JP3941445B2 - 電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流電圧を整流平滑した直流電圧を高周波電圧に変換して負荷回路へ高周波電力を供給する電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電源装置として、図17に示すような回路構成のものが提案されている(特開2000−312483号公報参照)。
【0003】
この電源装置は、商用電源のような交流電源ACを全波整流するダイオードブリッジよりなる整流器DBを備え、整流器DBの出力端間にはダイオードD1,D2を介して一対のスイッチング素子Q1,Q2の直列回路が接続されている。ここに、スイッチング素子Q1,Q2にはMOSFETを用いており、それぞれ寄生ダイオードを有している(各MOSFETは、ソース−基板間を接続してあり、ドレインおよびソースにそれぞれカソードおよびアノードが接続された寄生ダイオードを有している)。
【0004】
ダイオードD1,D2は直列接続され、両ダイオードD1,D2の直列回路は、整流器DBの正極端と一方のスイッチング素子Q1のドレインとの間に接続されている。ダイオードD1,D2の接続点と整流器DBの負極端との間には平滑用のコンデンサ(平滑コンデンサ)C0が接続され、ダイオードD1,D2にはそれぞれコンデンサC1,C2が並列接続されている。
【0005】
整流器DBの正極端とダイオードD1との接続点とスイッチング素子Q1,Q2の接続点との間には、リーケージトランスであるトランスT1の1次巻線n1が挿入されている。トランスT1の2次巻線n2には負荷回路1が接続されている。ここにおいて、負荷回路1としてはトランスT1の2次巻線n2の両端にそれぞれフィラメントの一端が接続された放電ランプ(蛍光ランプ)FLと、放電ランプFLの各フィラメントの非電源側端間に接続された予熱用ないし共振用のコンデンサC3とを設けたものを用いており、トランスT1の漏れインダクタンスとコンデンサC3とにより共振回路が形成されている。また、上述の両スイッチング素子Q1,Q2は制御回路10により電源周波数よりも十分に高いスイッチング周波数で交互にオンオフされる。なお、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数は、1周期の間では交流電源ACの電源電圧Vsが一定と見なせる程度に設定されている。
【0006】
この回路構成において、定常状態での動作について図18を参照して簡単に説明する。なお、図18(a)はスイッチング素子Q1の両端電圧VQ1、同図(b)はスイッチング素子Q2の両端電圧VQ2、同図(c)はトランスT1の1次巻線n1に流れる電流IT1、同図(d)はスイッチング素子Q1に流れる電流IQ1、同図(e)はスイッチング素子Q2に流れる電流IQ2、同図(f)はコンデンサC1の両端電圧VC1、同図(g)はコンデンサC2の両端電圧VC2、同図(h)は整流器DBへの入力電流Iinである。
【0007】
図18における時刻t1においてスイッチング素子Q1がターンオフ、スイッチング素子Q2がターンオンすると、トランスT1に蓄積されていたエネルギが、トランスT1の1次巻線n1−ダイオードD1−コンデンサC0−スイッチング素子Q2−トランスT1の1次巻線n1の経路で電流が流れ、トランスT1を介して負荷回路1へ電力が供給される。次に、時刻t2においてトランスT1の蓄積エネルギが零になると、コンデンサC0を直流電源として、コンデンサC0−コンデンサC1−トランスT1の1次巻線n1−スイッチング素子Q2−コンデンサC0の経路で電流が流れ、トランスT1を介して負荷回路1に電力が供給される。
【0008】
そして、時刻t3においてコンデンサC0の両端電圧VC0とコンデンサC1の両端電圧VC1との和が整流器DBの出力電圧まで低下すると、交流電源AC−整流器DB−トランスT1の1次巻線n1−スイッチング素子Q2−整流器DB−交流電源ACの経路で電流が流れ、トランスT1を介して負荷回路1へ電力が供給されるとともに、交流電源ACから整流器DBに入力電流Iinが流れる(入力電流Iinを取り込む)。
【0009】
その後、時刻t4においてスイッチング素子Q2がオフすると、トランスT1に蓄積されていたエネルギが、トランスT1の1次巻線n1−スイッチング素子Q1の寄生ダイオード−コンデンサC2−コンデンサC0−整流器DB−交流電源AC−整流器DBの経路で電流が流れ、トランスT1を介して負荷回路1へ電力が供給されるとともに、交流電源ACから整流器DBに入力電流Iinが流れる(入力電流Iinを取り込む)。次に、時刻t5においてトランスT1に蓄積エネルギが零になると、コンデンサC1,C2が直流電源となり、コンデンサC1−コンデンサC2−スイッチング素子Q1−トランスT1の1次巻線n1−コンデンサC1の経路で電流が流れ、トランスT1を介して負荷回路1へ電力が供給される。
【0010】
その後、時刻t6においてコンデンサC2の充電電圧が零になると、コンデンサC1が直流電源となり、コンデンサC1−ダイオードD2−スイッチング素子Q1−トランスT1の1次巻線n1−コンデンサC1の経路で電流が流れ、トランスT1を介して負荷回路1へ電力が供給される。
【0011】
そして、時刻t7になると時刻t1における状態に戻り、上述の一連の動作を繰り返すことにより負荷回路1に交番した高周波電力が供給される。すなわち、交流電源ACの1周期において各部の動作波形は図19に示すようになる。なお、図19(a)はコンデンサC1の両端電圧VC1、同図(b)はコンデンサC2の両端電圧VC2、同図(c)はトランスT1の1次巻線n1の両端電圧VT1、同図(d)はスイッチング素子Q2に流れる電流IQ2、同図(e)は整流器DBへの入力電流Iin、同図(f)は負荷回路1に設けた放電ランプFLに流れる電流IFLである。なお、図17には図示していないが、この種の高周波電力を負荷回路1に与える回路では、交流電源ACへの高周波成分の混入を防止するために、交流電源ACと整流器DBとの間に高周波阻止用のフィルタ回路を挿入することが一般的に行われており、このようなフィルタ回路を設けることにより、交流電源ACからの入力電流Iinは図19(e)のような入力電流Iinの包絡線成分のみが抽出され、交流電源ACの電源電圧Vsにほぼ比例した入力電流が得られる。
【0012】
ところで、交流電源ACの電源電圧Vsが正弦波状に上昇および下降すると、コンデンサC1の両端電圧VC1が正弦波状に下降および上昇すると同時に、コンデンサC2の両端電圧VC2が正弦波状に上昇および下降することによって、トランスT1の1次巻線n1の両端電圧VT1の振幅をほぼ一定になるので、負荷回路1において放電ランプFLに流れる電流IFLの波高率が小さくなる。すなわち、図17に示した従来構成では、コンデンサC1の両端電圧とコンデンサC2の両端電圧とを加算してトランスT1の1次巻線n1の両端電圧VT1を振幅の変動の少ない高周波電圧とすることができ、負荷回路1に流れる電流IFLの波高率が小さくなっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図17に示した従来構成では、コンデンサC1の両端電圧VC1とコンデンサC2の両端電圧VC2とを加算してトランスT1の1次巻線n1の両端電圧VT1を一定の電圧とすることは困難であり、整流器DBから出力される脈流電圧の電圧値が高い期間(以下、脈流山部と称す)と整流器DBから出力される脈流電圧の電圧値が低い期間(以下、脈流谷部と称す)との間の位相においてトランスT1の1次巻線n1の両端電圧VT1の振幅が低下し、その結果、負荷回路1に流れる電流が減少し、放電ランプFLに流れるランプ電流も低下することになる。なお、蛍光ランプのような放電ランプFLは負性抵抗特性を有しているから、ランプ電流が減少すればランプ電圧が上昇する。つまり、負荷インピーダンスが増加する。
【0014】
また、脈流山部と脈流谷部の間の位相のようにトランスT1の1次巻線n1の両端電圧VT1が低下する期間では、負荷回路1に流れる共振電流が減少し、スイッチング素子Q2の回生電流が図19(d)のように脈流山部と脈流谷部との間の位相にて減少するので、負荷のインピーダンスの変化によってこの位相付近で回生電流が少なくなり、回生電流がなくなるとゼロ電圧スイッチング動作が崩れてスイッチング素子Q1,Q2のストレスもしくはノイズが増大してしまう問題が発生する恐れがあった。この種の問題は特に放電ランプのようにインピーダンスの変化する負荷に電力を供給する場合において顕著に現れる。
【0015】
また、平滑用のコンデンサC0の容量は有限であるから、コンデンサC0の両端電圧VC0が図20(a)に示すように交流電源ACの電源周波数(商用周波数)の2倍の周波数のリプル電圧成分を持つことになるので、同図(b)、(c)に示すコンデンサC1,C2の両端電圧VC1,VC2にもリプル電圧成分が重畳されてしまう。なお、図20(a)のおける一点鎖線はコンデンサC0の両端電圧VC0のリプル電圧成分が零の時の両端電圧VC0の電圧波形の包絡線を示している。また、同図(b)に示すコンデンサC1の両端電圧VC1、同図(c)に示すコンデンサC2の両端電圧VC2、同図(d)に示すトランスT1の1次巻線n1の両端電圧VT1、同図(e)に示すスイッチング素子Q2に流れる電流IQ2、同図(f)に示す放電ランプFLに流れる電流IFLそれぞれについても、コンデンサC0の両端電圧VC0のリプル電圧成分が零の時の動作波形を一点鎖線で示してある。
【0016】
コンデンサC0の両端電圧VC0が上述のリプル電圧成分を含んでいるので、コンデンサC0の両端電圧VC0がその平均値よりも大きい期間ではコンデンサC1の両端電圧VC1が小さくなり、コンデンサC0の両端電圧VC0がその平均値よりも小さい期間ではコンデンサC1の両端電圧VC1が大きくなる。同様に、コンデンサC0の両端電圧VC0がその平均値よりも大きい期間ではトランスT1の1次巻線n1の両端電圧VT1も小さくなり、コンデンサC0の両端電圧VC0がその平均値よりも小さい期間ではトランスT1の1次巻線n1の両端電圧VT1も大きくなる。したがって、コンデンサC0の両端電圧VC0がその平均値よりも小さ期間で且つ脈流山部と脈流谷部との間の位相においてトランスT1の1次巻線n1の両端電圧VT1が低下する期間ではスイッチング素子Q2に流れる電流IQ2(図20(e)参照)、トランスT1の1次巻線n1の両端電圧VT1(図20(d)参照)がさらに低下して出力電流IFL(図20(f)参照)も低下することになるので、出力電流の波高率の低減には限界がある。また、スイッチング素子Q2の回生電流もさらに小さくなり、上述のゼロ電圧スイッチング動作を満足しない領域に入る恐れが高まることになるという不具合があった。
【0017】
以上説明したように、上記従来構成の電源装置では、出力電流の波高率を十分に低減することができず、また、脈流山部と脈流谷部との間の位相においてゼロ電圧スイッチング動作が崩れてスイッチング素子Q1,Q2のストレスもしくはノイズが増加していまうという不具合があった。
【0018】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、負荷回路に流れる電流の波高率を低減でき且つ負荷のインピーダンスが変化してもスイッチング素子のストレスやノイズの増加を防止することができる電源装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、交流電源を整流する整流器と、整流器の一方の出力端に一端が接続された平滑コンデンサと、平滑コンデンサと整流器の他方の出力端との間に挿入され平滑コンデンサへ充電電流を流すことができる向きに接続された第1のダイオードと、第1のダイオードと平滑コンデンサとの接続点に一端が接続され第1のダイオードに直列接続された第2のダイオードと、第2のダイオードの他端と整流器の一方の出力端との間において直列接続されて交流電源の周波数よりも十分に高い周波数で交互にオンオフされ且つオン時とは逆向きの電流を流すことができる第1および第2のスイッチング素子と、整流器の他方の出力端と平滑コンデンサとの間に電圧調整用のインピーダンス要素を介して挿入された第1のコンデンサと、インピーダンス要素と第1のコンデンサとの接続点と第1および第2のスイッチング素子の接続点との間に1次巻線が挿入され2次出力を負荷回路に与えるトランスと、第2のダイオードに並列接続された第2のコンデンサとを備えることを特徴とするものであり、第1のコンデンサが整流器の他方の出力端と平滑コンデンサとの間に電圧調整用のインピーダンス要素を介して接続されているので、第1のコンデンサの電圧が整流器から出力される脈流電圧の瞬時値に応じて調整されることになり、脈流電圧の瞬時値が高い期間と低い期間との間の位相におけるトランスの1次巻線の両端電圧の低下を抑制することができ、結果的にこの位相における負荷回路に流れる電流の低下を抑制できて負荷回路に流れる電流の波高率を低減でき、また、負荷のインピーダンスが変化しても各スイッチング素子のストレスやノイズが増加するのを防止することができる。
【0020】
請求項2の発明は、交流電源を整流する整流器と、整流器の一方の出力端に一端が接続された平滑コンデンサと、整流器の他方の出力端と平滑コンデンサとの間に電圧調整用のインピーダンス要素を介して挿入され且つ平滑コンデンサへ充電電流を流すことができる向きに接続された第1のダイオードと、第1のダイオードと平滑コンデンサとの接続点に一端が接続され第1のダイオードに直列接続された第2のダイオードと、第2のダイオードの他端と整流器の一方の出力端との間において直列接続されて交流電源の周波数よりも十分に高い周波数で交互にオンオフされ且つオン時とは逆向きの電流を流すことができる第1および第2のスイッチング素子と、インピーダンス要素と第1のダイオードとの接続点と平滑コンデンサとの間に挿入された第1のコンデンサと、整流器の他方の出力端と第1および第2のスイッチング素子の接続点との間に1次巻線が挿入され2次出力を負荷回路に与えるトランスと、第2のダイオードに並列接続された第2のコンデンサとを備えることを特徴とするものであり、第1のダイオードが整流器の他方の出力端と平滑コンデンサとの間に電圧調整用のインピーダンス要素を介して接続され、平滑コンデンサが第1のダイオードと整流器の一方の出力端との間に接続され、第1のコンデンサがインピーダンス要素と第1のダイオードとの接続点と平滑コンデンサとの間に接続されているので、第1のコンデンサの電圧が整流器から出力される脈流電圧の瞬時値に応じて調整されることになり、脈流電圧の瞬時値が高い期間と低い期間との間の位相におけるトランスの1次巻線の両端電圧の低下を抑制することができ、結果的にこの位相における負荷回路に流れる電流の低下を抑制できて負荷回路に流れる電流の波高率を低減でき、また、負荷のインピーダンスが変化しても各スイッチング素子のストレスやノイズが増加するのを防止することができる。
【0021】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記インピーダンス要素は、インダクタよりなるので、第1のコンデンサへの充電電流がインダクタのインダクタンスによって徐々に増加することになるから、脈流電圧の瞬時値が低い期間付近での第1のコンデンサの電圧振幅を増大できるとともに、脈流電圧の瞬時値が高い期間付近での第1のコンデンサの電圧振幅の増大を抑えることができ、結果的に脈流電圧の瞬時値が高い期間と低い期間との間の位相におけるトランスの1次巻線の両端電圧の低下を抑制することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態の電源装置は、基本的に図1に示すように構成されており、商用電源のような交流電源ACを全波整流するダイオードブリッジよりなる整流器DBを備え、整流器DBの出力端間(つまり、正極端と負極端との間)にはダイオードD1,D2を介して一対のスイッチング素子Q1,Q2の直列回路が接続されている。ここに、スイッチング素子Q1,Q2にはMOSFETを用いており、それぞれ寄生ダイオードを備えている。
【0030】
ダイオードD1,D2は直列接続され、両ダイオードD1,D2の直列回路は、整流器DBの正極端と一方のスイッチング素子Q1のドレインとの間に接続されている。ダイオードD1,D2の接続点と整流器DBの負極端との間には平滑用のコンデンサ(平滑コンデンサ)C0が接続され、ダイオードD2にはコンデンサC2が並列接続されている。
【0031】
また、整流器DBの出力端間には電圧調整用のインピーダンス要素たるインピーダンス素子12とコンデンサC1との直列回路が接続されている。インピーダンス素子12とコンデンサC1との接続点とスイッチング素子Q1,Q2の接続点との間には、リーケージトランスであるトランスT1の1次巻線n1が挿入されている。トランスT1の2次巻線n2には負荷回路1が接続されている。ここにおいて、負荷回路1としてはトランスT1の2次巻線n2の両端にそれぞれフィラメントの一端が接続された放電ランプ(蛍光ランプ)FLと、放電ランプFLの各フィラメントの非電源側端間に接続された予熱用ないし共振用のコンデンサC3とを設けたものを用いており、トランスT1の漏れインダクタンスとコンデンサC3とにより共振回路が形成されている。また、上述の両スイッチング素子Q1,Q2は制御回路10により電源周波数よりも十分に高いスイッチング周波数で交互にオンオフされる。なお、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数は、1周期の間では交流電源ACの電源電圧Vsが一定と見なせる程度に設定されている。
【0032】
以下、本実施形態の電源装置の動作について説明するが、基本的には従来例(図17に示した従来構成の電源装置)の動作と同様なので、従来例の動作との相違点を中心に説明する。
【0033】
従来例では、スイッチング素子Q1がオンすると、コンデンサC1−コンデンサC2−スイッチング素子Q1−トランスT1の1次巻線n1−コンデンサC1の経路で電流が流れ、その後、コンデンサC1の両端電圧VC1が零になるとダイオードD1に電流が流れるモードにおいて、コンデンサC1とトランスT1の1次巻線n1との接続点の電位V1(コンデンサC1の両端電圧VC1)がコンデンサC0の両端電圧VC0でクランプされることになる。これに対して、本実施形態では、このモードにおいて、インピーダンス素子12によりコンデンサC1とトランスT1の1次巻線n1との接続点の電位V1が入力電圧の瞬時値に応じて調整される点に特徴がある。具体的には、インピーダンス素子12を設けたことによって、電位V1が上述の脈流谷部付近において高くなり、上述の脈流山部付近において従来例とほぼ同じになる(あまり変わらない)るように調整される(インピーダンス素子12が電圧調整手段を構成している)。このようなインピーダンス素子12を設けていることによって、電位V1は図2(a)に示すような包絡線の電圧となり、脈流山部と脈流谷部との間の位相におけるトランスT1の1次巻線n1の両端電圧VT1の低下を抑制することができる。なお、図2(a)はコンデンサC1とトランスT1の1次巻線n1との接続点の電位V1、同図(b)はコンデンサC2の両端電圧VC2、同図(c)はトランスT1の1次巻線n1の両端電圧VT1、同図(d)はスイッチング素子Q2に流れる電流IQ2、(e)は負荷回路1に流れる電流IFLを示しており、同図(a)〜(e)における一点鎖線は従来例における各部の動作波形の包絡線成分を示している。
【0034】
上述のように脈流山部と脈流谷部との間の位相におけるトランスT1の1次巻線n1の両端電圧VT1の低下を抑制することによって、当該位相での負荷回路1に流れる共振電流の低下を抑制することができ、スイッチング素子Q1のオフ時のスイッチング素子Q2の回生電流を確保することができるので、ゼロ電圧スイッチング動作が崩れることがなく、スイッチング素子Q1,Q2のストレスもしくはノイズの増加を防止することができる。
【0035】
さらに、脈流山部と脈流谷部の間の位相において、負荷回路1の共振電流の低下を抑制できるので、この位相における出力電流の低下を抑制でき、出力電流の波高率の更なる低減が可能となる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態では、脈流電圧の全周期においてスイッチング素子Q1,Q2のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行うことができ、出力電流の波高率の更なる低減が可能となる(トランスT1の1次電圧の波高値を交流電源ACの1周期にわたってほぼ一定にすることが可能であり、負荷回路1に流れる電流の波高率を下げることができる)。
【0037】
ところで、本実施形態の電源装置では、図1の回路におけるインピーダンス素子12は、図3に示すように、インダクタL10により構成されている。
【0038】
以下、図3の回路動作について従来例との相違点を中心に説明する。
【0039】
本実施形態の電源装置においても従来例と同様に、スイッチング素子Q2がオンすると、トランスT1に蓄積されていたエネルギによってスイッチング素子Q2に回生電流が流れ、その後、トランスT1の蓄積エネルギが零になると、コンデンサC1の電荷の放電が開始され、コンデンサC1の両端電圧が減少し、コンデンサC1の両端電圧が整流器DBの出力電圧以下になると、図4に破線イで示すように、交流電源AC−整流器DB−トランスT1の1次巻線n1−スイッチング素子Q2−整流器DB−交流電源ACの経路で電流が流れ始める(つまり、交流電源ACから整流器DBへ入力電流Iinが流れ始める)。しかしながら、本実施形態では、インダクタL10のインダクタンスによって入力電流Iinが徐々に増加するので、この後も図4に破線ロで示すように、コンデンサC1−トランスT1の1次巻線n1−コンデンサC1の経路でコンデンサC1からの放電が引き続き行われ、コンデンサC1の両端電圧は整流器DBの出力電圧(整流器DBの正極端の電位)よりもさらに低下する。
【0040】
その後、スイッチング素子Q2がオフすると、インダクタL10およびトランスT1に蓄積されていたエネルギによって、交流電源AC−インダクタL10−コンデンサC1−整流器DB−交流電源ACの経路と、交流電源AC−整流器DB−インダクタL10−トランスT1の1次巻線n1−スイッチング素子Q1の寄生ダイオード−コンデンサC2−コンデンサC0−整流器DB−交流電源ACの経路とで電流が流れ、入力電流Iinを引き込みつつ、コンデンサC1,C2,C0が充電される。
【0041】
ところで、脈流谷部においては、入力電流Iinが少ないので、インダクタL10に蓄積されていたエネルギでのコンデンサC1への充電による電圧増加は少ない。したがって、スイッチング素子Q1がオンしてインダクタL10およびトランスT1に蓄積されていたエネルギがなくなった後に、コンデンサC0−コンデンサC2−スイッチング素子Q1−トランスT1の1次巻線n1−コンデンサC1−コンデンサC0の経路でコンデンサC1への充電を始めるときのトランスT1の1次巻線n1に印加される電圧が高くなるので、共振電流の増加が可能である。また、コンデンサC1の両端電圧がコンデンサC0の両端電圧VC0に達すると、図5に破線イで示すように、コンデンサC2−スイッチング素子Q1−トランスT1の1次巻線n1−インダクタL10−ダイオードD1−コンデンサC2の経路で電流が流れ始めるが、この電流はインダクタL10のインダクタンスにより徐々に増加するので、コンデンサC1の充電はコンデンサC1の電圧がコンデンサC0の両端電圧VC0を超えた後もしばらく継続し、コンデンサC1の両端電圧はコンデンサC0の両端電圧VC0よりも高くなる。したがって、スイッチング素子Q1がオフ、スイッチング素子Q2がオンすると、コンデンサC1の両端電圧が高くなるので、共振電流および出力電流を増加させることが可能となる。
【0042】
一方、脈流山部においては、入力電流Iinが多いので、インダクタL10に蓄積されるエネルギも大きく、インダクタL10に蓄積されていたエネルギによるコンデンサC1の両端電圧の増加は大きい。したがって、スイッチング素子Q1がオンしてインダクタL10およびトランスT1に蓄積されていたエネルギが零になって、図5の破線ロで示すようにコンデンサC0−コンデンサC2−スイッチング素子Q1−トランスT1の1次巻線n1−コンデンサC1−コンデンサC0の経路でコンデンサC1への充電を始めるときのトランスT1の1次巻線n1に印加される電圧は脈流谷部のときに比べて小さく抑えることが可能である。また、コンデンサC1の電圧がコンデンサC0の両端電圧VC0に達した後も、脈流谷部のときと同様にコンデンサC1への充電は継続されるが、トランスT1の1次巻線n1に印加される電圧を低くしていることで共振電流が抑えられるので、コンデンサC1の電圧はコンデンサC0の電圧VC0よりも高くなるものの、脈流谷部での電圧よりも抑えられる。
【0043】
しかして、本実施形態では、脈流谷部付近でのコンデンサC1の電圧振幅を従来例に比べて大きくする一方で脈流山部付近でのコンデンサC1の電圧振幅が大きくなるのを抑えることによって、トランスT1の1次巻線n1の両端電圧の振幅を図2(c)に示すようにほぼ一定にすることができ、負荷回路1に流れる電流IFLの振幅を図2(e)に示すようにほぼ一定にすることができて波高率を低減できる。
【0044】
(実施形態2)
本実施形態の電源装置は基本的に図6に示すように構成されており、実施形態1で説明したコンデンサC1をインピーダンス素子12とトランスT1の1次巻線n1との接続点と、ダイオードD1,D2の接続点との間に接続している点が相違する。なお、トランスT1には実施形態1と同様にリーケージトランスを用い、また負荷回路1には実施形態1と同様の放電ランプFLを含む構成としている。
【0045】
この構成においても、実施形態1と同様に、整流器DBから出力される脈流電圧の全周期においてスイッチング素子Q1,Q2のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行うことができ、出力電流の波高率の更なる低減が可能となる。
【0046】
(実施形態3)
本実施形態の電源装置は基本的に図7に示すように構成されており、商用電源のような交流電源ACを全波整流するダイオードブリッジよりなる整流器DBを備え、整流器DBの出力端間(つまり、正極端と負極端との間)には電圧調整用のインピーダンス要素たるインピーダンス素子12およびダイオードD1,D2を介して一対のスイッチング素子Q1,Q2の直列回路が接続されている。ここに、スイッチング素子Q1,Q2にはMOSFETを用いており、それぞれ寄生ダイオードを備えている。
【0047】
ダイオードD1,D2は直列接続され、両ダイオードD1,D2の直列回路は、インピーダンス素子12を介して整流器DBの正極端と一方のスイッチング素子Q1のドレインとの間に挿入されている。ダイオードD1,D2の接続点と整流器DBの負極端との間には平滑用のコンデンサ(平滑コンデンサ)C0が接続され、ダイオードD2にはコンデンサC2が並列接続されている。
【0048】
また、整流器DBの出力端間にはインピーダンス素子12とコンデンサC1との直列回路が接続されており、インピーダンス素子12とコンデンサC1との接続点に上記ダイオードD1のアノードが接続されている。
【0049】
また、整流器DBの正極端とスイッチング素子Q1,Q2の接続点との間には、リーケージトランスであるトランスT1の1次巻線n1が挿入されている。トランスT1の2次巻線n2には負荷回路1が接続されている。ここにおいて、負荷回路1としてはトランスT1の2次巻線n2の両端にそれぞれフィラメントの一端が接続された放電ランプ(蛍光ランプ)FLと、放電ランプFLの各フィラメントの非電源側端間に接続された予熱用ないし共振用のコンデンサC3とを設けたものを用いており、トランスT1の漏れインダクタンスとコンデンサC3とにより共振回路が形成されている。上述の両スイッチング素子Q1,Q2は制御回路10により電源周波数よりも十分に高いスイッチング周波数で交互にオンオフされる。なお、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数は、1周期の間では交流電源ACの電源電圧Vsが一定と見なせる程度に設定されている。
【0050】
以下、本実施形態の電源装置の動作について説明するが、基本的には従来例(図17に示した従来構成の電源装置)の動作と同様なので、従来例の動作との相違点を中心に説明する。
【0051】
従来例では、スイッチング素子Q1がオンすると、コンデンサC1−コンデンサC2−スイッチング素子Q1−トランスT1の1次巻線n1−コンデンサC1の経路で電流が流れ、その後、コンデンサC1の両端電圧VC1が零になるとダイオードD1に電流が流れるモードにおいて、ダイオードD1とコンデンサC1とトランスT1の1次巻線n1との接続点の電位V1(コンデンサC1の両端電圧VC1)がコンデンサC0の両端電圧VC0でクランプされることになる。これに対して、本実施形態では、実施形態1と同様に、このモードにおいて、インピーダンス素子12によりトランスT1の1次巻線n1のコンデンサC1側の電位V1が入力電圧の瞬時値に応じて調整される点に特徴がある。具体的には、インピーダンス素子12を設けたことによって、電位V1が上述の脈流谷部付近において高くなり、上述の脈流山部付近において従来例とほぼ同じになる(従来例とあまり変わらない)ように調整される(インピーダンス素子12が電圧調整手段を構成している)。このようなインピーダンス素子12を設けていることによって、実施形態1と同様、電位V1は図2(a)に示すような包絡線の電圧となり、脈流山部と脈流谷部との間の位相におけるトランスT1の1次巻線n1の両端電圧VT1の低下を抑制することができる。このように脈流山部と脈流谷部との間の位相におけるトランスT1の1次巻線n1の両端電圧VT1の低下を抑制することによって、当該位相での負荷回路1に流れる共振電流の低下を抑制することができ、スイッチング素子Q1のオフ時のスイッチング素子Q2の回生電流を確保することができるので、ゼロ電圧スイッチング動作が崩れることがなく、スイッチング素子Q1,Q2のストレスもしくはノイズの増加を防止することができる。
【0052】
さらに、脈流山部と脈流谷部の間の位相において、負荷回路1の共振電流の低下を抑制できるので、この位相における出力電流の低下を抑制でき、出力電流波高率の更なる低減が可能となる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態では、脈流電圧の全周期においてスイッチング素子Q1,Q2のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行うことができ、出力電流の波高率の更なる低減が可能となる(トランスT1の1次電圧の波高値を交流電源ACの1周期にわたってほぼ一定にすることが可能であり、負荷回路1に流れる電流の波高率を下げることができる)。
【0054】
ところで、本実施形態の電源装置では、図7の回路におけるインピーダンス素子12は、図8に示すように、インダクタL10により構成されている。
【0055】
以下、図8の回路動作について従来例との相違点を中心に説明する。
【0056】
本実施形態の電源装置においても従来例と同様に、スイッチング素子Q2がオンすると、トランスT1とインダクタL10に蓄積されていたエネルギによってスイッチング素子Q2に回生電流が流れ、トランスT1およびインダクタL10に蓄積されていたエネルギが零になると、コンデンサC1の電荷の放電が開始され、コンデンサC1の両端電圧が減少し、インダクタL10とコンデンサC1の直列回路の両端電圧が整流器DBの出力電圧以下になると、図9に破線イで示すように、交流電源AC−整流器DB−トランスT1の1次巻線n1−スイッチング素子Q2−整流器DB−交流電源ACの経路で電流が流れ始める(つまり、交流電源ACから整流器DBへ入力電流Iinが流れ始める)。しかしながら、本実施形態では、インダクタL10の電流がなくなるまで、図9に破線ロで示すように、コンデンサC1−トランスT1の1次巻線n1−コンデンサC1の経路でコンデンサC1からの放電が引き続き行われ、コンデンサC1の両端電圧は整流器DBの出力電圧(整流器DBの正極端の電位)よりもさらに低下する。
【0057】
その後、スイッチング素子Q2がオフすると、トランスT1に蓄積されていたエネルギによって、交流電源AC−整流器DB−トランスT1の1次巻線n1−スイッチング素子Q1の寄生ダイオード−コンデンサC2−コンデンサC0−整流器DB−交流電源ACの経路で電流が流れ、入力電流Iinを引き込みつつ、コンデンサC0,C2が充電される。また、インダクタL10に流れる電流の向きが反転していれば、交流電源AC−インダクタL10−コンデンサC1−整流器DB−交流電源ACの経路にて入力電流Iinを引き込みつつ、コンデンサC1が充電される。
【0058】
ところで、脈流谷部においては、入力電流Iinが少ないので、インダクタL10に蓄積されていたエネルギでのコンデンサC1への充電による電圧増加は少ない。したがって、スイッチング素子Q1がオンしてインダクタL10およびトランスT1に蓄積されていたエネルギがなくなった後に、コンデンサC0−コンデンサC2−スイッチング素子Q1−トランスT1の1次巻線n1−インダクタL10−コンデンサC1−コンデンサC0の経路でコンデンサC1への充電を始めるときのトランスT1の1次巻線n1に印加される電圧が高くなるので、共振電流の増加が可能である。
【0059】
一方、脈流山部においては、入力電流Iinが多いので、インダクタL10に蓄積されるエネルギも大きく、インダクタL10に蓄積されていたエネルギによるコンデンサC1の両端電圧の増加は大きい。したがって、スイッチング素子Q1がオンしてインダクタL10およびトランスT1に蓄積されていたエネルギが零になって、コンデンサC0−コンデンサC2−スイッチング素子Q1−トランスT1の1次巻線n1−インダクタL10−コンデンサC1−コンデンサC0の経路でコンデンサC1への充電を始めるときのトランスT1の1次巻線n1に印加される電圧は脈流谷部のときに比べて小さく抑えることが可能である。
【0060】
しかして、本実施形態では、脈流谷部付近でのコンデンサC1の電圧振幅を従来例に比べて大きくする一方で脈流山部付近でのコンデンサC1の電圧振幅が大きくなるのを抑えることによって、トランスT1の1次巻線n1の両端電圧を図2(c)に示すようにほぼ一定にすることができ、負荷回路1に流れる電流IFLの振幅を図2(e)に示すようにほぼ一定にすることができて波高率を低減できる。
【0061】
(実施形態4)
本実施形態の電源装置は基本的に図10に示すように構成されており、実施形態3で説明したコンデンサC1をダイオードD1に並列接続している点が相違する。すなわち、本実施形態では、コンデンサC1が、ダイオードD1とインピーダンス素子12との接続点と整流器DBの負極端との間にコンデンサC0を介して接続されている。なお、トランスT1には実施形態3と同様にリーケージトランスを用い、また負荷回路1には実施形態3と同様の放電ランプFLを含む構成としている。
【0062】
この構成においても、実施形態3と同様に、脈流電圧の全周期においてスイッチング素子Q1,Q2のゼロ電圧スイッチング動作を確実に行うことができ、出力電流の波高率の更なる低減が可能となる。
【0063】
(参考例1)
本参考例の基本構成は実施形態1と略同じであって、図11に示すように、トランスT1の1次巻線n1に中間タップを設け、ダイオードD1を介して平滑用のコンデンサ(平滑コンデンサ)C0を充電するループを設けた点に特徴がある。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付してある。
【0067】
(参考例2)
本参考例の基本構成は実施形態1と略同じであって、図12に示すように、トランスT1の1次巻線n1に中間タップを設け、中間タップと整流器DBの負極端との間にコンデンサC1を接続した点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付してある。
【0071】
(参考例3)
本参考例の基本構成は実施形態1と略同じであって、図13に示すように、トランスT1の1次巻線n1に中間タップを設け、中間タップと整流器DBの負極端との間にコンデンサC1を接続している点、ダイオードD1と1次巻線n1との接続点と中間タップとの間にコンデンサC13を接続している点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付してある。
【0075】
(参考例4)
本参考例の基本構成は実施形態1と略同じであって、図14に示すように、コンデンサC1として電圧依存性を有する可変容量素子(例えば、可変容量ダイオード)を用いる点が相違する。ここにおいて、可変容量素子としては、印加電圧が高くなると容量が減少し、印加電圧が低くなると容量が増加する特性を有するものを用いている。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付してある。
【0079】
(参考例5)
本参考例の基本構成は実施形態1と略同じであって、図15に示すように、整流器DBの正極端とトランスT1の1次巻線n1との間にコンデンサC14を挿入してある。ここにおいて、コンデンサC14としては比較的大きな容量のコンデンサを用いている。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付してある。
【0083】
(参考例6)
本参考例の基本構成は実施形態1と略同じであって、図16に示すように、コンデンサC1に直列接続されるコンデンサC15を設け、整流器DBとトランスT1の1次巻線n1との接続点と、整流器DBの負極端との間にコンデンサC15とコンデンサC1との直列回路を接続し、ダイオードD1をコンデンサC1,C15の接続点とコンデンサC0との間に挿入している点が相違する。本実施形態では、実施形態3におけるインピーダンス素子12をコンデンサC15により構成している。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付してある。
【0087】
【発明の効果】
請求項1の発明は、交流電源を整流する整流器と、整流器の一方の出力端に一端が接続された平滑コンデンサと、平滑コンデンサと整流器の他方の出力端との間に挿入され平滑コンデンサへ充電電流を流すことができる向きに接続された第1のダイオードと、第1のダイオードと平滑コンデンサとの接続点に一端が接続され第1のダイオードに直列接続された第2のダイオードと、第2のダイオードの他端と整流器の一方の出力端との間において直列接続されて交流電源の周波数よりも十分に高い周波数で交互にオンオフされ且つオン時とは逆向きの電流を流すことができる第1および第2のスイッチング素子と、整流器の他方の出力端と平滑コンデンサとの間に電圧調整用のインピーダンス要素を介して挿入された第1のコンデンサと、インピーダンス要素と第1のコンデンサとの接続点と第1および第2のスイッチング素子の接続点との間に1次巻線が挿入され2次出力を負荷回路に与えるトランスと、第2のダイオードに並列接続された第2のコンデンサとを備えるものであり、第1のコンデンサが整流器の他方の出力端と平滑コンデンサとの間に電圧調整用のインピーダンス要素を介して接続されているので、第1のコンデンサの電圧が整流器から出力される脈流電圧の瞬時値に応じて調整されることになり、脈流電圧の瞬時値が高い期間と低い期間との間の位相におけるトランスの1次巻線の両端電圧の低下を抑制することができ、結果的にこの位相における負荷回路に流れる電流の低下を抑制できて負荷回路に流れる電流の波高率を低減できるという効果があり、また、負荷のインピーダンスが変化しても各スイッチング素子のストレスやノイズが増加するのを防止することができるという効果がある。
【0088】
請求項2の発明は、交流電源を整流する整流器と、整流器の一方の出力端に一端が接続された平滑コンデンサと、整流器の他方の出力端と平滑コンデンサとの間に電圧調整用のインピーダンス要素を介して挿入され且つ平滑コンデンサへ充電電流を流すことができる向きに接続された第1のダイオードと、第1のダイオードと平滑コンデンサとの接続点に一端が接続され第1のダイオードに直列接続された第2のダイオードと、第2のダイオードの他端と整流器の一方の出力端との間において直列接続されて交流電源の周波数よりも十分に高い周波数で交互にオンオフされ且つオン時とは逆向きの電流を流すことができる第1および第2のスイッチング素子と、インピーダンス要素と第1のダイオードとの接続点と平滑コンデンサとの間に挿入された第1のコンデンサと、整流器の他方の出力端と第1および第2のスイッチング素子の接続点との間に1次巻線が挿入され2次出力を負荷回路に与えるトランスと、第2のダイオードに並列接続された第2のコンデンサとを備えるものであり、第1のダイオードが整流器の他方の出力端と平滑コンデンサとの間に電圧調整用のインピーダンス要素を介して接続され、平滑コンデンサが第1のダイオードと整流器の一方の出力端との間に接続され、第1のコンデンサがインピーダンス要素と第1のダイオードとの接続点と平滑コンデンサとの間に接続されているので、第1のコンデンサの電圧が整流器から出力される脈流電圧の瞬時値に応じて調整されることになり、脈流電圧の瞬時値が高い期間と低い期間との間の位相におけるトランスの1次巻線の両端電圧の低下を抑制することができ、結果的にこの位相における負荷回路に流れる電流の低下を抑制できて負荷回路に流れる電流の波高率を低減できるという効果があり、また、負荷のインピーダンスが変化しても各スイッチング素子のストレスやノイズが増加するのを防止することができるという効果がある。
【0089】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記インピーダンス要素は、インダクタよりなるので、第1のコンデンサへの充電電流がインダクタのインダクタンスによって徐々に増加することになるから、脈流電圧の瞬時値が低い期間付近での第1のコンデンサの電圧振幅を増大できるとともに、脈流電圧の瞬時値が高い期間付近での第1のコンデンサの電圧振幅の増大を抑えることができ、結果的に脈流電圧の瞬時値が高い期間と低い期間との間の位相におけるトランスの1次巻線の両端電圧の低下を抑制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1を示す概略回路図である。
【図2】 同上の動作説明図である。
【図3】 同上の具体回路図である。
【図4】 同上の動作説明図である。
【図5】 同上の動作説明図である。
【図6】 実施形態2を示す概略回路図である。
【図7】 実施形態3を示す概略回路図である。
【図8】 同上の具体回路図である。
【図9】 同上の動作説明図である。
【図10】 実施形態4を示す概略回路図である。
【図11】 参考例1を示す具体回路図である。
【図12】 参考例2を示す具体回路図である。
【図13】 参考例3を示す具体回路図である。
【図14】 参考例4を示す具体回路図である。
【図15】 参考例5を示す回路図である。
【図16】 参考例6を示す回路図である。
【図17】 従来例を示す回路図である。
【図18】 同上の動作説明図である。
【図19】 同上の動作説明図である。
【図20】 同上の動作説明図である。
【符号の説明】
1 負荷回路
10 制御回路
12 インピーダンス素子
AC 交流電源
C0 コンデンサ
C1 コンデンサ
C2 コンデンサ
C3 コンデンサ
D1 ダイオード
D2 ダイオード
DB 整流器
FL 放電ランプ
Q1,Q2 スイッチング素子
T1 トランス
Claims (3)
- 交流電源を整流する整流器と、整流器の一方の出力端に一端が接続された平滑コンデンサと、平滑コンデンサと整流器の他方の出力端との間に挿入され平滑コンデンサへ充電電流を流すことができる向きに接続された第1のダイオードと、第1のダイオードと平滑コンデンサとの接続点に一端が接続され第1のダイオードに直列接続された第2のダイオードと、第2のダイオードの他端と整流器の一方の出力端との間において直列接続されて交流電源の周波数よりも十分に高い周波数で交互にオンオフされ且つオン時とは逆向きの電流を流すことができる第1および第2のスイッチング素子と、整流器の他方の出力端と平滑コンデンサとの間に電圧調整用のインピーダンス要素を介して挿入された第1のコンデンサと、インピーダンス要素と第1のコンデンサとの接続点と第1および第2のスイッチング素子の接続点との間に1次巻線が挿入され2次出力を負荷回路に与えるトランスと、第2のダイオードに並列接続された第2のコンデンサとを備えることを特徴とする電源装置。
- 交流電源を整流する整流器と、整流器の一方の出力端に一端が接続された平滑コンデンサと、整流器の他方の出力端と平滑コンデンサとの間に電圧調整用のインピーダンス要素を介して挿入され且つ平滑コンデンサへ充電電流を流すことができる向きに接続された第1のダイオードと、第1のダイオードと平滑コンデンサとの接続点に一端が接続され第1のダイオードに直列接続された第2のダイオードと、第2のダイオードの他端と整流器の一方の出力端との間において直列接続されて交流電源の周波数よりも十分に高い周波数で交互にオンオフされ且つオン時とは逆向きの電流を流すことができる第1および第2のスイッチング素子と、インピーダンス要素と第1のダイオードとの接続点と平滑コンデンサとの間に挿入された第1のコンデンサと、整流器の他方の出力端と第1および第2のスイッチング素子の接続点との間に1次巻線が挿入され2次出力を負荷回路に与えるトランスと、第2のダイオードに並列接続された第2のコンデンサとを備えることを特徴とする電源装置。
- 前記インピーダンス要素は、インダクタよりなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電源装置。
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