JP3940006B2 - トンネル布設替え装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設トンネルを新設トンネルに布設替えするためのトンネル布設替え装置に係り、詳しくは、既設トンネルの位置に対して新設トンネルの位置を移動した形で設定構築することができるトンネル布設替え装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近来、例えば地下鉄のトンネル、下水道管路などにおいて、老朽化や用途変更などが求められるようになり、既存しているトンネル(以下、「既設トンネル」とする)の位置に新たなトンネル(以下、「新設トンネル」とする)を布設する布設替えが行なわれている。このようなトンネルの布設替えにおいては、例えば拡大シールド工法、老朽管路更新工法などが適用されており、まず、既設トンネルの既設覆工の外側を掘削し、空間に突出したような形となった既設覆工をそれぞれのセグメントに分解し、地上に撤去した後、掘削された部分に新たなセグメントを連結して新設覆工を形成し、新設トンネルに布設替えするようなシールド装置が採用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、地下水の浸食等による地盤沈下や、地震等による地盤の隆起等によって、既設トンネルの布設された当時の位置と現在の位置にずれが生じている場合がある。これらの場合に対して、上記従来のトンネル布設替え装置では、現在の位置にある既設トンネルの位置に合わせてしか、新設トンネルの位置を設定することができず、布設当時の位置に対しずれてしまった既設トンネルの位置に対して、既設トンネルの布設時の位置あるいは新たに計画された位置に新設トンネルを布設するために、既設トンネルに対して位置をずらして新設トンネルを布設することができるシールド装置が求められている。
【0004】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、既設トンネルを新設トンネルに布設替えする際に、既設トンネルの位置に対して移動した位置に新設トンネルを布設することができる、トンネル布設替え装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は、既設トンネルを新設トンネルに布設替えするトンネル布設替え装置において、
前記既設トンネル(50)の外径(d1)より大きな内径を有する筒形の外殻(2)と、
前記外殻(2)の前方部(2a)に設けられ、前記既設トンネル(50)の外周部の地山(70)を掘削し得る掘削手段(6)と、
前記外殻(2)の後方部(2b)内周側に設けられ、前記新設トンネル(60)の新設覆工(61)を布設するための内殻(20)と、を有し、
前記外殻(2)と内殻(20)の間に、所定の間隔で揺動可能に配設された複数のカム機構(40)を設け、
該カム機構(40)により、内殻(20)を外殻(2)の径方向に相対的に移動し得るように構成される。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記カム機構(40)は、
前記外殻(2)と内殻(20)の間に、外殻(2)の軸心(CT2)と平行な軸心を中心として揺動自在に配設されたカム(41)と、
該カム(41)に連結され、カム(41)を揺動させる伸縮形アクチュエータ(46)を有することを特徴として構成される。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記カム(41)は、
前記外殻(2)の内周面もしくは内殻(20)の外周面との摺接部に、外殻(2)の軸心(CT2)と平行な軸心を中心として回転可能に配設された複数のローラ(43)を有することを特徴として構成される。
【0008】
請求項4に係る本発明は、前記外殻(2)の内周面もしくは内殻(20)の外周面の前記カム(41)が摺接する位置に、補強板(36)を配設したことを特徴として構成される。
【0009】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によると、内殻を外殻に対して、その半径方向に相対的に移動駆動し得るカム機構を有するので、既設トンネルの位置に対して、内殻の位置によって決定される新設トンネルの位置を適宜移動させて設定することができる。これにより、地盤の沈下や隆起による既設トンネルの設計位置からのずれを修正しながら新設トンネルを布設することができる。また、簡単な機構で外殻に対して内殻を移動駆動することができる。
【0010】
請求項2に係る発明によると、前記カム機構は、前記外殻と内殻の間に、外殻の軸心と平行な軸心を中心として揺動自在に配設されたカムと、該カムに連結され、カムを揺動させるアクチュエータとから構成されるので、カム機構をコンパクトに配置することができ、外殻と内殻の間の空間を小さくすることができる。即ち、装置の小型化に寄与することができる。
【0011】
請求項3に係る発明によると、前記カムは、前記外殻の内周面もしくは内殻の外周面との摺接部に、外殻の軸心と平行な軸心を中心として回転自在な複数のローラを有するので、外殻の内周面もしくは内殻の外周面とカムの摺接部における相対移動を滑らかにすることができ、外殻と内殻の相対移動を円滑に行なわせることができる。
【0012】
請求項4に係る発明によると、前記外殻の内周面もしくは内殻の外周面の、前記カムとの摺接面に補強板を配置したので、より大きな圧力で、確実に外殻と内殻の相対移動を行なわせることができる。また、外殻と内殻の相対移動時におけるカムからの押し圧力で外殻もしくは内殻を損傷することがなく、信頼性の高い装置の提供が可能になる。
【0013】
なお、括弧内の符号等は、図面と対照するためのもので、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1、図2、図3、図4に沿って説明する。図1は、本発明に係るトンネル布設替え装置の一例を示す断面図、図2は、図1のA矢視図、図3は、図1のB−B断面図、図4は、図1のC−C断面図である。なお、以下の説明において、トンネル布設替え装置が布設を行ないつつ進行する方向(トンネル形成方向)に基づいて、図1の左側を前方とし、右側を後方とする。
【0015】
まず、布設替えされる既設トンネル50について、図1及び図2に沿って説明する。図1及び図2に示すように、既設トンネル50は、地山70の土圧・水圧に対抗するように構築された長さLの既設覆工51が前後方向に連結されて構成されている。
【0016】
該既設覆工51は、例えば、周方向長さl1の6個のセグメント52aと周方向長さl2の1個のセグメント52bが、既設トンネル50の軸心CT1を中心にした外径d1を有する円周上に、不図示の継手ボルトなどにより環状に組み立てられて1リングが形成されている。従って、前記継手ボルトなどによる接続を解除することで、既設覆工51は簡単に既設セグメント52a、52bに分解することができる。また、既設覆工51の外周は、地山70の崩落を防止すると共に、地下水などの侵入を防ぐために、裏込め51aに覆われている。
【0017】
図1に示すように、トンネル布設替え装置1は、前記既設トンネル50の軸心CT1と同心である軸心CT2上に、該トンネル布設替え装置1の略全体に亘って前後に形成された外径Dからなる円筒形の外殻2を有している。該外殻2の内径は、既設トンネル50の外径d1よりも大きく形成されている。
【0018】
前記外殻2は、中折れ型とされ、その進行方向の前方部2aと後方部2bとに2分割され、該後方部2bの先端(図1の左側)には、環状のフレーム2cが固定されている。前記前方部2aと後方部2bとは、伸縮自在な中折れジャッキ3により連結されている。そして、中折れジャッキ3の伸縮により、該連結部において、トンネル布設替え装置1全体が屈曲自在である。また、前記連結部には、該連結部から地下水や土砂がトンネル布設替え装置1の内部に侵入しないように、中折れシール5が配設されている。なお、外殻2は、必ずしも中折れ形のものではなくてもよく、関節の無い一体型の外殻としてもよい。
【0019】
前記外殻2の前方部2aの先端部分(図1の左端部)には、既設トンネル50の既設覆工51の外側に、掘削手段の一例である円環状のカッタ6が設けられている。このカッタ6は、図2に示すように、複数のカッタビット6bを有するカッタスポーク6aを、周上の略均等の位置に、例えば、8箇所有している。また、それらカッタスポーク6a、6aの間には、既設トンネル50の既設覆工51の裏込め51aを掘削するディスクカッタ6cを有している。なお、前記カッタ6などの掘削手段は、例えば、水圧(ウオータジェット)により地山70を掘削するものでもよく、つまり、既設トンネル50の外周部の形状に対応した形で環状に地山70を掘削し得るものならよい。
【0020】
前記外殻2の前方部2aの内周側には、既設トンネル50の既設覆工51の該径より僅かに大きな内径の内筒7が設けられている。該内筒7の内面には、既設覆工51の外周面に密着し、地下水などの侵入を防ぐ複数のセグメントシールブラシ7aとセグメントシールチューブ7bとが設けられている。
【0021】
前記外殻2の前方部2aと内筒7の間には、伝達筒9が配設されている。該伝達筒9は、その前端がカッタ6の後端に固定され、後端には、環状の内側ギヤ9aが固定されている。前記外殻2の前方部2aの後端部には、カッタ6駆動用のモータ10が配設されている。このモータ10の駆動力は、出力ギヤ10aを介して前記内側ギヤ9aに伝達され、伝達筒9を介してカッタ6に伝達される。
【0022】
また、前記外殻2の前方部2aと内筒7との間には、新設トンネル60の内部を介して地上に連通する送泥管11(図1中上方)と排泥管12(図1中下方)とが設けられている。そして、送泥管11と排泥管12の先端は、それぞれカッタ6の後部に形成されるチャンバ6dに接続されており、該送泥管11の先端には、加圧泥水を供給する送泥口11aが、該排泥管12の先端には、掘削土砂を吸入する排泥口12aがそれぞれ設けられている。
【0023】
また、前記送泥管11には、該送泥管11内の圧力を調整する調整弁11bが、前記排泥管12には、該排泥管12内の圧力を調整する調整弁12bが、それぞれ設けられている。なお、図1では、前記送泥管11及び排泥管12が、トンネル布設替え装置1の後方の新設トンネル60側(図1の右側)に向けて配置され、新設トンネル60内より地上に連通しているが、前方の既設トンネル50側(図1の左側)に向けて配設し、既設トンネル50内より地上に連通させてもよい。
【0024】
前記内筒7には、既設トンネル50の既設覆工51の後端面(図1の右側端面)に対してシールリング13を押圧自在であるシールリングジャッキ15が、既設トンネル50の軸心CT1に対して円環状に複数配置されている。そして、前記シールリングジャッキ15を伸長させると、前記シールリング13を既設覆工51の後端面(図1の右側端面)に押しつけて、前記既設覆工51とセグメントシールチューブ7b及びセグメントシールブラシ7aとの間を通り抜けてきた地下水等の、内筒7内への侵入を防止する。
【0025】
また、内筒7内には、既設覆工51を分解するための第1のエレクタ16が設けられている。このエレクタ16には、回転フレーム17と、該回転フレーム17に支持された伸縮ジャッキ18と、該伸縮ジャッキ18に支持され、既設セグメント52a、52bを把持するための把持部19が設けられている。
【0026】
前記外殻2の後方部2bの内周側には、既設トンネル50の既設覆工51の外径d1と略同径あるいは小径であり、新設トンネル60の新設覆工61を内側に布設するための、内径d2を有する内殻20が設けられている。該内殻20の先端(図1の左側)には、前記外殻2の後方部2bの先端に配設されたフレーム2cと相対移動自在に接触する環状のフレーム20aが設けられている。
【0027】
また、前記内殻20は、図3に示すように、前記外殻2の後方部2bの内径部に放射状に配設された複数の偏心用のカム機構40を介して、外殻2に対して相対的に移動可能に支持されている。なお、前記内殻20は、前記内筒7と同径あるいは小径であってもよいし、大径であってもよい。つまり、前記外殻2の後方部2bの内周部と所定の距離を取り得る径であれば、内殻2の径は任意に設定することができ、従って、新設トンネル60の径を前記外殻2の内径までの範囲において任意に設定することができる。
【0028】
前記内殻20の後部(図1の右側)内側には、内殻20の内周面と該内殻20の内側に布設された新設覆工61との隙間から、地下水、裏込め材や埋め戻し材(以下、裏込め材と埋め戻し材を総称して裏込め61aという)が侵入しないように環状に配列された複数列のシールブラシ21が配設されている。
【0029】
また、外殻2の後方部2bの後端(図1の右端)の内周面と内殻20の後端の外周面の間には、地下水や裏込め61aが侵入しないように円環状の止水壁22が配設されている。該止水壁22は、止水スライダ23と止水リング25等により構成されており、該止水スライダ23と止水リング63は共にリング状に形成されている。また、前記止水スライダ23の内径は、前記内殻20の外径と略同径であり、前記止水リング25の外径は、外殻2の後方部2bの内径と略同径である。そして、前記止水スライダ23は、補強用リブ23aで補強される形で、内周部が前記内殻20の外周面に固着され、前記止水リング25の外周部は、前記外殻2の後方部2bの内周面に固着されている。
【0030】
前記止水リング25の前端面内周部には、環状の止水シール25aが配設されている。該止水シール25aには、前記止水スライダ23の後端面が水密状に、前記外殻2の後端部2bの軸心CT2(即ち、内殻20の軸心CT3)と直交する面内で摺動自在に接触している。従って、前記止水スライダ23は、前記地下水や裏込め61aが外殻2の後方部2bと内殻20の間に侵入するのを防ぎつつ、前記内殻20の径方向に対して摺動自在である。即ち、内殻20の軸心CT3が外殻2の後方部2bの軸心CT2に対して所定の範囲内において移動しても、前記止水壁22は、外殻2の後方部2bと内殻20との間の水密性を保持することができる。
【0031】
前記外殻2の後方部2bと内殻20との間には、前記カッタ6により掘削された穴の内周面と新設覆工61の外周面との空間に裏込め材を供給する裏込め材注入管26(図1中上方)と、前記空間に埋め戻し材を供給する埋め戻し材注入管27(図1中下方)とが、それぞれ複数本所定の間隔で設けられている。そして、裏込め材注入管26と埋め戻し材注入管27の先端は、それぞれ前記止水リング25に接続されており、裏込め材注入管26の先端には、裏込め材を供給する供給口26aが、埋め戻し材注入管27の先端には、埋め戻し材を供給する供給口27aがそれぞれ設けられている。
【0032】
前記内殻20の先端(図1の右側)のフレーム20aには、新設トンネル60の新設覆工61の先端面(図1の右側端面)と対向するようにジャッキ29が、内殻20の軸心CT3を中心に円環状に配設されている。該ジャッキ29を伸長させると、新設覆工61の端面を後方に向けて押圧する。この押圧の反力が、ジャッキ29から内殻20のフレーム20a、外殻2の後方部2bのフレーム2c、中折れジャッキ3、外殻2の前方部2aを介してカッタ6に掘進力として伝達される。
【0033】
また、前記内殻20内には、新設覆工61を構築するための第2のエレクタ30が配設されている。該第2のエレクタ30は、回転フレーム31と、該回転フレーム31の後方に配設された吊ビーム32と、該吊ビーム32に配設された伸縮ジャッキ33と、該伸縮ジャッキ33に支持され、新設セグメント62を把持するための把持部35が設けられている。
【0034】
前記第2のエレクタ30は、前記内殻20の内周面に連結される形で配設されるので、回転フレーム31の旋回中心は、常に前記内殻20の軸心CT3と同心になっている。従って、前記把持部35は、内殻20の軸心(即ち、新設トンネル60の軸心)CT3を中心に回転駆動自在で、矢印M−Nに示す半径方向に対しても所定範囲で移動駆動自在となっている。
【0035】
前記既設トンネル50には、外部から前記トンネル布設替え装置1内まで、ローラコンベア55が既設トンネル50の軸心CT1方向に移動可能に配設されている。該ローラコンベア55は、前記第1のエレクタ16により既設覆工51から取り外した既設セグメント52a、52bを既設トンネル50外へ搬出すると共に、前記第2のエレクタ30により構築する新設覆工61を組み立てるための新設セグメント62を既設トンネル50外から搬入する。
【0036】
なお、本実施の形態においては、前記ローラコンベア55は、既設トンネル50を通して外部から配設されているが、該ローラコンベア55は新設トンネル60側に配設してもよいし、既設トンネル50と新設トンネル60の両方に配設して、既設セグメント52a、52bの搬出と、新設セグメント62の搬入を同時に行なえるようにしてもよい。
【0037】
前記カム機構40は、揺動自在なカム41と、該カム41を揺動させるアクチェータ46で構成されている。該アクチュエータ46は、油圧により伸縮自在である。
【0038】
前記カム41は、その両端にカム軸41aが形成され、図1及び図3に示すように、外殻2の後方部2bの内周面に固定された軸受42に、前記カム軸41aを介して回動自在に支持されている。なお、前記カム軸41aの軸心は、前記後方部2bの軸心CT2と平行になるように配設される。前記カム軸41aの一端には、図1及び図4に示すように、所定の角度で一対の突起部を有するレバ45が固定されている。
【0039】
また、前記カム41の前記内殻20の外周面との接触部(摺接部)には、前記後方部2bの軸心CT2と平行な軸心を中心として回転自在な複数列、各列複数個のローラ43(図3では、左右両側のカム41についてはローラ43の図示を省略してある)が配設されている。一方、前記ローラ43が当接(摺接)する前記内殻20の外周面には、補強板36が固定されている。
【0040】
前記アクチュエータ46は、一端がピン47を介して前記外殻2の後方部2bの内周面に揺動自在に枢着され、他端が前記レバ45の一端にピン47を介して揺動自在に枢着されている。従って、アクチュエータ46を適宜伸縮させることにより、カム41を揺動させることができる。
【0041】
これにより放射状に設けられた複数のカム機構40を適宜駆動することにより、内殻20を、その軸心CT3が、図3に示すように、外殻2の後方部2bの軸心CT2に垂直な方向(即ち、外殻2の半径方向)に、該軸心CT2を中心とする直径d3の円内で移動させる形で、前記後方部2bに対して相対的に移動させることができる。
【0042】
続いて、トンネルの布設替えを行なう際のトンネル布設替え装置1の動作について、図1ないし図4に沿って説明する。
【0043】
まず、トンネル布設替え装置1を、既設トンネル50の布設方向に前進させる工程を行う。該トンネル布設替え装置1は、送泥管11の送泥口11aより加圧泥水を供給してカッタスポーク6aと対向する切羽を加圧すると共に、モータ10により伝動筒9を介してカッタ6を回転駆動させた状態で、ジャッキ29を伸長させ、新設覆工61を押圧する。この押圧の反力として、内殻20のフレーム20a、外殻2の後方部2bのフレーム2c、中折れジャッキ3、外殻2の前方部2aを介してカッタ6に掘進力が伝達され、カッタ6が既設トンネル50の布設方向(図1の左側)に向けて前進する。
【0044】
そして、既設トンネル50の外側の地山70(ここで言う地山とは、既設トンネル50の外周部の土砂、裏込め材など、除去すべき部材の総称である)を掘削する。同時に、排泥管12の排泥口12aより掘削土砂を排出する。そして、図1に示すように、既設覆工51の1リングの長さLの分を掘削し終えた状態で、トンネル布設替え装置1の進行を停止した状態とする。
【0045】
なお、トンネル布設替え装置1を既設トンネル50に沿って前進させる工程において、例えば、前記既設トンネル50がカーブを描いて布設されている場合などは、前記中折れジャッキ3を適宜伸縮させることにより、前記外殻2の前方部2aと後方部2bを相対的に屈曲させ、前記トンネル布設替え装置1全体を既設トンネル50のカーブに沿わせる。これにより、前記既設トンネル50がカーブしている場合でも、前記トンネル布設替え装置1を既設トンネル50に沿って前進させる工程が円滑に行なわれる。
【0046】
次いで、既設トンネル50の既設覆工51の1リング分を解体する工程を行う。まず、第1エレクタ16を回動駆動して、既設覆工10の図1最右方、即ち、最後方の1リングを形成している既設セグメント52a、52b(図2参照)の内図1中二点鎖線で示す上方位置aにある既設セグメント52b(図2参照)を把持部19で把持する。そして、把持した既設セグメント52bとその周囲にある(周方向及び前方)既設セグメント52a、52bを連結している継手ボルトなどを、手動、または機械的に撤去し、セグメント52a、52bとの連結状態を解除する。
【0047】
そして、把持部19で把持した既設セグメント52bを下方に向けて引圧し、既設覆工51より既設セグメント52bを引き剥がす形で取外し、図1中二点鎖線で示す位置bに既設セグメント52bを、そのセグメント52bの姿勢を維持した状態で移動する。このとき、既設セグメント52bに隣接していた既設セグメント52aは、その周囲にある(周方向及び前方)既設セグメント52aと連結された状態にあるので、布設された状態を維持している。
【0048】
そして、エレクタ16の回転フレーム17を回転駆動して、把持部19で把持した既設セグメント52bを略半周移動し、図1中二点鎖線で示すローラコンベア55上方の位置cへ移動させた後、伸縮ジャッキ18を伸長させて、既設セグメント52bをローラコンベア55上に載置する。その後、把持部19による把持を解除して、前記ローラコンベア55で既設セグメント52bを外部に搬出する。
【0049】
以下、同様にして、既設トンネル50の既設覆工51から既設セグメント51aを順次取外す。これを既設覆工51の1リング分繰り返すことにより、既設覆工1リング分を解体する工程を終了する。なお、既設覆工51の下端(図2の下端)位置にある2個の既設セグメント52aを取外す際には、前記ローラコンベア55を前方(図1の左側)へ退避させる。
【0050】
こうして、既設トンネル50を解体した後、新設トンネル60側に1リング分の新設覆工61を布設する。既設トンネル50は、長期間の使用している間に、地下水の浸食による地盤の沈下や、地震による地盤の沈下、隆起などの影響で本来の布設位置から上下、左右方向にずれ動いている。従って、新設トンネル60の軸心CT3を、既設トンネル50の軸心CT1と一致する形で布設すると、新設トンネル60は、ずれ動いた既設トンネル50と同じ位置に布設されることになり、既設トンネル50の地盤の沈下や隆起の影響をそのまま引き継ぐことになり、好ましくない。
【0051】
そこで、新設トンネル60を設計上の軸心位置に一致させて布設するためには、既設トンネル50の軸心CT1と一致した形で掘進するトンネル布設替え装置1の外殻2に対して、新設トンネル60を布設する内殻20を相対的に移動させる必要がある。それには、まず、外殻2と内殻20との間に配設された偏心用のカム機構40のアクチュエータ46を適宜伸縮させて、内殻20を、図3に示すように、その軸心CT3が新設トンネル60の設計上の軸心位置と一致する位置に位置決めする。
【0052】
外殻2に対して内殻20が相対的に移動しても、両者の間に設けられた止水壁22は、内殻20に設けられた止水スライダ23が外殻2に設けられた止水リング25と接触した状態で移動してその水密状態を維持するので、外殻2と内殻20の間の止水状態は、良好に維持される。
【0053】
こうして、内殻20の軸心CT3が新設トンネル60の設計上の軸心位置に位置決めされたところで、新設トンネル60の新設覆工61の1リング分を組立てる工程を行う。まず、前記ローラコンベア55により外部から搬入した新設セグメント62を前記内殻20内周部の図1中二点鎖線で示す位置jに載置する。そして、第2のエレクタ30の把持部35により、前記位置jに載置されている新設セグメント62を把持する。
【0054】
該新設セグメント62を把持したエレクタ30は、伸縮ジャッキ33を収縮させて新設セグメント62を吊り上げ、この状態で回転フレーム31を旋回させて、把持部35を上方へ移動させ、把持した新設セグメント62を図1中二点鎖線で示す位置kに移動させる。そして、伸縮ジャッキ33を伸長させて把持している新設セグメント62を図1中二点鎖線で示す位置mに移動させ、該新設セグメント62を不図示の継手ボルトなどにより周囲にある(周方向及び後方)新設セグメント62と連結する。これを新設覆工61の1リングについて順次行なうことにより、新設トンネル60の新設覆工61の1リング分を組立てる工程を終了する。
【0055】
なお、このとき、第2のエレクタ30は、内殻20に装着されているので、たとえ内殻20が外殻2に対してどのように移動したとしても、エレクタ30は内殻20と共に移動するので、エレクタ30の内殻20に対する相対位置は変化することが無く、移動の度にエレクタ30と内殻20との芯出し作業などの手間の掛かる作業を行なう必要が無く、円滑に新設セグメント62を内殻20内で組立てることができる。
【0056】
新設覆工61の1リング分の組立てが完了すると、再び前述の前記トンネル布設替え装置1を既設トンネル50の方向に前進させる工程に戻り、順次既設トンネル50を新設トンネル60に布設替えしていく。
【0057】
以上のように、外殻2の後方部2bと内殻20の間に、前記外殻2に対して前記内殻20を相対的に移動駆動自在な移動駆動手段である偏心用のカム機構40を配設しているので、前記既設トンネル50の位置に対して内殻20の位置により決定される前記新設トンネル60の位置を任意に移動させて設定することができる。
【0058】
また、内殻20の前方部に、円環状の第2のエレクタ30が配設されており、該エレクタ30は、前記内殻20の内周面に連結される形で配設されているので、該エレクタ30の軸心位置は、前記内殻20の軸心(CT3)位置と常に同心とすることができ、前述の通り、前記外殻2の後方部2bの位置に対して前記内殻20の位置が移動しても、支障無く前述の新設トンネル60の新設セグメント62を組立てることができる。
【0059】
さらに、外殻2を、外殻2の前方部2aと後方部2bとに分割し、該外殻2の前方部2aと後方部2bとを、前方部2aと後方部2bの継ぎ目に円環状に配設された複数の前記中折れジャッキ3により連結したので、該中折れジャッキ3が伸縮することにより、トンネル布設替え装置1全体が、前記外殻2の前方部2aと後方部2bとの連結部において屈曲自在であり、上記既設トンネル50がカーブを描いて布設されていても、トンネル布設替え装置1が該カーブに沿う形となり、該カーブにつかえることなくトンネル布設替え装置1を円滑に前進させることができる。
【0060】
なお、前記実施の形態においては、カム機構40を外殻2の内周面に配置し、補強板36を内殻20の外周面に配置する構成として説明したが、前記カム機構40を内殻20の外周面に配置し、補強板36を外殻2の内周面に配置する構成としてもよい。即ち、外殻2に対し内殻20をその径方向に相対移動させられる構成であればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトンネル布設替え装置の一例を示す断面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【符号の説明】
2…外殻
2a…前方部
2b…後方部
6…掘削手段(カッタ)
20…内殻
36…補強板
40…移動駆動手段、カム機構
41…カム
43…ローラ
46…アクチュエータ
50…既設トンネル
60…新設トンネル
61…新設覆工
70…地山
CT2…軸心
d1…外径

Claims (4)

  1. 既設トンネルを新設トンネルに布設替えするトンネル布設替え装置において、
    前記既設トンネルの外径より大きな内径を有する筒形の外殻と、
    前記外殻の前方部に設けられ、前記既設トンネルの外周部の地山を掘削し得る掘削手段と、
    前記外殻の後方部内周側に設けられ、前記新設トンネルの新設覆工を布設するための内殻と、を有し、
    前記外殻と内殻の間に、所定の間隔で揺動可能に配設された複数のカム機構を設け、該カム機構により、内殻を外殻の径方向に相対的に移動し得るようにした、
    ことを特徴とするトンネル布設替え装置。
  2. 前記カム機構は、
    前記外殻と内殻の間に、外殻の軸心と平行な軸心を中心として揺動自在に配設されたカムと、
    該カムに連結され、カムを揺動させる伸縮形アクチュエータを有する、
    ことを特徴とする請求項1記載のトンネル布設替え装置。
  3. 前記カムは、
    前記外殻の内周面もしくは内殻の外周面との摺接部に、外殻の軸心と平行な軸心を中心として回転可能に配設された複数のローラを有する、
    ことを特徴とする請求項2記載のトンネル布設替え装置。
  4. 前記外殻の内周面もしくは内殻の外周面の前記カムが摺接する位置に、補強板を配設した、
    ことを特徴とする請求項2もしくは3記載のトンネル布設替え装置。
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