JP3952653B2 - 自動販売機の商品搬出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動販売機の商品搬出装置に関し、さらに詳しくは、十分な強度を確保しつつ装置の薄型化を実現でき、簡易な構成のペダルの回り止め構造を備えた自動販売機の商品搬出装置(以下、適宜、商品搬出装置という)に関する。
【0002】
【従来の技術】
サーペンタイン式の商品通路を有する自動販売機の商品搬出装置として、たとえば、図11〜図13に示したものが知られている。ここで、図11は、従来における自動販売機の商品搬出装置を示す正面斜視図、図12は、従来における自動販売機の商品搬出装置を示す背面斜視図、図13は、下ペダルのストッパ部を示す部分側面図である。
【0003】
図11および図12に示すように、基板101には開口部が設けられており、この開口部に商品搬出制御用の上ペダル110と下ペダル130とが、ピン111,131によって回動自在に設けられている。ピン131は、基板101の一部を立設したピン支持フレーム101Pに軸支されている。
【0004】
下ペダル130は、開状態において商品通路にある最下端の商品を支持するものである。また、図11および図13に示すように、この下ペダル130の側端部には、下ペダル130の最大開度時にピン支持フレーム101Pに当接するストッパ部130bを備えている。また、上ペダル110は、下ペダル130が閉状態になり、前記最下端の商品が搬出される際に、次に最下端に移動することとなる商品を支持するものである。
【0005】
これらのペダル110,130は、ソレノイド170によって往復動するプランジャ160に連結されたリンク部材151とスプリング155との協働によって開閉されるようになっている。また、上ペダル110のリンク部材151側の端部には、ピン115が設けられている。下ペダル130のリンク部材151側の端部には、ロック部130aが設けられている。
【0006】
これらの部材115,130aは、商品の販売待機状態、すなわち下ペダル130が商品通路側に開いている状態において、互いに当接することによって下ペダル130の開状態(ロック状態)を維持できるように形成されている。なお、売り切れスイッチ180は、商品の売り切れを検出するためのものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ピン支持フレーム101Pとこれに当接するストッパ部130bとによって下ペダル130の回り止めを行っていたので、近年における装置の薄型化の要請に基づいて装置全体を薄型化しようとする場合、基板101を十分な強度で構成できないため、当該薄型化が実現できないという問題点があった。また、図12の矢印で示すように、下ペダル130に商品の偏荷重がかかると、当該下ペダル130の剛性をも確保できず、装置の薄型化に苦慮していた。
【0008】
一方、薄型化の実現を優先して上記回り止め構造をなくしてしまうと、下ペダル130とこれに追従動作する上ペダル110の開度が大きくなりすぎて、販売トラブルを起こしてしまうという問題点があった。
【0009】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、十分な強度を確保しつつ装置の薄型化を実現でき、簡易な構成のペダルの回り止め構造を備えた自動販売機の商品搬出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明にかかる自動販売機の商品搬出装置は、商品通路からの商品搬出を制御するために基板の開口部に回動自在に軸支された上ペダルおよび下ペダルと、前記基板に配設され当該基板から前記商品通路側に前記各ペダルを出没自在に開閉させる開閉機構と、前記各ペダルを軸支する軸部材の中央部付近および前記開閉機構の軸部材の端部を支持するために前記基板の中央部付近に配設された軸受部材と、前記上ペダルの最大開度を規制するために前記上ペダルにおける軸支側の基端部に突設した第1の突起部と、前記下ペダルの最大開度を規制するために前記下ペダルにおける軸支側の基端部に突設した第2の突起部と、を備え、前記各ペダルが最大開度となったときに前記上ペダルの第1の突起部と前記下ペダルの第2の突起部が前記軸受部材に当接し、当該最大開度を規制するようにしたものである。
【0011】
したがって、基板の剛性を確保しながら、装置の薄型化と各ペダルの回り止めを実現できる。また、上記回り止めを、専用の部品を用いることなく、装置の構成部材を利用して実現しているので、部品点数の低減にも寄与でき、コストダウンを図ることができる。
【0012】
また、この発明の請求項2にかかる自動販売機の商品搬出装置は、軸受部材における各ペダルの突起部が当接する部分を幅広く形成したものである。したがって、突起部との当接部分の強度を高めることができ、各ペダルの回動規制を確実に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる自動販売機の商品搬出装置の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
図1は、この発明の実施の形態にかかる商品搬出装置を示す全体斜視図、図2は、二つの商品搬出装置を抱き合わせた状態を示す斜視図、図3は、自動販売機を示す斜視図、図4は、商品収納ラックを示す斜視図、図5は、上ペダルを示す正面斜視図、図6は、上ペダルを示す背面斜視図、図7は、下ペダルを示す正面斜視図、図8は、下ペダルを示す背面斜視図、図9は、軸受部材を示す斜視図、図10は、上ペダルおよび下ペダルの最大開度状態を示す要部断面図である。
【0015】
先ず、本発明が適用される自動販売機の商品収納ラックの概略構成について説明する。図3に示すように、自動販売機は、本体1内に複数の商品収納ラック4を備えるとともに、本体1に対して開閉自在な内扉2および外扉3とを備えている。
【0016】
この商品収納ラック4は、図4に示すように、サーペンタイン式の商品通路4aを複数(たとえば、4つ)有し、両側面にはラック側板4bが設けられている。この商品通路4aの下端部には、後述する上ペダル10および下ペダル30が商品通路4aに臨むように二つの商品搬出装置5を抱き合わせてピン201,202を介して設けられており(図2参照)、当該ペダル10,30の開閉制御によって商品の搬出を制御できるようになっている。なお、ピン201は、ホルダー211によって保持されている。売り切れスイッチ80は、商品の売り切れを検出するためのものである。
【0017】
つぎに、本発明の全体構成について説明する。図1に示すように、基板6には開口部7が設けられており、この開口部7に商品搬出制御用の上ペダル10と下ペダル30とが、ピン11,31によって回動自在に設けられている。この下ペダル30は、開状態において商品通路4aにある最下端の商品(図示せず)を支持するものであり、所定の強度と耐熱性を担保するためにガラス繊維強化プラスチック(たとえば、ガラス繊維強化ポリアセタール)にて形成されている。
【0018】
また、上ペダル10は、下ペダル30が閉状態になり、前記最下端の商品が搬出される際に、次に最下端に移動することとなる商品を支持するものであり、たとえば、ポリアセタールにて形成されている。
【0019】
これらのペダル10,30は、リンク機構や回動ストッパ53等からなる開閉機構50によって開閉されるようになっている。この開閉機構50のリンク機構は、ソレノイド70によって往復動するプランジャ60に連結されている。開閉機構50のピン20,21,22,23の一端とピン11,31のほぼ中央部は、軸受部材52によって支持されている。
【0020】
回動ストッパ53は、商品荷重に対抗するために、上ペダル10と下ペダル30の回動範囲を規制するためのものである。すなわち、回動ストッパ53は、ソレノイド70からの駆動力がプランジャ60を介して上記リンク機構に伝達されると、ロックピン22が軸受部材52の摺動穴52e(図9参照)を上方に摺動し、回動ストッパ53が有する摺動穴でも摺動するように構成され、回動ストッパ53がピン20を回転軸にして手前に回動することでピン21,22による下ペダル30のロックを解除するように構成されている。
【0021】
つぎに、上ペダル10について、図1、図5および図6に基づいて説明する。図5に示すように、ピン穴10aは、ピン11を挿通するためのものである。ストッパ部10b,10cは、開閉機構50に設けられたピン23を受けるためのものであり、開閉機構50が動作する際にピン23が摺動する摺動溝10dと、上ペダル10の開状態においてピン23が係合し、ロック状態を維持するためのストッパ面10eとを有している。
【0022】
ストッパ部10bとストッパ部10cとの間に形成された突条部10fは、上ペダル10が閉状態のときに、軸受部材52と当接する接触面積を減少させるために突設したものである。これは、ビン飲料の商品がローディング時あるいは販売時に割れてしまい、飲料物が上ペダル10と軸受部材52との接触面に付着する場合があり、当該飲料成分が所定条件下で粘着性の飴状になると、上ペダル10と軸受部材52とが固着して動作を妨げ、販売トラブルを引き起こす可能性があるため、かかる事態を防止すべく両部材10,52の接触面積を減少させる必要があるからである。
【0023】
また、リブ10g,10h,10kは、上ペダル10の強度を増加させるために設けたものである。また、本発明の要部たる突起部10m,10nは、上ペダル10が最大開度の状態になるときに軸受部材52の一部に当接して回動範囲(上限)を規制するためのものである。
【0024】
つぎに、下ペダル30について、図1、図7および図8に基づいて説明する。図7に示すように、ピン穴30aは、ピン31を挿通するためのものである。一対のストッパ片30bは、回動ストッパ53に設けられたピン21を受けるためのものであり、回動ストッパ53が回動する際にピン21が摺動する摺動面30cと、下ペダル30の開状態においてピン21が係合し、ロック状態を維持するためのストッパ部30dとを有している。
【0025】
ストッパ片30bの外側に立設した一対のピン抜け防止突片30eは、ストッパ片30b上に位置するピン21が左右方向に抜けるのを防止するためのものである。突起部30fは、プランジャ60がソレノイド70に引かれ、下ペダル30が閉じたときに、ピン21が抜けるのを防止するために設けたものである。
【0026】
変形防止リブ30gは、先端部を所定の傾斜角度で切り欠いて形成したストッパ部30hを備えて形成され、下ペダル30が開状態のときに、ストッパ部30hをロックピン22に係合させて、商品の偏荷重を支持することで、当該下ペダル30にひねりが発生するのを防止し、ロック状態を安定的に維持するためのものである。
【0027】
変形防止リブ30gの突設位置は、商品の偏荷重によって下ペダル30の端部(図1では右側の端部)が変形するのを効果的に防止し、またロックピン22が摺動穴52e(図9参照)を摺動するのを妨げないようにするために、他の商品搬出装置5との抱き合わせ時の寸法制限を勘案して、基板6の中心部に最大限近づくように設定されている。また、ストッパ部30hの傾斜角度は、ロックピン22のロック状態を解除する際に、円滑に解除できるように設定されている。
【0028】
ピン抜け防止突片30eと変形防止リブ30gとの間に形成された突起部30kは、下ペダル30が閉状態のときに、軸受部材52と当接する接触面積を減少させるために突設したものである。これは、ビン飲料の商品がローディング時あるいは販売時に割れてしまい、飲料物が下ペダル30と軸受部材52との接触面に付着する場合があり、当該飲料成分が所定条件下で粘着性の飴状になると、下ペダル30と軸受部材52とが固着して動作を妨げ、販売トラブルを引き起こす可能性があるため、かかる事態を防止すべく両部材30,52の接触面積を減少させる必要があるからである。
【0029】
また、格子状に形成されたリブ30mは、下ペダル30の強度を増加させるために設けたものである。また、本発明の要部たる突起部30nは、下ペダル30が最大開度の状態になるときに軸受部材52の一部に当接して回動範囲(上限)を規制するためのものである。
【0030】
つぎに、軸受部材52について、図1および図9に基づいて説明する。基板6は、軸受部材52を固定するための係止片6m,6hを備え、後述する突起部52g,52hがそれぞれ圧入可能な係止溝を備えている。軸受部材52は、全体を上下非対称のクランク形状に形成され、長手方向のほぼ中央部には、他の商品搬出装置5と抱き合わせたときに、互いに当接することにより基板6どうしの位置ずれを防止する位置決め部52aを備えている。なお、基板6の位置決め部6nもこれと同様の趣旨で設けられている。
【0031】
また、軸受部材52の位置決め部52aが形成されている部分が、軸受部材52の最大幅を有し、かつ、後述するピン穴52d,52cからほぼ等距離の位置に形成されており、図10に示すように、当該部分の背面部にて、上述したペダル10,30の突起部10m,10n,30nを受けるように形成されている。すなわち、軸受部材52の上記箇所を最大幅とすることで、強度を担保したものである。
【0032】
軸受部材52をクランク形状としたのは、下ペダル30が商品(図示せず)を保持している際(販売待機状態)に、回動ストッパ53によって下ペダル30を支持できる範囲を最大限に確保し、商品からの偏荷重によって下ペダル30の端部(図1では右側の端部)が変形するのを防止するためである。
【0033】
また、ピン23の反開閉機構50側の端部を受けるために上ペダル10に設けられたストッパ部10bの幅を、抱き合わせ時の寸法制約のもとで最大限に確保することで、商品からの偏荷重によって上ペダル10の端部(図1では右側の端部)が変形するのを防止するためである。
【0034】
ピン穴52bは、ピン20を回転自在に支持するために形成したものである。ピン穴52cは、ピン31を回転自在に支持するために形成したものである。ピン穴52dは、ピン11を回転自在に支持するために形成したものである。
【0035】
また、摺動穴52eは、回動ストッパ53のピン22を摺動自在に支持するために形成したものである。摺動穴52fは、ピン23を摺動自在に支持するために形成したものである。
【0036】
突起部52gは、軸受部材52の先端部近傍に突設され、係止片6mの係止溝に圧入できるように形成されている。また、突起部52hは、軸受部材52の後端部近傍に突設され、係止片6hの係止溝に圧入できるように形成されている。これらの突起部52g,52hは、前者が後者よりも大きく形成されている。
【0037】
以上のように、この実施の形態にかかる自動販売機の商品搬出装置5によれば、ペダル10,30に突起部10m,10n,30nを設け、これらを軸受部材52の背面部で受けるように構成したので、基板6の剛性を確保しながら、装置の薄型化とペダル10,30の回り止めを実現できる。
【0038】
また、上記回り止めを、専用の部品を用いることなく、装置の構成部材10,30,52を利用して実現しているので、部品点数の低減にも寄与でき、コストダウンを図ることができる。
【0039】
また、軸受部材52における各ペダル10,30の突起部10m,10n,30nが当接する部分を幅広く形成したので、当該当接部分の強度を高めることができ、各ペダル10,30の回動規制を確実に行うことができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明にかかる自動販売機の商品搬出装置(請求項1)によれば、商品通路からの商品搬出を制御するために基板の開口部に回動自在に軸支された上ペダルおよび下ペダルと、前記基板に配設され当該基板から前記商品通路側に前記各ペダルを出没自在に開閉させる開閉機構と、前記各ペダルを軸支する軸部材の中央部付近および前記開閉機構の軸部材の端部を支持するために前記基板の中央部付近に配設された軸受部材と、前記上ペダルの最大開度を規制するために前記上ペダルにおける軸支側の基端部に突設した第1の突起部と、前記下ペダルの最大開度を規制するために前記下ペダルにおける基端部に突設した第2の突起部と、を備え、前記各ペダルが最大開度となったときに前記上ペダルの第1の突起部と前記下ペダルの第2の突起部が前記軸受部材に当接し、当該最大開度を規制するようにしたので、基板の剛性を確保しながら、装置の薄型化と各ペダルの回り止めを実現できる。
【0041】
また、上記回り止めを、専用の部品を用いることなく、装置の構成部材を利用して実現しているので、部品点数の低減にも寄与でき、コストダウンを図ることができる。
【0042】
また、この発明にかかる自動販売機の商品搬出装置(請求項2)によれば、軸受部材における各ペダルの突起部が当接する部分を幅広く形成したので、当該当接部分の強度を高めることができ、各ペダルの回動規制を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる商品搬出装置の構成を示す全体斜視図である。
【図2】二つの商品搬出装置を抱き合わせた状態を示す斜視図である。
【図3】自動販売機の構成を示す斜視図である。
【図4】商品収納ラックの構成を示す斜視図である。
【図5】上ペダルの構成を示す正面斜視図である。
【図6】上ペダルの構成を示す背面斜視図である。
【図7】下ペダルの構成を示す正面斜視図である。
【図8】下ペダルの構成を示す背面斜視図である。
【図9】軸受部材の構成を示す斜視図である。
【図10】上ペダルおよび下ペダルの最大開度状態を示す要部断面図である。
【図11】従来における自動販売機の商品搬出装置の構成を示す正面斜視図である。
【図12】従来における自動販売機の商品搬出装置の構成を示す背面斜視図である。
【図13】下ペダルのストッパ部の構成を示す部分側面図である。
【符号の説明】
4a 商品通路
5 商品搬出装置
6 基板
7 開口部
10 上ペダル
10m、10n、30n 突起部
11、20、21、22、23、31 ピン
30 下ペダル
50 開閉機構
52 軸受部材
53 回動ストッパ

Claims (2)

  1. 商品通路からの商品搬出を制御するために基板の開口部に回動自在に軸支された上ペダルおよび下ペダルと、
    前記基板に配設され当該基板から前記商品通路側に前記各ペダルを出没自在に開閉させる開閉機構と、
    前記各ペダルを軸支する軸部材の中央部付近および前記開閉機構の軸部材の端部を支持するために前記基板の中央部付近に配設された軸受部材と、
    前記上ペダルの最大開度を規制するために前記上ペダルにおける軸支側の基端部に突設した第1の突起部と、
    前記下ペダルの最大開度を規制するために前記下ペダルにおける軸支側の基端部に突設した第2の突起部と、
    を備え、
    前記各ペダルが最大開度となったときに前記上ペダルの第1の突起部と前記下ペダルの第2の突起部が前記軸受部材に当接し、当該最大開度を規制するようにしたことを特徴とする自動販売機の商品搬出装置。
  2. 軸受部材における各ペダルの突起部が当接する部分を幅広く形成したことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機の商品搬出装置。
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