JP3570273B2 - マッサージ機の強弱調整機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はマッサージ機における施療子が人体を押圧する強さを調節する強弱調整機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マッサージ機として、中間部において回動自在に支持されたアームの一端に施療子を設けて、アームの他端を振ることによって、施療子にたたきマッサージ動作を行えるようにしたものが特開平5−3900号公報に示されており、また、偏心回転する偏心輪に対して遊転自在となっているリングにアームの中間部を固定して、一端に施療子が設けられたアームの他端を振ることで、施療子にたたきマッサージ動作を行わせ、偏心輪を回転させることによって施療子にもみマッサージを行わせるようにしたものが特開平9−224994号公報に示されている。
【0003】
そして、上記のようなマッサージ機においては、アームの他端の位置(アームの他端を振る位置)を変化させることができるようにすることで、施療子が人体を押圧する最大強さを調節することができるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記マッサージの強弱調整機構では、モータから数多くの部材を使用することで、アームの他端位置を変化させており、構造が複雑となっている。また、前者においては強弱調整用モータが、後者においてはクラッチが必要となっている。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは少ない部品数で強弱調整のためのアームの他端位置の変化を行わせることができるマッサージ機の強弱調整機構を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明は、中ほどが回動自在に支持されているアームの先端に施療子を設けるとともにアームの他端を連結リンクの一端に揺動自在に連結し、連結リンクの他端位置の調整で上記施療子によるマッサージの強弱の調整を行うマッサージ機の強弱調整機構において、支持軸回りに回転自在であり且つ上記連結リンクの他端を回動自在に支持している回転板と、回転板とマッサージ用駆動軸との両者の間の回転動力伝達を行う伝導部材と、上記回転板に接して回転板の回転に伴って回転するアイドル部材と、上記伝導部材をマッサージ用駆動軸から離して回転板とアイドル部材とに接触する位置に移動させる作動部材とを備えていることに特徴を有している。駆動軸と回転板との間を伝導部材でつなげば、強弱調整が可能となり、伝導部材を回転板とアイドル部材とに接触させれば、回転板をロックしてしまうことができる。
【0007】
回転板と伝導部材とアイドル部材とは歯面が緩衝用ゴムで覆われたギアとしたり、その表面の摩擦係数よりも大なる摩擦係数を有する被覆で覆われたローラーであることが騒音の点で好ましい。
【0008】
また、回転板は扇型のものとすることで小型化を図ることができる。
【0009】
さらに作動部材はばね付勢で復帰するソレノイドとすることで、作動部材を強弱調整時のみ動力が必要なものとすることができる。
【0010】
回転板とともに回転する検知板と、検知板に設けたスリットを検出する光学式センサーとを伝導部材の位置検知手段として備えたものとすることも好ましく、位置検知手段が伝導部材のオーバーラン検知手段を兼ねていることがさらに好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明を実施の形態の一例に基づいて詳述すると、図1〜図3において、図中2はもみマッサージのための主軸であり、この主軸2には主軸2に対して偏心し且つ傾いた状態で円盤20が固定されており、円盤20の外周に設けられた遊転自在な外輪部にアーム10の中ほどが固定されている。先端にローラ状の施療子1が取りつけられた上記アーム10の他端には、連結リンク36の一端が自在継手によって三次元揺動自在に連結されている。なお、円盤20及び施療子1を備えたアーム10は2つ設けているのであるが、図1においては片方を省略している。
【0012】
上記主軸2と平行に配設された支持軸30には回転板3とベルクランク4とが夫々回動自在に取り付けられている。回転板3はその外周面に歯を備えたギアとなっており、支持軸30と平行な軸35を支持している。軸35には上記連結リンク36の他端が回動自在に連結されている。
【0013】
ベルクランク4は、一端がソレノイド40に連結され、他端にギアである伝導部材22が取りつけられたもので、上記回転板3の外周面の歯と常時噛み合う伝導部材22は、ソレノイド40によってベルクランク4を回動させることで、主軸2に固定したギアである伝達部材21にも噛み合う状態と、回動板3と常時噛み合っているギアであるアイドル部材23にも噛み合う状態を切り換える。
【0014】
今、図2(a)及び図2(c)に示すように、伝導部材22がアイドル部材23と回転板23とに噛み合っている状態では、回転板3に回転力を与えても、位置が固定であるアイドル部材23と回転板3と伝導部材22の3者が相互に噛み合ってロック状態となっているために、回転板3が回転することはなく、この状態で主軸2を軸回りに回転させたならば、他端側が連結リンク36を介して位置規制されているアーム10は、主軸2に対して偏心しているとともに傾いている円盤20によって動かされて先端の施療子1にもみマッサージのための運動軌跡を描かせる。
【0015】
このもみマッサージの強弱調整を行いたい場合には、上記ソレノイド40を作動させることで、図2(b)(図7(b)参照)に示すように、伝導部材22を伝達部材21と回転板3とに噛み合う位置に動かせば、主軸2の回転が伝導部材22を介して回転板3に伝達されるとともに、この回転に対してアイドル部材23は追従して回転するだけであり、そして、主軸2の回転方向に応じて回転する回転板3は、その回転で上記連結リンク36の他端を支持している軸35の主軸2に対する位置を変化させるために、図3に示すように、施療子1の位置を変化させるものであり、これによって強弱調整を行うことができる。
【0016】
強弱調整が済めば、図2(a)に示す状態に戻すことで、回転板3はその位置でロックされたことになり、もみマッサージ中に回転板3が不用意に動くことはない。
【0017】
ギアとして形成している回転板3と伝導部材22とアイドル部材23及び伝達部材21は、図4に示すように、歯面にゴムのような緩衝材からなる被覆29を設けたものとしておくと、騒音を抑えることができる。図5に示すように、上記各部材をローラーで形成して、ころがり摩擦で動力を伝えるものとしてもよい。なお、ローラーとする場合は、表面を摩擦係数が大なる被覆29で覆ったものとしておくことが滑りのない動力伝達を得る点で好ましい。
【0018】
回転板3を扇型としているのは、不要部分をカットしたためであり、図6から明らかなように、小型化の点で有利である。
【0019】
伝導部材22の位置を切り換えるための作動部材であるソレノイド40は、図7に示すように、強弱調整のために伝導部材22を伝達部材21に噛み合わせる位置へ移動させる時のみ電力が必要であり、アイドル部材23と噛み合う位置への復帰はばね41によって行うものとしておくことが、電力消費の点で好ましい。
【0020】
強弱調整を複数段階にわたって行うようにするためには、回動板3の回転位置を検知する必要があるが、これは図8に示すように、回転板3とともに回転する検知板38と、検知板38に設けた複数のスリット39を検出する光学式センサー37とからなる位置検知手段によって行えばよい。簡便に強弱調整位置を検知することができる。また、上記スリット39には、強弱調整の途中段階を検知するためのものだけでなく、回転板3の回り過ぎを検知するためのものも設けて、強弱調整動作のオーバーラン防止も行えるようにしておくことが好ましい。
【0021】
なお、図示例で示したマッサージ機は、もみマッサージと強弱調整のみが可能となっているが、回転板3のロックを解除した状態において、回転板3を往復回動させることによって、たたきマッサージも可能となる。この場合、支持軸30からベルトを介して回転板3に固着された軸35を回転させることで支持軸30を往復駆動用の駆動部材としたり、アイドル部材23を回転板3の往復回動用の駆動部材とすることができるが、これら以外の部材で回転板3を往復回動させてもよい。たたきマッサージの際の回転板3のロック解除は、図示例のものにおいて、伝導部材22を伝達部材21及びアイドル部材23のいずれにも接していない位置に保持することができるようにすることで行うことができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、中ほどが回動自在に支持されているアームの先端に施療子を設けるとともにアームの他端を連結リンクの一端に揺動自在に連結し、連結リンクの他端位置の調整で上記施療子によるマッサージの強弱の調整を行うマッサージ機の強弱調整機構において、支持軸回りに回転自在であり且つ上記連結リンクの他端を回動自在に支持している回転板と、回転板とマッサージ用駆動軸との両者の間の回転動力伝達を行う伝導部材と、上記回転板に接して回転板の回転に伴って回転するアイドル部材と、上記伝導部材をマッサージ用駆動軸から離して回転板とアイドル部材とに接触する位置に移動させる作動部材とを備えているために、駆動軸と回転板との間を伝導部材でつなぐことで強弱調整を行うことができ、伝導部材を回転板とアイドル部材とに接触させれば、回転板をロックしてしまうことができるものであって、伝導部材が動力伝達と回転板の六の両方に寄与することもあって、少ない部品数で強弱調整を行うことができるものであり、またマッサージ用駆動軸から動力を取るために、強弱調整用モータが不要である上に、上記伝導部材がクラッチ部材となっていることから、別途クラッチが必要となることもない。
【0023】
そして、回転板と伝導部材とアイドル部材とは歯面が緩衝用ゴムで覆われたギアとしたり、その表面の摩擦係数よりも大なる摩擦係数を有する被覆で覆われたローラーとすることによって、強弱調整の際の騒音を抑制することができる。
【0024】
また、回転板は不要な部分をカットした扇型のものとすることで小型化を図ることができる。
【0025】
さらに作動部材はばね付勢で復帰するソレノイドとすることで、作動部材を強弱調整時のみ動力が必要なものとすることができる。
【0026】
回転板とともに回転する検知板と、検知板に設けたスリットを検出する光学式センサーとを伝導部材の位置検知手段として備えたものとするで、強弱調整の他段階化を容易に得ることができ、さらに位置検知手段が伝導部材のオーバーラン検知手段を兼ねていると、強弱調整動作のオーバーランも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の斜視図である。
【図2】(a)(b)(c)は同上の動作説明図である。
【図3】(a)(b)(c)は同上の動作説明図である。
【図4】他例の部分正面図である。
【図5】さらに他例の部分正面図である。
【図6】回転板の不要部分のカット状態を示す正面図である。
【図7】(a)(b)は作動部材の動作を示す正面図である。
【図8】位置検知手段を示す部分正面図である。
【符号の説明】
1 施療子
3 回転板
4 作動部材
10 アーム
22 伝導部材
23 アイドル部材
30 支持軸
36 連結リンク
Claims (7)
- 中ほどが回動自在に支持されているアームの先端に施療子を設けるとともにアームの他端を連結リンクの一端に揺動自在に連結し、連結リンクの他端位置の調整で上記施療子によるマッサージの強弱の調整を行うマッサージ機の強弱調整機構において、支持軸回りに回転自在であり且つ上記連結リンクの他端を回動自在に支持している回転板と、回転板とマッサージ用駆動軸との両者の間の回転動力伝達を行う伝導部材と、上記回転板に接して回転板の回転に伴って回転するアイドル部材と、上記伝導部材をマッサージ用駆動軸から離して回転板とアイドル部材とに接触する位置に移動させる作動部材とを備えていることを特徴とするマッサージ機の強弱調整機構。
- 回転板と伝導部材とアイドル部材とは歯面が緩衝用ゴムで覆われたギアであることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機の強弱調整機構。
- 回転板と伝導部材とアイドル部材とはその表面の摩擦係数よりも大なる摩擦係数を有する被覆で覆われたローラーであることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機の強弱調整機構。
- 回転板は扇型のものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のマッサージ機の強弱調整機構。
- 作動部材はばね付勢で復帰するソレノイドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載のマッサージ機の強弱調整機構。
- 回転板とともに回転する検知板と、検知板に設けたスリットを検出する光学式センサーとを伝導部材の位置検知手段として備えていることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機の強弱調整機構。
- 位置検知手段は伝導部材のオーバーラン検知手段を兼ねていることを特徴とする請求項6記載のマッサージ機の強弱調整機構。
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