JP3955688B2 - 商品注文管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファミリーレストランなどで利用されている商品注文管理システムに関し、特に、各顧客がそれぞれ注文した商品のデータを管理して商品の製造業務や会計業務を支援する注文管理装置のバックアップ機能を備えた商品注文管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ファミリーレストラン等の飲食店向けとして、飲食メニュー商品の注文データを入力する入力部を設け、この入力部を介して飲食メニュー商品の注文データが入力されるとその商品注文データを無線送信する携帯型の注文入力用端末と、この注文入力用端末から無線送信される商品注文データを受信する中継装置と、厨房内に設置され、顧客が注文した飲食メニュー商品の製造指示データを印字または表示出力する厨房内出力装置と、前記中継装置で受信した商品注文データを取込み顧客単位にオーダファイルを作成して記憶管理する機能及び当該商品注文データに基づいて前記製造指示データを作成して前記厨房内出力装置に送信する機能を有した注文管理装置と、この注文管理装置にて記憶管理されるオーダファイルのデータに基づいて注文商品の飲食を終えた顧客の会計を処理する会計装置とを備え、中継装置と厨房内出力装置と注文管理装置と会計装置とをLAN(Local Area Network)等の通信回線で接続してなる商品注文管理システムが開発され、実用に供されている。
【0003】
この種の商品注文管理システムにおいては、ウェイターやウェイトレスと呼ばれる各接客担当者がそれぞれ注文入力用端末を携帯して接客し、顧客から飲食メニュー商品の注文を受けるとその商品注文データを顧客単位に入力する。そうすると、この注文入力用端末から商品注文データが無線送信され、この商品注文データは中継装置にて受信された後、注文管理装置に取込まれて、顧客単位にオーダファイルが作成される。また、顧客が注文した飲食メニュー商品の製造指示データが厨房内出力装置から出力される。これにより、厨房内の調理担当者は顧客が注文した飲食メニュー商品の製造,いわゆる調理を開始する。
一方、会計装置を操作する会計担当者は、注文商品の飲食を終えた顧客から会計の申し出を受けると、その顧客を特定する情報を会計装置から入力する。そうすると、注文管理装置にて記憶管理されているオーダファイルの中から当該顧客のデータが会計装置に呼び出されて会計が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のこの種の商品注文管理システムにおいては、注文管理装置により各顧客が注文した商品の製造指示が行われるとともに、顧客単位にオーダファイルが作成され、このオーダファイルのデータに基づいて注文商品を受け取った顧客の会計が行われていたので、注文管理装置がダウンしてしまうと、システム全体がダウンしてしまう問題があった。
【0005】
このような問題は、注文管理装置がダウンしたときにこの注文管理装置が有する機能を例えば会計装置が代行できるようにすれば解決できる。しかし、単に注文管理装置のダウン時に会計装置がその機能を代行するだけでは、注文管理装置がダウンする前に注文を受けた顧客に対してはオーダファイルのデータを使用できないので会計を行うことができなかった。
また、注文管理装置がダウンから復旧しても、ダウン期間中に注文された商品のデータや会計を終えた顧客のデータがオーダファイルに反映されないので、オーダファイルを現時点の状況に適合するように修正することが困難であった。
【0006】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、注文管理装置がダウンしてもシステム全体がダウンするのを防止できるとともに、ダウン前に注文を受けた顧客の会計も確実に処理できる商品注文管理システムを提供しようとするものである。
また本発明は、注文管理装置のダウン復旧後にオーダファイルを現時点の状況に適合するように自動的に修正できる商品注文管理システムを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1記載の発明は、注文入力用端末から発信される商品注文データを受信する中継装置、注文商品の製造指示データを出力する出力装置、中継装置で受信した商品注文データを取込み顧客単位にオーダファイルレコードを作成してオーダファイルに記憶する機能及び当該商品注文データに基づいて製造指示データを作成して出力装置に送信する機能を有した注文管理装置、オーダファイルのオーダファイルレコードに基づいて注文商品を受け取った顧客の会計を処理する会計装置等を通信回線で相互通信自在に接続してなる商品注文管理システムにおいて、通信回線で接続される各装置のうち注文管理装置を除く1装置を注文管理装置のバックアップ装置として設定し、そのバックアップ装置にオーダファイルのバックアップファイルを設ける。そして、注文管理装置に、オーダファイルレコードを作成する毎にそのオーダファイルレコードを通信回線を介してバックアップ装置に転送するレコード転送手段を設け、中継装置に、注文管理装置のダウン時に注文入力用端末から受信した商品注文データをバックアップ装置に送信するバックアップ送信手段を設け、バックアップ装置に、注文管理装置から転送されるオーダファイルレコードを受信するとそのレコードをバックアップファイルに登録するバックアップ登録手段と、中継装置から送信される商品注文データを受信するとその商品注文データに基づいてオーダファイルレコードを作成してバックアップファイルに登録するとともに製造指示データを作成して出力装置に送信するバックアップ処理手段とを設け、会計装置に、注文管理装置のダウン時にバックアップファイルのオーダファイルレコードに基づいて注文商品を受け取った顧客の会計を処理するバックアップ会計手段を設けたものである。
【0008】
このような構成により、注文管理装置が正常に作動している間は、オーダファイルの各レコードがバックアップ装置のバックアップファイルにも同時に記憶される。注文管理装置がダウンすると、中継装置からバックアップ装置に通信回線を介して商品注文データが送信される。これにより、バックアップ装置においてはその商品注文データに基づいてオーダファイルレコードが作成されてバックアップファイルに登録されるとともに、製造指示データが作成されて出力装置に送信される。すなわち、注文管理装置の機能がバックアップ装置によって代行される。一方、会計装置においては、注文管理装置のダウン時にはバックアップファイルのオーダファイルレコードに基づいて注文商品を受け取った顧客の会計が処理される。前述したように、注文管理装置がダウンする前に注文を受けた顧客のオーダファイルレコードはバックアップファイルでバックアップされているので、この顧客の会計も確実に処理される。
【0009】
本願請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の商品注文管理システムにおいて、中継装置が有するバックアップ送信手段を、商品注文データ送信先通信アドレス及びバックアップ先通信アドレスをそれぞれ記憶する記憶手段と、注文入力用端末から受信した商品注文データを商品注文データ送信先通信アドレスが設定された装置に送信し、この送信に失敗するとバックアップ先通信アドレスが設定された装置に同商品注文データを送信する送信先切替手段と、通信回線を介して商品注文データ送信先通信アドレスの変更を要求する通信アドレス変更要求コマンドを受信すると記憶手段で記憶した商品注文データ送信先通信アドレスをそのコマンド送信元装置の通信アドレスに更新するアドレス更新手段とで構成する。そしてさらに、バックアップ装置に、中継装置から送信される商品注文データを受信したことに応じて通信アドレス変更要求コマンドを中継装置に送信するコマンド送信手段を設け、注文管理装置に、ダウン復旧後の再立上げ時に通信アドレス変更要求コマンドを中継装置に送信するコマンド送信手段を設けたものである。
【0010】
このような構成により、中継装置の記憶手段には、通常、商品注文データ送信先通信アドレスとして注文管理装置の通信アドレスが記憶され、バックアップ先通信アドレスとしてバックアップ装置に指定された装置の通信アドレスが記憶されている。この状態では、中継装置は、注文入力用端末から受信した商品注文データを注文管理装置に送信する。ここで、注文管理装置がダウンし、商品注文データの送信に失敗すると、中継装置は、当該商品注文データをバックアップ装置に送信する。これにより、バックアップ装置からは通信アドレス変更要求コマンドが中継装置に送信され、記憶手段の商品注文データ送信先通信アドレスがバックアップ装置の通信アドレスに変更される。したがって、以後、中継装置は注文入力用端末から受信した商品注文データをバックアップ装置に直接送信するようになる。また、その後に注文管理装置がダウンから復旧して再立上げが行われると、注文管理装置から通信アドレス変更要求コマンドが中継装置に送信される。これにより、記憶手段の商品注文データ送信先通信アドレスが注文管理装置の通信アドレスに変更される。したがって、以後、中継装置は注文入力用端末から受信した商品注文データを注文管理装置に再び送信するようになる。
【0011】
本願請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明の商品注文管理システムにおいて、注文管理装置に、ダウン復旧後の再立上げ時にバックアップ装置からバックアップファイルに記憶されたオーダファイルレコードを取得しそのオーダファイルレコードでオーダファイルを復旧するオーダファイル復旧手段を設け、会計装置に、顧客の会計を処理する毎にその顧客に対応するオーダファイルレコードをバックアップファイルから削除するバックアップレコード削除手段を設けたものである。
このような構成により、注文管理装置が正常に作動している間に注文を受けた顧客のオーダファイルレコードは、注文管理装置からバックアップ装置に転送されてバックアップファイルに登録される。また、注文管理装置がダウンしているときに注文を受けた顧客のオーダファイルレコードは、バックアップ装置によって作成されて同バックアップファイルに登録される。また、会計装置にて顧客の会計が処理されると、その顧客に対応するオーダファイルレコードが同バックアップファイルから削除される。したがって、バックアップファイルには、注文管理装置5がダウンしている期間中も、その時点において、商品を注文したがその注文商品の会計を済ませていない顧客のオーダファイルレコードのみが記憶管理されることになる。そして、注文管理装置がダウンから復旧して再立上げが行われた際には、上記バックアップファイルのオーダファイルレコードでオーダファイルが復旧される。すなわち、復旧後のオーダファイルには、現時点で商品を注文したがその注文商品の会計を済ませていない顧客のオーダファイルレコードが記憶管理されるようになる。
【0012】
本願請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至3のうちのいずれか1項記載の発明の商品注文管理システムにおいて、バックアップ装置に、中継装置から送信される商品注文データを受信すると注文管理装置の機能代行中であることを報知し、注文管理装置のダウン復旧後の再立上げを検知すると同報知を停止する代行報知手段を設けたものである。
このような手段を講じたことにより、注文管理装置がダウンしてバックアップ装置がその機能を代行している期間中はその旨が報知されて、バックアップ装置のオペレータに知らされる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を飲食店向けの商品注文管理システムに適用した一実施の形態について図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態では、会計装置として機能するPOSターミナル6を注文管理装置5のバックアップ装置として設定する場合について述べる。
【0014】
図1は本実施の形態における飲食店向け商品注文管理システムの全体図であって、このシステムは、注文入力用端末(HTM)1から送信される商品注文データを受信する中継装置(REP)2、注文商品の製造指示データを出力する出力装置として機能する厨房装置(KP)3、顧客伝票を印字発行する伝票発行機(CP)4、前記中継装置2で受信した商品注文データを取込み顧客単位にオーダファイルレコードを作成して記憶管理する機能,当該商品注文データに基づいて前記製造指示データを作成して前記厨房装置3に送信する機能,当該商品注文データに基づいて顧客伝票データを作成して前記伝票発行機4に送信する機能等を有した注文管理装置(STN)5、この注文管理装置5にて記憶管理されるオーダファイルレコードに基づいて注文商品を受け取った顧客の会計を処理する会計装置としてのPOS(Point Of Sales:販売時点情報管理)ターミナル6を備え、これらを通信回線としてのLAN7で相互通信自在に接続してシステム化したものである。
【0015】
前記注文入力用端末1は,無線回路を内蔵するとともにキーボード等の入力部を設けた携帯型機器で、複数台が用意され、それぞれウェイターやウェイトレスと呼ばれる接客担当者が携帯して使用する。すなわち接客担当者は、客席にて客から飲食メニュー商品の注文を受けると、その場で注文入力用端末1の入力部から注文を受けた商品のメニューコードや注文数量などのデータ項目を入力する。また、その客が着いているテーブルのテーブルNo. や人数などの客を特定するデータ項目も併せて入力する。そうすることにより、注文入力用端末1からは入力された各データ項目からなる商品注文データが変調電波としてアンテナより発信され、客席の天井などに取付けられた中継装置2のアンテナ2aで受信されるようになっている。
【0016】
前記中継装置2は、図2に示すように、制御部本体を構成するCPU(Central Processing Unit )21、上記CPU21の動作を制御するプログラムなどを格納したROM(Read Only Memory)22、受信データを一時的に格納するメモリ等を備えたRAM(Random Access Memory)23、前記アンテナ2aで受信した変調電波の復調回路及び前記アンテナ2aより発信するデータの変調回路を有した無線回路24、前記LAN7を介して接続された各部とのデータ通信を制御するLANボード25等を備え、これらをアドレスバス及びデータバスなどのバスライン26で接続して構成したものである。
【0017】
そして前記RAM23には、特に図3に示すように、各注文入力用端末1にそれぞれ設定されるターミナル名(HTM1,HTM2,…,HTMn)に対応して、その注文入力用端末1に当該中継装置2との無線通信のために予め設定される無線アドレスと、LAN通信のために仮想的に割り当てられるLANアドレスとをそれぞれ記憶するとともに、商品注文データの通常送信先である注文管理装置5のターミナル名(STN)に対応して、この注文管理装置5に仮想的に付与される無線アドレスと、LAN通信のために予め設定されるLANアドレスとを記憶する無線・LAN変換テーブル26と、注文管理装置5のバックアップ装置に対して予め設定されるLANアドレスの記憶エリア27とを形成している。
【0018】
前記厨房装置3は、前記LANボードを実装するとともにプリンタ機能を有しており、LANボードで受信した注文管理装置5からの製造指示データに基づいて注文商品のメニュー品目名,注文数等を用紙に印字出力して注文商品の製造(調理)指示を行うものである。一般に、厨房装置3は、厨房内に置かれており、調理担当者は印字出力された内容を確認して各種飲食メニュー商品の調理を行うことになる。なお、厨房装置3は、ディスプレイ機能を有し、注文商品のメニュー品目名,注文数等を画面に表示して製造指示を行うものであってもよい。
【0019】
前記伝票発行機4は、前記LANボードを実装するとともにプリンタ機能を有しており、LANボードで受信した顧客伝票データを所定の伝票用紙に印字して顧客伝票として顧客単位に発行するもので、この顧客伝票には、その客が注文した飲食メニュー商品の品目名,数量,単価及びその合計金額の他、伝票No. ,テーブルNo. ,客の人数等が印字される。ここで、伝票No. は注文管理装置5の中で生成されるシリアル番号で、1回の商品注文データを受信する毎にインクリメントされる番号(No. )である。一般に、伝票発行機4は、注文管理装置5などとともに接客担当者が待機している場所に置かれ、接客担当者は、伝票発行機4から発行された顧客伝票に従い各テーブルに商品を配膳し、注文を受けた全商品の配膳を終了するとそのテーブルの客に顧客伝票を渡す。客は、飲食を終えると、顧客伝票を会計担当者に提出して会計を行うものとなっている。
【0020】
前記注文管理装置5は、図4に示すように、CPU51,ROM52,RAM53及びLANボード54の他、現在の日付及び時刻を計時する時計部55、テンキー,クリアキー,ファンクションキーなどを配したキーボードKB1を制御するキーボードコントローラ56、キー入力データやエラーメッセージ等を表示する液晶ディスプレイや通信状態表示用の発光ダイオードなどからなる表示部DP1を制御する表示コントローラ57等を備え、これらをバスライン58で接続して構成したものである。
【0021】
そして前記RAM53には、特に当該飲食店で客に提供する各種飲食メニュー商品のメニューコード,品目名,単価などのメニュー商品情報を予め設定記憶したメニューファイル8(図1参照)と、前記オーダファイルレコードを記憶管理するオーダファイル9(図1参照)とを形成している。また、前記中継装置2と同様に、注文管理装置5のバックアップ装置に対して予め設定されるLANアドレスの記憶エリア59(図4参照)もRAM53に形成している。
【0022】
因みに、前記オーダファイル9にて記憶管理されるオーダファイルレコードは、図5に示すように、顧客単位に発行される顧客伝票の伝票No. と、その顧客伝票が発行された顧客が着いたテーブルのテーブルNo. 及び人数と、当該顧客が注文した各飲食メニュー商品毎の品番,数量,単価,及び取消フラグ(注文後に取り消された場合に1にセットされる)と、その各飲食メニュー商品の税額及び合計金額とからなるレコードである。
【0023】
前記POSターミナル6は、図6に示すように、CPU61,ROM62,RAM63及びLANボード64の他、現金などを収容するためのドロワDRを自動開放させるドロワコントローラ65、テンキー,呼出キー,現計キー等を配したキーボードKB2を制御するキーボードコントローラ66、合計金額や釣銭額等を表示するオペレータ用及び顧客用の各ディスプレイや通信状態表示用の発光ダイオードなどからなる表示部DP2を制御する表示コントローラ67、レシート印字用のプリンタPRを制御するプリンタコントローラ68等を備え、これらをバスライン69で接続して構成したものである。
【0024】
そして前記RAM63には、特に各飲食メニュー商品の売上データを集計記憶する売上ファイル10(図1参照)の他、前記注文管理装置5が有するメニューファイル8と同様のデータが予め設定されたメニューバックアップファイル81(図1参照)と、前記注文管理装置5が有するオーダファイル9のバックアップファイルとして機能するオーダバックアップファイル91とを形成しており、前記注文管理装置5が有する機能を代行できるようになっている。また、前記注文管理装置5の機能代行有無を識別するフラグF(1:機能代行有,0:機能代行無)の記憶エリアも前記RAM63に形成している。
【0025】
かかる構成の注文入力用端末1,中継装置2,厨房装置3,伝票発行機4,注文管理装置5及びPOSターミナル6を備えてなる注文管理システムにおいては、予め、各注文入力用端末1と中継装置2とには互いに異なる無線アドレスが設定されている。また、各注文入力用端末1から送信される商品注文データの通常送信先である注文管理装置5に対しては、中継装置2に設定された無線アドレスが仮想的に付与されている。
【0026】
一方、中継装置2,厨房装置3,伝票発行機4,注文登録装置5及びPOSターミナル6がそれぞれ有するLANボードには、互いに異なるLANアドレスが予め設定されている。また、中継装置2及び注文管理装置5のRAM23,53にそれぞれ形成されたバックアップ装置のLANアドレス記憶エリア27,59には、POSターミナル6のLANアドレスが設定されている。
【0027】
このような状態で、接客担当者が注文入力用端末1の入力部を操作して顧客から注文を受けた飲食メニュー商品のメニューコード及び注文数量をその顧客が着いたテーブルのテーブルNo. ,人数等とともに入力すると、その入力された各データ項目からなる商品注文データが変調電波としてアンテナより発信され、中継装置2のアンテナ2aで受信される。
【0028】
そうすると、この中継装置2のCPU21は、図7(a)に示す受信処理を実行する。すなわち、無線回路24を介して受信したデータが注文入力用端末1から送信された商品注文データであることを確認すると(ST1のYES)、無線・LAN変換テーブル26から注文管理装置5のターミナル名(STN)に対応して設定されたLANアドレス,つまりは注文管理装置5のLANボード54に設定されたLANアドレス(この実施の形態では[128.10.1.50 ]とする)を読出す。そして、このLANアドレス[128.10.1.50 ]を送信先アドレスとする商品注文データのLAN通信用伝文を作成し、LAN7を介して送信する(ST2)。
【0029】
ここで、伝文送信先である注文管理装置5から正常受信を示すACK応答があった場合には(ST3のYES)、商品注文データ送信元の注文入力用端末1に設定された無線アドレスを送信先アドレスとするACK応答を無線送信する(ST4)。
これに対し、注文管理装置5からのACK応答が得られず通信エラーが発生した場合には(ST3のNO)、注文管理装置5がダウンしていると判断する。そして、記憶エリア27に記憶されているLANアドレス,つまりはPOSターミナル6のLANボード64に設定されたLANアドレス(この実施の形態では[128.10.1.99 ]とする)を読出し、このLANアドレス[128.10.1.99 ]を送信先アドレスとする商品注文データのLAN通信用伝文を作成して、LAN7を介して送信する(ST5)。
【0030】
ここで、伝文送信先であるPOSターミナル6からACK応答があった場合には(ST6のYES)、商品注文データ送信元の注文入力用端末1に設定された無線アドレスを送信先アドレスとするACK応答を無線送信する(ST4)。
これに対し、POSターミナル6からのACK応答が得られず通信エラーが発生した場合には(ST6のNO)、POSターミナル6もダウンしていると判断する。そして、商品注文データ送信元の注文入力用端末1に設定された無線アドレスを送信先アドレスとするNAK応答を無線送信する(ST7)。
【0031】
このように、中継装置2は、注文管理装置5のダウン時に注文入力用端末1から受信した商品注文データをバックアップ装置に設定したPOSターミナル6に送信するバックアップ送信手段[図7(a)のST1,ST2,ST3,ST4]を有している。
【0032】
注文管理装置5のCPU51は、中継装置2からLAN7を介して自己のLANアドレス宛に送信された商品注文データのLAN通信用伝文を受信すると、図8(a)に示す受信処理を実行する。すなわち、LANボード54を介して受信したデータが商品注文データのLAN通信用伝文であることを確認すると(ST1のYES)、中継装置2のLANボード24に設定されたLANアドレス(この実施の形態では[128.10.1.00 ]とする)を送信先アドレスとするACK応答をLAN7を介して送信した後(ST2)、前記メニューファイル8を参照して、受信伝文中の商品注文データから図5のレコードフォーマットで示すオーダファイルレコードを作成する。そして、このオーダファイルレコードをオーダファイル9に登録する(ST3)。
【0033】
次に、このオーダファイルレコードの内容から注文された各商品の製造指示データを作成する。そして、厨房装置3のLANボードに設定されたLANアドレスを送信先アドレスとするLAN通信用伝文に当該製造指示データを組込み、LAN7を介して送信する(ST4)。また、このオーダファイルレコードの内容から顧客伝票データを作成する。そして、伝票発行機4のLANボードに設定されたLANアドレスを送信先アドレスとするLAN通信用伝文に当該顧客伝票データを組込み、LAN7を介して送信する(ST5)。
【0034】
これにより、厨房装置3においては、受信伝文中の製造指示データに基づいて注文された商品のメニュー品目名,注文数等が用紙に印字出力される。また、伝票発行機4においては、受信伝文中の顧客伝票データに基づいて所定の伝票用紙に顧客伝票が印字され発行される。
【0035】
その後、CPU51は、記憶エリア69に記憶されているLANアドレス,つまりはPOSターミナル6のLANアドレス[128.10.1.99 ]を送信先アドレスとするLAN通信用伝文に当該オーダファイルレコードを組込み、LAN7を介して送信する。(ST6)。
ここに、注文管理装置5は、オーダファイルレコードを作成する毎にそのオーダファイルレコードをLAN7を介してバックアップ装置に設定されたPOSターミナル6に転送するレコード転送手段を有している[図8(a)のST6]。
【0036】
POSターミナル6のCPU61は、注文管理装置5からLAN7を介して自己のLANアドレス宛に送信されたオーダファイルレコードのLAN通信用伝文を受信すると、図9(a)に示す受信処理を実行する。すなわち、LANボード64を介して受信したデータがオーダファイルレコードのLAN通信用伝文であることを確認すると(ST1のYES)、受信伝文中のオーダファイルレコードをオーダバックアップファイル91に登録する(ST2)。
ここに、バックアップ装置として設定されたPOSターミナル6は、注文管理装置5から転送されるオーダファイルレコードを受信するとそのレコードをオーダバックアップファイル91に登録するバックアップ登録手段[図9(a)のST1,ST2]を備えている。
【0037】
また、POSターミナル6のCPU61は、中継装置2からLAN7を介して自己のLANアドレス宛に送信された商品注文データのLAN通信用伝文を受信した場合には、図9(b)に示す受信処理を実行する。すなわち、LANボード64を介して受信したデータが商品注文データのLAN通信用伝文であることを確認すると(ST3のYES)、中継装置2のLANアドレス[128.10.1.00 ]を送信先アドレスとするACK応答をLAN7を介して送信した後(ST4)、RAM64上の機能代行有無フラグFを調べる(ST5)。
【0038】
ここで、機能代行有無フラグFが“0”にリセットされていた場合には(ST5のNO)、注文管理装置5の機能を代行していないので、商品注文データ送信先LANアドレスを注文管理装置5のLANアドレス[128.10.1.50 ]から当該POSターミナル6のLANアドレス[128.10.1.99 ]に変更することを要求するSTNアドレス変更要求コマンドを作成する。そして、中継装置2のLANアドレス[128.10.1.00 ]を送信先アドレスとするLAN通信用伝文に当該STNアドレス変更要求コマンドを組込み、LAN7を介して送信する(ST6)。
【0039】
ここで、伝文送信先である中継装置2からACK応答があった場合には(ST7のYES)、機能代行有無フラグFを“1”にセットする(ST8)。また、表示部DP2に注文管理装置5の機能を代行中であることを示す表示を行う(ST9)。
なお、STNアドレス変更要求コマンドを中継装置2に送信したがACK応答を得られない場合には、システム異常なので、エラーを報知する。
【0040】
その後、CPU61は、注文管理装置5の機能を代行する。すなわち、前記メニューバックアップファイル81を参照して、受信伝文中の商品注文データから図5のレコードフォーマットで示すオーダファイルレコードを作成する。そして、このオーダファイルレコードをオーダバックアップファイル91に登録する(ST10)。また、このオーダファイルレコードの内容から注文された各商品の製造指示データを作成する。そして、この製造指示データを厨房装置3のLANアドレスを送信先アドレスとするLAN通信用伝文に組込み、LAN7を介して送信する(ST11)。さらに、このオーダファイルレコードの内容から顧客伝票データを作成する。そして、この顧客伝票データを伝票発行機4のLANアドレスを送信先アドレスとするLAN通信用伝文に組込み、LAN7を介して送信する(ST12)。
【0041】
一方、機能代行有無フラグFが“1”にセットされた状態で商品注文データのLAN通信用伝文を受信した場合には(ST5のYES)、注文管理装置5の機能を既に代行しているので上記ST6〜ST9の処理は行わず、ST10〜ST12の処理を実行する。
【0042】
これにより、厨房装置3においては、受信伝文中の製造指示データに基づいて注文された商品のメニュー品目名,注文数等が用紙に印字出力される。また、伝票発行機4においては、受信伝文中の顧客伝票データに基づいて所定の伝票用紙に顧客伝票が印字され発行される。
【0043】
ここに、バックアップ装置として設定されたPOSターミナル6は、中継装置2から送信される商品注文データを受信するとその商品注文データに基づいてオーダファイルレコードを作成してオーダバックアップファイル91に登録するとともに製造指示データを作成して厨房装置3に送信するバックアップ処理手段[図9(b)のST3,ST10,ST11,ST12]を有している。また、中継装置2から送信される商品注文データを受信したことに応じてSTNアドレス変更要求コマンドを中継装置2に送信するコマンド送信手段[図9(b)のST3,ST5,ST6]を有している。
【0044】
中継装置2のCPU21は、POSターミナル6からLAN7を介して自己のLANアドレス宛に送信されたSTNアドレス変更要求コマンドのLAN通信用伝文を受信すると、図7(b)に示す受信処理を実行する。すなわち、LANボード24を介して受信したデータがSTNアドレス変更要求コマンドのLAN通信用伝文であることを確認すると(ST8のYES)、記憶エリア27に記憶しているLANアドレスをコマンド送信元であるPOSターミナル6のLANアドレス[128.10.1.99 ]に更新する(ST9)。しかる後、コマンド送信元であるPOSターミナル6のLANアドレス[128.10.1.99 ]を送信先アドレスとするACK応答をLAN7を介して送信する(ST10)。
ここに、中継装置2が有するバックアップ送信手段は、商品注文データ送信先通信アドレス及びバックアップ先通信アドレスをそれぞれ記憶する記憶手段[無線・LAN変換テーブル26,記憶エリア27]と、注文入力用端末1から受信した商品注文データを商品注文データ送信先通信アドレスが設定された装置に送信し、この送信に失敗するとバックアップ先通信アドレスが設定された装置に同商品注文データを送信する送信先切替手段[図7(a)のST1,ST2,ST3,ST4]と、LAN7を介して商品注文データ送信先通信アドレスの変更を要求するSTNアドレス変更要求コマンドを受信すると記憶手段[無線・LAN変換テーブル26]で記憶した商品注文データ送信先通信アドレスをそのコマンド送信元装置の通信アドレスに更新するアドレス更新手段[図7(b)のST9]とで構成している。
【0045】
ところで、飲食を終えた顧客から会計の申し出を受けた会計担当者は、POSターミナル6のキーボードKB2を操作してその顧客に対して発行された顧客伝票の伝票No. を入力することにより、該当するオーダファイルレコードの呼出しを行う。そうすると、POSターミナル6のCPU61は、図10の流れ図に示すキー処理を実行するものとなっている。
【0046】
すなわちCPU61は、キーボードコントローラ66に入力されたキー信号により伝票No. がキー入力されたことを確認すると(ST1のYES)、RAM64上の機能代行有無フラグFを調べる(ST2)。ここで、機能代行有無フラグFが“0”にリセットされていた場合には(ST2のYES)、注文管理装置5の機能を代行していないので、キー入力された伝票No. を含む会計要求コマンドを作成する。そして、注文管理装置5のLANアドレス[128.10.1.50 ]を送信先アドレスとするLAN通信用伝文に当該会計要求コマンドを組込み、LAN7を介して送信する(ST3)。
【0047】
これに応じて、注文管理装置5からオーダファイルレコードが組込まれたLAN通信用伝文を受信したならば(ST4のYES)、その受信伝文中のオーダファイルレコードのデータを解析して合計金額の表示やレシートの印字発行などの会計処理を実行する。また、顧客が飲食したメニュー商品の売上データを売上ファイル10に登録処理する(ST5)。
【0048】
しかる後、注文管理装置5のオーダファイル9から当該伝票No. のオーダファイルレコードを削除することを要求するオーダ削除要求コマンドを作成する。そして、注文管理装置5のLANアドレス[128.10.1.50 ]を送信先アドレスとするLAN通信用伝文にこのオーダ削除要求コマンドを組込み、LAN7を介して送信する(ST6)。また、オーダバックアップファイル91から当該伝票No. のオーダファイルレコードを削除する(ST7)。
なお、会計要求コマンドに対して注文管理装置5からオーダファイルレコードの応答がなかった場合には(ST4のNO)、伝票No. の入力エラーを報知する。
【0049】
一方、機能代行有無フラグFが“1”にセットされた状態で伝票No. がキー入力された場合には(ST2のNO)、注文管理装置5の機能を代行しているので、その伝票No. でオーダバックアップファイル91を検索して、該当伝票No. のオーダファイルレコードを探す(ST8)。その結果、該当伝票No. のオーダファイルレコードを検出した場合には(ST9のYES)、そのオーダファイルレコードのデータで前記会計処理及び売上データの登録処理を実行する(ST10)。その後、オーダバックアップファイル91から当該伝票No. のオーダファイルレコードを削除する(ST11)。
なお、オーダバックアップファイル91を検索したが該当伝票No. のオーダファイルレコードを検出できなかった場合には(ST9のNO)、伝票No. の入力エラーを報知する。
【0050】
ここに、POSターミナル6は、注文管理装置5のダウン時にオーダバックアップファイル91のオーダファイルレコードに基づいて注文商品を受け取った顧客の会計を処理するバックアップ会計手段[図10のST8,ST9,ST10]を有している。また、顧客の会計を処理する毎にその顧客に対応するオーダファイルレコードをオーダバックアップファイル91から削除するバックアップレコード削除手段[図10のST7,ST11]を有している。
【0051】
注文管理装置5のCPU51は、POSターミナル6からLAN7を介して会計要求コマンドのLAN通信用伝文を受信すると、図8(b)に示す受信処理を実行する。すなわち、LANボード54を介して受信したデータが会計要求コマンドのLAN通信用伝文であることを確認すると(ST7のYES)、その会計要求コマンド中の伝票No. でオーダファイル9を検索して、該当伝票No. のオーダファイルレコードを探す(ST8)。
【0052】
その結果、該当伝票No. のオーダファイルレコードを検出した場合には(ST9のYES)、POSターミナル6のLANアドレス[128.10.1.99 ]を送信先アドレスとするLAN通信用伝文に該当伝票No. のオーダファイルレコードを組込み、LAN7を介して送信する(ST10)。これに対して該当伝票No. のオーダファイルレコードを検出できなかった場合には(ST9のNO)、POSターミナル6のLANアドレス[128.10.1.99 ]を送信先アドレスとするNAK応答をLAN7を介して送信する(ST11)。
【0053】
また、注文管理装置5のCPU51は、POSターミナル6からLAN7を介してオーダ削除要求コマンドのLAN通信用伝文を受信した場合には、図8(c)に示す受信処理を実行する。すなわち、LANボード54を介して受信したデータがオーダ削除要求コマンドのLAN通信用伝文であることを確認すると(ST12のYES)、そのデータ中の伝票No. でオーダファイル9を検索して、該当伝票No. のオーダファイルレコードを探す(ST13)。
【0054】
その結果、該当伝票No. のオーダファイルレコードを検出したならば(ST14のYES)、そのレコードをオーダファイル9から削除する(ST15)。これに対して該当伝票No. のオーダファイルレコードを検出できなかった場合には(ST14のNO)、システムエラーとする。
【0055】
また、注文管理装置5のCPU51は、ダウン復旧後の再立上げ時に、図11の流れ図に示す再立上げ処理を実行する。先ず、RAM53の初期化処理を行う。このとき、オーダファイル9をクリアする。また、記憶エリア59にバックアップ装置として設定されたPOSターミナル6のLANアドレス[128.10.1.99 ]を記憶する(ST1)。
次に、記憶エリア69に記憶されたLANアドレス,つまりはPOSターミナル6のLANアドレス[128.10.1.99 ]を送信先アドレスとするLAN通信用伝文にオーダファイル要求コマンドを組込み、LAN7を介して送信する。(ST2)。
【0056】
ここで、POSターミナル6からオーダバックアップファイル91の全レコードが組込まれたLAN通信用伝文を受信した場合には(ST3のYES)、その受信伝文中の全レコードをオーダファイル9に一括登録して、オーダファイル9を復旧する(ST4)。
【0057】
次に、商品注文データ送信先LANアドレスをバックアップ装置であるPOSターミナル6のLANアドレス[128.10.1.99 ]から当該注文管理装置5のLANアドレス[128.10.1.50 ]に変更することを要求するSTNアドレス変更要求コマンドを作成する。そして、中継装置2のLANアドレス[128.10.1.00 ]を送信先アドレスとするLAN通信用伝文に当該STNアドレス変更要求コマンドを組込み、LAN7を介して送信する(ST5)。
しかして、伝文送信先である中継装置2からACK応答があった場合には(ST6のYES)、注文管理装置5が正常に立ち上がったので、通常の処理制御に進む。
【0058】
なお、オーダファイル要求コマンドをPOSターミナル6にLAN送信したがオーダバックアップファイル91のレコードが応答されなかった場合、及びSTNアドレス変更要求コマンドを中継装置2に送信したがACK応答が得られなかった場合には、システム異常なので、エラーを報知する。
【0059】
ここに、注文管理装置5は、ダウン復旧後の再立上げ時にバックアップ装置に設定されたPOSターミナル6からオーダバックアップファイル91に記憶されたオーダファイルレコードを取得しそのオーダファイルレコードでオーダファイル9を復旧するオーダファイル復旧手段[図11のST2,ST3,ST4]を有している。また、ダウン復旧後の再立上げ時にLANアドレス変更要求コマンドを中継装置2に送信するコマンド送信手段[図11のST5]を有している。
【0060】
POSターミナル6のCPU61は、注文管理装置5からLAN7を介して自己のLANアドレス宛に送信されたオーダファイル要求コマンドのLAN通信用伝文を受信すると、図9(c)に示す受信処理を実行する。すなわち、LANボード64を介して受信したデータがオーダファイル要求コマンドのLAN通信用伝文であることを確認すると(ST13のYES)、オーダバックアップファイル91に格納した全オーダファイルレコードを読出す。そして、注文管理装置5のLANアドレス[128.10.1.50 ]を送信先アドレスとするLAN通信用伝文に当該オーダファイルレコードを全て組込み、LAN7を介して送信する(ST14)。しかる後、表示部DP2における注文管理装置5の機能代行中を示す表示を消去する(ST15)。
ここに、バックアップ装置として設定されたPOSターミナル6は、中継装置2から送信される商品注文データを受信すると注文管理装置5の機能代行中であることを報知し、注文管理装置5のダウン復旧後の再立上げに応じて同報知を停止する代行報知手段[図9(b)のST9,図9(c)のST15]を有している。
【0061】
中継装置2のCPU21は、注文管理装置5からLAN7を介してSTNアドレス変更要求コマンドのLAN通信用伝文を受信すると、図7(b)に示す受信処理を再度実行する。すなわち、LANボード24を介して受信したデータがSTNアドレス変更要求コマンドのLAN通信用伝文であることを確認すると(ST8のYES)、RAM23の記憶エリア27に記憶されているLANアドレスをコマンド送信元である注文管理装置5のLANアドレス[128.10.1.50 ]に更新する(ST9)。しかる後、コマンド送信元である注文管理装置5のLANアドレス[128.10.1.50 ]を送信先アドレスとするACK応答をLAN7を介して送信する(ST10)。
【0062】
このように本実施の形態においては、注文管理装置5が正常に作動している間は以下の如く作用する。すなわち、各注文入力用端末1から発信される商品注文データは、中継装置2を介して注文管理装置5に送信される。そして、この注文管理装置5において顧客単位にオーダファイルレコードが作成されてオーダファイル9に登録される。また、注文商品の製造指示データが作成されて厨房装置3に送信され、厨房装置3から調理指示がなされるとともに、顧客伝票データが作成されて伝票発行機4に送信され、伝票発行機4から顧客伝票が印字発行される。
【0063】
また、注文管理装置5において顧客単位に作成されたオーダファイルレコードがバックアップ装置として設定されたPOSターミナル6にリアルタイムで送信される。そして、このPOSターミナル6に形成されたオーダバックアップファイル91に登録される。すなわち、注文管理装置5のオーダファイル9に登録された各オーダファイルレコードが、POSターミナル6のオーダバックアップファイル91にも同時に登録される。
【0064】
また、POSターミナル6において会計を申し出た顧客の顧客伝票に印字された伝票No. が入力された場合には、注文入力装置5のオーダファイル9から該当伝票No. のオーダファイルレコードがPOSターミナル6に呼び出され、そのオーダファイルレコードのデータで当該顧客の会計が処理される。このとき、オーダファイル9及びオーダバックアップファイル91から該当伝票No. のオーダファイルレコードが削除される。
したがって、注文管理装置5が正常に作動している間は、オーダファイル9のデータ(オーダファイルレコード)がオーダバックアップファイル91によって正確にバックアップされている。
【0065】
一方、何らかの理由により業務途中で注文管理装置5がダウンした場合には、次の如く作用する。すなわち、各注文入力用端末1から発信される商品注文データは、中継装置2を介してPOSターミナル6に送信される。そして、このPOSターミナル6において顧客単位にオーダファイルレコードが作成されてオーダバックアップファイル91に登録される。また、注文商品の製造指示データが作成されて厨房装置3に送信され、厨房装置3から調理指示がなされるとともに、顧客伝票データが作成されて伝票発行機4に送信され、伝票発行機4から顧客伝票が印字発行される。
【0066】
また、POSターミナル6において会計を申し出た顧客の伝票No. が入力された場合には、オーダバックアップファイル91から該当伝票No. のオーダファイルレコードが読み出され、そのオーダファイルレコードのデータで当該顧客の会計が処理される。このとき、オーダバックアップファイル91から該当伝票No. のオーダファイルレコードが削除される。
【0067】
ここで、オーダバックアップファイル91には、注文管理装置5がダウンする前に注文を受けた顧客のオーダファイルレコードも登録されている。したがって、注文管理装置5がダウンしてもその機能をPOSターミナル6が自動的に代行するのでシステム全体がダウンするのを防止できる上、ダウン前に注文を受けた顧客の会計も確実に処理することができる。
【0068】
その後、ダウンしていた注文管理装置5が復旧して再立上げが行われた場合には、次の如く作用する。すなわち、再立上げされた注文管理装置5からPOSターミナル6に対してオーダファイル要求コマンドが送信され、これに応じてPOSターミナル6からオーダバックアップファイル91に登録されている全オーダファイルレコードが注文管理装置5に送信されて、その全オーダファイルレコードがオーダファイル9に一括登録される。
オーダバックアップファイル91には、注文管理装置5がダウンしている期間中も、常にその時点で商品を注文したがその注文商品の会計を済ませていない顧客のオーダファイルレコードのみが記憶管理されている。したがって、注文管理装置5が復旧した後のオーダファイル9には、現時点で商品を注文したがその注文商品の会計を済ませていない顧客のオーダファイルレコードが記憶管理され、その後の会計処理に支障を来すことはない。
【0069】
ところで、本実施の形態では、中継装置2が、商品注文データ送信先通信アドレス及びバックアップ先通信アドレスをそれぞれ記憶する記憶手段と、注文入力用端末1から受信した商品注文データを商品注文データ送信先通信アドレスが設定された装置に送信し、この送信に失敗するとバックアップ先通信アドレスが設定された装置に同商品注文データを送信する送信先切替手段と、LAN7を介して商品注文データ送信先通信アドレスの変更を要求するSTNアドレス変更要求コマンドを受信すると記憶手段で記憶した商品注文データ送信先通信アドレスをそのコマンド送信元装置の通信アドレスに更新するアドレス更新手段とを有している。また、バックアップ装置として設定されたPOSターミナル6に、中継装置2から送信される商品注文データを受信したことに応じて上記STNアドレス変更要求コマンドを中継装置2に送信するコマンド送信手段を設けるとともに、注文管理装置5に、ダウン復旧後の再立上げ時に上記STNアドレス変更要求コマンドを中継装置2に送信するコマンド送信手段を設けている。
【0070】
したがって、中継装置2においては、注文管理装置5のダウンにより商品注文データの送信に失敗した後は、注文入力用端末1から受信した商品注文データをバックアップ装置として設定されたPOSターミナル6に直接転送するように送信先を自動的に切り替えるので、効率的である。また、注文管理装置5がダウンから復旧した場合も、即座に注文入力用端末1から受信した商品注文データを注文管理装置5に転送するようになるので、面倒な切替作業が不要である。
【0071】
また、本実施の形態においては、バックアップ装置として設定されたPOSターミナル6が、注文管理装置5の機能を代行している期間中、その旨を表示部DPに表示してオペレータに報知するようにしている。したがって、POSターミナル6のオペレータは、この表示から注文管理装置5がダウンしたことを直ぐに認識できる。
【0072】
なお、前記一実施の形態では、注文管理装置5のバックアップ装置としてPOSターミナル6を設定したが、厨房装置3または伝票発行機4にオーダバックアップファイル91を設けるとともに、バックアップ登録手段及びバックアップ処理手段を実行するプログラムを実装させることによって、厨房装置3または伝票発行機4をバックアップ装置として設定してもよい。また、別途パーソナルコンピュータなどの電子機器をLAN7に接続し、オーダバックアップファイル91を設けるとともにバックアップ登録手段及びバックアップ処理手段を実行するプログラムを実装させることによって、この電子機器をバックアップ装置として機能させることも可能である。
【0073】
また、前記一実施の形態では、中継装置2において注文管理装置5のダウンを検知すると商品注文データの送信先を自動的にバックアップ装置に切り替えたが、注文管理装置5がダウンしたときに商品注文データの送信先を手動でバックアップ装置に切り替えるものも本発明は含むものである。
【0074】
【発明の効果】
以上詳述したように、本願請求項1記載の発明によれば、注文管理装置がダウンしてもシステム全体がダウンするのを防止できるとともに、ダウン前に注文を受けた顧客の会計も確実に処理できる商品注文管理システムを提供できる。
また、本願請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明と同等な効果を奏することはもとより、注文管理装置がダウンしたとき及び復旧したときの商品注文データ送信先の切替が自動的に行われるので、面倒な切替作業を不要にできる効果を奏する。
また、本願請求項3記載の発明によれば、さらに、注文管理装置のダウン復旧後にはオーダファイルが現時点の状況に適合するように自動的に修正されるので、オーダファイルの修復作業を行うことなく通常のシステム処理を継続できる効果を奏する。
また、本願請求項4記載の発明によれば、注文管理装置がダウンしたことをリアルタイムでオペレータに知らせることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態である飲食店向け商品注文管理システムの全体図。
【図2】 同注文管理システムにおける中継装置の要部構成を示すブロック図。
【図3】 上記中継装置のRAMに形成する主要なメモリエリアを示す図。
【図4】 同注文管理システムにおける注文管理装置の要部構成を示すブロック図。
【図5】 上記注文管理装置が有するオーダファイルに登録されるオーダファイルレコードのフォーマットを示す図。
【図6】 同注文管理システムにおけるPOSターミナルの要部構成を示すブロック図。
【図7】 同注文管理システムにおける中継装置のCPUが実行する各種受信処理を示す流れ図。
【図8】 同注文管理システムにおける注文管理装置のCPUが実行する各種受信処理を示す流れ図。
【図9】 同注文管理システムにおけるPOSターミナルのCPUが実行する各種受信処理を示す流れ図。
【図10】上記POSターミナルのCPUが実行するキー入力処理の要部を示す流れ図。
【図11】上記注文管理装置のCPUが実行する再立上げ処理を示す流れ図。
【符号の説明】
1…注文入力用端末
2…中継装置
3…厨房装置(出力装置)
4…伝票発行機
5…注文管理装置
6…POSターミナル(会計装置)
7…LAN(通信回線)
8…メニューファイル
9…オーダファイル
10…売上ファイル
81…メニューバックアップファイル
91…オーダバックアップファイル
Claims (4)
- 注文入力用端末から発信される商品注文データを受信する中継装置、注文商品の製造指示データを出力する出力装置、前記中継装置で受信した商品注文データを取込み顧客単位にオーダファイルレコードを作成してオーダファイルに記憶する機能及び当該商品注文データに基づいて前記製造指示データを作成して前記出力装置に送信する機能を有した注文管理装置、前記オーダファイルのオーダファイルレコードに基づいて注文商品を受け取った顧客の会計を処理する会計装置等を通信回線で相互通信自在に接続してなる商品注文管理システムにおいて、
前記通信回線で接続される各装置のうち前記注文管理装置を除く1装置を前記注文管理装置のバックアップ装置として設定し、そのバックアップ装置に前記オーダファイルのバックアップファイルを設けるとともに、
前記注文管理装置は、前記オーダファイルレコードを作成する毎にそのオーダファイルレコードを前記通信回線を介して前記バックアップ装置に転送するレコード転送手段を有し、
前記中継装置は、前記注文管理装置のダウン時に前記注文入力用端末から受信した商品注文データを前記バックアップ装置に送信するバックアップ送信手段を有し、
前記バックアップ装置は、前記注文管理装置から転送されるオーダファイルレコードを受信するとそのレコードを前記バックアップファイルに登録するバックアップ登録手段と、前記中継装置から送信される商品注文データを受信するとその商品注文データに基づいてオーダファイルレコードを作成して前記バックアップファイルに登録するとともに前記製造指示データを作成して前記出力装置に送信するバックアップ処理手段とを有し、
前記会計装置は、前記注文管理装置のダウン時に前記バックアップファイルのオーダファイルレコードに基づいて注文商品を受け取った顧客の会計を処理するバックアップ会計手段を有したことを特徴とする商品注文管理システム。 - 請求項1記載の商品注文管理システムにおいて、
前記中継装置が有するバックアップ送信手段は、商品注文データ送信先通信アドレス及びバックアップ先通信アドレスをそれぞれ記憶する記憶手段と、前記注文入力用端末から受信した商品注文データを前記商品注文データ送信先通信アドレスが設定された装置に送信し、この送信に失敗すると前記バックアップ先通信アドレスが設定された装置に同商品注文データを送信する送信先切替手段と、前記通信回線を介して前記商品注文データ送信先通信アドレスの変更を要求する通信アドレス変更要求コマンドを受信すると前記記憶手段で記憶した商品注文データ送信先通信アドレスをそのコマンド送信元装置の通信アドレスに更新するアドレス更新手段とからなり、かつ、
前記バックアップ装置は、前記中継装置から送信される商品注文データを受信したことに応じて前記通信アドレス変更要求コマンドを前記中継装置に送信するコマンド送信手段を有し、
前記注文管理装置は、ダウン復旧後の再立上げ時に前記通信アドレス変更要求コマンドを前記中継装置に送信するコマンド送信手段を有したことを特徴とする商品注文管理システム。 - 請求項1または2記載の商品注文管理システムにおいて、
前記注文管理装置は、ダウン復旧後の再立上げ時に前記バックアップ装置から前記バックアップファイルに記憶されたオーダファイルレコードを取得しそのオーダファイルレコードで前記オーダファイルを復旧するオーダファイル復旧手段を有し、
前記会計装置は、顧客の会計を処理する毎にその顧客に対応するオーダファイルレコードを前記バックアップファイルから削除するバックアップレコード削除手段を有したことを特徴とする商品注文管理システム。 - 請求項1乃至3のうちのいずれか1項記載の商品注文管理システムにおいて、
前記バックアップ装置は、前記中継装置から送信される商品注文データを受信すると前記注文管理装置の機能代行中であることを報知し、前記注文管理装置のダウン復旧後の再立上げを検知すると同報知を停止する代行報知手段を有したことを特徴とする商品注文管理システム。
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