JP3951936B2 - 空気調和機の室内ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前面グリルのデザイン性及びメンテナンス性を向上させた空気調和機の室内ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気調和機の室内ユニットを、図5に示す。すなわち、101は空気調和機の室内ユニット本体であり、102は空気調和機のベースを構成する台枠、103は空気調和機の台枠102全体を被い外装を構成する前面枠、104は前面枠103の前方に装着される前面グリルである。105は前面枠103の天面に形成される天面吸い込み口、106は前面グリルに形成されるスリットを有した正面吸い込み口、107は正面下方に設けられ、風向制御用のフラップ108を有する吹き出し口である。109は前面グリルに開口穴110をあけてユニット本体101の内部に設けられた発光部を有する運転表示部である(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−267065号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の空気調和機の室内ユニットでは、前面グリル104が単一の成型品で構成されるため、正面吸い込み口106のスリットの方向を複数の横桟または縦桟にしたり、デザインによってはスリットを少なくして前面グリルをパネル感覚にしたりして形状の変化を付けたり、または色彩を変えて変化を付けたりでしかデザインを変化させることができず、前面グリル104としてはデザインが単調で高級感が少ないものとなっていた。
【0005】
また、前面グリル104に開口穴110をあけて運転表示部109を設け、この運転表示部109に装飾を用いてデザインの変化を付けているが、前面グリル104の面感覚が損なわれると共に運転表示部109が目立ちすぎて一体感に欠けるものとなり、高品位感がないものとなっていた。
【0006】
また、正面の吸い込み口106のスリットを複数の横桟または縦桟で構成したものは、空気調和機の運転により埃などがスリットの周辺に付着して汚れてしまうという課題もあった。
【0007】
また、発光部が運転表示部の所定位置を直接発光させるため、正面の発光は良いものの、やや側方からの発光部の視認性に欠けるという課題もあった。
【0008】
本発明は、上記のような従来の課題を解決するものであり、高級感を有し、かつメンテナンス性のよい空気調和機の室内ユニットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の空気調和機の室内ユニットは、台枠、前面枠、前面グリルを組み合わせて外郭を構成する空気調和機の室内ユニットにおいて、前記前面グリルは化粧パネルを有し、前記前面グリルは少なくとも前記化粧パネルを有する部分の表面に光沢系の塗装面を有し、前記化粧パネルは透明な材料で形成され、表面に光拡散処理(シボ加工)を施し、前面グリルに貫通穴を設け貫通穴の後方に発光部を設けたものであり、またさらには化粧パネルを着脱自在としてものである。それによって化粧パネルにより前面グリルの高級感が増し、側面の発光部の視認性がよくでき、またメンテナンス性が良好となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、台枠、前面枠、前面グリルを組み合わせて外郭を構成する空気調和機の室内ユニットにおいて、前記前面グリルは化粧パネルを有し、前記前面グリルは少なくとも前記化粧パネルを有する部分の表面に光沢系の塗装面を有し、前記化粧パネルは透明な材料で形成され、表面に光拡散処理(シボ加工)を施し、前記前面グリルに貫通穴を設け貫通穴の後方に発光部を設けたから、自然光や照明光により前面グリルの塗装の光沢が透明製の化粧パネルの光拡散処理を介して視認できるようになる。つまり、化粧パネルの表面は光沢がなくて奥が光沢がある状態となり、奥行きのある光沢感が生まれ、高級感、高品位感が実現できる。また、発光部からの光は、化粧パネルの表面の光拡散処理(シボ加工)の面に到達し、その部分で拡散して光るから側面側からの視認性がよく、発光部の付帯部品が目視できないから前面グリル及び化粧パネルの面感覚が損なわれることもない。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前面グリルの略中央に水平な開口部を設け、開口部の上面は、その下端を後方折り曲げるように形成すると共に、開口部の下面は、前面グリルの表面から化粧パネルのほぼ同一大きさで略肉厚分の凹面を設け、凹面の下側には係合穴を形成すると共に、凹面の裏面には、左右に引っかけ凸部を設け、また化粧パネルは、下部に係合突起を設けると共に、上部に前記凹面の上端に接する水平なリブを設け、リブの左右一端を後方に延長してキャッチ固定部を設け、キャッチ固定部に引っかけ爪を有するキャッチを設け、前面グリルの係合穴に化粧パネルの係合突起を係合させると共に、前面グリルの引っかけ凸部に化粧パネルのキャッチの引っかけ爪を係合させて、化粧パネルを前面グリルの凹面に配置して構成したものである。
【0012】
そしてこの構成によれば、前面グリルに化粧パネルとほぼ同一の大きさで略肉厚分の凹面を設けているから化粧パネルの装着位置が確実に決まるばかりでなく前面グリルと化粧パネルの一体感が増してデザイン的に好ましいものとなる。また、前面グリルの係合穴に化粧パネルの係合突起を係合させ、また前面グリルの引っかけ凸部に化粧パネルのキャッチの引っかけ爪を係合させているから化粧パネルの着脱が容易で化粧パネルの表裏面のほこり、汚れ等に対してのメンテナンスが容易にできる。また、キャッチを透明製としたからキャッチ部への上方からの光の進入がよくて化粧パネルの表面に対する陰影を少なくすることができる。
【0014】
請求項に記載の発明は、化粧パネルの上端に光沢面を設け、光沢面を前面グリルの凹面より上方に突き出すと共に、光沢面の表裏面の上方を後方に傾斜させた構成としたから、光沢面の反射効果による高級感を生み出すとともに、さらに光沢面正面からの視界を透明部品の屈折効果で開口部の上面の下端よりも上の部分を見えるようにすることができ、開口部から前面グリルの内側の部分を遮蔽することができる。
【0015】
以下本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態を示す空気調和機の室内ユニットの斜視図で、図2は前面グリル部分の分解斜視図。また、図3は同上の裏面側の主要部分の分解斜視図であり、図4は前面グリル部分の縦断面図である。
【0017】
図1において、空気調和機の室内ユニット本体1は、その外郭を台枠2、前面枠3、前面グリル4を組み合わせて構成されており、内部に電装部品、熱交換器、貫流ファン、エアフィルタ(以上図示せず)などを備えている。また空気調和機として動作するために、送風回路として前面枠3の天面に天面吸い込み口5を、また、前面グリル4には開口部6を、下方部には風向制御用のフラップ7を具備した吹き出し口8を有している。9は、化粧パネルであり、前面グリル4の前方に装着されている。
【0018】
また、図2のように、前面グリル4の開口部6は、前面グリルの略中央に水平に設けられており、開口部6の上面10は、その下端を後方に折り曲げるように形成されている。また開口部6の下側の面は、前面グリル4の表面から化粧パネル9とほぼ同一の大きさで略その肉厚分窪んだ凹面11が設けられている。また凹面11の下方には複数個の係合穴12が設けられ、そのほぼ中央には水平に複数個の貫通穴13が設けられている。さらに、凹面11の裏面には、左右に引っかけ凸部14が開口部6寄りに形成されている。また、前面グリル4の裏面上部の左右には、支点15、16が具備され、前記前面枠3に対してエアフィルタの清掃などの時に前面グリル4が回動または取り外しできるようになっている。また、さらに前面グリル4の表面は、凹面11を中心に全体に光沢系の塗装が施されている。
【0019】
前記貫通穴13の後方には、貫通穴13の位置に対応して樹脂ケース等に被われ室内ユニットの内部構造体に装着された発光部17が設けられている。
【0020】
一方、化粧パネル9は、図2〜図4に示すように透明製でほぼ均一肉厚の平板形状に形成され、その上部の一部を除くすべての表面(おもて面のみ)に光拡散処理(シボ加工)を施している。
【0021】
また、化粧パネル9の下部には下方に伸びる複数の係合突起18を設け、また上部裏面には前記前面グリル4の凹面11の上端に接する水平なリブ19を設けている。そして、前面グリル4裏面の引っかけ凸部14に対応したリブ19の左右一端を後方に台形形状に延長してキャッチ固定部20を形成している。ここでリブ19より上の化粧パネル9の表裏面は、光沢面21で、その表裏面の上方を後方に傾斜させており、キャッチ固定部20 には、上下に貫通するキャッチ部貫通穴22が設けられ、その下方にはキャッチ固定部20の台形形状の下部と側面を包含して、化粧グリル9と同一材料の透明製のキャッチ23がキャッチ貫通穴22を貫通するネジ24で上方から固定されてけられている。
【0022】
キャッチ23の下部中央には、弾性を確保するための円弧状の弾性部25を有する引っかけ爪26が形成され、下部側方左右には、凹面11との最適な寸法を確保するためのスペーサ部27が形成される。左右のキャッチ固定部20は同一形状で、キャッチ23も左右とも同一形状であることは言うまでもない。
【0023】
そして、化粧パネル9は、化粧パネル9下部の複数の係合突起18を凹面11の係合穴12に、また化粧パネル9の裏面のキャッチ23の引っかけ爪26を前面グリル4裏面の引っかけ凸部14に係合させて同時にリブ19の下部を凹面11の上端に接触させて前面グリル4の凹面11に装着されている。つまり、前面グリル4は、その表面に光沢系の塗装を施された凹面11部分の前方を、表面に光拡散処理(シボ加工)を施した透明製の化粧パネル9で被い、かつ化粧パネル9の光沢面21が凹面11より上に突きだした二重構造となっている。
【0024】
このような構成により、自然光や照明光により前面グリル4の塗装の光沢が透明製の化粧パネル9の光拡散処理を介して視認できるようになる。つまり、化粧パネル9の表面は光沢がなくて奥が光沢がある状態となり、奥行きのある光沢感が生まれ、高級感、高品位感が実現できる。
【0025】
また、前面グリル4に化粧パネルとほぼ同一の大きさで略肉厚分の凹面11を設けているから化粧パネル9の装着位置が確実に決まるばかりでなく前面グリル4と化粧パネル9の一体感が増してデザイン的に好ましいものとなる。また、化粧パネル9の装着は、前面グリル4の凹面11部分を上部から挟み込むように前面グリル4の係合穴12に化粧パネル9の係合突起18を係合させ、また前面グリル4の引っかけ凸部14に化粧パネル9のキャッチ23の引っかけ爪26を係合させるだけでよく、また、脱着は、引っかけ爪26を外して上記と逆の手順でよく、着脱が容易にできる。従って初期の組立性が良好なばかりでなく、化粧パネル9の表裏面にほこり、汚れ等が付着したとしてもメンテナンスが容易にできる。
【0026】
また、係合穴12及び係合突起18を複数個設けているから、化粧パネル9にそりなどが発生したとしても化粧パネル9が凹面11から浮き上がることなく美観が向上できる。
【0027】
また、キャッチ23は、化粧パネル9のキャッチ固定部20を包含して固定されているから固定が安定し、キャッチ23の材料が化粧パネル9と同一の透明製であるから、キャッチ23部分への上方からの光の進入がよく化粧パネル9の表面に対する陰影を少なくすることができる。
【0028】
また、キャッチ23の下部の引っかけ爪26には、円弧状の弾性部25が設けられているから引っかけ爪26の信頼性が向上し、またキャッチ23下部のスペーサ部27は、凹面11との隙間を最適に維持できる。
【0029】
またさらに、前面グリル4に複数個の貫通穴13を設け貫通穴13の後方に発光部17を設けたから、発光部17からの光は、化粧パネル9の表面の光拡散処理(シボ加工)の面に到達し、その部分で拡散して光るから側面側からの視認性がよく、発光部17の付帯部品が目視できないから前面グリル4及び化粧パネル9の面感覚が損なわれることもない。
【0030】
また、化粧パネル9の上端に光沢面21を設け、光沢面21を前面グリル4の凹面11より上方に突き出すと共に、光沢面21の表裏面の上方を後方に傾斜させたから、光沢面21の反射効果による高級感を生み出すとともに、さらに光沢面21正面からの視界を透明部品の屈折効果で開口部6の上面10の下端よりも上の部分を見えるようにすることができ、開口部6から前面グリル4の内側の部分を見えないようにすることができる。
【0031】
また、化粧グリル9は、着脱容易であるため、現場において着せ替えとして異なる透明色彩のものに交換可能であり、また、化粧パネル9の裏面に写真等を入れて楽しむこともできる。
【0032】
なお、本実施の形態では、化粧パネル9は、単に透明製と記載したが、化粧パネル9に透明系の薄い着色をして、前面グリルの表面を合致する光沢系の塗装をすることでなお一層の深みのある高級感が出せることは言うまでもない。
【0033】
【発明の効果】
上記説明で示したように本願発明によれば、塗装した前面グリルの前方に表面に光拡散処理をした化粧パネルを設けたから奥行きのある光沢感、高級感が実現でき、また、前面グリルと化粧パネルとの種々の係合構造により一体感が図れ、さらなるデザイン性が向上すると共に、化粧パネルの着脱が容易にできてメンテナンス性が向上できる。
【0034】
また、上記構成の裏面に発光部を設けたから側面の発光部の視認性がよくでき、さらに前面グリル及び化粧パネルの面感覚が維持できる。また、化粧パネルの上端に光沢面を設け、透明部品の屈折効果を利用できる形状としたから、開口部の内側を遮蔽させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す空気調和機の室内ユニットの斜視図
【図2】 同上の前面グリル部分の分解斜視図
【図3】 同上の裏面側の主要部を示す分解斜視図
【図4】 前面グリル部分の縦断面図
【図5】 従来例を示す空気調和機の室内ユニットの斜視図
【符号の説明】
1 室内ユニット本体
2 台枠
3 前面枠
4 前面グリル
6 開口部
9 化粧パネル
10 上面
11 凹面
12 係合穴
13 貫通穴
14 引っかけ凸部
17 発光部
18 係合突起
19 リブ
20 キャッチ固定部
21 光沢面
23 キャッチ
26 引っかけ爪

Claims (3)

  1. 台枠、前面枠、前面グリルを組み合わせて外郭を構成する空気調和機の室内ユニットにおいて、前記前面グリルは化粧パネルを有し、前記前面グリルは少なくとも前記化粧パネルを有する部分の表面に光沢系の塗装面を有し、前記化粧パネルは透明な材料で形成され、表面に光拡散処理(シボ加工)を施し、前記前面グリルに貫通穴を設け貫通穴の後方に発光部を設けたことを特徴とする空気調和機の室内ユニット。
  2. 前面グリルの略中央に水平な開口部を設け、開口部の上面は、その下端を後方折り曲げるように形成すると共に、開口部の下面は、前面グリルの表面から化粧パネルのほぼ同一の大きさで略肉厚分の凹面を設け、凹面の下側には係合穴を形成すると共に、凹面の裏面には、左右に引っかけ凸部を設け、また化粧パネルは、下部に係合突起を設けると共に、上部に前記凹面の上端に接する水平なリブを設け、リブの左右一端を後方に延長してキャッチ固定部を設け、キャッチ固定部に引っかけ爪を有する透明製のキャッチを設け、前面グリルの係合穴に化粧パネルの係合突起を係合させると共に、前面グリルの引っかけ凸部に化粧パネルのキャッチの引っかけ爪を係合させて、化粧パネルを前面グリルの凹面に配置した請求項1記載の空気調和機の室内ユニット。
  3. 化粧パネルの上端に光沢面を設け、光沢面を前面グリルの凹面より上方に突き出すと共に、光沢面の表裏面の上方を後方に傾斜させた請求項1または2記載の空気調和機の室内ユニット。
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