JP2003184475A - トンネル布設替え装置 - Google Patents

トンネル布設替え装置

Info

Publication number
JP2003184475A
JP2003184475A JP2001391204A JP2001391204A JP2003184475A JP 2003184475 A JP2003184475 A JP 2003184475A JP 2001391204 A JP2001391204 A JP 2001391204A JP 2001391204 A JP2001391204 A JP 2001391204A JP 2003184475 A JP2003184475 A JP 2003184475A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer shell
tunnel
new
existing
replacement device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001391204A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Takahashi
義幸 高橋
Kunihiko Izumi
国彦 泉
Akihiko Suzuki
明彦 鈴木
Masaru Nakajima
大 中嶋
Hiroyuki Ito
広幸 伊藤
Chiyohei Sato
千代平 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Construction Co Ltd
IHI Corp
Original Assignee
Mitsui Construction Co Ltd
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Construction Co Ltd, IHI Corp filed Critical Mitsui Construction Co Ltd
Priority to JP2001391204A priority Critical patent/JP2003184475A/ja
Publication of JP2003184475A publication Critical patent/JP2003184475A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 既設トンネルの位置に対して新設トンネルの
位置を任意に移動して設定し得るトンネル布設替え装置
を提供する。 【解決手段】 第1の外殻の後方部2bと第2の外殻2
6の間に、第2の外殻26の径方向に伸縮自在な偏心用
ジャッキ機構27を放射状に複数配設する。そして、該
複数の偏心用ジャッキ機構27の各第1アクチュエータ
27aを各調整しつつ伸縮させることにより、第1の外
殻の後方部2bに対して第2の外殻26を移動駆動し、
新設トンネル82の位置を任意に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、既設トンネルを
新設トンネルに布設替えするためのトンネル布設替え装
置に係り、詳しくは、既設トンネルの位置に対して新設
トンネルの位置を移動した形で設定構築することができ
るトンネル布設替え装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近来、例えば地下鉄のトンネル、下水道
管路などにおいて、老朽化や用途変更などが求められる
ようになり、既存しているトンネル(以下、「既設トン
ネル」とする。)の位置に新たなトンネル(以下、「新
設トンネル」とする。)の布設替えが行われている。こ
のようなトンネルの布設替えにおいては、例えば拡大シ
ールド工法、老朽管路更新工法などが適用されており、
まず、既設トンネルの既設覆工の外側を掘削し、空中に
突出したような形となった既設覆工をそれぞれのセグメ
ントに分解し、地上に撤去した後、掘削された部分に新
たなセグメントを連結して新設覆工を形成し、新設トン
ネルに布設替えするようなシールド装置が採用されてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、既設トンネ
ルが、地下水の侵食等による地盤沈下や地震等による地
盤の隆起等によって、布設された当時と既設トンネルの
位置にずれが生じている場合がある。これらの場合に対
して、上記従来のトンネル布設替え装置では、上記既設
トンネルの位置に合わせてしか、新設トンネルの位置を
設定することができず、ずれてしまった既設トンネルの
位置に対して、新設トンネルの位置を正しい位置に修正
するために、位置をずらして新設トンネルを布設するこ
とができるシールド装置が求められている。
【0004】そこで本発明は、上記事情に鑑み、既設ト
ンネルを新設トンネルに布設替えする際に、新設トンネ
ルの位置を既設トンネルの位置に対して移動して新設ト
ンネルを布設することができる、トンネル布設替え装置
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明は
(例えば図1ないし図9参照)、既設トンネル(81)
を新設トンネル(82)に布設替えするトンネル布設替
え装置(1,100,200)において、前記既設トン
ネルの外径(d1)より大きな内径を有する筒形の第1
の外殻(2)と、前記第1の外殻の前方部(2a)に設
けられ、前記既設トンネル(81)の外周部の地山(8
0)を掘削し得る掘削手段(3)と、前記第1の外殻の
後方部(2b)内周側に設けられ、前記新設トンネル
(82)の新設覆工(30)を布設するための第2の外
殻(26)と、を備え、前記第1の外殻(2)と第2の
外殻(26)の間に、第1の外殻に対して前記第2の外
殻を相対的に移動駆動し得る移動駆動手段(27,11
0,210,220など)を設けて構成される。
【0006】請求項2に係る本発明は(例えば図1ない
し図9参照)、前記移動駆動手段(27,110,21
0,220)が、前記第1の外殻(2)と前記第2の外
殻(26)の間に配設された複数の伸縮自在なジャッキ
機構(27,110,210,220)を有することを
特徴として構成される。
【0007】請求項3に係る本発明は(例えば図1ない
し図6参照)、請求項2の発明において、前記ジャッキ
機構(27、110)は、前記第1の外殻(2)と前記
第2の外殻(26)の間に配設された複数のリンク部材
(27b,27c、110b、110c)と、該複数の
リンク部材(27b,27c、110b、110c)の
内の少なくとも一つに連結されたアクチュエータ(27
a、110a)を有することを特徴として構成される。
【0008】請求項4に係る本発明は(例えば図4ない
し図9参照)、請求項2の発明において、前記ジャッキ
機構(110,210,220)は、前記第1の外殻
(2)に対して前記第2の外殻(26)を、該第1の外
殻の中心軸(CT2)に対して交差する第1の方向(例
えば鉛直方向)に、移動駆動自在な第1のジャッキ機構
(110,210)と、前記第1の外殻(2)に対して
前記第2の外殻(26)を、該第1の外殻の中心軸(C
T2)に対して交差し且つ前記第1の方向に対しても交
差する第2の方向(例えば水平方向)に、移動駆動自在
な第2のジャッキ機構(110,220)とから構成さ
れる。
【0009】請求項5に係る本発明は(例えば図8参
照)、請求項4の発明において、前記第1及び第2のジ
ャッキ機構(210、220)は、前記第2の外殻の断
面の接線方向に伸縮自在に配置されていることを特徴と
して構成される。
【0010】請求項6に係る本発明によると(例えば図
5又は図8参照)、請求項4の発明において、前記第1
のジャッキ機構(110、210)又は第2のジャッキ
機構(110、220)と、前記第1の外殻(2)又は
第2の外殻(26)との間に、前記第2の外殻の第1の
外殻に対する相対的な移動を許容するスライド機構(1
10S)を設けて構成される。
【0011】請求項7に係る本発明によると(例えば図
1,図4,図7参照)、前記第2の外殻(26)に、前
記新設トンネル(82)の新設セグメント(30a)を
組み立てるセグメント組立装置(50)を配設したこと
を特徴として構成される。
【0012】請求項8に係る本発明は(例えば、図4参
照)、前記第1の外殻(2)に、反力受け手段(2m)
を、前記第2の外殻(26)と当接自在に設けて構成さ
れる。
【0013】請求項9に係わる発明は(例えば、図4参
照)、請求項8記載の発明において、前記反力受け手段
(2m)に対して、前記第2の外殻(26)を、前記第
1の外殻の中心軸(CT2)と直交する方向に移動自在
に設けて構成される。
【0014】
【発明の効果】請求項1に係る発明によると、第1の外
殻に対して第2の外殻を、相対的に移動駆動し得る移動
駆動手段を有するので、既設トンネルの位置に対して、
第2の外殻の位置により決定される新設トンネルの位置
を、適宜に移動させて設定することができる。これによ
り、既設トンネルの地震や地盤沈下による設計位置から
の変動を修正しながら新設トンネルを布設することが出
来る。
【0015】請求項2に係る発明によると、上記移動駆
動手段が、第1の外殻と第2の外殻の間に配設された複
数の伸縮自在なジャッキ機構を有するので、簡単な機構
で第2の外殻を移動駆動することが出来る。
【0016】請求項3に係る発明によると、リンク部材
を利用することにより、小さなスペースでより大きな移
動ストロークを実現することが可能となるばかりか、梃
の原理を利用することにより比較的小さな力で、第2の
外殻を移動駆動することができる。
【0017】請求項4に係る発明によると、ジャッキ機
構は、第1の方向に移動駆動自在な第1ジャッキ機構
と、第1の方向に交差する第2の方向に移動駆動自在な
第2のジャッキ機構とから構成されるので、第2の外殻
(26)を、例えば鉛直方向(第1の方向)と水平方向
(第2の方向)の2方向に分けて移動駆動させることが
でき、第1及び第2ジャッキ機構の制御が容易である。
【0018】請求項5に係る発明によると、前記第1及
び第2のジャッキ機構(210、220)は、前記第2
の外殻の断面の接線方向に伸縮自在に配置されているの
で、通常、第1の外殻と第2の外殻との距離は、第2の
外殻の接線方向のほうが、第2の外殻の軸心を中心とし
た放射方向よりも大きくなるので、当該スペースを生か
した形でジャッキ機構をコンパクトに配置することが出
来、装置の小型化に寄与することが出来る。
【0019】請求項6に係る発明によると、スライド機
構により、ジャッキ機構に対する第2の外殻の横方向の
相対的な動きを効果的に吸収することが出来、ジャッキ
機構に無理な横方向の力が作用することが防止され、信
頼性の高い装置の提供が可能となる。
【0020】請求項7に係る発明によると、第2の外殻
に、新設トンネルの新設セグメントを組み立てるセグメ
ント組立装置を配設したので、該セグメント組立装置の
位置は、第2の外殻の位置に常に追従し、第1の外殻に
対して第2の外殻が移動しても、その度に芯出し作業な
どの煩わしい作業を行う必要が無く、支障なく新設トン
ネルの新設セグメントを組み立てることができる。
【0021】請求項8に係る発明によると、反力受け手
段(2m)により、第2の外殻内に布設された新設トン
ネルの覆工から作用する掘進反力を円滑に第1の外殻
(3)側に伝達することが出来る。
【0022】請求項9に係る発明によると、反力受け手
段に対して、前記第2の外殻を、前記第1の外殻の中心
軸と直交する方向に移動自在に設けて構成したので、第
2の外殻が第1の外殻に対して移動しても、円滑に掘削
反力を伝達することが出来る。
【0023】なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照
するためのものであるが、これは、発明の理解を容易に
するための便宜的なものであり、特許請求の範囲に何等
影響を及ぼすものではない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
沿って説明する。尚、以下に説明する本発明の実施の形
態において、トンネル布設替え装置が布設替えを行いつ
つ進行する方向(トンネルの形成方向)に基づいて、図
1、図4、図7に示す左方を前方とし、右方を後方とす
る。
【0025】(第1の実施の形態)以下図1,図2,図
3に沿って本実施の形態について説明する。図1は本発
明に係るトンネル布設替え装置の一例を示す断面図、図
2は図1のA矢視図、図3は図1のB−B断面図であ
る。
【0026】まず、布設替えされるべき既設トンネル8
1について図1及び図2に沿って説明する。図1及び図
2に示すように、既設トンネル81は、地山80の土圧
・水圧に対抗する形で既設覆工10が構築されて構成さ
れている。該既設覆工10は、例えば7個の既設セグメ
ント10a,10bが、既設トンネル81の軸心CT1
を中心位置にした外径d1を有する円周上に、不図示の
継手ボルトなどにより環状に組み立てられて1リングを
形成しており、1リングが長さ(つまり既設又は新設セ
グメントの長さ)Lで、且つ(既設セグメント10a
の)周方向の長さl、又は(既設セグメント10b
の)周方向の長さlである複数のリングが前後方向に
連結されて形成されている。つまり、上記継手ボルトな
どによる接続を解除することで、既設セグメント10
a,10bは簡単に分割することができる。また、既設
覆工10の外周は、地下水の浸入などを防ぐために裏込
め10eにより覆われている。
【0027】図1に示すように、トンネル布設替え装置
1は、上記既設トンネル81の軸心CT1と同心である
軸心CT2上に、該トンネル布設替え装置1の略全体に
亘って前後に形成された外径Dからなる円筒形の第1の
外殻2を有している。第1の外殻2の内径は、既設トン
ネル81の外径よりも大きく形成されている。第1の外
殻2は、前後方向において2分割とされ、第1の外殻の
前方部2aと第1の外殻の後方部2bとに分割されてい
る。該第1の外殻の前方部2aと第1の外殻の後方部2
bとは、伸縮自在な中折れジャッキ22により連結され
ており、該中折れジャッキ22が伸縮することにより、
該連結部において、本トンネル布設替え装置1全体が屈
曲自在である。また、該連結部には、該連結部から地下
水や土砂が本トンネル布設替え装置1内部に侵入しない
ように、中折れシール23が配設されている。なお、外
殻2は必ずしも、中折れ形のものでなくてもよく、関節
の無い一体型の外殻としてもよい。
【0028】該第1の外殻の前方部2aの前方先端部分
には、既設トンネル81の覆工10の外側に掘削手段の
一例である円環状のカッタ3が設けられている。カッタ
3は、図2に示すように、複数のビット3bを有するカ
ッタスポーク3aを、周上の略々均等の位置に例えば8
箇所有しており、また、それらカッタスポーク3a,3
aの間には、既設トンネル81の既設覆工10の裏込め
10eを切削するディスクカッタ3cを有している。
尚、該カッタ3などの掘削手段は、例えば、水圧(ウオ
ータジェット)により地山を掘削するものでもよく、つ
まり、既設トンネル81の外周部の形状に対応した形で
環状に地山を掘削し得るものならよい。
【0029】上記第1の外殻の前方部2aの内周側に
は、既設トンネル81の覆工10の外周より僅かに大き
な内径の内筒6が設けられており、該内筒6の内側に
は、既設覆工10の外周に密着し、地下水などの浸入を
防ぐ複数のセグメントシールブラシ6aとセグメントシ
ールチューブ6bとが設けられている。第1の外殻の前
方部2aと内筒6との間には、モータ機構4からの駆動
力を伝達する伝達筒4bと、新設トンネル82の内部を
介して地上に連通する送泥管5(図1中上方)及び排泥
管9(図1中下方)と、が設けられており、該送泥管5
の先端には加圧泥水を供給する送泥口5aが、該排泥管
9の先端には掘削土砂を吸入する排泥口9aが、それぞ
れ設けられている。
【0030】また、送泥管5には該送泥管5内の圧力を
調整する調整弁5bが、排泥管9には該排泥管9内の圧
力を調整する調整弁9bが、それぞれ設けられている。
尚、送泥管5及び排泥管9は、後方の新設トンネル82
側(図1中右方)に向けて配置され、新設トンネル82
内より地上に連通しているが、前方の既設トンネル81
側(図1中左方)に向けて配置し、既設トンネル81内
より地上に連通させてもよい。
【0031】また、モータ機構4のモータ4aの駆動力
は出力ギヤを介して内側ギヤ8に伝達され、伝達筒4b
を介して、上記カッタ3に伝達される。内筒6には、既
設トンネル81の既設覆工10を、ブラケット7を介し
て前方に対して押圧自在であるジャッキ20が、軸心C
T2に対して円環状に各複数配設されている。
【0032】上記第1の外殻の後方部2bの後方先端部
分には、第1テールシール25が設けられており、該第
1テールシール25の後方先端には、注入手段の一例で
ある裏込め材を注入するための裏込め材注入口25a
と、埋め戻し材を注入するための埋め戻し材注入口25
bと、が複数配設されている。
【0033】上記第1の外殻の後方部2bの内周側に
は、既設トンネル81の既設覆工10の外径d1と略同
径或いは小径であり、新設トンネル82の新設覆工30
を内径側に布設するための、内径d2を有する第2の外
殻26が設けられている。第2の外殻26は、図3に示
すように、第1の外殻の後方部2bの内径部に放射状に
配設された複数の偏心用ジャッキ機構27を介して、該
第1の外殻の後方部2bの内側に、該第1の外殻2に対
して相対的に移動自在に支持されている。尚、上記第2
の外殻26は、上記内筒6と同径或いは小径であっても
よい。つまり、上記第1の外殻の後方部2bの内周部と
所定の距離を取り得る径であれば、該第2の外殻26の
径は任意に設定することができ、従って、上記新設トン
ネルの径を上記第1の外殻2の内径までの範囲において
任意に設定することができる。
【0034】また、第2の外殻26には、新設トンネル
82の新設覆工30を後方に対して押圧自在であるジャ
ッキ21が、外殻26の軸心CT3を中心に円環状に複
数配設されている。上記第2の外殻26の内側には、新
設覆工30が布設されるが、該第2の外殻26と上記新
設覆工30の隙間から、地下水や裏込め材注入口25a
から注入される裏込め材や埋め戻し材注入口25bから
注入される埋め戻し材が侵入しないように、上記第2の
外殻26の内側に、シールブラシ26aが環状配列され
て複数配設されている。また、上記第1の外殻の後方部
2bの後方先端内周面と上記第2の外殻26の後方先端
外周面の間に、地下水や裏込め材注入口25aから注入
される裏込め材や埋め戻し材注入口25bから注入され
る埋め戻し材が侵入しないように円環状の止水壁60が
配設されている。
【0035】該止水壁60は、止水スライダ61と止水
シリンダ62等により構成されており、該止水スライダ
61と止水シリンダ62は共にリング状である。また、
該止水スライダ61の内径は、上記第2の外殻26の外
径と略同径であり、上記止水シリンダ62の外径は、上
記第1の外殻2の後方部2bの内径と略同径である。そ
して、該止水スライダ61の内周部は、上記第2の外殻
26の外周面に固着され、上記止水シリンダの外周部は
上記第1の外殻の後方部2bの内周面に固着されてい
る。止水シリンダ62には、環状のシリンダ部62aが
形成されており、シリンダ部62aには、止水スライダ
61の外周部が水密状に、軸心CT3に直交する面内で
摺動自在に嵌合している。従って、上記止水スライダ6
1は、上記地下水等が上記第1の外殻の後方部2bと上
記第2の外殻26との間に侵入するのを防ぎつつ、上記
第2の外殻26の径方向に対して摺動自在である。これ
により、後述する、上記第2の外殻26の中心位置CT
3が、上記第1の外殻の後方部2bの中心位置CT2に
対して、該第1の外殻の後方部2bの径方向に所定の範
囲内において移動しても、上記止水壁60は、上記第1
の外殻の後方部2bと上記第2の外殻26との間の水密
性を保持することができる。
【0036】上記トンネル布設替え装置1の内部の前方
部分においては、既設セグメント取外し手段の一例であ
る円環状の第1エレクタ40が設けられており、エレク
タ40には、既設セグメント10a,10bを把持する
ための把持部43が設けられている。該把持部43は、
既設トンネル81の矢印D−Eに示す半径方向に対して
移動駆動自在となっている。
【0037】また、上記トンネル布設替え装置1の後方
部分においては、上記第2の外殻26の前方部内周部
に、新設セグメント配置手段の一例である第2エレクタ
50が配設されている。該第2エレクタ50は、上記第
2の外殻26の内周面に連結される形で配設されている
ので、該第2エレクタの旋回中心位置は、上記第2の外
殻26の軸心CT3と常に同心となっている。該第2エ
レクタ50の回転フレーム51後方には、吊ビーム52
が設けられ、軸心CT3を中心に回転自在となってい
る。該吊ビーム52の外側には、新設セグメント30a
を把持するための把持部53が設けられている。そし
て、該把持部53は、新設トンネル82の軸心CT3を
中心に回転駆動自在で、矢印M−Nに示す半径方向に対
しても所定範囲で移動駆動自在となっている。
【0038】更に、既設トンネル81を通って外部から
上記トンネル布設替え装置1内まで、ローラーコンベア
70が配設されている。該ローラーコンベア70は、上
記第1エレクタ40により取り出した既設覆工10を分
解した既設セグメント10a,10bをトンネル外へ排
出すると共に、上記第2エレクタ50により布設する新
設覆工30を組み立てるための新設セグメント30aを
トンネル外から搬入する。尚、本実施の形態において
は、該ローラーコンベア70は既設トンネルを通って外
部から配設されているが、該ローラーコンベア70は、
新設トンネルを通って外部から配設されてもよい。
【0039】次に、偏心用ジャッキ機構27の構成につ
いて詳説する。上記偏心用ジャッキ機構27は、伸縮自
在な第1アクチュエータ27aとリンク部材27b,2
7cから構成されており、第1アクチュエータ27aは
油圧により伸縮自在である。
【0040】上記第1アクチュエータ27aとリンク部
材27bは、それぞれ第1の外殻の後方部2bの内周面
にピン27d、27eを介してそれぞれ回動自在に枢着
されており、リンク部材27cの一端は、第2の外殻2
6にピン27fを介して枢着されている。上記第1アク
チュエータ27aとリンク部材27b,27cは、ピン
27gを介して、相互に回動自在に枢着されている。
【0041】従って、第1アクチュエータ27aを適宜
伸縮させることにより、リンク部材27b、27cを介
して第2の外殻26を、図1上下方向に移動駆動させる
ことが出来る。これにより、放射状に設けられた複数の
偏心用ジャッキ機構27を適宜駆動することにより、第
2の外殻26を、その軸心C3が、図3に示すように、
第1の外殻2の後方部2bの軸心CT2に垂直な方向
に、該軸心CT2を中心とする所定範囲d3に渡り移動
させる形で、第1の外殻2に対して相対的に移動させる
ことが出来る。
【0042】続いて、トンネルの布設替えを行う際のト
ンネル布設替え装置1の動作について図1ないし図3に
沿って説明する。
【0043】まず、トンネル布設替え装置1を既設トン
ネル81の方向に前進させる工程を行う。該トンネル布
設替え装置1は、送泥管5の送泥口5aより加圧泥水を
供給してカッタスポーク3aに面した切羽を加圧しつ
つ、モータ機構4により伝達筒4bを介してカッタ3を
回転駆動して、排泥管9の排泥口9aより掘削土砂を排
除しつつ、既設覆工10の外側の地山(ここで言う、地
山とは、既設覆工の外周部の土砂、裏込め材など、既設
トンネルの外側に存在する除去すべき部材の総称であ
る)を掘削する。該トンネル布設替え装置1全体は、上
記ジャッキ21で新設覆工30を押圧することにより、
既設トンネルの方向に前進する掘進反力を得ている。こ
の掘進反力は、ジャッキ21から、止水壁60を介して
第1の外殻2に伝達される。そして、図1に示すよう
に、カッタ3により既設覆工10の1リングの長さLの
分を掘削し終えた状態で、本トンネル布設替え装置1の
進行を停止した状態とする。
【0044】尚、トンネル布設替え装置1を既設トンネ
ル81の方向に前進させる工程において、例えば、上記
既設トンネルがカーブを描いて布設されている場合など
は、上記中折れジャッキ22を適宜伸縮させることによ
り、上記第1の外殻2の前方部2aと上記第1の外殻2
bを相対的に屈曲させ、上記トンネル布設替え装置1全
体を既設トンネル81のカーブに沿わせる。これによ
り、上記既設トンネル81がカーブなどしている場合で
も、上記トンネル布設替え装置1を既設トンネル81に
沿って前進させる工程が円滑に行われる。
【0045】次いで、既設トンネル81の既設覆工10
の1リング分を解体する工程を行う。既設覆工10の、
図1最右方、即ち最後方の1リングを形成している既設
セグメント10a,10bを、該セグメントを連結して
いる継手ボルトなどを手動、又は機械的に撤去し、既設
セグメント10a,10bの連結状態を解除する。そし
て、第1エレクタ40を回転駆動して、例えば図1中上
方の二点鎖線で示す位置aにある撤去したい既設セグメ
ント10aを把持する。
【0046】上記第1エレクタ40は、既設セグメント
10aを把持部43により把持しつつ、下方に向けて引
圧し、既設覆工10より該既設セグメント10aを引き
剥がす形で取外し、図1中二点鎖線に示す位置bに既設
セグメント10aを、そのセグメント形状を維持した状
態で移動する。そして、把持部43を回転駆動して略半
周移動し、図1中二点鎖線に示すローラーコンベア70
上である位置cに既設セグメント10aを移動する。そ
の後、把持部43による把持を解除して、該位置cに既
設セグメント10aを載置し、上記ローラーコンベア7
0で該既設セグメント10aを外部に搬出する。これに
より、既設トンネル81の既設覆工10から該既設セグ
メント10aを取外す。これを既設覆工10の1リング
について順次行うことにより、既設トンネル81の既設
覆工10の1リング分を解体する工程を完了する。
【0047】こうして、解体された既設トンネル81
の、図1後方に、新設トンネル82を布設するが、既設
トンネル81は、長期間の使用による地盤沈下や地震な
どの影響で本来の布設位置から上下左右方向にズレ動い
ている。従って、新設トンネル82を、既設トンネル8
1の軸心CT3と一致する形で布設すると、新設トンネ
ル82は、既設トンネル81と同じ位置に布設されるこ
ととなり、既設トンネル81の地盤沈下や地震などの影
響をそのまま引き継ぐ形となり、好ましくない。
【0048】そこで、既設トンネル81の軸心CT1と
一致した形で掘進するトンネル布設替え装置1の第1の
外殻2に対して、新設トンネル82を布設する第2の外
殻26を、相対的に移動させる必要がある。それには、
まず、第2の外殻26と第1の外殻2との間に配置され
た複数の偏心用ジャッキ機構27の第1アクチュエータ
27aを適宜伸縮させて、第2の外殻26を、図3に示
すように、その軸心CT3を所定の範囲d3内で移動さ
せて、第2の外殻26の軸心CT3が、新設トンネル8
2の設計上の軸心位置と一致する位置に位置決めする。
【0049】第2の外殻26が第1の外殻2に対して、
相対的に移動しても、両者の間に設けられた止水壁60
は、第2の外殻26に設けられた止水スライダ61が、
止水シリンダ62に対して移動してその水密状態を維持
するので、第1の外殻2と第2の外殻26間の止水状態
は、良好に維持される。
【0050】こうして、第2の外殻26が、新設トンネ
ル82の設計位置に位置決めされたところで、新設トン
ネル82の新設覆工30の1リング分を組み立てる工程
を行う。まず、上記ローラーコンベア70により外部か
ら搬入した新設セグメント30aを上記第2の外殻26
内周部の図1中二点鎖線で示す位置j載置する。そし
て、第2エレクタ50の把持部53を介して、上記位置
jに載置されている新設セグメント30aを把持する。
【0051】該新設セグメント30aを把持した上記第
2エレクタ50は、把持部53を上方に移動させてて、
セグメント30aを図1中二点鎖線で示す位置kに移動
させる。そして、伸縮ジャッキ55を延伸して該新設セ
グメント30aを図1中二点鎖線で示す位置mに移動
し、該新設セグメント30aを不図示の継手ボルトなど
により周囲にある(周方向及び後方にある)新設セグメ
ント30aと連結する。これを新設覆工の1リングにつ
いて順次行うことにより、新設トンネル82の該新設覆
工30の1リング分を組み立てる工程を完了する。
【0052】なお、この際、第2エレクタ50は、第2
の外殻26に装着されているので、たとえ第2の外殻2
6が、第1の外殻2に対してどのように移動したとして
も、第2エレクタ50は第2の外殻26と共に移動する
ので、第2エレクタ50の第2の外殻26に対する相対
位置は変化することが無く、移動の度に第2エレクタ5
0と第2の外殻26との間の芯出し作業などの手間の掛
かる作業を行う必要が無く、円滑に新セグメント30a
を第2の外殻26内で組み立てることが出来る。
【0053】新設覆工30の1リング分を組み立てが完
了すると、再び上述の上記トンネル布設替え装置1を既
設トンネルの方向に前進させる工程に戻り、順次既設ト
ンネルを新設トンネルに布設替えしていく。
【0054】以上のように、上記第1の外殻の後方部2
bと上記第2の外殻26の間に、上記第1の外殻2に対
して上記第2の外殻26を、相対的に移動駆動自在な移
動駆動手段である偏心用ジャッキ機構27を配設してい
るので、上記既設トンネルの位置81に対して、上記第
2の外殻26の位置により決定される上記新設トンネル
82の位置を、任意に移動させて設定することができ
る。
【0055】また、上記第2の外殻26の前方部に、配
置手段の一例である円環状の第2エレクタ50が配設さ
れており、該第2エレクタ50は、上記第2の外殻26
の内周面に連結される形で配設されているので、該第2
エレクタの中心位置は、上記第2の外殻26の中心位置
と常に同心とすることが出来、上述の通り、上記第1の
外殻の後方部2bの位置に対して上記第2の外殻26の
位置が移動しても、支障なく上述の新設トンネル82の
新設セグメントを組み立てることができる。
【0056】更に、上記第1の外殻2を、上記第1の外
殻の前方部2aと上記第1の外殻の後方部2bとに分割
し、該第1の外殻の前方部2aと第1の外殻の後方部2
bとを、該第1の外殻の前方部2aと第1の外殻の後方
部2bの継目に円環状に配設された複数の上記中折れジ
ャッキ22により連結するので、該中折れジャッキ22
が伸縮することにより、本トンネル布設替え装置1全体
が、上記該第1の外殻の前方部2aと第1の外殻の後方
部2bとの連結部において屈曲自在であり、上記既設ト
ンネル81がカーブを描いて布設されていても、本トン
ネル布設替え装置1が該カーブに沿う形となり、該カー
ブにつかえることなく本トンネル布設替え装置1を円滑
に前進させることができる。
【0057】(第2の実施の形態)以下、図4,図5,
図6に沿って本実施の別の形態について説明する。図4
は本発明に係るトンネル布設替え装置の別の実施例を示
す断面図、図5は図4のA−A断面図、図6は図5のB
−B断面図における偏心用ジャッキ機構110の拡大図
である。尚、第2の実施の形態においては、第1の実施
の形態と同様である部分に同符号を付して、一部の変更
を除き、その説明を省略する。
【0058】まず、本実施の形態のトンネル布設替え装
置100は、図5に示す通り、上記第1の外殻2の後方
部2bと第2の外殻26との間の上下左右部に、偏心用
ジャッキ機構110を各備えている。該上部及び左右部
には、該偏心用ジャッキ機構110が、スライド機構1
10Sを介して各2機ずつ配設され、該2機の偏心用ジ
ャッキ機構110は、前後が入れ替わる形で、上記第2
の外殻26の中心軸CT3方向に対して平行になるよう
並列に配設されている。即ち、第2の外殻26は、外殻
26が前後部分の2カ所で偏心用ジャッキ機構110に
より支持されている。
【0059】また、第2の外殻26の下部には、第2の
外殻26及び新設覆工の重量を支持するために、4機の
上記偏心用ジャッキ機構110がスライド機構110S
を介して配設され、該4機の偏心用ジャッキ機構110
は、2機ずつに分かれて前後が入れ替わる形で、第2の
外殻26の中心軸CT3方向に対して平行になるよう並
列に配設されている。従って、本実施の形態において
は、第1の外殻の後方部2bに対して第2の外殻26
は、合計10機の偏心用ジャッキ機構110により位置
決め支持されている。
【0060】図6に示す通り、第2の外殻26の外周部
の偏心用ジャッキ機構110が設けられた位置には、ガ
イドレール110aが互いに直交する方向である図5上
下及び左右方向に4カ所、第2の外殻26の前後位置に
配置される形で設けられており(合計8カ所)、各ガイ
ドレール110aにはスライダ110bが摺動自在に係
合している。図5上下に配置されたガイドレール110
a1は、スライダ110bが図中左右方向に相対的に摺
動自在であり、図5左右に配置されたガイドレール11
0a2は、スライダ110bが図中上下方向に相対的に
摺動自在である。
【0061】各スライダ110bには、偏心用ジャッキ
機構110を構成する、全体が湾曲した形状に形成され
た第1リンク部材110cがピン110fを介して回動
自在に係合しており、第1リンク部材110cは、一端
が第1の外殻2に回動自在にピン110eを介して係合
した第2リンク部材110bと、ピン110hを介し
て、該第2リンク部材110bの途中で回動自在に係合
している。第2リンク部材110bの他端には、一端を
ピン110dを介して回動自在に係合された第2アクチ
ュエータ110aが、ラムの先端をピン110gを介し
て回動自在に係合している。
【0062】従って、上記第2アクチュエータ110a
を伸縮させることにより、第2の外殻26を、図6の上
下方向、即ち第2の外殻26の軸心方向である矢印X、
Y方向に移動駆動させることが出来る。
【0063】以上本実施の形態の構成において、既設ト
ンネル81の位置に対して新設トンネル82の布設位置
を移動する場合について図4ないし図6に沿って説明す
る。
【0064】まず、図5に示す通り、第1の外殻2と第
2の外殻26との間の上下部に各配設された偏心用ジャ
ッキ機構110の各第2アクチュエータ110aを駆動
してラムを伸縮させることにより、第1の外殻2と第2
の外殻26の鉛直方向(第1の方向)の間隔L1,L2
が調整され、第2の外殻26の中心位置CT3は、第1
の外殻2の中心位置CT2に対して、該第1の外殻2の
径方向の所定の範囲d3内において鉛直方向(第1の方
向)に移動駆動される。
【0065】この時、第1の外殻2と第2の外殻26と
の間の左右側面部に配設された偏心用ジャッキ機構11
0は、ガイドレール110a2に対してスライダ110
bが鉛直方向(第1の方向)に相対的に摺動するので、
第2の外殻26の側面に配置された第2アクチュエータ
110には、当該アクチュエータ110に有害な曲げ応
力などが作用することはなく、第2の外殻26は円滑に
図5上下方向に駆動される。
【0066】また、第1の外殻2と第2の外殻26との
間の左右側面部に配設された偏心用ジャッキ機構110
の第2アクチュエータ110aのラムを調整しつつ伸縮
させることにより、図5に示すように、第1の外殻2と
第2の外殻26の水平方向(第2の方向)の間隔L3,
L4が調整され、第2の外殻26の中心位置CT3は、
上記第1の外殻2の中心位置CT2に対して、該第1の
外殻2の径方向の所定の範囲d3内において水平方向
(第2の方向)に移動駆動される。
【0067】この時、第1の外殻2と第2の外殻26と
の間の上下間に配設された偏心用ジャッキ機構110
は、ガイドレール110a1に対してスライダ110b
が水平方向(第2の方向)に相対的に摺動するので、第
2の外殻26の上下内面に配置された第2アクチュエー
タ110には、当該アクチュエータ110に有害な曲げ
応力などが作用することはなく、第2の外殻26は円滑
に図5左右(水平)方向に駆動される。
【0068】従って、図5に示す通り、第1の外殻2と
第2の外殻26との間の上下左右部に配設された偏心用
ジャッキ機構110の各第2アクチュエータ110aを
調節しつつ伸縮させることにより、第1の外殻2と第2
の外殻26の上下左右の間隔L1、L2、L3、L4が
調整され、第2の外殻26の中心位置CT3は、第1の
外殻2の中心位置CT2に対して、該第1の外殻2bの
径方向の所定の範囲d3内において、図5上下左右(直
交する2次元)方向に円滑に移動駆動される。
【0069】以上のように、第1の外殻2と第2の外殻
26の間の上下左右部に、第1の外殻2に対して第2の
外殻26を、相対的に移動駆動自在な移動駆動手段であ
る偏心用ジャッキ機構110を配設しているので、既設
トンネル81の位置に対して、第2の外殻26の位置に
より決定される新設トンネル82の位置を、任意に移動
させて設定することができる。
【0070】また、互いに直交する上下左右方向に偏心
用ジャッキ機構110を配設しているので、第2の外殻
26を、鉛直方向(第1の方向)と水平方向(第2の方
向)の互いに交差する2方向に分けて移動駆動させるこ
とができ、偏心用ジャッキ機構110の第2アクチュエ
ータ110aの制御が容易となる。
【0071】なお、図4に示すトンネルの布設替え装置
100の第1の外殻2の前後方向の中央部内周には、図
4に示すように、円環状に形成された反力リブ2mが設
けられており、また、第2の外殻26の先端側にも、リ
ブ26mが、図中左方の摺動面26nを、反力リブ2m
の図中右方に形成された軸受け面2nに摺動自在に当接
させた形で環状に形成されている。リブ26mには、掘
削反力を取るジャッキ21が装着されており、従って、
ジャッキ21を介して新設トンネル82からとる掘削反
力は、リブ26m、反力リブ2mを介して直接、第1の
外殻2に伝達されるので、図1に示すトンネルの布設替
え装置1のように、掘削反力を止水壁60を介して第1
の外殻2に伝達する必要が無く、止水壁60に過度の応
力が作用することを防止することが出来、安定した構造
にすることが出来る。なお、リブ26mは、反力リブ2
mに対して外殻軸心CT2に直交する方向に摺動自在に
当接しているので、第2の外殻26が第1の外殻2に対
して、図5上下左右方向に移動しても、第2の外殻26
のリブ26mは常に反力リブ2mと当接した状態を維持
することが出来、ジャッキ21の掘削反力を円滑に第1
の外殻2側に伝達することが出来る。
【0072】また、このように、反力リブ2mにより第
2の外殻26に作用するジャッキ21の掘削反力を支持
することにより、推進用のジャッキ21を第2の外殻2
6に直接配置することが出来、ジャッキ21を第1の外
殻に取り付けた場合のように、第2の外殻26が移動す
る度にジャッキ21を第2の外殻に対して芯出しする必
要が無く、作業を円滑に行うことが出来る。
【0073】(第3の実施の形態)以下、図7,図8,
図9に沿って本実施の形態について説明する。図7は本
発明に係るトンネル布設替え装置の別の実施例を示す断
面図、図8は図7のA−A断面図、図9は図8のB矢視
図である。尚、第3の実施の形態においては、第1及び
第2のの実施の形態と同様である部分に同符号を付し
て、一部変更を除き、その説明を省略する。
【0074】まず、本実施の形態のトンネル布設替え装
置200は、図8及び図9に示す通り、上記第1の外殻
2と第2の外殻26との間の空間の上下左右部に、偏心
用ジャッキ機構210及び220を各備えている。該左
右部には、偏心用ジャッキ機構210が、第1の外殻2
に設けられた台座210i及び第2の外殻26に設けら
れたフランジ26pとの間に各2機ずつ配設され、該2
機の偏心用ジャッキ機構210は、図9に示す通り、前
後方向に並列に配設されている。
【0075】また、上下部には、偏心用ジャッキ機構2
20が、前後各4機ずつ配設され、該4機の偏心用ジャ
ッキ機構220は、図8に示す通り、第2の外殻26の
断面に対して左右対称に配設されている。従って、本実
施の形態においては、第1の外殻2に対して第2の外殻
26は、4機の偏心用ジャッキ機構210と8機の偏心
用ジャッキ機構220を合わせて合計12機で位置決め
支持されている。
【0076】まず、第1の外殻2と第2の外殻26との
間の左右部に各配設された偏心用ジャッキ機構210の
構成について説明する。
【0077】図8及び図9に示す通り、第2の外殻26
のフランジ26p下面には、スライド機構110Sを構
成するガイドレール210fが形成されており、該ガイ
ドレール210fにはスライダ210gが、水平方向で
ある矢印A、B方向に相対的に摺動自在に係合してい
る。スライダ210gと台座210iとの間には、入れ
子状に組み立てられた伸縮円筒210d、210eが、
図9上下方向に伸縮自在に設けられており、更に、伸縮
円筒210d、210e内には、第3アクチュエータ2
10aがラム及びシリンダをピン210b、210cを
介して回動自在に枢着させた形で、スライダ210g及
び台座210iに設けられている。第3アクチュエータ
210aは油圧により伸縮自在である。従って、第3ア
クチュエータ210aを伸縮させることにより、第1の
外殻2に対して、第2の外殻26を、図8中矢印C−D
方向である鉛直方向(第1の方向)に移動駆動自在であ
る。
【0078】続いて、第1の外殻2と第2の外殻26と
の間の上下部に各配設された偏心用ジャッキ機構220
の構成について説明する。
【0079】図8に示す通り、偏心用ジャッキ機構22
0は、第2の外殻26に形成された台座220dと第2
の外殻26bの外周部に設けられた連結部材220bと
の間で、ピン220cにより回動自在に枢着されてお
り、第4アクチュエータ220aは油圧により伸縮自在
である。
【0080】従って、第4アクチュエータ220aを伸
縮させることにより、第1の外殻2に対して、第2の外
殻26を、図8中矢印A−B方向である水平方向(第2
の方向)に移動駆動させることができる。また、偏心用
ジャッキ機構220は、偏心用ジャッキ機構210が駆
動されて第2の外殻26が図8中矢印C−D方向である
鉛直方向(第1の方向)に動かされたとしても、第4ア
クチュエータ220aを適宜伸縮させると共に、連結部
材220bと台座220d間のピン220cを介した相
対的な回動により、当該上下動を吸収することが出来、
第4アクチュエータ220aに不用意な曲げ応力などが
作用することは未然に防止される。
【0081】同様に、偏心用ジャッキ機構220が駆動
されて、第2の外殻26が図8中矢印A−B方向である
水平方向(第2の方向)に動かされたとしても、偏心用
ジャッキ機構210に設けられた該ガイドレール210
fとスライダ210gが相対的に水平方向に移動するの
で、第2の外殻26の水平動に起因する曲げ応力が、第
3アクチュエータ210aに作用することは未然に防止
される。また、該ガイドレール210fとスライダ21
0gとの間に作用する摩擦力に起因する水平方向の変位
も、伸縮円筒210d、210e間の遊びで吸収するこ
とが出来、第3アクチュエータ210aに有害な曲げ応
力が作用することは未然に防止される。
【0082】以上本実施の形態の構成において、既設ト
ンネル81の位置に対して新設トンネル82の位置を移
動する場合について図7ないし図9に沿って説明する。
【0083】まず、不図示の油圧制御装置による作動圧
力により偏心用ジャッキ機構210の第3アクチュエー
タ210aを伸縮させると、第2の外殻26は、第1の
外殻2に対して、図8中矢印C−D方向である鉛直方向
(第1の方向)に移動駆動される。この時、偏心用ジャ
ッキ機構220は、第4アクチュエータ220aを伸縮
させると共に、第4アクチュエータ220bとピン22
0cの連結部が揺動することにより、第2の外殻26の
図8中矢印C−D方向である鉛直方向(第1の方向)の
移動に追従する。
【0084】次いで、不図示の油圧制御装置による作動
圧力により偏心用ジャッキ機構220の第4アクチュエ
ータ220aを伸縮させると、第2の外殻26は、第1
の外殻2に対して、図8中矢印A−B方向である水平方
向(第2の方向)に移動駆動される。この時、偏心用ジ
ャッキ機構210は、スライダ210gがガイドレール
210fに対して図8中矢印A−B方向である水平方向
(第2の方向)に相対的に摺動することにより、第2の
外殻26の図8中矢印A−B方向である水平方向(第2
の方向)の移動に対応する。
【0085】従って、図8に示す通り、第1の外殻2と
第2の外殻26との間の上下左右部に配設された、偏心
用ジャッキ機構210の第3アクチュエータ210a及
び偏心用ジャッキ機構220の第4アクチュエータ22
0aを調節しつつ伸縮させることにより、第1の外殻2
と第2の外殻26の上下の間隔L1,L2及び左右の間
隔L3、L4が各調整され、第2の外殻26の中心位置
CT3は、第1の外殻2の中心位置CT2に対して、該
第1の外殻2の径方向の所定の範囲d3内において移動
駆動される。
【0086】以上のように、第1の外殻2と第2の外殻
26の間の左右側部に、第1の外殻2に対して第2の外
殻26を、鉛直方向(第1の方向)に移動駆動自在な移
動駆動手段である偏心用ジャッキ機構210を各配設す
ると共に、第1の外殻2と第2の外殻26の間の上下側
部に、第1の外殻2に対して第2の外殻26を、水平方
向(第2の方向)に移動駆動自在な移動駆動手段である
偏心用ジャッキ機構220を各配設しているので、既設
トンネル81の位置に対して、第2の外殻26の位置に
より決定される新設トンネル82の位置を、任意に移動
させて設定することができる。
【0087】更に、第1の外殻2と第2の外殻26の間
の左右側部に、偏心用ジャッキ機構210を各配設する
と共に、第1の外殻の後方部2bと上記第2の外殻26
の間の上下部に、偏心用ジャッキ機構220を各配設す
るので、第1の外殻2に対して第2の外殻26を、鉛直
方向(第1の方向)と水平方向(第2の方向)の2方向
に分けて移動駆動させることができ、偏心用ジャッキ機
構210の第3アクチュエータ210a及び上記偏心用
ジャッキ機構220の第4アクチュエータ220aの制
御が容易である。
【0088】加えて、第1の外殻2と第2の外殻26の
間の空間に、偏心用ジャッキ機構210を縦に配置し、
偏心用ジャッキ機構220を横に配置するので、第1の
外殻2と第2の外殻26の間の空間の広く空いた方向で
ある、第2の外殻26の断面の接線方向に偏心用ジャッ
キ210,220の伸縮方向を向けて配設でき、第1の
外殻2と第2の外殻26の間の間隔である上記L1〜L
4を狭くすることができ、同一の外径d2の第2の外殻
26を用いた場合に、第1の外殻2の外径Dをそれだけ
小さくすることが出来、施工効率の向上及び工期の短縮
に寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係るトンネル布設替え装置の一
例を示す断面図である。
【図2】図2は図1のA矢視図である。
【図3】図3は図1のB−B断面図である。
【図4】図4は本発明に係るトンネル布設替え装置の別
の実施例を示す断面図である。
【図5】図5は図4のA−A断面図である。
【図6】図6は図5のB−B断面図における偏心用ジャ
ッキ機構110の拡大図である。
【図7】図7は本発明に係るトンネル布設替え装置の別
の実施例を示す断面図である。
【図8】図8は図7のA−A断面図である。
【図9】図9は図8のB矢視図である。
【符号の説明】
1、100、200……トンネル布設替え装置 2……第1の外殻 3……掘削手段(カッタ) 26……第2の外殻 27、110、210、220……移動駆動手段、ジャ
ッキ機構(偏心用ジャッキ機構) 27b,27c、110b、110c……リンク部材 27a、110a……アクチュエータ 50……セグメント組立装置(エレクタ) 80……地山 81……既設トンネル 82……新設トンネル 110S……スライド機構 CT2……第1の外殻の中心軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 泉 国彦 千葉県千葉市美浜区中瀬一丁目9番1号 三井建設株式会社幕張事務所内 (72)発明者 鈴木 明彦 千葉県千葉市美浜区中瀬一丁目9番1号 三井建設株式会社幕張事務所内 (72)発明者 中嶋 大 愛知県知多市北浜町11−1 石川島播磨重 工業株式会社愛知工場内 (72)発明者 伊藤 広幸 愛知県知多市北浜町11−1 石川島播磨重 工業株式会社愛知工場内 (72)発明者 佐藤 千代平 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 石 川島播磨重工業株式会社本社内 Fターム(参考) 2D054 AA05 AD19 BA25 2D055 GB01 GB02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設トンネルを新設トンネルに布設替え
    するトンネル布設替え装置において、 前記既設トンネルの外径より大きな内径を有する筒形の
    第1の外殻と、 前記第1の外殻の前方部に設けられ、前記既設トンネル
    の外周部の地山を掘削し得る掘削手段と、 前記第1の外殻の後方部内周側に設けられ、前記新設ト
    ンネルの新設覆工を布設するための第2の外殻と、を備
    え、 前記第1の外殻と第2の外殻の間に、第1の外殻に対し
    て前記第2の外殻を相対的に移動駆動し得る、移動駆動
    手段を設けて構成した、トンネル布設替え装置。
  2. 【請求項2】 前記移動駆動手段が、 前記第1の外殻と前記第2の外殻の間に配設された複数
    の伸縮自在なジャッキ機構を有する、 ことを特徴とする請求項1記載のトンネル布設替え装
    置。
  3. 【請求項3】 前記ジャッキ機構は、 前記第1の外殻と前記第2の外殻の間に配設された複数
    のリンク部材と、 該複数のリンク部材の内の少なくとも一つに連結された
    アクチュエータを有する、 ことを特徴とする請求項2記載のトンネル布設替え装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ジャッキ機構は、 前記第1の外殻に対して前記第2の外殻を、該第1の外
    殻の中心軸に対して交差する第1の方向に、移動駆動自
    在な第1のジャッキ機構と、 前記第1の外殻に対して前記第2の外殻を、該第1の外
    殻の中心軸に対して交差し且つ前記第1の方向に対して
    も交差する第2の方向に、移動駆動自在な第2のジャッ
    キ機構と、から構成される、 ことを特徴とする請求項2記載のトンネル布設替え装
    置。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2ジャッキ機構は、前記
    第2の外殻の断面の接線方向に伸縮自在に配置されてい
    る、 ことを特徴とする請求項4記載のトンネル布設替え装
    置。
  6. 【請求項6】 前記第1のジャッキ機構又は第2のジャ
    ッキ機構と、前記第1の外殻又は第2の外殻との間に、
    前記第2の外殻の第1の外殻に対する相対的な移動を許
    容するスライド機構を設けて構成した、請求項4記載の
    トンネル布設替え装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の外殻に、前記新設トンネルの
    新設セグメントを組み立てるセグメント組立装置を配設
    した、 ことを特徴とする請求項1記載のトンネル布設替え装
    置。
  8. 【請求項8】 前記第1の外殻に、反力受け手段を、前
    記第2の外殻と当接自在に設けて構成した、請求項1記
    載のトンネルの布設替え装置。
  9. 【請求項9】 前記反力受け手段に対して、前記第2の
    外殻を、前記第1の外殻の中心軸と直交する方向に移動
    自在に設けて構成した、請求項8記載のトンネルの布設
    替え装置。
JP2001391204A 2001-12-25 2001-12-25 トンネル布設替え装置 Pending JP2003184475A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001391204A JP2003184475A (ja) 2001-12-25 2001-12-25 トンネル布設替え装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001391204A JP2003184475A (ja) 2001-12-25 2001-12-25 トンネル布設替え装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003184475A true JP2003184475A (ja) 2003-07-03

Family

ID=27598864

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001391204A Pending JP2003184475A (ja) 2001-12-25 2001-12-25 トンネル布設替え装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003184475A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4371603B2 (ja) セミシールド掘削機
JP3840219B2 (ja) シールド掘削機
JP3311321B2 (ja) 既設トンネル撤去用シールド掘進機
JP3940006B2 (ja) トンネル布設替え装置
JP2003184475A (ja) トンネル布設替え装置
JP3892412B2 (ja) シールド掘削機
JPH0489992A (ja) 既設管渠の拡大工法及びその工法に使用するトンネル掘削装置
JP4037436B2 (ja) 管路形成用トンネル掘削機
JP5404285B2 (ja) 円型形状保持装置
JP3830918B2 (ja) 管路形成用トンネル掘削機
JP5292246B2 (ja) 覆工切替式トンネル掘削機
JP2001227300A (ja) トンネル埋め戻し装置及び工法
JP2693730B2 (ja) 二段式シールド掘進機
JP3733796B2 (ja) シールド装置及びシールド工法
JP6619567B2 (ja) シールド掘進機の発進準備方法及び発進方法
JP3840220B2 (ja) シールド掘削機における中折れ構造
JP3219746B2 (ja) 既設トンネル撤去工法及び既設トンネル撤去用シールド掘進機
JP3940007B2 (ja) 掘進装置
KR101507462B1 (ko) 관부재 추진장치
JP2001234700A (ja) トンネル埋め戻し装置及びトンネル埋め戻し方法
JP2003293683A (ja) 掘進装置
JP4968925B2 (ja) 矩形掘進機
JP3014043B2 (ja) シールド掘進機のシールドジャッキ及びシールド工法
JP2930577B1 (ja) 2段式シールド掘進機
JP4451016B2 (ja) トンネル布設替え方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070327