JP3951651B2 - 自動車用ホース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二酸化炭素(CO2 )冷媒用エアコンホース等の自動車用ホース(以下、適宜「ホース」と略す。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、CO2 冷媒用エアコンホースとしては、超臨界CO2 性の観点から、内層にエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(以下「EPDM」と略す)からなるゴム層を形成し、その外周面にアルミニウム箔を芯材とするラミネート層が形成され、さらにその外周面にEPDMからなるゴム層を形成したホースが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のCO2 冷媒用エアコンホースは、通常、ゴム層とラミネート層とを接着剤を用いて接着しているため、接着剤の塗布むら等により、ゴム層とラミネート層との接着力が不充分で、ラミネート層の耐久性が低下し、ガスバリア性に劣るという問題がある。また、接着剤の塗布工程が必要であるため、製造工程が複雑でコストも高くなるとともに、接着剤のポットライフの心配や濃度管理等が必要になり、安定生産性に劣るという問題もある。さらには、接着剤の希釈溶媒としてトルエン等の有機溶媒を使用するため、環境汚染等の問題もある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、接着剤を使用することなく、ゴム層とラミネート層とを良好に接着することができ、しかもガスバリア性に優れたホースの提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のホースは、下記の(A)〜(D)を必須成分とするゴム組成物からなるゴム層と、アルミニウム箔と樹脂とからなるラミネート層との積層構造を有するという構成をとる。
(A)エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体およびエチレン−プロピレン共重合体の少なくとも一方からなるゴム。
(B)過酸化物加硫剤。
(C)下記の一般式(1),一般式(2)および一般式(3)からなる群から選ばれた少なくとも一つの一般式で表されるレゾルシノール系化合物。
(D)下記の一般式(4)で表されるホルムアルデヒド・メラミン重合物のメチル化物からなるメラミン樹脂。
【化5】
Figure 0003951651
【化6】
Figure 0003951651
【化7】
Figure 0003951651
【化8】
Figure 0003951651
【0006】
すなわち、本発明者らは、接着剤を使用することなく、ゴム層とラミネート層とを良好に接着することができ、しかもガスバリア性に優れたホースを得るべく鋭意研究を重ねた。そして、ゴム層用材料であるゴム組成物中に接着剤成分を練り込むことを想起し、接着性に優れたゴムと接着剤成分との組み合わせについて研究開発を続けた結果、ゴム材料の中でも比較的コストが安く、超臨界CO2 でも発泡することがないEPDMおよびエチレン−プロピレン共重合体(以下「EPM」と略す)に着目し、これに特定の接着剤成分(レゾルシノール系化合物とメラミン樹脂)を練り込み、これを過酸化物加硫剤を用いて加硫すると、ラミネート層との優れた接着力が得られることを見いだし、本発明に到達した。なお、特殊なゴム組成物からなるゴム層が、ラミネート層との優れた接着力を有する理由は、以下のように推測される。上記レゾルシノール系化合物は主に接着剤として作用するとともに、上記メラミン樹脂は主に接着助剤として作用し、上記レゾルシノール系化合物がメラミン樹脂からCH2 Oを供与され、これがラミネート層中のポリアミド樹脂等の樹脂と共有結合することにより、接着力が向上するものと思われる。例えば、下記の一般式(C)で表されるレゾルシノール系化合物が、メラミン樹脂からCH2 Oを供与され、下記の一般式(C′)で表される構造となり、これが下記の反応式に示すように、ラミネート層中のポリアミド樹脂のポリアミド結合(−CONH−)と共有結合して強固に接着するものと思われる。なお、上記レゾルシノール系化合物の水酸基の一部は、ポリアミド樹脂のポリアミド結合と水素結合しており、この水素結合も接着効果の向上に関与しているものと思われる。
【0007】
【化9】
Figure 0003951651
【0008】
【化10】
Figure 0003951651
【0009】
【化11】
Figure 0003951651
【0010】
また、上記レゾルシノール系化合物(C)とメラミン樹脂(D)との配合比を、所定の範囲に設定すると、ゴム層とラミネート層との接着力が向上する。
【0011】
さらに、レゾルシノール系化合物(C)のエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(A)に対する配合割合を所定の範囲に設定すると、ゴム層とラミネート層との接着力が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0013】
本発明のホースは、例えば、図1に示すように、特殊なゴム組成物からなるゴム層1の外周面にラミネート層2が形成され、さらにその外周面に特殊なゴム組成物からなるゴム層1が形成されて構成されている。
【0014】
上記ゴム層1用材料である特殊なゴム組成物は、特定のゴム(A成分)と、過酸化物加硫剤(B成分)と、レゾルシノール系化合物(C成分)と、メラミン樹脂(D成分)とを用いて得ることができる。
【0015】
上記特定のゴム(A成分)としては、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)およびエチレン−プロピレン共重合体(EPM)の少なくとも一方が用いられる。上記EPDMは、ゴム組成物の基材として用いられるものであれば特に限定するものではないが、ヨウ素価が6〜30の範囲、エチレン比率が48〜70重量%の範囲のものが好ましく、特に好ましくはヨウ素価が10〜24の範囲、エチレン比率が50〜60重量%の範囲のものである。
【0016】
上記EPDMに含まれるジエン系モノマー(第3成分)としては、特に限定はないが、炭素数5〜20のジエン系モノマーが好ましく、具体的には、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン等があげられる。これらジエン系モノマー(第3成分)のなかでも、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)が好ましい。
【0017】
上記特定のゴム(A成分)とともに用いられる過酸化物加硫剤(B成分)としては、例えば、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルペルオキシヘキサン、n−ブチル−4,4′−ジ−t−ブチルペルオキシバレレート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキシン−3等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、臭気が問題ない点で、ジ−t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好適に用いられる。
【0018】
上記過酸化物加硫剤(B成分)の配合割合は、上記特定のゴム(A成分)100重量部(以下「部」と略す)に対して、1.5〜20部の範囲が好ましい。すなわち、B成分が1.5部未満であると、架橋が不充分で、ホースの強度に劣り、逆にB成分が20部を超えると、硬くなりすぎ、ホースの柔軟性に劣る傾向がみられるからである。
【0019】
上記A成分およびB成分とともに用いられるレゾルシノール系化合物(C成分)としては、蒸散性、吸湿性、ゴムとの相溶性の点で、下記の一般式(1)〜(3)で表される変性レゾルシン・ホルムアルデヒド(RF)樹脂が用いられる。このなかでも、下記の一般式(1)で表されるものが特に好ましい。
【0020】
【化12】
Figure 0003951651
【0021】
【化13】
Figure 0003951651
【0022】
【化14】
Figure 0003951651
【0023】
上記レゾルシノール系化合物(C成分)の配合割合は、上記特定のゴム(A成分)100部に対して、0.1〜10部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.5〜5部である。すなわち、C成分が0.1部未満であると、ラミネート層との接着性に劣り、逆にC成分が10部を超えると、コストアップにつながるからである。
【0024】
上記A〜C成分とともに用いられるメラミン樹脂(D成分)としては、蒸散性、吸湿性、ゴムとの相溶性の点で、下記の一般式(4)で表されるホルムアルデヒド・メラミン重合物のメチル化物が用いられる。
【0025】
【化15】
Figure 0003951651
【0026】
そして、上記メラミン樹脂(D成分)のなかでも、上記一般式(4)で表される化合物の混合物が好ましく、n=1の化合物が43〜44重量%、n=2の化合物が27〜30重量%、n=3の化合物が26〜30重量%の混合物が特に好ましい。
【0027】
また、上記レゾルシノール系化合物(C成分)と、メラミン樹脂(D成分)との配合比は、重量比で、C成分/D成分=1/0.5〜1/2の範囲が好ましく、特に好ましくはC成分/D成分=1/0.77〜1/1.5である。すなわち、D成分の重量比が0.5未満であると、ゴム層の引張強さ(TB)や伸び(EB)等の常態物性が若干悪くなる傾向がみられ、逆にD成分の重量比が2を超えると、接着性が飽和し接着力が安定するため、それ以上D成分の重量比を高くしても、コストアップにつながるのみで、それ以上の効果は期待できないからである。
【0028】
なお、上記特殊なゴム組成物には、上記A〜D成分に加えて、カーボンブラック、プロセスオイル等を配合することが好ましい。
【0029】
また、上記特殊なゴム組成物には、上記各成分に加えて、老化防止剤、加工助剤、架橋促進剤、白色充填剤、反応性モノマー、発泡剤等を必要に応じて適宜配合しても差し支えない。
【0030】
上記特殊なゴム組成物は、上記A〜D成分および必要に応じてその他の成分を配合し、これをロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練することにより調製することができる。
【0031】
上記ラミネート層2に用いる樹脂としては、特に限定はないが、ポリアミド樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0032】
上記ポリアミド樹脂は、ポリアミド結合(−CONH−)を繰り返し単位にもつ高分子化合物であれば特に限定はなく、例えば、重合形式により、以下のものがあげられる。
【0033】
(1)ジアミンと二塩基酸との重縮合によるもの、例えば、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−または1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタン)、m−またはp−キシリレンジアミンのような脂肪族、脂環族または芳香族のジアミンと、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸のような脂肪族、脂環族または芳香族のジカルボン酸とから製造されるポリアミド樹脂。
【0034】
(2)アミノカルボン酸の重縮合によるもの、例えば、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸のようなアミノカルボン酸から製造される結晶性または非結晶性のポリアミド樹脂。
【0035】
(3)ラクタムの開環重合によるもの、例えば、ε−カプロラクタム、ω−ドデカラクタムのようなラクタムから製造されるポリアミド樹脂。
【0036】
本発明で用いるポリアミド樹脂としては、上記ポリアミド樹脂の他、共重合ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂の混合物等が使用できる。上記ポリアミド樹脂の具体例としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、芳香族ナイロン、非晶質ナイロン等があげられる。これらのなかでも、剛性および耐熱性が特に良好な点で、ナイロン6、ナイロン66が好ましい。
【0037】
上記EVOHとしては、特に限定はないが、通常、ASTM D 1238、190℃、2.16kgにおけるメルトフローレート〔MFR〕(日本名称:メルトインデックス)が1〜10g/10分、好ましくは1〜6g/10分の範囲のものが用いられる。
【0038】
また、上記ラミネート層2に用いるアルミニウム箔は、アルミニウム単体のみならず、アルミニウム合金からなる箔であっても差し支えない。
【0039】
上記ラミネート層2は、アルミニウム箔と樹脂フィルムとを接着剤等を用いて積層したものあれば特に限定はなく、例えば、アルミニウム箔と樹脂フィルムとの2層構造(アルミニウム箔/樹脂フィルム)、アルミニウム箔を芯材としその両面を樹脂フィルムでサンドイッチした3層構造(樹脂フィルム/アルミニウム箔/樹脂フィルム)等があげられる。なお、上記接着剤としては、通常のラミネート工法に用いられるものであれば、特に限定はない。
【0040】
上記ラミネート層2の具体例としては、アルミニウム箔を芯材としその両面をポリアミド(PA)樹脂フィルムでサンドイッチした3層構造(PA樹脂フィルム/アルミニウム箔/PA樹脂フィルム)、アルミニウム箔を芯材としその両面をEVOHフィルムでサンドイッチした3層構造(EVOHフィルム/アルミニウム箔/EVOHフィルム)、アルミニウム箔を芯材としその両面をEVOHフィルムでサンドイッチし、さらにその両面をPA樹脂フィルムでサンドイッチした5層構造(PA樹脂フィルム/EVOHフィルム/アルミニウム箔/EVOHフィルム/PA樹脂フィルム)等があげられる。
【0041】
そして、前記図1に示したホースは、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、マンドレル上に上記特殊なゴム組成物を押し出し成形した後、その表面に上記金属箔等を巻き付けてラミネート層2を形成した。ついで、上記ラミネート層2の表面に上記特殊なゴム組成物を押し出し成形し、これら全体を加硫した後、マンドレルを抜き取った。このようにして、ゴム層1の外周面にラミネート層2が形成され、さらにその外周面にゴム層1が形成されてなるホース(図1参照)を作製することができる。
【0042】
このようにして得られるホース各層の厚みは、ホースの用途にもより異なるが、ゴム層1の厚みは、通常、0.5〜4mmであり、好ましくは1〜3mmである。また、ラミネート層2の総厚みは、通常、8μm〜0.4mmであり、柔軟性とガスバリア性のバランスを考慮すると、15μm〜0.3mmの範囲が好ましい。さらに、ホースの内径は、用途によって異なるが、通常、2〜40mmであり、好ましくは4〜35mmである。
【0043】
本発明のホースは、前記図1に示した構造に限定されるものではなく、ゴム層とラミネート層との積層構造を有するものであれば、ゴム層とラミネート層との2層構造であってもよく、またゴム層とラミネート層のいずれが内層であってもよい。
【0044】
また、本発明においては、ゴム層1(外層)の外周面に補強層を形成し、さらにその外周面に汎用ゴム層を形成しても差し支えない。
【0045】
上記補強層用材料としては、例えば、ビニロン糸、ポリアミド糸(ナイロン)糸、アラミド糸、ポリエチレンテレフタレート(PET)糸、ワイヤー等があげられる。
【0046】
上記汎用ゴム層用材料としては、例えば、EPDM、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Cl−IIR,Br−IIR)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム、クロロプレンゴム(CR)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、フッ素ゴム等の汎用ゴムがあげられる。これらのなかでも、比較的安価である点で、EPDMが好適に用いられる。
【0047】
本発明のホースは、各層の構成を適宜選択することにより、CO2 冷媒用エアコンホース、燃料電池車用ホース(メタノール燃料ホース、水素燃料ホース)、自動車等の車両におけるエンジンとラジエーターとの接続に用いられるラジエーターホースやエンジンとヒーターコアとの接続に用いられるヒーターホース等のエンジン冷却系ホース、ガソリン燃料ホース等の自動車用ホースとして好適に用いることできる。なお、EPDMは耐ガソリン性に劣るため、ガソリン燃料ホースとして使用する場合は、特殊なゴム組成物からなるゴム層は内層以外の層(例えば、外層)として用いることが望ましい。
【0048】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0049】
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を調製した。
【0050】
〔ゴム(A成分)1〕
EPDM(住友化学工業社製、エスプレン501A)〔ヨウ素価:12、エチレン比率:50重量%、ムーニー粘度(ML1+4 100℃):43〕
【0051】
〔ゴム(A成分)2〕
EPM(住友化学工業社製、エスプレン201)
【0052】
〔過酸化物加硫剤(B成分)〕
ジ−t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン(日本油脂社製、ペロキシモンF−40)
【0053】
〔レゾルシノール系化合物(C成分)〕
前記一般式(1)で表される変性レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂(住友化学工業社製、スミカノール620)
【0054】
〔メラミン樹脂(D成分)〕
前記一般式(4)で表されるホルムアルデヒド・メラミン重合物のメチル化物(住友化学工業社製、スミカノール507A)
【0055】
〔カーボンブラック〕
東海カーボン社製、シーストSO
【0056】
〔プロセスオイル〕
出光興産社製、ダイアナプロセスPW−380
【0057】
〔加硫促進剤1〕
テトラメチルチウラムジスルフィド(三新化学社製、サンセラーTT)
【0058】
〔加硫促進剤2〕
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(三新化学社製、サンセラーPZ)
【0059】
〔加硫促進剤3〕
メルカプトベンゾチアゾール(三新化学社製、サンセラーM)
【0060】
〔加硫剤〕
硫黄
【0061】
【実施例1】
〔ゴム組成物の調製〕
EPDM100部と、過酸化物加硫剤4.2部と、レゾルシノール系化合物1部と、メラミン樹脂0.77部と、カーボンブラック100部と、プロセスオイル60部とを配合し、これらをロールを用いて混練してゴム組成物を調製した。
【0062】
〔ホースの作製〕
まず、マンドレル上に上記ゴム組成物を押し出し成形した後、その表面に総厚み70μmのラミネート箔(PA6フィルム/アルミニウム箔/PA6フィルム)を巻き付けラミネート層を形成した。ついで、上記ラミネート層の表面に上記ゴム組成物を押し出し成形し、これら全体を160℃で45分間加硫した後、マンドレルを抜き取った。このようにして、ゴム層(厚み2mm)の外周面にラミネート層(厚み70μm)が形成され、さらにその外周面にゴム層(厚み2mm)が形成されてなるホース(図1参照)を作製した。
【0063】
【実施例2〜9、比較例1〜4】
ゴム層用材料あるいはラミネート層用材料を後記の表1〜表3に示す材料に変更する以外は、実施例1と同様にしてホースを製造した。
【0064】
このようにして得られた実施例品および比較例品のホースを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1〜表3に併せて示した。
【0065】
〔引張強さ(TB)、伸び(EB)〕
上記ゴム組成物を160℃で45分間プレス加硫して、厚み2mmの加硫ゴムシートを作製した。ついで、JIS 5号ダンベルを打ち抜き、JIS K 6251に準じて、引張強さ(TB)および伸び(EB)を評価した。
【0066】
〔接着性〕
上記ホースから接着評価用試料(幅20mm、長さ100mm)を切り出し、これを引張試験機(JIS B 7721)に取り付けて、ゴム層側を固定してラミネート層側を毎分50mmの速度で引張り、接着力(kg/25mm)を評価した。また、その際にゴム層とラミネート層の剥離状態も目視により観察し、ゴム層が破壊したものを○、界面が剥離したものを×として評価した。
【0067】
〔ガスバリア性〕
上記ホースを用いてホイップ試験を行った。すなわち、図2に示すように、試験長(ホース長)300mmのホース11の一端12を固定し、振り幅±5mm、圧力3.5MPa、試験温度130℃の条件で、100時間ホイップ試験を行った。そして、ホイップ試験後のホースに二酸化炭素を封入し、これを120℃雰囲気で72時間放置した後のホース重量を測定し、これをホイップ試験前のホースに二酸化炭素を封入した時の初期状態の重量と比較した。評価は、重量が変わらないものを○、ホイップ試験後の重量が軽くなったもの(二酸化炭素の透過の多いもの)を×とした。
【0068】
【表1】
Figure 0003951651
【0069】
【表2】
Figure 0003951651
【0070】
【表3】
Figure 0003951651
【0071】
上記結果から、全実施例品のホースは、レゾルシノール系化合物とメラミン樹脂とを併用してなる特殊なゴム組成物を用いてゴム層を形成しているため、ゴム層とラミネート層との接着力が極めて高いことがわかる。また、ガスバリア性に優れていることもわかる。
【0072】
これに対して、比較例1品のホースは、レゾルシノール系化合物およびメラミン樹脂のいずれも配合していないゴム組成物を用いてゴム層を形成しているため、ゴム層とラミネート層の接着力が極めて小さく、界面剥離が生じ、ガスバリア性に劣ることがわかる。比較例2品のホースは、レゾルシノール系化合物のみを配合し、メラミン樹脂を配合していないゴム組成物を用いてゴム層を形成しているため、ゴム層とラミネート層の接着力が極めて小さく、界面剥離が生じ、ガスバリア性に劣ることがわかる。比較例3品のホースは、メラミン樹脂のみを配合し、レゾルシノール系化合物を配合していないゴム組成物を用いてゴム層を形成しているため、ゴム層とラミネート層の接着力が極めて小さく、界面剥離が生じ、ガスバリア性に劣ることがわかる。比較例4品のホースは、接着剤成分を含有しているが、過酸化物加硫剤ではなく硫黄系加硫剤を含有するゴム組成物を用いてゴム層を形成しているため、ゴム層とラミネート層の接着力が極めて小さく、界面剥離が生じ、ガスバリア性に劣ることがわかる。この理由は、硫黄系加硫剤は過酸化物加硫剤に比べて加硫速度が速く、ラミネート層と接着する前にゴム層自身が加硫するため、接着力に劣るものと推測される。
【0073】
【発明の効果】
以上のように、本発明のホースは、特殊なゴム組成物からなるゴム層と、アルミニウム箔と樹脂とからなるラミネート層との積層構造を有し、ゴム層自身が接着性を備えるため、接着剤を使用することなく、ゴム層とラミネート層とを良好に接着することができ、しかもガスバリア性に優れている。また、接着剤の塗布工程が不要(いわゆる接着剤レス)であるため、接着剤のポットライフの心配や濃度管理等も不要で、安定生産性に優れるとともに、接着剤の希釈溶媒である有機溶媒を使用することもないため、環境汚染等の問題もない。
【0074】
また、上記レゾルシノール系化合物(C)とメラミン樹脂(D)との配合比を、所定の範囲に設定すると、ゴム層とラミネート層との接着力が向上する。
【0075】
さらに、レゾルシノール系化合物(C)のエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(A)に対する配合割合を所定の範囲に設定すると、ゴム層とラミネート層との接着力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のホースの一例を示す断面斜視図である。
【図2】 ガスバリア性の評価に用いるホイップ試験の説明図である。
【符号の説明】
1 ゴム層
2 ラミネート層

Claims (5)

  1. 下記の(A)〜(D)を必須成分とするゴム組成物からなるゴム層と、アルミニウム箔と樹脂とからなるラミネート層との積層構造を有することを特徴とする自動車用ホース。
    (A)エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体およびエチレン−プロピレン共重合体の少なくとも一方からなるゴム。
    (B)過酸化物加硫剤。
    (C)下記の一般式(1),一般式(2)および一般式(3)からなる群から選ばれた少なくとも一つの一般式で表されるレゾルシノール系化合物。
    (D)下記の一般式(4)で表されるホルムアルデヒド・メラミン重合物のメチル化物からなるメラミン樹脂。
    Figure 0003951651
    Figure 0003951651
    Figure 0003951651
    Figure 0003951651
  2. 上記ラミネート層が、ポリアミド樹脂およびエチレン−ビニルアルコール共重合体の少なくとも一方と、アルミニウム箔とからなるものである請求項1記載の自動車用ホース。
  3. 上記(C)と(D)との重量混合比が、(C)/(D)=1/0.5〜1/2の範囲に設定されている請求項1または2記載の自動車用ホース。
  4. 上記(C)の配合割合が、上記(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲に設定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車用ホース。
  5. 内側ゴム層の外周面にアルミニウム箔と樹脂とからなるラミネート層が形成され、その外周面に外側ゴム層が形成されてなり、上記内側ゴム層および外側ゴム層が、上記(A)〜(D)を必須成分とするゴム組成物を用いて形成されてなる請求項1〜のいずれか一項に記載の自動車用ホース。
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