JP3755371B2 - 電源装置 - Google Patents

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  • Discharge-Lamp Control Circuits And Pulse- Feed Circuits (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流電力の直流電力への整流平滑を行い、この整流平滑で得た直流電圧を高周波電圧に変換して負荷回路に高周波電力を供給する電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図54はこのような従来の電源装置の概略構成図である(特願平9−88526号などを参照)。
【0003】
この回路構成は交流電源ACを全波整流する整流器DBを有し、この整流器DBの出力端間には容量の比較的小さいコンデンサC1が接続される。また、平滑用のコンデンサC2と、このコンデンサC2と並列接続される一対のトランジスタTr1,Tr2の直列回路とを備え、コンデンサC2の低電位側端子は整流器DBの低電位側の直流出力端子に接続される。整流器DBの高電位側の直流出力端子とトランジスタTr1,Tr2の接続点との間にトランスT1の1次巻線が接続される。トランスT1の2次巻線に負荷回路11が接続され、この負荷回路11はトランスT1の2次巻線の両端にそれぞれフィラメントの一端が接続された放電ランプ(蛍光ランプ)FLと、放電ランプFLの各フィラメントの非電源装置側端間に接続した予熱・共振用のコンデンサC111とを設けたものを用いており、トランスT1の漏れインダクタンスとコンデンサC111とにより共振回路が構成される。また、図54では、トランジスタTr1,Tr2にバイポーラトランジスタを用いており、それぞれダイオードD1,D2が逆並列に接続される。トランジスタTr1,Tr2は制御回路(図示せず)により電源周波数よりも十分高いスイッチング周波数で交互にオン/オフされる。
【0004】
いま、定常状態の動作について考えると、定常吠態ではコンデンサC2は充電されているから、トランジスタTr1がオンになると、コンデンサC2、トランジスタTr1、トランスT1の1次巻線、コンデンサC1およびコンデンサC2の経路で電流が流れ、トランスT1を介して負荷回路11へ電力が供給される。このとき、コンデンサC2の両端電圧VC2はトランスT1の漏れインダクタンスとの共振により上昇する。トランジスタTr1がオフするとトランスT1の1次巻線に蓄積されたエネルギーが放出され、トランスT1、コンデンサC1、ダイオードD2およびトランスT1の経路で電流が流れ続け、コンデンサC1の両端電圧がさらに上昇する。
【0005】
続いてトランジスタTr2がオンすると、トランスT1の漏れインダクタンスとコンデンサC111,C1との共振作用により、コンデンサC1、トランスT1、トランジスタTr2およびコンデンサC1の経路で共振電流が流れる。このとき、コンデンサC1の両端電圧VC1が下降し始め、この両端電圧が整流器DBの直流出力電圧よりも低くなると、交流電源ACから入力電流が引き込まれて、交流電源AC、整流器DB、トランスT1、トランジスタTr2、整流器DBおよび交流電源ACの経路で電流が流れる。そして、トランジスタTr2がオフすると、交流電源AC、整流器DB、トランスT1、ダイオードD1、コンデンサC2、整流器DBおよび交流電源ACの経路で電流が流れ続け、トランジスタTr1をオンすると最初の状態に戻る。
【0006】
図55は交流電源ACの電圧Vsの1周期にわたる動作波形図を示しており、上から順番に、コンデンサC1の両端電圧VC1の波形、トランスT1の1次巻線に流れる電流IT1の波形、交流電源ACからの入力電流Iinの波形、および負荷回路11の放電ランプFLに流れるランプ電流IFLの波形を示している。
【0007】
ところで、図54には示していないが、この種の高周波電力を負荷回路11に与える回路では、交流電源ACヘの高周波成分の混入を防止するために、交流電源ACと整流器DBとの間に高周波阻止用のフィルタ回路を挿入することが一般的に行なわれている。このようなフィルタ回路を設けることにより、交流電源ACからの入力電流Iinは図55の一番下の正弦波状の波形になる。すなわち、図55に示した「Iinフィルタなし」の包絡線成分のみが抽出され、交流電源ACの電圧Vsにほぼ比例した入力電流が得られる。
【0008】
また、入力電流波形はコンデンサC1の容量が重要な因子となる。例えば、コンデンサC2の両端電圧の振幅が大きくなるときには、図56(a)のように交流電源ACから高周波阻止用フィルタヘの入力電流Iinが流れている期間に極性が反転して大きなノイズが発生する。また、コンデンサC1の両端電圧の振幅が小さくなるときには、図56(c)のように高周波阻止用フィルタヘの入力電流に休止区間が生じる。いずれの場合も交流電源ACに対してノイズが混入するので、図56(b)のような入力電流となるようにコンデンサC1の容量を設定することで、入力電流高調波が低減されるだけでなく、入力力率も高くなる。
【0009】
なお、特開平10−14257号公報には、整流器の出力端子およびダイオードの接点と、カップリングコンデンサおよびインダクタからなる直列回路との間に、第2のインピーダンス要素を接続すると共に、ダイオードを介して第2のインピーダンスの両端に、負荷回路を接続して成る電源装置が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図54に示す従来の電源装置において、トランスT1の1次巻線に印加される電圧は、電圧VC2と電圧VC1の差の電圧であり、電圧VC2はほぼ一定の直流電圧であるから、電圧VC1から直流成分を除いた波形となる。このため、負荷電流IFLは図55に示すように脈流谷部で高く、脈流山部で小さくなる。負荷電流IFLの波高率を下げようとすると、電圧VC2を高くしなければならず、コンデンサC2の高耐圧化によるコストアップとなる。また、トランジスタTr2のオン時に入力電流と共振電流が足し合わされるため、トランジスタTr2がオフする瞬間のトランジスタTr2に流れる電流は大きくなる。特に入力電流がピークとなる脈流山部で非常に大きくなる。このため、高VC2とスイッチ電流大によりトランジスタTr2のスイッチング損失が大きくなり、回路効率が低くなるという課題があった。
【0011】
本発明の目的とするところは、入力電流高調波が少なく、平滑コンデンサの電圧が低くとも負荷回路に流れる電流の波高率が小さく、スイッチング素子の損失を低減した電源装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1記載の発明の電源装置は、交流電力を直流電力に整流する整流器と、前記整流器の一方の出力端子と順方向に一端が接続される第1ダイオードと、前記第1ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に接続される平滑コンデンサと、前記第1ダイオードの他端と順方向に一端が接続される第2ダイオードと、前記第2ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に直列接続される一対のスイッチング素子と、前記一対のスイッチング素子の各々と逆並列接続されるダイオードと、前記一対のスイッチング素子の接続点と前記整流器の一方の出力端子との間に接続される1次巻線を有するとともに負荷回路と接続される2次巻線を有するトランスと、前記第1および第2ダイオードとそれぞれ並列接続される第1および第2コンデンサとを備えるものである。
【0013】
この構成では、第1および第2コンデンサに生じる電圧によって、トランスの1次巻線に印加する電圧の波高値がほぼ一定になり、負荷回路に流れる電流の波高率が小さくなる。この結果、スイッチング素子の損失低減が可能になる。
【0014】
請求項2記載の発明の電源装置は、交流電力を直流電力に整流する整流器と、前記整流器の一方の出力端子と順方向に一端が接続される第1ダイオードと、前記第1ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に接続される平滑コンデンサと、前記第1ダイオードの他端と順方向に一端が接続される第2ダイオードと、前記第2ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に直列接続される一対のスイッチング素子と、前記一対のスイッチング素子の各々と逆並列接続されるダイオードと、前記一対のスイッチング素子の接続点と前記整流器の一方の出力端子との間に接続される1次巻線を有するとともに負荷回路と接続される2次巻線を有するトランスと、前記整流器の両出力端子間に接続される第1コンデンサと、前記第2ダイオードと並列接続される第2コンデンサとを備えるものである。
【0015】
この構成でも、第1および第2コンデンサに生じる電圧によって、トランスの1次巻線に印加する電圧の波高値がほぼ一定になり、負荷回路に流れる電流の波高率が小さくなる。この結果、スイッチング素子の損失低減が可能になる。
【0016】
なお、前記1次巻線と並列接続される第1インダクタを備える構成でもよい(請求項3)。この構成でも、負荷回路に流れる電流の波高率低減およびスイッチング素子の損失低減が可能になる。
【0017】
また、前記2次巻線と直列接続される第2インダクタを備え、前記負荷回路は、負荷とコンデンサとの並列回路により構成され、前記2次巻線および第2インダクタの両端間に接続される構成でもよい(請求項4)。この構成でも、負荷回路に流れる電流の波高率低減およびスイッチング素子の損失低減が可能になる。
【0018】
また、前記トランスは前記第2インダクタとしての漏れインダクタンス成分を有する構成でもよい(請求項5)。この構成でも、負荷回路に流れる電流の波高率低減およびスイッチング素子の損失低減が可能になる。
【0019】
また、前記一対のスイッチング素子に対して、スイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方を変更可能にオン/オフ制御を行う制御手段を備える構成でもよい(請求項6)。この構成によれば、負荷回路への供給電力量の調整が可能になる。また、負荷回路が放電ランプを含む場合には、先行予熱、始動並びに調光点灯などの制御が可能になる。さらに、消費電力の変動に起因する直流電圧の異常昇圧によるスイッチング素子などの破壊防止が可能になる。
【0020】
また、前記交流電力の電圧変動に応じてスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方を変更して、前記一対のスイッチング素子に対するオン/オフ制御を行う制御手段を備え、前記制御手段は、前記負荷回路に定格出力を供給しているときは前記オンデューティ比を主体に制御する一方、前記負荷回路への出力を低下させたときは前記スイッチング周波数を主体に制御する構成でもよい(請求項7)。この構成によれば、交流電力の電圧が変動しても負荷電流を許容範囲内に納めることが可能となる。
【0021】
また、前記平滑コンデンサの両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の検出結果に応じてスイッチング周波数およびデューティ比の少なくとも一方を変更可能に前記一対のスイッチング素子に対するオン/オフ制御を行う制御手段とを備える構成でもよい(請求項8)。この構成では、回路が正常に動作している場合には、検出電圧が所定レベルになるように制御することで負荷回路に安定出力が得られ、負荷回路が放電ランプを含む場合には照明のちらつきを抑制することができる。また、回路に異常が発生した場合には、電圧の異常昇圧を検出して発振を停止するなどの制御を行うことで、過電圧による素子の破壊防止が可能になる。
【0022】
また、印加電圧を所定電圧に制限するクランプ回路を備える構成でもよい(請求項9)。この構成によれば、回路素子への過電圧の印加防止および回路素子の破壊防止が可能になる。
【0023】
また、前記一対のスイッチング素子の少なくとも一方と、少なくとも高周波的に並列接続されるコンデンサを備える構成でもよい(請求項10)。この構成によれば、スイッチング素子の損失低減、回路効率の向上、およびノイズやコストの低減が可能になる。
【0024】
また、前記1次巻線を介して前記整流器の両出力端子間に接続されるスイッチング素子に対して、このスイッチング素子の電圧と前記平滑コンデンサの両端電圧とがほぼ等しい場合にオン制御を行う制御手段を備える構成でもよい(請求項11)。この構成によれば、スイッチオン時の損失増加の抑制が可能になる。
【0025】
また、前記1次巻線を介して前記整流器の両出力端子間に接続されるスイッチング素子の両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の検出結果を利用して前記一対のスイッチング素子のオン/オフ制御を行う制御手段とを備える構成でもよい(請求項12)。この構成によれば、スイッチオン時の損失増加の抑制が可能になる。
【0026】
また、前記負荷回路は少なくとも2つの共振周波数および少なくとも1つの反共振周波数を有する構成でもよい(請求項13)。この構成によれば、負荷回路に流れる電流の波高率低減およびスイッチング素子の損失低減が可能になる。
【0027】
また、前記負荷回路は、第2インダクタを介して前記2次巻線の両端に接続される第3コンデンサと、第3インダクタを介して前記第3コンデンサの両端に各一端が接続される一対のフィラメントを有する放電ランプと、前記一対のフィラメントの他端間に接続される第4コンデンサとにより成る構成でもよい(請求項14)。この構成によれば、例えば負荷回路が細管型の放電ランプを含む場合、最適な予熱制御が可能になり、好適な始動および点灯が可能になる。
【0028】
また、前記トランスは前記第2インダクタとしての漏れインダクタンス成分を有する構成でもよい(請求項15)。この構成によれば、例えば負荷回路が細管型の放電ランプを含む場合、最適な予熱制御が可能になり、好適な始動および点灯が可能になる。
【0029】
また、制御手段を備え、前記負荷回路は放電ランプを含み、前記制御手段は、前記放電ランプを調光点灯する場合には、前記平滑コンデンサの直流電圧を定格点灯時よりも低い値になるように前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびデューティ比の少なくとも一方を制御し、前記放電ランプのフィラメントを先行予熱する場合には、前記平滑コンデンサの直流電圧を定格点灯時よりも高い値になるように前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびデューティ比の少なくとも一方を制御する構成でもよい(請求項16)。この構成によれば、例えば負荷回路が細管型の放電ランプを含む場合、最適な予熱制御が可能になり、好適な始動および点灯が可能になる。
【0030】
さらに、前記負荷回路は、前記2次巻線の両端に接続されるコンデンサと、このコンデンサの両端に各一端が接続される一対のフィラメントを有する放電ランプとにより成り、前記各フィラメントの両端間には予熱用の共振回路が接続される構成でもよい(請求項17)。この構成によれば、例えば負荷回路が細管型の放電ランプを含む場合、最適な予熱制御が可能になり、好適な始動および点灯が可能になる。
【0031】
請求項18記載の発明の電源装置は、交流電力を直流電力に整流する整流器と、前記整流器の一方の出力端子と順方向に一端が接続される第1ダイオードと、前記第1ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に接続される平滑コンデンサと、前記第1ダイオードの他端と順方向に一端が接続される第2ダイオードと、前記第2ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に直列接続される一対のスイッチング素子と、前記一対のスイッチング素子の各々と逆並列接続されるダイオードと、前記一対のスイッチング素子の接続点と前記整流器の一方の出力端子との間に接続される第1インダクタンスと、負荷回路とともに前記第1インダクタンスと並列に接続される第2インダクタンスと、前記第1および第2ダイオードとそれぞれ並列接続される第1および第2コンデンサとを備えるものである。
【0032】
この構成では、第1および第2コンデンサに生じる電圧によって、第1インダクタンスに印加する電圧の波高値がほぼ一定になり、負荷回路に流れる電流の波高率が小さくなる。この結果、スイッチング素子の損失低減が可能になる。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1実施形態に係る電源装置の概略構成図、図2〜図6は本電源装置の動作説明図、図7および図8は本電源装置の動作時における各部の信号波形図で、これらの図を用いて以下に第1実施形態の説明を行う。
【0034】
本電源装置は、図1に示すように、交流電源ACからの交流電力を直流電力に全波整流する整流器DBと、この整流器DBの正極性出力端子と順方向にアノードが接続されるダイオードD11(第1ダイオード)と、このダイオードD11のカソードと整流器DBの負極性出力端子との間に接続される平滑用のコンデンサC10と、ダイオードD11のカソードと順方向にアノードが接続されるダイオードD12(第2ダイオード)と、このダイオードD12のカソードと整流器DBの負極性出力端子との間に直列接続されるFETQ1,Q2(一対のスイッチング素子)と、これらFETQ1,Q2のオン/オフ制御を行う制御回路10と、FETQ1,Q2の接続点と整流器DBの正極性出力端子との間に接続される1次巻線n11を有するとともに負荷回路11と接続される2次巻線n12を有するトランスT11と、ダイオードD11,D12とそれぞれ並列接続されるコンデンサC11,C12とを備えている。
【0035】
ただし、FETQ1,Q2の各々は、例えばMOSFETであり、ソース・サブストレートが接続されており、ドレインおよびソースにそれぞれカソードおよびアノードが接続(逆並列接続)される寄生ダイオードを有する構造になっている。
【0036】
また、制御回路10は、交流電源ACの周波数よりも十分に高いスイッチング周波数の動作でFETQ1,Q2を交互にオン/オフさせる。すなわち、スイッチング周波数は、1周期の間で交流電源ACの電圧が一定と見なせる程度に設定される。
【0037】
また、負荷回路11は、2次巻線n12の両端と各一端が接続される一対のフィラメントを有する放電ランプ(蛍光ランプ)FLと、上記一対のフィラメントの各他端間に接続される予熱・共振用のコンデンサC111とにより構成されている。
【0038】
さらに、トランスT11はリーケージトランスであり、このトランスT1の漏れインダクタンスとコンデンサC111とにより共振回路が形成される構成になっている。
【0039】
次に、上記構成の本電源装置の回路動作について図2〜図8を参照しながら説明する。ただし、図7の時点t11はFETQ2のオン時点を示す。また、図7における電圧VQ1、VQ2、VC11 、VC12 および電流IT11 、IQ1、IQ2、Iinの各々は図1に示す同符号の信号と対応している。同様に、図8における電圧VC11 、VC12 、VT11 、および電流IT11 、Iinの各々も図1に示す同符号の信号に対応している。さらに、図8の電流IFLは放電ランプFLに流れる電流を示す。
【0040】
コンデンサC10の充電後の定常状態において、図7に示す時点t12になると、図2の矢印線に示すように、コンデンサC10、コンデンサC11、1次巻線n11、FETQ2およびコンデンサC10の経路に電流IT11 が流れ、コンデンサC10が電源となって、コンデンサC11が充電されてその電圧VC11 が上昇するとともにトランスT11を介して負荷回路11に電力が供給される。
【0041】
この後、コンデンサC11の電圧VC11 がコンデンサC10の電圧VC10 と整流器DBの出力電圧|Vs|との差電圧(VC10 −|Vs|)に上昇すると(図7の時点t13)、図3の矢印線に示すように、交流電源AC、整流器DB、1次巻線n11、FETQ2、整流器DBおよび交流電源ACの経路に電流IT11 が流れ、交流電源ACから本電源装置内に入力電流Iinが引き込まれる。ここで、図7から、FETQ1,Q2がオン/オフを1回繰り返す期間において、交流電源ACから入力電流Iinが引き込まれる期間(時点t13〜t15)が存在するのが分かる。
【0042】
この後、FETQ2がオフになると(図7の時点t14)、図4の矢印線に示すように、1次巻線n11を流れた電流によってエネルギーを蓄積したトランスT11、および交流電源ACが電源となって、交流電源AC、整流器DB、1次巻線n11、FETQ1の寄生ダイオード、コンデンサC12、コンデンサC10、整流器DBおよび交流電源ACの経路に電流IT11 が流れ、入力電流Iinを引き込みつつコンデンサC10,C12が充電される。このとき、コンデンサC12の電圧VC12 は、図7に示すように、トランスT11の漏れインダクタンスとの共振作用により上昇する。また、FETQ1がオンになる。
【0043】
FETQ1がオンになると、トランスT11の漏れインダクタンスおよびコンデンサC11,C12,C111の共振作用によって、図5の矢印線に示すように、コンデンサC11、コンデンサC12、FETQ1、1次巻線n11およびコンデンサC11の経路に共振電流が流れる。この後、コンデンサC11,C12の電圧VC11 ,VC12 が下降に転じ(図7の時点t15)、これらのエネルギーがトランスT11を介して負荷回路11に供給される。このとき、1次巻線n11に流れる電流の向きがFETQ2のオン時とは逆向きになるから、負荷回路11に交番した高周波電圧が印加されることになる。
【0044】
この後、コンデンサC11,C12の電圧VC11 ,VC12 が0になると(図7の時点t16)、それぞれに並列接続されているダイオードD11,D12がオンして上記共振電流が引き続き流れる。
【0045】
この後、FETQ1がオフになると(図7の時点t17)、図6の矢印線に示すように、1次巻線n11、コンデンサC11、コンデンサC10、FETQ2の寄生ダイオードおよび1次巻線n11の経路に電流が流れて、トランスT11に蓄積されたエネルギーが放出される。
【0046】
この後、トランスT11に蓄積されたエネルギーの放出が完了すると(時点t18)、図2に示した時点t12の回路動作に戻る。
【0047】
上記回路動作が周期的に繰り返されることにより、負荷回路11に高周波電力が供給される。すなわち、交流電源ACの1周期に亘って上記の主要な信号波形を観察すると図8に示すようになる。
【0048】
ここで、この図8に示すように、交流電源ACの電圧Vsが正弦波状に上昇および下降すると、コンデンサC11の電圧VC11 が正弦波状に下降および上昇するが、この電圧VC11 と、電圧Vsが正弦波状に上昇および下降すると同様に上昇および下降するコンデンサC12の電圧VC12 とによって、1次巻線n11に印加する電圧VT11 はほぼ一定の変動レベル(振幅)の電圧になる。この結果、2次側の負荷回路11に流れる電流IFLの波高率(振幅変動率)が小さくなる。
【0049】
以上、第1実施形態によれば、コンデンサC10の電圧を高くしなくても、負荷回路11に流れる電流の波高率を小さくすることが可能になる。
【0050】
また、コンデンサC10の電圧にコンデンサC12の電圧が重畳するので、コンデンサC10の電圧を低めに設定することが可能になる。さらに、コンデンサC12の電圧が図7に示すように共振的に上昇するので、FETQ2に印加するオフ時点の電圧がコンデンサC10の電圧と等しく、コンデンサC10の電圧を低めに設定する分だけスイッチング損失の低減が可能になる。
【0051】
さらに、図1では、入力側にフィルタ回路が設けられていないが、一般的な従来例に従って、交流電源ACと整流器DBとの間に高周波阻止用のフィルタ回路を設けると、交流電源ACへの高周波成分の混入防止が可能になる。このとき、コンデンサC11の電圧振幅が大きすぎると、図56(a)と同様に交流電源ACから入力電流が引き込まれている期間に極性が反転して大きなノイズが発生する一方、逆に小さすぎると、図56(c)と同様に入力電流に休止区間が生じて交流電源ACにノイズが混入するので、図56(b)と同様な入力電流となるように、コンデンサC11の容量を設定するのが望ましい。この結果、入力電流の高調波低減が可能になるとともに、入力力率を高くすることが可能になる。
【0052】
このように、第1実施形態では、従来構成よりもコンデンサC10の電圧を低くしつつ負荷回路11に出力される電流の波高率をさらに下げ、スイッチング損失を低減することできるので、回路効率の向上およびコスト低減が可能となる。
【0053】
図9は本発明の第2実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第2実施形態の説明を行うと、本電源装置は、1次巻線n11と並列接続されるインダクタL1をさらに備えているほかは、第1実施形態の電源装置と同様に構成されている。
【0054】
第2実施形態におけるトランスT11の1次側励磁インダクタンスおよびインダクタL1の並列回路の等価インダクタンスを、第1実施形態におけるトランスT11の1次側励磁インダクタンスにほぼ等しくなるように設定すれば、本電源装置の回路動作は第1実施形態とほぼ同様となる。したがって、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能になる。
【0055】
図10は本発明の第3実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第3実施形態の説明を行うと、本電源装置は、整流器DB、コンデンサC10〜C12、ダイオードD11,D12、FETQ1,Q2、トランスT11および制御回路10を第1実施形態と同様に備えているほか、2次巻線n12と直列接続されるインダクタL2をさらに備え、負荷回路11が2次巻線n12およびインダクタL2の両端間に接続される構成になっている。
【0056】
ただし、インダクタL2は、第1実施形態におけるトランスT11の漏れインダクタンスに代えて使用されるものである。したがって、本電源装置の回路動作は第1実施形態とほぼ同様となるので、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能になる。
【0057】
図11は本発明の第4実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第4実施形態の説明を行うと、本電源装置は、整流器DB、コンデンサC10〜C12、ダイオードD11,D12、FETQ1,Q2およびトランスT11を第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態と相違する点として、FETQ1,Q2に対して、スイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方を変更可能にオン/オフ制御を行う制御回路20を備えている。
【0058】
ここで、FETQ1,Q2に対するスイッチング周波数、オン期間およびデューティ比などの少なくとも1つを適宜変更すれば、負荷回路11への供給電力量を所望の値に調整することが可能になる。
【0059】
例えは、制御回路20がFETQ2のオン時間を短くするようにオン/オフ制御を行うと、交流電源ACから引き込まれる入力電流Iinを減少させることができる。また、制御回路20が、放電ランプFLの消費電力が少ない先行予熱時や始動時などで、FETQ2の1周期に占めるオン期間の割合を少なくするように制御を行うと、コンデンサC10の電圧の異常昇圧を抑制可能となる。
【0060】
以上、第4実施形態によれば、放電ランプの先行予熱、始動および点灯制御が可能となる。また、負荷回路への供給電力の調整、すなわち放電ランプの調光点灯が可能になる。さらに、消費電力の変動に起因する直流電圧の異常昇圧によるFETなどの破壊防止が可能になる。
【0061】
図12は本発明の第5実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第5実施形態の説明を行うと、本電源装置は、整流器DB、コンデンサC10〜C12、ダイオードD11,D12、FETQ1,Q2およびトランスT11を第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態と相違する制御回路30を備えている。
【0062】
図13〜図15はこの制御回路30の動作説明図で、これらの図をさらに用いて制御回路30について詳述する。近年、照明器具の小型化、放電ランプの高効率化および省資源化を目的として、放電ランプを細径化する傾向にあり、これに伴って、放電ランプのフィラメントコイルが、細径の放電ランプ内で十分長くなるようにさらに細くなる傾向にある。
【0063】
このような放電ランプでは、フィラメントコイルの寿命、すなわち放電ランプの寿命を確保するために、点灯時のフィラメント電流に対して上限値が規定されている(図13参照)。この上限値は先行予熱時のフィラメント電流下限値よりも低くなっている(図14参照)。また、細管型の放電ランプは、先行予熱時の点灯を防止するための無負荷2次電圧の上限値と調光点灯時の両端電圧との差が小さい特性を有するとともに、比較的高いランプインピーダンスを有するので、これら両者で直流電圧VC10 の値が等しい場合、無負荷時と調光時の共振特性にあまり差が生じなくなる。この結果、C予熱方式の場合、先行予熱時と調光点灯時の動作周波数(スイッチング周波数)の差が小さくなり、先行予熱時と調光点灯時とのフィラメント電流に差をつけ難くなる。
【0064】
そこで、調光点灯時には、FETQ2のオンデューティ比を上述のように直流電圧VC10 の値が等しいときよりも小さくして、入力電力に対する負荷への供給電力の比を大きくすることで、直流電圧VC10 を下げてなるべく低い周波数で点灯させる。また、先行予熱時には、FETQ2のオンデューティ比を上述のように直流電圧VC10 の値が等しいときよりも大きくして、入力電力に対するフィラメントヘの供給電力の比を小さくすることで、直流電圧VC10 を許容範囲で上げてなるべく高い周波数で点灯させる。
【0065】
具体的には、調光点灯時の場合、図13に示すように、オンデューティ比を小さくする前に周波数fd2で点灯していたものを、オンデューティ比を小さくして電圧VC10 を下げ、ランプ電流IFLが等しく、フィラメント電流Ifが点灯時の上限値以下となる周波数fd1に周波数を下げて調光点灯を行なう。
【0066】
他方、先行予熱時の場合、図14に示すように、オンデューティ比を大きくする前に周波数fpre2で予熱を行なっていたものを、オンデューティ比を大きくして直流電圧VC10 を許容範囲で上げ、フィラメント電流Ifが先行予熱時の下限値よりも大きく、無負荷2次電圧が上限値以下となる周波数fpre1に周波数を上げて先行予熱を行なう。
【0067】
このように、制御回路30による信号によってFETQ1,Q2の動作を変更し、各動作での直流電圧を図15に示すように変更することで、放電ランプが細管型であっても、C予熱方式によって予熱条件を満足しつつ放電ランプの点灯が行なえる。
【0068】
図16は本発明の第6実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第6実施形態の説明を行うと、本電源装置は、整流器DB、コンデンサC10〜C12、ダイオードD11,D12、FETQ1,Q2および制御回路10を第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点として、整流器DBの正極性出力端子とFETQ1,Q2の接続点との間に接続される1次巻線n21を有するとともに2次巻線n22,n23,n24を有するトランスT21を備えている。
【0069】
そして、このトランスT21の2次巻線n22には、コンデンサC211と放電ランプFLとの並列回路が接続されており、また、2次巻線n23は、放電ランプFLの一方のフィラメントの両端にコンデンサC212と直列接続されており、さらに2次巻線n24は、放電ランプFLの他方のフィラメントの両端にコンデンサC213と直列接続されている。なお、図16では、負荷回路21は、コンデンサC211〜C213および放電ランプFLにより構成されている。
【0070】
このように、第6実施形態では、放電ランプFLは、コンデンサC212および2次巻線n23により成る共振回路によって一方のフィラメントが予熱されるとともに、コンデンサC213および2次巻線n24により成る共振回路によって他方のフィラメントが予熱される。これにより、主共振回路とフィラメント予熱用の共振回路とを独立させて設計可能になるので、例えば放電ランプが細管型であっても、最適な予熱設定が可能になり、放電ランプを好適に点灯させることができる。
【0071】
図17は本発明の第7実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第7実施形態の説明を行うと、本電源装置は、整流器DB、コンデンサC10〜C12、ダイオードD11,D12、FETQ1,Q2、トランスT11および制御回路10を第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点として、FETQ1のドレインと一端が接続されるコンデンサC13、およびこのコンデンサC13の他端とFETQ1のソースとの間に接続される1次巻線n31を有するとともに2次巻線n32,n33を有するトランスT31を備えている。
【0072】
そして、このトランスT31の2次巻線n32は、放電ランプFLの一方のフィラメントの両端にコンデンサC212と直列接続されており、また2次巻線n33は、放電ランプFLの他方のフィラメントの両端にコンデンサC213と直列接続されている。すなわち、フィラメント予熱用の共振回路であるコンデンサC13と1次巻線n31の直列回路をFETQ1に並列接続し、各フィラメントの両端にフィラメント予熱用の共振回路を並列接続して、2次巻線n32,n33から放電ランプFLのフィラメント予熱電流を取り出す構成になっている。なお、図17では、図16と同様に、コンデンサC211〜C213および放電ランプFLにより負荷回路21が構成されている。
【0073】
このように、第7実施形態では、放電ランプFLは、コンデンサC212および2次巻線n32により成る共振回路によって一方のフィラメントが予熱されるとともに、コンデンサC213および2次巻線n33により成る共振回路によって他方のフィラメントが予熱される。これにより、主共振回路とフィラメント予熱用の共振回路とを独立させて設計可能になるので、例えば放電ランプが細管型であっても、最適な予熱設定が可能になり、放電ランプを好適に点灯させることができる。また、FETQ1がこの寄生ダイオードとダイオードD12によってクランプされるので、FETQ1の両端電圧は、振幅が直流電圧VC10 と等しい矩形波となる。このFETQ1の電圧を用いてフィラメント予熱用の共振回路を構成することで、波高率の小さい予熱電流を供給できる。
【0074】
図18は本発明の第8実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第8実施形態の説明を行うと、本電源装置は、整流器DB、コンデンサC10〜C12、ダイオードD11,D12、FETQ1,Q2、トランスT11および制御回路10を第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点として、2次巻線n12と直列接続される1次巻線n41を有するとともに、2次巻線n42,n43を有するトランスT41を備えている。
【0075】
そして、このトランスT41の2次巻線n41は、放電ランプFLの一方のフィラメントの両端にコンデンサC212と直列接続されており、また2次巻線n43は、放電ランプFLの他方のフィラメントの両端にコンデンサC213と直列接続されている。なお、図18では、図16と同様に、コンデンサC211〜C213および放電ランプFLにより負荷回路21が構成されている。
【0076】
このように、第8実施形態では、放電ランプFLは、コンデンサC212および2次巻線n41により成る共振回路によって一方のフィラメントが予熱されるとともに、コンデンサC213および2次巻線n43により成る共振回路によって他方のフィラメントが予熱される。これにより、主共振回路とフィラメント予熱用の共振回路とを独立させて設計可能になるので、例えば放電ランプが細管型であっても、最適な予熱設定が可能になり、放電ランプを好適に点灯させることができる。
【0077】
図19は上記第1実施形態に係る電源装置の別の負荷回路への適用例を示す図で、その負荷回路31は、トランスT11の1次巻線n12と並列接続されるコンデンサC211と、このコンデンサC211の両端と各一端が接続される一対のフィラメントを有する放電ランプFLと、その一対のフィラメントの各他端間に接続されるコンデンサC111とにより構成されている。
【0078】
図19では、コンデンサC211を設けたので、フィラメント電流に対する設計自由度が向上し、例えば、細管型の放電ランプ用の簡易設計が可能になる。また、放電ランプFLに対して電源装置側にコンデンサC211が接続されているので、放電ランプFLの脱着時にトランスT11に蓄積されたエネルギーに起因するスパイク状の高電圧の発生を防止可能になる。
【0079】
図20は本発明の第9実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第9実施形態の説明を行うと、本電源装置は、整流器DB、コンデンサC10〜C12、ダイオードD11,D12、FETQ1,Q2およびトランスT11を第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態と相違する点として、FETQ1,Q2に対して種々のオン/オフ制御を行うものであって、例えば、定格点灯時に交流電圧Vsが変動する場合、負荷電流が許容範囲内に入るようにスイッチング周波数を一定にしてオンデューティ比を適宜変更しながら、オン/オフ制御行う制御回路40を備えている。ただし、交流電圧Vsの定格電圧は100Vであるとする。
【0080】
図21は負荷電流に対するFETQ2のオンデューティ比の特性およびスイッチング周波数に対するFETQ2のオンデューティ比の特性をそれぞれ上部および下部に示す図で、この図をさらに用いて制御回路40について詳述する。
【0081】
スイッチング周波数を一定にして、入力電流を引き込むFETQ2のオンデューティ比を50%よりも大きくすると、負荷回路11に供給される電力は低下するが、入力電流が増大するので、直流電圧VC10 は上昇する。オンデューティ比が50%よりも少し大きいところでは、直流電圧VC10 の上昇による負荷電流IFLの増大の方が大きくなり、オンデューティ比に灯する負荷電流IFLのピークは、図21に示すように、オンデューティ比50%から大きい方にずれる。この特性を利用して、電源電圧Vsが低くなったとき、オンデューティ比を50%よりも大きいd2にすれば、負荷電流IFLが許容範囲内に収まることになる。
【0082】
また、共振回路において、共振周波数f0に近いほど無効電流成分が減少して回路効率が向上するので、図21に示すように、電源電圧Vsの変動時においてもスイッチング周波数を一定にし、入力電流を引き込むFETQ2のオンデューティ比をd1,d2,d3のように変化させて負荷電流IFLが許容範囲内に入るように制御が行われる。
【0083】
以上、本第9実施形態によれば、交流電源Vsの電圧変動に応じて入力電流を引き込むFETQ2のオンデューティ比を変更制御することで、交流電源ACの電圧Vsが変動した場合においても負荷電流IFLを許容範囲向に収めることが可能となる。
【0084】
図22は本発明の第10実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第10実施形態の説明を行うと、本電源装置は、整流器DB、コンデンサC10〜C12、ダイオードD11,D12、FETQ1,Q2およびトランスT11を第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態と相違する点として、FETQ1,Q2に対して種々のオン/オフ制御を行うものであって、例えば、定格点灯時に交流電圧Vsが変動する場合、負荷電流が許容範囲内に入るようにスイッチング周波数およびオンデューティ比を、どちらかといえばオンデューティ比を主体に適宜変更しながら、オン/オフ制御行う制御回路50を備えている。
【0085】
図23は負荷電流に対するFETQ2のオンデューティ比の特性およびスイッチング周波数に対するFETQ2のオンデューティ比の特性をそれぞれ上部および下部に示す図で、この図をさらに用いて制御回路50について詳述する。
【0086】
第9実施形態では、電源電圧Vsの変動時において、スイッチング周波数を一定として、入力電流を引き込むFETQ2のオンデューティ比をd1,d2,d3のように変更して負荷電流を許容範囲内に収める制御が行われる。このとき、交流電源ACの電圧Vsが高くなるに従って、オンデューティ比が50%よりどんどん小さくなり、負荷電流の正弦波状の波形が歪んでしまう。負荷回路に放電ランプを含む場合、負荷電流の歪に起因する高周波成分がノイズとなって放射する問題が生じる。
【0087】
そこで、第10実施形態では、図23に示すように、オンデューティ比が小さくなりすぎるVs>100Vにおいて、スイッチング周波数を高くしてオンデューティ比をなるべく50%に近づけ、負荷電流の歪に起因する高周波成分を低減するように制御が行われる。例えば、Vsが110Vのときには、オンデューティ比をd3より高いd3’にするとともにスイッチング周波数を上げてオン/オフ制御が行われる。要するに、回路効率と負荷電流の高調波成分がトレードオフとなるように各交流電源電圧でのスイッチング周波数とオンデューティ比を適切に設定する制御が行われる。
【0088】
以上、本第10実施形態によれば、交流電源Vsの電圧変動に応じて入力電流を引き込むFETQ2のスイッチング周波数およびオンデューティ比を適切に変更制御することで、交流電源ACの電圧Vsが変動した場合においても負荷電流を許容範囲向に収めることが可能になるとともに、放電ランプから放射されるノイズを低減することが可能となる。
【0089】
図24は本発明の第11実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第11実施形態の説明を行うと、本電源装置は、整流器DB、コンデンサC10〜C12、ダイオードD11,D12、FETQ1,Q2およびトランスT11を第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態と相違する点として、FETQ1,Q2に対して種々のオン/オフ制御を行うものであって、例えば、定格点灯時に交流電圧Vsが変動する場合、スイッチング周波数およびオンデューティ比を、オンデューティ比を主体に適宜変更しながら、オン/オフ制御を行う一方、負荷回路11を定格出力よりも低い出力で駆動している時に交流電圧Vsが変動する場合、スイッチング周波数およびオンデューティ比を、スイッチング周波数を主体に適宜変更しながら、オン/オフ制御を行う制御回路60を備えている。
【0090】
図25は負荷電流に対するFETQ2のオンデューティ比の特性およびスイッチング周波数に対するFETQ2のオンデューティ比の特性をそれぞれ上部および下部に示す図で、この図をさらに用いて制御回路60について詳述する。
【0091】
第9実施形態では、電源電圧Vsの変動時において、スイッチング周波数を一定として、入力電流を引き込むFETQ2のオンデューティ比をd1,d2,d3のように変更して負荷電流を許容範囲内に収める制御が行われる。このとき、負荷回路11の放電ランプFLを調光点灯可能に本電源装置を構成すると、調光点灯時には直流電圧VC10 の昇圧を抑制するために小さなオンデューティ比でオン/オフ制御が行われるので、出力を低下させたときに負荷電流の波形の歪が大きくなってしまう。
【0092】
そこで、第11実施形態では、図25に示すように、調光点灯時に交流電圧Vsが変動する場合、オンデューティ比がなるべく大きな値をとるとともにあまり変化しないように、交流電源ACの電圧Vsに応じてオンデューティ比およびスイッチング周波数を、スイッチング周波数を主体に適宜変更し、負荷電流の歪に起因する高調波成分を低減する制御が行われる。例えば、電圧Vsが100Vのときにはオンデューティ比をd1より大きいd1’にしてスイッチング周波数を高くし、また電圧Vsが110Vのときにはオンデューティ比をd3より大きいd3’にしてスイッチング周波数を高くする制御が行われる。
【0093】
ただし、細管型の放電ランプFLに対してC予熱方式を用いる場合には、スイッチング周波数を高くしすきるとフィラメントの予熱電流が増加して予熱条件を満足しなくなるおそれがあるので、予熱条件を満足する範囲内(図25の「スイッチング周波数上限」以下の範囲)でスイッチング周波数を調整する制御が行われる。これによって、C予熱条件を満足しつつ交流電源Vsの電圧変動時に負荷電流を許容範囲内に収め、負荷電流の高調波成分を低減することができる。
【0094】
以上、本第11実施形態によれば、交流電源Vsの電圧変動に応じて入力電流を引き込むFETQ2のスイッチング周波数およびオンデューティ比を適切に変更制御することで、交流電源ACの電圧Vsが変動した場合においても負荷電流を許容範囲向に収めることが可能になるとともに、放電ランプから放射されるノイズを低減することが可能となる。
【0095】
図26は本発明の第12実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第12実施形態の説明を行うと、本電源装置は、整流器DB、コンデンサC10〜C12、ダイオードD11,D12、FETQ1,Q2およびトランスT11を第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態と相違する点として、コンデンサC10の両端電圧を検出する電圧検出回路12、およびこの電圧検出回路12の検出結果に応じて、スイッチング周波数、オン期間およびデューティ比などを適宜変更しながらFETQ1,Q2に対する停止を含むオン/オフ制御を行う制御回路70を備えている。
【0096】
例えは、電圧検出回路12により検出される電圧値が所定値となるように、スイッチング周波数、オン期間およびデューティ比などを適宜変更しながらFETQ1,Q2に対するオン/オフ制御が行われる。これにより、コンデンサC10が上記所定値の一定電圧を保持することができる。この結果、安定した出力特性が得られるとともに、負荷回路が放電ランプを含む場合、照明のちらつきを抑えることが可能になる。
【0097】
また、電圧検出回路12により検出される電圧値が異常とみなされるレベル以上になると、FETQ1,Q2のスイッチング動作停止の制御が行われる。これにより、過電圧による回路素子の破壊を防止することができる。
【0098】
図27は本発明の第13実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第13実施形態の説明を行うと、本電源装置は、整流器DB、コンデンサC10〜C12、ダイオードD11,D12、FETQ1,Q2、トランスT11および制御回路10を第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態と相違する点として、FETQ2に並列接続されるコンデンサCP1をさらに備えている。
【0099】
図28〜図32は本電源装置の動作説明図、図33は本電源装置の動作時における各部の信号波形図で、これらの図を用いて本第13実施形態の動作について説明する。
【0100】
コンデンサC10の充電後の定常状態において、図33に示す時点t22になると、図28の矢印線に示すように、コンデンサC10、コンデンサC11、1次巻線n11、FETQ2およびコンデンサC10の経路に電流IT11 が流れ、コンデンサC10が電源となって、コンデンサC11が充電されて電圧VC11 が上昇するとともにトランスT11を介して負荷回路11に電力が供給される。このとき、電流IT11 はコンデンサCP1には流れない。
【0101】
この後、コンデンサC11の電圧VC11 がコンデンサC10の電圧VC10 と整流器DBの出力電圧|Vs|との差電圧(VC10 −|Vs|)に上昇すると(図33の時点t23)、図29の矢印線に示すように、交流電源AC、整流器DB、1次巻線n11、FETQ2、整流器DBおよび交流電源ACの経路に電流IT11 が流れ、交流電源ACから本電源装置内に入力電流Iinが引き込まれる。
【0102】
この後、FETQ2がオフになると(図33の時点t24)、図30に示すように、トランスT11に蓄積したエネルギーによって、コンデンサCP1を充電する電流ICP1 が流れ、FETQ2の両端電圧VQ2が穏やかに上昇する一方、FETQ2を流れる電流IQ2が瞬時にゼロになる。これにより、FETQ2のスイッチング損失が大幅に低減される。
【0103】
電圧VQ1がゼロになると、図30に示すように、1次巻線n11を流れた電流によってエネルギーを蓄積したトランスT11、および交流電源ACが電源となって、交流電源AC、整流器DB、1次巻線n11、FETQ1の寄生ダイオード、コンデンサC12、コンデンサC10、整流器DBおよび交流電源ACの経路に電流IT11 が流れ、入力電流Iinを引き込みつつコンデンサC10,C12が充電される。このとき、コンデンサC12の電圧VC12 は、図33に示すように、トランスT11の漏れインダクタンスとの共振作用により上昇する。また、FETQ1がオンになる。
【0104】
FETQ1がオンになると、トランスT11の漏れインダクタンスおよびコンデンサC11,C12,C111の共振作用によって、図31の矢印線に示すように、コンデンサC11、コンデンサC12、FETQ1、1次巻線n11およびコンデンサC11の経路に共振電流が流れる。この後、コンデンサC11,C12の電圧VC11 ,VC12 が下降に転じ(図33の時点t25)、これらのエネルギーがトランスT11を介して負荷回路11に供給される。このとき、1次巻線n11に流れる電流の向きがFETQ2のオン時とは逆向きになるから、負荷回路11に交番した高周波電圧が印加されることになる。
【0105】
この後、コンデンサC11,C12の電圧VC11 ,VC12 が0になると(図33の時点t26)、それぞれに並列接続されているダイオードD11,D12がオンして上記共振電流が引き続き流れる。
【0106】
この後、FETQ1がオフになると(図33の時点t27)、図32に示すように、トランスT11に蓄積したエネルギーによって、コンデンサCP1を充電する電流ICP1 が流れ、FETQ1の両端電圧VQ1が穏やかに上昇する一方、FETQ1を流れる電流IQ1が瞬時にゼロになる。これにより、FETQ1のスイッチング損失が大幅に低減される。
【0107】
電圧VQ2がゼロになると、図32に示すように、1次巻線n11、コンデンサC11、コンデンサC10、FETQ2の寄生ダイオードおよび1次巻線n11の経路に電流が流れて、トランスT11に蓄積されたエネルギーが放出される。
【0108】
この後、トランスT11に蓄積されたエネルギーの放出が完了すると(時点t28)、図28に示した時点t22の回路動作に戻る。
【0109】
以上、第13実施形態によれば、コンデンサC10の電圧を高くしなくても、負荷回路11に流れる電流の波高率を小さくすることが可能になるなどのほか、FETのオフ時点の電圧上昇を緩やかにすることにより、スイッチング損失の低減が可能になる。
【0110】
図34は本発明の第14実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第14実施形態の説明を行うと、本電源装置は、整流器DB、コンデンサC10〜C12、ダイオードD11,D12、FETQ1,Q2、トランスT11および制御回路10を第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点としてコンデンサCP2をさらに備えている。
【0111】
このコンデンサCP2は、一端がFETQ2のドレインに接続されているとともに、他端がコンデンサC10を介してFETQ2のソース側に接続されている。すなわち、高周波的には、コンデンサCP2はFETQ2と並列接続されているのと等価である。したがって、第14実施形態によれば、第13実施形態と同様、スイッチング損失の低減が可能になる。
【0112】
図35は本発明の第15実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第15実施形態の説明を行うと、本電源装置は、整流器DB、コンデンサC10〜C12、ダイオードD11,D12、FETQ1,Q2、トランスT11および制御回路10を第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点として、FETQ1と並列接続されるコンデンサCP3をさらに備えている。ただし、コンデンサCP3にはコンデンサC11,C12よりも小さい容量のものが使用される。これにより、回路動作は第13実施形態とほぼ同様になるので、スイッチング損失の低減が可能になる。
【0113】
図36は本発明の第16実施形態に係る電源装置の制御回路の概略構成図、図37はその制御回路の動作説明図で、これらの図を用いて以下に第16実施形態の説明を行う。
【0114】
本電源装置は、整流器DB、コンデンサC10〜C12、ダイオードD11,D12、FETQ1,Q2およびトランスT11を第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点として、調光点灯可能に負荷回路11に対する供給電力量を調整すべく、スイッチング周波数、オン期間およびデューティ比などを適宜変更しながら、FETQ1,Q2のオン/オフ制御を行う制御回路80を備えている。
【0115】
この制御回路80は、図36に示すように、例えばμPD5555Cなどの無安定マルチバイブレータ301と、この発振周波数を決めるコンデンサCb1および可変抵抗Rb1と、例えばμPD5555Cなどの単安定マルチバイブレータ302と、この出力パルスのHigh期間を決めるコンデンサCb2および抵抗Rb2と、例えば単安定マルチバイブレータ302の出力パルスVb1がHighのときにFETQ1をオンにしてFETQ2をオフにするドライバ303とにより構成されている。
【0116】
次に、制御回路80による回路動作の概略を説明すると、定格点灯時には、FETQ1,Q2は、図37(a)に示すように交互にオン/オフされる。この定格点灯から調光点灯に移行すると、放電ランプFLの出力を下げるため、FETQ1,Q2は、図37(b)に示すように、高めに変更されたスイッチング周波数の出力パルスで交互にオン/オフされる。このとき、FETQ2のオフ期間を一定にしておくと、スイッチング周波数が高くなっても、FETQ2の電圧VQ2は、コンデンサC10の電圧VC10 と略等しくなるまで低下し、この結果、スイッチング損失を低減することができる。
【0117】
図38は本発明の第17実施形態に係る電源装置の概略構成図、図39は本電源装置の制御回路の動作説明図で、これらの図を用いて以下に第17実施形態の説明を行う。
【0118】
本電源装置は、図38に示すように、整流器DB、コンデンサC10〜C12、ダイオードD11,D12、FETQ1,Q2およびトランスT11を第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点として、コンデンサC10と並列接続される抵抗R11,R12の直列回路により成り、この直列回路の接続点からコンデンサC10の両端電圧を電圧V1として出力する検出回路22と、FETQ2と並列接続される抵抗R21,R22の直列回路により成り、この直列回路の接続点からFETQ2のドレイン・ソース電圧を電圧V2として出力する検出回路23と、調光点灯可能に負荷回路11に対する供給電力を調整すべく、検出回路22,23からの両出力信号に応じて、FETQ1,Q2のオン/オフ制御を行う制御回路90とを備えている。
【0119】
ただし、抵抗R11,R12,R21,R22は、(R12/(R11+R12))>(R22/(R21+R22))を満足する値に設定されているものとする。
【0120】
制御回路90は、電圧V1,V2をそれぞれ非反転入力端子および反転入力端子で取り込むコンパレータ401と、このコンパレータ401の出力端子と電圧Vccのラインとの間に接続される抵抗R3と、周波数およびデューティ比が可変になっている発振器402と、コンパレータ401および発振器402の両出力V3,V4のアンドをとるアンド回路403と、このアンド回路403の出力V5に応じてFETQ1,Q2のオン/オフを行うドライバ回路404とにより構成されている。
【0121】
次に、制御回路90による回路動作の概略を説明すると、定格点灯時には、FETQ1,Q2は、図39(a)に示すように交互にオン/オフされる。この定格点灯から調光点灯に移行すると、放電ランプFLの出力を下げるため、FETQ1,Q2は、図39(b)に示すように、高めに変更されたスイッチング周波数の動作で交互にオン/オフされる。このとき、コンパレータ401の出力V3は、電圧V1が電圧V2より高ければHighとなり、低ければLowとなる。他方、発信器402の出力は、FETQ1,Q2のオン期間をアンバランスにするように変更される。そして、これらの出力V3,V4のアンド結果V5がドライバ回路404の入力信号となり、FETQ1,Q2のスイッチング周波数が高くなっても、電圧VC10 と電圧VQ2とがほぼ等しく、かつ、発信器402の出力がHighである場合にのみFETQ2がオンになる。したがって、第16実施形態と同様に、スイッチング損失の増大を防止することが可能になる。
【0122】
図40は上記第1実施形態に係る電源装置の別の負荷回路への適用例を示す図で、その負荷回路41は、トランスT11の1次巻線n12と並列接続されるコンデンサC211と、このコンデンサC211の両端と各一端が接続される一対のフィラメントを有する放電ランプFLと、その一対のフィラメントの各他端間に接続される予熱・共振用のコンデンサC111と、コンデンサC211と放電ランプFLとの両接続ラインの一方に介在するインダクタL3とにより構成されている。
【0123】
ここで、トランスT11の高周波振動を高周波振動源HFとし、2次巻線n12側から見たトランスT11のリーケージインダクタンスをLとすれば、図40に示す回路は図41に示す等価回路に置き換えることができる。
【0124】
そして、この等価回路は、インダクタンスL、インダクタL3およびコンデンサC111,C211により構成される共振回路により2つの共振周波数f01,f02を持つので、その周波数特性は図42に示すようになる。ただし、図42に示すf03は、インダクタL3およびコンデンサC111の各値を用いて次の(数1)で与えられる反共振周波数である。
【0125】
【数1】
Figure 0003755371
【0126】
軽負荷時には共振周波数f01,f02で負荷両端電圧Vz、フィラメント電流Ifがピーク値を持ち、共振周波数f01,f02の間の反共振周波数f03でディップとなる。
【0127】
放電ランプFLの点灯および調光は共振周波数f01近傍における出力の取れる周波数領域f1で行なう。一方、先行予熱は、適正な先行予熱電流および放電が開始しない程度に低い無負荷2次電圧の確保が可能な共振周波数f02近傍における周波数fpre で行う。
【0128】
放電ランプFLが細管型である場合、点灯時には、予熱電流低減のためにコンデンサC111の容量を小さく設定する必要がある。一方、先行予熱時には、予熱電流を大きくする必要がある。このとき、図40では、共振の第2ピークにより大きな先行予熱電流を流すことが可能となるのである。ただし、先行予熱時の無負荷2次電圧と先行予熱電流の関係を設定するには、インダクタンスL、インダクタL3およびコンデンサC111,C211の定数を調整すればよく、これらの定数を調整すると、共振周波数f01,f02の周波数間隔が変わって共振カーブが変わる。
【0129】
以上、図40の構成によれば、負荷共振回路に2つの共振点と1つの反共振点の存在により、放電ランプが細管型であっても予熱条件を満足されることが可能になり、その細管型の放電ランプを最適に点灯させることができる。
【0130】
なお、図40では、トランスT11はリーケージトランスであるが、これに限らず、リーケージ分を持たないトランスの2次側にそのリーケージ分に相当するインダクタを接続する構成でもよいのは言うまでもない。
【0131】
図43は本発明の第18実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第18実施形態の説明を行うと、本電源装置は、FETQ1,Q2と並列接続されるクランプ回路14をさらに備えているほかは第1実施形態の電源回路と同様に構成されている。
【0132】
クランプ回路14は、回路が正常に動作している場合には高インピーダンスであり、回路動作にはほとんど影響を及ぼさない。これに対して、負荷回路11のインピーダンスが急変するなどの異常時、例えば放電ランプFLの脱着時やエミレス時などで電圧共振的な動作を行っているコンデンサC12の電圧が急激に上昇する時、その電圧がある所定の電圧値でクランプされる。これにより、回路素子への過電圧の印加が防止され、回路素子の破壊防止が可能になる。
【0133】
図44は本発明の第19実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第19実施形態の説明を行うと、本電源装置は、FETQ2と並列接続されるクランプ回路24をさらに備えているほかは第1実施形態の電源回路と同様に構成されている。
【0134】
本第19実施形態においても、第18実施形態と同様に、負荷回路11のインピーダンスが急変するなどの異常時において電圧共振的な動作を行なっているコンデンサC12の電圧が急激に上昇する時、ある所定の電圧値のクランプで、回路素子への過電圧の印加が防止され、回路素子の破壊防止が可能になる。
【0135】
図45は本発明の第20実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第20実施形態の説明を行うと、本電源装置は、コンデンサC12と並列接続されるクランプ回路34をさらに備えているほかは第1実施形態の電源回路と同様に構成されている。
【0136】
本第20実施形態においても、第18実施形態と同様に、負荷回路11のインピーダンスが急変するなどの異常時において電圧共振的な動作を行なっているコンデンサC12の電圧が急激に上昇する時、ある所定の電圧値のクランプで、回路素子への過電圧の印加が防止され、回路素子の破壊防止が可能になる。
【0137】
図46は本発明の第21実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第21実施形態の説明を行うと、本電源装置は、コンデンサC11,C12の接続点とFETQ1,Q2の接続点との間に接続されるクランプ回路44をさらに備えているほかは第1実施形態の電源回路と同様に構成されている。
【0138】
本第21実施形態においても、第18実施形態と同様に、負荷回路11のインピーダンスが急変するなどの異常時において電圧共振的な動作を行なっているコンデンサC12の電圧が急激に上昇する時、ある所定の電圧値のクランプで、回路素子への過電圧の印加が防止され、回路素子の破壊防止が可能になる。
【0139】
図47は本発明の第22実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第22実施形態の説明を行うと、本電源装置は、FETQ1,Q2と並列接続されるクランプ回路54をさらに備えているほかは第12実施形態の電源回路と同様に構成されている。
【0140】
クランプ回路54は、FETQ1のドレインとアノードが接続されるダイオード540、このダイオード540のカソードとFETQ2のソースとの間に接続されるコンデンサC540、およびこのコンデンサC540と並列接続される抵抗R540により構成されている。
【0141】
回路が正常に動作している場合、コンデンサC540には、コンデンサC12の電圧VC12 とコンデンサC10の電圧VC10 との和のほぼピーク電圧が印加する。
【0142】
これに対し、負荷回路11のインピーダンスが急変するなどの異常時において電圧共振的な動作を行なっているコンデンサC12の電圧が急激に上昇する時、ダイオードD540がオンしてコンデンサC540が充電されることで、電圧の急激な上昇が抑制され、回路素子への過電圧の印加が防止される。これにより、例えばコンデンサC12の電圧上昇を検出してFETQ1,Q2を制御して、回路素子に過大なストレスがかからないように回路を保護する構成が可能になる。
【0143】
なお、異常時に瞬間的に発生する過大な電圧によって回路素子が破壊しないようにコンデンサC540の容量を選ぶ。また、抵抗R540は、正常時にはコンデンサC540に上記ピーク電圧が保持され、異常時にはコンデンサC540の保持電圧が回路素子の破壊を防ぐ電圧に抑えられるようにコンデンサC540の放電量を調整するものである。
【0144】
本第22実施形態においても、第18実施形態と同様に、負荷回路11のインピーダンスが急変するなどの異常時において、回路素子への過電圧の印加防止が可能になり、回路素子の破壊防止が可能になる。
【0145】
図48は本発明の第23実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第23実施形態の説明を行う。
【0146】
本電源装置は、FETQ1,Q2の接続点とアノードが接続されるダイオード640、このダイオード540のカソードとコンデンサC11,C12の接続点との間に接続されるコンデンサC640、およびこのコンデンサC640と並列接続される抵抗R640により成るクランプ回路64をさらに備えているほかは第12実施形態の電源回路と同様に構成されている。
【0147】
本第23実施形態においても、第22実施形態と同様に、負荷回路11のインピーダンスが急変するなどの異常時において電圧共振的な動作を行なっているコンデンサC12の電圧が急激に上昇する時、ある所定の電圧値のクランプで、回路素子への過電圧の印加が防止され、回路素子の破壊防止が可能になる。
【0148】
図49は本発明の第24実施形態に係る電源装置の概略構成図で、この図を用いて以下に第24実施形態の説明を行うと、本電源装置は、FETQ1,Q2と並列接続されるクランプ回路74をさらに備えているほかは第1実施形態の電源回路と同様に構成されている。
【0149】
クランプ回路74は、ある所定の電圧以下では高インピーダンスで、所定の電圧になるとインピーダンスが変化してその電圧以上印加されないような回路保護素子であり、図49にはZNRが例示されている。
【0150】
本第24実施形態においても、第18実施形態と同様、負荷回路11のインピーダンスが急変するなどの異常時において、ある所定の電圧値のクランプで、回路素子への過電圧の印加防止が可能になり、回路素子の破壊防止が可能になる。
【0151】
なお、上記種々の実施形態では、ダイオードD11にコンデンサC11が並列接続される構成になっているが、この構成に限らず、図50に示すように、整流器DBの両出力端子間にコンデンサC21を接続する構成でもよい。例えば、交流電源ACからの交流電力を直流電力に整流する整流器DBと、この整流器DBの正極性出力端子と順方向にアノードが接続されるダイオードD11(第1ダイオード)と、このダイオードD11のカソードと整流器DBの負極性出力端子との間に接続される平滑用のコンデンサC10と、ダイオードD11のカソードと順方向にアノードが接続されるダイオードD12(第2ダイオード)と、このダイオードD12のカソードと整流器DBの負極性出力端子との間に直列接続されるFETQ1,Q2(一対のスイッチング素子)と、これらFETQ1,Q2のオン/オフ制御を行う制御回路10と、FETQ1,Q2の接続点と整流器DBの正極性出力端子との間に接続される1次巻線n11を有するとともに負荷回路11と接続される2次巻線n12を有するトランスT11と、整流器DBの両出力端子間に接続されるコンデンサC21(第1コンデンサ)と、ダイオードD12と並列接続されるコンデンサC12(第2コンデンサ)とにより成る構成でもよい。この構成では、図51に示すように、コンデンサC21の電圧VC21 がコンデンサC10の電圧VC10 および入力電圧Vsの整流後の電圧でクランプされる電圧波形になる。したがって、電圧VC21 と電圧VC12 とにより、図51に示すような電圧VT11 が1次巻線n11に印加するので、トランスT11には、ほぼ一定の変動レベルとなる電圧が印加されることになる。この結果、2次側の負荷回路11に流れる電流IFLの波高率が小さくなり、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能になる。
【0152】
また、図50に示す構成のほかに、図52に示すように、例えば、交流電源ACからの交流電力を直流電力に整流する整流器DBと、この整流器DBの負極性出力端子と順方向にカソードが接続されるダイオードD31(第1ダイオード)と、このダイオードD31のアノードと整流器DBの正極性出力端子との間に接続される平滑用のコンデンサC30と、ダイオードD31のアノードと順方向にカソードが接続されるダイオードD32(第2ダイオード)と、このダイオードD32のアノードと整流器DBの正極性出力端子との間に直列接続されるFETQ1,Q2(一対のスイッチング素子)と、これらFETQ1,Q2のオン/オフ制御を行う制御回路10と、FETQ1,Q2の接続点と整流器DBの負極性出力端子との間に接続される1次巻線n11を有するとともに負荷回路11と接続される2次巻線n12を有するトランスT11と、ダイオードD31,D32とそれぞれ並列接続されるコンデンサC31,C32(第1および第2コンデンサ)とにより電源装置を構成しても、第1実施形態と同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0153】
さらに、上記各実施形態では、負荷に対してトランスを使用する構成になっているが、必ずしも負荷に対してトランスを使用する構成にする必要はない。この構成例を図53に示す。この図に示す電源装置は、交流電源ACからの交流電力を直流電力に全波整流する整流器DBと、この整流器DBの正極性出力端子と順方向にアノードが接続されるダイオードD11と、このダイオードD11のカソードと整流器DBの負極性出力端子との間に接続される平滑用のコンデンサC10と、ダイオードD11のカソードと順方向にアノードが接続されるダイオードD12と、このダイオードD12のカソードと整流器DBの負極性出力端子との間に直列接続されるFETQ1,Q2と、これらFETQ1,Q2のオン/オフ制御を行う制御回路10と、FETQ1,Q2の接続点と整流器DBの正極性出力端子との間に接続されるインダクタンスL1と、負荷回路11とともにインダクタンスL1と並列に接続されるインダクタンスL2と、ダイオードD11,D12とそれぞれ並列接続されるコンデンサC11,C12とを備える。このような構成でも、コンデンサC11,C12に生じる電圧によって、インダクタンスL1に印加する電圧の波高値がほぼ一定になり、負荷回路11に流れる電流の波高率が小さくなる。この結果、FETQ1,Q2の損失低減が可能になる。ところで、図53の接続例は一例であって、上記各実施形態のトランスT11をインダクタンスL1,L2に代えた構成でもその実施形態と同様の効果が得られるのである。
【0154】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、請求項1記載の発明によれば、交流電力を直流電力に整流する整流器と、前記整流器の一方の出力端子と順方向に一端が接続される第1ダイオードと、前記第1ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に接続される平滑コンデンサと、前記第1ダイオードの他端と順方向に一端が接続される第2ダイオードと、前記第2ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に直列接続される一対のスイッチング素子と、前記一対のスイッチング素子の各々と逆並列接続されるダイオードと、前記一対のスイッチング素子の接続点と前記整流器の一方の出力端子との間に接続される1次巻線を有するとともに負荷回路と接続される2次巻線を有するトランスと、前記第1および第2ダイオードとそれぞれ並列接続される第1および第2コンデンサとを備えるので、負荷回路に流れる電流の波高率低減およびスイッチング素子の損失低減が可能になる。
【0155】
請求項2記載の発明によれば、交流電力を直流電力に整流する整流器と、前記整流器の一方の出力端子と順方向に一端が接続される第1ダイオードと、前記第1ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に接続される平滑コンデンサと、前記第1ダイオードの他端と順方向に一端が接続される第2ダイオードと、前記第2ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に直列接続される一対のスイッチング素子と、前記一対のスイッチング素子の各々と逆並列接続されるダイオードと、前記一対のスイッチング素子の接続点と前記整流器の一方の出力端子との間に接続される1次巻線を有するとともに負荷回路と接続される2次巻線を有するトランスと、前記整流器の両出力端子間に接続される第1コンデンサと、前記第2ダイオードと並列接続される第2コンデンサとを備えるので、負荷回路に流れる電流の波高率低減およびスイッチング素子の損失低減が可能になる。
【0156】
請求項3記載の発明によれば、前記1次巻線と並列接続される第1インダクタを備えるので、負荷回路に流れる電流の波高率低減およびスイッチング素子の損失低減が可能になる。
【0157】
請求項4記載の発明によれば、前記2次巻線と直列接続される第2インダクタを備え、前記負荷回路は、負荷とコンデンサとの並列回路により構成され、前記2次巻線および第2インダクタの両端間に接続されるので、負荷回路に流れる電流の波高率低減およびスイッチング素子の損失低減が可能になる。
【0158】
請求項5記載の発明によれば、前記トランスは前記第2インダクタとしての漏れインダクタンス成分を有するので、負荷回路に流れる電流の波高率低減およびスイッチング素子の損失低減が可能になる。
【0159】
請求項6記載の発明によれば、前記一対のスイッチング素子に対して、スイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方を変更可能にオン/オフ制御を行う制御手段を備えるので、負荷回路への供給電力量の調整が可能になる。また、負荷回路が放電ランプを含む場合には、先行予熱、始動並びに調光点灯などの制御が可能になる。さらに、消費電力の変動に起因する直流電圧の異常昇圧によるスイッチング素子などの破壊防止が可能になる。
【0160】
請求項7記載の発明によれば、前記交流電力の電圧変動に応じてスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方を変更して、前記一対のスイッチング素子に対するオン/オフ制御を行う制御手段を備え、前記制御手段は、前記負荷回路に定格出力を供給しているときは前記オンデューティ比を主体に制御する一方、前記負荷回路への出力を低下させたときは前記スイッチング周波数を主体に制御するので、交流電力の電圧が変動しても負荷電流を許容範囲内に納めることが可能となる。
【0161】
請求項8記載の発明によれば、前記平滑コンデンサの両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の検出結果に応じてスイッチング周波数およびデューティ比の少なくとも一方を変更可能に前記一対のスイッチング素子に対するオン/オフ制御を行う制御手段とを備えるので、回路が正常に動作している場合には、検出電圧が所定レベルになるように制御することで負荷回路に安定出力が得られ、負荷回路が放電ランプを含む場合には照明のちらつきを抑制することができる。また、回路に異常が発生した場合には、電圧の異常昇圧を検出して発振を停止するなどの制御を行うことで、過電圧による素子の破壊防止が可能になる。
【0162】
請求項9記載の発明によれば、印加電圧を所定電圧に制限するクランプ回路を備えるので、回路素子への過電圧の印加防止および回路素子の破壊防止が可能になる。
【0163】
請求項10記載の発明によれば、前記一対のスイッチング素子の少なくとも一方と、少なくとも高周波的に並列接続されるコンデンサを備えるので、スイッチング素子の損失低減、回路効率の向上、およびノイズやコストの低減が可能になる。
【0164】
請求項11記載の発明によれば、前記1次巻線を介して前記整流器の両出力端子間に接続されるスイッチング素子に対して、このスイッチング素子の電圧と前記平滑コンデンサの両端電圧とがほぼ等しい場合にオン制御を行う制御手段を備えるので、スイッチオン時の損失増加の抑制が可能になる。
【0165】
請求項12記載の発明によれば、前記1次巻線を介して前記整流器の両出力端子間に接続されるスイッチング素子の両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の検出結果を利用して前記一対のスイッチング素子のオン/オフ制御を行う制御手段とを備えるので、スイッチオン時の損失増加の抑制が可能になる。
【0166】
請求項13記載の発明によれば、前記負荷回路は少なくとも2つの共振周波数および少なくとも1つの反共振周波数を有するので、負荷回路に流れる電流の波高率低減およびスイッチング素子の損失低減が可能になる。
【0167】
請求項14記載の発明によれば、前記負荷回路は、第2インダクタを介して前記2次巻線の両端に接続される第3コンデンサと、第3インダクタを介して前記第3コンデンサの両端に各一端が接続される一対のフィラメントを有する放電ランプと、前記一対のフィラメントの他端間に接続される第4コンデンサとにより成るので、例えば負荷回路が細管型の放電ランプを含む場合、最適な予熱制御が可能になり、好適な始動および点灯が可能になる。
【0168】
請求項15記載の発明によれば、前記トランスは前記第2インダクタとしての漏れインダクタンス成分を有するので、例えば負荷回路が細管型の放電ランプを含む場合、最適な予熱制御が可能になり、好適な始動および点灯が可能になる。
【0169】
請求項16記載の発明によれば、制御手段を備え、前記負荷回路は放電ランプを含み、前記制御手段は、前記放電ランプを調光点灯する場合には、前記平滑コンデンサの直流電圧を定格点灯時よりも低い値になるように前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびデューティ比の少なくとも一方を制御し、前記放電ランプのフィラメントを先行予熱する場合には、前記平滑コンデンサの直流電圧を定格点灯時よりも高い値になるように前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびデューティ比の少なくとも一方を制御するので、例えば負荷回路が細管型の放電ランプを含む場合、最適な予熱制御が可能になり、好適な始動および点灯が可能になる。
【0170】
請求項17記載の発明によれば、前記負荷回路は、前記2次巻線の両端に接続されるコンデンサと、このコンデンサの両端に各一端が接続される一対のフィラメントを有する放電ランプとにより成り、前記各フィラメントの両端間には予熱用の共振回路が接続されるので、例えば負荷回路が細管型の放電ランプを含む場合、最適な予熱制御が可能になり、好適な始動および点灯が可能になる。
【0171】
請求項18記載の発明によれば、交流電力を直流電力に整流する整流器と、前記整流器の一方の出力端子と順方向に一端が接続される第1ダイオードと、前記第1ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に接続される平滑コンデンサと、前記第1ダイオードの他端と順方向に一端が接続される第2ダイオードと、前記第2ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に直列接続される一対のスイッチング素子と、前記一対のスイッチング素子の各々と逆並列接続されるダイオードと、前記一対のスイッチング素子の接続点と前記整流器の一方の出力端子との間に接続される第1インダクタンスと、負荷回路とともに前記第1インダクタンスと並列に接続される第2インダクタンスと、前記第1および第2ダイオードとそれぞれ並列接続される第1および第2コンデンサとを備えるので、負荷回路に流れる電流の波高率低減およびスイッチング素子の損失低減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係る電源装置の動作説明図である。
【図3】第1実施形態に係る電源装置の動作説明図である。
【図4】第1実施形態に係る電源装置の動作説明図である。
【図5】第1実施形態に係る電源装置の動作説明図である。
【図6】第1実施形態に係る電源装置の動作説明図である。
【図7】第1実施形態に係る電源装置の動作時における各部の信号波形図である。
【図8】第1実施形態に係る電源装置の動作時における各部の信号波形図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図12】本発明の第5実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図13】第5実施形態に係る電源装置の制御回路の動作説明図である。
【図14】第5実施形態に係る電源装置の制御回路の動作説明図である。
【図15】第5実施形態に係る電源装置の制御回路の動作説明図である。
【図16】本発明の第6実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図17】本発明の第7実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図18】本発明の第8実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図19】第1実施形態に係る電源装置の別の負荷回路への適用例を示す図である。
【図20】本発明の第9実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図21】負荷電流に対するオンデューティ比の特性およびスイッチング周波数に対するオンデューティ比の特性をそれぞれ上部および下部に示す図である。
【図22】本発明の第10実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図23】負荷電流に対するオンデューティ比の特性およびスイッチング周波数に対するオンデューティ比の特性をそれぞれ上部および下部に示す図である。
【図24】本発明の第11実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図25】負荷電流に対するオンデューティ比の特性およびスイッチング周波数に対するオンデューティ比の特性をそれぞれ上部および下部に示す図である。
【図26】本発明の第12実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図27】本発明の第13実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図28】第13実施形態に係る電源装置の動作説明図である。
【図29】第13実施形態に係る電源装置の動作説明図である。
【図30】第13実施形態に係る電源装置の動作説明図である。
【図31】第13実施形態に係る電源装置の動作説明図である。
【図32】第13実施形態に係る電源装置の動作説明図である。
【図33】第13実施形態に係る電源装置の動作時における各部の信号波形図である。
【図34】本発明の第14実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図35】本発明の第15実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図36】本発明の第16実施形態に係る電源装置の制御回路の概略構成図である。
【図37】図36に示す制御回路の動作説明図である。
【図38】本発明の第17実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図39】図38に示す制御回路の動作説明図である。
【図40】第1実施形態に係る電源装置の別の負荷回路への適用例を示す図である。
【図41】図40の等価回路図である。
【図42】図40に示す等価回路の周波数特性図である。
【図43】本発明の第18実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図44】本発明の第19実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図45】本発明の第20実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図46】本発明の第21実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図47】本発明の第22実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図48】本発明の第23実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図49】本発明の第24実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図50】本発明の別の実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図51】図50に示す回路の各部の信号波形図である。
【図52】本発明のさらに別の実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図53】トランス(リーケージトランス)に代えて2つのインダクタンスを用いて構成した本発明の一実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
【図54】従来の電源装置の概略構成図である。
【図55】交流電源の電圧の1周期にわたる動作波形図である。
【図56】コンデンサC1の容量による入力電流波形の特性変化の説明図である。
【符号の説明】
DB 整流器
D11,D12,D31,D32 ダイオード
C10,C30 平滑用のコンデンサ
Q1,Q2 FET
T11 トランス
C11,C12,C21,C31,C32 コンデンサ
10 制御回路
11 負荷回路
L1,L2 インダクタンス

Claims (18)

  1. 交流電力を直流電力に整流する整流器と、
    前記整流器の一方の出力端子と順方向に一端が接続される第1ダイオードと、
    前記第1ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に接続される平滑コンデンサと、
    前記第1ダイオードの他端と順方向に一端が接続される第2ダイオードと、
    前記第2ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に直列接続される一対のスイッチング素子と、
    前記一対のスイッチング素子の各々と逆並列接続されるダイオードと、
    前記一対のスイッチング素子の接続点と前記整流器の一方の出力端子との間に接続される1次巻線を有するとともに負荷回路と接続される2次巻線を有するトランスと、
    前記第1および第2ダイオードとそれぞれ並列接続される第1および第2コンデンサと
    を備える電源装置。
  2. 交流電力を直流電力に整流する整流器と、
    前記整流器の一方の出力端子と順方向に一端が接続される第1ダイオードと、
    前記第1ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に接続される平滑コンデンサと、
    前記第1ダイオードの他端と順方向に一端が接続される第2ダイオードと、
    前記第2ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に直列接続される一対のスイッチング素子と、
    前記一対のスイッチング素子の各々と逆並列接続されるダイオードと、
    前記一対のスイッチング素子の接続点と前記整流器の一方の出力端子との間に接続される1次巻線を有するとともに負荷回路と接続される2次巻線を有するトランスと、
    前記整流器の両出力端子間に接続される第1コンデンサと、
    前記第2ダイオードと並列接続される第2コンデンサと
    を備える電源装置。
  3. 前記1次巻線と並列接続される第1インダクタを備える請求項1または2記載の電源装置。
  4. 前記2次巻線と直列接続される第2インダクタを備え、前記負荷回路は、負荷とコンデンサとの並列回路により構成され、前記2次巻線および第2インダクタの両端間に接続される請求項1〜3のいずれかに記載の電源装置。
  5. 前記トランスは前記第2インダクタとしての漏れインダクタンス成分を有する請求項4記載の電源装置。
  6. 前記一対のスイッチング素子に対して、スイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方を変更可能にオン/オフ制御を行う制御手段を備える請求項1または2記載の電源装置。
  7. 前記交流電力の電圧変動に応じてスイッチング周波数およびオンデューティ比の少なくとも一方を変更して、前記一対のスイッチング素子に対するオン/オフ制御を行う制御手段を備え、前記制御手段は、前記負荷回路に定格出力を供給しているときは前記オンデューティ比を主体に制御する一方、前記負荷回路への出力を低下させたときは前記スイッチング周波数を主体に制御する請求項1または2記載の電源装置。
  8. 前記平滑コンデンサの両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の検出結果に応じてスイッチング周波数およびデューティ比の少なくとも一方を変更可能に前記一対のスイッチング素子に対するオン/オフ制御を行う制御手段とを備える請求項1または2記載の電源装置。
  9. 印加電圧を所定電圧に制限するクランプ回路を備える請求項1または2記載の電源装置。
  10. 前記一対のスイッチング素子の少なくとも一方と、少なくとも高周波的に並列接続されるコンデンサを備える請求項1または2記載の電源装置。
  11. 前記1次巻線を介して前記整流器の両出力端子間に接続されるスイッチング素子に対して、このスイッチング素子の電圧と前記平滑コンデンサの両端電圧とがほぼ等しい場合にオン制御を行う制御手段を備える請求項1または2記載の電源装置。
  12. 前記1次巻線を介して前記整流器の両出力端子間に接続されるスイッチング素子の両端電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段の検出結果を利用して前記一対のスイッチング素子のオン/オフ制御を行う制御手段と
    を備える請求項11記載の電源装置。
  13. 前記負荷回路は少なくとも2つの共振周波数および少なくとも1つの反共振周波数を有する請求項1または2記載の電源装置。
  14. 前記負荷回路は、第2インダクタを介して前記2次巻線の両端に接続される第3コンデンサと、第3インダクタを介して前記第3コンデンサの両端に各一端が接続される一対のフィラメントを有する放電ランプと、前記一対のフィラメントの他端間に接続される第4コンデンサとにより成る請求項13記載の電源装置。
  15. 前記トランスは前記第2インダクタとしての漏れインダクタンス成分を有する請求項14記載の電源装置。
  16. 制御手段を備え、前記負荷回路は放電ランプを含み、前記制御手段は、前記放電ランプを調光点灯する場合には、前記平滑コンデンサの直流電圧を定格点灯時よりも低い値になるように前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびデューティ比の少なくとも一方を制御し、前記放電ランプのフィラメントを先行予熱する場合には、前記平滑コンデンサの直流電圧を定格点灯時よりも高い値になるように前記一対のスイッチング素子のスイッチング周波数およびデューティ比の少なくとも一方を制御する請求項1または2記載の電源装置。
  17. 前記負荷回路は、前記2次巻線の両端に接続されるコンデンサと、このコンデンサの両端に各一端が接続される一対のフィラメントを有する放電ランプとにより成り、前記各フィラメントの両端間には予熱用の共振回路が接続される請求項1または2記載の電源装置。
  18. 交流電力を直流電力に整流する整流器と、
    前記整流器の一方の出力端子と順方向に一端が接続される第1ダイオードと、
    前記第1ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に接続される平滑コンデンサと、
    前記第1ダイオードの他端と順方向に一端が接続される第2ダイオードと、
    前記第2ダイオードの他端と前記整流器の他方の出力端子との間に直列接続される一対のスイッチング素子と、
    前記一対のスイッチング素子の各々と逆並列接続されるダイオードと、
    前記一対のスイッチング素子の接続点と前記整流器の一方の出力端子との間に接続される第1インダクタンスと、
    負荷回路とともに前記第1インダクタンスと並列に接続される第2インダクタンスと、
    前記第1および第2ダイオードとそれぞれ並列接続される第1および第2コンデンサと
    を備える電源装置。
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