JP5388998B2 - 空気調和機の室内機 - Google Patents

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Description

本発明は空気調和機の室内機、特に、壁面に設置される空気調和機の室内機に関する。
従来、空気調和機の室内機(以下、「室内機」と称す)は、筐体からなる本体に風路を形成する送風機と、風路内に配置された熱交換器等が収納されている。そして、意匠性を高めるため、正面に配置される開閉パネル(前面グリルに同じ)の表面に光沢性の塗装を施すと共に、その塗装された面の前方にシボ加工を施した透明化粧パネルを設けた発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−257619号公報(第4頁、図2)
しかしながら、特許文献1に記載された発明は、以下のように、十分に意匠性を高めることができないという問題があった。
(あ)透明化粧パネルの背面に、背面側に突出したリブおよびキャッチ固定部が形成されているため、透明化粧パネルを成型するための金型のキャビティが抜き勾配が必要になったり、複雑になったりする。このため、後記するheat&cool成型(ウエルドレス成型)によって成型することができないから、従来の要領で射出成型され、高光沢面を得ることができない。
(い)筐体の側面や下面は露出し、比較的ユーザーの目に触れるものの、形状が複雑であるため、前記と同様に、後記するheat&cool成型(ウエルドレス成型)によって成型することができないから、従来の要領で射出成型され、高光沢の面を得ることができない。
(う)また、正面にシボ加工を施した透明化粧パネルを配置して、当該部分の高級感を高めたとしても、筐体の側面や下面は高光沢でないから、一体的な意匠性が向上しているとは言えない。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、意匠性の高い外観を有する空気調和機の室内機を得るものである。
本発明に係る空気調和機の室内機は、骨組みである直方体の枠体本体と、該枠体本体の両側面にそれぞれ設置された側面パネルと、前記枠体本体の正面に開閉自在に設置された正面開閉パネルと、前記枠体本体の正面における前記正面開閉パネルの下方範囲と前記枠体本体の下面における正面寄りの範囲とに跨がって、それぞれ前記側面パネル寄りに設置されたL型パネルと、該L型パネルに挟まれて前記枠体本体の下面に設置された下面パネルと、を有し、前記正面開閉パネルは、矩形状の略平面であるパネル枠体と該パネル枠体に取り付けられたパネル意匠面とから形成され、前記L型パネルの少なくとも一方のL型パネルにリモコン受信窓が設けられ、該リモコン受信窓は互いに直交する一対の平面状の受信面を有することを特徴とする
本発明は以上のように、室内機の本体を骨組みである枠体本体と、枠体本体のそれぞれの面に設置された、側面パネル、正面開閉パネル、L型パネルおよび下面パネルと、を有する。したがって、枠体本体の形状から離れて、それぞれのパネルを単純形状にすることができるから、意匠性を高める成型方法(例えば、heat&cool成型)を採用することが可能になり、これらパネルの面を高光沢でウエルドレスにすることが可能になる。
本発明の実施の形態1に係る空気調和機の室内機を示す斜視図。 図1に示す室内機の全体を示す側面視の断面を示す断面図。 図1に示す室内機の全体を示す平面図、正面図、側面図。 図1に示す室内機の一部(パネル枠体、パネル意匠面)を示す斜視図。 図1に示す室内機の一部(正面開閉パネル、枠体本体、左側面パネル、右側面パネル)を示す斜視図。 図1に示す室内機の一部(左L型パネル、右L型パネル、下面パネル)を示す斜視図。 図1に示す室内機の一部(リモコン受信窓)を示す斜視図。
[実施の形態1]
図1〜図7は本発明の実施の形態1に係る空気調和機の室内機を説明するものであって、図1は全体を模式的に示す斜視図、図2は側面視の断面を示す断面図、図3の(a)は全体を示す平面図、図3の(b)は全体を示す正面図、図3の(c)は全体を示す側面図、図4の(a)は一部(パネル枠体)を示す斜視図、図4の(b)は一部(パネル意匠面)を示す斜視図、図5の(a)は一部(正面開閉パネル)を示す斜視図、図5の(b)は一部(枠体本体)を示す斜視図、図5の(c)は一部(左側面パネル)を示す斜視図、図5の(d)は一部(右側面パネル)を示す斜視図、図6の(a)は一部(左L型パネル)を示す斜視図、図6の(b)は一部(右L型パネル)を示す斜視図、図6の(c)は一部(下面パネル)を示す斜視図、図7の(a)は一部(リモコン受信窓18)を示す斜視図、図7の(b)は一部(リモコン受信窓18)を分解して示す斜視図である。
なお、各図は模式的に描いたものであって、各部材の形状や大きさは図示する形態に限定するものではない。また、各図において同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する場合がある。
(空気調和機の室内機)
図1〜図4において、空気調和機の室内機(以下、「室内機」と称す)100は、枠体本体(骨組に同じ)1の上面に形成された吸込み口2から吸込まれた室内空気を、熱交換器6を通過することによって熱交換(調和)し、熱交換(調和)された空気(以下、「調和空気」と称す)を送風機7の回転により、風路4を経由して、枠体本体1の略下面にかけて形成された吹出し口3から室内に送り出すものである。
風路4は本体正面側(左側)の風路正面部材8と背面側(右側)の風路背面部材9とによって形成され、風路正面部材8には左右風向板10が設けられている。また、吹出し口3には、正面上下風向板11aおよび下面上下風向板11bが設けられ、それぞれ吹出し口3の本体正面側の範囲および吹出し口3の本体下面側の範囲を閉じることができる。
また、枠体本体1は、直方体形状の枠体(骨組)であって、矩形状の平面である本体上面1Aの一部に吸込み口2が形成され、矩形状の平面である本体下面1Bの一部と矩形状の平面である本体正面1Fの一部とに跨がって吹出し口3が形成されている。
そして、正面視において吹出し口3を挟むように、本体下面1Bの一部と本体正面1Fの一部とに跨がって断面L字状(互いに直交する一対の矩形状の平面によって形成されている)である左L型パネル17Lと右L型パネル17Rとが設置され、本体下面1Bの吹出し口3の背面側には、矩形状の平面である中央下面パネル17Cが設置されている。
また、本体左側面1Lの本体正面1Fに近い範囲には矩形状の平面である左側面パネル16Lが、本体右側面1Rの本体正面1Fに近い範囲には矩形状の平面である右側面パネル16Rが、それぞれ設置されている。
このとき、左側面パネル16Lは本体左側面1Lよりも段差g16分だけ左側に突出し、右側面パネル16Rは本体右側面1Rよりも段差g16分だけ右側に突出している。また、中央下面パネル17Cは本体下面1Bよりも段差g17分だけ下右側に突出している(図3の(a)、(b)および(c)参照)。
さらに、枠体本体1の本体正面1Fに形成された本体正面開口部5には、正面開閉パネル(グリルに同じ)15が開閉自在に設置されている。
(正面開閉パネル)
図4において、正面開閉パネル15は、パネル枠体13とパネル意匠面14とが一体に組み合わされたものである。
パネル枠体13は、矩形状の平面である枠体(骨組み)である枠体正面部13Cと、枠体正面部13Cの左側縁および右側縁にそれぞれ形成され、背面側に突出する矩形状の平面である枠体左側面部13Lおよび矩形状の平面である枠体右側面部13Rと、を具備し、断面略[状(断面略大括弧状)を呈している。
パネル意匠面14は矩形(長方形)であって、周囲に意匠性を向上させる傾斜縁取りを有する略平面である。
また、枠体正面部13Cの正面側(外部から視認される面)にはパネル意匠面14を組み合わせるための組み合わせ係止部13aと傾動自在に軸支される傾動軸13bとが形成され、一方、パネル意匠面14の背面側(外部から視認されない面)には組み合わせ係止部13aに係止する組み合わせ被係止部14aと、傾動軸13bを傾動自在に支持する傾動軸受(図示しない)とが形成されている。
したがって、枠体正面部13Cの正面側にパネル意匠面14を押し付けるだけで、パネル枠体13とパネル意匠面14とは一体化し、正面開閉パネル15が形成される。
なお、正面開閉パネル15を一体成型する場合には、プラスチック成型特有の抜き勾配が必要となり、単純形状である直方体(一方が長い直方体、四角柱状)にすることが出来ないものの、本発明では、正面開閉パネル15をパネル枠体13とパネル意匠面14との2部品を組み合わせて形成することによって、パネル意匠面14を単純形状にしている。このため、後記するようにheat&cool成型による形成が可能になり、かかる成型によって高光沢でウエルドラインのない面が得られている。
さらに、本発明の室内機100は、枠体本体1を面材からなる筐体ではなく、骨組にし、かかる骨組に面材を設置している。すなわち、かかる面材である、左側面パネル16L、右側面パネル16R、左L型パネル17L、中央下面パネル17Cおよび右L型パネル17R(以下、これらをまとめて又はそれぞれを「別ピース意匠パネル」と称す場合がある)は、矩形状の平面からなるため、後記するようにheat&cool成型による形成が可能になり、かかる成型によって高光沢でウエルドラインのない面が得られている。
(heat&cool成型)
前記のように、パネル意匠面14および別ピース意匠パネルは単純形状であることから、heat&cool成型(ヒートアンドクール成型)が可能になり、heat&cool成型によって製造されている。このため、一般成型だと金型の意匠面を鏡面に仕上げたとしても、成型品の光沢に限界があったものの、パネル枠体13およびパネル意匠面14はheat&cool成型によって製造されるから、高光沢の面を有している。
また、ユーザから見え易いパネル意匠面14を高級感のある高光沢な面にしたことから、これらに隣接する正面上下風向板11aおよび下面上下風向板11bに加え、別ピース意匠パネル(左側面パネル16L、右側面パネル16R、 左L型パネル17L、中央下面パネル17Cおよび右L型パネル17R)も同様に、heat&cool成型によって製造し、ユーザから見え易い範囲において、高光沢で一体感のある意匠を実現している。
さらに、枠体本体1の本体左側面1Lおよび本体右側面1Rについてはユーザから見え難いことから、それぞれ左側面パネル16Lおよび右側面パネル16Rより段差g16分だけ低くし、さらにシボ加工している。
このため、シボ加工された本体左側面1Lおよび本体右側面1Rが奥まった印象を与えるのに対し、高光沢の左側面パネル16Lおよび右側面パネル16Rは手前に張り出した印象を与え、高光沢が一層引き立てられる。
なお、高光沢の成型品を得るためにheat&cool成型をする場合、金型の温調を制御する蒸気パイプと冷却パイプとを金型の製品面に均等に配置しなくてはならないため、複雑な形状の成型品では、前記蒸気パイプと前記冷却パイプとを配置する事が非常に困難であった。すなわち、本発明は、各成型品に形状を単純にしているから、前記蒸気パイプと前記冷却パイプとの配置が可能になり、heat&cool成型を可能にしている。
なお、heat&cool成型(ヒートアンドクール成型)とは、ウエルドレス成型とも呼ばれ、熱可塑性樹脂を射出成型する際、当該樹脂のガラス転移温度(あるいは、荷重変形温度)より高い温度に金型の表面(以下、「キャビティ面」と称す)を加熱し、射出された樹脂の冷却固化を遅らせる成型方法である。すなわち、金型内で複数の方向から樹脂が合流した際、それぞれの樹脂とキャビティ面との間に略V字状の空間が発生するため、樹脂の固化層が柔らかい内に略V字状の空間を押し潰すことによって、ウエルドラインの発生を抑えるものである。
また、樹脂を高温状態で射出することによりキャビティ面からの転写性が向上するから、ヒケや色むらが無い高光沢の面が得られる。特に、キャビティ面を10000〜15000程に磨き上げておけば、鏡面を有する射出成型品を得ることができる(通常のキャビティ面は2000程度であるから、光沢に欠けていた)。
そして、キャビティ面の温度を均等に制御する為、キャビティ面から均等距離、均等配置で金型加熱用管と金型冷却用管とを配置する必要がある。このため、キャビティ面を複雑な形状にしたり、オーバーハング部を成型するためにスライド構造を採用したりすると、金型加熱用管と金型冷却用管とを均等距離、均等配置することができない。
そこで、本発明は、パネル意匠面14および別ピース意匠パネルを単純形状にしているから、金型加熱用管と金型冷却用管とを均等距離、均等配置することが可能になり、これらをheat&cool成型によって製造している。
なお、左側面パネル16Lおよび右側面パネル16Rは、断面L字状であるものの、単純形状の矩形平面が直交したもので、フックや壁等がないため、金型加熱用管と金型冷却用管とを均等距離、均等配置が可能になっている。
(リモコン受信窓)
断面L字状の右L型パネル17Rの角部に、角切欠部17aが形成され、角切欠部17aに断面L字状のリモコン受信窓18が設置されている。リモコン受信窓18は、右L型パネル17Rの外側から内側に向かって(枠体本体1の内側に向かって)嵌め込み、内側から外側に向かって、角切欠部19aが形成され操作表示光窓部品19によって挟み込む構成にしている。
すなわち、リモコン受信窓18を断面L字状の2面構成にすることによって、室内機100を直方体形状にしたことによって、リモコン受信窓を1面構成にした場合の受信性能の悪化を回避し、直方体形状でない室内機における1面構成のリモコン受信窓と同様の受信性能を確保している。
また、従来リモコン受信窓は製品の内側から嵌め込み、枠体の内側で構成する爪形状にて固定していたが、今回はheat&cool成型によって製造するためには、金型温調用パイプの設置の関係から、単純形状にする必要がある。そこで、爪形状を構成する事が出来ないことから、爪による固定に替えて、外側から嵌め込み内側から操作表示光窓部品19によって挟み込む構成にしている。
1:枠体本体、1A:本体上面、1B:本体下面、1F:本体正面、1L:本体左側面、1R:本体右側面、2:吸込み口、3:吹出し口、4:風路、5:本体正面開口部、6:熱交換器、7:送風機、8:風路正面部材、9:風路背面部材、10:左右風向板、11a:正面上下風向板、11b:下面上下風向板、13:パネル枠体、13C:枠体正面部、13L:枠体左側面部、13R:枠体右側面部、13a:組み合わせ係止部、13b:傾動軸、14:パネル意匠面、14a:組み合わせ被係止部、15:正面開閉パネル、16L:左側面パネル、16R:右側面パネル、17C:中央下面パネル、17L:左L型パネル、17R:右L型パネル、17a:角切欠部、18:リモコン受信窓、19:操作表示光窓部品、19a:角切欠部、100:室内機、g16:段差、g17:段差。

Claims (6)

  1. 骨組みである直方体の枠体本体と、
    該枠体本体の両側面にそれぞれ設置された側面パネルと、
    前記枠体本体の正面に開閉自在に設置された正面開閉パネルと、
    前記枠体本体の正面における前記正面開閉パネルの下方範囲と前記枠体本体の下面における正面寄りの範囲とに跨がって、それぞれ前記側面パネル寄りに設置されたL型パネルと、
    該L型パネルに挟まれて前記枠体本体の下面に設置された下面パネルと、を有し、
    前記正面開閉パネルは、矩形状の略平面であるパネル枠体と該パネル枠体に取り付けられたパネル意匠面とから形成され
    前記L型パネルの少なくとも一方のL型パネルにリモコン受信窓が設けられ、該リモコン受信窓は互いに直交する一対の平面状の受信面を有することを特徴とする空気調和機の室内機。
  2. 前記側面パネルと、前記正面開閉パネルを形成するパネル意匠面と、前記L型パネルと、前記下面パネルと、がheat&cool成型によって成型されることを特徴とする請求項1記載の空気調和機の室内機。
  3. 前記正面開閉パネルの下方で前記L型パネルに挟まれた範囲に傾動自在に設置された正面上下風向板と、前記下面パネルの正面寄りで前記L型パネルに挟まれた範囲に傾動自在に設置された下面上下風向板とを有し、
    前記正面上下風向板と、前記下面上下風向板と、がheat&cool成型によって成型されることを特徴とする請求項1または2記載の空気調和機の室内機。
  4. 前記側面パネルと、前記正面開閉パネルを形成するパネル意匠面と、前記L型パネルと、前記下面パネルと、前記正面上下風向板と、前記下面上下風向板と、同一の熱可塑性樹脂によって成型されることを特徴とする請求項3記載の空気調和機の室内機。
  5. 前記側面パネルと、前記正面開閉パネルを形成するパネル意匠面と、前記下面パネルと、が矩形状の単一平面から形成され、
    前記L型パネルが、互いに直交する一対の矩形状の平面から形成されることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の空気調和機の室内機。
  6. 前記枠体本体の側面に対し前記側面パネルは側方に突出し、
    前記枠体本体の下面に対し前記下面パネルは下方に突出することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の空気調和機の室内機。
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