JP2003266095A - 硝化グラニュールの形成方法 - Google Patents

硝化グラニュールの形成方法

Info

Publication number
JP2003266095A
JP2003266095A JP2002070011A JP2002070011A JP2003266095A JP 2003266095 A JP2003266095 A JP 2003266095A JP 2002070011 A JP2002070011 A JP 2002070011A JP 2002070011 A JP2002070011 A JP 2002070011A JP 2003266095 A JP2003266095 A JP 2003266095A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitrification
granules
forming
aqueous solution
ammonia
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002070011A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Tokida
聡 常田
Akira Hirata
彰 平田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Waseda University
Original Assignee
Waseda University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Waseda University filed Critical Waseda University
Priority to JP2002070011A priority Critical patent/JP2003266095A/ja
Publication of JP2003266095A publication Critical patent/JP2003266095A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自己固定化法により、強度、沈降性およびN
4 +−N除去速度に優れた硝化グラニュールを形成する
ことを目的とする。 【解決手段】 硝化細菌を含む汚泥と、無機性アンモニ
ア含有水溶液とを、上向流好気性条件下、反応槽内にて
連続的に接触させることを特徴とする硝化グラニュール
の形成方法により課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硝化細菌のグラニ
ュール体である硝化グラニュールを形成する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、湖沼・内湾・内海などの停滞性・
閉鎖性水域において富栄養化が問題視されおり、その誘
発因子である窒素化合物等の高度処理技術の開発が社会
的急務であり、水環境保全のために不可欠なことであ
る。
【0003】廃水の処理技術には大別して生物学的処理
と物理化学的処理に分けられるが、窒素化合物等の富栄
養化原因物質を処理する際には経済面、環境負荷等を考
慮すると生物学的処理が適していると考えられる。
【0004】この生物学的処理を適用して窒素化合物等
を含む廃水の処理を行う場合、好気性条件下において硝
化細菌によりアンモニアを亜硝酸、硝酸へと酸化する硝
化工程、および嫌気性条件下において脱窒細菌により亜
硝酸、硝酸を窒素ガスへと還元する脱窒工程の2つの工
程を経るが、化学独立性の硝化細菌は脱窒細菌に比べ増
殖速度が遅く、処理装置外へウォッシュアウトされやす
いために硝化工程が律速となっている。
【0005】そこで、ウォッシュアウトを防止し、硝化
工程の効率化を図るためには硝化細菌を処理装置内に高
密度に保持する微生物固定化技術が重要となってくる。
現在、主に用いられている固定化技術には、硝化細菌を
担体上に自然に付着・固定化させる生物膜法、硝化細菌
を担体の微細な格子構造内に固定化させる包括固定化法
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たとおり増殖速度が遅く、特に無機性廃水中において生
物膜の元となる細胞外ポリマーの産出量が少ない硝化細
菌の固定化に、担体を用いる微生物固定化法を適用する
ことは多大な時間と労力を必要とする。
【0007】そこで、発明者らは担体を一切必要としな
い微生物固定化法として自己固定化法に注目した。自己
固定化法とは、微生物が持つ凝集作用を利用し微生物を
グラニュール化(造粒化)する微生物固定化技術である
が、これまでは、前述の通り、細胞外ポリマーの産出量
が少ない硝化細菌のグラニュール(以下、硝化グラニュ
ール)を形成することは困難であると考えられていた。
【0008】すなわち、本発明は、自己固定化法によ
り、強度、沈降性およびアンモニア態窒素(NH4 +
N)除去速度に優れた硝化グラニュールを形成すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】課題を解決するために、
本発明は、硝化細菌を含む汚泥と、無機性アンモニア含
有水溶液とを、上向流好気性条件下、反応槽内にて連続
的に接触させることをその特徴とする。
【0010】また、硝化グラニュールの形成をより効率
的に促進させるためには、無機性アンモニア含有水溶液
の滞留時間を段階的に短縮すること、さらに反応槽上部
からウォッシュアウトし、沈降槽に溜まった汚泥を反応
槽内に返送することが好ましい。
【0011】ここで「滞留時間(HRT)」とは、無機
性アンモニア含有水溶液が反応槽に入ってから出るまで
の時間であり、反応槽の槽容量を流入速度で割った平均
滞留時間を意味する。
【0012】また、無機性アンモニア含有水溶液が無機
炭素源を500〜1500mg/l含み、さらには、そ
の無機炭素源が炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウ
ムであることが好ましい。
【0013】さらに、無機性アンモニア含有水溶液が微
量金属としてリンおよび/または鉄を0.1〜10mg
/l含むこと、無機性アンモニア含有水溶液のpH値を
7.0〜8.5に調整すること、そのpH値の調整に炭
酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムを用いること、
曝気量が0.016〜0.32l-Air/m3/l-bedの範囲
であること、も硝化グラニュールの形成促進に好まし
い。
【0014】以上のような本発明の方法によれば、反応
槽下部に高微生物濃度および高NH 4 +−N濃度環境を作
り出すことができ、このような環境下において硝化細菌
のグラニュール化が促進されるため、担体を用いた硝化
細菌の固定化と比較して、強度、沈降性およびNH4 +
N除去速度に優れた硝化グラニュールを形成することが
できる。したがって、廃水処理槽内に硝化細菌を高密度
に保持し、効率のよい硝化処理を提供することも可能と
なる。
【0015】以下、本発明について詳細に説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明では、図1に示すような装
置を用いて硝化グラニュールを形成する。この装置は、
反応槽1と、反応槽下部に接続された溶液流入路2およ
び空気流入路3と、無機性アンモニア含有水溶液を反応
槽に供給するために溶液流入路に接続されたポンプ4
と、空気を反応槽に供給するために空気流入路に接続さ
れたエアーポンプ(図示していない)と、反応槽上部に
位置する気液分離部5と、反応槽上部に接続された溶液
流出路6と、水溶液と共にウォッシュアウトしてくる汚
泥を受け止めるために溶液流出路の出口に設置された沈
降槽7と、を少なくとも備える。
【0017】ここで使用可能な反応槽としては、気相と
液相との接触時間が長く、汚泥を保持しうるものであれ
ばその形状、大きさは限定されないが、好ましくは、筒
状のものであり、溶液の流入量およびアンモニア態窒素
濃度により、その槽径、高さを決定する。また、その他
の装置の構成に関しては、特に限定されるものではな
く、例えば、気泡を細かくするための散気板等、一般的
に使用されているものを備えていても良い。
【0018】上記のような装置を使用して硝化グラニュ
ールを形成する方法としては、まず、反応槽内に硝化細
菌を含む汚泥をいれる。
【0019】ここで用いる汚泥としては、汚泥内に硝化
グラニュールの種となる硝化細菌が含まれていればよい
が、好ましくは硝化細菌が優占化している汚泥を用い
る。例えば、一般的な下水処理場の汚泥を本廃水で馴養
することで硝化細菌が優占化した汚泥を得ることができ
る。
【0020】また、反応槽へ入れる微生物の活性汚泥中
濃度(MLSS)としては、特に限定されず、例えば、
MLSSが300mg/l程度の低濃度から開始しても
硝化グラニュールの形成を行うことができるが、最初に
入れる微生物量が多ければ多いほど、グラニュール化が
より促進され、短期間で所望の大きさの硝化グラニュー
ルを形成することができる。したがって、開始時のML
SSが1000〜2000mg/lであると硝化グラニ
ュール形成にとって好ましい。
【0021】次に反応槽の下部の溶液流入路および空気
流入路から無機性アンモニア含有水溶液および空気をポ
ンプにより連続的に供給することで、反応槽内を上向流
好気性状態に保持する。
【0022】ここで供給される無機性アンモニア含有水
溶液は、少なくとも硝化細菌の栄養分となるアンモニア
態窒素および無機炭素源を含むことが必要である。これ
らを十分な濃度与えることで硝化細菌の増殖が活発にな
り、硝化グラニュール形成にとって好ましい環境にな
る。
【0023】アンモニア態窒素の濃度は、硝化細菌が増
殖するのに十分な濃度、すなわち、硝化細菌に対するア
ンモニア容積負荷として十分に大きい値を適宜実験によ
り決定することが好ましく、無機性アンモニア含有水溶
液の滞留時間を終始一定の値としても構わない。より好
ましくは、硝化細菌が徐々に増殖する分、これに応じて
滞留時間を短縮し、アンモニア容積負荷をほぼ一定に保
つことであり、この場合、効率よく硝化グラニュール形
成を行うことができる。滞留時間を短縮する時の基準と
しては、安定してアンモニア態窒素の処理が得られ、反
応槽内が定常になった時である。
【0024】また、無機炭素源としては、限定されない
が、炭酸ナトリウム(Na2CO3)または炭酸水素ナト
リウム(NaHCO3)であることが好ましく、これら
を添加した場合、無機性アンモニア含有水溶液のpHも
同時に調整することが可能となる。また、無機炭素源の
濃度は、硝化細菌の栄養源として枯渇しない十分な量で
あれば特に限定されないが、好ましくは500〜150
0mg/l、より好ましくは800〜1200mg/l
である。
【0025】さらに、無機性アンモニア含有水溶液には
上記成分の他にカルシウム、マグネシウム、ケイ素、カ
リウム、硫酸、炭酸、ナトリウム等の無機性イオンが含
まれていても構わない。特に微量金属としてリンおよび
/または鉄を0.1〜10mg/l含むことが好まし
く、1〜5mg/l含むことがより好ましい。このリン
および/または鉄は溶液のpH値を調整することでそれ
ぞれ微粒子またはコロイドを形成し、硝化細菌の凝集を
助け、硝化グラニュールの形成を促進する。通常の廃水
にはリンおよび/または鉄が微量金属として含まれてい
るが、これらを含まない、もしくはその濃度が十分では
ない廃水を無機性アンモニア含有水溶液として使用する
場合には上記濃度範囲となるように、水溶性のリンおよ
び/または鉄の化合物を添加することが好ましい。
【0026】また、無機性アンモニア含有水溶液のpH
値は、pH調整剤により好ましくは7.0〜8.5、よ
り好ましくは7.5〜8.3の範囲に調整される。この
範囲外である場合には、鉄などの微量金属の微粒子また
はコロイドが形成されず、さらには、硝化細菌が失活し
てしまうなどの不具合を生じる。また、上記pH値の範
囲は、無機炭素源として炭酸ナトリウムまたは炭酸水素
ナトリウムを用いた場合も同様であるから、この範囲に
pHが収まるように炭素源としての濃度を検討する必要
がある。
【0027】また、無機性アンモニア含有水溶液に供給
する曝気量は、反応槽の形状、大きさ等を考慮すること
はもちろん、グラニュール形成を妨害しない最適量で、
かつ硝化細菌の増殖のために溶液中の溶存酸素を少なく
とも1mg/l以上に保てるような量を適宜実験により
決定する。好ましくは、0.016〜0.32l-Air/m
3/l-bed、より好ましくは0.079〜0.29l-Air
/m3/l-bedである。なお、「l-Air/m3/l-bed」は、
単位装置容積当たりの曝気量(速度)を意味する。曝気
量が0.016l-Air/m3/l-bedより小さいと水溶液中
の溶存酸素濃度が低下し、好気性である硝化細菌の増殖
が停止してしまうためグラニュール形成に悪影響を及ぼ
す。また、曝気量が0.32l-Air/m3/l-bedより大き
いと、硝化細菌のウォッシュアウト量が増加し、さらに
は、気泡の剪断応力により所望の大きさのグラニュール
が得られない場合があり、さらには、細かい気泡が合一
し大きな気泡(スラグ流)となり気液界面が減少するこ
とで結果的に溶存酸素濃度が減少してしまうという不具
合を生じる。
【0028】さらに、硝化グラニュール形成を促進する
ために、ウォッシュアウトされ沈降槽に溜まった汚泥を
定期的に反応槽内へ返送することが好ましい。
【0029】さらに、無機性アンモニア含有水溶液の温
度は、特に限定されず、室温でよい。
【0030】以上のようにして、所望の大きさの硝化グ
ラニュールが形成されるまで上向流好気性流動床の状態
を保持する。
【0031】以下、実施例により本発明をさらに詳細に
説明するが、この開示の一部を為す記載および図面は本
発明の範囲をなんら限定するものではなく、当業者には
様々な代替実施の形態、実施例、および運用技術が明ら
かとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、明細
書および図面から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定
事項によってのみ定められるものである。
【0032】
【実施例】(実施例1) グラニュールの形成 直径5cm、高さ3.2mの構造を有する有効容積6.
3lの反応槽を用意し、ここへ下水処理場の汚泥を本廃
水で約2年間馴養した種汚泥を入れた。さらに1.0l
/minの量の空気とともに表1に示す組成である無機
性アンモニア含有水溶液を反応槽下部のそれぞれの流入
路から連続的に供給することで、上向流好気性条件下を
保持した。なお、無機性アンモニア含有水溶液の滞留時
間は表2に示すとおりに短縮した。また、沈降槽にウォ
ッシュアウトされた汚泥は反応槽内に定期的に返送し
た。
【0033】
【表1】
【表2】 このような上向流好気性流動床を100日間保った結
果、直径約200μmのグラニュールが形成され(図
2)、550日目には直径約1100μmのグラニュー
ルが形成された。
【0034】(実施例2) グラニュールのキャラクタリゼーション 実施例1により形成されたグラニュールの形態を確認す
るためSEM(走査電子顕微鏡)により表面構造の観察
を試みた。
【0035】パラホルムアルデヒドおよびオスミウム酸
二重固定化法でグラニュールの前処理を行った後、これ
に金蒸着(400Å)を施し、SEM(JSM−520
0、日本電子)で観察した。そのSEM画像を図3aお
よび図3bに示す。これにより、グラニュール表面は微
生物が高密度に層を形成した構造をとっていることが確
認された。
【0036】さらに、実施例1により形成されたグラニ
ュール内の微生物群集構造の解析をFISH(fluoresc
ence in situ hybridization)法により行った。
【0037】FISH法は、蛍光標識をつけたオリゴヌ
クレオチドプローブを16SrRNA内の種特異的な塩
基配列を標的としてハイブリダイゼーションさせ、蛍光
顕微鏡下で特定の微生物のみを特異的に検出する方法で
ある。ハイブリダイゼーションは、Amannらの方法(Mol
ecular Microbial Ecology Manual, 3.3.6:1-15 (199
5))に準拠して行った。
【0038】本実験のin situハイブリダイゼーション
にはオリゴヌクレオチドプローブとしてβ-proteobacte
riaに属するアンモニア酸化細菌に特異的なNSO19
0、および亜硝酸酸化細菌のNitrobacter属を特異的に
検出するNIT3、また真正細菌に特異的なEUB33
8を用いた。表3にそれぞれのプローブのハイブリダイ
ゼーション条件および蛍光標識を示す。
【0039】
【表3】 アンモニア酸化細菌の検出結果を図4a、図4bに、亜硝
酸酸化細菌の検出結果を図5に示す。
【0040】グラニュール内にアンモニア酸化細菌が棲
息していることが図4aにより確認された。また、アン
モニア酸化細菌はグラニュールの表層約100μmで優
占化しており、図4bからクラスターをつくって存在し
ていることが確認された。
【0041】さらに、図5より亜硝酸酸化細菌もまた表
層部分に存在していることが確認された。しかし、アン
モニア酸化細菌に比べ菌体数が極端に少ないため、亜硝
酸酸化細菌の検出についてはハイブリダイゼーション条
件の再検討が必要だと考えられる。
【0042】(実施例3) NH4 +−N除去速度およびNH4 +−N除去率の経日変化 実施例1と同様にしてグラニュール形成を行うと同時
に、溶液流入路および反応槽高さ320cmで水溶液を
定期的にサンプリングしてアンモニア態窒素濃度(NH
4 +−N)の測定を行い、本実施例におけるグラニュール
のNH4 +−N除去速度およびNH4 +−N除去率の経日変
化を算出した。それぞれの結果を図6および図7に示
す。
【0043】図6よりNH4 +−N除去速度は滞留時間を
徐々に短縮することにより1.5kg-N/(m3・日)にまで
到達することが確認され、図7よりNH4 +−N除去率は
約400日の運転中、常に90%以上の安定した除去率
であったことがわかる。
【0044】(実施例4) グラニュールの沈降性 実施例1で得られたグラニュールおよび浮遊性硝化細菌
をそれぞれメスシリンダーに投入し、攪拌後5秒、15
秒、30秒の沈降性を評価した。
【0045】図8に示すように、実施例1で得られたグ
ラニュールは攪拌後5秒で水面上部が透明になり始め、
30秒で完全に沈降した。一方、フロックを形成した硝
化細菌は30秒経過しても依然懸濁している様子が観察
された。
【0046】このことから、実施例1で得られるグラニ
ュールは非常に沈降性が良く、固液分離能に優れている
と言える。
【0047】(実施例5) グラニュールの強度および装置内固定化の評価 まず、実施例1で得られたグラニュールがエアレーショ
ンの剪断応力に耐え、その原形(直径)を保つかどうか
を観察することにより、その強度評価を行った。
【0048】本実施例には表1の組成からNaHCO3
を除いた無機性アンモニア含有水溶液を用いた。図9に
示すような有効容積1lの完全混合流型三相流動槽内に
実施例1で得られたグラニュールを25vol%(MLS
Sは9100mg/l)投入し、回分処理した後、上記
水溶液と空気を連続供給した。ここで上記水溶液のアン
モニア容積負荷は1.58kg-N/(m3・日)であり、滞留
時間は7.6時間である。また、曝気量は0.5l/mi
nとした。さらに、上記水溶液のpHは、NaHCO3
供給を制御するpHコントローラーにより7.0±0.
2に保った。
【0049】0、30、90日目のグラニュール平均径
の結果を表4に示す。また、それぞれのグラニュール径
分布を図10に示す。
【0050】
【表4】 表4より、日数が経つと共にグラニュール平均径はわず
かながら増加傾向にあることがわかる。また、図10の
グラフからも日数の経過と共にグラニュール径が増加側
にシフトしていく様子が分かる。これより、本発明によ
り得られるグラニュールの緻密さ、強固さが示される。
【0051】次に、グラニュールの系および浮遊性硝化
細菌の系のそれぞれのMLSS値の経日変化を比較し
た。浮遊性硝化細菌のMLSS値は、上記の装置に実施
例1のグラニュールではなく、浮遊性硝化細菌を投入
し、同様の条件において回分処理した後、無機性アンモ
ニア含有水溶液と空気を連続供給して測定した。
【0052】この結果、図11に示すように、グラニュ
ールの系では、初日9100mg/lであるMLSSの
値が常に10000mg/l以上を保っているのに対
し、浮遊性硝化細菌の系においては、3000mg/l
まで減少し、定常に達していることがわかる。また、図
12にはそれぞれの系に設けた沈降槽の写真を示すが、
槽外にウォッシュアウトした微生物量は浮遊性硝化細菌
の方が約3倍多い。また、グラニュールの系の沈降槽に
堆積していた堆積物は、装置を運転していくと共に発生
し始めた浮遊性硝化細菌であり、グラニュールは皆無で
あった。
【0053】したがって、本発明の硝化グラニュール
は、高度に装置内に固定化することが可能であり、既存
処理装置への応用も期待できる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、強度、沈降性およびN
4 +−N除去速度に優れた硝化グラニュールを形成する
ことができる。したがって、廃水処理槽内に硝化細菌を
高密度に保持し、効率のよい硝化処理を提供することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に使用するグラニュール形成装置の一
例を示す模式図。
【図2】 本発明の方法により100日で形成されたグ
ラニュールの写真。
【図3】 本発明によるグラニュールの表面のSEM画
像。
【図4】 本発明によるグラニュールの表面のアンモニ
ア酸化細菌を示す蛍光顕微鏡写真。
【図5】 本発明によるグラニュールの表面の亜硝酸酸
化細菌を示す蛍光顕微鏡写真。
【図6】 本発明によるグラニュールのNH4 +−N除去
速度の経日変化を示すグラフ。
【図7】 本発明によるグラニュールのNH4 +−N除去
率の経日変化を示すグラフ。
【図8】 本発明によるグラニュールと浮遊性硝化細菌
の沈降性を比較した写真。
【図9】 本発明によるグラニュールの強度評価に用い
た完全混合流型三相流動槽の模式図。図1と同じの構成
は同じ符号を附してある。
【図10】 本発明によるグラニュールの強度評価にお
ける、0,30および90日経過後のグラニュール径分
布を示すグラフ。
【図11】 本発明によるグラニュールの装置内固定化
の評価における、グラニュールと浮遊性硝化細菌のML
SSの濃度の経日変化を示すグラフ。
【図12】 本発明によるグラニュールの装置内固定化
の評価における、グラニュールの系と浮遊性硝化細菌の
系の沈降槽の写真。
【符号の説明】
1 反応槽 2 溶液流入路 3 空気流入路 4 ポンプ 5 気液分離部 6 溶液流出路 7 沈降槽 8 サンプリング孔 9 流量計 10 グラニュール 11 pHコントローラー 12 NaHCO3水溶液流入路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝化細菌を含む汚泥と、無機性アンモニ
    ア含有水溶液とを、上向流好気性条件下、反応槽内にて
    連続的に接触させることを特徴とする硝化グラニュール
    の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記無機性アンモニア含有水溶液の滞留
    時間を段階的に短縮することを特徴とする請求項1記載
    の硝化グラニュールの形成方法。
  3. 【請求項3】 前記反応槽上部からウォッシュアウト
    し、沈降槽に溜まった前記汚泥を前記反応槽内に返送す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の硝化グラニ
    ュールの形成方法。
  4. 【請求項4】 前記無機性アンモニア含有水溶液が無機
    炭素源を500〜1500mg/l含むことを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の硝化グラニュールの
    形成方法。
  5. 【請求項5】 前記無機炭素源が炭酸ナトリウムまたは
    炭酸水素ナトリウムであることを特徴とする請求項4記
    載の硝化グラニュールの形成方法。
  6. 【請求項6】 前記無機性アンモニア含有水溶液が微量
    金属としてリンおよび/または鉄を0.1〜10mg/
    l含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の硝化グラニュールの形成方法。
  7. 【請求項7】 前記無機性アンモニア含有水溶液のpH
    値を7.0〜8.5に調整することを特徴とする請求項
    1〜6のいずれかに記載の硝化グラニュールの形成方
    法。
  8. 【請求項8】 炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウ
    ムをpH値の調整に用いることを特徴とする請求項7記
    載の硝化グラニュールの形成方法。
  9. 【請求項9】 曝気量が0.016〜0.32l-Air/m
    3/l-bedの範囲であることを特徴とする請求項1〜8の
    いずれかに記載の硝化グラニュールの形成方法。
JP2002070011A 2002-03-14 2002-03-14 硝化グラニュールの形成方法 Pending JP2003266095A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002070011A JP2003266095A (ja) 2002-03-14 2002-03-14 硝化グラニュールの形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002070011A JP2003266095A (ja) 2002-03-14 2002-03-14 硝化グラニュールの形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003266095A true JP2003266095A (ja) 2003-09-24

Family

ID=29200701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002070011A Pending JP2003266095A (ja) 2002-03-14 2002-03-14 硝化グラニュールの形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003266095A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004074191A1 (ja) * 2003-02-21 2006-06-01 栗田工業株式会社 アンモニア性窒素含有水の処理方法
JP2006289311A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Japan Organo Co Ltd 排水の処理方法
JP2006320793A (ja) * 2005-05-17 2006-11-30 Japan Organo Co Ltd 排水の処理方法および装置
JP2006346536A (ja) * 2005-06-14 2006-12-28 Japan Organo Co Ltd 排水処理方法および装置
JP2007136364A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Sumitomo Heavy Ind Ltd 粒状微生物汚泥生成方法及び粒状微生物汚泥生成装置
JP2007136363A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Sumitomo Heavy Ind Ltd 粒状微生物汚泥生成方法
JP2007136365A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Sumitomo Heavy Ind Ltd 粒状微生物汚泥生成方法
JP2009066505A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Univ Waseda 好気性グラニュールの形成方法、水処理方法及び水処理装置
JP2011183247A (ja) * 2010-03-04 2011-09-22 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 水処理装置及び水処理方法
JP2012206017A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Kubota Kankyo Service Kk 排水処理方法、及び排水処理装置
CN103175713A (zh) * 2013-03-01 2013-06-26 中国环境科学研究院 一种适用于大气干湿沉降中重金属分析的样品采集及提取方法
JP2015128747A (ja) * 2014-01-07 2015-07-16 水ing株式会社 水処理装置及び水処理方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004074191A1 (ja) * 2003-02-21 2006-06-01 栗田工業株式会社 アンモニア性窒素含有水の処理方法
JP4735256B2 (ja) * 2003-02-21 2011-07-27 栗田工業株式会社 アンモニア性窒素含有水の処理方法
JP2006289311A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Japan Organo Co Ltd 排水の処理方法
JP2006320793A (ja) * 2005-05-17 2006-11-30 Japan Organo Co Ltd 排水の処理方法および装置
JP2006346536A (ja) * 2005-06-14 2006-12-28 Japan Organo Co Ltd 排水処理方法および装置
JP2007136365A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Sumitomo Heavy Ind Ltd 粒状微生物汚泥生成方法
JP2007136363A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Sumitomo Heavy Ind Ltd 粒状微生物汚泥生成方法
JP2007136364A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Sumitomo Heavy Ind Ltd 粒状微生物汚泥生成方法及び粒状微生物汚泥生成装置
JP2009066505A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Univ Waseda 好気性グラニュールの形成方法、水処理方法及び水処理装置
JP2011183247A (ja) * 2010-03-04 2011-09-22 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 水処理装置及び水処理方法
JP2012206017A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Kubota Kankyo Service Kk 排水処理方法、及び排水処理装置
CN103175713A (zh) * 2013-03-01 2013-06-26 中国环境科学研究院 一种适用于大气干湿沉降中重金属分析的样品采集及提取方法
JP2015128747A (ja) * 2014-01-07 2015-07-16 水ing株式会社 水処理装置及び水処理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Figueroa et al. Treatment of saline wastewater in SBR aerobic granular reactors
Figueroa et al. Is the CANON reactor an alternative for nitrogen removal from pre-treated swine slurry?
JP4224951B2 (ja) 脱窒方法
CN106277326B (zh) 一种好氧厌氧一体化颗粒污泥反应器及其处理废水的方法
US8323487B2 (en) Waste water treatment apparatus
JP4925208B2 (ja) 好気性グラニュールの形成方法、水処理方法及び水処理装置
JP4872171B2 (ja) 生物脱窒装置
JP2003266095A (ja) 硝化グラニュールの形成方法
JP4876343B2 (ja) 脱窒方法及び脱窒装置
JP4267860B2 (ja) 窒素・リン同時除去型排水処理方法
JP4915036B2 (ja) 脱窒方法及び脱窒装置
JP4923348B2 (ja) 生物脱窒方法
JP5055667B2 (ja) 生物脱窒方法及び生物脱窒装置
KR101023479B1 (ko) 미세사 생물담체와 약품을 이용한 하, 폐수,축산폐수처리장의 연속회분식 호기탈질방법 및 장치
JP2004298841A (ja) 窒素含有排水の処理方法
JP2003024988A (ja) 生物脱窒方法
JP4608771B2 (ja) 生物学的脱窒装置
JP5077334B2 (ja) 窒素除去処理装置及び窒素除去処理方法
JP2018176131A (ja) アンモニア性窒素含有排水の脱窒処理装置及び脱窒処理方法
JP2953835B2 (ja) 生物学的硝化脱窒処理設備
JP4596533B2 (ja) 排水の処理方法
JP2000024687A (ja) 廃硝酸の処理方法
KR101023478B1 (ko) 미세사 생물담체를 이용한 연속회분식 하.폐수/축산폐수처리방법 및 장치
EP3067329B1 (en) Process for removing selenium
JP3858271B2 (ja) 廃水処理方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050310

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070501

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20080325

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20081007

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02