JP3014043B2 - シールド掘進機のシールドジャッキ及びシールド工法 - Google Patents

シールド掘進機のシールドジャッキ及びシールド工法

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JP3014043B2
JP3014043B2 JP9270533A JP27053397A JP3014043B2 JP 3014043 B2 JP3014043 B2 JP 3014043B2 JP 9270533 A JP9270533 A JP 9270533A JP 27053397 A JP27053397 A JP 27053397A JP 3014043 B2 JP3014043 B2 JP 3014043B2
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、シールド掘進機
のシールドジャッキ及びシールド工法に関し、特にトン
ネル径の異なるトンネルを続けて掘進するのに好適のシ
ールド掘進機のシールドジャッキと、このシールドジャ
ッキを用いてシールド掘進するシールド工法に関する。
【0002】
【従来の技術】 シールド掘進機は、地下鉄、上下水
道、電力用ケーブルや通信用ケーブルの為のトンネル、
等のシールド坑(トンネル)の掘進に供するものであ
り、通常のシールド掘進機は、前部胴、中折れ部、後部
胴、前部胴の前端のカッターディスク、カッターディス
クを回転駆動する回転駆動機構、前胴後部と中折れ部と
後胴前端部の内周側に配設されて後胴前端部に固定され
た例えば8〜20本のシールドジャッキ、左右1対又は
左右複数対の中折れジャッキ、掘削土砂を排出する排土
設備、掘削したトンネルの内面にセグメントを覆工する
エレクタ等を有し、複数のシールドジャッキで覆工済み
のセグメントを介して推進力を発生させながら、カッタ
ーヘッドを回転駆動して切羽を掘削し、所定長さの掘進
毎にエレクタによりトンネルの内面にリング状にセグメ
ントを覆工し、これを繰り返しつつトンネルを掘進して
いく。
【0003】各シールドジャッキはそのピストンロッド
を後方(掘進方向と反対方向)へ延ばすように後向きに
配設され、そのピストンロッドの端部には偏心金具が取
外し可能に固着され、偏心金具の後端面にはシールドジ
ャッキの軸心から偏心した凸球面状係合部が形成され、
この凸球面状係合部がスプレッダーの凹球面座に係合さ
れ、スプレッダーが覆工済のセグメントの前端に当接さ
れ、シールドジャッキに対してスプレッダーから偏心金
具を介して推進反力を伝達するようになっている。尚、
前記偏心金具はシールドジャッキに含まれるものであ
る。従来では、1つのシールド掘進機により掘進可能な
トンネルのトンネル径はシールド掘進機の外径で決って
しまい、シールドジャッキの軸心からスプレッダーの凹
球面座の中心までの寸法は1種類であったので、従来の
シールドジャッキの偏心金具には、1つの凸球面状係合
部が形成されていた。
【0004】ここで、トンネルの途中部にトンネル径を
拡幅した所定長さの拡幅トンネルを形成したり、トンネ
ルの途中でトンネル径を大きく又は小さく変更する場合
も少なくない。例えば、特開平6−58077号公報に
記載されたトンネル径を拡幅する工法においては、トン
ネル径を拡幅する始端個所に立坑を形成し、その立坑の
位置までシールド掘進機により通常径トンネルをシール
ド掘進してから、シールド掘進機の前胴の外周側を覆う
ように大径の前胴を追加し、通常径の後胴に代えて大径
の後胴を取付け、つまり、シールド掘進機を大径用の掘
進機に改造してから、拡幅トンネルを掘進し、その拡幅
トンネルの掘進後に再度シールド掘進機に改造を施し
て、大径の前胴を除去して通常径の前胴を使用可能にし
且つ大径の後胴に代えて通常径の後胴を取付けて通常径
のトンネルを続けて掘進する。
【0005】前記公報に記載のシールド掘進機には、通
常径の前胴と後胴とを回動可能に連結する一般的な構成
の中折れ部があり、中折れ部は前胴の後端部の内周に形
成された凹球面座と、後胴の前端部に固着された中折れ
胴部材とからなり、この中折れ胴部材の外周には凹球面
座に係合する凸球面状係合部が形成されている。このシ
ールド掘進機におけるシールドジャッキは、中折れ胴部
材の後端部に固着された通常径のリング部材に固定さ
れ、シールドジャッキから後方へ伸縮するピストンロッ
ドの先端部には前記のような一般的な偏心金具が固着さ
れている。
【0006】そして、通常径トンネルを掘進する際に
は、偏心金具の凸球面状係合部をスプレッダーの凹球面
座に係合させ、スプレッダーを覆工済みのセグメントの
前端部に当接させ、セグメントからスプレッダーを介し
て推進反力をシールドジャッキに伝達し、拡幅トンネル
を掘進する際には、径方向に幅のある環状のプレスリン
グを適用し、そのプレスリングの後端外周側を拡幅され
た覆工済みのセグメントの前端部に当接させ且つスプレ
ッダーをプレスリングの前端内周側に当接させること
で、セグメントからプレスリングとスプレッダーを介し
て推進反力をシールドジャッキに伝達する。
【0007】尚、一般的な構造のシールド掘進機による
シールド工法において、トンネル掘進の途中からトンネ
ル径を大きく又は小さく変更する場合には、トンネル径
の切換え地点に大きな立坑を設け、その立坑からシール
ド掘進機を出し入れすることでシールド掘進機を異なる
径のシールド掘進機に交換したり、径の異なるトンネル
を掘進可能なシールド掘進機となるように改造を施すの
が一般的である。
【0008】他方、実用新案登録第2533988号公
報に記載のシールド掘進機用シールドジャッキにおいて
は、シールドジャッキのロッドの先端部に偏心金具(ロ
ッド頭部)を設け、この偏心金具にスプレッダーの凹球
座に係合する球面継手を小偏心量の位置と大偏心量の位
置とに亙って位置変更可能に取付けてある。トンネルを
湾曲状に掘進するとき、トンネルの曲率半径の小さい側
ではシールドジャッキからスプレッダーまでの偏心距離
が小さくなるので球面継手を小偏心量の位置に取付け、
曲率半径の大きい側ではシールドジャッキからスプレッ
ダーまでの距離が大きくなるので球面継手を大偏心量の
位置に取付けるように構成してある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】 従来のシールド掘進
機のシールドジャッキにおいては、その偏心金具に1つ
の凸球面状係合部が1つしか形成されていないので、掘
進の途中においてトンネル径を大きくまたは小さく切換
える為にシールド掘進機に改造を施す際に、8〜20本
もある複数のシールドジャッキの偏心金具を交換する必
要があり、その交換作業に多大の労力と設備費用がかか
るという問題がある。前記実用新案登録第253398
8号公報のシールドジャッキは、トンネル径の大小切換
えに対処する為のものではなく、トンネルを湾曲させる
際にトンネルの湾曲の内側と外側とでシールドジャッキ
からスプレッダーまでの偏心距離が異なることに対処す
る為のものであるが、球面継手の取付け位置を変更する
際には、球面継手を偏心金具から取外してから偏心距離
の異なる別の位置に付け替えなければならないので、そ
の作業が面倒で手間がかかるという問題がある。
【0010】前記公報に記載のシールド工法では、トン
ネル径を拡幅する場合、特殊構造のプレスリングを適用
することで、シールドジャッキの偏心金具を交換しない
で済むようにしているが、プレスリングは環状一体品で
あるから、1リング分のセグメントを覆工する際には、
切羽側からシールド掘進機に作用する土圧や水圧による
後退力を、プレスリングと複数のシールドジャッキを介
して受け止めることはできないので、覆工済みのトンネ
ル内面をグリップしてシールド掘進機の後退を防止する
グリッパーを別途設ける必要があり、このプレスリング
を適用する技術は実用性に乏しく設備経済的にも不利で
ある。本発明の目的は、複数のトンネル径のシールド掘
進に適用可能にした偏心金具を有するシールド掘進機の
シールドジャッキを提供すること、そのシールドジャッ
キを適用したシールド工法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】 請求項1のシールド掘
進機のシールドジャッキは、シールド掘進機の胴部材の
内側に固定的に設けられるシールドジャッキであって、
そのピストンロッドの先端部に固着されシールドジャッ
キに対してスプレッダーから推進反力を伝達する偏心金
具を備えたシールド掘進機のシールドジャッキにおい
て、前記偏心金具は、スプレッダーの1つの凹球面座に
択一的に係合される複数の凸球面状係合部であって、ジ
ャッキ本体の軸心から異なる半径の位置で且つジャッキ
本体の軸心を基準として周方向に異なる位相の位置に形
成された複数の凸球面状係合部を備えたことを特徴とす
るものである。
【0012】まず、シールドジャッキのピストンロッド
は回動可能になっているため、偏心金具を回すことで偏
心金具をピストンロッドを中心として所望の方向へ向け
ることができる。偏心金具の複数の凸球面状係合部がジ
ャッキ本体の軸心から異なる半径の位置で且つジャッキ
本体の軸心を基準として周方向に異なる位相の位置に形
成されているので、トンネル径が小さい場合にはそのト
ンネル径に対応するようにジャッキ本体の軸心からの偏
心半径が小さい凸球面状係合部を選択し、偏心金具を回
動させてその凸球面状係合部をスプレッダーの凹球面座
に係合させれば、小さいトンネル径のシールド掘進に供
することができる。
【0013】同様に、トンネル径に合わせて凸球面状係
合部を選択し、偏心金具を回動させてその凸球面状係合
部をスプレッダーの凹球面座に係合させシールド掘進に
供することができる。例えば、偏心金具に90度位相の
異なる2つの凸球面状係合部を形成すれば、2種類のト
ンネル径のトンネル掘進に供することができ、また、偏
心金具に90度位相の異なる3つの凸球面状係合部を形
成すれば、3種類のトンネル径のトンネル掘進に供する
ことができる。
【0014】請求項2のシールド掘進機のシールドジャ
ッキは、請求項1の発明において、前記偏心金具に設け
られた複数の凸球面状係合部は、周方向に90度異なる
位相の位置に形成されたことを特徴とするものである。
それ故、偏心金具をピストンロッドを中心として90度
の整数倍回動させることで、凸球面状係合部を切換える
ことができる。その他、請求項1と同様の作用を奏す
る。
【0015】請求項3のシールド工法は、第1トンネル
径の第1トンネルを掘進し、その第1トンネルに続けて
第1トンネル径とは異なる第2トンネル径の第2トンネ
ルを掘進するシールド工法において、シールド掘進機
に、第1,第2トンネル径のうちの小さい方のトンネル
径にほぼ等しい外径の胴部材と、この胴部材の内側に固
定された複数のシールドジャッキとを予め設けるととも
に、各シールドジャッキのピストンロッドの先端部に固
定されシールドジャッキに対してスプレッダーから推進
反力を伝達する偏心金具に、スプレッダーの1つの凹球
面座に択一的に係合される2つの凸球面状係合部であっ
て、ジャッキ本体の軸心から第1,第2トンネルを掘進
するときのスプレッダーの凹球面座に対応する半径の位
置で且つジャッキ本体の軸心を基準として周方向に異な
る位相の位置に形成された第1,第2トンネル用凸球面
状係合部を予め形成し、第1トンネルを掘進する際には
第1トンネル用凸球面状係合部をスプレッダーの凹球面
座に係合させて掘進し、第2トンネルを掘進する際には
第2トンネル用凸球面状係合部をスプレッダーの凹球面
座に係合させて掘進することを特徴とするものである。
【0016】まず、各シールドジャッキのピストンロッ
ドは回動可能になっているので、偏心金具を回動させる
ことができる。第1トンネルが第2トンネルよりも小径
である場合には、胴部材は第1トンネルのトンネル径と
ほぼ等しい外径であり、この胴部材に複数のシールドジ
ャッキが予め設けておく。そして、各シールドジャッキ
の偏心金具には、前記のように第1トンネル用凸球面状
係合部と第2トンネル用凸球面状係合部とをジャッキ本
体の軸心を基準として周方向に異なる位相の位置に予め
形成しておく。
【0017】第1トンネルを掘進する際には、シールド
掘進機に第1トンネル用の前胴と中折れ部と後胴とを装
備し、第1トンネル用凸球面状係合部をスプレッダーの
凹球面座に係合させて掘進する。尚、前記胴部材を中折
れ部の中折れ胴及び後胴前端部に固着しておいてもよ
い。その後、トンネル径を切換え、その第1トンネルに
続けて第1トンネルよりも大径の第2トンネルを掘進す
る際には、シールド掘進機に改造を施し、前記胴部材と
複数のシールドジャッキをそっくり残存させたまま、第
1トンネル用の前胴の代わりに又は第1トンネル用の前
胴の外側に第2トンネル用の前胴を設け、第1トンネル
用の後胴代わりに第2トンネル用の後胴を設け、各シー
ルドジャッキの偏心金具を回動させることで第2トンネ
ル用凸球面状係合部を選択してスプレッダーの凹球面座
に係合させて掘進する。
【0018】第1トンネルが第2トンネルよりも大径の
場合には、前記胴部材は第2トンネルのトンネル径とほ
ぼ等しい外径であり、シールド掘進機に第1トンネル用
の前胴と、その内側に位置する第2トンネル用の前胴
と、第2トンネル用の中折れ部と、第1トンネル用の後
胴とを装備し、第1トンネル用凸球面状係合部をスプレ
ッダーの凹球面座に係合させて掘進する。その後、トン
ネル径を切換え、その第1トンネルに続けて第1トンネ
ルよりも小径の第2トンネルを掘進する際には、シール
ド掘進機に改造を施し、前記胴部材と複数のシールドジ
ャッキをそっくり残存させたまま、第1トンネル用の前
胴を除去して第2トンネル用の前胴に切換え、第1トン
ネル用の代わりに第2トンネル用の後胴を設け、各シー
ルドジャッキの偏心金具を回動させることで第2トンネ
ル用凸球面状係合部を選択してスプレッダーの凹球面座
に係合させて掘進する。但し、第1トンネル掘進の際、
シールド掘進機に第1トンネル用の前胴を装備してお
き、第2トンネル用に改造する際に、第1トンネル用の
前胴に代えて第2トンネル用の前胴を設けてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて説明する。図1は、シールド掘進機に
より第1のトンネルAを掘進し、そのトンネルAに続け
てそれよりも大径の第2のトンネルBを掘進する場合を
説明する図であり、トンネル径の切換え個所には立坑C
が設けられ、この立坑Cの直下においてシールド掘進機
に改造を施すものとする。図2はトンネルAを掘進する
のに供するシールド掘進機1を示し、図4はシールド掘
進機1を改造したシールド掘進機1Aであってトンネル
Bを掘進するのに供するシールド掘進機1Aを示し、図
3は改造途中のシールド掘進機前半部分1aを示す。
尚、以下の説明では、トンネル掘進方向を前方とし、そ
の反対方向を後方とする。
【0020】図2のシールド掘進機1には、前胴2、後
胴4、前胴2と後胴4とを屈曲自在に連結する中折れ部
3、前胴2の前端側のカッターディスク5であって多数
のカッタービット5aを有するカッターディスク5、カ
ッターディスク5に組み込んだコピーカッター5b、前
胴2の前端付近の内側に設けた隔壁6、この隔壁6の前
側のチャンバー7、隔壁6にカッターディスク5を回転
自在に且つ液密に支持する機構、カッターディスク5を
複数のカッター駆動モータ8によりモータ軸に固定のピ
ニオンとリングギヤを介して回転駆動する回転駆動機構
9、カッターディスク5の加泥剤ノズルに加泥剤を供給
する加泥剤供給系のセンタスイベルジョイント10、油
圧式の左右複数対の中折れジャッキ11、前胴2の後部
と中折れ部3と後胴4の前端部4aの内側の油圧式の複
数のシールドジャッキ12、チャンバー7内の土砂を排
出するスクリューコンベヤ13を含む排土設備、トンネ
ルA,Bの内面にセグメントSを覆工するエレクタ14
(支持フレーム14aとエレクタ本体14b)、後胴4
の後端のテールシール4b等が設けられている。このシ
ールド掘進機1は、第1のトンネルAを掘進するのに適
した外径を有するものである。
【0021】後胴4の前端部4aの内側にはフランジ付
きのリングウェブ材15が固着されている。中折れ部3
は、前胴2の後端部の内面に形成された部分凹球面状の
凹球面座と、この凹球面座に内側から係合する部分凸球
面状の凸球面状係合部を有し後胴4の前端部4aとリン
グウェブ材15とに固着された中折れ胴部材3aとを有
する。中折れジャッキ11のジャッキ本体は前胴2の内
面のブラケット16aに立て向きのピンにてピン結合さ
れ、中折れジャッキ11のピストンロッドはリング部材
15のブラケット16bに立て向きのピンにてピン結合
されている。トンネルを右方へ湾曲させる際には、右側
の複数の中折れジャッキ11を収縮させ左側の複数の中
折れジャッキ11を伸長させて掘進し、トンネルを左方
へ湾曲させる際には前記とは反対にして掘進する。
【0022】複数のシールドジャッキ12は、前胴2の
後部と中折れ胴部材3aと後胴4の前端部の内側に、周
方向にほぼ等間隔おきに、ピストンロッドを後方へ伸縮
させるように後方向きに配設されている。各シールドジ
ャッキ12はリングウェブ材15を貫通させたジャッキ
本体のフランジ部をリングウェブ材15に当接させて複
数のボルトにてリングウェブ材15に固定され、各シー
ルドジャッキ12のピストンロッドの先端部には、図
5、図6に示す偏心金具17が複数のボルト18で固定
されている。この偏心金具17は、シールドジャッキ1
2に対してスプレッダー19から推進反力を伝達する為
のものである。
【0023】次に、各シールドジャッキ12に設けられ
た偏心金具17について説明する。図5、図6に示すよ
うに、偏心金具17の後端面には、ジャッキ本体12a
の軸心12bから第1の偏心半径αだけ偏心した凸球面
状係合部17aと、ジャッキ本体12aの軸心12bか
ら偏心半径αよりも大きな第2の偏心半径βだけ偏心し
た凸球面状係合部17bとが突出状に形成され、凸球面
状係合部17a,17bは軸心12bを基準として周方
向に90度位相の異なる位置に設けられている。凸球面
状係合部17a,17bは、各シールドジャッキ12に
対応するスプレッダー19の凹球面座に択一的に係合さ
れピン結合される。シールドジャッキ12のピストンロ
ッド12cは回転拘束されていないので、偏心金具17
をピストンロッド12cを中心として回動可能であり、
凸球面状係合部17a,17bにはスプレッダー19と
ピン結合させる為のピン孔17cが形成されている。
【0024】前記リングウェブ材15の外径は図2のシ
ールド掘進機1の前胴2及び後胴4の外径とほぼ等しい
ことから、第1のトンネルAを掘進する際には、図2に
示すようにジャッキ本体12aの軸心12bからスプレ
ッダー19までの半径方向距離が小さくなる。それ故、
第1のトンネルAを掘進する際には、小さい方の偏心半
径αの凸球面状係合部17aを選択し、図6に鎖線で図
示のようにこの凸球面状係合部17aがトンネルAの軸
心から最も離隔する位置となるように偏心金具17の位
相を切換えて、この凸球面状係合部17aをスプレッダ
ー19の凹球面座に係合させピン結合した状態でトンネ
ルAを掘進する。この掘進の際、スプレッダー19は覆
工済みのセグメント1Sの前端に当接し、そのセグメン
トSからの推進反力がスプレッダー19と偏心金具17
とを介してシールドジャッキ12に伝達され、複数のシ
ールドジャッキ12により掘進の推進力が発生する。
【0025】これに対して、第2のトンネルBを掘進す
る際には、図4に示すように、ジャッキ本体12aの軸
心12bからスプレッダー19までの半径方向距離が大
きくなるので、第2のトンネルBを掘進する際には、大
きい方の偏心半径βの凸球面状係合部17bを選択し、
図6に実線で図示のようにこの凸球面状係合部17bが
トンネルBの軸心から最も離隔する位置となるように偏
心金具17の位相を切換えて、この凸球面状係合部17
bをスプレッダー19の凹球面座に係合させピン結合し
た状態でトンネルBを掘進する。
【0026】次に、第1のトンネルAを掘進していって
シールド掘進機1が立坑Cの地点に到達したときには、
次のようにシールド掘進機1を改造して図4に示すシー
ルド掘進機1Aにする。このシールド掘進機1の改造に
ついて説明すると、先ず、図3に示すように、前胴2を
隔壁6の前端面の位置で溶断するとともに、後胴4のの
前端部4aを残して、後胴4をリングウェブ材15の後
端面の位置で溶断し、スクリューコンベヤ13を含む排
土設備や電気系や油圧系や加泥剤供給系を取外し、各シ
ールドジャッキ12の偏心金具17からスプレッダー1
9を分離し、エレタク14の支持フレーム14a以外の
エレクタ本体14bを取り外すと、図2のシールド掘進
機1が図3に示すシールド掘進機前半部1aになる。
【0027】次に、図4に示すように、カッターディス
ク5の各カッタースポーク5bの基端付近部分にカッタ
ービット付きのスポーク分割体5cを継ぎ足して第2の
トンネルBを掘削可能なカッターディスク5Aに改造す
る。大径前胴22は、第2のトンネルBを掘進するのに
適したものであり、大径前胴22は、その前端付近部の
内面側に固着された環状ウェブ材22aと、大径前胴2
2の前端部の内面と環状ウェブ材22aとを連結するコ
ーン板22bであって前方程大径化したコーン板22b
と、大径前胴22の後端部の内面に溶接された環状ウェ
ブ材22cとを有し、前胴2よりも大径の大径前胴22
は、その軸心を含む平面で2分割された状態で立坑Cか
ら搬入され、前胴2に同心状に外嵌させ前胴2に取外し
可能に固定される。この場合環状ウェブ22aの内周側
部分を隔壁6の前端面に当接させ、複数のボルトにより
周方向等間隔おきに隔壁6にボルト結合され、大径前胴
22の前端部の環状ウェブ材22cの内周部が前胴2に
溶接接合される。尚、大径前胴22の水平面内に位置す
る左右の分割線の個所も溶接接合される。
【0028】図5に示すように、前記第2のトンネルB
を掘進するのに適した大径後胴24は、その前端部の内
面側に固着された環状ウェブ材24aと、後胴4の前端
部4aの前端と大径後胴24の前端とに溶接接合された
コーン板24bであって後方程大径化するコーン板24
bとを有し、大径後胴24は、その軸心を含む水平面の
位置の分割線で上下に2分割された2分割体の形で立坑
C内に搬入され、環状ウェブ24aの内周側部分をリン
グウェブ材15の後面に当接させた状態にして、複数の
ボルトにより周方向等間隔おきにボルト結合され、水平
面に位置する左右の分割線の個所も溶接接合され、コー
ン板24bの内周部がリングウェブ材15に溶接され
る。
【0029】その後、スクリューコンベヤ13を含む排
土設備や電気系や油圧系や加泥剤供給系を稼働可能に
し、エレクタ本体14bを取付け、各シールドジャッキ
12の偏心金具17を90度回動させて既述のように凸
球面状係合部17bをスプレッダー19の凹球面座に係
合させてピン結合する。尚、大径前胴22の後端部は後
方程小径化するテーパー状であり、大径後胴24の前端
部は前方程小径化するテーパー状であり、中折れ部3の
外側の環状凹部23から土砂が外側へ排出され易くなっ
ている。
【0030】以上のようにシールド掘進機1を改造して
図4に示す大径シールド掘進機1Aが完成してから、こ
の大径シールド掘進機1Aにより、第1のトンネルAに
続けて第2のトンネルBをシールド掘進していくものと
する。そして、第2のトンネルBを掘進していき、その
第2のトンネルBに続けて、第1のトンネルAと同径の
第3のトンネルを掘進する場合には、そのトンネル径の
変更地点に立坑を形成し、その立坑の個所において大径
シールド掘進機1Aに前記の改造とは反対の改造を施し
て、図2に示すシールド掘進機1に復元してから第3の
トンネルを掘進することができる。このように、立坑C
を用いる必要はあるものの、シールド掘進機1をシール
ド掘進機1Aに改造することで、掘進してきたトンネル
に続けてそのトンネルよりも大径のトンネルを掘進する
ことができるし、また、シールド掘進機1Aからシール
ド掘進機1に改造することで、掘進してきたトンネルに
続けてそのトンネルよりも小径のトンネルを掘進するこ
とができる。
【0031】以上説明したシールド掘進機1のシールド
ジャッキ12によれば、偏心金具17を90度回動させ
るだけで、凸球面状係合部17a,17bのうちの所望
の一方を選択してスプレッダー19の凹球面座に係合さ
せピン結合してシールド掘進に供することができるの
で、トンネル径を変更する際に偏心金具17を交換する
必要がなく、シールドジャッキ12の為の準備作業が軽
減され設備費の面でも有利である。
【0032】以上説明したシールド工法によれば、第2
のトンネルBよりも小径の第1のトンネルAの掘進に供
するシールド掘進機1のリング部材15に複数のシール
ドジャッキ12を固定しておき、各シールドジャッキ1
2の偏心金具17に2つの偏心半径とジャッキ本体12
aの軸心12bを基準とする周方向の位相の異なる凸球
面状係合部17a,17bを予め設けておき、各シール
ドジャッキ12の偏心金具17を90度回動させて凸球
面状係合部17a,17bを切換えるだけで、これら複
数のシールドジャッキ12を第1のトンネルAの掘進に
も第2のトンネルBの掘進にも適用できるから、トンネ
ル径の変更に伴うシールド掘進機1の改造の際のシール
ドジャッキ12の為の準備作業や改造作業が簡単化し設
備費の面でも有利である。
【0033】ここで、第3の凸球面状係合部を、ジャッ
キ本体12aの軸心12bに対して凸球面状係合部17
aと反対側の位置に形成し、ジャッキ本体12aの軸心
12bから第3の凸球面状係合部までの偏心半径を前記
偏心半径α,βと異なる値に設定しておけば、シールド
掘進機に前記のように改造を施しながら、トンネル径を
3段階に切換えてシールド掘進することができる。尚、
各偏心金具17に4つ以上の凸球面状係合部をジャッキ
本体12aの軸心12bから異なる偏心半径の位置であ
ってジャッキ本体12aの軸心12bを基準として周方
向に異なる位相の位置に予め形成しておくこともでき
る。
【0034】次に、別実施形態について図7〜図11を
参照して説明する。この別実施形態は、図7に示すよう
に、第1のトンネルDを掘進していき、立坑を用いるこ
となく、第1のトンネルDの終端からそれよりも小径の
第2のトンネルEを続けて掘進していく場合の実施形態
である。図8は第1のトンネルDをシールド掘進するシ
ールド掘進機30を示し、図9、図10は第1のトンネ
ルDの掘進完了後にシールド掘進機30を改造する改造
途中のシールド掘進機30aを示し、図11は改造後の
シールド掘進機30Aであって第2のトンネルEを掘進
開始したシールド掘進機30Aを示す。
【0035】図8、図9に示すように、このシールド掘
進機30には、第1のトンネルDの掘進に供する前胴3
2、この前胴32の内周側に同心状に設けられて前胴3
2に溶接された小径前胴35、第1のトンネルDの掘進
に供する後胴34、前胴32と後胴34とを屈曲自在に
連結する中折れ部33、小径前胴35の後端部に続く第
2のトンネルE用の小径中折れ部36、前胴32の前端
側の第1のトンネルDの掘進に供するカッターディスク
37であって多数のカッタービット(図示略)を有する
カッターディスク37、カッターディスク37に組み込
んだカッターディスク外輪固定装置38、小径前胴35
の前端付近の内側に設けられた隔壁39および隔壁リン
グ40が設けられている。
【0036】シールド掘進機30には、隔壁39の前側
のチャンバー41、隔壁39と隔壁リング40にカッタ
ーディスク37のリングフレーム42を回転自在に且つ
液密に支持する機構、カッターディスク37を複数のカ
ッター駆動モータによりモータ軸に固定のピニオンとリ
ングギヤを介して回転駆動する前記実施形態と同様の回
転駆動機構、小径前胴35側に付設されて前胴32の嵌
合凹部43に嵌合ピン44を嵌合させて相対移動を規制
する円周4等分位置にある4つの油圧シリンダ式の嵌合
機構45、油圧式の左右複数対の中折れジャッキ、小径
前胴35と小径中折れ部36の内側の油圧式の複数のシ
ールドジャッキ46、チャンバー41内の土砂を排出す
るスクリューコンベヤを含む排土設備、掘削したトンネ
ルの内面にセグメントSを覆工するエレクタ(支持フレ
ームとエレクタ本体)、後胴34の後端のテールシール
34a等が設けられている。
【0037】カッターディスク37の4本のカッタース
ポーク37aのうちの、小径前胴35よりも外側の分割
スポーク37bは、油圧ジャッキを有するカッターディ
スク外輪固定装置38により取外し可能にピン連結して
ある。尚、図8のシールド掘進機30は、第1のトンネ
ルDを掘進するのに適した外径を有するものである。
【0038】前記第2のトンネルEを掘進するのに供す
る小径後胴47の前端部47aの内側にはフランジ付き
のリングウェブ材48が固着されている。小径中折れ部
36は、小径前胴35の後端部の内面に形成された部分
凹球面状の凹球面座と、この凹球面座に内側から係合す
る部分凸球面状の凸球面状係合部を有し小径後胴47の
前端部47aとリングウェブ材48とに固着された小径
中折れ胴部材36aとを有する。
【0039】中折れ部33は、前胴32の後端部の内面
に形成された部分凹球面状の凹球面座と、この凹球面座
に内側から係合する部分凸球面状の凸球面状係合部を有
し後胴34の前端部に固着された中折れ胴部材33aと
を有する。各中折れジャッキのジャッキ本体は小径前胴
35の内面のブラケットに立て向きのピンにてピン結合
され、中折れジャッキのピストンロッドはリングウェブ
材48のブラケットに立て向きのピンにてピン結合され
ており、トンネルの掘進中に、トンネルを右方へ湾曲さ
せる際には、右側の複数の中折れジャッキを収縮させ左
側の複数の中折れジャッキを伸長させて掘進し、トンネ
ルを左方へ湾曲させる際には前記とは反対して掘進す
る。
【0040】複数のシールドジャッキ46は、小径前胴
35の後部と小径中折れ胴部材36aと小径後胴47の
前端部47aの内側に、周方向にほぼ等間隔おきに、ピ
ストンロッドを後方へ伸縮させるように後方向きに配設
されている。各シールドジャッキ46はリングウェブ材
48を貫通させてジャッキ本体のフランジ部をリング部
材48に当接させて複数のボルトにてリングウェブ材4
8に固定され、各シールドジャッキ46のピストンロッ
ドの先端部には、図5、図6に示す偏心金具17とほぼ
同様の構成の偏心金具49が複数のボルトで固定されて
いる。この偏心金具49は、シールドジャッキ46に対
して対応するスプレッダー50から推進反力を伝達する
為のものであり、図8に示すシールド掘進機30におい
ては、各シールドジャッキ46の偏心金具49は、偏心
半径が大きい方の凸球面状係合部49bをスプレッダー
50の凹球面座に係合させてピン結合されている。
【0041】図8に示すシールド掘進機30により第1
のトンネルDを掘進し、その終端に到達した時に掘進が
停止され、以下の説明のようにシールド掘進機30に改
造が施される。まず、エレタク本体や排土設備や電気系
や油圧系や加泥剤供給系等が取り外され、軸心を含む水
平面において上下に2分割された状態の小径後胴47が
搬入される。次に、図9に示すように、複数のシールド
ジャッキ46のピストンロッドの先端の偏心金具49か
らスプレッダー50が取り外され、第1のトンネルDの
内面のセグメントSの内側に小径後胴47が組立られ
て、リングウェブ材48の外周側にある前端部47aに
連続するように小径後胴47が溶接接合される。
【0042】次に、図10に示すように、第1のトンネ
ルDのセグメントSの内面に環状部材51が固定され、
小径後胴47の内面付近において周方向にほぼ等間隔お
きとなるように複数の反力受け部材52が配設されて環
状部材51で受け止められる。そして、複数のシールド
ジャッキ46の偏心金具49の方向を切換えて、偏心半
径が小さい方の凸球面状係合部49aがスプレッダー5
0の凹球面座に係合されてピン結合され、各スプレッダ
ー50が対応する反力受け部材52に当接される。更
に、カッターディスク37のカッタースポーク37aの
4つの分割スポーク37bが分離されるとともに、4つ
の油圧シリンダ式の嵌合機構45の嵌合ピン44が内側
へ引き抜かれて、前胴32と小径前胴35とがトンネル
軸心方向へ相対移動可能になる。
【0043】最後に、エレタク本体や排土設備や電気系
や油圧系や加泥剤供給系等が取り付けられると、シール
ド掘進機30の改造が完了して前胴32と中折れ部33
と後胴34とは分離されそれらの内側に位置するシール
ド掘進機30Aとなるので、図11に示すように、シー
ルド掘進機30Aにより第2のトンネルEのシールド掘
進が開始される。その掘進の進行につれて、前胴32と
中折れ部33と後胴34とが地山側に取り残され、シー
ルド掘進機30Aにより第2のトンネルEが掘進される
ことになる。
【0044】以上説明したシールド掘進機30のシール
ドジャッキ46においては、各シールドジャッキ46の
偏心金具49に、2つの凸球面状係合部49a,49b
を、ジャッキ本体の軸心から異なる半径の位置に且つ前
記軸心を基準として周方向に異なる位相の位置に予め形
成しておくので、偏心金具49を90度回動させるだけ
で、凸球面状係合部49a,49bのうちの所望の一方
を選択してスプレッダー50の凹球面座に係合させピン
結合してシールド掘進に供することができるので、トン
ネル径を変更する際に偏心金具49を交換する必要がな
く、シールドジャッキ46の為の準備作業が軽減され設
備費の面でも有利である。
【0045】以上説明したシールド工法によれば、第1
のトンネルDよりも小径の第2のトンネルEの掘進に供
するシールド掘進機30Aのリングウェブ材48に複数
のシールドジャッキ46を固定しておき、各シールドジ
ャッキ46の偏心金具49に異なる偏心半径とジャッキ
本体の軸心を基準とする周方向の位相の異なる凸球面状
係合部49a,49bを予め設けておき、各シールドジ
ャッキ46の偏心金具49を90度回動させて凸球面状
係合部49a,49bを切換えるだけで、これら複数の
シールドジャッキ46を第1のトンネルDの掘進にも第
2のトンネルEの掘進にも適用できるから、トンネル径
の変更に伴うシールド掘進機1の改造の際のシールドジ
ャッキ46の為の準備作業や改造作業が簡単化し設備費
の面でも有利である。
【0046】また、以上のシールド工法では、前記のよ
うなシールド掘進機30を適用するため、そのシールド
掘進機30に比較的簡単な改造を施すことで、シールド
掘進機30Aに変えることができ、前胴32と中折れ部
33と後胴34とを分離して第2のトンネルEを掘削で
きるから、立坑を用いることなく、第1のトンネルDに
続けて第2のトンネルEを掘削することができる。特
に、市街地等の立坑を設けにくい土地の地下にシールド
坑を掘削するのに好適である。そして、シールド掘進機
30に複数の油圧式の嵌合機構45を設けたため、前胴
32と小径前胴35との連結と分離を簡単に行うことが
できる。
【0047】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、シールド掘
進機のシールドジャッキの偏心金具に、スプレッダーの
1つの凹球面座に択一的に係合される複数の凸球面状係
合部であって、ジャッキ本体の軸心から異なる半径の位
置で且つジャッキ本体の軸心を基準として周方向に異な
る位相の位置に形成された複数の凸球面状係合部を設け
たので、ピストンロッドを中心として偏心金具を回動さ
せることで、所望の凸球面状係合部を選択してスプレッ
ダーの凹球面座に択一的に係合させることができるか
ら、トンネル径を大きくまたは小さく変更する為にシー
ルド掘進機に改造を加える際に、複数のシールドジャッ
キの偏心金具の位相を切換えるだけでよく、複数の偏心
金具を交換する必要がなく、労力と設備費用の面で格段
に有利である。
【0048】請求項2の発明によれば、偏心金具に設け
られた複数の凸球面状係合部は、周方向に90度異なる
位相の位置に形成されているため、偏心金具をピストン
ロッドを中心として90度の整数倍回動させることで、
凸球面状係合部をスプレッダーの凹球面座に対応する位
置に切換えることができる。その他、請求項1と同様の
効果を奏する。
【0049】請求項3の発明によれば、シールド掘進機
に、小さい方のトンネル径にほぼ等しい外径の胴部材
と、この胴部材の内側に固定した複数のシールドジャッ
キとを予め設け、各シールドジャッキのピストンロッド
の先端部に固着される偏心金具に、第1トンネル用凸球
面状係合部と第2トンネル用凸球面状係合部とを位相を
異ならせて予め形成しておき、第1トンネルを掘進する
際には第1トンネル用凸球面状係合部をスプレッダーの
凹球面座に係合させて掘進し、第2トンネルを掘進する
際には第2トンネル用凸球面状係合部をスプレッダーの
凹球面座に係合させて掘進するので、第1トンネルに続
けて径の異なる第2トンネルを掘進する際に、胴部材と
複数のシールドジャッキ(夫々偏心金具を含む)とを交
換することなく第2トンネルを掘進することができる。
それ故、トンネル径の切換えの際の複数のシールドジャ
ッキの準備または複数の偏心金具の準備に伴う労力と設
備費用を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るトンネルの縦断側面図
である。
【図2】第1のトンネルの掘進用のシールド掘進機の縦
断側面図である。
【図3】改造途中のシールド掘進機前半部の縦断側面図
である。
【図4】図2のシールド掘進機を改造した第2のトンネ
ルの掘進用のシールド掘進機の縦断側面図である。
【図5】図2のシールド掘進機のシールドジャッキの側
面図である。
【図6】図5のシールドジャッキの正面図である。
【図7】別実施形態に係るトンネルの縦断側面図であ
る。
【図8】シールド掘進機の縦断側面図である。
【図9】改造途中のシールド掘進機の縦断側面図であ
る。
【図10】改造途中のシールド掘進機の縦断側面図であ
る。
【図11】改造後のシールド掘進機の縦断側面図であ
る。
【符号の説明】
1,1A シールド掘進機 30,30A シールド掘進機 12,46 シールドジャッキ 12a ジャッキ本体 12b 軸心 17,49 偏心金具 17a,17b 凸球面状係合部 49a,49b 凸球面状係合部 19,50 スプレッダー A 第1のトンネル B 第2のトンネル D 第1のトンネル E 第2のトンネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 安美 神戸市中央区東川崎町1丁目1番3号 川崎重工業株式会社 神戸本社内 (72)発明者 松本 泰洋 神戸市中央区東川崎町1丁目1番3号 川崎重工業株式会社 神戸本社内 (72)発明者 松村 圭二 東京都港区浜松町2丁目4番1号 世界 貿易センタービル内 川崎重工業株式会 社 東京本社内 (72)発明者 山田 信夫 埼玉県鳩ケ谷市辻669番地4号 (72)発明者 石田 恵一 千葉県佐倉市王子台6丁目3番21号 (72)発明者 佐藤 雅継 東京都港区虎ノ門1丁目20番10号 西松 建設株式会社 関東支店内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06 302 E21D 9/06 301

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド掘進機の胴部材の内側に固定的
    に設けられるシールドジャッキであって、そのピストン
    ロッドの先端部に固着されシールドジャッキに対してス
    プレッダーから推進反力を伝達する偏心金具を備えたシ
    ールド掘進機のシールドジャッキにおいて、 前記偏心金具は、スプレッダーの1つの凹球面座に択一
    的に係合される複数の凸球面状係合部であって、ジャッ
    キ本体の軸心から異なる半径の位置で且つジャッキ本体
    の軸心を基準として周方向に異なる位相の位置に形成さ
    れた複数の凸球面状係合部を備えたことを特徴とするシ
    ールド掘進機のシールドジャッキ。
  2. 【請求項2】 前記偏心金具に設けられた複数の凸球面
    状係合部は、周方向に90度異なる位相の位置に形成さ
    れたことを特徴とする請求項1に記載のシールド掘進機
    のシールドジャッキ。
  3. 【請求項3】 第1トンネル径の第1トンネルを掘進
    し、その第1トンネルに続けて第1トンネル径とは異な
    る第2トンネル径の第2トンネルを掘進するシールド工
    法において、 シールド掘進機に、第1,第2トンネル径のうちの小さ
    い方のトンネル径にほぼ等しい外径の胴部材と、この胴
    部材の内側に固定された複数のシールドジャッキとを予
    め設けるとともに、各シールドジャッキのピストンロッ
    ドの先端部に固定されシールドジャッキに対してスプレ
    ッダーから推進反力を伝達する偏心金具に、スプレッダ
    ーの1つの凹球面座に択一的に係合される2つの凸球面
    状係合部であって、ジャッキ本体の軸心から第1,第2
    トンネルを掘進するときのスプレッダーの凹球面座に対
    応する半径の位置で且つジャッキ本体の軸心を基準とし
    て周方向に異なる位相の位置に形成された第1,第2ト
    ンネル用凸球面状係合部を予め形成し、 第1トンネルを掘進する際には第1トンネル用凸球面状
    係合部をスプレッダーの凹球面座に係合させて掘進し、
    第2トンネルを掘進する際には第2トンネル用凸球面状
    係合部をスプレッダーの凹球面座に係合させて掘進する
    ことを特徴とするシールド工法。
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