が小さいほどSSの除去能力が高い。従って、第2の沈殿槽の水面積負荷よりも第1の沈殿槽の水面積負荷を小さくしておけば、第1の沈殿槽で除去しきれなかったSSは第2の沈殿槽で捕捉されることがなく、原水から流入したSSがANAMMOX反応槽内に留まることを防止できる。SSの沈降特性に応じた最適な水面積負荷の組み合わせは、事前の試験でSSの沈降特性と沈殿槽における除去率を上述の観点から評価し、選定することができる。
【0039】
なお、ANAMMOX脱窒槽の後段が沈殿槽ではなく、USBやその気固液分離器(GSS)、また他の反応槽でも脱窒により発生するガスを必要に応じて分離し、静置液面を作ることによってSSの流出を抑制する機能を奏するものが存在する場合、この部分も沈殿槽と同様沈殿部とみなし、上記水面積負荷比をあてはめることができる。
【0040】
原水が特に高濃度のSSを含有する場合、例えば0.02〜10重量%、特に0.1〜5重量%のSSを含有する場合には、SS除去手段を2機直列に設ける方が好ましい場合もある。例えば、0.5〜10重量%程度のSSとアンモニア性窒素を含有する排水又は汚泥などに対してSSを分離し、その上澄み液をANAMMOX反応で脱窒する場合には、分離する前の凝集剤を吟味し、例えば全固形物(TS)に対して5〜30重量%の塩化第二鉄溶液(工業用38重量%)及び0.4〜1.2重量%程度のカチオン系又は両性高分子凝集剤を添加して凝集後に分離を行うと、比較的SS濃度を低く、例えば0.03重量%以下のSS濃度とすることができるが、この場合には凝集剤の添加量が多くなるために薬品代が嵩み、また凝集剤から新たに発生するSSが汚泥として排出されるために、廃棄汚泥の処分コストも高くなるという問題がある上に、このように多量の凝集剤を添加しても十分にSSが除去されない場合があるという問題がある。このような場合、凝集剤添加量を増やしたり、SS除去手段の能力を増強例えばSSの分離面積を増大するよりは、別のSS除去手段特に凝集分離装置を増設する方が有利である場合が多い。
【0041】
なお、SS除去手段に供する原水中に懸濁態の有機物と共に亜硝酸性窒素や硝酸性窒素が含まれている場合には、これを沈殿槽で沈殿分離する場合、原水中の有機物を菌体の増殖に利用し、亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素を電子受容体として脱窒を行う従属栄養細菌が増殖し、脱窒ガスの発生でSSの沈降を妨害する場合がある。この場合には、沈殿槽での沈殿分離を十分に行えなくなるため、沈殿分離に先立ち、脱窒処理を行い、予め亜硝酸性窒素と硝酸性窒素をその合計が0〜10mg/L、好ましくは0〜5mg/Lとなるように除去しておくことが望ましい。ただし、凝集加圧浮上分離等の他のSS除去手段を採用することにより、この問題を回避することができる。
【0042】
本発明において、ANAMMOX脱窒槽の前段のSS除去手段でSSを除去することにより、ANAMMOX脱窒槽への流入SS量をできるだけ少なくすることが好ましい。
【0043】
特にANAMMOX反応により脱窒槽で除去されるアンモニア性窒素量(NH4−N)に対して、SSの流入量は好ましくは0〜20%、より好ましくは0〜5%が良い。従って、このようにSS流入量の低減を達成するために、SS除去手段の仕様やSS除去方法を適宜設計することが望まれる。
【0044】
次に、脱窒工程の前段の有機物除去手段について説明する。
【0045】
有機物(BOD)除去手段としては、活性汚泥法や生物膜を利用した方法など公知の方法を利用することができ、活性汚泥を膜分離して処理水を得る膜分離活性汚泥法や、活性汚泥中に担体を投入し担体表面に増殖する微生物の作用を併用する方法や、担体表面に増殖する微生物のみを利用する方法や、これらの方法を組み合わせた方法などが好適に利用される。また、この担体が比較的均一な粒径を持つもので密に充填され、SSの濾過機能を併せ持つ生物濾過法であっても本発明を好適に用いることができる。これらのBOD除去手段は前述のSS除去手段と組み合わせても良く、特に活性汚泥法又は担体を浮遊状態で用いる方法の後段に凝集分離処理を組み合わせるのが好ましい一例として挙げられる。
【0046】
BOD除去手段において、好気環境下に菌体が十分長く滞留する時間を設けると、硝化細菌の増殖により硝化反応が進行し、ANAMMOX反応に適さない硝酸性窒素が生成してしまうことがある。この場合、窒素除去率が悪化するか、またはこの硝酸性窒素を後段で脱窒する場合には、硝酸性窒素を脱窒するための脱窒槽と脱窒反応のために添加する電子供与体とこの電子供与体を利用して増殖した菌体よりなる汚泥の発生量が増加するという問題が生ずる。
【0047】
即ち、ANAMMOX反応では、酸化されるアンモニア性窒素に対して20〜30%の硝酸性窒素が生ずる。ここで生じた硝酸性窒素を除去するためには、ANAMMOX反応以外の脱窒方法、例えば従属栄養性脱窒細菌の存在下に有機物等の電子供与体を供給して脱窒させる方法などが必要になる。またこのような脱窒を行わない場合には処理水の窒素濃度増加原因となる。このようにANAMMOX反応で生ずる硝酸性窒素の他に、前段のBOD除去工程で硝酸性窒素が発生すると、この硝酸性窒素もANAMMOX反応で除去することはできないため、余分な脱窒設備が必要になるか、または処理水窒素濃度の悪化原因となる。
【0048】
またBOD除去と共に硝酸性窒素が生ずると、アンモニア性窒素や亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化するための余分な酸素を消費することにもなり、酸素供給のためのエネルギーをより多く必要とする、また、硝酸性窒素の生成と同時にpHが低下するためにこれを中和するためのアルカリ剤を消費するという問題がある。
【0049】
従って、BOD除去手段では、硝化反応による硝酸性窒素の生成を抑制するために、微生物よりなるフロックを浮遊状態で利用する活性汚泥法であれば、系内に保持する汚泥量に対して汚泥の引き抜きや処理水などに流出する汚泥量を除して得られる汚泥滞留時間(SRT)が0.5〜7日間、より好ましくは3〜5日間とすることで、硝化細菌の増殖を抑制することが好ましい。
【0050】
生物膜を用いる方法であれば、生物膜が増殖する担体の表面積に対して流入するBODの値を好ましくは4〜80g−BOD/m2−表面積/day、より好ましくは10〜40g−BOD/m2−表面積/dayとすることで、担体表面に増殖する従属栄養細菌量を増大させ、硝化細菌が増殖してもより速く増殖する従属栄養細菌と共に剥離されてしまうような環境を作ることが好ましい。浮遊状態のフロックと生物膜の両方を利用する場合には、両者の存在量比にもよるが、SRTは上述の値の0.5〜1倍とし、担体表面積当たりのBOD負荷は上述の値の1〜2倍とするのが好ましい。
【0051】
また、硝化反応の抑制には、供給する酸素の量を抑制することで溶存酸素濃度を好ましくは0.1〜1.5mg/L、より好ましくは0.2〜1mg/L、更に好ましくは0.3〜0.8mg/Lとすることも有効である。
【0052】
また、BOD除去槽のpHを酸性側、即ち、pH4〜7、より好ましくは5.5〜6.5としたり、pHをアルカリ側、即ちpH9.0〜10.0などとすることでも効果的に硝化反応を抑制することができる。
【0053】
上述の溶存酸素濃度制御法又はpH制御法を用いる場合、浮遊状態のフロックを利用するBOD除去装置であればSRTを前述の範囲の1〜3倍、より好ましくは1〜2倍まで拡げることができ、担体を用いる方法では担体表面積当たりのBOD負荷を前述の値の0.2〜1倍、より好ましくは0.5〜1倍まで拡げることができる。
【0054】
硝化反応の抑制には、更に水温の調整も有効である。即ち、上述のように硝酸性窒素を生成させる硝化細菌は、BOD除去を行う細菌に比べると増殖速度が遅く、特に20℃以下の低水温、更に望ましくは15℃以下の低水温において、硝化細菌の増殖は抑制され、硝化反応の抑制が比較的容易となる。一方、このような水温においても、5℃以上、更に望ましくは10℃以上であれば、BOD除去を行う細菌は増殖可能であり、BOD除去を行うことができる。但し、水温が低いほどBOD除去能力は低下し、より大きな反応槽が必要になったり、より多くの担体が必要になるため、これらの要素から、特に最適な水温は12〜23℃程度であり、特に15〜20℃が好ましい。
【0055】
一方、後段のANAMMOX脱窒槽では、ANAMMOX反応の進行を促進し、ANAMMOX菌の増殖速度を速めるため、通常20〜40℃の水温とするのが好ましく、特に25〜35℃、とりわけ30〜35℃の水温が好ましい。このため、一般的には、原水を蒸気やヒーターなどで加温してからANAMMOX脱窒槽に導入することが好ましいが、このような加温を行う場合にも、BOD除去手段を経た後に加温を行うことが好ましい。また、BOD除去手段の手前で上述の比較的低い水温、例えば12〜23℃に温度調整し、更にANAMMOX反応槽の手前で25〜35℃に加温することも効果的である。
【0056】
上述の如く、BOD除去手段において硝化を抑制して処理を行った場合、BOD除去を行う細菌にとっても比較的生息が厳しい環境となっているために、BOD除去処理水中には、沈降性の悪いフロックや分散状態で増殖した菌体が生じ、水中のSS濃度が増加したり、また通常のSS分析に用いる1μmの濾紙を透過するような極微細なSS、例えば0.45μmや0.2μmのメンブレンフィルターで除去されるような微細なSSが生ずる。これらのSSも後段のANAMMOX脱窒槽へ流入すると、SS由来の障害が生ずるために、前述のSS除去手段で除去することが望ましく、特に凝集分離手段を用いて除去することにより高い除去率が得られるため望ましい。
【0057】
本発明では、このようにしてBOD除去工程において、硝酸性窒素の生成を抑制し、ANAMMOX脱窒槽の処理水中の硝酸性窒素のうち、BOD除去工程で生成した硝酸性窒素を、ANAMMOX反応で不可避的に生成した硝酸性窒素の同等以下とすることが好ましく、このように硝酸性窒素の生成を抑えるために、BOD除去工程において、アンモニア性窒素が硝酸性窒素に転換される割合を30%以下に抑制することが好ましい。ANAMMOX脱窒槽の処理水中の硝酸性窒素濃度をより一層低減し、その後段の脱窒設備への硝酸性窒素負荷を低減するためには、前段のBOD除去工程において、適切な条件を設定し、このBOD除去工程において、アンモニア性窒素の硝酸性窒素への転換率を0〜20%、特に0〜10%とすることが好ましい。
【0058】
本発明において、ANAMMOX脱窒槽の前段の有機物除去手段で有機物を除去することにより、ANAMMOX脱窒槽への流入有機物量をできるだけ少なくすることが好ましく、特に流入有機物量はBODとして、ANAMMOX脱窒槽でANAMMOX反応により除去されるアンモニア性窒素量(NH4−N)に対して、0〜20重量%より好ましくは0〜2重量%とするのが良い。従って、このようにBOD流入量の低減を達成するために、BOD除去手段の仕様やBOD除去方法を適宜設計することが望まれる。
【0059】
次に、本発明で用いるANAMMOX脱窒槽について説明する。
【0060】
ANAMMOX脱窒槽としては、槽内でANAMMOX菌を浮遊状態で増殖させ、その後段において脱窒槽から流出したANAMMOX菌を、沈殿槽、浮上分離槽、遠心分離機、その他の固液分離手段により処理水から分離し、濃縮されたANAMMOX汚泥を脱窒槽に返送するものが好適である。
【0061】
また、微生物が付着する担体を反応槽内に充填し、担体表面に生物膜として増殖するANAMMOX菌を利用した脱窒槽であっても良く、この場合、担体が脱窒槽内にほぼ静置された状態で保持される固定床でも良く、また、担体がガスや撹拌機などにより緩やかに流動する流動床でも良く、菌体が主体となって造粒した微生物を用いるいわゆるUSB脱窒槽であっても良い。また、この担体が比較的均一な粒径を持つもので密に充填され、SSの濾過機能を併せ持つ生物濾過方式であれば特に本発明に好適である。
【0062】
また、上述の浮遊状態で増殖するANAMMOX菌と担体表面に増殖するANAMMOX菌を併用した脱窒槽であっても良い。
【0063】
ANAMMOX脱窒槽に流入する原水中の窒素が主にアンモニア性窒素である場合、ANAMMOX反応により窒素除去を行うためには亜硝酸性窒素を添加する必要がある。この亜硝酸性窒素は、工業薬品などで添加しても良く、原水中のアンモニア性窒素の一部を亜硝酸化させても良い。アンモニア性窒素の亜硝酸化の方法としては、亜硝酸酸化細菌の働きを抑制しつつ、アンモニア酸化細菌を作用させる生物学的方法が好んで用いられる。
【0064】
しかし、原水中の有機物、特に懸濁態の有機物に加えて、亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素が存在する条件で沈殿操作を行おうとすると、前述の如く、この有機物を栄養源とし、亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素を電子受容体として脱窒を行う従属栄養細菌が増殖し、この時に発生した脱窒ガスが沈降しつつあるSSに付着して浮力を与え、水面に浮上させてしまうことで沈降分離が困難になる場合がある。
【0065】
このような現象を回避するためには、上述のSS除去手段及び/又は有機物除去手段の下流側で亜硝酸性窒素を添加又は生成させることが望ましい。
【0066】
本発明において、特に好ましい態様は次の通りである。
(1) ANAMMOX脱窒槽上流のSS除去手段として沈殿槽(又は凝集沈殿槽)を用い、沈殿分離後の液に対して亜硝酸性窒素を生成及び/又は供給する。
(2) 上記(1)において、亜硝酸性窒素と硝酸性窒素の合計が5〜100,000mg/L、特に5〜5,000mg/Lを含む原水を対象としたものであって、沈殿槽の上流側に亜硝酸性窒素及び/又は硝酸性窒素の脱窒装置を設ける。
(3) ANAMMOX反応のための亜硝酸性窒素の生成方法が生物学的手法によるもの。この場合には原水から流入したSSの除去と、生物学的亜硝酸生成プロセスで発生したアンモニア酸化細菌や原水中の有機物を摂取して増殖した従属栄養細菌を、一つのSS除去手段で同時に除去することができるため、特に設備費と運転費、装置の設置面積を節約できる。
【0067】
次に、図1〜4を参照して本発明による処理フローを説明する。図1〜4は、本発明による脱窒処理を組み込んだ排水処理フローの実施例を示す系統図である。
【0068】
図1の排水処理フローでは、亜硝酸生成槽で原水中の有機物を摂取する従属栄養細菌及びアンモニア酸化細菌を増殖させ、これらの細菌と共に原水中のSSを沈殿槽(第1の沈殿槽)にて沈降分離する。沈降分離した汚泥の一部又は全部は必要に応じて亜硝酸生成槽へ返送されるが、特に返送を必要としない場合もある。亜硝酸生成槽では原水から流入する有機態窒素やアンモニア性窒素のうち、一部のみを亜硝酸性窒素に変換し、ANAMMOX反応に適した割合のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素が生成するように設計される。
【0069】
原水中の有機物が多く、従属栄養細菌の量が多い場合や、原水SSが有機性の易分解性のものである場合などには、前述の如く、第1の沈殿槽で従属栄養性の脱窒現象が起こり、汚泥が浮上し沈降分離に支障をきたすことがあるため、本フローは原水中の有機物が少なく、SSも難分解性であるか、無機性のものが主体である場合に採用される。
【0070】
本フローに好適な原水のBOD濃度は好ましくは0〜200mg/L、より好ましくは0〜50mg/Lである。
【0071】
この沈殿槽の分離液は脱酸素槽で脱酸素処理された後、ANAMMOX脱窒槽に送給される。即ち、ANAMMOX菌は液中の溶存酸素(DO)により阻害を受けるため、脱窒槽に流入する水からは予め酸素を除去しておく必要がある。このDO除去のためには、各種の脱気装置を用いることができる。
【0072】
ANAMMOX脱窒槽の脱窒液は沈殿槽(第2の沈殿槽)で固液分離され、分離汚泥は必要に応じて一部が系外へ引き抜かれ、残部はANAMMOX脱窒槽に返送される。ただし、ANAMMOX脱窒槽の型式は任意であり、このように沈殿槽や汚泥の返送を必要とするものに何ら限定されない。このフローでは、ANAMMOX脱窒槽の後段にANAMMOX反応で生成する硝酸性窒素や残留する亜硝酸性窒素を除去するための脱窒処理工程が設けられており、第2の沈殿槽の分離液は脱窒槽に導入されメタノール等の有機物が添加されて脱窒処理される。脱窒処理液は再曝気槽で更に処理された後第3の沈殿槽で固液分離され、分離液が処理水として系外へ排出される。分離汚泥は、必要に応じて一部が系外へ引き抜かれ、残部は脱窒槽へ返送される。
【0073】
ANAMMOX脱窒槽の後段の脱窒処理工程は必須ではないが、これを設けることにより、処理水の水質を高めることができる。
【0074】
図2に示すフローでは、原水の一部のみを亜硝酸生成槽に導入し、残部は亜硝酸生成槽をバイパスすることで、原水の一部についてのみアンモニア性窒素から亜硝酸性窒素を生成させる。この場合、亜硝酸生成槽を経由する原水量とバイパスする原水量とを正確に制御することができるように流量調整弁と流量測定手段を設けておくことが好ましい。
【0075】
この場合、この後の固液分離に沈殿槽を用いると、前述したように沈殿槽で亜硝酸性窒素が脱窒されて脱窒ガスが発生することによる汚泥浮上の問題が生ずることがあるため、本フローでは凝集加圧浮上を用い、浮上分離槽手前の凝集槽で、塩化第二鉄や硫酸バンドなどの無機凝集剤と高分子凝集剤を添加して凝集処理した後、浮上分離を行う。ただし、原水中のSSの浮上分離性が良い場合には必ずしも凝集処理を行う必要はない。
【0076】
また、原水中に含まれる有機物が少ない場合などには浮上分離法の代わりに沈殿分離法を用いることも可能である。
【0077】
浮上分離槽の後段の処理フローは図1に示すフローと同様である。
【0078】
図3に示すフローでは、亜硝酸生成槽の前段に凝集槽と沈殿槽を設け、亜硝酸化に先立ち凝集沈殿分離を行うことで、前述した沈殿槽での汚泥浮上の問題を回避している。
【0079】
一方、亜硝酸生成槽の後段では、亜硝酸を生成させるアンモニア酸化細菌の維持のため再度沈殿分離を行っており、集められたアンモニア酸化細菌の少なくとも一部は返送汚泥として亜硝酸生成槽へ返送される。この沈殿槽においても原水由来のSSを除去する機能があるため、前段の凝集沈殿で除去し得なかったSSをここで除去することができる。特に、原水中のSSが高濃度である場合や、凝集剤を節約する又は全く使わない場合や、最初の沈殿槽の水面積負荷を高くとり、設置面積を節約したい場合などにも、このフローは有効である。
【0080】
なお、亜硝酸生成槽の前段の凝集沈殿分離で十分にSSが除去される場合は、亜硝酸生成槽後の沈殿槽を省略して設置面積と設置コストの節約を図ることも可能である。即ち、亜硝酸生成槽で生じるアンモニア酸化細菌の菌態はSSとしてはわずかであり、問題にならないことが多く、特に菌態を生物膜の形式で亜硝酸生成槽内に保持する場合には、後段に流出するSSはより少なくなるため好ましい。
【0081】
亜硝酸生成槽以降の処理フローは図1に示すフローと同様である。
【0082】
図4に示すフローでは、原水中の有機物がBOD酸化槽で酸化され、BOD酸化槽の後段の凝集槽及び沈殿槽において、BOD酸化槽で生成した従属栄養細菌などの菌体と原水由来のSSを凝集沈殿除去する。BOD酸化槽としては、後述の実施例で用いたものなどの任意のものが使用できるが、ここではSSの除去機能が必要無いために、SSを補足する機能の弱い浮遊担体を用いる方法などが好適な例として考えられる。この場合にはBOD酸化細菌を保持するための沈殿槽も必要無く、設置面積と設置コストが節約でき、好適である。
【0083】
また、このフローでは、プロセスを簡易なものとし、設備コストを節約するために、脱酸素槽の入口側で亜硝酸性窒素を外部から添加するが、設備コストと設置面積に余裕がある場合には、先述の例と同様、亜硝酸生成槽を用いることも可能である。
【0084】
脱酸素槽以降の処理フローは図1に示すフローと同様である。
【0085】
このような本発明の脱窒装置及び脱窒方法は、工業排水、汚泥消化脱離液、埋立浸出水、屎尿等のアンモニア性窒素含有排水の処理に好適であるが、本発明によれば、ANAMMOXプロセスの反応速度の低下や汚泥の流出を防止してANAMMOX脱窒槽を小型化し、またANAMMOX菌による脱窒を安定して行うことができ、また、汚泥当たりのANAMMOX活性を高い状態に保つことができることから、アンモニア性窒素含有排水の脱窒処理のみならず他の反応槽にANAMMOX汚泥を運搬して立ち上げを行ったり、処理能力増強を行ったりするための汚泥の増殖にも有効であり、この場合、コストないし時間を著しく軽減することができる。
【0086】
【実施例】
以下に比較例及び実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0087】
比較例1
下水汚泥を嫌気性消化処理した後、塩化第二鉄及び高分子カチオン系凝集剤を添加してベルトプレス型脱水機で脱水し、得られた脱水濾液に含まれるアンモニア性窒素をANAMMOX反応を利用して除去する実験を行った。
【0088】
この脱水濾液は懸濁物質(SS)200〜500mg/L、BOD100〜500mg/L、アンモニア性窒素600〜700mg/Lを含有していた。この脱水濾液に亜硝酸性窒素を1,000〜1,500mg/L添加したものを原水(以下、この原水を「調整原水」と称す場合がある。)とし、これを窒素ガスと炭酸ガスの混合ガスが通気される容積2Lの脱気槽で直列に2回脱気処理して溶存酸素を除去した後に脱窒装置に供与した。
【0089】
脱窒装置として、容積30Lの第1の脱窒槽と容積5Lの第2の脱窒槽を直列に配置し、容積3L、分離面積80cm2の沈殿槽を有するものを用いた。
【0090】
図5はこの脱窒装置の構成を示す概略的な断面図である。
【0091】
この脱窒装置は、第1の脱窒槽1と、第2の脱窒槽2と沈殿槽3とで主に構成される。第1の脱窒槽1及び第2の脱窒槽2にはそれぞれ撹拌機1M,2Mが設けられ、沈殿槽3には脱窒処理液が流入するフィードウェル3Fと集泥用のレーキ3Mが設けられている。これら脱窒槽1,2及び沈殿槽3は密閉構造とされており、各槽1,2,3から脱窒ガスを排出する脱窒ガス排出管15a,15b,15A,15B及び15が設けられ、逆止弁(図示せず)で封止されている。
【0092】
原水は原水流入管11より第1の脱窒槽1に導入され、脱窒処理された後、連通管12より第2の脱窒槽2に移送される。第2の脱窒槽2の脱窒処理液は連通管13より沈殿槽3に移送され沈殿分離される。沈殿槽3で分離された分離液は処理水流出管14より処理水として系外へ排出され、分離汚泥はポンプPを備える汚泥返送管15により第1の脱窒槽1に返送される。
【0093】
第1の脱窒槽1には、図示しない炭酸ガス導入手段とこれと連動したpH調節計を設け、pHを7.5付近に維持した。沈殿槽3からの第1の脱窒槽1への汚泥返送量は投入原水量と当量とした。
【0094】
他の装置で増殖したANAMMOX汚泥を第1,第2の脱窒槽1,2にVSSで4,000mg/Lとなるように投入し、原水量40L/dayで通水を開始したところ、3日目まで第1の脱窒槽1出口のアンモニア性窒素が3mg/L以下であり、良好にANAMMOX反応が進行していることが確認された。このときのアンモニア性窒素の容積負荷は0.8kg−NH4−N/m3/dayであり、VSS当たりの除去速度は0.20kg−NH4−N/kg−VSS/dayであった。
【0095】
一方、汚泥濃度が急速に上昇したため、3日目以降は第1の脱窒槽1内から汚泥を引き抜いて系外へ排出し、槽内のVSS濃度を4,000mg/L付近に維持した。この後、5日目には第1の脱窒槽1出口のアンモニア性窒素が10mg/L程度残留しているのが確認され、ANAMMOX反応速度が低下していると思われたため、原水量を35L/dayに下げた。このため翌日には第1の脱窒槽1出口のアンモニア性窒素濃度は4mg/Lまで低下したが、次の日には8mg/Lまで上昇したため、更に30L/dayまで通水量を下げた。
【0096】
先に行った試験により、沈殿槽3においてアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素のどちらか一方が3mg/L以上残留した状態で沈殿分離すると、沈殿槽3においてANAMMOX反応による脱窒ガスが生成し、このガスが沈殿槽3でフロックを浮上させ、汚泥を流出させる問題が生ずることが分かっていたため、本比較例では第1の脱窒槽1の出口でアンモニア性窒素が残留している場合には、残留しなくなるまで負荷を下げる方法をとった。
【0097】
このような操作を繰り返した結果、約1ヶ月後には通水量が10L/dayとなった。しかし、このとき、第2の脱窒槽2の出口のアンモニア性窒素濃度が3mg/L以下であったにも関わらず、沈殿槽3で汚泥が浮上して流出する問題が生じた。このとき、脱窒槽で除去されたアンモニア性窒素に対し、亜硝酸性窒素が消費された量は約1.5倍量となっており、また生成した硝酸性窒素は約0.01倍量となっていた。以前の試験ではそれぞれ1.3倍量及び0.26倍量であったのに対し、本試験では亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素が少なくなっていることから、汚泥中には流入する有機物やSSとして蓄積した有機物を利用して脱窒を行う従属栄養細菌が増殖しているものと思われた。沈殿槽で汚泥が浮上した理由はこのような従属栄養細菌が沈殿槽で脱窒反応を起こし、脱窒ガスを生じ、この気泡が汚泥フロックに付着して浮力を与え、浮上したものと思われた。
【0098】
以降は処理水を窒素ガスを通気した100Lのタンクに受け、浮上汚泥を極力回収して脱窒槽へ戻し、通水を継続したが、徐々にANAMMOX反応速度は低下して、試験開始後40日目には通水量は5L/dayとなった。
【0099】
また、30日目の時点で処理水中のSSを集め、ANAMMOX反応速度を測定したところ、アンモニア性窒素の消費速度として0.08kg−NH4−N/kg−VSS/dayであり、一方、脱窒槽内の汚泥の反応速度は0.06kg−NH4−N/kg−VSS/dayであったため、脱窒槽内の汚泥のうち、ANAMMOX活性を持たないVSSよりもANAMMOX活性を持つ微生物の方が多く流出していることが確認された。
【0100】
実施例1
比較例1で得た脱水濾液に、塩化第二鉄及びアニオン系高分子凝集剤を添加して凝集沈殿操作を行い、SSを20mg/L以下まで除去した。凝集沈殿操作は回分的に、脱水濾液を撹拌しながら塩化第二鉄を鉄として100mg/L添加し、カセイソーダでpHを7.5に調整した後、アニオン系高分子凝集剤を1mg/L添加してフロックを形成させ、30〜60分間静置して上澄みを取り出すことにより行った。この操作の結果、アンモニア性窒素濃度600〜700mg/L、BOD50〜300mg/L、SS10〜20mg/Lの上澄水が得られた。
【0101】
この上澄水を原水として比較例1と同様にして亜硝酸性窒素を添加し、その後2段脱気した後、図5に示す脱窒装置に通水したところ、約1週間後から第1の脱窒槽1の出口のアンモニア性窒素濃度が徐々に低下してきたため、漸次通水量を上げていった。この結果、約5週間後には通水量は15L/dayで安定し、容積当たりのアンモニア性窒素除去速度は0.3kg−NH4−N/m3/day、VSS当たりの除去速度は0.08kg−NH4−N/m3/dayとなった。
【0102】
この除去速度は種汚泥として用いたANAMMOX汚泥の除去速度の約4割であるが、これは、上澄水中にBODが含まれて流入するためにこのような負荷に留まったものと思われる。
【0103】
比較例2
比較例1の調整原水に対し、9倍量の水道水を混合して10倍希釈液を作成し、これを窒素ガスと炭酸ガスの混合ガスが通気される容積2Lの脱窒槽で直列に2回脱気処理して溶存酸素を除去したものを原水としてUSB脱窒槽を用いた脱窒試験を行った。この原水は懸濁物質(SS)20〜50mg/L、BOD10〜50mg/L、アンモニア性窒素60〜70mg/L、亜硝酸性窒素100〜150mg/Lを含有した。
【0104】
使用したUSB脱窒槽は内径30cm、グラニュール充填高さ28cmで、上部にはGSSを設置した。グラニュール充填部容積は20Lである。
【0105】
GSSから流出した処理水の一部はポンプにより循環し、原水と混合して脱窒槽下部から注入した。原水と循環水の流量は合計で1.7m3/dayとなるように調整し、槽内の上昇流速を1m/hrとした。このときGSSの沈殿部の上昇流速は1.6m/hrとなった。
【0106】
種汚泥として、メタン生成細菌を主体とするグラニュールを核として他のUSB反応槽でANAMMOX菌の合成基質を通水し、ANAMMOX菌を増殖させたグラニュールを用い、このグラニュールをUSB脱窒槽内に所定量投入し、1.1m3/dayの原水を通水開始したところ、処理水のアンモニア性窒素濃度は約20mg/Lとなり、ANAMMOX反応による窒素除去が確認された。グラニュール充填部当たりのアンモニア性窒素除去速度は3kg−NH4−N/m3/dayと計算された。
【0107】
この後、約1週間で処理水アンモニア性窒素濃度は10mg/Lまで低下し、ANAMMOX菌が反応槽内で増殖したことにより窒素除去速度が高まったことが確認された。しかしこの頃から1辺2〜4cm程度の固まりとなったグラニュールが浮上し、処理水へ流出する現象が見られた。
【0108】
10日後以降は再度処理水アンモニア性窒素が上昇し始め、15日目には25mg/Lまで悪化したため、原水通水量を0.8m3/dayに落とした。この結果、アンモニア性窒素濃度は10mg/Lまで回復したが、徐々に濃度が上昇したため、さらに原水通水量を低下させる必要が生じた。
【0109】
このように原水通水量を下げて行ったところ、40日目には通水量0.2m3/day、処理水アンモニア性窒素濃度10mg/Lとなり、アンモニア性窒素除去速度は0.6kg−NH4−N/m3/dayとなった。
【0110】
このとき槽内のグラニュールを取り出して観察すると、グラニュール表面の生物膜は柔らかく、指で擦ると容易に剥離することから、通常よりも明らかに弱い生物膜が形成されていることが確認された。このため、このようなグラニュールがUSB脱窒槽内で脱窒ガスの発生により流動して擦れあうと、生物膜が容易に剥離してグラニュール表面から失われ、負荷が低減するものと推測された。
【0111】
実施例2
比較例2において、希釈する前の調整原水を、塩化第二鉄及びアニオン系高分子凝集剤で凝集沈殿操作を行い、SSを20mg/L以下まで除去した。凝集沈殿操作は回分的に、原水を撹拌しながら塩化第二鉄を鉄として100mg/L添加し、カセイソーダでpHを7.5に調整した後、アニオン系高分子凝集剤を1mg/L添加してフロックを形成させ、30〜60分間静置して上澄みを取り出すことにより行った。この操作の結果、アンモニア性窒素濃度600〜700mg/L、BOD50〜300mg/L、SS10〜20mg/Lの上澄水が得られた。
【0112】
この上澄水に比較例1と同様にして亜硝酸性窒素を添加してから10倍希釈したものを新たな原水として比較例2と同様にして溶存酸素の除去を行った後、USB脱窒槽に通水したところ、約2週間後には浮上するフロックが見られなくなり、処理水のアンモニア性窒素濃度も10mg/L付近で安定した。しかし、約1ヶ月同じ条件で通水を継続しても、処理水のアンモニア性窒素濃度が低下する傾向が見られなかったために、ANAMMOX菌が何らかの理由により増加しなくなったことが明らかとなった。さらに1ヶ月後には、処理水のアンモニア性窒素濃度はやや上昇し、25mg/Lとなったため、徐々に反応速度が低下していることがわかった。この原因は、有機物の阻害作用として前述したように、流入する有機物の影響、及び脱窒槽内に蓄積したSS態有機物の影響であると思われた。
【0113】
実施例3
実施例2において、凝集沈殿操作に先立ち、BODを除去するための生物処理を行ったこと以外は同様にして処理を行った。
【0114】
BODの除去には、図6に示す如く、20Lの反応槽31に担体32として3mm角のウレタンフォーム製スポンジを見掛け容積4L投入したものを用い、反応槽31の出口には目開き1mmで5cm×10cmの分離面積を持つウェッジワイヤースクリーン33を設置し、スポンジ担体32の流出を防止した。反応槽31の下部からは散気管34より曝気を行うことで酸素を供給し、特にこの曝気空気がウェッジワイヤースクリーン33に当たることでウェッジワイヤースクリーン33周辺にスポンジ担体32が堆積するのを防止した。図6中、35は原水注入ポンプ、36はエアポンプである。
【0115】
この反応槽31に前記調整原水を250L/dayの流量で通水し、得られた処理水に対して実施例2と同様にして凝集沈殿操作を行った。この結果、得られた上澄水はアンモニア性窒素濃度500〜600mg/L、硝酸性窒素濃度0〜10mg/L、BOD5〜20mg/L、SS10〜20mg/Lとなった。この液を10倍希釈したものを新たな原水として溶存酸素を除去した後USB脱窒槽に通水した。
【0116】
通水開始直後は処理水のアンモニア性窒素が20mg/Lとなったが、これは原水中のアンモニア性窒素濃度が低下したためであると思われた。約2週間の間、除去性能に顕著な変化は見られなかったが、その後約3週間で処理水のアンモニア性窒素濃度は5mg/Lまで低下した。このため原水の通水量を0.3m3/dayまで増加したところ、再び処理水のアンモニア性窒素濃度は20mg/L付近まで上昇したが、その後は2週間の間に処理水アンモニア性窒素濃度が5mg/L以下まで低下した。同様にして通水量を上げて行ったところ、加速度的にアンモニア性窒素の除去能力は上昇し、約6週間後には原水の通水量を1.4m3/dayまで上げることができた。このとき、処理水のアンモニア性窒素濃度は5mg/L以下となり、アンモニア性窒素の除去速度として3.8kg−NH4−N/m3/dayまで到達したことが確認された。
【0117】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の脱窒装置によれば、ANAMMOX反応に先立ち、原水中のSSを除去することにより、SS、或いはSSに転換される有機物やBOD由来のANAMMOX反応への阻害を防止し、ANAMMOX脱窒槽内のANAMMOX菌の活性を高め、また、ANAMMOX菌を高濃度に保持することができ、この結果ANAMMOX脱窒槽の容積負荷を高くとることで、ANAMMOX脱窒槽を小型化することができる。
【0118】
また、ANAMMOX汚泥を沈殿させる沈殿槽における汚泥の浮上が防止され、汚泥の浮上、流出による窒素除去性能の悪化や処理水水質の悪化は防止される。
【0119】
特に、生物膜を利用した脱窒槽においてはANAMMOX菌の生物膜を強固で剥離しにくいものにすることができ、また、担体のブロック化現象とそれに伴う担体の流出や処理水水質の悪化も防止される。この結果、担体当たりの窒素除去速度を高め、担体使用量、反応槽容積の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の脱窒方法の実施の形態を示す系統図である。
【図2】 本発明の脱窒方法の他の実施の形態を示す系統図である。
【図3】 本発明の脱窒方法の別の実施の形態を示す系統図である。
【図4】 本発明の脱窒方法の異なる実施の形態を示す系統図である。
【図5】 比較例及び実施例で用いた脱窒槽装置の概略的な構成を示す断面図である。
【図6】 実施例3で用いたBOD除去装置の概略的な構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 第1の脱窒槽
2 第2の脱窒槽
3 沈殿槽
31 反応槽
32 担体
33 ウェッジワイヤースクリーン
34 散気管
Claims (2)
- アンモニア性窒素を含む原水を、アンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とする脱窒微生物の作用により、亜硝酸性窒素の存在下に脱窒処理する脱窒槽を含む脱窒装置であって、
原水中の懸濁物質を除去する懸濁物質除去手段として、該脱窒槽の上流側に、原水中の懸濁物質を沈殿除去する第1の沈殿槽を備えると共に、該脱窒槽の下流側に、脱窒処理液を上澄水と前記脱窒微生物を含む汚泥とに固液分離する第2の沈殿槽とを備え、
該第1の沈殿槽の水面積負荷が第2の沈殿槽の水面積負荷よりも小さいことを特徴とする脱窒装置。 - 該第1の沈殿槽の水面積負荷が第2の沈殿槽の水面積負荷の0.01〜0.8倍であることを特徴とする請求項1に記載の脱窒装置。
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