JP3954303B2 - 合成樹脂製パレット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品が載置された合成樹脂製パレットを、物品ごと、ストレッチフィルムで梱包するのに適した合成樹脂製パレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、合成樹脂製パレットのコーナー部の上部及び下部に、巻回されるストレッチフィルムが引っ掛かるように、凸部を形成した合成樹脂製パレットが知られている(例えば、実用新案登録第2520455号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の合成樹脂製パレットにおいては、合成樹脂製パレットを物品ごと梱包したストレッチフィルムは、上部に位置する凸部に引っ掛かっているだけであるので、合成樹脂製パレットのフォーク差し込み口にフォークを差し込んで、合成樹脂製パレットを持ち上げる際のフォークの上方への移動により、フォーク差し込み口に懸かっているストレッチフィルムが捲くり上げられて、凸部に引っ掛かっているストレッチフィルムが、凸部から外れるという問題があった。また、ストレッチフィルムが、上部に位置する凸部に引っ掛かっているだけであるので、合成樹脂製パレットの移送中に合成樹脂製パレットに載置されている物品が揺れて、ストレッチフィルムが弛み、凸部に引っ掛かっているストレッチフィルムが、凸部から外れるという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、上述した従来の合成樹脂製パレットが有する課題を解決することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、半製品である上部スキッドと下部スキッドとを、桁部で溶着することにより形成された、上部デッキボードと下部デッキボードとを有する合成樹脂製パレットにおいて、前記上部デッキボードの周縁と前記下部デッキボードの周縁には、それぞれ、デッキボード周縁突出部が形成されているとともに、前記上部デッキボードのデッキボード周縁突出部と前記下部デッキボードのデッキボード周縁突出部との間に位置する、隅桁の外側角部を挟んで位置する2つの外側壁面には、前記デッキボード周縁突出部と略並行に、且つ、前記デッキボード周縁突出部の同じ突出量を有する連続した凸条が、前記デッキボード周縁突出部と前記凸条との間隔及び前記凸条間の間隔が、略等間隔となるように、複数本、形成されており、また、前記凸条の隅桁の外側壁面からの突出量を、2mm〜10mmとし、更に、前記デッキボード周縁突出部と前記凸条との間隔及び前記凸条間の間隔を、前記凸条の根元部の幅の2倍以上とすることにより、前記合成樹脂製パレットが物品ごと、ストレッチフィルムで梱包された際には、前記ストレッチフィルムが、前記デッキボード周縁突出部と前記凸条の間及び前記凸条間に位置する前記外側壁面に密着するように構成したものである。
【0006】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0007】
先ず最初に、図1を用いて、本発明の合成樹脂製パレット(以下、単に、パレットともいう。)の一例として、合成樹脂で、それぞれ、一体に成形された半製品である上部スキッドS1と下部スキッドS2とを、桁部で溶着することにより形成されるパレットについて説明する。
【0008】
平面形状が方形状の上部スキッドS1は、四隅に形成された隅桁部1a’と、隅桁部1a’の中間に形成された中間桁部1b’と、中央部に形成された中央桁部(図示されていない。)とを有し、また、同じく、平面形状が方形状の下部スキッドS2は、四隅に形成された隅桁部1a”と、隅桁部1a”の中間に形成された中間桁部1b”と、中央部に形成された中央桁部(図示されていない。)とを有しており、上部スキッドS1と下部スキッドS2とは、それぞれ、合成樹脂で一体に成形されている。そして、上部スキッドS1の隅桁部1a’の端面、中間桁部1b’の端面及び中央桁部の端面と、下部スキッドS2の隅桁部1a”の端面、中間桁部1b”の端面及び中央桁部の端面とを、それぞれ、互いに溶着することによりパレットが形成される。
【0009】
上述したようにして形成されたパレットは、上部デッキボードp1と下部デキイボードp2と、四隅に形成された隅桁部1a’、1a”からなる筒状の隅桁1aと、隅桁1aの中間に形成された中間桁部1b’、1b”とからなる筒状の中間桁1bと、中央桁部(図示されていない。)とからなる筒状の中央桁1cとを有するとともに、隅桁1aと中間桁1bとの間及び中間桁1bと中央桁との間には、フォークリフトのフォークが挿入可能なフォーク差し込み口2が形成されている。
【0010】
この実施例においては、上部デッキボードp1の周縁p1aと下部デッキボードp2の周縁p2aは、隅桁1aの外側壁面(フォーク差し込み口2に面していない壁面、換言すれば、パレットの4つの角部を構成する隅桁1aの外側角部1a2を形成する2つの壁面)1a1及び中間桁1bの外側壁面(フォーク差し込み口2に面していない壁面)1b1より、若干、水平方向に張り出している。以下、この水平方向に張り出した部分を、デッキボード周縁突出部p1’、p2’と称する。
【0011】
隅桁1aの外側角部1a2を挟んで位置する2つの外側壁面1a1には、所定の間隔で略等間隔に、且つ、デッキボード周縁突出部p1’、p2’と略平行な連続した凸条3が形成されている。外側角部1a2及び外側角部1a2を挟んで位置する2つの外側壁面1a1に連続して形成された凸条3は、隅桁1aの外側壁面1a1の幅W1の全域に亘たって形成されておらず、凸条3の長さL1は、隅形1aの外側壁面1a1の幅W1の5%〜50%の範囲内、好ましくは、10%〜30%の範囲内にある。また、外側角部1a2から、外側角部1a2を挟んで位置する2つの外側壁面1a1内に位置する凸条3のそれぞれの長さL1a、L1bは、実質的に同じ長さに形成されている。
【0012】
凸条3の長さL1が、50%を越えると、外側壁面1a1の凸条3が形成されていない平坦な部分の面積が少なくなり、パレットに巻回されたストレッチフィルムの密着面積が少なくなり、パレットからストレッチフィルムが外れ易くなる。また、凸条3の長さL1が、50%を越えると、外側壁面1a1の凸条3が形成されていない平坦な部分の面積が少なくなり、ラベルを貼付したり、文字等を記載する表示面積が減少し好ましくないし、凸条3の長さL1が5%未満になると、ストレッチフィルムの引っ掛かり抵抗が小さくなり過ぎ、ストレッチフィルムが、凸条3から外れ易くなる。
【0013】
凸条3の隅桁1aの外側壁面1a1からの突出量D1は、2mm〜10mm、好ましくは、2mm〜6mmに形成されており、デッキボード周縁突出部p1’、p2’の外側壁面1a1からの突出量D2と実質的に同じ突出量に形成されている。凸条3の突出量D1が、2mm未満であると、ストレッチフィルムの引っ掛かり抵抗が小さくなり過ぎ、ストレッチフィルムが、凸条3から外れ易くなり、また、凸条3の突出量D1が、10mmを越えると、巻回されたストレッチフィルムの隅桁1aの外側壁面1a1への密着面積が少なくなり、ストレッチフィルムがパレットから外れ易くなる。
【0014】
凸条3の根元部の幅(パレットの厚さ方向に沿った長さ)H1は、20mm以内、好ましくは、3mm〜10mmに形成されている。凸条3の幅H1が、20mmを越えると、デッキボード周縁突出部p1’、p2’と凸条3の間及び凸条3間に位置する隅桁1aの外側壁面1a1に密着するストレッチフィルムが少なくなり、従って、ストレッチフィルムがパレットから外れ易くなる。
【0015】
凸条3の突出量D1は、凸条3の根元部の幅H1以下に形成されており、凸条3の幅H1方向の垂直断面形状は、台形や三角形や矩形や半円形状に形成されており、凸条3の先端部には、ストレッチフィルムが損傷しないように、丸み、即ち、アールが形成されている。
【0016】
凸条3の突出量D1を、2mm〜10mm、凸条3の根元部の幅H1を、20mm以内及び凸条3の突出量D1を、凸条3の根元部の幅H1以下に形成することにより、パレットの重量増加を抑えることができるとともに、射出成型の際の冷却過程における凸条3付近のひけによる変形を防止することができる。特に、凸条3の突出量D1を、凸条3の根元部の幅H1以下に形成することにより、凸条3に衝撃が加わった際等の凸条3の損傷を防止することができる。
【0017】
また、デッキボード周縁突出部p1’、p2’を含め凸条3の間隔、即ち、デッキボード周縁突出部p1’、p2’と凸条3の間隔P1及び凸条3の間隔P2は、略等間隔で、その間隔P1、P2は、凸条3の根元部の幅H1の2倍以上に形成されている。このように構成することにより、デッキボード周縁突出部p1’、p2’と凸条3の間及び凸条3間に位置する隅桁1aの外側壁面1a1に、確実に所定量のストレッチフィルムが密着し、ストレッチフィルムのパレットからの外れを防止することができる。また、フォーク差し込み口2を覆っているストレッチフィルムを突き破って、フォークを、パレットのフォーク差し込み口2に挿入した後、フォークを上昇させた際に、ストレッチフィルムが上方に引っ張られることになるが、上記のように、デッキボード周縁突出部p1’、p2’と凸条3の間及び凸条3間の位置する隅桁1aの外側壁面1a1に、確実に所定量のストレッチフィルムが密着しているので、ストレッチフィルムが、パレットから簡単に外れるようなことが防止できる。
【0018】
外側角部1a2を含め外側角部1a2を挟んで位置する2つの外側壁面1a1に連続して形成された凸条3は、上述したような条件で、デッキボード周縁突出部p1’、p2’を含めて略等間隔に形成されているが、その本数は、パレットの厚さ、換言すれば、パレットの高さH2にもよるが、デッキボード周縁突出部p1’、p2’間に少なくとも3本以上形成する。突設される凸条3が、3本未満であると、ストレッチフィルムの引っ掛かりが十分ではなく、ストレッチフィルムが、パレットから簡単に外れることになる。
【0019】
また、上述したように、隅桁1aの外側角部1a2を挟んで位置する2つの外側壁面1a1に、略等間隔に凸条3が形成されているので、パレットの角部を強度が増加する。
【0020】
なお、上述した実施例には、パレットが、上部スキッドS1と下部スキッドS2と溶着するとにより形成される例が示されているが、パレットを一体に成形することもできる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、いかに記載する効果を奏するものである。
【0022】
デッキボード周縁突出部と凸条の間及び凸条間に位置する隅桁の外側壁面に、確実に所定量のストレッチフィルムを密着するので、ストレッチフィルムのパレットからの外れを防止することができる。
【0023】
また、フォーク差し込み口を覆っているストレッチフィルムを突き破って、フォークを、パレットのフォーク差し込み口に挿入した後、フォークを上昇させた際に、ストレッチフィルムが上方に引っ張られることになるが、デッキボード周縁突出部と凸条の間及び凸条間に位置する隅桁の外側壁面に、確実に所定量のストレッチフィルムが密着しているので、ストレッチフィルムが、パレットから簡単に外れるようなことが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一例としての合成樹脂製パレットの全体斜視図である。
【図2】図2は図1の合成樹脂製パレットの隅桁付近の部分斜視図である。
【図3】図3は図1の合成樹脂製パレットの隅桁付近の部分正面図である。
【符号の説明】
1a・・・・・・・・・・・・隅桁
1b・・・・・・・・・・・・中間桁
1c・・・・・・・・・・・・中央桁
2・・・・・・・・・・・・・フォーク差し込み口
3・・・・・・・・・・・・・凸条
Claims (1)
- 半製品である上部スキッドと下部スキッドとを、桁部で溶着することにより形成された、上部デッキボードと下部デッキボードとを有する合成樹脂製パレットにおいて、前記上部デッキボードの周縁と前記下部デッキボードの周縁には、それぞれ、デッキボード周縁突出部が形成されているとともに、前記上部デッキボードのデッキボード周縁突出部と前記下部デッキボードのデッキボード周縁突出部との間に位置する、隅桁の外側角部を挟んで位置する2つの外側壁面には、前記デッキボード周縁突出部と略並行に、且つ、前記デッキボード周縁突出部の同じ突出量を有する連続した凸条が、前記デッキボード周縁突出部と前記凸条との間隔及び前記凸条間の間隔が、略等間隔となるように、複数本、形成されており、また、前記凸条の隅桁の外側壁面からの突出量を、2mm〜10mmとし、更に、前記デッキボード周縁突出部と前記凸条との間隔及び前記凸条間の間隔を、前記凸条の根元部の幅の2倍以上とすることにより、前記合成樹脂製パレットが物品ごと、ストレッチフィルムで梱包された際には、前記ストレッチフィルムが、前記デッキボード周縁突出部と前記凸条の間及び前記凸条間に位置する前記外側壁面に密着するように構成されていることを特徴とする合成樹脂製パレット。
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