JP3837778B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部にフイルタと熱交換器と送風フアンを備えた通風路を有する筐体の前面に前記通風路と連通する吸込部を設けた空気調和機に関するものであり、特に、意匠性や強度を損なうことなく、通風抵抗を軽減して性能向上が図れ、また、清掃が容易な空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気調和機は、例えば、壁面取付け型の空気調和機においては、内部にフイルタと熱交換器と送風フアンを備えた通風路を有する筐体の前面を吸込グリルで形成される吸込部を設け、該吸込部及び上面の吸込部から吸い込んだ室内空気を底面に設けた吹出部から吹き出す構造が一般的である。これらの従来例では、筐体の前面を、2.5mm〜3mm程度の肉厚を備えた樹脂成形のフロントパネルで構成することで筐体の鋼性を持たせ、正面の吸込グリルを意匠性や内部機構の保護あるいは筐体の鋼性あるいは成形上の課題を考慮して前記フロントパネルの肉厚より厚くして一体成形している。前記従来例は、例えば、日立製作所が平成7年に実施している「型式RAS−259FX」等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来例では、正面の吸込部の開口面積を縮小すれば吸込グリルの自由度が増して外観の向上が可能となるが、正面の吸込部を縮小した分だけ吸気量が減少して、冷暖房の性能が悪化する。一方、冷暖房の性能を向上するために正面の吸込部の開口面積を大きくすると内部が見えてしまい見栄えが損なわれる。そこで、前記従来例では、上面に大きな開口部を設けることで正面の吸込部の大きさを小さくしている。しかしながら、空気量を増加して冷暖房の性能を向上する方法として、開口面積を大きくする他に、空気抵抗を軽減する方法がある。例えば、前記従来例では、開口部の肉厚をフロントパネルの肉厚より大きくしているために、この空気抵抗の分だけ吸気量が減少してしまうため、吸込部を大きくしなければならなかった。
【0004】
本発明の目的は、運転モードに対応して吸込開口率を変化させて空気清浄効率を高めることができる空気調和機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係る空気調和機では、内部に塵埃フイルタまたは空気清浄フイルタと熱交換器と送風フアンを順に配列した通風路を有する筐体を備えた空気調和機において、前記筐体を、後部をカバーする後部カバーと、前部をカバーする前部カバーと、前記後部カバーと前記前部カバーとの間に配置される中央カバーとから構成し、
前記前部カバーの前面に第1の吸込部、前記中央カバーの上部に第2の吸込部と第3の吸込部、前記中央カバーの下部に吹出部を形成し、前記熱交換器は、下端部を前記後部カバーに配置される後部ドレン皿に位置させ、上端部を前記送風フアンの上方の連結点に位置させる後部熱交換器と、下端部を前記前部カバーに配置される前部ドレン皿に位置させ、上端部を前記連結点を介して前記後部熱交換器と連結される前部熱交換器とから構成され、
前記吹出部は、第1駆動機構を介して、この吹出部を開閉する風向板を備え、前記第1の吸込部は、第2駆動機構を介して、この第1の吸込部を開閉する可動パネルを備え、前記第2の吸込部は、前記連結点の前部の前記前部熱交換器の上方に形成され、前記第3の吸込部は、前記連結点の後部の前記後部熱交換器の上方に形成され、前記塵埃フイルタは、前記第1の吸込部及び前記第2の吸込部と前記前部熱交換器との間に配置され、前記空気清浄フイルタは、前記第3の吸込部と前記後部熱交換器との間に配置され、前記第1駆動機構と前記第2駆動機構は制御部を介して動作され、前記制御部は、停止状態では、前記第1駆動機構と前記第2駆動機構とを介して、前記第1の吸込部と吹出部を閉鎖状態とし、空気清浄運転では、前記第1駆動機構を介して前記吹出部を開放して前記送風フアンを回転させ、冷暖房運転では、前記第1駆動機構と前記第2駆動機構を介して前記第1の吸込部と前記吹出部を開放して前記送風フアンを回転させる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施例を図1〜図64を参照して詳細に説明する。なお、同一または同様な部位、矢印等は同一符号をもって示し、重複した説明を省略する。
【0015】
〔第1の実施例〕
図1〜図24は本発明に係る空気調和機の一実施例を示すものであり、図1は外観斜視図、図2は部品構成図、図3は側面図、図4は正面図、図5は平面図、図6は底面図、図7は図14のB−B’断面図、図8は横断面図、図9はシャッタ機構図、図10は図14のC−C’断面図、図11は図14のA−A’断面図、図12はフイルタ構成図、図13はカバー外観図、図14は正面透視図、図15は装置構成図、図16は操作フロータート図、図17〜図24は他の応用例の説明図である。
【0016】
先ず、図1において、本実施例に係る空気調和機の外観の概略構造を説明する。図において、符号1で総括的に示すのは空気調和機の室内ユニットであり、図示しない冷媒配管、電源接続線、信号接続線等を介して図示しない室外ユニットと接続され、室内の壁面に設置されて、室内の冷暖房を主体に行うものである。室内ユニット1の外観は、樹脂成型のバックキャビネット2と、該バックキャビネット2の前面に設けられる樹脂成型の化粧カバー3と、該化粧カバ−3の前面に設けられた樹脂成型のフロントパネル4とから構成されている。なお、この実施例では樹脂材料をポリシチレン樹脂を採用している。5は化粧カバー3の底面前方に傾斜して配置される吹出部であり、2枚の樹脂成型の風向板6a、6bを備えている。7はフロントパネル4の正面下方に配置される第1の吸込部であり、該第1の吸込部7には、上下方向に移動してカバー8を隠蔽/露出する樹脂成型のムービングパネル9が設けられている。カバー8は複数の小さい孔をパンチング状に形成したネットであり、図2で説明する熱交換器10をカバーするフイルタ11の前面に取付けられる。また、化粧カバー3とバックキャビネット2の上面には第2の吸込部12と第3の吸込部13が形成されている。また、フロントパネル4の下部中央には運転状況を表示する表示部14と、別体のリモコンからの赤外線の操作信号を受ける受光部15が配置されている。本実施例に係る室内ユニット1によれば、停止時には設置状態で見える吹出部5と第1の吸込部7を風向板6a、6bとムービングパネル9で隠蔽して室内インテリアに調和させ、運転時には風向板6a、6bを冷暖房に対応して開放するとともに、ムービングパネル9を開いて第1の吸込部7及び第2、第3の吸込部12、13から室内空気を吸い込み内部の熱交換器10で冷風または温風にして前記吹出部5から吹き出すことができる。
【0017】
次に、図2において、室内ユニット1の部品構成を説明する。図において、バックキャビネット2の内側には貫流フアン16と熱交換器10とドレン皿17等の基本的な内部構造体が取付けられる。貫流フアン16は右側の回転軸をフアンモータ18、左側の回転軸をベアリング19で支持され、フアンモータ支持部材20とベアリング支持部材21でバックキャビネット2の下方に取付けられる。熱交換器10は大きさの異なる2枚の熱交換器10aと10b、該2枚の熱交換器10a、10bを連通するプレート配管10cと、電磁弁10dとから構成され、前記貫流フアン16の正面と上部をカバーするようにバックキャビネット2に取付けられる。ドレン皿17は、前記熱交換器10aの下方に配置され、該熱交換器10aの露を受けてドレンノズル22を介して室外に排出する。また、ドレン皿17は、バックキャビネット2とともに吹出通風路53(図7で図示)を形成し、該ドレン皿17の下面には、複数の左右方向の風向板23と上下方向の風向板6a、6bが取付けられている。ここで、風向板6a、6bは一端にステッピングモータ24が取付けられており、自動で風向角度を変更することができる。25はフアンモータ18の前部に取付けられ、マイコンや電源等の図示しない各種電装品を内蔵する電装品ボックスである。また、バックキャビネット2の右上方と右下方には着脱可能に上カバー26とSカバー27が設けられている。上カバー26は熱交換器10をバックキャビネット2に取付ける際に、該上カバー26の部分が組立作業に支障をきたさないように組立時に取外される。Sカバー27は熱交換器10に取付けられる冷媒配管28とドレンパイプ22及び電装品ボックス25からの配線を室内ユニット1の外に配管/配線するための配管口を形成するものであり、該Sカバー27の図示しない複数の切欠部を選択して切り欠くことにより横配管/縦配管を可能にする。なお、配管時には配管押さえ金具29により配管作業や美観を向上させるようにする。
【0018】
さて、バックキャビネット2の内側に取付けられた貫流フアン16等の基本的な内部構造体は、化粧カバー3を取付けることにより室内ユニット1内に包含される。化粧カバー3には、カバー8と空気清浄フイルタ30が取付けられるフイルタ11が着脱可能に取付けられる。また、ムービングパネル9はシャッタ機構部31を介して化粧カバー3に取付けられ、更に表示部14及び受光部15が化粧カバー3に取付けられる。そして、化粧カバー3の前面にフロントパネル4が取付けられる。なお、32は、室内ユニット1を壁面に取付けるための取付け金具である。
【0019】
次に、図3〜図14を参照して、具体的な構造を詳細に説明する。先ず、図3〜図6を参照して、室内ユニット1の外観構造を詳細に説明する。図において、室内ユニット1は横幅Wを798mm、高さHを270mm、奥行Dを183mmとする横長の外形寸法を備えている。本実施例では、近年の住宅環境が大きな窓を確保するために窓の上部の小壁が小さくなっていることに対応して高さHを設定し、また横幅Wを半間幅910mm(柱の間が最小800mm)に設置できるように設定し、該横幅Wと高さHの制約と内部構造とを考慮して奥行Dを設定している。この寸法体系をとる室内ユニット1によれば、近年需要が高まっている前記設置環境にも設置できるので、設置の多様性を向上できる。
【0020】
図3で示す側面図において、室内ユニット1は、バックキャビネット2を箱型に形成するとともに、化粧カバー3とフロントパネル4の上下面を、側面から見て、ほぼ上下対称で前方に向けて絞り込まれる大きな曲面33、34で形成し、更に、該曲面33、34の間に形成されるフロントパネル4の前面を後方に傾いた大きな曲面35で形成することにより、壁面に設置した状態において、室内ユニット1を壁面になじんだコンパクトな形態に見せることができる。更に、上面を曲面33で形成したことにより、第2の吸込部を設置状態で目立ちにくくするととに前方上方から室内空気を効率良く吸い込ませることができる。一方、下面を曲面34で形成したことにより、設置環境に馴染みやすい「面」を生かして吹出部5に傾斜を与えることができる。また、室内ユニット1は、フロントパネル4を一様な厚みのある扁平な形状とし、化粧カバー3との分割部に溝部36を形成することにより、フロントパネル4と化粧カバー3との勘合を良好にするとともに、連続した丸みのある大きな曲面33、34にアクセントラインを形成し、奥行感を軽減して、コンパクト感を一層向上させている。図面中、37は溝部36に隣接した化粧カバー3の両側下方に形成されるフロントパネル4の取外し用の手掛け凹部である。
【0021】
なお、本実施例では、上面の大きな曲面33をR300mm(化粧カバー3)とR100mm(フロントパネル4)とで形成し、下面の大きな曲面34をR200mmで形成し、フロントパネル4の大きな曲面35をR720mmに形成している。また、バックキャビネット2の奥行を61mm、フロントパネル4の奥行を23mm、大きな曲面33と大きな曲面35の交点P1を高さを30mm、奥行を170mmとし、大きな曲面34と大きな曲面35の交点P2の高さ40mm、奥行を179mmとし、大きな曲面35の高さを200mmに設定している。
【0022】
図4で示す正面図において、室内ユニット1は、正面4隅を大きなアール38aで形成し、更に溝部36及び大きな曲面35の正面4隅を前記大きなアール38の相似形のアール38b、38cとし、このアール38と連続する両側面をわずかに内側に絞り込まれる中央が凸の大きな円弧面とすることにより、内部実相効率を向上したコンパクトで全体に丸みのある外観形状を形成している。なお、本実施例では大きなアール38aをR24mmに設定している。また、フロントパネル4の前面に形成される大きな曲面35の中央下方には、周囲に大きな曲面35を残して第1の吸込部7が形成される。本実施例では第1の吸込部7の大きさを、横幅を738mm、高さを85mm、下面から中心軸までの高さを112mmに設定している。また、第1の吸込部7の上下部には傾斜面39が形成され、ムービングパネル9と大きな曲面35の段差を小さくして連続した形状とするとともに、室内空気を吸い込みやすくしている。吸込部7の下方の大きな曲面35の中央に配置される表示部14は、フロントパネル4に形成される3個の横長開口部を並設した凹溝40を形成し、該横長開口部から表示部14の発光部を露出させる構造としている。なお、前記発光部は中央に配置される運転ランプ兼省エレルギーランプと両側に配置される除湿運転ランプとタイマ運転ランプとから構成している。なお、前記3個の発光部は大きく形成され、該発光部の内部に各機能を色の違いで表すために色付き光源を設けている。例えば、運転を表すほぼ同意の2つのランプが配置された中央の発光部は、運転ランプを赤色ランプ、省エネルギーランプを黄色ランプとして、通常の運転時は赤色の運転ランプを点灯させ、省エネルギー運転時は運転開始時に省エネルギー運転を表す黄色ランプを点灯させ、運転が安定した段階で赤色ランプを一緒に点灯させることで、ランプ個数を増やすこと無く多様な表示が得られるようにしている。また、この実施例では、表示部14が配置される凹溝40のベース色の色調を本体色の色調より10段階の色調区分で7段階以上の差があるように暗い色調に設定している。例えば、本体色を色調1段階の明かるホワイト色とし、凹溝40のベース色を色調9段階のグレー色とすることで、ホワイトを基調とする洋室に調和して、表示部14の点灯時の映り込みを軽減して視確性を向上している。また、表示部14の下方のフロントパネル4の大きな曲面34の中央に配置される受光部15は、フロントパネル4に形成される矩形状の開口部41から受光部15を露出させる構造としている。また、大きな曲面33、34に形成される第2の吸込部12、第3の吸込部14及び吹出部5は、両端部を前記大きなアール38近傍まで形成している。このように、室内ユニット1は外観の各部の配置及び形状を左右対称に配置及び形成することで、外観に左右の方向性をなくすることができるから、室内の設置環境に適合しやすくすることができる。
【0023】
図5で示す平面図において、化粧カバー3の上面に形成される第2の吸込部12と、バックキャビネット2の上面に形成される第3の吸込部13は主体となる複数の横桟42と補強用の縦桟43を疎らに備えたグリル形状とし、周囲に幅の広い筐体面を残すことで、大きな開口率、(実質的な開口部が単位面積あたりに示す比率)を得ながら目立ちにくい形態としている。特に、第2の吸込部12は曲面33により目立ちにくくしているので、大きな開口率としても、意匠性を悪くすることがない。なお、本実施例では第1、第2の吸込部の開口率を81.3%に設定している。また、本実施例では、第2の吸込部12と第3の吸込部13の間に幅の広い筐体面を残すことで、バックキャビネット2と化粧カバー3の上面を強固にするとともに、成型による歪みを軽減して、バックキャビネット2と化粧カバー3の勘合を良好にして意匠性を向上することができる。本実施例では、第2の吸込部12と第3の吸込部13の横幅を732mmとし、第2の吸込部12の奥行を64mm、第3の吸込部13の奥行を29mmに設定している。また、横桟42は、第2の吸込部12に5本、第3の吸込部13に2本ほぼ等間隔に設けている。更に、本実施例では、室内ユニット1の右側にフアンモータ18や電装品ボックス25等を設けているために、第2の吸込部12と第3の吸込部13の右側に前記内部構造体を隠蔽する仕切板44を形成している。したがって、本実施例では、第2の吸込部12と第3の吸込部13の左側に665mmの横幅を有する吸い込みのための実質的な開口部12a、13aを設けている。また、縦桟43は横桟42より奥まった位置に設けられ、前記開口部12a、13aを左右等間隔に分割するように7本形成されている。なお、本実施例では、前記形態をとることにより、実質的な開口部12a、13aの大きさ(開口面積)を341cm2に設定している。
【0024】
図6で示す底面図において、化粧カバー3の下面に形成される吹出部5は、フロントパネル4との分割部に近接して配置される。2枚の風向板6a、6bは大きな曲面34とほぼ同一の曲面を備えた帯状の形態を備え、閉鎖状態で吹出部5の開口部をほぼ隠蔽して、室内ユニット1の底面に連続した大きな曲面34を形成する。本実施例では、吹出部5の幅を698mm、奥行78mmに設定している。
【0025】
また、本実施例では、化粧カバー3とフロントパネル4の表面を、光沢面と凸しぼ面が斑模様を構成するような凹凸模様を施すことにより、従来のサンドグラスト処理や塗装処理された表面を備えた樹脂成形品と同程度の汚れの拭き取り易さ備えつつ、壁紙の印象を得るような表面処理を施している。本実施例では、前記表面処理を実現するために、化粧カバー3とフロントパネル4の成形型の表面を研磨グレード2000番前後で鏡面に近い光沢処理を施し、該成形型に斑模様を転写して、凸しぼ面となる部分を腐食加工することで、同様な表面処理が得られる練り込み(混合)樹脂材料よりもコストを低減して壁紙模様を得ることができる。また、この製造方法によれば、同一の材料で表現できるのでリサイクル性も向上できる。ここで、この表面処理では、凹凸が小さければ壁紙模様が表現されにくく、逆に凹凸模様が大きければ汚れが拭き取りにくいので、本実施例では、凹凸の大きさを10ミクロンから20ミクロンの範囲に設定している。このように、本実施例は化粧カバー3とフロントパネル4の表面に光沢面と凸しぼ面が斑状に配置された表面処理を施したので、斑模様の壁紙が施された部屋のインテリアに調和させることができる。
【0026】
以上述べたように、室内ユニット1の外観は、上面と底面が大きな、両側面が小さな曲面を介して前方に向けて絞り込まれ、正面4隅が大きな丸み形状で形成されるラウンドを基調とした上下左右ほぼ対称なコンパクトな形態とし、更に、正面に配置される吹出部5、第1、第2、第3の吸込部7、12、13、表示部14、受光部15を中央を基準に左右対称に配置している。加えて、室内ユニットの主たる表面を壁紙模様を施し、また、吹出部5と第1の吸込部7は閉鎖状態で、開口部を筐体面になじんだ「曲面」で隠蔽することができる。このように、室内ユニット1は前記外観とすることにより、壁面に設置した状態において、壁面になじんでインテリアに調和しやすいコンパクトな形態にしている。
【0027】
次に、図7〜図13を参照して、室内ユニット1の内部機構とムービングパネル9のシャッタ機構3を説明する。
【0028】
図7において、化粧カバー3は、上部両側に取付リブ45を形成し、該取付リブ45を第3の吸込部13に引っ掻けて、図14で示す化粧カバー3の下部両側設けた取付凹部46でねじを介してバックキャビネット2に取付けられる。また、化粧カバー3の正面周囲には、補強のための段差部47が形成され、該段差部47を正面からカバーするようにフロントパネル4が取付けられる。フロントパネル4の内側上部両側と中央には取付リブ48が形成され、該取付リブ48を段差部47に形成した取付孔49に引っ掻けて、図10、図11、図14に示す内側下部両側及び中央に形成した取付リブ50を段差部47に形成される取付孔51に勘合させることで、フロントパネル4を化粧カバー3に取付けている。取付リブ50は両側面に形成される手掛け凹部37の近傍に設けてあるので、フロントパネル4を手掛け凹部37を介して簡単に取外すことができる。
【0029】
バックキャビネット2の上部内壁は、熱交換器10bの露を受けるドレン皿51が形成される。該ドレン皿51で収集した水滴は図示しない通路を介して吹出部5の上方のドレン皿17に集められる。また、ドレン皿51は、バックキャビネット2の下部内壁52と吹出部5を形成する化粧カバー3とともに断面形状を円弧状に形成され、室内ユニット1のほぼ中央やや後方に配置される貫流フアン16を包むような後部通風面53bを形成する。熱交換器10aの露を受けるドレン皿17の下面部は、吹出部5の前部通風面53aを構成し、該前部通風面53aと後部通風面53bとで吹出通風路53を構成する。また、水平方向の風向板23はドレン皿17の下面部後方と、バックキャビネット2の下部内壁52の下端部に回転自在に軸支される。なお、複数の風向板23は複数のグループに区分けされ、各グループは連結棒54で連結されて、各グループごとに風向角度を連動して変更することができる。風向板6a、6bはドレン皿17の下面部の両側に形成した支持板83a、83bに図示しない回転ヒンジ部を介して取付けられる。風向板6aが取付けられる支持板83aは、風向板6bが取付けられる支持板83bより短く形成され、閉鎖状態で風向板6a、6bが大きな曲面34に連続するようにしている。また、風向板6a、6bは、閉鎖状態で風向板6aと風向板6bを一部ラップして重ね収納できるように、風向板6aの後部と風向板6bの前部を先細りの形状としているため、閉鎖状態では吹出部5を大きな曲面34に馴染んだ曲面でコンパクトに隠蔽し、開いた状態では風向を充分に制御できる広さ(幅)を得ることができる。
【0030】
熱交換器10aは複数の切欠部55を介して、下端部が後方に、中央から上方が大きく後方に傾くように、貫流フアン16を包む方向に屈折して形成される。また、熱交換器10bは上部を前方に傾斜させて配置される。そして、貫流フアン16のほぼ上方の連結点Qで、下端部をドレン皿17に位置する前記熱交換器10aの上端と、下端部をドレン皿51に位置する熱交換器10bの上端が連結されるように熱交換器10が構成される。前記連結点Qは第2の吸込部12と第3の吸込部13との間の平面部とほぼ一致し、更に、第2の吸込部12と熱交換器10aの間に空間56、第3の吸込部13と熱交換器10bとの間に空間57が形成される。このため、通風効率が悪い連結点Qを第2の吸込部12と第3の吸込部13との間の平面部の下方に位置させ、第2の吸込部12から吸い込んだ室内空気は空間56により均一に熱交換器10aに供給され、第3の吸込部13から吸い込んだ室内空気は空間57により均一に熱交換器10bに供給することができるから熱交換器10の効率を向上させることができる。熱交換器10aの下部の前方に配置される第1の吸込部7は、フロントパネル4に形成された開口部58の内側後方に、シャッタ機構31を介してフロントパネル4の上部内側に収納可能なムービングパネル9が配置され、該ムービングパネル9の内側後方にカバー8、その内側後方にフイルタ11が配置され、そして前記フイルタ11の内側後方に熱交換器10aが位置するように構成される。したがって、ムービングパネル9を上方に移動させてフロントパネル4の上部内側後方に収納することにより、第1の吸込部7が開放され、室内空気を該第1の吸込部7を介して吸い込むことができる。
【0031】
次に、前記ムービングパネル9のシャッタ機構31について、図7〜図11により詳細に説明する。図8において、シャッタ機構31は室内ユニット1の右側上方の前部に配置される駆動機構部59と、室内ユニット1の左側上方の前部に配置される連結機構部60と、前記駆動機構部59と連結機構部60を連動する連結棒61とから構成され、該駆動機構部59と連結機構部60にムービングパネル9の両端部が取付けられる。シャッタ機構31は、図7で示すように、化粧カバー3の内側両壁面に形成される取付リブ62の間に連結棒61が軸支され、該連結棒61に連結して駆動機構部59と連結機構部60がそれぞれの取付リブ62に取付けられる。図9、図10において、駆動機構部59は、ムービングパネル9が取付けられるラック63と、ステッピングモータ64と、該ステッピングモータ64の駆動力をラック63に伝達する駆動機構ケース65aとから構成される。ラック63は、両側に摺動溝66を備えた断面形状がH状のわずかにわん曲した棒形状であり、前面にムービングパネル9の取付部67、背面に板歯車68が形成される。ステッピングモータ64は、駆動機構ケース65aにネジで取付けられ、電装品ボックス25からの信号及び電源を供給する着脱可能に端子69が接続される。駆動機構ケース65aは、ケース内に、ステッピングモータ64の回転軸に直結する第1ギヤ70と、前記第1ギヤ70と噛み合い、連結棒61と直結する第2ギヤ71と、ラック63の板歯車68と噛み合う第3ギヤ72と、第2ギヤ71のトルクを第3ギヤ72に伝達するベルト73とから構成される。74は、摺動溝66を両側より支持して第3ギヤ72と板歯車68の噛み合いを良好にするとともに、ラック63を上下方向に案内するラック支持部である。また、75は、ラック63の移動軌道Z上の化粧カバー3に形成される案内レールであり、ラック支持部74とともにラック63を支持し、ラック63の移動軌道を案内する。なお、本実施例では、ラック63を安定して移動させるために案内レール75を備えたが、ラック支持部74を上下方向に大きくすることでも同様な効果が得られる。なお、ラック63の移動量を小さくしたり、あるいは特に精度を得る必要がなければ案内レール75を設けなくてもよい。また、本実施例では、ベルト73を設けることにより、ムービングパネル9と離れた位置、つまり熱交換器10aの上部に形成される空間56に配置される駆動機構ケース65と簡単な構造で連結できる。したがって、ムービングパネル9に駆動機構ケース65aを隣接して設ける必要がないから、駆動機構ケース65aを熱交換器10aの傾きを利用して後方に配置させて、ムービングパネル9の移動軌道Zを斜め上部後方に傾いて設けることができるので、ムービングパネル9の近傍に配置することによる装置の大型化を軽減することができる。
【0032】
一方、連結機構部60は、図11に示すように、ムービングパネル9が取付けられるラック63と、連結棒61の駆動力をラック63に伝達する連結機構ケース65bとから構成される。連結機構ケース65bは、ケース内に、連結棒61と直結する第2ギヤ71と、ラック63の板歯車68と噛み合う第3ギヤ72と、第2ギヤ71のトルクを第3ギヤ72に伝達するベルト73とから構成される。
【0033】
以上述べたシャッタ機構31を備えたムービングパネル9の動作を図10、図11で説明する。先ず、図11はムービングパネル9を閉鎖した状態を示している。この状態では、ラック63の板歯車68の上端が第3ギヤ72と噛み合い、ラック63の下端部が化粧カバー3の段差部47に当接して閉鎖状態が維持される。次に、図10、図11において、動作信号が端子69を介してステッピングモータ64に指示されると、ステッピングモータ64が動作して回転トルクが第1ギヤ70、第2ギヤ71、ベルト73を介して第3ギヤ72に伝達される。この際、駆動機構部59と連結機構部60の第2ギヤ71は連結棒61で連結されているので、駆動機構部59と連結機構部60の第3ギヤ72には同一の回転トルクが伝達される。2つの第3ギヤ72に伝達された回転トルクは板歯車68により上下方向のトルクに変換され、ラック63に取付けられるムービングパネル9を上方に移動させることができる。図10はムービングパネル9を上方に引き上げ、第1の吸込部7を開放した状態を示している。本実施例では、ムービングパネル9とラック63の移動軌道Zをムービングパネル9とラック63の側面形状とほぼ一致する円弧状とし、閉鎖状態でムービングパネル9の中央が最前部となるように設定している。このため、ムービングパネル9は円弧状の移動軌道Zに沿って図11で示す位置から図10で示す上方斜め後方に引き上げることができる。この開放状態では、ラック63の板歯車68の下端が第3ギヤ72に噛み合い、ムービングパネル9の上端が化粧カバー3の段差部47の後方で化粧カバー3の天井に接するように、ムービングパネル9が後方に大きく傾斜する熱交換器10aとフロントパネル4の大きな曲面35の間に収納される。なお、化粧パネル4に形成される案内板75は移動軌道Zに沿って円弧状に形成される。また、案内板75と同様な案内板を図11で示すラック63の両側に設けることで、ムービングパネル9の移動をより良好にすることができる。
【0034】
また、第1の吸込部7と第2の吸込部12の間に形成される筐体面の幅D1はムービングパネル9の幅(高さ)D2より大きく設定されているので、前記筐体面の幅D1の後部にムービングパネル9を室内ニュニット1内に隠蔽して収納する収納空間が形成される。このため、開放状態において、ムービングパネル9が吹出部5や室内ユニット1の外観に露出することがないので意匠性を向上させることができる。
【0035】
図7に戻り、フイルタ11は、化粧カバー3の内部両壁面及び中央に形成されガイドレール76により支持されて、第1の吸込部7と第2の吸込部12と第3の吸込部13と熱交換器10の間に配置される。該フイルタ11には、第1の吸込部7に対応する正面側の下部前面にフイルタカバー8、交点P1の後方の位置に空気清浄フイルタ30が取付けられる。
【0036】
このフイルタ11とカバー8の構造を図9〜図11を参照して説明する。図9において、本実施例ではフイルタ11を左右に2分割されるPP樹脂で成型される密なネット11aと枠体11bを熱溶着したものを採用している。もちろんネット11aと枠体11bを一体成型したものを使用してもよく、また、他の柔軟な樹脂材料を使用してもよい。特に、フイルタ11を、ネット11aと枠体11bの凹凸を小さくして、全体として一様な曲面を成すように、例えばインジェクションで形成することにより外観を向上させることができる。このような一体フイルタを採用すれば、カバー8を取付けなくともムービングパネル9の開放時の第1の吸込部7内の外観を向上されることができる。このフイルタ11は、図14に示すように、第1の吸込部7と第2の吸込部12と第3の吸込部13が実質的に開口する開口部58、12a、13aを隠蔽するように配置される。カバー8は、前面にフイルタ11より粗い複数の開口部77をパンチング状に形成し、内側周囲に補強リブ78を形成し、補強リブ78に形成される図示しない取付リブを前記枠体11bに形成される図示しない取付孔に勘合して着脱可能に取付けられる。図11の図aは3mm角の正方形の開口部77を4mmピッチで形成したものであり、図bは平行線の幅が3mmの正六角形の開口部77を4mmピッチでハニカム状に形成したものである。図aの実施例によれば54%の開口率(開口部77が単位面積あたり占める比率)が得られ、図bの実施例によれば64%の開口率が得られる。本実施例では、図bの開口部77の形状を採用し、また、カバー8を樹脂成型品としているが、金属材料や他の材料で形成してもよい。また、この実施例では、カバー8の肉厚を1mmに設定することで、従来のフロントパネルに横桟や縦桟で形成されるスリット状の吸込部の肉厚より小さくしているので、空気抵抗を軽減して通風量を増やして能力を向上させるとともに静音化が図れる。なお、従来のスリットの奥行きは、強度を得るために、また、内部を見えにくくするために、フロントパネルの肉厚2.5mm〜3mmより大きく形成されている。更に、開口部77の風上側をテーパーカットすることにより、空気抵抗をより軽減して風の流れを良好にすることができる。なお、本実施例では、実質的な第1の吸込部7の開口面積を350cm2に設定している。
【0037】
このように、本実施例では、フイルタ11の前部に、フイルタ11より粗い目のカバー8を設けた2重構造としたので、カバー8で大きなゴミを捕らえ、フイルタ11で細かなゴミを捕らえることができる。また、カバー8は平面的なパンチング状とすることにより、開口部としての印象をなくして第1の吸込部7を大きな曲面35に馴染んだ平面的な形態にして意匠効果向上させることができる。また、カバー8は補強リブ78により強度を持たせることができるできるとともに、フイルタ11との間に空間79が形成されるから、カバー8を通過した室内空気を均一に整流してフイルタ11より吸い込むことができる。したがって、カバー8が部分的に目詰まりしてもフイルタ11の効率を向上させることができる。また、空間79により、カバー8を通してフイルタ11が見えづらくなるから、意匠性を向上させることができる。更に、カバー8はフイルタ11に着脱自在に取付けられるので、フイルタ11とともに室内ユニット1から取外すして、単独で清掃(丸洗い)することができる。また、カバー8は薄い板状のパンチング形状であるため、ゴミが付きにくく、外から見えるクリーン性を向上させることができる。
【0038】
また、本実施例では、冷暖房に加えて空気清浄機能を得るために空気清浄フイルタ30を取付けることができる。該空気清浄フイルタ30は、カバー8と同様な構造でフイルタ11に着脱自在に取付けられる。したがって、フイルタ11とともに室内ユニット1から取外すして、新たなものとの交換が容易である。また、空気清浄フイルタ30は交点P1の後方の空間に配置されるので、装置の大型化を軽減することができる。更に、本実施例のフイルタ11の配置は、メインとなる3つの吸込部と熱交換に間に直接設けないので、吸込部の通風抵抗を軽減して機能面で大きな開口面積が得られるとともに、交点P1の後方は気流の流れが遅いので、該遅い気流の通過により空気清浄フイルタ30の清浄効率を向上することができる。
【0039】
図7に戻り、化粧カバー3に設けられる表示部14と受光部15は段差部47の内壁面に設けられ、表示部14は遠くからと左右からの広範囲な視認性を考慮しての垂直面の中央に取付けられ、受光部15は遠くからと左右及び壁面取付けのリモコンからの受光が可能なように傾斜面の中央に取付けられる。なお、80は後部通風面53bを利用して背面下部に形成された冷媒配管28を横配管するための配管スペースである。
【0040】
次に、図15、図16を参照して、本実施例に係る空気調和機の動作及び操作方法を説明する。先ず、図15において、本実施例に係る室内ユニット1は、電装品ボックス25内に制御基板250を備え、該制御基板250に設けられるマイコン251が、フアンモータ18、シャッタ機構部31のステッピングモータ64、風向板6a、6bを動作させるステッピングモータ24、ムービングパネル9の動作検知用のスイッチ252、室温サーミスタ253、室内熱交サーミスタ254、表示部14等をリモコンからの操作信号を受光部15で受けて、室内ユニット1を統括して制御する。なお、制御基板250は図示しない室外ユニットや電磁弁10d等とも接続されるがここでは省略している。この運転動作を図16をもとに説明する。
【0041】
先ず、運転停止状態では、室内ユニット1は風向板6a、6b及びムービングパネル9が閉鎖状態と成っている。リモコンで運転スタートの指示操作がなされると(201)、リモコンは自動運転が選択されていれば自動運転モード信号を送信し、手動運転が選択されていれば予め設定された設定温度、冷房/暖房、等の信号を送信する(202)。マイコン251は受光部15を介して前記信号を受信すると、自動運転モードの信号を受信した場合は室温サーミスタ253を介して自動的に運転モードを設定し(203)、手動運転であれば予め手動で設定された運転モードを運転モードとして設定し(204)、表示部14に運転状態を表示するとともに予備運転を開始する(205)。この予備運転では主に暖房時のホットキープを行う。予備運転時では、ムービングパネル9を閉めた状態のため、熱交換器10を密閉された空間内に置くことができるので、熱交換器の暖まる、または冷たくするスピードを短縮することができるので、暖房時は立上り時間を短縮でき、冷房時は、熱交換器10が充分に冷されないために生じする嫌な臭いを吹き出さないようにすることができる。次に、マイコン251は予備運転を開始して運転準備が完了すると、ステッピングモータ24とステッピングモータ64に動作信号を発信する。ステッピングモータ24は運転モードに対応して風向板6a、6bを予め設定された所定の角度まで開放する。ステッピングモータ64はラック63を上方に移動させて図10に示す所定の位置までムービングパネル9を室内ユニット内に収納する(206)。このステップ206では、風向板6a、6bとムービングパネル9が同時に動作し、その動作完了はスイッチ252で検知される。次に、マイコン251は、フアンモータ18(207)、圧縮機(208)を運転させ、通常運転を開始させる(209)。マイコン251は、リモコンによる運転停止指示、あるいはタイマー等の設定された運転モードにより運転停止を判断する(210)と、圧縮機とフアンモータ18を停止(211)し、ステッピングモータ24とステッピングモータ64に動作信号を発信して、風向板6a、6bとムービングパネル9を同時にもとの閉鎖状態まで動作させ(212)、運転表示ランプを消灯して運転停止状態とする(213)。なお、マイコン251は、ステッピングモータ64の動作時、つまりムービングパネル9が移動中であることを示すために表示部14を動作スピードに対応して点滅表示させてもよい。
【0042】
本実施例では、運転指示があったことを表示部14で表示し、風向板6a、6bとムービングパネル9の動作をフアンモータ18と連動させることで、送風状態を形態の変化で分かるようにし、風向板6a、6bとムービングパネル9か開放しているのに送風されない疑問を解消するようにしたが、運転ON信号(201)、あるいは運転モードの設定(203、204)時に開放状態とすることで、運転指示があったことを形態的に表現することができる。また、前記実施例では、風向板6a、6bとムービングパネル9の動作を同時に行ったが、風向板6a、6bの後にムービングパネル9を連続的に動作したり、あるいは時間をおいて動作させてもよい。
【0043】
また、本実施例では、ムービングパネル9を停止状態では閉鎖し、運転状態では全開するように制御しているが、フアンモータ18の回転数をムービングパネル9の移動量に変換する手段を備えて、送風量に対応してムービングパネル9の開放量を制御してもよい。例えば、微風運転では、ムービングパネル9を閉鎖して、第2の吸込部12と第3の吸込部13から室内空気を吸い込み、中風運転では、ムービングパネル9を一部開いて第1の吸込部からも吸い込むようにし、強風運転ではムービングパネル9を全開して3つの吸い込み部から吸い込むようにする。このようにすれば、正面に配置した第1の吸込部からの風切り音が減少するから静穏運転することができる。
【0044】
次に、フイルタ11の着脱方法について説明する。本実施例では、フイルタ11を着脱するための交換モードを備えている。先ず、リモコンに備えた交換モードボタンを操作して信号を送信する。マイコン251は、ステッピングモータ64を動作させてムービングパネル9のみ全開させる。この状態で、使用者は手掛け凹部37を介してフロントパネル4を取外し、開放されたフイルタ11を両側から手で保持して室内ユニット1から簡単に引き出すことができる。この際、フイルタ11にはカバー8と空気清浄フイルタ30が取付けられているので、1つの操作で3つの部材を取外すことができる。また、フイルタ11とカバー8と空気清浄フイルタ30は着脱可能に構成されているので、それぞれを取外して単独で清掃することができる。したがって、従来例のように、吸込スリットが形成されたフロントパネルとフイルタをそれぞれ取外して清掃する必要がない。また、本実施例では、カバー8がフロントパネル4と分離した小さな部材であるため、取扱や清掃作業が従来例に比べて格段に容易である。フイルタ11を取付けるばあいには、カバー8と空気清浄フイルタ30を所定の位置に取付け、ガイドレール76に沿って装着し、フロントパネル4を前面に取付ける。そして、リモコンに備えた交換モードボタンを再度操作することにより、ムービングパネル9を元の閉鎖状態にすることができる。なお、本実施例では、リモコンに交換モードボタンを備えたが、室内ユニット1に設けてもよい。例えば、フロントパネル4により隠蔽される段差部47にリモコン交換モードボタンを設けることで、フロントパネル4の着脱中のムービングパネル9の動作をできなくして安全性を向上させることができる。また、フロントパネル4の取付リブ50と取付孔49にスイッチを備えて、フロントパネル4の着脱とムービングパネル9の動作を連動させても同様な効果がある。
【0045】
次に、フロントパネル4の他の応用例を説明する。図17は外観斜視図、図18は図aがフロントパネル4を開いた状態の側面図、図bがヒンジ部の部分拡大図である。図17において、本実施例に係る室内ユニット1では、化粧カバー3にフイルタ11、ムービングパネル9、表示部14、受光部15を配置し、フロントパネル4には第1の吸込部7の開口部58のみ配置している。このため、フロントパネル4を、開口部58の位置と大きさ及び化粧カバー3との勘合部形状を共通にする他のフロントパネル4b、4c等に変更することにより、室内ユニット1の構造を変更することなく多様なシリーズデザインに対応させることができ、更に、室内環境に対応して多様なフロントパネルを簡単に選択することができる。
【0046】
例えば、図aに示すフロントパネル4bは、開口部58の両端部に該開口部58と連続する凹凸部81を形成し、第1の吸込部7をワイドな印象にしたものである。また、図bに示すフロントパネル4cは、表示部14を露出させる凹溝82を吹出部5の横幅まで伸ばした細線状とし、その両端を吹出部5と化粧線で連続させることで、最も目に付く位置にアクセントを与えるとともに吹出部5の大きさを強調させたデザインとすることができる。
【0047】
また、図18は、フロントパネル4を化粧カバー3に開閉可能に取付けるようにしたものであり、図aはフロントパネル4を開いた状態の側面概念図、図bはフロントパネル4を閉じた状態の側面概念図、図cはヒンジ部の要部透視図である。図において、前記実施例ではフロントパネル4を化粧カバー3に着脱可能に取付けていたが、この実施例では、例えば、フロントパネル4と化粧カバー3の上部勘合部にヒンジ部82を設けるようにしている。また、ヒンジ部82は、回転軸を82aを収納時のムービングパネル9の上端より後方に位置するように設けられているため、ムービングパネル9をフロントパネル4の上部内側後方に、本体の外形状を大きくすることなく効率よく収納し、更に、設置状態で見えづらく、フロントパネル4を堅固に支持することができる。この実施例によれば、フイルタ11の着脱に際し、フロントパネル4の置き場所に困ることがない。なお、ヒンジ部82をフロントパネル4と化粧カバー3を着脱可能な構造とし、更に、開いた状態を維持する図示しないロック手段やバネを設けることにより、フロントパネル4の清掃性やフイルタ11の着脱の取扱性を向上させることができる。
【0048】
次に、ムービングパネル9の動作に関する他の応用例を説明する。図19、図20はムービングパネル9に振動防止手段を備えた実施例である。図19は図aがムービングパネル9の開放状態の要部断面図、図bはムービングパネル9の閉鎖状態の要部断面図、図20はムービングパネル9の開放状態の第1の吸込部7を見上げた要部断面図である。図19において、この実施例では、ムービングパネル9が上方に引き上げられてムービングパネル9が化粧カバー3の天井面に接する位置に振動防止手段300を設け、また、ムービングパネル9が閉鎖されてラック63の下端部が段差部47に当接する位置に振動防止手段を301を設けている。振動防止手段300、301はゴム等の軟質材あるいは横方向から移動軌道Zを押さえるように作用する凸リブでもよい。例えば、図aは振動防止手段300を軟質材で構成し、振動防止手段300を第1の吸込部7の横方向に適宜配置したものである。この振動防止手段300によれば、ムービングパネル9の移動を柔らかく受け止めるとともに矢印方向にムービングパネル9を押しつけるように作用するため、運転時のムービングパネル9の振動を防止する効果がある。また、図bは、断面が凹状の振動防止手段301を軟質材で構成し、振動防止手段301を第1の吸込部7の横方向に適宜配置したものである。この振動防止手段301によれば、ムービングパネル9の下端部は前後方向から支持されるから、例えば、搬送時の振動によるムービングパネル9やシャッタ機構部31の損傷を軽減することができる。もちろん閉鎖時に運転するモードを採用した場合は、運転中のムービングパネル9の振動を防止する効果がある。
【0049】
図20において、この実施例は、第1の吸込部7の開口部58の上端後方に仕切板302を設けて、ムービングパネル9を上方に引き上げた際に、ムービングパネル9の下端部が開口部58の上端と仕切板302の開口部303に適当な隙間304を備えて収納するようにしたものである。この構造によれば、使用者が収納されたムービングパネル9を引き下げることができないので、ムービングパネル9やシャッタ機構部31の損傷を軽減するとともに、利用者への安全性を向上させることができる。なお、閉鎖時には、ムービングパネル9の下端部が本体内に収納されるため、無理に引き上げることができないように配慮されている。また、この実施例では、ムービングパネル9の内側下端の補強リブ78(図13図bで図示)に凸リブ305を設け、更にムービングパネル9の正面の下端部に凸リブ306を設けている。凸リブ305、306は第1の吸込部7の横方向に適宜配置するようにする。また、凸リブ306は、ムービングパネル9の移動にともなって、開口部58から露出するため、閉鎖時に開口部58の上端と接する部分に極力小さく設けて意匠性を損なわないようにする。このような構造をとることにより、指が入る可能性のある隙間304を小さくするとともに、横方向に長いムービングパネル9のたわみを軽減して、運転時のムービングパネル9の振動やビビリ音を防止する効果がある。なお、本実施例では、ムービングパネル9の下端部に凸リブ305、306を設けたが、閉鎖時にムービングパネル9の上端が接する位置に同様な凸リブ305、306を設けることで、閉鎖時での前記同様な効果や搬送時の障害を軽減することができる。
【0050】
次に、図21〜図23はムービングパネル9の動作制御に関する他の実施例であり、図21、図22は縦断面図、図23は動作フローチャートである。図21において、前記実施例では、ムービングパネル9の開閉をスイッチ252で感知するように説明したが、この実施例では、図17で示す振動防止手段300、301と同様な位置にON、OFFのスイッチ400、401を設けるようにする。このようにすることにより、マイコン251は上部のスイッチ400がOFFで、下部のスイッチ401がONの状態から、ムービングパネル9が上方に移動して下部のスイッチ401がOFFとなり上部のスイッチ400がONとなればムービングパネル9の移動を止めるようにする。閉鎖時はこの逆の動作で行えばよい。したがって、本実施例によれば、ムービングパネル9の位置を簡単に認識して動作を制御することができる。
【0051】
また、図22に示すように、下部のスイッチ401のみ設けるようにしてもよい。この場合は、マイコン251は下部のスイッチ401がONの状態をホームポジションとして、該ホームポジションからスイッチ401がOFFの状態になって、ステッピングモータ64が何回転したかを検知してムービングパネル9の移動量を特定するようにする。また、閉鎖時は下部のスイッチ401がOFFの状態からONの状態になることで、マイコン251はムービングパネル9がホームポジションに戻ったと認識し、ステッピングモータ64を停止するようにする。また、この実施例では、運転スタート時、あるいは運転再開時に、常にムービングパネル9はホームポジションにあるかを認識し、ホームポジションになければホームポジションのムービングパネル9を戻して以後の動作を行うようにする。例えば、運転中に停電があった場合等のように、何らかの障害でムービングパネル9が途中で停止してしまった場合、マイコン251はムービングパネル9をホームポジションに戻すように動作する。この動作フローを図23で説明する。マイコン251は運転スタートの指令を受けると、マイコン251はスイッチ401がON状態か否かをチエック(410)し、ON状態であればムービングパネル9がホームポジションにあると認識し以後の運転動作(411)、例えば図16に示すフローに進む。またスイッチ401がOFF状態であれば、ステッピングモータ64に動作信号を発信しムービングパネル9を下方に移動させる(412)。そして、マイコン251はムービングパネル9がホームポジションにあることをスイッチ401で確認(413)できれば、以後の運転動作(411)に進む。一方、ホームポジションに戻ることが確認できない場合(413)、例えば、ステッピングモータ64に異常なトルクを検知した場合、あるいは一定時間たってもスイッチ401がON状態とならない場合は、マイコン251は異常が発生したと認識し、表示部14を点滅(414)して、以後の運転動作を停止する(415)。このようにすれば、ムービングパネル9の移動に伴う事故を軽減することができる。
【0052】
図24は、フイルタ11とカバー8の色彩の明度差について説明したものである。一般に、室内ユニットは、吸込部の後方に塵埃を取り除くためのフイルタ11を配置し、その後方に熱交換器10を配置している。機能本意で考えるならば、吸込部をフイルタ11をそのまま露出する開口部とすることが大きな開口率が得られ性能を向上する。しかし、室内に設置される室内ユニットにおいては、前記吸込部をそのまま採用すると、美観を考慮していないフイルタ11が露出し、更に、開口率の大きいフイルタ11から熱交換器が透けて見えてしまい、室内の設置環境にそぐわない。そこで、前記実施例では、カバー8をフイルタ11の前面に設けることで前記課題を解決したが、カバー8の開口率を略均一な開口で65%に設定するとともに、カバー8の色彩(白)の明度をフイルタ11の色彩(ダークグレー)の明度より、一般に知られている10段階の明度において、5段階以上に明るく設定することで、カバー8の後方に配置されるフイルタ11と熱交換器10を見えにくくして、意匠性と性能を向上させることができる。
【0053】
図24は、室内ユニット1の内部を背景として、人間で表した熱交換器10、フイルタ11、カバー8を順に重ね、カバー8の色彩の明度X1を他の色彩の明度より5以上の明度差とした図aと、明度差1〜4とした図bとを概念的に分かりやすく説明したものである。図aで示すように明度差が大きい場合では、カバー8の色彩の明度X1が他の色彩の明度X2に比べて明るいため、カバー8の存在感が明確となり、観察者はカバー8に焦点を合わせてしまい、観察者にとって他のフイルタ11等が見えにくくなる。一方、図bで示す明度差が小さい場合では、それぞれの見え方や存在感が同等なため、観察者はどの構成要素にも焦点を合わせてしまう。つまり、観察者にとってカバー8の後方に配置されたフイルタ11等が見えやすくなる。しかし、前記効果を満足するためには、カバー8の開口率が大きすぎると、例えば、開口率100%ではフイルタ11が全部見えてしまい、また、開口率が小さすぎると前記効果を満足しても性能面で問題がある。また、前記効果は色彩の色味にも多少影響される。そこで、発明者は実験的検証から、カバー8の開口率を略均一な開口で70%から50%の範囲内で設定するとともに、カバー8の色彩の明度をフイルタ11の色彩の明度より、4段階以上に明るく設定することで、カバー8の後方に配置されるフイルタ11と熱交換器10を見えにくくして、意匠性と性能を向上させることができる。
【0054】
以上述べたように、本実施例によれば、上下面及び正面を大きな曲面33、34、35で形成される丸みのある本体とし、その正面の大きな曲面の下方にムービングパネル9を備えた第1の吸込部7を配置し、目に付きにくい上面の大きな曲面33に第2、第3の吸込部12、13を配置し、下面の大きな曲面34に風向板6a、6bを備えた吹出部5を配置することで、停止状態では、最も目に付く位置に配置された第1の吸込部7と吹出部5をムービングパネル9と風向板6a、6bを介して平面的に閉鎖することで、設置状態で壁面に馴染んだインテリアに調和する面を主体としたコンパクトな形態とし、運転状態では、ムービングパネル9を室内ユニット1内に収納して最も効率のよい位置で全開される第1の吸込部7と、上面の第2、第3の吸込部12、13とで効率良く室内空気を吸い込んで、運転モードに対応して角度を制御する風向板6a、6bを備えた吹出部5から吹き出すことができる。特に、第1の吸込部7は、停止状態でムービングパネルにより閉鎖されるので、従来のようにグリルにほこりが溜まらず清掃性を向上することができるとともに、冷暖房の立上り時間を短縮することができる。
【0055】
また、送風フアン16の上方まで回り込んだ多段折り曲げ構造の熱交換器10を採用することにより、室内ユニット1の大きさをほとんど変えずに、伝熱面積を大きくすることができるから、熱交換率を向上させて運転能力を向上させることができる。例えば、この実施例によれば、多段折り曲げ構造の熱交換器10を採用していない同様な本体の大きさを備えた従来例に比べて1.4倍に大きくすることが可能で、同じ冷媒量で40%の熱交換率を向上させることができる。また、同熱交換10の採用により、上面に第3の吸込部13を設けることができるから、設置状態で見えにくい上面の実質的な開口部12a、13aの開口面積を増やして通風量を増し、性能を向上させることができる。例えば、この実施例では前記従来例に比べて1.4倍大きな開口面積(341cm2)を得ることができる。また、第1の吸込部7をパンチング状にすることにより、正面に占める吸込部の大きさを小さくしながら実質的な開口部の面積を増やすとともに通風抵抗を軽減することで通風量を増して性能を向上させることができる。例えば、本実施例では、スリット状の吸込部を備えた同様な本体の従来例に比べて、ハニカム状の数値で、従来例より1.2倍程度大きい350cm2の開口面積を実現することができる。そして、前記第1、第2、第3の吸込部7、12、13の採用により全体として大きな開口面積を得ることで、通風量を増やして冷暖房の性能向上に大きく貢献できる効果がある。例えば、全体として、同レベルの前記従来例より1.3倍の開口面積を得ることで通風量を30%増やすことができる。しかも、第1の吸込部7内は、フロントパネル4と分離したパンチング状のカバー8とフイルタ11とで構成されるから大きな開口率を得ながら第1の吸込部7を面的に見せることができるので目立たなくすることができるとともに、清掃性を向上できる。更に、フロントパネル4はスリットが形成されていないので、拭くだけで掃除が簡単にできるとともに丸洗いが可能である。また、ムービングパネル9の移動に伴う振動や騒音、更に障害を軽減することができる。
【0056】
〔他の実施例〕
図25〜図64は本発明に係る他の実施例を示したものである。
【0057】
先ず、図25、図26は吸込部の配置に係る他の実施例を示した外観図である。図25において、この実施例に係る室内ユニット1は、第1の吸込部7を正面中央に形成される大きな曲面35の上下方向の中央に配置し、上下2分割されるムービングパネル9a、9bを上下方向に分けて収納するものである。この実施例によれば、ムービングパネル9a、9bを細くしてその移動量を小さくすることができ、また第1の吸込部7と第2の吸込部12の間を小さくして、第1、第2、第3の吸込部7、12、13から吸い込む室内空気を熱交換器10を介して均等に効率良く吸い込むことができる。
【0058】
また、図26において、この実施例に係る室内ユニット1は、第1の吸込部7を正面中央に形成される大きな曲面35の上方に配置し、ムービングパネル9を下方に移動させて収納するものである。この実施例によれば、筐体上方に集中させた第1、第2、第3の吸込部7、12、13と筐体下部に設けた吹出部5とで構成される通風路を直線に近く形成することができるから、通風抵抗を小さくすることができる。また、設置時に最も目に付く筐体の下方を大きな曲面35で構成することができるから、意匠性を向上させることができる。
【0059】
このように、第1の吸込部7は、正面が横長の室内ユニット1の前面に長手方向を室内ユニット1の長手方向に一致させるように配置され、該第1の吸込部7の上部または下部または上下部に平面部を形成し、該平面部の内側後方にムービングパネル9を一個または複数に分割して収納するように上下方向(第1の吸込部7の短手方向)に移動させることでも前記同様な効果を得ることができる。
【0060】
次に、図27〜図33は、シャッタ機構部31の他の実施例を示す機構概念図である。
【0061】
図27において、この実施例は、ムービングパネル9の長手方向の端部に滑車86を備え、該滑車86を介して化粧枠92の内壁面の前部両側に形成されるガイドレール85に沿ってムービングパネル9を移動させて、開口部58を開閉する。ムービングパネル9のシャッタ機構31は、ムービングパネル9の長手方向の両側に板歯車91を備えたラック86と、両側に第2のギヤ87を備えた連結棒88と、ステッピングモータ89の回転軸に直結される第1のギヤ90とから構成される。このシャッタ機構31によれば、第1のギヤ90の回転トルクは第2のギヤ87を介して両側の板歯車91に伝達されるので、ムービングパネル9をガイドレール85に沿って移動させることがことができる。ここで、ステッピングモータ89と連結棒88をバックキャビネット2または化粧枠85に固定する。本実施例によれば、簡単な構造でかつ少ない部品点数で行うことができる。
【0062】
図28において、この実施例は、ムービングパネル9をワイヤ93を介して上下方向に移動させるものである。図において、ムービングパネル9の長手方向の両側にはムービングパネル9の上下端部と環状に結ばれるワイヤー93が取付けられている。ワイヤー93は、ステッピングモータ94に直結した第1ローラ95と、連結棒97の両側に設けられる第2ローラ96により挟まれて、ステッピングモータ94のトルクがワイヤー93に伝達される。ここで、第1ローラ95と第2ローラ96の外側はゴム材料で形成されている。ワイヤー93は、ムービングパネル9の移動軌道Zに配置される複数個のガイドローラ98により案内され、更に一対の巻付ローラ99により第2ローラ96に巻きつけられることでワイヤー93の張力が調整されている。本実施例によれば、ステッピングモータ94のトルクは第1ローラ95と両側の第2ローラ96によりワイヤー63にで伝達され、ワイヤー63がガイドローラ96で形成される移動軌道Zに沿って上下方向にムービングパネル9を移動させることができる。なお、巻付ローラ99には図示しないバネを設けてワイヤー63の張力を一定にするようにしている。本実施例によれば、ガイドレールを設けずに移動軌道Zを形成できるので、移動軌道Zが柔軟に変更できる。なお、ワイヤー63を紐で構成したり、伸縮するゴム材料で形成してもよい。また、第1ローラ95と第2ローラ96をギヤとし、ワイヤー63に噛み合い溝を設けてもよい。
【0063】
図29、図30、図44〜図47において、この2つの実施例は、ムービングパネル9の重心位置近傍または長手方向の両側近傍にワイヤー105を取付け、該ワイヤー105を引っ張りまたは引き下げることでムービングパネル9を上下方向に移動させるものである。
【0064】
図29において、この実施例は、移動車輪100を長手方向の両側に設けたムービングパネル9を、筐体の内壁面に形成したガイドレール101に沿って移動可能とし、該ムービングパネル9の両側上端に取付けられるワイヤー105を上方に引っ張ることでムービングパネル9を上下方向に移動させるものである。ワイヤー105の駆動構造としては、ムービングパネル9の上部両側に配置して、連結棒102で連結される第1ローラ103と第2ローラ104でワイヤー105を挟んで上方に引っ張って、第1の開口部58を開放し、逆に、ワイヤー105を押し下げることで開口部58を閉鎖するようにする。
【0065】
また、図30は、摺動突起122を長手方向の両側に設けたムービングパネル9を、筐体の内壁面に形成したガイド溝123に沿って移動可能とし、該ムービングパネル9の重心位置近傍に取付けられるワイヤー105を上方に引っ張ることでムービングパネル9を上下方向に移動させるものである。摺動突起122及びガイド溝123の摺動面は潤滑材料で形成され、ムービングパネル9が前後方向に傾かないで上下方向に移動可能なように適度な隙間をもって配置される。また、ワイヤー105はポリアセタール(通称:ジュラコン)等のフレキシブルで適度に弾性のある材料で形成される。ワイヤー105の駆動構造としては、第1の吸込部7の上方の後方に連結棒124を片側から中央にかけて配置し、該連結棒124の両端を化粧カバー3に設けられる取付リブ125、126で軸支する。連結棒124の片側端部にステッピングモータ127を直結し、重心位置近傍側に第1ギヤ128を設ける。ワイヤー105の内側に前記第1ギヤ128と噛み合う板歯車を形成し、前記第1ギヤ128と噛み合わせて、該第1ギヤ128と押さえローラ129でワイヤー105を挟み押さえて回転支持する。ステッピングモータ127と第1ギヤ128と押さえローラ129はそれぞれ取付リブ125と取付リブ126に取付けるようにする。さて、この実施例では、ステッピングモータ127を回転させると、連結棒124を介して第1ギヤ128が回転し、ワイヤー105を上下方向に移動させることができる。ワイヤー105の下端部は、ムービングパネル9の重心位置近傍の内側下端部に取付けられ、上端は、フイルタ11に沿って後方に収納される。このため、ワイヤー105の長さを短くできるとともに、ムービングパネル9の上端を第1ギヤ128の上方まで移動させることができるから、ムービングパネル9と第1ギヤ128及び連結棒124を前後に配置できるので、装置全体の大型化を軽減できる。また、ワイヤー105は弾性材料で形成されるから、ムービングパネル9を無理に移動させたり、移動中に動作を阻止したり、あるいは閉鎖動作中に障害物があっても、例えば、ワイヤー105が前後方向にたわんむ等して、弾性材料で吸収することができるから障害を軽減したり安全性を向上させることができる。また、この実施例では、1本のワイヤー105でムービングパネル9を移動させるので、ムービングパネル9の重心位置近傍にワイヤー105を取付けることで、ムービングパネル9の移動を円滑に行うことができる。したがって、ワイヤー105をムービングパネル9の中央に必ずしも取付ける必要がない。取付け位置が中心から外れている場合はムービングパネル9の左右のバランスをとるようにバランスウエートを設ければよい。例えば、図5で示す実施例のように、第2の吸込部12の実質的な開口部12aが片寄って配置されている場合、中央に設けられる取付リブ126が第2の吸込部12の中央に設けられず、開口部12aから片寄った取付リブ126が見えて意匠面で問題が生ずる場合が考えられる。この場合は、ムービングパネル9のバランスをバランスウエートで調整して、取付リブ126を第2の吸込部12の中央に設けることができる。
【0066】
図44〜図47において、図44はムービングパネルの機構の透視正面図、図45はムービングパネルの機構を追記した縦断面図、図46、図47は縦断面図である。図44、図45において、この実施例は、摺動突起122を長手方向の両側に設けたムービングパネル9を、筐体の内壁面に取付けたガイドレール101aに沿って移動可能とし、ムービングパネル9のステッピングモータ127側の片側と、中心位置からステッピングモータ127の反対側の他の片側に片寄った位置に、取付けたワイヤー105を上方に引っ張ることでムービングパネル9を上下方向に移動させるものである。ガイドレール101aは断面がコ字状で下方から上方にかけて後方に湾曲した形状を備え、化粧カバー3の内壁面にネジ止めされる。また、前記実施例同様、摺動突起122とガイドレール101aの摺動面は潤滑材料で形成され、ムービングパネル9が前後方向に傾かないで上下方向に移動可能なように適度な隙間をもって配置される。また、弾性のある材料で形成されるワイヤー105は、下端部のワイヤーベース105aと、ワイヤーベース105aから上方に伸びる1本のワイヤー本体105bと、その両側に形成されワイヤー取付部105cとから構成され、ワイヤー取付部105cの上端をムービングパネル9の上端にひっかけてワイヤーベース105aをネジ止めすることで、ワイヤー105をムービングパネル9に取付ける。ワイヤー本体105bの内側には、板歯車が形成され、ワイヤー取付部105cとの間に形成される深い溝を形成することで、ワイヤー本体105bをムービングパネル9の下端に取付けたと同様な効果を得るようにしている。さて、ワイヤー105の駆動構造としては、片側端部に設けたステッピングモータ127に直結した連結棒124に、図30で説明した実施例と同様な構造を備えた第1ギヤ128を2本のワイヤー105の所定の位置に設け、該第1ギヤ128と押さえローラ129でワイヤー105を挟み押さえて回転支持することで、ステッピングモータ127を回転させると、連結棒124を介して第1ギヤ128が回転し、ワイヤー105を上下方向に移動させることができる。図46はムービングパネル9を閉じた状態を示し、図47は開いた状態を示している。ここで、ワイヤー105は適度な弾性を備え、ワイヤー本体105bとワイヤー取付部105cは、閉じた状態では並行になり、開いた状態ではY字状に開かれるので、開いた状態(動作状態)において、ガイドレール101aの内側を、下方の摺動突起122を内方に、上方の摺動突起122を外方に接触させるのでムービングパネル9の運転時の振動を軽減することができる。
【0067】
この実施例によれば、ワイヤー105とムービングパネル9の取付が簡単であるとともに、材質の柔らかさを利用して、前記図30と同様な効果を得ることができる。また、この実施例では、1本のワイヤー105をステッピングモータ127側の片側に、他の1本を中央から前記反対側に片寄って配置することで、連結棒124の長さを軽減してコスト低減を図りながら、ムービングパネル9の長手方向のがたつきを軽減することができる。
【0068】
図31において、この実施例は、移動車輪100を長手方向の両側に設けたムービングパネル9を、筐体の内壁面に形成したガイドレール101に沿って移動可能とし、該ムービングパネル9の内側面両側に板歯車106を設けるとともに、該板歯車106に噛み合い連結棒109で連結される第2ギヤ107を設け、ステッピングモータ108のトルクを第1ギヤ109を介して第2ギヤ107に伝達することで、ムービングパネル9を移動させるものである。
【0069】
図32において、この実施例は、移動車輪100を長手方向の両側に設けたムービングパネル9を、筐体の内壁面に形成したガイドレール101に沿って移動可能とし、ムービングパネル9の両側上部に摺動溝110を形成するとともに、摺動溝110の上方に、一端を揺動自在に筐体に取付けられ、他端を前記摺動溝110を摺動する摺動部111が設けられたスイングバー112を配置し、該スイングバー112の一方にステッピングモータ113を設けるとともに、摺動部111を連結棒112で連結する。この構造によれば、ステッピングモータ113を介して連結棒112で連結されたスイングバー112を一方向に回転することにより、摺動部111が摺動溝110を移動すことで、ムービングパネル9をガイドレール101に沿って移動させることができる。
【0070】
図33において、この実施例は、移動車輪100を長手方向の両側に設けたムービングパネル9を、筐体の内壁面に形成したガイドレール101に沿って移動可能とし、ムービングパネル9の中央に取付けられる引っ張り紐114をステッピングモータ115で巻取っることで、ムービングパネル9を上方に移動させて開放し、閉鎖時は引っ張り紐114をゆるめてムービングパネル9の重さで下方に移動するようにしたものである。
【0071】
図34、図35は、第1の吸込部7の上下方向の大きさを広くするシャッター機構部の実施例を示したものである。図34、図35中、図aはムービングパネル9の閉鎖時の側面要部概要図、図bはムービングパネル9の開放時の側面要部概要図である。
【0072】
図34で示す実施例は、上下に2分割したムービングパネル9a、9bを前後に方向に配置し、該ムービングパネル9a、9bをフロントパネル4の上方に重ねて収納できるようにしたものである。この構造によれば、第1の吸込部7の開口部58の大きさH2(上下の高さ)を、フロントパネル4の上方に配置されるムービングパネル収納部の大きさD3(上下の高さ)の最大2倍にすることができる。なお、ムービングパネル9を同様な構造でn個に分割すれば、開口部58の大きさH2をムービングパネル収納部の大きさD3より最大n倍に設定することができる。
【0073】
図35で示す実施例は、ムービングパネル9を厚手の布や薄板等の材料で構成し、該ムービングパネル9を、上部に設けた巻取りローラ130で巻取ったりゆるめたりすることで、第1の吸込部7の開閉を行うものである。この構造によれば、フロントパネル4の上方に配置されるムービングパネル収納部の大きさD3(上下の高さ)を、ムービングパネル9を巻取った時の巻取りローラ130の直径H3にすることができるから、他の正面の部分を開口部58とすることができる。
【0074】
このように、図34、図35の実施例によれば、ムービングパネル9の開放時には大きな開口率が得られるから性能を向上させることができるとともに、閉鎖時には、大きな第1の吸込部7を平面で塞ぐことができるから室内インテリアに調和させることができる。なお、前記2つの実施例の駆動方法については、前記した他の実施例の駆動方法を選択することで達成される。
【0075】
次に、図36、37において、冷暖房運転と空気清浄運転を効率良く運転する実施例を説明する。図26は縦断面図、図27は運転フロー図である。図36において、本実施例は、筐体正面にムービングパネル9を備えた第1の吸込部7を配置し、筐体上面前部に第2の吸込部12、筐体上面後部に第3の吸込部13を配置するとともに、該第3の吸込部13に空気清浄フイルタ115を備えて、冷房モードと暖房モードの他に空気清浄運転モードを備えている。この運転動作を図37をもとに説明する。
【0076】
先ず、運転停止状態では、室内ユニット1は風向板6a、6b及びムービングパネル9が閉鎖状態と成っている。リモコンで運転スタートの指示操作がなされると(201)、リモコンは自動運転モード信号または手動運転信号を送信する(202)。マイコン251は受光部15を介して前記信号を受信すると、自動運転モードの設定(203)か、手動運転モードの設定(204)を行う。自動運転モードが設定されれば、以下図15で説明した205〜212のステップを順次実行させる。一方、手動運転モードの設定(204)においては、予め手動で設定されたモードを運転モードとして設定する(204)。この際、マイコン251は空気清浄モードが設定されているか否かを判断(214)し、設定されていなければ、ステップ205のステップを実行し、設定されていればステッピングモータ24を回転させて風向板6a、6bの開放を行い(215)、フアンモータ18を回転させて(216)空気清浄運転が開始される。マイコン251は、リモコンによる運転停止指示、あるいはタイマー等の設定された運転モードにより運転停止を判断する(217)と、フアンモータ18を停止(218)し、ステッピングモータ24に動作信号を発信して、風向板6a、6b閉鎖状態まで動作させ(219)、運転表示ランプを消灯して運転停止状態にする(213)。 本実施例では、運転停止(予備運転)と冷暖房の通常運転と空気清浄運転の3モードの選択に対応して風向板6a、6bとムービングパネル9を動作制御して形態を各モードに適して変化させることができる。なお、本実施例では、冷暖房運転と空気清浄運転のどちらでも良好な開口率が得られるように、第3の吸込部13のみに空気清浄フイルタ115を設けている。このため、冷暖房の通常運転でも第3の吸込部13から吸い込む室内空気は清浄される。また、空気清浄運転では、第2の吸込部12から吸い込んだ室内空気は空気清浄されないが、通風量を増加して室内の空気循環を良好にしながら空気清浄を行うことができる。なお、第2の吸込部12にも空気清浄フイルタ115を設けて、空気清浄効率を高めてもよい。
【0077】
また、他の実施例として、前記実施例に除湿運転を加えてもよい。この除湿運転ではムービングパネル9を閉鎖して、上方の第2の吸込部12と第3の吸込部13から室内空気を吸い込んで吹出口5から吹き出すようにする。更に加えて、ムービングパネル9を閉鎖して運転するサーキュレータ運転を加えてもよい。このようにすれば、4モード、あるいは5モードの選択に対応して風向板6a、6bとムービングパネル9を動作制御して形態を各モードに適して変化させることができる。
【0078】
図38、図39は、本発明に係る他の実施例を示したものであり、図38は中央縦断面図、図39はカバー8の部分外観図である。この実施例は、カバー8が室内ユニット1の前面に設けた第1の吸込部7から常時露出するように設けたものである。図において、フロントパネル4の前面に第1の吸込部7を構成する開口部58が形成され、該開口部58の内側後方にカバー8が常時露出するように配置され、その後方にフイルタ11、熱交換器10が配置されている。カバー8は、フイルタ11よりより粗い複数の開口部77を格子状に配列したパンチング状に形成され、内側周囲に突状の補強リブ78が形成されるとともに、フイルタ11に前記補強リブ78を介して着脱可能に取付けられている。また、各横列に配列された開口部77郡の間には前方に凸のリブ116が設けられている。本実施例によれば、開口部58をカバー8によりカバーしているので、塵埃が付着するフイルタ11を隠蔽することができる。しかも、カバー8は、細かな開口部77をパンチング状に配列するとともに、フイルタ11との間に補強リブ78により空間79が形成されるから、外側からフイルタ11を見づらくすることができる。加えて、リブ116を設けることにより、設置状態で見られやすい斜め下方から開口部77を隠すことができ、しかも、開口部77は小さいので、該リブ116を低くしてコンパクトにすることができる。このように、本実施例では、吸込部としての機能を損なうことなく、第1の吸込部7をカバー8により平面的に処理することができるので意匠効果を向上させることができる。更に、2重フイルタ効果が得られるとともに、清掃性や通風性能を向上させることができる。
【0079】
図40、図41は、本発明に係る他の実施例を示したものであり、図30は外観図、図31はフイルタ着脱時の第1の吸込部の部分拡大図である。この実施例は、カバー117が室内ユニット118の前面に設けた第1の吸込部7から常時露出するとともに、カバー117とフイルタ123を一体的に形成したものである。図において、室内ユニット118は、後部筐体119と前部筐体120とで外観を構成され、前部筐体120の正面に配置した第1の吸込部7と上面に配置した第2の吸込部12から室内空気を吸い込んで底面に設けた吹出部5から吹き出す構造としている。第1の吸込部7は、前部筐体120の横幅一杯まで形成される開口部121と、該開口部121に取付けられるカバー117とから構成される。カバー117は、側面形状を内側に空間ができるように前方に凸の円弧状に形成され、前面には粗目の横スリット122が形成される。また、カバー117は内側に配置されるフイルタ123と、両下端部124が連結されるようにPP樹脂材料で一体成型されており、室内ユニット118に装着する場合はフイルタ123とカバー117が下端部124で折りたたまれて装着される。
【0080】
本実施例によれば、カバー117とフイルタ123を一枚の板状に成型して折りたたんで室内ユニット118に装着するので、部品点数を少なくでき、構造や成型が簡単である。更に、頻繁に清掃が必要なカバー117とフイルタ123をワンタッチで着脱でき、また一緒に洗浄することができる。更に、カバー117とフイルタ123を同一材料で成型するのでリサイクル性が向上する。また、カバー117と前部筐体120を分離しているので、例えば、カバー117を内部を見えづらい暗い色とし、前部筐体120を明るい色としたり、材料を相違させることで、色彩のツートン化、質感のコンビネーション等でデザイン展開が容易となる。
【0081】
図42は、本発明に係る他の実施例を示した内部機構の正面配置の透視概念図である。この実施例は、内部機構を左右均等に配置することで、吹出通風路53をセンターに配置して設置性を向上するものである。図において、この室内ユニット1は、中央に配置される熱交換器10の後方に送風フアン16を配置し、その片側に薄形のフアンモータ18とシャッタ機構31の駆動機構部59と風向板6a、6bのステッピングモータ24を配置し、他の片側に電装品ボックス25を配置している。また、熱交換器10の前部には図示しないフイルタ11とカバー8とムービングパネル9が配置され、その前部に第1の吸込部7の開口部58が形成される。また、第1の吸込部7の下部中央には表示部14と受光部15が設けられ、前記片側に配置されるフアンモータ18と駆動機構部59とステッピングモータ24と、他の片側に配置される電装品ボックス25との接続は、中央に配置される表示部14と受光部15を中継する接続線118で接続される。なお、図32では、両側に形成される内部空間部119aと119bを説明の都合上幅広く形成している。本実施例によれば、従来一方に片寄って配置されていた各装置を、一方に駆動部、他方に電装品ボックス25を分散して配置することで、装置を大型化することなく内部機構を効率良く左右均等に配置することができる。このため、室内ユニット1の中央に吹出通風路53を形成できるとともに、両側の内部空間部119aと119bの横幅を狭くできるから、結果として室内空気を実質的に吹き出す吹出部5を中央にワイドに設けることができる。したがって、室内ユニット1を右側に壁面がある設置状態でも、左側に壁面がある状態でも吹出部5に片寄りが生じないから設置性を向上させることができる。
【0082】
図43は、本発明に係る他の実施例を示した縦断面図である。この実施例は、ムービングパネル9の内側の下端部にブラシを設けて、ムービングパネル9の動作でフイルタ11の自動清掃を行うものである。図において、ムービングパネル9の内側には、空間部120を隔ててフイルタ11が配置されている。そして、ムービングパネル9の内側下端部には、フイルタ11の横幅と同じ幅でブラシ121が設けられ、該ブラシ121の端部は前記フイルタ11に接するように調節される。この実施例によれば、ムービングパネル9の開閉動作に対応して前記ブラシ121が、第1の吸込部7の後方に位置するフイルタ11の範囲を自動的に清掃することができるので、塵埃の低下による開口率の低下を防ぐことができる。また、第1の吸込部7から露出するフイルタ11を常に清掃しているので、ムービングパネル9開放時の塵埃の付着による意匠効果の悪さを低減することができる。なお、空間部120はブラシ121が配置できる程度でよい。また、ムービングパネル9の下方の段差部47に塵埃受皿を設けてもよい。また、ブラシ121の最下部の位置にドレン皿17と連通する通路を形成し、ブラシ121で取り除かれた塵埃が自動的にドレン皿17に落ちるようにしてもよい。なお、この場合は、ドレンノズル22の目づまり対策を図るようにする。また、カバー8をフイルタ11の前部に配置し、該カバー8をブラシ121で清掃するようにすることで、意匠効果をより向上してもよい。
【0083】
図48〜図50は、本発明に係る他の実施例を示したものであり、図48は概略構造を示す縦断面図、図49は、図aが斜視図、図bが側面図、図50は、図aが平面図、図bが底面図である。この実施例は、フロントパネル4を上部に設けたヒンジ部130を介して開放可能に設けるとともに、該前記フロントパネル4にムービングパネル9を取付け、該ムービングパネル9に取付けた引っ張り紐114をヒンジ部130に設けた滑車131を介して化粧カバー3に設けたステッピングモータ64で引っ張ることで、ムービングパネル9を上下に移動可能にしたものである。図において、この実施例に係る室内ユニット1は、バックキャビネット2と化粧カバー3とフロントパネル4とから構成され、前記フロントパネル4は両側の上部に設けたヒンジ部130により、フロントパネル4の下方を前方に開くように取付けられている。フロントパネル4の内壁の両側にはガイドレール85が設けられ、ステッピングモータ64を図示しないリブを介して化粧カバー3に設けている。ムービングパネル9には引っ張り紐114の一端が取付けられ、他の一端はヒンジ部130の軸上に設けた滑車131を介してステッピングモータ64に設けた図示しない巻取りローラで巻取られるようになっている。図49、図50において、この実施例に係る室内ユニット1の外観は、フロントパネル4が両側面に大きなアール形状で回り込んだ外形状を備えるとともに、表示部14と受光部15を吹出部5の片側に設けている。なお、図示以外の部分及び同一符号を附した部位は前記第1の実施例と同様につき説明及び詳細な図示を省略する。
【0084】
この実施例によれば、ステッピングモータ64を駆動させて引っ張り紐114を巻取ることにより、ムービングパネル9をつるべ式の機構で引き上げることができ、また、巻取りを開放することでムービングパネル9を下げることができる。また、ムービングパネル9をフロントパネル4に設けたことにより、フロントパネル4を開放すれば、フイルタ11を露出させることができるので、フイルタ11の着脱を容易にすることができる。また、ヒンジ部85の回転軸を支点にしたつるべ式の機構により、フロントパネル4の開閉による引っ張り紐114の長さが変わらないので、フロントパネル4を固定位置でフロントパネル4の開閉を行うことができる。
【0085】
図51、図52は、本発明に係る他の実施例を示したものであり、図51は概略構造を示した縦断面図、図52は外観図で、図aが斜視図、図bが底面図を示している。この実施例は、第1の吸込部7の下方に隣接して第4の吸込部132を設けたものである。図において、第4の吸込部132は、複数の横桟133を備えて、常に開放して設けられている。この実施例では、第4の吸込部132はフイルタ11と熱交換器10を通過させる通風路と分離独立した通風路134を構成するもので、該通風路134に設けた小型のフアン135により、第4の吸込部132から室内空気を吸い込み、風向板6aに案内されて吹出部5から吹き出すようにしている。また、外観は、図示した以外は前記第1の実施例と同一である。
【0086】
この実施例によれば、吹出部5の風向板6とフアン135を単独で駆動させることにより、フイルタ11と熱交換器10を通さないで送風運転することができるので、送風(サーキュレータ)運転時のフイルタ11の汚れを軽減できる。また、暖房時に、ムービングパネル9を開いて送風フアン16とフアン135を同時運転すれば、送風フアン16により通風される温風を、フアン135で送風される暖房しない風で上部から押さえつけるので、温風の到達距離を伸ばす効果がある。また、この実施例によれば、ムービングパネル9を開いた状態においては、正面に大きな吸い込み面積を得ることができ、ムービングパネル9を閉めた状態においては、大きな第1の吸込部7を閉鎖して、細い帯状の第4の吸込部132をデザイン上のアクセントラインとすることができるので外観デザインを損なうことがない。
【0087】
なお、前記実施例では、第4の吸込部132を通風路134に設けたが、同様な外観を備えるように第1の吸込部7を形成するようにしてもよい。例えば、第1の吸込部7の開口部58の下方にムービングパネル9の閉鎖時に隙間を形成するようにする。この隙間は帯状に構成して外観デザインを損なわないようにする。このようにすれば、例えば、隙間をデザイン上のアクセントラインとすることができるとともに、ムービングパネル9の移動量や大きさを小さくすることができるとともに、例えば、送風量が少ない運転の場合に、ムービングパネル9を動かさなくとも正面の隙間からも風量を得て熱交換器10を効率よく使って運転させることができる。
【0088】
図53〜図56は、本発明に係る他の実施例を示したものであり、同実施例は、正面に配置した吸込部にパンチング状のカバー8またはパンチングのネットを設けて、同吸込部の意匠性を損なうことなく、同吸込部の開口率を向上するとともに通風抵抗を軽減して運転能力を向上したものである。図53、図54はパンチング状のカバー8をフロントパネル4と分離独立して設けたものであり、図55、図56はパンチングのネットをフロントパネル4と一体成形したものである。
【0089】
先ず、図53、図54において、図53は、図aが概略構造を示した縦断面図、図bが吸込部のカバーの部分拡大図、図54は、図aが斜視図、図bが平面図である。図において、この実施例では室内ユニット136を、バックキャビネット2と化粧カバー3とフロントパネル4とから構成し、内部に、側面が直線状の製造が容易な熱交換器137と送風フアン16を備えている。フロントパネル4の正面には第1の吸込部138、化粧パネル3の上面に第2の吸込部139、底面に風向板6a、6bを備えた吹出部5を備えている。第1の吸込部138は、フロントパネル4に形成された開口部58と、該開口部58に内側より着脱自在に取付けられるパンチング状のカバー8とから構成される。同カバー8は、内側周囲に補強リブ78が形成され、該補強リブ78の端部周囲に外方に張り出した固定リブ78aが形成されるトレー形状としている。また、カバー8の正面は、フロントパネル4と連続する大きな曲面35で形成され、同大きな曲面35がフロントパネル4の正面と面一で連続するように前記補強リブ78の大きさ(厚さ)を規定している。また、カバー8の正面には図bで示した複数の小さな正六角形の開口部77をハニカム状に配列することで、大きな開口面積が得られるようにしている。このカバー8は、フロントパネル4の肉厚(2.5mm〜3mm)より薄い肉厚(1.5mm)で樹脂成形し、同成形品の正面を打ち抜き加工で前記開口部77を形成するようにしている。そして、カバー8は、フロントパネル4の内側から開口部58に挿入されて、前記固定リブ78aを、フロントパネル4の内側に形成した図示しない取付リブや取付ネジ等で着脱自在に固定する。第2の吸込部139は上面の前部に形成され、第1の実施例で説明した第3の吸込部13と同様な構造と大きさを備えている。また、この実施例では、第1の吸込部138の横幅を738mm、高さ85mmとし、正六角形の開口部77の平行線の幅3mm、開口部77のピッチを4mmに設定することで、開口率(複数の開口部77の単位面積あたりに占める比率)を64%を得るようにしている。
【0090】
この実施例によれば、第1の吸込部138と第2の吸込部139から吸い込んだ室内空気を前記熱交換器137で冷風または温風にして吹出部5から吹き出すことができる。この際、第1の吸込部138をハニカム形状のパンチング状とすることで開口率を向上するとともに、前記カバー8の肉厚を薄くして通風抵抗を軽減することができる。一般に、横桟で構成された吸込部を備えた従来例は、樹脂成形のフロントパネル4の肉厚が2.5mm〜3mm程度とし、強度面を考慮して横桟の肉圧をフロントパネル4の前記肉圧より厚く成形しているため、室内空気は、前記厚みのある吸込部(横桟)を通過することで通風抵抗が増し、冷暖房容量向上に支障をきたしていた。
【0091】
この実施例では、パンチング状の薄いカバー8で第1の吸込部138を覆う構成としたので空気が開口部77を通過する長さを短くすることができるので通風抵抗を軽減することができる。また、この実施例では、肉圧を薄くすることによる強度の課題を、カバー8の周囲に補強リブ78を設けることで解決し、更に、カバー8の前面を大きな曲面35で形成することで強度を増している。なお、この実施例よりカバー8を大きくする場合は、カバー8の内壁に適宜補強リブを設ければよい。
【0092】
また、この実施例では、開口部77を打ち抜き加工での加工性を考慮して、肉厚を1.5mmに設定しているが、同加工では1mm〜2mmの肉厚の範囲であれば同様な効果を得ることができる。 なお、前記した補強手段を施せばカバー8を金属材料で形成してもよい。このように、本実施例によれば、正面に配置した第1の吸込部138にパンチング状のカバー8(ネット)を設けることで、同第1の吸込部138の意匠性を損なうことなく、同第1の吸込部138の開口率を向上するとともに通風抵抗を軽減して運転能力を向上することができる。しかも、この実施例のように、価格の安い熱交換器137と組み合わせれば、全体の製造コストを低くして前記効果を得ることができる。
【0093】
更に、この実施例では、カバー8をフロントパネル4から着脱可能にしているので、清掃時に汚れの目立つカバー8をフロントパネル4から分離して小さな部品とすることができるから、場所を取らずに清掃することができる。
【0094】
なお、前記実施例では、側面が直線状の熱交換器137を採用したが、前記第1の実施例の熱交換器10を採用して、上面に同様な第2、第3の吸込部12、13を設けることで、設置状態での意匠性を損なうことなく、更に通風量を増やして運転能力を向上することができる。また、前記第2、第3の吸込部12あるいは、第2の吸込部139をカバー8と同様なパンチング状としてもよい。
【0095】
次に、図55、図56において、図55は、図aが概略構造を示した縦断面図、図bが吸込部のカバーの部分拡大図、図56は斜視図である。図において、この実施例の室内ユニット140は、ハニカム形状に配列された複数の開口部77を備えた第1の吸込部141を大きく形成し、該第1の吸込部141をフロントパネル142と一体成形した点で、前記実施例の室内ユニット136と相違する。また、前記開口部77は肉厚を第1の吸込部141以外の肉厚(2.5mm〜3mm)より薄い1.5mmの肉厚で形成することで、成形上の樹脂の流れの課題を解決しながら、空気抵抗を軽減している。
【0096】
更に、強度をもたせるために、この実施例では、図55図bの点線で示したように、開口部77を避けてジグザグの補強リブ143を第1の吸込部141の内側に適宜設けることにより、設置状態(正面)で前記補強リブ143が見えて意匠性を損なわないようにしている。また、図56では、図面上、第1の吸込部141を斜め線で示しているが、これは、第1の吸込部141の範囲を示したものであり、同範囲内は、図55図bで示したハニカム形状で形成される。このため、第1の吸込部141がフロントパネル142に溶け込むように形成されるから、第1の吸込部141の開口部の印象を軽減して外観デザインを良好にすることができる。
【0097】
なお、前記図53〜図56の実施例では、正方形や正六角形の開口部77を格子状やハニカム状の規則的な配置としているが、同様な効果は、他の形状、例えば、菱形、円形、長方形、偏平六角形、楕円等の開口部77でも得ることができる。ただし、正六角形の開口部77は最も開口率が得られ、正方形や菱形は製造しやすく、他の形状はインテリア性や装飾性を向上させる効果がある。また、これらの開口部77は3mm〜7mmのピッチで配列できる大きさとすることで、開口率を得ながら、内部を見えにくくして意匠性を良好にすることができる。
【0098】
更に、これらの開口部77は、縦横方向にほぼ均一に配列させることで、開口面積の片寄りもなく、強度的にも最良にすることができるが、規則性をもって配列してもよい。例えば、中央部分を大きな開口部77として、1方向(両側)に、あるいは4方(周囲)に行くにしたがって徐々に小さな開口部77としたり、複数の開口部77を1つの群として、この群を規則性をもって配列することで、模様としての装飾性を高めながら、開口率を大きくして、全体の強度を持たせることができる。また、開口率は、50%〜70%の範囲内であれば、内部を見えにくくして意匠性を良好にすることができる。更に、開口率の上限を80%にすれば、開口部77の装飾性を維持しつつフイルタ11の保護を図ることができるが、この場合は、開口部77を内側より支持する補強リブ143を設けて全体の鋼性を高めるようにするとよい。
【0099】
次に、図55、図56で述べた実施例をより具体化した実施例を図57〜図64を参照して説明する。図57は外観斜視図、図58は外観右側面図、図59は外観正面図、図60は外観平面図、図61は縦断面図、図62は第1の吸込部の部分拡大図、図63は吸込部の成形方法を示す断面図、図64は吸込部強度を示す参考図である。
【0100】
先ず、図57において、本実施例に係る空気調和機の外観の概略構造を説明する。図において、符号501で総括的に示すのは空気調和機の室内ユニットである。室内ユニット501の外観は、樹脂成型のバックキャビネット502と、該バックキャビネット502の前面に設けられる樹脂成型の化粧カバー503と、該化粧カバ−503の前面に設けられた樹脂成型のフロントパネル504とから構成されている。なお、この実施例では樹脂材料をHIPS(ハイインパクトポリシチレン)樹脂を採用しているが、PS(ポリシチレン)樹脂、ABS(アクリルブタジエンシチレン)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂でもよい。505は、化粧カバー503の底面前方に傾斜して配置される吹出部であり、樹脂成型の風向板6を備えている。507はフロントパネル504の正面中央に配置される第1の吸込部であり、該第1の吸込部507は、前記フロントパネル504の周囲より段差部508を介して一段奥まって形成される平面部509に形成される。また、第1の吸込部507は、フロントパネル504の成形時に一体成形されるハニカム状でかつ規則姓をもって配列される複数の開口部77から構成される。なお、この実施例では、複数の開口部77を一体成形しているが、打ち抜き加工のように後加工で形成してもよい。この後加工では、平面部509が薄肉であるために加工が容易である。
【0101】
また、化粧カバー503とフロントパネル504の上面には第2の吸込部12が形成されている。また、フロントパネル504の下部中央に表示部14と受光部15が配置されている。
【0102】
次に、室内ユニット501の部品構成については、ムービングパネル9とシャッタ機構部31等を採用せず、第1の吸込部507を備えたフロントパネル504を備えた点で第1の実施例と異なるが、貫流フアン16等の基本的な内部構造は図2と同等につき説明を省略する。
【0103】
次に、図58〜図60を参照して、室内ユニット501の外観構造を詳細に説明する。図において、本実施例の基本的造形は前記第1の実施例と同様な外観形状を備えている。室内ユニット501は横幅Wを792mm、高さHを266mm、奥行Dを170mmとする横長の外形寸法を備えることで、近年需要が高まっている前記設置環境にも設置できるので、設置の多様性を向上できる。
【0104】
図58において、室内ユニット501は、バックキャビネット502を箱型に形成するとともに、化粧カバー503とフロントパネル504の上下面を、側面から見て、ほぼ上下対称で前方に向けて絞り込まれる大きな曲面33、34で形成し、更に、該曲面33、34の間に形成されるフロントパネル504の前面を後方に傾いた大きな曲面35で形成している。
【0105】
前記大きな曲面35には、段差部508を介して一段低く形成され、かつ、大きな曲面35と同じ曲率の曲面で形成される平面部508が形成される。そして、段差部508の深さは平面部509が、例えば、上下の段差部508の先端を結ぶ線から前方にはみださないように設定している。このため、第1の吸込部507が、床面に置かれたり、あるいは設置時に壁面に当たったり、あるいは梱包時等に、直接平面部509に形成される複数の開口部77に衝撃等の無用な力が加わらないように配慮している。
【0106】
また、上面を曲面33で形成したことにより、第2の吸込部12を設置状態で目立ちにくくするととに前方上方から室内空気を効率良く吸い込ませることができる。一方、下面を曲面34で形成したことにより、設置環境に馴染みやすい「面」を生かして吹出部505に傾斜を与えることができる。また、室内ユニット1は、フロントパネル504を外観から見て一様な厚みのある扁平な形状とし、化粧カバー503との分割部に溝部36を形成することにより、フロントパネル504と化粧カバー503との勘合を良好にするとともに、連続した丸みのある大きな曲面33、34にアクセントラインを形成し、奥行感を軽減して、コンパクト感を一層向上させている。
【0107】
図59で示す正面図において、室内ユニット501は、正面4隅を大きなアール538aで形成し、更に溝部36及び大きな曲面35の正面4隅を前記大きなアール538の相似形のアール538b、538cとし、このアール538と連続する両側面をわずかに内側に絞り込まれる中央が凸の大きな円弧面とすることにより、内部実相効率を向上したコンパクトで全体に丸みのある外観形状を形成している。なお、本実施例では大きなアール538aをR18mmに設定している。
【0108】
また、フロントパネル504の前面に形成される大きな曲面35の中央下方には、周囲に大きな曲面35を残して第1の吸込部507が形成される。本実施例では第1の吸込部507が形成される段差部508の大きさ、横幅を750mm、高さを103mm、下面から中心軸までの高さを125mmに設定している。また、段差部508は正面から見て4mm幅の傾斜面539を備えており、段差部508内の平面部509の大きさが設定される。前記傾斜面539は、室内空気を吸い込みやすくするとともに、フロントパネル504の強度を高めている。なお、表示部14及び受光部15は前記第1の実施例と同様につき説明を省略する。
【0109】
図60で示す平面図において、この実施例では、フロントパネル504の大きな曲面35及び前記平面部509は、上方から見ても大きな円弧面で形成される。このため、フロントパネル504全体の強度を高めるとともに、これと同様に、パンチング状に配列された複数の開口部77全体の強度を高めている。なお、この実施例では、上面からみた曲面を、中央部分をR7000mm、両側部分をR700mm、両端部部分をR50mmに設定している。
【0110】
また、化粧カバー503の上面に形成される第2の吸込部12は主体となる複数の横桟42と補強用の縦桟43を疎らに備えたグリル形状とし、周囲に幅の広い筐体面を残すことで、大きな開口率、(実質的な開口部が単位面積あたりに示す比率)を得ながら目立ちにくい形態としている。特に、第2の吸込部12は曲面33により目立ちにくくしているので、大きな開口率としても、意匠性を悪くすることがない。なお、本実施例では第2の吸込部12の開口率を80%前後に設定している。また、本実施例では、第2の吸込部12の横幅を690mm、奥行を50mmに設定している。また、横桟42は5本ほぼ等間隔に設けている。
【0111】
更に、本実施例では、第1の実施例と同様、室内ユニット501の右側にフアンモータ18や電装品ボックス25等を設けているために、第2の吸込部12の右側に前記内部構造体を隠蔽する仕切板44を形成している。したがって、本実施例では、第2の吸込部12の左側に635mmの横幅を有する吸い込みのための実質的な開口部12aを設けている。また、縦桟43は横桟42より奥まった位置に設けられ、前記開口部12aを左右等間隔に分割するように7本形成されている。
【0112】
次に、図61を参照して、室内ユニット501の内部機構を説明する。図61において、バックキャビネット502内には、ほぼ中央に送風フアン16が設けられ、その前面に中央部で後方に折り曲げられた断面が「く字状」の熱交換器10、該熱交換器10の下方に吹出部505の関連機構部やドレン皿17が配置される。そして、これら送風フアン16や熱交換器10等の主機構部を内部に包含するように、化粧カバー503を、取付リブ545をバックキャビネット502の上部に引っ掛けて、下部をねじを介してバックキャビネット502に取付けられる。
【0113】
また、フイルタ11は、化粧カバー503の両側側面に設けたガイドレールを介して、「く字状」の熱交換器10に沿ってその前面に着脱自在に取付けられる。そして、化粧カバー503の前面に、例えば、図18と同様な機構を介して、フロントパネル504が、上端を回転軸として下方を開放可能に取付けられる。
【0114】
このような構造を取ることにより、第1の吸込部507及び第2の吸込部12から吸込んだ室内空気は、フイルタ11、熱交換器10、送風フアン16を経て温風又は冷風に熱交換されて吹出部505から吹出される。
【0115】
この際、熱交換器10は、「く字状」に形成されているので、第1の吸込部507は下部熱交換器から、第2の吸込部12は上部熱交換器から効率良く吸込むことができる。また、フイルタ11は熱交換器10側に近接配置され、第1の吸込部507及び第2の吸込部12との間に広い奥行きのある空間が形成されているから、この空間を介して吸込んだ空気が整流されるので、例えば、第1の吸込部507または第2の吸込部12の一部が塞がれても他の開口部から室内空気を吸込んで塞がれた部分の熱交換器10からも無理なく熱交換することができる。更に、第1の吸込部507とフイルタ11の間が広くなるので、第1の吸込部507の複数の開口部77を介して、外方から内部が見えにくくなるので、意匠的に良好となる。
【0116】
次に、図61〜図64を介してフロントパネル204と一体成形された第1の吸込部507を詳細に説明する。
【0117】
図61において、この実施例では、フロントパネル504を、衝撃に強いHIPS樹脂で成形し、その基本的な肉厚を3mmに設定するとともに、平面部509の肉厚を1.5mmに設定し、段差部508の傾斜面509を介して徐々に3mmから1.5mmに薄くなるように成形している。この構造により、成形時においては、厚みのある肉厚部分から薄肉厚部分への樹脂の湯流れを良好にすることができるから、ウエルドの発生や、階段形状やリブ等によるひけを軽減することができる。このため、PP樹脂のような安価でリサイクル性が良好ではあるがウエルドやひけが発生しやすい樹脂材料でも成形精度を向上させることできる。また、強度的には徐々に薄くなる前記傾斜面509を介して、薄肉部分に係る応力を均等に分散させることができるから強度的にも良好にすることができる。
【0118】
図62において、本実施例では、開口部77を隅部がアール処理された六角形状に形成される。前記六角形状の開口部77は並行線の幅が3.3mmに設定され、隣接する他の開口部77との間に1mmのハニカムの枠体が残るように、4.3mmピイチで、前記平面部209の横幅735.3mm、高さ89.4mmの範囲にハニカク状に形成されている。
【0119】
また、この実施例では、開口部77の断面形状を、図62(c)図に示すように、筐体の外側となる風上側(図面上の上部)と筐体内部側となる風下側(図面上の下部)の開口部端部をアール形状、例えば、この実施例ではR0.3mmに形成している。この開口部77の形状によれば、室内空気を開口部77に取り込む際の空気抵抗が少なく、また、開口部77から筐体内に引き込まれる際の乱気流等が軽減できて、全体の吸込み効率を向上させることができる。
【0120】
この成形方法を図63で説明する。図において、601はフロントパネル504の外側を形成する凹型、602はフロントパネル504の内側を形成する凸型、603はハニカム状の枠体を示している。
【0121】
(a)図は、本実施例が採用する成形方法であり、凹型601と凸型602にそれぞれ開口部77を形成する凸部601a、602aを形成し、該凸部601aと602aとで形成される空間に樹脂材料を注入することでハニカム状の枠体603を備えたフロントパネル504を形成することができる。また、(b)図の実施例は、開口部77を形成する凸部601bを凹型601に形成したものである。
【0122】
(a)図の成形方法によれば、凹型601と凸型602の合せをハニカム状の枠体603の間に設けたので、金型が老朽化した際に、凹型601と凸型602の間に発生して開口部77を塞ぐバリの発生を(b)図のものより発生しにくくすることができるので、バリを除去する等の成形後の後処理を軽減することができる。更に、(a)図の実施例では、開口部77の外側及び内側の端部をアール形状や面カット形状に容易に成形することができる。一方、(b)図の実施例では、開口部77の風上側の端部をアール形状とすることができるとともに、金型が老朽化した際に発生する可能性のあるバリを意匠的に問題とならない筐体内側のみに発生させるので、成形後の後処理を内側の端面処理ですませて金型の単価を安価にすることができる。
【0123】
次に、図64は、本実施例の第1の吸込部507の強度を従来例との対比で説明したものである。(a)図が本実施例の第1の吸込部507、(b)図が従来のグリル構造の吸込部を示している。
【0124】
(a)図において、本実施例では、例えば、第1の吸込部507の点Z1に外部から圧力がかかった場合、加えへられた応力は、図に示すように、ハニカム状の枠体によって均等に外側に広がり、段差部508全体によって支持される。これに対し、(b)図に示す従来のグリル構造では、点Z2に加えられた応力は、例えば、横桟610の点Z2に加えられた応力は、横桟610を支持する横桟610の取付部611と、横桟610を支持する縦リブ612及びその縦リブ612の取付部613に集中して応力が加わる。このため、従来例では、この部分的に集中する応力に耐える構造とするために、この取付部611及び613、つまり、横桟610と縦リブ612の取付部全体に強度を持たせる構造としている。また、当然のように、前記横桟610や縦リブ612についても、前記応力に耐えるような太さを持たせている。したがって、従来例では、横桟610や縦リブ612が太くなり、また、その取付部611、613もまた堅牢な作りとしなければならないため、肉厚が厚くなることで通風抵抗が増したり、あるいは肉厚を厚くしたことによるひけの問題があった。
【0125】
この点、本実施例では、点Z1に加わる力は、ハニカム構造により周囲に分散して、更にそれらの分散した応力は段差部508により吸収されるので、平面部509を薄くしても強度を維持することができる。このため、第1の吸込部507の肉厚を小さくして通風抵抗を軽減することができる。
【0126】
更に、例えば、第1の吸込部507から吸込まれる室内空気を同一風量とした場合、第1の吸込部507の面積を従来例より小さくすることができる。本実施例では、第1の吸込部507の高さ寸法を従来の横桟グリルのものより3割小さくすることができる。この結果、フロントパネル504で最も強度が弱いと思われる第1の吸込部507の相対的な強度を高めることができる。また、結果として、第1の吸込部507の面積を小さくすることにより、正面に占める開口部を小さくして平面部を増やすことができるので意匠的に向上できるとともに、第1の吸込部507から内部を見えにくくすることができる。
【0127】
加えて、平面部509の湾曲形状や、段差部508の徐々に肉厚を小さくする傾斜面539はより前記効果を良好にすることができる。なお、本実施例では、HIPS樹脂でフロントパネル504を形成しているが、前記構造を取ることにより、例えば、安価でリサイクル性が良好なPP樹脂でもひけやウエルドを軽減し、更に強度を維持しながら採用することができる。
【0128】
なお、本実施例では、段差部508をフロントパネル504の表面側に形成したが、フロントパネル504の表面を大きな曲面35で一様な曲面に形成し、フロントパネル504の内側に形成することで、前記実施例と強度や製造上の同様な効果を得ながら、意匠的に、多様な展開が図れる。
【0129】
また、前記第1の吸込部507の構造で強度をより得たい場合には、第1の吸込部507を左右方向(長手方向)に分割、つまり複数の開口部77を左右方向に複数に分割し、その開口部77が形成されない分割部の裏面側に補強リブを設けたり、あるいは、段差部508を介して一段低く形成される平面部509を左右方向に複数個形成して、その平面部に複数の開口部77を設けることで、意匠性や成形性を損なうことなく強度をより向上させることができる。
【0130】
以上述べた実施例によれば、複数の開口部の単位面積あたりに占める比率と規則性のある配列で内部を見えにくくしながら意匠性を高め、カバーを小肉厚で形成することで通風抵抗を軽減して風量を得ることで性能向上が図れる。
【0131】
また、通風抵抗を軽減して風量を得ることができるカバーを、開口部の規則性のある配列と補強部とで鋼性を高めることができるので強度を得ながら性能向上が図れる。
【0132】
また、通風抵抗を軽減して風量を得ることができるカバーをフロントパネルとともに筐体と簡単に分離することができるので、性能向上が図れるカバーを簡単に取り外して清掃することができる。
【0133】
また、通風抵抗を軽減して風量を得ることができるカバーを筐体と簡単に分離することができるので、カバーの清掃性を向上することができる。
【0134】
また、通風抵抗を軽減して風量を得ることができるカバーをフイルタとともに筐体と簡単に分離することができる、着脱を簡単にして清掃性を向上できる。
【0135】
また、筐体前面に形成される吸込部を他の筐体前面の肉厚よりも薄肉で形成することにより、通風抵抗を軽減して風量を得ることができるから、簡単な構造で内部を見えにくくしながら意匠性を高め性能向上を図ることができる。
【0136】
また、通風抵抗を軽減して風量を得ることができる吸込部を備えたフロントパネルを筐体と簡単に分離することができる、通風抵抗を軽減しながらフロントパネルの清掃性を向上することができる。
【0137】
【発明の効果】
本発明によれば、運転モードに対応して吸込開口率を変化させて空気清浄効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気調和機の一実施例を示す外観斜視図。
【図2】本発明に係る空気調和機の一実施例を示す部品構成図。
【図3】本発明に係る空気調和機の一実施例を示す側面図。
【図4】本発明に係る空気調和機の一実施例を示す正面図。
【図5】本発明に係る空気調和機の一実施例を示す平面図。
【図6】本発明に係る空気調和機の一実施例を示す底面図。
【図7】図14のB−B’断面図。
【図8】本発明に係る空気調和機の一実施例を示す横断面図。
【図9】本発明に係る空気調和機の一実施例を示すシャッタ機構図。
【図10】図14のC−C’断面図。
【図11】図14のA−A’断面図。
【図12】本発明に係る空気調和機の一実施例を示すフイルタ構成図。
【図13】本発明に係る空気調和機の一実施例を示すカバー外観図。
【図14】本発明に係る空気調和機の一実施例を示す正面透視図。
【図15】本発明に係る空気調和機の一実施例を示す装置構成図。
【図16】本発明に係る空気調和機の一実施例を示すフローチヤート図。
【図17】本発明に係る空気調和機の一実施例の応用例を示す外観斜視図。
【図18】本発明に係る空気調和機の一実施例の応用例を示す説明図。
【図19】本発明に係る空気調和機の一実施例の応用例を示す要部断面図。
【図20】本発明に係る空気調和機の一実施例の応用例を示す要部断面図。
【図21】本発明に係る空気調和機の一実施例の応用例を示す縦断面図。
【図22】本発明に係る空気調和機の一実施例の応用例を示す縦断面図。
【図23】本発明に係る空気調和機の一実施例の応用例を示すフローチヤート図。
【図24】本発明に係る空気調和機の一実施例の応用例を示すカバー説明図。
【図25】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す外観図。
【図26】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す外観図。
【図27】シャッタ機構部の他の実施例を示す機構概念図。
【図28】シャッタ機構部の他の実施例を示す機構概念図。
【図29】シャッタ機構部の他の実施例を示す機構概念図。
【図30】シャッタ機構部の他の実施例を示す機構概念図。
【図31】シャッタ機構部の他の実施例を示す機構概念図。
【図32】シャッタ機構部の他の実施例を示す機構概念図。
【図33】シャッタ機構部の他の実施例を示す機構概念図。
【図34】シャッタ機構部の他の実施例を示す機構概念図。
【図35】シャッタ機構部の他の実施例を示す機構概念図。
【図36】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す縦断面図。
【図37】本発明に係る空気調和機の一実施例を示すフローチャート図。
【図38】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す中央縦断面図。
【図39】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示すカバーの外観図。
【図40】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す外観図。
【図41】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示すフイルタ着脱時の第1の吸込部の部分拡大図。
【図42】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す内部機構の正面配置の透視概念図。
【図43】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す縦断面図。
【図44】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示すムービングパネル動作機構の透視正面図。
【図45】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す縦断面図。
【図46】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す縦断面図。
【図47】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す縦断面図。
【図48】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す概略縦断面図。
【図49】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す外観図。
【図50】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す外観図。
【図51】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す概略縦断面図。
【図52】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す外観図。
【図53】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す概略縦断面図と部分拡大図。
【図54】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す外観図。
【図55】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す概略縦断面図と部分拡大図。
【図56】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す外観図。
【図57】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す外観斜視図。
【図58】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す外観右側面図。
【図59】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す外観正面図。
【図60】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す外観平面図。
【図61】本発明に係る空気調和機の他の実施例を示す縦断面図。
【図62】本発明に係る空気調和機の他の実施例の第1の吸込部の部分拡大図
【図63】本発明に係る空気調和機の吸込部の成形方法を示す断面図
【図64】本発明に係る空気調和機の他の実施例の吸込部強度を示す参考図。
【符号の説明】
1…室内ユニット、2…バックキャビネット、3…化粧カバー3、4…フロントパネル、5…吹出部、6a、6b…風向板、7…第1の吸込部、8…フイルタカバー、9…ムービングパネル、10…熱交換器、10a…前部の熱交換器、10b…後部の熱交換器、11…フイルタ、12…第2の吸込部、13…第3の吸込部、14…表示部、15…受光部、16…送風フアン、17…ドレン皿、18…フアンモータ、24…モータ、25…電装品ボックス、30…空気清浄フイルタ、31…シャッタ機構部、W…室内ユニット1の横幅、H…室内ユニット1の高さ、D…室内ユニット1の奥行、33、34、35…大きな曲面、36…溝部、37…手掛け凹部、38a、38b、38c…大きなアール、39…傾斜面、40…凹溝、41…開口部、42…リブ、53…吹出通風路、58…開口部、59…駆動機構部、60…連結機構部、61…連結棒、62…取付リブ、63…ラック、64…ステッピングモータ、65…駆動機構ケース、66…摺動溝、67…取付部、68…板歯車、69…端子、70…第1ギヤ、71…第2ギヤ、72…第3ギヤ、73…ベルト、74…ラック支持部、75…案内レール、76…ガイドレール。

Claims (3)

  1. 内部に塵埃フイルタまたは空気清浄フイルタと熱交換器と送風フアンを順に配列した通風路を有する筐体を備えた空気調和機において、
    前記筐体を、後部をカバーする後部カバーと、前部をカバーする前部カバーと、前記後部カバーと前記前部カバーとの間に配置される中央カバーとから構成し、
    前記前部カバーの前面に第1の吸込部、前記中央カバーの上部に第2の吸込部と第3の吸込部、前記中央カバーの下部に吹出部を形成し、
    前記熱交換器は、下端部を前記後部カバーに配置される後部ドレン皿に位置させ、上端部を前記送風フアンの上方の連結点に位置させる後部熱交換器と、下端部を前記前部カバーに配置される前部ドレン皿に位置させ、上端部を前記連結点を介して前記後部熱交換器と連結される前部熱交換器とから構成され、
    前記吹出部は、第1駆動機構を介して、この吹出部を開閉する風向板を備え、
    前記第1の吸込部は、第2駆動機構を介して、この第1の吸込部を開閉する可動パネルを備え、
    前記第2の吸込部は、前記連結点の前部の前記前部熱交換器の上方に形成され、
    前記第3の吸込部は、前記連結点の後部の前記後部熱交換器の上方に形成され、
    前記塵埃フイルタは、前記第1の吸込部及び前記第2の吸込部と前記前部熱交換器との間に配置され、
    前記空気清浄フイルタは、前記第3の吸込部と前記後部熱交換器との間に配置され、
    前記第1駆動機構と前記第2駆動機構は制御部を介して動作され、
    前記制御部は、停止状態では、前記第1駆動機構と前記第2駆動機構とを介して、前記第1の吸込部と吹出部を閉鎖状態とし、空気清浄運転では、前記第1駆動機構を介して前記吹出部を開放して前記送風フアンを回転させ、冷暖房運転では、前記第1駆動機構と前記第2駆動機構を介して前記第1の吸込部と前記吹出部を開放して前記送風フアンを回転させる
    ことを特徴とする空気調和機。
  2. 前記請求項1記載の空気調和機において、
    前記第2の吸込部と前記第3の吸込部とは前記連結部の上方に形成される平面部を介して前後に分割される
    ことを特徴とする空気調和機。
  3. 前記第1の吸込部は、前部カバーに形成される開口部と、前記第2駆動機構を介して前記開口部を開閉する可動パネルとで構成され、
    前記可動パネルは、開放時に、前記開口部と前記第2の吸込部との間に形成される前部カバーの平面部の後方に収納される
    ことを特徴とする空気調和機。
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