JP3940469B2 - マッサージ機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータにより駆動される回転軸の回転により施療子にマッサージ運動をさせるマッサージ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、特開平5−3901号公報にあるように、モータにより回転される回転軸にカムを取り付け、カムの回転により一対の施療子に揉みマッサージ運動をさせるマッサージ機が知られている。また、一対の施療子の間隔を患部に応じて可変できるようにするために、左右ねじを形成したねじ軸を設け、ねじ軸を回転させて一対の施療子の間隔を変更できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした従来のものでは、回転軸の他にもねじ軸を設けなければならず、マッサージ機が大型の場合はよいが、手持式のマッサージ機のように小型のものに適用しようとすると、装置が大型になり使用し難いという問題があった。
【0004】
本発明の課題は、小型であっても施療子の間隔を可変できるマッサージ機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、
モータにより駆動される回転軸により一対の施療子にマッサージ運動をさせる駆動機構を備えたマッサージ機において、
前記駆動機構は、前記回転軸に一体回転可能に装着された一対のカム部材を備え、かつ、一方の前記カム部材を前記回転軸に前記回転軸の軸方向に摺動可能に装着すると共に、一対の前記施療子を一対の前記カム部材にそれぞれ装着し、
一対の前記カム部材を収納した筒状の収納ケースから一対の前記施療子を突き出させると共に、前記収納ケースの外周に操作筒を前記回転軸の軸方向に摺動可能に装着し、
前記収納ケースに前記回転軸の軸方向に沿って複数の歯を形成すると共に、前記操作筒に前記歯と噛合・解除可能な爪を形成した解除ボタンを設け、
前記操作筒と一方の前記カム部材とを一体的に前記回転軸の軸方向に摺動して一対の前記施療子の間隔を可変できるように係合させたことを特徴とするマッサージ機がそれである。
【0006】
また、前記歯は、傾斜壁と垂直壁とを有する鋸歯状に形成され、前記垂直壁は一対の前記施療子の間隔を広げる方向の反力を受ける側に形成されたものでもよい。あるいは、前記カム部材は傾斜面を有し、前記カム部材の回転により前記施療子に揉みマッサージ運動をさせるものでもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、1は本体ケースで、本体ケース1内には電動モータ2が収納されている。本体ケース1内にはギヤケース4が形成されており、電動モータ2の回転軸に取り付けられたウォームギヤ6が、ギヤケース4内に挿入されている。
【0008】
ウォームギヤ6には、ギヤケース4に回転可能に支持された支持軸8と一体のホイールギヤ10が噛合されており、支持軸8には小歯車12が一体に取り付けられている。小歯車12にはギヤケース4に回転可能に支持された回転軸14に一体に取り付けられた大歯車16が噛合されている。
【0009】
回転軸14は、本体ケース1から外部に突出されており、本体ケース1から突出した回転軸14には、一対の傾斜カム20,22が所定間隔で取り付けられている。一対の傾斜カム20,22にはそれぞれ施療子24,26が係合されている。本体ケース1から突出した回転軸14は、筒状の収納ケース28内に収納されており、また、収納ケース28に形成された一対の軸受け部30,32に回転可能に挿入されている。
【0010】
一方の傾斜カム20は、図1に示すように、回転軸14に形成されたキー溝14aに図示しないキーを介して一体的に回転する第1カム部34を備え、第1カム部34は回転軸14と同軸上に軸部34aを備えている。また、第1カム部34には回転軸14の軸方向に対して傾斜した傾斜面34bが形成されており、傾斜面34bと平行な傾斜面36aを有する第2カム部36が第1カム部34に一体的に回転するように嵌着されている。軸部34aには施療子24が回転可能に装着されており、また、施療子24は両傾斜面34b,36aにより挟持されている。
【0011】
施療子24は、収納ケース28に形成された細長い開口38から収納ケース28の外部に突き出されている。また、施療子24の一端は収納ケース28に形成された回転軸14の軸方向と平行な溝40に挿入されて、収納ケース28と施療子24との相対的回転を規制している。
【0012】
また、他方の傾斜カム22は、回転軸14の軸方向に摺動できないように係止されている点で傾斜カム20と異なるが、その他の点については、他方の傾斜カム22及び施療子26は傾斜カム20及び施療子24と同様な構成であるので詳細な説明を省略する。尚、本実施形態では、電動モータ2、ウォームギヤ6、支持軸8、ホイールギヤ10、小歯車12、回転軸14、大歯車16、一対の傾斜カム20,22により駆動機構41を構成している。
【0013】
収納ケース28は、図1に示すように、本体ケース1に挿入されると共に、本体ケース1に摺動可能に設けられた規制部材42により、収納ケース28と本体ケース1との相対的な回転が規制される。尚、本体ケース1と収納ケース28とは、一体に形成してもよい。
【0014】
一方、収納ケース28の外周には、操作筒44が摺動可能に装着されている。収納ケース28には、図2、図4に示すように、回転軸14に沿って窓46,48が形成されており、窓46,48の上下の縁に、回転軸14に沿って複数の歯50〜53が形成されている。各歯50〜53は傾斜壁50a〜53aと垂直壁50b〜53bとを有する鋸歯状に形成されており、垂直壁50b〜53bは回転軸14と直交し、他方の施療子26と対向して形成されている。尚、歯50〜53は鋸歯状に限らず、矩形形状であっても実施可能である。
【0015】
操作筒44には、窓46,48に対応して貫通孔54,56が形成されており、貫通孔54,56には解除ボタン58,60が摺動可能に挿入されている。また、解除ボタン58,60は窓46,48に沿って移動できるように、そして、解除ボタン58,60の先端は、操作筒44の窓46,48から内部にまで突き出されて形成されている。解除ボタン58,60の外周先端には、歯50〜53に噛合する爪62〜65が形成されている。
【0016】
図2、図3に示すように、第1カム部34には、連結部材66が回転可能に嵌着されており、また、第1カム部34に装着された止め輪68により抜け止めが図られている。連結部材66には、解除ボタン58,60に対向してボス部70,71が形成されており、ボス部70,71は解除ボタン58,60に形成された有底孔72,73に摺動可能に挿入されている。
【0017】
有底孔72,73にはコイルスプリング74,75が挿入されており、解除ボタン58,60を、爪62〜65が歯50〜53に噛合するように付勢している。そして、解除ボタン58,60をコイルスプリング74,75の付勢力に抗して押したときには、爪62〜65と歯50〜53との噛合が解除されるように構成されている。
【0018】
次に、前述した本実施形態のマッサージ機の作動について説明する。
まず、電動モータ2が駆動されると、ウォームギヤ6、ホイールギヤ10、支持軸8、小歯車12、大歯車16を介して回転軸14が回転駆動される。回転軸14の回転により、一対の傾斜カム20,22が回転する。両施療子24,26は溝40により回転軸14の廻りの回転が規制されているので、両傾斜面34b,36aの回転軸14廻りの回転により、両施療子24,26は、図1に示すように、揉みマッサージ運動をする。この施療子24,26を患部に当てて揉みマッサージを受けることができる。
【0019】
両施療子24,26の間隔を患部に合わせて変更する場合には、操作筒44を手で握って、操作筒44を収納ケース28に沿って間隔が狭まる方向に摺動させる。その際、爪62〜65は歯50〜53の傾斜壁50a〜53aに沿って移動し、コイルスプリング74,75の付勢力に抗して解除ボタン58,60を摺動させる。これにより、爪62〜65と歯50〜53との噛合が解除され、操作筒44は収納ケース28の外周に沿って移動する。
【0020】
よって、解除ボタン58,60、ボス部70,71、連結部材66を介して第1カム部34が回転軸14に沿って移動する。これに伴って、施療子24が第1カム部34と共に回転軸14に沿って、他方の施療子26に接近する方向に移動する。
【0021】
両施療子24,26の間隔が患部に応じた適当な間隔となったときには、操作筒44の移動を停止する。これにより、解除ボタン58,60がコイルスプリング74,75の付勢力により移動されて、爪62〜65が歯50〜53に噛合する。そして、電動モータ2を駆動して施療子24,26に揉みマッサージ運動を行わせる。
【0022】
患部に当たられた施療子24,26には、揉みマッサージ運動により、両施療子24,26の間隔を広げる方向の反力が作用する。この反力は、第1カム部34、連結部材66、ボス部70,71を介して解除ボタン58,60に作用する。爪62〜65は歯50〜53の垂直壁50b〜53bに当接して、解除ボタン58,60の移動を規制する。よって、一方の施療子24に反力が加わっても、一方の施療子24が移動することはない。
【0023】
両施療子24,26の間隔が広くなる方向に移動しようとするときには、解除ボタン58,60を指で押して、コイルスプリング74,75の付勢力に抗して、爪62〜65と歯50〜53との噛合を解除する。そして、操作筒44を把持して移動する。これにより、前述したと同様に、操作筒44の移動に伴って、施療子26が解除ボタン58,60、連結部材66、第1カム部34を介して移動され、両施療子24,26の間隔が変更される。
【0024】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明のマッサージ機は、小型であるにもかかわらず、操作筒により施療子を移動することができ、容易に両施療子の間隔を調整することができるという効果を奏する。また、歯を鋸歯状に形成することにより、両施療子の間隔を狭める際には、操作筒を移動するだけで間隔を変更できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのマッサージ機の断面図である。
【図2】本実施形態のマッサージ機の図1と90度角度が異なる要部拡大断面図である。
【図3】図2のAA断面図である。
【図4】本実施形態のマッサージ機の解除ボタンと歯との拡大斜視図である。
【符号の説明】
1…本体ケース 14…回転軸
20,22…傾斜カム 24,26…施療子
28…収納ケース 41…駆動機構
44…操作筒 46,48…窓
50〜53…歯 50a〜53a…傾斜壁
50b〜53b…垂直壁 58,60…解除ボタン
66…連結部材

Claims (3)

  1. モータにより駆動される回転軸により一対の施療子にマッサージ運動をさせる駆動機構を備えたマッサージ機において、
    前記駆動機構は、前記回転軸に一体回転可能に装着された一対のカム部材を備え、かつ、一方の前記カム部材を前記回転軸に前記回転軸の軸方向に摺動可能に装着すると共に、一対の前記施療子を一対の前記カム部材にそれぞれ装着し、
    一対の前記カム部材を収納した筒状の収納ケースから一対の前記施療子を突き出させると共に、前記収納ケースの外周に操作筒を前記回転軸の軸方向に摺動可能に装着し、
    前記収納ケースに前記回転軸の軸方向に沿って複数の歯を形成すると共に、前記操作筒に前記歯と噛合・解除可能な爪を形成した解除ボタンを設け、
    前記操作筒と一方の前記カム部材とを一体的に前記回転軸の軸方向に摺動して一対の前記施療子の間隔を可変できるように係合させたことを特徴とするマッサージ機。
  2. 前記歯は、傾斜壁と垂直壁とを有する鋸歯状に形成され、前記垂直壁は一対の前記施療子の間隔を広げる方向の反力を受ける側に形成されたことを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
  3. 前記カム部材は傾斜面を有し、前記カム部材の回転により前記施療子に揉みマッサージ運動をさせることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のマッサージ機。
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