JP3951559B2 - 車両の表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両外の情報提供装置から送信される前方走行環境情報やレーダ手段により検出された障害物に関する障害物情報を表示する車両の表示装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開平10−230805号公報に示されているように、車両の前方を赤外線により撮像し、この撮像した赤外線画像を車内モニタに表示したり、例えば特開平10−123944号公報に示されているように、車両外の情報提供装置から送信される渋滞情報を受信してその情報を表示手段に表示したり、例えば特開平7−105477号公報に示されているように、交差点の横断歩道を横断中の歩行者を検知する歩行者検知装置から送信される歩行者検知信号を受信して、車両内部に設置した表示部に歩行者情報を表示したりすることは知られている。このように種々の情報を運転席前方に設けた表示手段に表示するようにすれば、ドライバの利便性や安全性を向上させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように受信する等して得られた情報を無条件に表示したのでは、ドライバがその表示に気を取られる可能性があり、安全性をより高めるには改良の余地がある。
【0004】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、情報を表示する場合に、ドライバが安全確認を特に行う必要があるときにその表示に気を取られないようにして、安全性をより高めようとすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項の発明では、車両の表示装置として、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、道路地図情報を記憶した道路情報記憶手段と、上記車両に設けられ、該車両の前方でかつ車両から第1所定距離以内に存在する障害物を検出するレーダ手段と、上記レーダ手段により検出された障害物に関する障害物情報を、画 像及び音声の少なくとも一方を出力することにより上記車両のドライバに報知する報知手段と、上記現在位置検出手段により検出された現在位置と道路情報記憶手段により記憶された道路地図情報とに基づいて、上記車両が、該車両のドライバが車両進行方向とは異なる方向を見る必要がある特定環境内を走行中であることが検出されたときに、上記報知手段の出力形態として音声出力を画像出力よりも優先させる音声出力優先手段とを備え、上記報知手段は、上記車両と障害物との距離が、第1所定距離よりも小さい距離である第2所定距離よりも大きくかつ第1所定距離以下であるときには、出力形態を音声出力にするとともに、車両と障害物との距離が第2所定距離以下になったときには、出力形態を音声出力から画像出力に切り換えるように構成され、上記音声出力優先手段は、上記車両が特定環境内を走行中であることが検出されたときには、車両と障害物との距離が第2所定距離以下になっても出力形態を音声出力から画像出力に切り換えないように構成されているものとする。
【0006】
こうすることで、通常は、障害物にかなり接近したときには、情報量が多い画像出力に切り換えられるので、障害物情報をドライバは確実に認識することができる。そして、車両が特定環境内を走行中であるときには、画像出力に切り換えられないので、画像に気を取られることなく周囲の安全確認を確実に行うことができる。すなわち、ドライバが車両進行方向とは異なる方向を見る必要があるとき、つまり信号機や左右両側の状況を見て安全確認を特に行う必要があるときに、画像に気を取られることなく、安全確認を確実に行うことができる。一方、画像出力に切り換えられなくても、ドライバは音声出力で障害物情報を認識することができ、たとえその情報を認識することができなくても、周囲の安全確認を行う状況であるので、ドライバ自身が障害物を発見することができ、問題は全くない。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。但し、最初に本発明の実施形態と主要部以外の構成が類似した参考形態を説明し、その後に、本発明の実施形態について、主にその参考形態と異なる点を説明する。
【0008】
(参考形態
図1は、本発明の参考形態に係る表示装置が搭載された車両C(自動車:図3参照)のインストルメントパネル1の要部を示し、このインストルメントパネル1には、エンターテイメントディスプレイ2と、後述の前方走行環境情報が表示される表示手段としての情報ディスプレイ3とが設けられている。上記エンターテイメントディスプレイ2は、インストルメントパネル1の上下方向略中央であって車幅方向略中央位置に配設されている。一方、上記情報ディスプレイ3は、インストルメントパネル1の上部であって車幅方向略中央位置に設けられたメータユニット4内の運転席側端部に配設されている。このことで、情報ディスプレイ3は、エンターテイメントディスプレイ2に対して運転席側斜め上方に配設されていることになる。
【0009】
上記メータユニット4には、スピードメータ、フューエルゲージ、水温ゲージ、オドメータ、トリップメータ、セレクタインジケータライト及びターンシグナルインジケータライト等のインジケータライト、並びに、オルタネータワーニングライト及びオイルプレッシャーワーニングライト等の各種ワーニングライトが設けられている。
【0010】
上記メータユニット4(情報ディスプレイ3)は、図2に示すように、インストルメントパネル1の車両前側端部に配設されている一方、上記エンターテイメントディスプレイ2は、情報ディスプレイ3よりも車両後側に配設されている。このことで、エンターテイメントディスプレイ2の垂直視認角、つまりエンターテイメントディスプレイ2と車両Cのドライバのアイポイントとを結ぶ線の上下方向角は、約22度に設定され、情報ディスプレイ3の垂直視認角は約11度に設定されて、情報ディスプレイ3の視認性がエンターテイメントディスプレイ2よりも良くなっている。
【0011】
尚、図1中、5はオーディオ装置等の車載電子機器(図2では図示を省略)であり、6はステアリングホイールであり、図2中、7はフロントウインドガラスである。
【0012】
この車両Cには、図3に示すように、車速を検出する車速センサ26と、GPS人工衛星から送信されるGPS信号を受信して、車両Cの現在位置を検出する現在位置検出手段としてのGPSセンサ27と、道路地図情報を記憶した道路情報記憶手段としてのCD−ROM28(インターネットを介して配信された道路地図情報を受信するものであってもよい)と、車両C外の情報提供装置(インフラ)から送信される、車両Cのドライバが視認不能な車両走行路前方の走行環境に関する前方走行環境情報(具体的には、車両走行路前方の渋滞情報、車両走行路前方の路面状態情報(凍結状態や悪路状態情報)等)を受信する路車間通信ユニット29とが設けられている。そして、この路車間通信ユニット29により受信された前方走行環境情報が上記情報ディスプレイ3に表示されるようになっており、この前方走行環境情報の情報ディスプレイ3への表示は、表示制御手段としてのCPU20により後述の如く制御されるようになっている。尚、上記前方走行環境情報は、例えば渋滞情報の場合には、図5の如く表示される(尚、図5中、3aは車両C(自車)を示すマークであり、3bは他車を示すマークである)。
【0013】
上記車速センサ26、GPSセンサ27、CD−ROM28及び路車間通信ユニット29の各信号(情報)は、図4に示すように、上記CPU20に入力されるようになっている。そして、上記各信号の入力に基づいてCPU20が後述の如く動作して情報ディスプレイ3に対しON信号又はOFF信号を出力するようになっており、ON信号が出力されると前方走行環境情報が情報ディスプレイ3に表示される一方、OFF信号が出力されると前方走行環境情報の表示は行われない。尚、エンターテイメントディスプレイ2に対しても、不図示の操作スイッチの状態に基づいてCPU20よりON信号又はOFF信号が出力され、ON信号が出力されたときには、エンターテイメントディスプレイ2に地図や車両の現在位置等が表示されるようになっている。
【0014】
また、上記車両Cには、ドライバに対してブザー音やクラクション音等のような擬音やビープ音又は音声により警報を発する音声警報装置30が設けられており、上記各信号の入力に基づいてCPU20が後述の如く動作して音声警報装置30に対しON信号又はOFF信号を出力し、ON信号が出力されると警報が発せられるようになっている。
【0015】
次に、上記CPU20における前方走行環境情報の表示及び非表示の制御動作について図6のフローチャートにより説明する。
【0016】
先ず、最初のステップSA1で、GPSセンサ27により車両Cの現在位置を検出し、次のステップSA2で、路車間通信ユニット29により前方走行環境情報が受信されたか否かを判定する。この判定がNOであって前方走行環境情報が受信されていないときには、ステップSA8に進んで、情報ディスプレイ3にOFF信号を出力してリターンする一方、判定がYESであって前方走行環境情報が受信されたときには、ステップSA3に進む。
【0017】
上記ステップSA3では、上記前方走行環境情報が始めて受信されたものか又は更新されたものであるか否か(新規な情報であるか否か)を判定する。この判定がNOであって始めて受信されたものでもなくかつ更新されたものでもないとき(前回と同じ情報であって新規な情報でないとき)には、後述のステップSA5に進む一方、判定がYESであって始めて受信されたものか又は更新されたものであるとき(新規な情報であるとき)には、ステップSA4に進んで、タイマーをスタートさせる。
【0018】
次のステップSA5では、上記タイマーのスタートから設定時間が経過したか否かを判定する。上記設定時間は、車両Cが、上記前方走行環境情報による注意が必要な地点(渋滞発生地点や路面が凍結している地点:以下、注意地点という)を越えるような時間に設定される。尚、車両Cが注意地点に達したことを直に検出してもよいが、この場合、走行環境によっては注意地点に達したことを検出できない場合もあるので、タイマーとの併用が望ましい。
【0019】
上記ステップSA5の判定がYESであって設定時間が経過しているときには、上記ステップSA8に進んで、注意地点を越えていると判断し、情報ディスプレイ3にOFF信号を出力してリターンする一方、判定がNOであって設定時間が経過していないときには、ステップSA6に進む。
【0020】
上記ステップSA6では、上記GPSセンサ27により検出された現在位置とCD−ROM28により記憶された道路地図情報とに基づいて、車両Cが特定環境内を走行中であるか否かを判定する。この特定環境は、車両Cのドライバが車両進行方向とは異なる方向(左右等)を見て安全確認を特に行う必要がある走行環境であり、具体的には、信号機設置地点、見通しの悪い交差点、信号機が交通量又は時間帯により消えた交差点等(以下、これらの地点を総称して特定地点という)手前の所定位置から該特定地点までの所定範囲をいう(後述の参考形態2及び実施形態においても同様)。この所定範囲は、図7に示すように、車両Cの車速が大きいほど広い範囲に設定される(特定地点手前の所定位置を該特定地点から遠くなるようにする)と共に、夜間(例えば午後6時から午前6時までの間:GPSセンサ27が受信したGPS信号に含まれる時間情報やCPU20内の時計情報を利用して判断する)走行時の方が昼間走行時よりも広い範囲(同じく特定地点手前の所定位置を該特定地点から遠くなるようにする)に設定される。尚、ステップSA6の判定は、GPSセンサ27により検出された現在位置とCD−ROM28の道路地図情報とに基づいて行う方法以外にも、出発地を入力して車速や舵角等の走行軌跡情報から現在位置を検出してこの現在位置と道路地図情報とに基づいて行う方法であってよく、また、路車間通信ユニット29が受信した情報に基づいて行う方法であってもよく、さらには、それら3つの方法のうち少なくとも2つを併用してもよい。
【0021】
上記ステップSA6の判定がNOであって特定環境内を走行中でないときには、ステップSA7に進んで、情報ディスプレイ3にON信号を出力してリターンする一方、判定がYESであって特定環境内を走行中であるときには、情報ディスプレイ3にOFF信号を出力して、ステップSA10に進む。
【0022】
上記ステップSA10では、注意地点までの距離が設定距離以下であるか否かを判定し、この判定がNOであって注意地点までの距離が設定距離よりも大きいときには、そのままリターンする一方、判定がYESであって注意地点までの距離が設定距離以下であるときには、ステップSA11に進んで、音声警報装置30にON信号を出力することで音声による警報を発してリターンする。
【0023】
この参考形態では、上記ステップSA6により、車両Cが特定環境内を走行中であることが検出されたときに、前方走行環境情報の情報ディスプレイ3への表示を規制する表示規制手段41が構成されている。
【0024】
したがって、上記参考形態では、路車間通信ユニット29により前方走行環境情報が受信されると、車両Cがその前方走行環境情報による注意地点を越えていない場合において、特定環境内を走行中でなければ、前方走行環境情報が情報ディスプレイ3に表示される一方、特定環境内を走行中であれば、前方走行環境情報の情報ディスプレイ3への表示が規制されて、その表示は行われない。但し、特定環境内を走行中であっても、注意地点までの距離が設定距離以下であるときには、注意地点にかなり近いことを音声によってドライバに警報を発して注意を促す。また、前方走行環境情報が受信されていないときや、受信されてもその前方走行環境情報による注意地点を越えているときには、前方走行環境情報は表示されない。
【0025】
このように、信号機や左右両側の状況を見て安全確認を特に行う必要がある特定環境内では、前方走行環境情報が情報ディスプレイ3に表示されないので、ドライバはその表示に気を取られることはなく、周囲の安全確認に専念することができ、特定環境内走行時の安全性を向上させることができる。一方、前方走行環境情報は、通常、かなり先の走行環境に関するものであり、車両Cが特定地点を越えれば、前方走行環境情報の表示が行われ、しかも、特定環境内であっても注意地点にかなり近い場合には、音声による警報がなされるので、前方走行環境情報の表示が規制されても、全く問題はない。
【0026】
参考形態
図8〜図10は本発明の参考形態を示し(尚、以下の参考形態2及び実施形態では、表示装置のハード構成は、基本的に上記参考形態と同様であり、異なる場合にはその異なる点を説明する)、車両Cの前方でかつ該車両Cから所定距離以内に存在する障害物を検出するようにし、前方走行環境情報の受信と障害物の検出とが略同時に発生したとき、前方走行環境情報の情報ディスプレイ3への表示を所定時間だけ遅延させるようにしたものである。
【0027】
すなわち、この参考形態では、車両Cの前端部に、車両Cの前方に存在する障害物を検出しかつ車両Cとその障害物との位置関係及び距離を測定する障害物センサ11(レーダ手段)が設けられ、この障害物センサ11の信号がCPU20に入力されるようになっている。上記障害物センサ11としては、具体的には、レーザレーダ、ミリ波レーダ、電波レーダ、超音波レーダ、赤外線レーダ、CCDカメラ等である。上記障害物センサ11により検出された障害物に関する障害物情報は、前方走行環境情報と同じ情報ディスプレイ3に表示されるようになっている。つまり、CPU20は、障害物センサ11、車速センサ26、GPSセンサ27、CD−ROM28及び路車間通信ユニット29の各信号の入力に基づいて後述の如く動作し、情報ディスプレイ3に対し、前方走行環境情報の表示を行うときには前方走行環境情報表示ON信号と障害物情報表示OFF信号とを出力する一方、障害物情報の表示を行うときには障害物情報表示ON信号と前方走行環境情報表示OFF信号とを出力し、また、いずれの情報も表示しないときには、前方走行環境情報表示OFF信号と障害物情報表示OFF信号とを出力する。尚、上記障害物情報は、例えば障害物が歩行者の場合には、図11の如く表示される。
【0028】
そして、CPU20は図9及び図10の如く動作する。つまり、最初のステップSB1で、GPSセンサ27により車両Cの現在位置を検出し、次のステップSB2で、障害物センサ11の検出結果を入力し、次のステップSB3で、障害物が、車両Cの前方でかつ該車両Cから所定距離(ドライバが制動や操舵によって障害物との接触を十分に回避できる距離、又は障害物センサ11が障害物を精度良く検出可能な距離)以内に存在するか否かを判定する。この判定がYESであって障害物が存在するときには、ステップSB4に進んで、障害物検出フラグFkを1に設定する一方、判定がNOであって障害物が存在しないときには、ステップSB5に進んで、障害物検出フラグFkを0に設定する。
【0029】
上記ステップSB4又はSB5の後は、ステップSB6に進んで、上記参考形態におけるステップSA2と同様に、路車間通信ユニット29により前方走行環境情報が受信されたか否かを判定する。この判定がNOであって前方走行環境情報が受信されていないときには、後述のステップSB10に進む一方、判定がYESであって前方走行環境情報が受信されたときには、ステップSB7に進む。
【0030】
上記ステップSB7では、上記参考形態におけるステップSA3と同様に、上記前方走行環境情報が始めて受信されたものか又は更新されたものであるか否かを判定する。この判定がNOであって始めて受信されたものでもなくかつ更新されたものでもないときには、後述のステップSB9に進む一方、判定がYESであって始めて受信されたものか又は更新されたものであるときには、ステップSB8に進んで、第1タイマーをスタートさせる。
【0031】
次のステップSB9では、上記第1タイマーのスタートから設定時間が経過したか否かを判定する。この設定時間は、上記参考形態におけるステップSA5の設定時間と同様である。このステップSB9の判定がYESであって設定時間が経過しているとき(車両Cが注意地点を越えているとき)には、ステップSB10に進んで、障害物検出フラグFkが1であるか否かを判定する。このステップSB10の判定がYESであってFk=1のときには、ステップSB11に進んで、情報ディスプレイ3に前方走行環境情報表示OFF信号と障害物情報表示ON信号とを出力してリターンする一方、ステップSB10の判定がNOであってFk≠1のときには、ステップSB12に進んで、情報ディスプレイ3に前方走行環境情報表示OFF信号と障害物情報表示OFF信号とを出力してリターンする。
【0032】
上記ステップSB9の判定がNOであって設定時間が経過していないときには、ステップSB13(図10参照)に進んで、障害物検出フラグFkが1であるか否かを判定する。このステップSB13の判定がNOであってFk≠1のときには、ステップSB14に進む一方、ステップSB13の判定がYESであってFk=1のとき(前方走行環境情報の受信と障害物の検出とが略同時に発生したとき)には、ステップSB15に進む。
【0033】
上記ステップSB15では、上記前方走行環境情報及び障害物情報のうち少なくとも一方が新規な情報か否かを判定し、この判定がNOであって両方の情報が新規でないとき(前回と同じ情報であるとき)には、後述のステップSB17に進む一方、判定がYESであって少なくとも一方が新規な情報であるときには、ステップSB16に進んで、第2タイマーをスタートさせる。
【0034】
上記ステップSB16の後のステップSB17では、第2タイマーのスタートから所定時間が経過したか否かを判定する。この判定がNOであって所定時間が経過していないときには、ステップSB19に進んで、情報ディスプレイ3に前方走行環境情報表示OFF信号と障害物情報表示ON信号とを出力してリターンする一方、判定がYESであって所定時間が経過していないときには、ステップSB18に進む。
【0035】
上記ステップSB18では、上記参考形態におけるステップSA6と同様に、上記GPSセンサ27により検出された現在位置とCD−ROM28により記憶された道路地図情報とに基づいて、車両Cが特定環境内を走行中であるか否かを判定する。この判定がYESであって特定環境内を走行中であるときには、上記ステップSB19に進んで、情報ディスプレイ3に前方走行環境情報表示OFF信号と障害物情報表示ON信号とを出力してリターンする一方、判定がNOであって特定環境内を走行中でないときには、ステップSB20に進んで、情報ディスプレイ3に前方走行環境情報表示ON信号と障害物情報表示OFF信号とを出力してリターンする。
【0036】
上記ステップSB14では、上記ステップSB18と同様に、車両Cが特定環境内を走行中であるか否かを判定する。この判定がNOであって特定環境内を走行中でないときには、上記ステップSB20に進んで、情報ディスプレイ3に前方走行環境情報表示ON信号と障害物情報表示OFF信号とを出力してリターンする一方、判定がYESであって特定環境内を走行中であるときには、上記ステップSB12に進んで、情報ディスプレイ3に前方走行環境情報表示OFF信号と障害物情報表示OFF信号とを出力してリターンする。
【0037】
この参考形態では、CPU20は、前方走行環境情報の受信と障害物の検出とが略同時に発生したとき、上記前方走行環境情報の情報ディスプレイ3への表示を所定時間だけ遅延させて、該所定時間が経過するまで上記障害物情報を情報ディスプレイ3に表示するように構成されている。また、上記ステップSB18により、上記所定時間が経過した後であっても、車両Cが特定環境内を走行中であることが検出されたときには、CPU20による前方走行環境情報の情報ディスプレイ3への表示を規制する表示規制手段42が構成されている。
【0038】
したがって、上記参考形態では、前方走行環境情報の受信と障害物の検出とが略同時に発生した場合、車両Cがその前方走行環境情報による注意地点を越えていなければ、障害物情報が先に表示され、前方走行環境情報の表示は所定時間だけ遅延される。そして、この所定時間が経過した後であって特定環境内を走行中でないときには、上記障害物情報の表示に代わって前方走行環境情報の表示が行われる。一方、上記所定時間が経過した後であっても、特定環境内を走行中であるときには、前方走行環境情報の表示が規制されて障害物情報が表示されたままとなり、前方走行環境情報の表示はさらに遅延される。つまり、前方走行環境情報の表示が規制されたときには、車両Cが特定地点を越える(特定環境内の走行中ではないと判定される)まで前方走行環境情報の表示が遅延される。尚、上記所定時間は、ドライバが上記障害物情報の表示を確実に認識できる時間に設定される。
【0039】
また、前方走行環境情報が受信されて障害物が検出されていない場合には、上記参考形態と同様に、特定環境内を走行中であれば、前方走行環境情報の情報ディスプレイ3への表示が規制されて、その表示は行われない(このとき、上記参考形態のように、特定環境内を走行中であっても、注意地点までの距離が設定距離以下であるときには、注意地点にかなり近いことを音声によってドライバに警報して注意を促すようにしてもよい)。
【0040】
さらに、障害物が検出されて前方走行環境情報が受信されていない場合には、特定環境内を走行中であるか否かに関係なく、その障害物情報が情報ディスプレイ3に表示される。
【0041】
このように、前方走行環境情報の受信と障害物の検出とが略同時に発生したとき、前方走行環境情報よりも緊急度が高い障害物情報が先に表示され、所定時間が経過が経過した後、前方走行環境情報が表示されるので、ドライバは障害物に対して確実に対処することができる。そして、上記所定時間が経過した後であっても、車両Cが特定環境内を走行中であるときには、前方走行環境情報の表示が規制されるので、上記参考形態と同様の作用効果が得られる。
【0042】
実施形態
ここで、本発明の実施形態について説明する。図12及び図13は本発明の実施形態を示し、障害物情報を、画像及び音声の少なくとも一方を出力することにより車両Cのドライバに報知するようにしたものにおいて、特定環境内を走行中であるときには、音声出力を画像出力よりも優先させるようにしたものである。
【0043】
すなわち、この実施形態では、障害物センサ11、車速センサ26、GPSセンサ27及びCD−ROM28の各信号がCPU20に入力されるようになっており、これら各信号の入力に基づいてCPU20が後述の如く動作し、情報ディスプレイ3及び音声警報装置30に対しON信号又はOFF信号をそれぞれ出力することで、障害物情報を画像出力及び音声出力の一方により表示するようになっている。
【0044】
そして、CPU20は図13の如く動作する。つまり、最初のステップSC1で、GPSセンサ27により車両Cの現在位置を検出し、次のステップSC2で、障害物センサ11の検出結果を入力し、次のステップSC3で、車両Cに対して第1所定距離(上記参考形態における所定距離と同様)以内の前方に障害物が存在するか否かを判定する。この判定がNOであって第1所定距離以内の前方に障害物が存在しないときには、ステップSC9に進んで、情報ディスプレイ3及び音声警報装置30の両方に対しOFF信号を出力してリターンする一方、判定がYESであって第1所定距離以内の前方に障害物が存在するときには、ステップSC4に進んで、音声警報装置30にON信号を出力すると共に、情報ディスプレイ3にOFF信号を出力する。
【0045】
次のステップSC5では、車両Cに対して第2所定距離以内の前方に障害物が存在するか否かを判定する。この第2所定距離は、上記第1所定距離よりも小さい。この判定がNOであって第2所定距離以内の前方に障害物が存在しないとき(車両Cと障害物との距離が第2所定距離よりも大きくかつ第1所定距離以下のとき)には、そのままリターンする一方、判定がYESであって第2所定距離以内の前方に障害物が存在するときには、ステップSC6に進む。
【0046】
上記ステップSC6では、上記参考形態におけるステップSA6と同様に、車両Cが特定環境内を走行中であるか否かを判定する。この判定がYESであって特定環境内を走行中であるときには、そのままリターンする(車両Cと障害物との距離が第2所定距離よりも大きくかつ第1所定距離以下のときと同様に、音声警報装置30にON信号を出力すると共に、情報ディスプレイ3にOFF信号を出力する)一方、判定がNOであって特定環境内を走行中でないときには、ステップSC7に進んで、音声警報装置30にOFF信号を出力すると共に、情報ディスプレイ3にON信号を出力してリターンする(尚、ステップSC7で、音声警報装置30及び情報ディスプレイ3の両方にON信号を出力するようにしてもよい)。つまり、車両Cと障害物との距離が第2所定距離以下になったときに出力形態が音声出力から画像出力に切り換えられる。
【0047】
この実施形態では、情報ディスプレイ3及び音声警報装置30が、画像及び音声の少なくとも一方を出力することにより車両Cのドライバに障害物情報を報知する報知手段を構成しており、この報知手段は、車両Cと障害物との距離が第2所定距離以下になったときに出力形態を音声出力から画像出力に切り換えるように構成されている。また、ステップSC6により、車両Cが特定環境内を走行中であることが検出されたときに、上記報知手段の出力形態として音声出力を画像出力よりも優先させる音声出力優先手段43が構成され、この音声出力優先手段43は、車両Cが特定環境内を走行中であることが検出されたときに、車両Cと障害物との距離が第2所定距離以下になっても出力形態を音声出力から画像出力に切り換えないように構成されている。
【0048】
したがって、上記実施形態では、車両Cと障害物との距離が第2所定距離よりも大きくて第1所定距離以内の場合には、障害物情報が音声出力のみによりドライバに報知され、車両Cと障害物との距離が第2所定距離以内になって障害物にかなり接近した場合には、特定環境内を走行中でなければ、音声出力から情報量が多い画像出力に切り換えられて、障害物情報をドライバは確実に認識することができる。一方、車両Cが特定環境内を走行中であるときには、車両Cと障害物との距離が第2所定距離以内になっても、報知手段の出力形態は音声出力のままであるが、ドライバはその音声出力により障害物情報を認識することができると共に、周囲の安全確認に専念することができる。一方、たとえ障害物情報を音声出力により認識することができなくても、周囲の安全確認を行う状況であるので、ドライバ自身が障害物を発見することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車両の表示装置によると、レーダ手段により検出された障害物に関する障害物情報を、画像及び音声の少なくとも一方を出力することにより車両のドライバに報知する報知手段、車両が特定環境内を走行中であることが検出されたときに、上記報知手段の出力形態として音声出力を画像出力よりも優先させる音声出力優先手段とを備えるとともに、上記報知手段を、上記車両と障害物との距離が、第1所定距離よりも小さい距離である第2所定距離よりも大きくかつ第1所定距離以下であるときには、出力形態を音声出力にするとともに、車両と障害物との距離が第2所定距離以下になったときには、出力形態を音声出力から画像出力に切り換えるように構成し、上記音声出力優先手段を、上記車両が特定環境内を走行中であることが検出されたときには、車両と障害物との距離が第2所定距離以下になっても出力形態を音声出力から画像出力に切り換えないように構成したことにより、ドライバが安全確認を特に行う必要があるときに障害物情報の表示が規制されるので、ドライバがその表示に気を取られることはなくなり、安全性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考形態に係る表示装置が搭載された車両のインストルメントパネルの要部を示す正面図である。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 表示装置の各構成部品の車両での位置を示す平面図である。
【図4】 表示装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 前方走行環境情報の情報ディスプレイへの表示の一例を示す説明図である。
【図6】 CPUの表示制御動作を示すフローチャートである。
【図7】 車速と所定範囲の大きさとの関係を示すグラフである。
【図8】 参考形態を示す図4相当図である。
【図9】 参考形態を示す図6相当のフローチャートである。
【図10】 図9のフローチャートの一部から続くフローチャートである。
【図11】 障害物情報の情報ディスプレイへの表示の一例を示す説明図である。
【図12】 本発明の実施形態を示す図4相当図である。
【図13】 実施形態を示す図6相当のフローチャートである。
【符号の説明】
C 車両
3 情報ディスプレイ(表示手段)(報知手段)
11 障害物検出センサ(レーダ手段)
20 CPU(表示制御手段)
27 GPSセンサ(現在位置検出手段)
28 CD−ROM(道路情報記憶手段)
29 路車間通信ユニット(受信手段)
30 音声警報装置(報知手段)
41,42 表示規制手段
43 音声出力優先手段

Claims (1)

  1. 車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
    道路地図情報を記憶した道路情報記憶手段と、
    上記車両に設けられ、該車両の前方でかつ車両から第1所定距離以内に存在する障害物を検出するレーダ手段と、
    上記レーダ手段により検出された障害物に関する障害物情報を、画像及び音声の少なくとも一方を出力することにより上記車両のドライバに報知する報知手段と、
    上記現在位置検出手段により検出された現在位置と道路情報記憶手段により記憶された道路地図情報とに基づいて、上記車両が、該車両のドライバが車両進行方向とは異なる方向を見る必要がある特定環境内を走行中であることが検出されたときに、上記報知手段の出力形態として音声出力を画像出力よりも優先させる音声出力優先手段とを備え、
    上記報知手段は、上記車両と障害物との距離が、第1所定距離よりも小さい距離である第2所定距離よりも大きくかつ第1所定距離以下であるときには、出力形態を音声出力にするとともに、車両と障害物との距離が第2所定距離以下になったときには、出力形態を音声出力から画像出力に切り換えるように構成され、
    上記音声出力優先手段は、上記車両が特定環境内を走行中であることが検出されたときには、車両と障害物との距離が第2所定距離以下になっても出力形態を音声出力から画像出力に切り換えないように構成されていることを特徴とする車両の表示装置。
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