JP3939875B2 - 可変動弁装置付き内燃機関の回転数表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機関バルブのバルブ特性を機関運転条件に応じて可変とする可変動弁装置を備える内燃機関にあって、その機関回転数を表示する可変動弁装置付き内燃機関の回転数表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に4サイクルの内燃機関では、バルブスプリングによって閉弁方向に付勢された機関バルブをカムの押圧によって開弁駆動する動弁装置が採用されている。こうした動弁装置では、内燃機関が過剰な高回転となると、機関バルブはカムの動作に追従できなくなり、バウンスやジャンピング等の動作不良を起こす。そこで、こうした動弁装置を備える内燃機関では、機関回転数が過剰回転数域に達すると、燃料供給を停止(燃料カット)して、機関回転数を速やかに低下させるようにしている。
【0003】
なおこのとき、機関回転数の低下に伴い機関出力も急激に低下する。そこで従来は、車室内の計器板に設けられる回転数表示装置(タコメータ)の目盛りに過剰回転数域を示す警告ゾーン、いわゆるレッドゾーンを併せて表示しておき、機関回転数がこのレッドゾーンにあることをもって、燃料カットが実施される機関回転数を運転者に認識させ、違和感を与えないようにしている。このレッドゾーンは通常、上記燃料カットが行われる機関回転数(燃料カット回転数)よりもある程度低い回転数から高回転側の回転数域に設定されている。
【0004】
ところで近年、動弁装置の一種として、機関の運転状態に応じて機関バルブのバルブ特性を可変とするようにした可変動弁装置が実用されている。そしてその一例として、カム特性の異なる複数のカムの中から、機関バルブを開閉駆動するうえで能動となるカムを選択的に切り換える方式の可変動弁装置が知られている。こうしたカム切換式の可変動弁装置では、例えば、カムリフト量やカム作用角を大きく設定された高速用カムと小さく設定された低速用カムとをカムシャフトに併設し、機関の低速運転時には低速用カムへ、高速運転時には高速用カムへと能動となるカムを選択的に切り換えるようにしている。
【0005】
このように機関の運転中にカムを切り換える場合には、上述した動弁装置の機構上の不都合を起こすこともなくなる。また、機関を安定して運転可能な機関回転数の上限も、そのとき選択されているカムによって異なるようになる。例えば、カムリフト量の小さな上記低速用カム選択時には、開弁時のバルブスプリングの縮み幅が少なく、機関バルブを閉弁するときの反発力も小さくなるため、高速用カム選択時に比べて機関を安定して運転可能な機関回転数の上限はより低くなる。
【0006】
また従来、例えば特公平3−68217号公報に記載の可変動弁装置付き内燃機関のように、選択されているカムによって上記燃料カット回転数を変更するようにしたものが知られている。このように燃料カット回転数を選択されているカムに応じて変更することで、それら各カムのそれぞれ限界となる機関回転数まで使用できるようになり、更なる性能が図られるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように選択されているカムに応じて燃料カット回転数を変更する場合、これを上記レッドゾーンの設けられた回転数表示装置に適用すると、当該レッドゾーンの表示と燃料カット回転数との対応が不明瞭となり、運転者には燃料カットがいつ行われるか把握し難くなる。
【0008】
例えば、上記低速用カム選択時の燃料カット回転数に合わせてレッドゾーンを設定した場合、このレッドゾーンの表示からは上記高速用カム選択時の燃料カット回転数を把握することはできなくなってしまう。更にこの場合、上記高速用カム選択時には、本来、レッドゾーンの範囲内にあってもある程度の機関回転数までは問題なく運転可能であるにも関わらず、運転者にはその限界が把握できないため、機関性能を限界まで発揮することが困難となる。
【0009】
こうした不都合は、バルブスプリングの押圧荷重を高く設定するとともに、回転数限界の低いカムについてはその過剰回転数域の下限を高め、各カム間の使用可能な回転数域の格差を縮小することによっても解消することはできる。しかしながらこの場合には、押圧荷重の増大に伴ってカムのフリクションが増大し、摩耗が進行するなどの不具合も無視できないものとなる。
【0010】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、可変動弁装置を備える内燃機関にあって、同可変動弁装置のカム選択状態に応じて当該機関の過剰回転数域が変化しても、現状に即した過剰回転数域を的確に運転者に認識させることのできる可変動弁装置付き内燃機関の回転数表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、それぞれ内燃機関の高速運転及び低速運転に対応してカム形状の設定された高速カム及び低速カムの間で機関バルブを開閉駆動するうえで能動となるカムを選択的に切り換える可変動弁装置を備えると共に、当該機関の過剰回転を回避すべく燃料供給の停止を行う機関回転数の範囲が、高速カム使用時には低速カム使用時に比して高回転数側となるように変更される内燃機関のその都度の機関回転数をリアルタイム表示する装置であって、前記機関回転数に対応してその過剰回転数域を示す警告ゾーンを前記可変動弁装置のカム選択状態に応じて各別に表示することをその要旨とするものである。
【0012】
上記構成によれば、運転者は、当該回転数表示装置の表示から、カム選択状態に対応した当該機関の過剰回転数域を各別に把握することができるようになる。したがって、カム切換状態に応じて燃料供給の停止を行う機関回転数を変更する場合であれ、運転者は燃料供給の停止が行われる機関回転数を適切に把握できるため、燃料供給の停止に伴う機関出力の急激な変化に対してもその違和感を低減することができる。また、カム選択状態毎の過剰回転数域を各々明確に把握できるため、機関性能の有効的な活用も容易となる。
【0013】
一方、回転数表示部の表示からカム選択状態毎の過剰回転数域と警告ゾーン(レッドゾーン)の表示との対応が一義的であり、あえてカム選択状態毎の過剰回転数域の格差を縮小する必要もないため、その設計等も容易となる。
【0014】
またちなみに、あえて機関バルブをカムに押し付けるバルブスプリングの押圧荷重を高く設定して、回転数限界が低く、よって燃料供給の停止が行われる機関回転数も低い側のカムについてその過剰回転数域の下限を高める必要もなくなる。このため、バルブスプリングの押圧荷重を比較的低く設定できるようになり、カムフリクションを低く抑えて摩耗の進行を抑制できるようにもなる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の可変動弁装置付き内燃機関の回転数表示装置において、前記可変動弁装置のカム選択状態を表示するカム選択状態表示部を更に備えることをその要旨とするものである。
【0016】
上記構成によれば、選択状態表示部に可変動弁装置のカム選択状態が表示されるため、運転者はそのとき参照すべき警告ゾーン(レッドゾーン)を容易且つ明確に認識できるようになる。このため、燃料供給の停止に伴う違和感を更に低減し、機関性能を更に容易且つ有効的に活用することができる。
【0017】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の可変動弁装置付き内燃機関の回転数表示装置において、前記可変動弁装置は当該機関の運転状態に応じてカム切換動作が禁止または許容され、前記カム選択状態表示部は、同可変動弁装置によるカム切換動作の禁止または許容の別を表示するものであることをその要旨とする。
【0018】
可変動弁装置のカム切換動作を当該機関の運転状態に応じて禁止または許容する場合、そのカム切換動作の禁止または許容に応じて当該機関の高回転運転時に能動となるカムが異なるようになるが、上記構成によれば、選択状態表示部に表示されるカム切換動作の禁止状態及びその許可状態から、運転者にそのとき参照すべき警告ゾーン(レッドゾーン)を正しく識別させることができる。
【0019】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の可変動弁装置付き内燃機関の回転数表示装置において、前記カム選択状態表示部は、そのとき能動となっているカムの種類を表示するものであることをその要旨とする。
【0020】
上記構成によれば、選択状態表示部に表示されるカムの種類によって、運転者にそのとき参照すべき警告ゾーン(レッドゾーン)を正しく識別させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の可変動弁装置付き内燃機関の機関回転数表示装置を具体化した一実施の形態について、詳細に説明する。
【0022】
本実施の形態の回転数表示装置が適用される内燃機関には、カム切換式の可変動弁装置が設けられている。この可変動弁装置は、カム特性の異なる複数のカムの中から機関バルブを開閉駆動するうえで能動となるカムを内燃機関の運転状態に応じて選択的に切り換えるカム切換機構を備えている。
【0023】
まず、このカム切換機構について、図1〜図3に基づき詳細に説明する。
図1は、上記カム切換機構40についてそのロッカアーム付近の斜視構造を示している。
【0024】
同図1に示すように、カムシャフト41には、カム特性の異なる2つのカム42,43が併設されている。これらカム42,43は、それぞれ内燃機関の高速運転及び低速運転に対応してそのカム形状が設定されている。すなわち、高速用カム42は、低速用カム43に比べてカムリフト量やカム作用角が大きくなるように設定されている。
【0025】
これらカム42,43の下方には、同図1に示すように、ロッカシャフト46に軸支されたロッカアーム45が設けられている。そして、同ロッカアーム45の上面には、上記高速用カム42に対応する可動カムフォロワ49と、上記低速用カム43に対応するローラカムフォロワ48とが設けられている。
【0026】
ローラカムフォロワ48は、ロッカアーム45に支持されており、上記低速用カム43と転がり接触しつつ、その押圧を同ロッカアーム45に伝達可能となっている。また、可動カムフォロワ49は、ロッカアーム45の上下方向に形成された摺動孔54内に摺動可能に挿入されている。この可動カムフォロワ49は、コイルばね(図1では図示略)によって、上記高速用カム42に向けて常時付勢されている。そして、後述するロックピン51の作動によってロッカアーム45との相対摺動が規制されるとき、上記高速用カム42とすべり接触しながらその押圧をロッカアーム45へと伝達可能となっている。
【0027】
また、このロッカアーム45の先端は、一対の機関バルブ47の上端と当接可能となっており、バルブスプリングの付勢力によってそれら機関バルブ47を平弁する方向に押圧されている。そして、上記ロックピン51の作動を通じて選択されたカムの押圧に基づくロッカアーム45の回動に伴って、機関バルブ47がその選択されたカムに対応するバルブ特性をもって開閉駆動する。
【0028】
ここで、上記機関バルブ47を開閉駆動するカムを切り換えるロックピン51について説明する。
図2(a)及び(b)は、上記ロッカアーム45の可動カムフォロワ49及びロックピン51付近の部分断面構造を示しており、図2(a)は低速時の、図2(b)は高速時の態様をそれぞれ示している。
【0029】
先述したように、可動カムフォロワ49はロッカアーム45を上下方向に貫く摺動孔54内に摺動可能に挿入されており、コイルばね55の付勢力によって上記高速用カム42(図1)に向けて付勢されている。さらに、ロッカアーム45の下方には、この摺動孔54と交差するシリンダ穴50が形成されており、その内部に上記ロックピン51が摺動可能に挿入されている。
【0030】
このロックピン51は、図3にその斜視構造を示すように、その先端側に溝53が形成されている。またこの溝53の先端部は、上記可動カムフォロワ49の上下方向の摺動を許容すべくその底面が切り欠かれており、同溝53の奥部(基端側)は、可動カムフォロワ49の下端と当接可能なようにその底面が残されている。
【0031】
また、このロックピン51は、図2(a)及び図2(b)に示すように、コイルばね52の付勢力によってロッカアーム45の基端側、すなわち上記可動カムフォロワ49から離間する方向に常時付勢されている。
【0032】
さらに、上記シリンダ穴50にあってロックピン51によって区画されたロッカアーム45の基端側の空間56は、同ロックピン51を作動させるためのオイルが導入される圧力室となっている。そして、ロックピン51は、この圧力室56内に導入されるオイルの圧力と上記コイルばね52の付勢力との釣り合いに応じてシリンダ穴50内を移動し、図2(a)に示す位置と図2(b)に示す位置との間を往復動する。なお、この圧力室56は、ロッカアーム45内に形成されたオイル通路57及びロッカシャフト46内に形成されたオイル通路58(図1)を通じて下記の油圧切換弁に接続されている。この油圧切換弁は、下記の電子制御装置の作動制御に基づき圧力室56に対するオイルの供給及び排出を行い、同圧力室56内の油圧を制御している。
【0033】
次に、上記圧力室56の油圧制御のための油圧回路構成及び同制御のための電気的構成について、図4に基づき説明する。
図4は、本実施の形態の回転数表示装置の全体構成を示しており、上記可変動弁装置の油圧回路構成及びその電気的構成も併せ示している。
【0034】
同図4に示すように、オイルポンプ32は、オイルパン33内に貯留されたオイルを吸引し加圧吐出して、上記油圧切換弁(OSV)31にオイルを送っている。油圧切換弁31は、電子制御装置(ECU)20によって作動制御される電磁制御弁であり、上記カム切換機構(V/T)40の圧力室56に対するオイルの供給及び排出を選択的に切り換えて同圧力室56内の油圧を調整している。
【0035】
一方、電子制御装置20は、機関回転数NEを検出する回転数センサ21や吸入空気量を調整するスロットル弁の開度TAを検出するスロットル開度センサ22、機関の冷却水の温度THWを検出する水温センサ23などの各種センサの出力信号から、当該機関の運転状態を検知している。そして検知した当該機関の運転状態に基づき可変動弁装置の作動制御を行っている。
【0036】
続いて、以上説明したように構成される可変動弁装置の制御態様について説明する。
本実施の形態では、上記電子制御装置20は、上記機関回転数NE及びスロットル開度TAから、機関が高速運転されているか、低速運転されているかを判定している。そして電子制御装置20は、この判定結果に応じて上記油圧切換弁31に対して指令信号V/Tを出力し、同油圧切換弁31を作動制御する。
【0037】
そして低速運転時には、電子制御装置20は、上記圧力室56からオイルを排出すべく油圧切換弁31を作動させ、同圧力室56内の油圧を低下させる。
こうして圧力室56内の油圧が低下すると、ロックピン51はコイルばね52の付勢力によってロッカアーム45の基端側に押し付けられ、図2(a)に示す位置に位置するようになる。このときの可動カムフォロワ49の下端部は、ロックピン51の溝53の底面が切り欠かれた部分に位置するため、その上下方向の摺動が許容される。
【0038】
なお、先述した可動カムフォロワ49を上記高速用カム42(図1)に向けて付勢するコイルばね55の付勢力は、機関バルブ47(図1)のバルブスプリングの付勢力に対して十分に小さく設定されている。そのため、このときの高速用カム42は単に可動カムフォロワ49を摺動させるだけで、その押圧はロッカアーム45に対してはほとんど伝達されない。したがって、このときのロッカアーム45はローラカムフォロワ48を介して伝達される低速用カム43(図1)の押圧に基づき揺動されるようになり、機関バルブ47も同低速用カム43によって開閉駆動されるようになる。
【0039】
一方、高速運転時には、上記電子制御装置20(図4)は、圧力室56にオイルを供給すべく油圧切換弁31を作動させ、同圧力室56内の油圧を高めるようにする。
【0040】
こうして圧力室56内の油圧が高まると、ロックピン51はコイルばね52の付勢力に抗してロッカアーム45の先端側に移動するようになる。そして、ロックピン51が図2(b)に示す位置まで移動すると、可動カムフォロワ49の下端部は、ロックピン51の溝53の底面が残された部分に位置するようになる。このとき可動カムフォロワ49が押し下げられると、その下端面と溝53の底面とが当接するようになる。
【0041】
そして、このときの高速用カム42(図1)の押圧は、可動カムフォロワ49及びロックピン51の当接を通じてロッカアーム45にも直接的に伝達されるようになる。すなわち、このときの可動カムフォロワ49とロッカアーム45とは締結された状態となり、一体となって回動するようになる。そしてこの場合には、ロッカアーム45は高速用カム42によって回動されるようになり、機関バルブ47(図1)も同高速用カム42によって開閉駆動されるようになる。
【0042】
このように本実施の形態では、機関の低速運転時には低速用カム43へ、高速運転時には高速用カム42へと、機関の運転状態に応じて機関バルブ47を開閉駆動するカムを切り換えている。ただし、内燃機関の冷間運転時には、上記運転状態に応じたカムの切り換えを禁止し、能動となるカムを低速用カム43に固定しておくようにしている。これは、冷間運転時にはオイルの粘度が高くなり、圧力室56に対するオイル供給やロックピン51の作動が滞り、適正なカムの切り換えを行えないことがあるためである。そこで、電子制御装置20は、水温センサ23が検出する冷却水温THWが所定温度以下である場合、圧力室56からのオイル排出を維持するように油圧切換弁31を作動制御し、低速用カム43が選択された状態を保持するようにしている。したがって、冷間運転時には、機関が高速運転となっているにも関わらず、機関バルブ47は低速用カム43によって開閉駆動されるようになる。
【0043】
なお、この可変動弁装置を備える内燃機関では、上記のカム切り換えの禁止及び許容に応じて、燃料カットを実施する燃料カット回転数も変更するようにしている。これは、カムリフト量の小さい低速用カム43での駆動時にはバウンス等の機関バルブ47の動作不良が比較的低い機関回転数で発生するようになり、高速用カム42での駆動時に比べ、機関を安定して運転可能な機関回転数の上限も低くなるためである。
【0044】
そこで、この内燃機関では、冷間運転時には、上記カム切り換えの禁止と併せ、より低回転で燃料カットが実施されるように燃料カット回転数も変更している。すなわち、この内燃機関では、カム切り換えが禁止されて高速運転時にも低速用カム43が使用される場合と、許容されて高速運転時には高速用カム42が使用される場合とで、異なる燃料カット回転数が設定されるようになる。
【0045】
続いて、以上説明した可変動弁装置を備える内燃機関の機関回転数を表示する回転数表示装置について、図4に基づき説明する。
先述のように、電子制御装置20は、回転数センサ21やスロットル開度センサ22、水温センサ23等の各種センサの検出結果に基づき、当該機関の運転状態を検知している。そして、検知された運転状態に応じて、上記油圧切換弁31の作動制御に基づくカムの切り換え制御を行っている。これに加え、電子制御装置20は、インジェクタ26の作動制御に基づく燃料噴射時期や燃料噴射量制御、及び点火コイル25に流れる一次電流のスイッチングを行うイグナイタ24の作動制御に基づく点火時期制御などの内燃機関の各種制御も行っている。
【0046】
一方、内燃機関の各種情報を表示する計器板には、運転者に対して機関回転数を表示するための回転数表示盤(タコメータ)10が設けられている。この回転数表示盤10には、同図4に示すように、指針駆動装置15によって駆動されて機関回転数に対応した目盛りを指し示す指針11が設けられている。
【0047】
上記イグナイタ24は、上記スイッチングが行われる毎、すなわち燃料の点火が行われる毎に、指針駆動装置15に対してパルス状の信号TACHを出力している。そして指針駆動装置15は、この信号TACHをカウントすることで機関回転数を算出し、対応した目盛りを指し示すように指針11を駆動している。したがって、運転者は、この指針11の指し示す回転数表示盤10の目盛りから現状の機関回転数を知ることができるようになる。
【0048】
更に、この回転数表示盤10の目盛りには、警告ゾーンとしてレッドゾーン12,13が表示されている。このレッドゾーンは当該機関の過剰回転数域を示すものであるが、本実施の形態の回転数表示装置では、このレッドゾーンが、機関回転数の目盛りに対応して低回転数側の区間12と、高回転数側の区間13とに区分けされている。これらの区間12,13は、例えば、表示部分の色分けや模様分けなどによって、運転者がそれぞれを明確に区別できるように表示されている。
【0049】
なお、これら区分けされたレッドゾーンのうち、上記区間12と区間13を併せた区間はカム切り換えが禁止されているときの過剰回転数域に対応し、高回転数の区間13はカム切り換えが許容されているときの過剰回転数域に対応している。先述のように、カム切り換えが禁止されて高速運転時にも低速用カム43が使用される場合には、燃料カット回転数がより低く設定されている。上記レッドゾーンもこの燃料カット回転数に応じて、カム切り換え禁止時のレッドゾーン(区間12+区間13)は、許可時のレッドゾーン(区間13)よりも低回転側に拡大されるように設定されている。
【0050】
更に、この回転数表示盤10の傍らには、表示灯14が配設されている。この表示灯14は、電子制御装置20によって、上記カムの切り換えが許可されているときに点灯され、禁止されているときには消灯される。したがって、この表示灯14の点灯及び消灯によって、運転者は、そのときカムの切り換えが許可されているか、禁止されているかを明確に把握することができるようになる。
【0051】
このように、この回転数表示装置では、回転数表示盤10にカムの切換状態にそれぞれ対応してレッドゾーンを区分けして表示し、しかも表示灯14によってそのカムの切換状態を表示するようにしているため、運転者はそのときのカムの切換状態に対応したレッドゾーンを明確に認識することができる。したがって、運転者は、そのときのカムの切換状態に即して機関性能を限界まで有効に活用できるようになる。また、運転者は、そのときのカム切換状態に対応した燃料カット回転数を把握できるようになるため、唐突に燃料カットが実施されて違和感を覚えることもない。
【0052】
一方、本実施の形態のようなカム切換状態毎のレッドゾーンの表示を行っていない場合には、上述のように、バルブスプリングの押圧荷重を高く設定して低速用カム43選択時の過剰回転数の下限を高くして、レッドゾーンの表示とカム選択状態毎の過剰回転数域との格差を縮小する必要がある。そして、この場合には、カムのフリクションが増大して摩耗が進行するなどの不具合も無視できないものとなることは先に述べたとおりである。
【0053】
その点、本実施の形態の回転数表示装置では、カム切換状態毎の過剰回転数域とレッドゾーンの表示との対応が一義的であり、あえてカム切換状態毎の過剰回転数域の格差を縮小する必要がないため、バルブスプリングの押圧荷重を高く設定する必要もない。したがって、バルブスプリングの押圧荷重の増大を抑え、カムのフリクションの増大やバルブスプリングの大型化を好適に回避できるようにもなる。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態の機関回転数表示装置によれば、以下に記載する効果を得ることができるようになる。
(1)カムの切換状態に対応してレッドゾーンを区分して表示するようにしたことで、運転者にカムの切換状態に即した機関の過剰回転数域を認識させることができるようになる。
【0055】
(2)更に、表示灯14によってそのときのカムの切換状態を表示するようにしたことで、カム切換状態と過剰回転数域との対応を更に明確とすることができる。
【0056】
(3)また、運転者はカムの切換状態毎の過剰回転数域を把握できるため、機関性能の容易に有効活用できるようにもなる。
(4)カムの切換状態に応じて燃料カット回転数を変更する場合であれ、燃料カットが実施されることを運転者に予め認識させ、違和感を与えないようにすることができるようにもなる。
【0057】
(5)カム切換状態毎の過剰回転数域とレッドゾーンの表示との対応が一義的であり、あえてカム切換状態毎の過剰回転数域の格差を縮小しなくてもよいため、設計を容易とすることができるようにもなる。
【0058】
(6)また、上記過剰回転数域の格差を縮小すべくバルブスプリングの押し付け荷重をあえて高く設定する必要がないため、カムの摩耗の増大やバルブスプリングの大型化を好適に回避することができるようにもなる。
【0059】
なお、以上説明した上記実施の形態の回転数表示装置は、以下のように変更することもできる。
・上記実施の形態では、レッドゾーン12,13を色分けや模様分けによって2つの区間に区分けして表示する構成としていたが、運転者が各カムに対応したそれぞれのレッドゾーンを識別可能であれば、レッドゾーンを他の表示方法によって表示するようにしてもよい。
【0060】
・また、上記実施の形態では、表示灯14によってカム切り換えの許可または禁止を表示する構成としているが、同表示灯14によってそのとき選択されているカムの種類を表示するようにしてもよい。こうした場合にも、運転者にそのときのカムの選択状態に応じた過剰回転数域を同様に認識させることができる。
【0061】
・また、上記実施の形態では表示灯14の点灯及び消灯によってカムの選択状態を表示する構成としているが、運転者にカムの選択状態を明確に認識させることが可能であれば、カムの切換状態を例えばデジタル表示等、他の表示方法によって表示するようにしてもよい。
【0062】
・また、上記レッドゾーンの区間12及び区間13をそれぞれ発光させるようにして、カム切り換えの許可時には区間13のみを発光させ、禁止時には区間12及び区間13の両方を発光させるように構成してもよい。この構成によれば、特に表示灯14などを設けずとも、カムの選択状態とこれに対応する過剰回転数域とを運転者に認識させることができるようになる。
【0063】
・また、上記表示灯14などのカムの切換状態を示す表示部を設けず、単にカムの切換状態にそれぞれ対応したレッドゾーンだけを表示する構成としてもよい。この場合、運転者は、冷却水温計の示す冷却水温や機関始動後の経過時間などの他の情報源からそのときのカムの切換状態をおおよそながらも把握し、それに基づきそのときの過剰回転数域を把握することはできる。
【0064】
・なお、上記実施の形態のような指針式の回転数表示装置に限らず、デジタル式の回転数表示装置についても、カムの切換状態にそれぞれ対応したレッドゾーンの表示がなされていれば、上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0065】
・また、本発明の回転数表示装置の適応対象となる内燃機関に設けられる可変動弁装置も、上記実施の形態の構成に限らず、それぞれ内燃機関の高速運転及び低速運転に対応してカム形状の設定された高速カム及び低速カムの間で機関バルブを開閉駆動するカムを選択的に切り換える装置であれば、同様に本発明の回転数表示装置を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転数表示装置の一実施の形態の適用対象となる内燃機関に設けられた可変動弁装置についてそのロッカアーム付近の斜視構造を示す斜視図。
【図2】同可変動弁装置についてそのロッカアームの部分断面構造を示す断面図。
【図3】同可変動弁装置についてそのロックピンの斜視構造を示す斜視図。
【図4】上記実施の形態の全体構成を模式的に示す略図。
【符号の説明】
10…回転数表示盤、11…指針、12…レッドゾーン(低速用カム使用時)、13…レッドゾーン(高速用カム使用時)、14…表示灯、15…指針駆動装置、20…電子制御装置(ECU)、21…回転数センサ、22…スロットル開度センサ、23…水温センサ、24…イグナイタ、25…点火コイル、26…インジェクタ、31…油圧切換弁(OSV)、32…オイルポンプ、33…オイルパン、40…カム切換機構(V/T)、41…カムシャフト、42…高速用カム、43…低速用カム、45…ロッカアーム、46…ロッカシャフト、47…機関バルブ、48…ローラカムフォロワ、49…可動カムフォロワ、50…シリンダ穴、51…ロックピン、52…コイルばね、53…溝、54…摺動孔、55…コイルばね、56…圧力室、57,58…オイル通路。
Claims (4)
- それぞれ内燃機関の高速運転及び低速運転に対応してカム形状の設定された高速カム及び低速カムの間で機関バルブを開閉駆動するうえで能動となるカムを選択的に切り換える可変動弁装置を備えると共に、当該機関の過剰回転を回避すべく燃料供給の停止を行う機関回転数の範囲が、高速カム使用時には低速カム使用時に比して高回転数側となるように変更される内燃機関のその都度の機関回転数をリアルタイム表示する装置であって、
前記機関回転数に対応してその過剰回転数域を示す警告ゾーンを前記可変動弁装置のカム選択状態に応じて各別に表示する
ことを特徴とする可変動弁装置付き内燃機関の回転数表示装置。 - 請求項1に記載の可変動弁装置付き内燃機関の回転数表示装置において、
前記可変動弁装置のカム選択状態を表示するカム選択状態表示部を更に備える ことを特徴とする可変動弁装置付き内燃機関の回転数表示装置。 - 請求項2に記載の可変動弁装置付き内燃機関の回転数表示装置において、
前記可変動弁装置は当該機関の運転状態に応じてカム切換動作が禁止または許容され、
前記カム選択状態表示部は、同可変動弁装置によるカム切換動作の禁止または許容の別を表示するものである
ことを特徴とする可変動弁装置付き内燃機関の回転数表示装置。 - 請求項2に記載の可変動弁装置付き内燃機関の回転数表示装置において、
前記カム選択状態表示部は、そのとき能動となっているカムの種類を表示するものである
ことを特徴とする可変動弁装置付き内燃機関の回転数表示装置。
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