JP2005273776A - 流体輸送用ホース - Google Patents
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Abstract
【課題】アルミ箔ラミネート層を輸送流体の透過バリア層として有する流体輸送用ホースにおいて、使用中にホースに加わる振動や繰返し変形に対して優れた耐久性を付与する。
【解決手段】アルミニウム若しくはその合金から成るアルミ箔22の両面を有機フィルム24で被覆したアルミ箔ラミネート層14を輸送流体の透過バリア層として有する流体輸送用ホース10において、アルミニウム若しくはその合金における平均結晶粒径を25μm以下とする。
【選択図】 図1
【解決手段】アルミニウム若しくはその合金から成るアルミ箔22の両面を有機フィルム24で被覆したアルミ箔ラミネート層14を輸送流体の透過バリア層として有する流体輸送用ホース10において、アルミニウム若しくはその合金における平均結晶粒径を25μm以下とする。
【選択図】 図1
Description
この発明は自動車の燃料輸送用,冷媒輸送用,燃料電池で使用される水素ガス等の電池燃料の輸送用その他に好適に使用可能な流体輸送用ホースに関し、詳しくはアルミニウム若しくはその合金から成るアルミ箔の両面を有機フィルムで被覆したアルミ箔ラミネート層を輸送流体の透過バリア層として有する流体輸送用ホースに関する。
自動車の燃料(ガソリン等エンジン用の燃料)輸送用ホース等として、従来、振動吸収性,組付性等の良好な一般的なゴムホース、例えば耐ガソリン透過性の優れるNBR・PVC(アクリロニトリルブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンド)等が用いられて来たが、近年自動車用燃料等の透過規制は地球環境保全の観点から厳しく、今後もその規制の一層の強化が予想される。
従ってかかる燃料輸送用ホースにおいては、より一層の耐燃料透過性が求められる。
従ってかかる燃料輸送用ホースにおいては、より一層の耐燃料透過性が求められる。
また燃料電池で使用される水素ガス等の輸送用ホースや炭酸ガス冷媒の輸送用ホースにあっては、それら水素ガスや炭酸ガス等の輸送流体に対して極めて高い耐透過性が要求される。
こうした要求に対し、ゴムや樹脂等の有機材料のみで構成されたホースでは求められる要求性能を満足することは困難である。
こうした要求に対し、ゴムや樹脂等の有機材料のみで構成されたホースでは求められる要求性能を満足することは困難である。
そこで従来、アルミニウム若しくはその合金から成るアルミ箔の両面を有機フィルムで被覆したアルミ箔ラミネート層を輸送流体の透過バリア層として有する流体輸送用ホースが検討されている。
例えば下記特許文献1,特許文献2,特許文献3,特許文献4にこの種の流体輸送用ホースが開示されている。
このアルミ箔ラミネート層を輸送流体の透過バリア層として有する流体輸送用ホースにあっては、流体の耐透過層が金属層であることから極めて高い耐透過性能、実質的にはゼロ透過性能を有することが可能であり、しかもその金属層は極めて薄い膜であることから、これを流体に対する耐透過層としてホースに備えても実質的にホースの柔軟性,可撓性が損われず、従来のゴム等のホースと同等の優れた振動吸収性,組付性を維持できる利点がある。
例えば下記特許文献1,特許文献2,特許文献3,特許文献4にこの種の流体輸送用ホースが開示されている。
このアルミ箔ラミネート層を輸送流体の透過バリア層として有する流体輸送用ホースにあっては、流体の耐透過層が金属層であることから極めて高い耐透過性能、実質的にはゼロ透過性能を有することが可能であり、しかもその金属層は極めて薄い膜であることから、これを流体に対する耐透過層としてホースに備えても実質的にホースの柔軟性,可撓性が損われず、従来のゴム等のホースと同等の優れた振動吸収性,組付性を維持できる利点がある。
しかしながら一方でこのアルミ箔は裂け易い性質があり、これを有機フィルムで被覆してラミネートとしてホースにおける透過バリア層として用いた場合においても、ホースが使用中に振動したり繰返し変形したときにアルミ箔が疲労により亀裂発生し、耐久性或いは耐流体透過の信頼性の点で尚改善の余地のあるものであった。
本発明は以上のような事情を背景とし、アルミ箔ラミネート層を輸送流体の透過バリア層として有する流体輸送用ホースにおいて、使用中にホースに加わる振動や繰返し変形に対して優れた耐久性を付与することを目的としてなされたものである。
而して請求項1の流体輸送用ホースは、アルミニウム若しくはその合金から成るアルミ箔の両面を有機フィルムで被覆したアルミ箔ラミネート層を輸送流体の透過バリア層として有する流体輸送用ホースにおいて、前記アルミニウム若しくはその合金における平均結晶粒径を25μm以下としたことを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記アルミ箔ラミネート層が蛇腹形状の成形形状を有していることを特徴とする。
以上のように本発明は、アルミ箔ラミネート層を輸送流体の透過バリア層として有する流体輸送用ホースにおいて、そのアルミ箔即ちアルミニウム若しくはその合金における平均結晶粒径を25μm以下となしたものである。
本発明者等は、アルミ箔自体の耐久性を高めるべく当初アルミニウム若しくはその合金の引張強度,破断伸びに着目し、これらを高めることでアルミ箔の耐久性を向上させ得るのではないかと考えた。
そこで引張強度,破断伸びとアルミ箔の耐久性との関係を調べたところ、引張強度や破断伸びが小さいものでも耐久性の良好なものがあり、必ずしも引張強度や破断伸びがアルミ箔の耐久性を決定しているわけではないことが判明した。
そこで引張強度,破断伸びとアルミ箔の耐久性との関係を調べたところ、引張強度や破断伸びが小さいものでも耐久性の良好なものがあり、必ずしも引張強度や破断伸びがアルミ箔の耐久性を決定しているわけではないことが判明した。
そのような中で、ある特定種のアルミ箔が良好な耐久性を示す事実を得、そこでその原因を追求する過程で結晶粒径を調べたところ、このものは結晶粒径の小さいものであった。
そこでアルミ箔、具体的にはアルミニウム若しくはその合金の平均結晶粒径と耐久性との関係を改めて調べたところ、これらの間に良好な相関のあること、詳しくは平均結晶粒径の小さいものが良好な耐久性を有することが判明した。
即ち同種の材質のアルミ箔であっても、熱処理の条件等によって耐久性が良かったり悪かったりして様々であるが、何れの場合にも耐久性の良いものは平均結晶粒径が小さく、また耐久性の悪いものは平均結晶粒径の大きいものであった。
そして本発明者等の研究によれば、材質が異なっていてもまた熱処理の条件が異なっていても、平均結晶粒径を小さくすれば耐久性がこれに応じて向上することが判明した。
そこでアルミ箔、具体的にはアルミニウム若しくはその合金の平均結晶粒径と耐久性との関係を改めて調べたところ、これらの間に良好な相関のあること、詳しくは平均結晶粒径の小さいものが良好な耐久性を有することが判明した。
即ち同種の材質のアルミ箔であっても、熱処理の条件等によって耐久性が良かったり悪かったりして様々であるが、何れの場合にも耐久性の良いものは平均結晶粒径が小さく、また耐久性の悪いものは平均結晶粒径の大きいものであった。
そして本発明者等の研究によれば、材質が異なっていてもまた熱処理の条件が異なっていても、平均結晶粒径を小さくすれば耐久性がこれに応じて向上することが判明した。
このように平均結晶粒径がアルミ箔の耐久性に大きく影響するのは次のような理由によるものと考えられる。
アルミニウム若しくはその合金における結晶粒の粒界は、ミクロ的に見て強度的な弱点部位であり、破断(粒界破断)を生ずる原因となる部位である。
而して結晶粒の粒径が大きいということは単位面積当りの粒界の数が少ないことであり、従って力が入力したときにその粒界に応力が集中的に作用することとなる。
これに対して結晶粒の粒径が小さければ、これに応じて単位面積当りの粒界の数は多くなり、この場合入力が多くの粒界に分散されることとなって、1つ1つの粒界に作用する応力は小さくなる。
そしてこのことが、平均結晶粒径を小さくしたときに耐久性が高まることの理由であると考えられる。
アルミニウム若しくはその合金における結晶粒の粒界は、ミクロ的に見て強度的な弱点部位であり、破断(粒界破断)を生ずる原因となる部位である。
而して結晶粒の粒径が大きいということは単位面積当りの粒界の数が少ないことであり、従って力が入力したときにその粒界に応力が集中的に作用することとなる。
これに対して結晶粒の粒径が小さければ、これに応じて単位面積当りの粒界の数は多くなり、この場合入力が多くの粒界に分散されることとなって、1つ1つの粒界に作用する応力は小さくなる。
そしてこのことが、平均結晶粒径を小さくしたときに耐久性が高まることの理由であると考えられる。
以上のようにアルミニウム若しくはその合金における平均結晶粒径を小さくすればアルミ箔の耐久性は向上するが、実際にアルミ箔をアルミ箔ラミネートとしてホースに積層し、ホースにおける輸送流体の透過バリア層として用いたときに、どの程度の平均結晶粒径であればホースとして求められる耐久性能を満たすのかが問題となる。
そこで次にこの点について研究したところ、平均結晶粒径が25μm以下であればホースとして必要な、即ちホースに積層した状態で使用されたときの必要なアルミ箔の耐久性を満たすことが判明した。
本発明はこのような知見の下になされたものである。
本発明はこのような知見の下になされたものである。
かかる本発明によれば、アルミ箔ラミネート層を輸送流体の透過バリア層として有する流体輸送用ホースにおいて、ホースに加わる振動や繰返し変形によってアルミ箔が疲労により早期に亀裂発生し、そのことがホース自体の寿命を短くしてしまうといった問題を解決し、流体輸送用ホースに対し優れた耐久性と品質信頼性を付与することができる。
本発明においてはアルミニウム若しくはその合金における平均結晶粒径を25μm以下とすることが必要であるが、流体に対する耐透過性がより厳しく求められる場合においては、平均結晶粒径を15μm以下とすることが望ましい。
またアルミ箔の厚みとしては6μm以上、好ましくは15μm以上で150μm以下とすることが望ましい。
6μm未満の薄さであるとピンホールが発生し易く、そのピンホールを通じて流体が透過してしまう問題を生ずる。
一方150μmを超える厚さになるとホースの製造が難しくなってしまう。
通常、流体輸送用ホースにおけるアルミ箔ラミネート層の透過バリア層は、マンドレルの外周面上に成形した内面ゴム層等の外周面にアルミ箔ラミネートを巻き付けて形成するが、その際、アルミ箔の厚みが150μmを超える厚みになると、その巻付作業を良好に行うことが難しくなる。
従ってその厚みとしては150μm以下が望ましい。
6μm未満の薄さであるとピンホールが発生し易く、そのピンホールを通じて流体が透過してしまう問題を生ずる。
一方150μmを超える厚さになるとホースの製造が難しくなってしまう。
通常、流体輸送用ホースにおけるアルミ箔ラミネート層の透過バリア層は、マンドレルの外周面上に成形した内面ゴム層等の外周面にアルミ箔ラミネートを巻き付けて形成するが、その際、アルミ箔の厚みが150μmを超える厚みになると、その巻付作業を良好に行うことが難しくなる。
従ってその厚みとしては150μm以下が望ましい。
本発明において、上記透過バリア層としてのアルミ箔ラミネート層は、これを蛇腹形状に成形しておくことが望ましい(請求項2)。
このようにしておけば、流体輸送用ホースの断面に積層したアルミ箔ラミネート層に良好な可撓性を持たせることができる。
このようにしておけば、流体輸送用ホースの断面に積層したアルミ箔ラミネート層に良好な可撓性を持たせることができる。
尚本発明の流体輸送用ホースは、気体に対しても優れた耐透過性を有することから水素,空気,天然ガス,プロパン,クーラー用冷媒等の輸送用ホースとして好適に使用可能であり、或いはまたガソリン等の液体燃料の輸送用ホースとして、また燃料電池車の燃料である水素ガス,メタノール,メタン等の輸送用ホースとして適したものである。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、10は本実施形態の流体輸送用ホースで、内面ゴム層12と、アルミ箔ラミネート層(透過バリア層)14と、中間ゴム層16と、補強層18と、外面ゴム層20との積層構造を成している。
ここで補強層18は、ここでは有機繊維から成る補強糸をブレード編組又はスパイラル編組して構成してある。
但しかかる補強層18は、他の材質から成る補強線材を用いて構成することもできる。
またこの補強層18は1層だけでなく2層設けるといったこともできる。
図1において、10は本実施形態の流体輸送用ホースで、内面ゴム層12と、アルミ箔ラミネート層(透過バリア層)14と、中間ゴム層16と、補強層18と、外面ゴム層20との積層構造を成している。
ここで補強層18は、ここでは有機繊維から成る補強糸をブレード編組又はスパイラル編組して構成してある。
但しかかる補強層18は、他の材質から成る補強線材を用いて構成することもできる。
またこの補強層18は1層だけでなく2層設けるといったこともできる。
本実施形態において、アルミ箔ラミネート層14は図1(A)及び図1(B)に示しているように全体として管状且つ長手方向に蛇腹形状をなしている。
ここでアルミ箔ラミネート層14は、図1(C)に示しているようにアルミ箔22を一対の有機フィルム24でサンドイッチ状に挟み込み、アルミ箔22の両面を一対の有機フィルム24で被覆し保護したものである。有機フィルム24は、それぞれアルミ箔22の各面に対して接着剤26にて接着してある。
ここでアルミ箔ラミネート層14は、図1(C)に示しているようにアルミ箔22を一対の有機フィルム24でサンドイッチ状に挟み込み、アルミ箔22の両面を一対の有機フィルム24で被覆し保護したものである。有機フィルム24は、それぞれアルミ箔22の各面に対して接着剤26にて接着してある。
このアルミ箔としてはアルミニウム単独から成るものを用い得るほか、これにFe,Mn等の各種の元素を添加して合金化したものを用いることができる。
また有機フィルム24としては各種の樹脂やゴム或いは熱可塑性エラストマー等を用いることが可能であり、適宜選択して用いることができるが、燃料ホース,エアホース,クーラーホース等自動車のエンジンルーム内その他の高温雰囲気下で使用される流体輸送用ホースにあっては、かかる有機フィルム24として高融点樹脂を用いることが好ましい。
また高温の水蒸気を輸送する流体輸送用ホースにあっては、有機フィルム24として変性ポリエチレン,低吸水ポリアミド、例えばPA11,PA12,芳香族ポリアミド等を好適に用いることができる。
また高温の水蒸気を輸送する流体輸送用ホースにあっては、有機フィルム24として変性ポリエチレン,低吸水ポリアミド、例えばPA11,PA12,芳香族ポリアミド等を好適に用いることができる。
上記内面ゴム層12は、例えば天然ゴム(NR),イソプレンゴム(IR),ブタジエンゴム(BR),スチレン・ブタジエンゴム(SBR),ブチルゴム(IIR),エチレン・プロピレンゴム(EPM),エチレン・プロピレンジエンゴム(EPDM),クロロプレンゴム(CR),シリコーンゴム(Q),クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM),塩素化ポリエチレンゴム(CPE),エピクロルヒドリンゴム(CHR/CHC),NBR・PVC,アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR),アクリルゴム(ACM),ウレタンゴム(U),多硫化ゴム(T),水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム(H−NBR),フッ素ゴム(FKM)等の各種のものを用い得るが、輸送流体の種類に応じてそれらの中から適宜のものを選択して用いることができる。
尚外面ゴム層20については、例えば天然ゴム(NR),イソプレンゴム(IR),ブタジエンゴム(BR),スチレン・ブタジエンゴム(SBR),ブチルゴム(IIR),エチレン・プロピレンゴム(EPM),エチレン・プロピレンジエンゴム(EPDM),クロロプレンゴム(CR),シリコーンゴム(Q),クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM),塩素化ポリエチレンゴム(CPE),エピクロルヒドリンゴム(CHR/CHC),NBR・PVC,アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR),アクリルゴム(ACM),ウレタンゴム(U),多硫化ゴム(T),水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム(H−NBR),フッ素ゴム(FKM)等の各種ゴムから適宜のものを選択して用いることができる。
同様に中間ゴム層16についても、例えば天然ゴム(NR),イソプレンゴム(IR),ブタジエンゴム(BR),スチレン・ブタジエンゴム(SBR),ブチルゴム(IIR),エチレン・プロピレンゴム(EPM),エチレン・プロピレンジエンゴム(EPDM),クロロプレンゴム(CR),シリコーンゴム(Q),クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM),塩素化ポリエチレンゴム(CPE),エピクロルヒドリンゴム(CHR/CHC),NBR・PVC,アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR),アクリルゴム(ACM),ウレタンゴム(U),多硫化ゴム(T),水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム(H−NBR),フッ素ゴム(FKM)等の中から適宜選択して用いることができる。
上記の積層構造はあくまで一例であって、本発明の流体輸送用ホース10はこれ以外に他の様々な積層構造で構成することが可能である。
また場合によって内面ゴム層12の内表面に樹脂その他の別種材質から成る層を形成することもできるし、また内面ゴム層12,外面ゴム層20等を熱可塑性エラストマーや樹脂その他の材料で構成するといったことも可能である。
また場合によって内面ゴム層12の内表面に樹脂その他の別種材質から成る層を形成することもできるし、また内面ゴム層12,外面ゴム層20等を熱可塑性エラストマーや樹脂その他の材料で構成するといったことも可能である。
[実施例]
次に本発明の実施例を以下に説明する。
<供試アルミ箔>
結晶粒径の異なる厚み:20μmのアルミ箔を5種類準備した。
尚何れのアルミ箔も焼鈍したものを用いた。ここで焼鈍工程はバッチ処理,連続焼鈍処理の2種類を行った。
アルミ箔の詳細は表1に示した通りである。
次に本発明の実施例を以下に説明する。
<供試アルミ箔>
結晶粒径の異なる厚み:20μmのアルミ箔を5種類準備した。
尚何れのアルミ箔も焼鈍したものを用いた。ここで焼鈍工程はバッチ処理,連続焼鈍処理の2種類を行った。
アルミ箔の詳細は表1に示した通りである。
表1中引張強度,破断伸びは次のようにして求めた。
即ちJIS Z 2201「金属材料引張試験片」のうちJIS13号試験片を用い、JIS Z 2241「金属材料引張試験方法」に準じて引張試験を行い引張強度,破断伸びを求めた。
即ちJIS Z 2201「金属材料引張試験片」のうちJIS13号試験片を用い、JIS Z 2241「金属材料引張試験方法」に準じて引張試験を行い引張強度,破断伸びを求めた。
また表1中の平均結晶粒径はJIS G 0552「鋼のフェライト結晶粒度試験方法」をアルミニウム合金に適用して求めた。
即ちエッチングにより結晶粒を可視化できるようにしたアルミ箔を顕微鏡100倍で観察し、写真撮影した。
そして図2に示しているように25×25mm2中の結晶粒の平均数nを求め、以下の手順で平均結晶粒径dを求めた。
即ちエッチングにより結晶粒を可視化できるようにしたアルミ箔を顕微鏡100倍で観察し、写真撮影した。
そして図2に示しているように25×25mm2中の結晶粒の平均数nを求め、以下の手順で平均結晶粒径dを求めた。
25×25mm2中の結晶粒の平均数:n
結晶粒1個当りの面積:S=25×25/n/1002(mm2)
平均結晶粒径d:S=π×(d/2)2
d=2×(S/π)1/2(mm)
尚平均結晶粒径の算出は任意の3視野についての平均値とした。
結晶粒1個当りの面積:S=25×25/n/1002(mm2)
平均結晶粒径d:S=π×(d/2)2
d=2×(S/π)1/2(mm)
尚平均結晶粒径の算出は任意の3視野についての平均値とした。
<アルミ箔単体の耐久性評価>
上記アルミ箔をそれぞれ幅:10mmの短冊状に切断し、東洋精機製MIT屈曲試験機を用いて屈曲試験を行い、耐久性評価を行った。
図3にその試験機と試験方法が示してある。
同図において28はアルミ箔の短冊Tの挟持治具で、一対の略扇形状をなす挟持片32を有している。
これら挟持片32の頂部には半径2mmのR部(円弧形状部)30が設けてある。
ここではアルミ箔の短冊Tの下端部を一対の挟持片32で挟持し、そして上端部に線材34の一端部を接続して、その線材34の他端部にスプリング36を介して錘38が取り付けてある。
この屈曲試験では錘38として重さ250gのものを用い、挟持治具28を振り角135°で左右に両振りして(速度:175cpm)、アルミ箔の短冊Tが破断するまでの回数を求めた。
その結果が平均結晶粒径との関係で表2及び図4に示してある。
上記アルミ箔をそれぞれ幅:10mmの短冊状に切断し、東洋精機製MIT屈曲試験機を用いて屈曲試験を行い、耐久性評価を行った。
図3にその試験機と試験方法が示してある。
同図において28はアルミ箔の短冊Tの挟持治具で、一対の略扇形状をなす挟持片32を有している。
これら挟持片32の頂部には半径2mmのR部(円弧形状部)30が設けてある。
ここではアルミ箔の短冊Tの下端部を一対の挟持片32で挟持し、そして上端部に線材34の一端部を接続して、その線材34の他端部にスプリング36を介して錘38が取り付けてある。
この屈曲試験では錘38として重さ250gのものを用い、挟持治具28を振り角135°で左右に両振りして(速度:175cpm)、アルミ箔の短冊Tが破断するまでの回数を求めた。
その結果が平均結晶粒径との関係で表2及び図4に示してある。
尚表2に示しているように、ここでは表1の各アルミ箔それぞれについて3回屈曲試験を行って耐久性評価を行っている。
これらの結果から、アルミ箔の平均結晶粒径と耐久性との間には相関があり、平均結晶粒径が小さくなるほど耐久性が向上することが分かる。
また例えば表1中のNo.1とNo.2のアルミ箔は材質が異なっているにもかかわらず、平均結晶粒径が同等であり、その結果として耐久性も同等の結果が得られている。
即ちアルミ箔の耐久回数(耐久性)は、材質よりは平均結晶粒径によって定まることが分かる。
これらの結果から、アルミ箔の平均結晶粒径と耐久性との間には相関があり、平均結晶粒径が小さくなるほど耐久性が向上することが分かる。
また例えば表1中のNo.1とNo.2のアルミ箔は材質が異なっているにもかかわらず、平均結晶粒径が同等であり、その結果として耐久性も同等の結果が得られている。
即ちアルミ箔の耐久回数(耐久性)は、材質よりは平均結晶粒径によって定まることが分かる。
<アルミ箔ラミネートの耐久性評価>
表1に示すアルミ箔の両面に東洋紡績製造の、厚みが25μmのPA6フィルム(2軸延伸フィルム)を貼り合わせてアルミ箔ラミネートの耐久性評価用の評価サンプルとした。
ここで接着剤にはポリエステル−イソシアネート架橋タイプのものを用い、厚み約3μmとなるように塗布量を調整した。
表1に示すアルミ箔の両面に東洋紡績製造の、厚みが25μmのPA6フィルム(2軸延伸フィルム)を貼り合わせてアルミ箔ラミネートの耐久性評価用の評価サンプルとした。
ここで接着剤にはポリエステル−イソシアネート架橋タイプのものを用い、厚み約3μmとなるように塗布量を調整した。
このようにして得たアルミ箔ラミネートの評価サンプルを、図3のMIT屈曲試験機を用いて同一条件で屈曲試験を行い、耐久性評価を行った。
その結果が表4及び図5に示してある。
尚評価に用いたアルミ箔ラミネートの詳細が表3に示してある。
その結果が表4及び図5に示してある。
尚評価に用いたアルミ箔ラミネートの詳細が表3に示してある。
これらの結果に示しているように、アルミ箔ラミネートについてもアルミ箔単体の場合と同様、その耐久性はアルミ箔の平均結晶粒径が小さくなるほど向上している。
<アルミ箔ラミネートを用いたホースの耐久性評価>
(1)アルミ箔ラミネートを用いたホースの製造
外径5.0mmの樹脂マンドレルに未加硫ゴム(EPDM)を押し出して内面ゴム層12を成形し、その上にテープ状にスリットした表3のNo.1´〜No.7´のアルミ箔ラミネートをそれぞれ縦添えで2重巻きして、ラップ部を接着剤により接着し、その後絞り加工によりアルミ箔ラミネート層14を蛇腹加工して図1に示す蛇腹形状に成形した。
ここで蛇腹形状は螺旋形状とし、山−山間のピッチ:3.0mm、山高さ:1.0mmとした。
更にその上に中間ゴム層16(Br−IIR)を押出成形し、更にその上に補強糸としてアラミド糸を編組して補強層18を形成した。
その後未加硫ゴム(EPDM)を補強層18の外側に成形して外面ゴム層20を成形し、続いて加硫を行って内径5.0mm,外径15.0mmのサイズの流体輸送用ホース10を製造した。
(1)アルミ箔ラミネートを用いたホースの製造
外径5.0mmの樹脂マンドレルに未加硫ゴム(EPDM)を押し出して内面ゴム層12を成形し、その上にテープ状にスリットした表3のNo.1´〜No.7´のアルミ箔ラミネートをそれぞれ縦添えで2重巻きして、ラップ部を接着剤により接着し、その後絞り加工によりアルミ箔ラミネート層14を蛇腹加工して図1に示す蛇腹形状に成形した。
ここで蛇腹形状は螺旋形状とし、山−山間のピッチ:3.0mm、山高さ:1.0mmとした。
更にその上に中間ゴム層16(Br−IIR)を押出成形し、更にその上に補強糸としてアラミド糸を編組して補強層18を形成した。
その後未加硫ゴム(EPDM)を補強層18の外側に成形して外面ゴム層20を成形し、続いて加硫を行って内径5.0mm,外径15.0mmのサイズの流体輸送用ホース10を製造した。
尚アルミ箔ラミネート層14と内面ゴム層12及び中間ゴム層16とは接着しており、この接着は接着剤を塗布して行っても良いし、また各々のゴム中に接着成分を添加しておくことによって接着を行っても良い。
(2)耐久性評価
上記に従って製造した流体輸送用ホース10を、図6に示す曲げ−振動複合試験機を用いて耐久性評価を行った。
同図において40は取付台で、互いに直角をなす水平部42と垂直部44とを有している。
垂直部44の上端部には回転盤46が回転軸48周りに回転可能に設けてある。
上記に従って製造した流体輸送用ホース10を、図6に示す曲げ−振動複合試験機を用いて耐久性評価を行った。
同図において40は取付台で、互いに直角をなす水平部42と垂直部44とを有している。
垂直部44の上端部には回転盤46が回転軸48周りに回転可能に設けてある。
50A,50Bは流体輸送用ホース10の各端部に装着された端部金具でインサート金具とスリーブ金具とから成っており、それぞれかしめ率25%で流体輸送用ホース10の各端部にかしめ固定されている。
ここでは端部金具50A,50Bを除いた自由長L:300mmの流体輸送用ホース10を、曲げ半径R:120mmとなるように曲げて、その一端の端部金具50Aを取付台40の水平部42に90°の交叉角度で回転不能に固定する一方、他端の端部金具50Bを回転盤46の外周部に、回転盤46に対して交叉角度90°で固定し(但し端部金具50Bは回転盤46に対して相対回転可能)、そして回転盤46を回転させることによって、流体輸送用ホース10の端部に上下及び左右方向に振幅:±15mmの振動を加えた。
自動車のエンジンルームに取り付けられるホース等はストレート状態で取り付けられるケースは少なく、実際にはこのように曲げられた取付状態で使用される。
自動車のエンジンルームに取り付けられるホース等はストレート状態で取り付けられるケースは少なく、実際にはこのように曲げられた取付状態で使用される。
尚この曲げ−振動複合試験は雰囲気温度:130℃,窒素ガスで内圧:4MPaを付与し、回転盤46の回転数:毎分450回転の条件の下で試験を行った。
その結果が表5に示してある。
尚耐久性の目標値は50Hr(135万回)である。
その結果が表5に示してある。
尚耐久性の目標値は50Hr(135万回)である。
表5に示しているように、アルミ箔ラミネート層14を内部に埋設した流体輸送用ホース10にあっても、アルミ箔即ちアルミニウム合金における結晶粒径が小さくなるにつれて耐久性は向上し、平均結晶粒径25μm以下で何れも良好な結果が得られている。
特に平均結晶粒径15μm以下では際立った高い耐久性を示している。
特に平均結晶粒径15μm以下では際立った高い耐久性を示している。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
10 流体輸送用ホース
14 アルミ箔ラミネート層(透過バリア層)
22 アルミ箔
24 有機フィルム
14 アルミ箔ラミネート層(透過バリア層)
22 アルミ箔
24 有機フィルム
Claims (2)
- アルミニウム若しくはその合金から成るアルミ箔の両面を有機フィルムで被覆したアルミ箔ラミネート層を輸送流体の透過バリア層として有する流体輸送用ホースにおいて、
前記アルミニウム若しくはその合金における平均結晶粒径を25μm以下としたことを特徴とする流体輸送用ホース。 - 請求項1において、前記アルミ箔ラミネート層が蛇腹形状の成形形状を有していることを特徴とする流体輸送用ホース。
Priority Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2004
- 2004-03-24 JP JP2004087878A patent/JP2005273776A/ja active Pending
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