JPH0860313A - 強度と転造成形性に優れたアルミニウム合金管の製造方法 - Google Patents

強度と転造成形性に優れたアルミニウム合金管の製造方法

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JPH0860313A
JPH0860313A JP19954294A JP19954294A JPH0860313A JP H0860313 A JPH0860313 A JP H0860313A JP 19954294 A JP19954294 A JP 19954294A JP 19954294 A JP19954294 A JP 19954294A JP H0860313 A JPH0860313 A JP H0860313A
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aluminum alloy
pipe
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tube
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Hajime Watanabe
元 渡辺
Chiaki Ara
千明 荒
Morihisa Omori
盛久 大森
Kazumi Kato
和美 加藤
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車の熱交換器用冷媒管等に好適な、強度
と転造成形性に優れたアルミニウム合金管を製造する。 【構成】 0.3〜1.0 wt%のSi、 0.2〜0.8 wt%のM
g、0.01〜0.1 wt%のMn、0.01〜0.1 wt%のCrを含
有し、残部Al及び不可避不純物からなるアルミニウム
合金鋳塊をポートホールダイスを用いて熱間押出しし、
押出後空冷して融着部を2ヶ所以上有する内径tmmφの
押出素管となし、この押出素管を外径tmmφ以下の管材
に抽伸加工して、前記融着部分の長さ方向の平均結晶粒
径を40〜150μmにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の熱交換器用冷
媒管、ブレーキやパワーステアリング用の油圧管等に好
適な、強度と転造成形性に優れたアルミニウム合金管を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車内には熱交換機用冷媒管やブレー
キ用油圧管等が配管されている。冷媒管にはJIS-6061系
やJIS-6063系等のAl-Mg-Si系合金管が、又油圧管には鉄
管が用いられていた。近年ハンドル操作が楽な油圧式パ
ワーステアリングが普及し、この油圧管にも鉄管が用い
られた。そして、これらの鉄管をアルミニウム合金管に
代えて軽量化することが検討されている。ところで、自
動車内配管は、高い冷媒圧や油圧を受け、エンジンや走
行により激しく振動し、狭いエンジンルーム内を曲折し
て配置され、ゴム管等を繋ぐ為拡径され又口金部を形成
され、種々の腐食環境に晒される。従って配管には機械
的強度、疲労強度、耐圧性、曲げ性、拡管性、口金成形
性、耐食性、耐応力腐食割れ性等の特性に優れているこ
とが要求されている。
【0003】自動車内の配管に用いられるAl-Mg-Si系合
金管の製造法は、鋳塊を素管に熱間押出しし、押出後直
ちに水冷して合金元素を固溶させ、次いで抽伸加工後、
時効処理して固溶元素を析出させる方法によりなされて
いた。管の熱間押出法には、マンドレル押出法とポート
ホール押出法とがあるが、前者は押出前にビレットに孔
をあける必要があり作業が煩雑な為、後者のポートホー
ルダイスを用いた押出法が多用されている。ポートホー
ルダイスを用いた押出法とは、ダイスに複数の穴を開け
メタルを一旦分断したのち管状に合体させて押出す方法
で、得られる押出素管には径方向に2ヶ所以上の押出融
着部が存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の方法により製造
した従来のアルミニウム合金管は、強度は優れる反面、
拡管加工や曲げ加工等の成形加工中に割れを生じること
が多かった。そこで時効処理を省略して強度を抑え、成
形加工性を高める等の試みがなされた。しかしながら、
このような方法では十分な強度が得られない。又時効処
理の有無に関わらず、図1に示すように、アルミニウム
合金管1に口金部2を転造加工する際に十分な真円度が
得られず、口金部2とゴム管(図示せず)との密着性が
低下して液もれを起こすという問題が生じた。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者等は、
このような状況の中で鋭意研究を行い、転造加工した口
金部に十分な真円度が得られない原因は、前述の押出融
着部の結晶粒径が不均一であると同時に、特定方向の集
合組織を示す等の理由で、他の部分と変形能が異なる為
であることを知見し、更に研究を重ねて本発明を完成す
るに至った。即ち、請求項1の発明は、 0.3〜1.0 wt%
のSi、 0.2〜0.8 wt%のMg、0.01〜0.1 wt%のM
n、0.01〜0.1 wt%のCrを含有し、残部Al及び不可
避不純物からなるアルミニウム合金鋳塊をポートホール
ダイスを用いて熱間押出しし、押出後空冷して融着部を
2ヶ所以上有する内径tmmφの押出素管となし、この押
出素管を外径tmmφ以下の管材に抽伸加工して、前記融
着部分の長さ方向の平均結晶粒径を40〜150 μmにする
ことを特徴とする強度と転造成形性に優れたアルミニウ
ム合金管の製造方法である。
【0006】この発明にて用いるアルミニウム合金は、
Al−Si−Mg−Mn−Cr系合金である。以下に各
々の合金元素の作用について説明する。SiとMgは本
発明における基本的合金元素である。両者は、熱間押出
時にマトリックス中に固溶し、時効処理により、共にG.
P.ゾーン、β′相、Mg2 Si化合物等として析出して
強度や耐力を向上させる。Siの添加量を 0.3〜1.0 wt
%に限定した理由は、 0.3wt%未満では強度向上効果が
得られず、1.0 wt%を超えると均質化処理中にSiが単
体で析出し、熱間押出後も固溶せず、成形加工性を阻害
し、又耐食性を低下させる為である。又Mgの添加量を
0.2〜0.8 wt%に限定した理由は、 0.2wt%未満では強
度向上効果が得られず、 0.8wt%を超えると伸びが低下
し、曲げ等の成形加工性が悪化する為である。
【0007】Mnはマトリックス中に金属間化合物とし
て析出して強度を高めると共に、不可避不純物元素の一
つであるFeと化合物を形成してマトリックス中のFe
濃度を下げ、耐食性を向上させる。その添加量を0.01〜
0.1 wt%に限定した理由は、0.01wt%未満では強度向上
効果が得られず、 0.1wt%を超えると伸びが低下し、成
形加工性を阻害する為である。
【0008】Crはマトリックス中に殆ど固溶せず、析
出して強度を高める。又結晶粒を微細化して成形加工性
を改善する。その添加量を0.01〜0.1 wt%に限定した理
由は、0.01wt%未満ではその効果が得られず、 0.1wt%
を超えると成形加工性を害する為である。
【0009】請求項2の発明は、 0.3〜1.0 wt%のS
i、 0.2〜0.8 wt%のMg、0.01〜0.1 wt%のMn、0.
01〜0.1 wt%のCr、0.01〜0.1 wt%のCuを含有し、
残部Al及び不可避不純物からなるアルミニウム合金鋳
塊をポートホールダイスを用いて熱間押出しし、押出後
空冷して融着部を2ヶ所以上有する内径tmmφの押出素
管となし、この押出素管を外径tmmφ以下の管材に抽伸
加工して、前記融着部分の長さ方向の平均結晶粒径を40
〜150 μmにすることを特徴とする強度と転造成形性に
優れたアルミニウム合金管の製造方法である。
【0010】この発明で用いる合金は請求項1の発明で
用いる合金に更にCuを添加した合金である。Cuは合
金マトリックス中にほぼ完全に固溶し、自然時効又は人
工時効によってG.P.B.ゾーン、S′−AlCuMg相等
として析出する。又Mg2 S化合物の析出を促進し、強
度、特に耐力を向上させる。その添加量を0.01〜0.1wt
%に限定した理由は、0.01wt%未満ではその効果が得ら
れず、又 0.1wt%を超えると焼入感受性が高くなり、熱
間押出後に空冷を行っただけでは溶体化後の焼入れが不
十分となり、成形加工性や耐食性が低下する為である。
【0011】アルミニウム地金中の不可避不純物である
Feは、その含有量が 0.4wt%を超えるとAl−Fe系
の化合物量が増加し成形加工時の割れの起点になる。又
マトリックス中の固溶Siをα−AlFeSi相として
析出させてSi固溶量を減少させ、時効処理後の強度を
低下させる。従ってFeは 0.4wt%以下、好ましくは0.
3wt%以下に抑えるのが望ましい。結晶粒微細化とマト
リックス強化に有効なNiやV、鋳造組織を微細化する
TiやB等は、その合計量が 0.5wt%以下であれば、含
有されていても差し支えない。
【0012】次に、本発明における熱間押出、抽伸加工
の諸工程について説明する。先ず、熱間押出し前に、通
常、均質化処理を施す。均質化処理は、鋳造後の冷却凝
固過程で生じた晶出物を強制固溶させ又合金元素の偏析
を均す為に施す。均質化処理は 480℃以上のできるだけ
高い温度で2時間以上行うことが望ましい。
【0013】均質化処理した鋳塊はポートホールダイス
を用いて熱間押出しする。押出温度は均質化処理と同じ
理由から、できるだけ高温で行うことが望ましい。押出
される素管を空冷する理由は、融着部分の長さ方向の結
晶粒を適度な大きさに再結晶させ、抽伸加工後に40〜15
0 μmの平均結晶粒径を得る為である。又空冷を行うこ
とにより、焼入れ速度が速すぎる為に生じる過大な焼入
れ歪の発生が回避され、良好な伸びを得ることができ
る。空冷の方法は、室内放置、ファン空冷等任意の方法
が適用できる。但し、平均冷却速度が3℃/sec を超え
ると押出融着部の再結晶粒径が小さくなり過ぎて成形性
が低下する場合がある。従って、平均冷却速度は3℃/
sec 以下に遅くするのが好ましい。
【0014】得られた押出素管は、抽伸加工により、強
度と成形加工性に優れた、所定形状のアルミニウム合金
管に加工される。本発明において、内径tmmφの押出素
管を外径tmmφ以下の管材に抽伸加工する理由は、この
条件の抽伸加工を施すことによって管全体に対して剪断
変形が加わり、特に押出融着部が特定方向のサブグレイ
ンからなる集合組織となるのが抑制されて転造成形性が
向上し、又管材に対して均一な加工度が加わって全体の
結晶粒径が均一化され、同時に押出融着部の結晶粒の均
質化が促進する為である。この結果抽伸加工後の管材の
押出融着部の結晶粒径(長さ方向の平均値)が40〜150
μm、特に好ましくは50〜100 μmに制御され、各成形
加工性が良好となる。前記結晶粒径が40μm未満では、
転造加工した口金部の真円度が低下する。これは結晶粒
径が小さすぎることで抽伸加工時に加わる剪断変形の効
果が減じ、押出融着部の変形能が非融着部分と較べて異
質となる為である。結晶粒径が 150μmを超えると曲げ
加工や拡管加工の際に肌荒れが生じる。因みに押出素管
を水冷した場合の押出融着部の、抽伸管材における結晶
粒径は10〜30μmである。前記真円度等の成形加工性は
抽伸加工を1パスで行うことにより更に向上する。これ
は1パスで抽伸加工を行うことで、より大きな剪断変形
を加えることができる為である。抽伸加工を1パスで行
う場合は、押出素管の内径は、1パスの抽伸加工で所定
形状の管材が得られる大きさに決めておく必要がある。
抽伸加工での断面圧下率は30%前後にするのが好まし
い。又本発明において、管の肉厚は特に規定されない
が、通常配管として使用される0.5 〜2.5 mmの厚さであ
れば、本発明の効果が十分に発揮できる。
【0015】請求項3及び請求項4の発明は、それぞれ
請求項1及び請求項2の発明で製造したアルミニウム合
金管に、更に 100〜180 ℃の時効処理を施すものであ
る。時効処理時間は、要求強度や時効処理温度を考慮し
て設定する。この時効処理により、マトリックスにMg
2 Si化合物を析出させてアルミニウム合金管の強度と
耐力を一層高める。更に抽伸加工で導入された転移を解
放して伸びを向上させる。時効処理温度を 100〜180 ℃
に限定した理由は、 100℃未満では所定強度を得るのに
長時間を要し、又時間を短くするとマトリックス中に初
期G.P.ゾーンのみが形成されて成形加工性が低下し、又
時効温度が 180℃を超えると、短時間のうちにマトリッ
クスにβ′相が急激に析出して、著しい伸びの低下を招
く為である。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。 (実施例1)表1に示す種々組成のアルミニウム合金を
溶解し、これを直径 175mmφの断面円形のビレットに鋳
造した。得られたビレットを 530℃で5時間均質化処理
したのち、外径16.5mmφ、内径12mmφの押出素管に熱間
押出しした。押出ダイス温度を 480〜510 ℃に調整し
た。押出される押出素管は室温放冷した。得られた押出
素管を1パスだけ抽伸加工して、外径12mmφ、内径8mm
φの抽伸管材となし、これに 140℃×8時間の時効処理
を施した。得られたアルミニウム合金管について、引張
試験、転造試験、曲げ試験、拡管試験を行った。又押出
融着部の結晶粒径を調べた。結果を表2に示す。
【0017】尚、転造試験は、アルミニウム合金管を図
1に示す口金形状に転造加工し、口金部の真円度を測定
して行った。真円度は同一円周上の最大径と最小径の差
で表した。曲げ試験は、実際の曲げ加工で使用する引張
り曲げ(ストレッチベンド)法により行った。曲げ条件
は実用上最も厳しい曲げ半径20mmφ曲げ角度 180度とし
た。曲げ性は、管に異常のない場合は良好、管が割れた
り肌荒れが生じた場合は不良と判定した。拡管試験は、
管の内部に鉄棒を、その径を段階的に大きくして圧入し
て管を亀裂させる方法により行った。拡管性は、亀裂が
生じたときの鉄棒より1段階細い鉄棒の外径を管の内径
で除して限界拡管比を求めて評価した。限界拡管比は数
値が大きい程拡管性が良好なことを示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】表1及び表2より明らかなように、本発明
方法品(No.1〜5)は、機械的性質が高く、又押出融着部
の結晶粒径も本発明の限定値内にあり、成形加工性にも
優れていた。これに対し、比較例品のNo.6は、Si量が
少なく、Mnが添加されていなかった為、強度及び耐力
が低く、結晶粒が粗大化して曲げ又は拡管の際に肌荒れ
が生じた。又No.7はMg量が少なくCrが添加されてい
なかった為、結晶粒が粗大化して曲げ又は拡管の際に肌
荒れ及び割れが生じた。No.8はCrとCuの量が、又N
o.9はSiとMgの量がそれぞれ高すぎた為、いずれも
成形加工性が低下した。時効処理を施さないものについ
ても同様の試験を行ったが、機械的性質及び成形加工性
が若干低下した程度で、時効処理を施したものと同様の
傾向を示した。
【0021】(実施例2)表1に示したNo.Cの合金を用
いて、熱間押出後の冷却条件が各種特性に及ぼす影響を
調べた。先ず、No.Cの合金を溶解し、これを 175mmφの
ビレットに鋳造した。このビレットを 530℃で5時間加
熱して均質化処理したのち、外径16.5mmφ、内径12mmφ
の押出素管に熱間押出しした。押出ダイス温度は 480〜
510 ℃に調整した。押出される押出素管は、室温放冷、
ファンを用いた強制空冷、スプレー噴霧による水冷、水
中投入の4通りで冷却した。得られた各々の押出素管を
外径12mmφ、内径8mmφの管材に1パスで抽伸加工し、
この管材に 140℃×8時間の時効処理を施した。得られ
たアルミニウム合金管について、機械的性質、転造成形
性、曲げ性、拡管性、及び押出融着部の結晶粒径を調べ
た。結果を表3に示す。
【0022】
【表3】
【0023】表3より明らかなように、本発明方法品
(No.10,11) は、押出素管を室温放冷又は強制空冷した
ものなので、押出融着部の結晶粒径が本発明の条件範囲
内にあり、従って特性は全て満足された。これに対し、
比較例品のNo.12,13は、冷却速度が速かった為、押出融
着部の結晶粒径が微細となり、転造成形性、つまり真円
度が著しく低下した。拡管性も若干低下した。
【0024】(実施例3)表1に示した No.cの合金を
用いて種々サイズの押出素管を製造し、これを種々サイ
ズの抽伸管材に加工して抽伸加工条件の影響を調べた。
押出素管の冷却は全て室温放冷して行った他は、実施例
2と同じ方法によりアルミニウム合金管を製造した。得
られたアルミニウム合金管について、機械的性質、転造
成形性、曲げ性、拡管性を調べた。又押出融着部の結晶
粒径を調べた。結果を表4に示す。
【0025】
【表4】
【0026】表4より明らかなように、本発明方法品
(No.14,15) は、抽伸管材の外径が押出素管の内径以下
になるように1パスで抽伸加工したので、機械的性質及
び成形加工性に優れるものとなった。又押出融着部の結
晶粒径が本発明の条件範囲内にあり、転造加工した口金
部の真円度が向上した。又曲げ部や拡管部に肌荒れが生
じることもなかった。尚、2パス以上かけて抽伸加工し
たものは、加工時に加えられる剪断変形の効果が若干減
じた為、真円度が幾分低下した。他方、比較例品のNo.1
6 〜19は、径方向の抽伸加工率が低かった為、融着接合
部の結晶粒径が小さいままで、真円度が低下した。
【0027】(実施例4)実施例3で作製したNo.14 の
抽伸管材(外径12mm、内径8mm)について、時効処理条
件が機械的性質、転造成形性、曲げ性、拡管性に及ぼす
影響を調べた。又押出融着部の結晶粒径を調べた。結果
を表5に示す。
【0028】
【表5】
【0029】表5より明らかなように、本発明方法品
(No.20 〜23) は、本発明の時効処理条件により時効処
理したので、いずれも諸特性を満足した。これに対し、
比較例品のNo.24 は時効処理温度が低すぎて初期G.P.ゾ
ーンが形成されただけに止まった為、成形加工性が低下
した。又No.25 は時効処理温度が高すぎてβ′相が過剰
に析出した為、伸び及び成形加工性が低下した。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、自
動車の熱交換器用冷媒管等に適した、強度と転造成形性
に優れたアルミニウム合金管を製造することができる。
他に、鉄道等の陸運車両、建築、家電、日用品、船舶等
の配管の製造に適用しても同様の効果が得られる。依っ
て、工業上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】転造加工により成形される口金部の説明図であ
る。
【符号の説明】
1──アルミニウム合金管 2──口金部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 和美 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.3〜1.0 wt%のSi、 0.2〜0.8 wt%
    のMg、0.01〜0.1wt%のMn、0.01〜0.1 wt%のCr
    を含有し、残部Al及び不可避不純物からなるアルミニ
    ウム合金鋳塊をポートホールダイスを用いて熱間押出し
    し、押出後空冷して融着部を2ヶ所以上有する内径tmm
    φの押出素管となし、この押出素管を外径tmmφ以下の
    管材に抽伸加工して、前記融着部分の長さ方向の平均結
    晶粒径を40〜150 μmにすることを特徴とする強度と転
    造成形性に優れたアルミニウム合金管の製造方法。
  2. 【請求項2】 0.3〜1.0 wt%のSi、 0.2〜0.8 wt%
    のMg、0.01〜0.1wt%のMn、0.01〜0.1 wt%のC
    r、0.01〜0.1 wt%のCuを含有し、残部Al及び不可
    避不純物からなるアルミニウム合金鋳塊をポートホール
    ダイスを用いて熱間押出しし、押出後空冷して融着部を
    2ヶ所以上有する内径tmmφの押出素管となし、この押
    出素管を外径tmmφ以下の管材に抽伸加工して、前記融
    着部分の長さ方向の平均結晶粒径を40〜150 μmにする
    ことを特徴とする強度と転造成形性に優れたアルミニウ
    ム合金管の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1で製造したアルミニウム合金管
    に 100〜180 ℃の温度で時効処理を施すことを特徴とす
    る強度と転造成形性に優れたアルミニウム合金管の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項2で製造したアルミニウム合金管
    に 100〜180 ℃の温度で時効処理を施すことを特徴とす
    る強度と転造成形性に優れたアルミニウム合金管の製造
    方法。
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