JP2615172B2 - 駆動輪スリップ制御装置 - Google Patents

駆動輪スリップ制御装置

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JP2615172B2
JP2615172B2 JP33094088A JP33094088A JP2615172B2 JP 2615172 B2 JP2615172 B2 JP 2615172B2 JP 33094088 A JP33094088 A JP 33094088A JP 33094088 A JP33094088 A JP 33094088A JP 2615172 B2 JP2615172 B2 JP 2615172B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、駆動輪スリップ制御装置に関し、特に吸気
弁または排気弁の揚程特性が切換可能な内燃エンジンに
おいてスリップ制御時の制御禁止領域を適切に設定し得
るようにした駆動輪スリップ制御装置に関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) 内燃エンジンの制御において、駆動輪のスリップを検
知したときに、スリップを防止するべくエンジンの出力
を下げるようにし、これにより駆動輪のトルクを下げて
駆動輪の過剰なスリップを抑制する駆動輪スリップ制御
(トラクションコントロール;TCS)が知られている。
かかるトラクションコントロールは、例えば駆動輪ス
リップ検出時にフューエルカットすべき気筒を順次増加
させて行くことによりエンジン出力を低減することによ
って行うことができるが、トラクションコントロールの
実行に伴ってエンジンストールを起こす可能性が高くな
る。即ち、フューエルカットによりエンジン回転数が落
ちてきた場合にストールするおそれが大きい。
このため、基本的には、上記のようなエンジンストー
ルを起こす可能性が高い領域ではトラクションコントロ
ール自体を禁止するような制御、即ちトラクションコン
トロールの作動を解除する(前述のようなフューエルカ
ット手法を採用するものではそのフューエルカットを解
除する)ような制御を行わせるが、禁止する領域を余り
広くすると、即ち禁止領域としてエンジンストールを起
こさない余裕をもった領域に設定してしまうと、逆にト
ラクションコントロール自体の制御領域がせばめられて
しまう。
即ち、禁止領域を設定する場合に、これを一律に設定
する手法によるときは、エンジンストール防止の面を重
視すれば、禁止領域の拡大分だけ、本来行なわれるべき
スリップ制御の対象領域が縮小されてしまうことにな
り、他方、該制御領域の面を重視すれば、それだけエン
ジンストールを招き易くする。
本発明の目的は、かかる相反する要請を同時に達成せ
んとするところにあり、弁揚程特性が切換可能な内燃エ
ンジンにおけるそのエンジン出力トルク特性に着目しこ
れを活性してエンジンストールの防止とスリップ制御領
域の拡大の双方を実現できる駆動輪スリップ制御装置を
提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記目的を達成するため、内燃エンジンの
吸収弁及び排気弁の少なくとも一方の弁揚程特性を変更
する弁揚程特性変更手段と、前記エンジンにより駆動さ
れる駆動輪のスリップを検出する駆動輪スリップ検出手
段と、該駆動輪スリップ検出手段の出力に応じて前記エ
ンジンの出力を低減されるエンジン出力低減手段と、該
エンジン出力低減手段の作動領域を決定するパラメータ
の下限値を設定する下限値設定手段とを備えた駆動輪ス
リップ制御装置において、前記駆動輪スリップ検出手段
の出力に応答して前記弁揚程特性を前記弁揚程特性変更
手段により変更される弁揚程特性により得られるエンジ
ン出力トルクよりも低いエンジン出力トルクとなるよう
に切り換える弁揚程特性切換手段と、該弁揚程特性切換
手段による切り換えに同期して、前記下限値設定手段に
より設定される下限値を前記弁揚程特性切換手段による
切り換え後の弁揚程特性に応じて変更する下限値変更手
段とを備えるようにしたものである。
また、前記作動領域を決定するパラメータは、前記エ
ンジンのエンジン回転数又は車速に応じた値であること
が好ましい。
(実施例) 以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて詳述す
る。
第1図は本発明の制御装置を適用した内燃エンジンの
燃料供給制御装置の全体の構成図であり、同図中1は各
シリンダに吸気弁と排気弁とを各1対に設けたDOHC直列
4気筒の内燃エンジンである。
エンジン1には、開口端にエアクリーナ17を取り付け
た吸気管2と、排気管18とが接続されている。エンジン
1の吸気管2の途中にはスロットルボディ3が設けら
れ、その内部にはスロットル弁3′が配されている。ス
ロットル弁3′にはスロットル弁開弁(θth)センサ4
が連結されており、当該スロットル弁3′の開度に応じ
た電気信号を出力して電子コントロールユニット(以下
「ECU」という)5に供給する。
吸気管2のエンジン1と前記スロットルボディ3との
間には燃料噴射弁6が設けられている。
燃料噴射弁6は吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設け
られており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続さ
れていると共にECU5に電気的に接続されて当該ECU5から
の信号により燃料噴射の開弁時間が制御される。
また、ECU5の出力側には、後述するバルブタイミング
切換制御を行なうための電磁弁16が接続されており、該
電磁弁16の開閉作動がECU5により制御される。
一方、スロットル弁3の直ぐ下流には管7を介して吸
気管内絶対圧(PBA)センサ8が設けられており、この
絶対圧センサ8により電気信号に変換された絶対圧信号
は前記ECU5に供給される。また、その下流には吸気温
(TA)センサ9が取付けられており、吸気温TAを検出
して対応する電気信号を出力してECU5に供給する。
エンジン1の本体に装着されたエンジン水温(Tw)セ
ンサ10はサーミスタ等から成り、エンジン水温(冷却水
温)Twを検出した対応する温度信号を出力してECU5に供
給する。エンジン回転数(Ne)センサ11及び気筒判別
(CYL)センサ12はエンジン1のカム軸周囲又はクラン
ク軸周囲に取付けられている。エンジン回転数センサ11
はエンジン1のクランク軸の180度回転毎に所定のクラ
ンク角度位置でパルス(TDC信号パルス)を出力信号、
気筒判別センサ12は特定の気筒の所定のクランク角度位
置で信号パルスを出力するものであり、これらの各信号
パルスはECU5に供給される。
ECU5には更に車速センサ13、駆動輪速度センサ14、並
びにその他のセンサ及びスイッチ類15が接続されてお
り、これらの検出信号がECU5に供給される。
ECU5は各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧
レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタ
ル信号値に変換する等の機能を有する入力回路5a、中央
演算処理回路(以下「CPU」という)5b、CPU5bで実行さ
れる各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶
手段5c、前記燃料噴射弁6及び電磁弁16に駆動信号を供
給する出力回路5d等から構成される。
CPU5bは上述の各種エンジンパラメータ信号に基づい
て、種々のエンジン運転状態を判別するとともに、エン
ジン運転状態に応じ、次式(1)に基づき、前記TDC信
号パルスに同期する燃料噴射弁6の燃料噴射時間TOUT
を演算する。
OUT=Ti×K1+K2 …(1) ここに、Tiは基本燃料量、具体的にはエンジン回転数
Neと吸気管内絶対圧PBAとに応じて決定される基本燃料
噴射時間であり、このTi値を決定するためのTiマップと
して、低速バルブタイミング用(TiLマップ)と高速バ
ルブタイミング用(TiHマップ)の2つのマップが記憶
手段5cに記憶されている。
1及びK2は夫々各種エンジンパラメータ信号に応じ
て演算される補正係数及び補正変数であり、エンジン運
転状態に応じた燃費特性、エンジン加速特性等の諸特性
の最適化が図られるような所定値に決定される。
後述するトラクションコントロール時のフェーエルカ
ットは、上記TOUTを0に設定することによって行なう
ことができる。
CPU5bは更に後述する手法により、バルブタイミング
の切換指示信号を出力して電磁弁16の開閉制御を行な
う。
バルブタイミングの決定については、エンジン回転数
センサ11等から供給されるエンジン運転状態パラメータ
信号の値に基づいて、更には、車速センサ13と駆動輪速
度センサ14から供給される車速信号と駆動輪速度信号と
を用いた駆動輪スリップ検出時のスリップ状態に応じ
て、決定される。具体的なバルブタイミングの変更、切
換えの態様の組み合わせパターンは後述する。
CPU5bは上述のようにして算出、決定した結果に基づ
いて、エンジン1の吸入行程が始まる気筒に対応する燃
料噴射弁6を開弁させる駆動信号および電磁弁16を駆動
する信号を、出力回路5dを介して出力する。
更にまた、CPU5bは、エンジン運転状態及びバルブタ
イミング状態を判別し、これら判別した状態に応じて、
一定条件の下、駆動輪スリップ防止のためのエンジン出
力低減処理を抑制する領域について、その範囲を選択的
に変更する。本実施例では、トラクションコントロール
の制御禁止領域を定める制御禁止回転数を高、低に切換
え設定する(持ち替える)ことによって、これを行な
う。
かかる禁止回転数の変更制御は、バルブタイミングが
低速用のものか高速用のものかに対応してかつそのバル
ブタイミングの切換えに同期して実行される。
高速バルブタイミングと低速バルブタイミングとの切
換えは、本実施例では、以下のようにロッカアーム及び
カム選択によってこれを行う構成を採用している。本出
願人は先に低速バルブタイミング(低速V/T)と高速バ
ルブタイミング(高速V/T)とを切換えるバルブタイミ
ング切換制御について出願している(昭和63年8月1日
付特許出願)が、次に示す第2図は、前記エンジン1の
かかる可変バルブタイミング機構を備えた動弁装置の要
部を示す。
なお、図では、エンジン1のシリンダブロック内に4
つ直列に並んで設けられるシリンダのうちの1つのシリ
ンダに関する一対の吸気弁20iを開閉駆動するための吸
気弁側動弁装置についての構成を示すが、他のシリンダ
における吸気弁側動弁装置も基本的には同一の構成であ
り、また、各シリンダにおける一対の排気弁を開閉駆動
するための排気弁側動弁装置も、吸気弁側動弁装置と基
本的に同一の構成を有する。
吸気弁側動弁装置は、シリンダヘッドとヘッドカバー
との間に画成される作動室内に収納、配置されるもの
で、図中21iは一対の吸気弁20iの上端にそれぞれ組付け
られる鍔部を示し、各鍔部21iとシリンダヘッドとの間
には図示しない弁ばねがそれぞれ縮設され、これら弁ば
ねにより吸気弁20iは上方(図中紙面の表面方向)即ち
閉弁方向に付勢されている。
吸気弁側動弁装置は、機関のクランク軸から1/2の速
度比で回転駆動されるカムシャフトに設けられる高速用
カム及び低速用カムと(いずれも図示せず)、カムシャ
フトと平行にして固定配置されるロッカシャフト22i
と、ロッカシャフト22iに枢支される第1駆動ロッカア
ーム23i、第2駆動ロッカアーム24i及び自由ロッカアー
ム25iと、各ロッカアーム23i,24i,25i間にそれぞれ設け
られる連結切換機構26iとを備える。
第1及び第2駆動ロッカアーム23i,24iの各揺動端上
面にそれぞれ低速用カムが圧接し、自由ロッカアーム25
iの揺動端上面に上記低速用カムよりもカム面が大きく
突出形成された高速用カムが圧接する。
第2図において、連結切換機構26iは、第1駆動ロッ
カアーム23i及び自由ロッカアーム25i間を連結可能な第
1切換ピン27と、自由ロッカアーム25i及び第2駆動ロ
ッカアーム24i間を連結可能な第2切換ピン28と、第1
及び第2切換ピン27,28の移動を規制する規制ピン29
と、各ピン27〜29を連結解除側に付勢する戻しばね30と
を備える。
第1駆動ロッカアーム23iには、自由ロッカアーム25i
側に開放した有底の第1ガイド穴31がロッカシャフト22
iと平行に穿設されており、この第1ガイド穴31に第1
切換ピン27が摺動可能に嵌合され、第1切換ピン27の一
端と第1ガイド穴31の閉塞端との間に油圧室32が画成さ
れる。しかも第1駆動ロッカアーム23iには油圧室32に
連結する通路33が穿設され、ロッカシャフト22iには給
油路34iが設けられ、給油路34iは第1駆動ロッカアーム
23iの揺動状態に拘らず通路33を介して油圧室32に常時
連通する。
自由ロッカアーム25iには、第1ガイド穴31に対応す
るガイド孔35がロッカシャフト22iと平行にして両側面
間にわたって穿設されており、第1切換ピン27の他端に
一端が当接される第2切換ピン28がガイド孔35に摺動可
能に嵌合される。
第2駆動ロッカアーム24iには、前記ガイド孔35に対
応する有底の第2ガイド穴36が自由ロッカアーム25i側
に開放してロッカシャフト22iと平行に穿設されてお
り、第2切換ピン28の他端に当接する円盤状の規制ピン
29が第2ガイド穴36に摺動可能に嵌合される。しかも第
2ガイド穴36の閉塞端には案内筒37が嵌合されており、
この案内筒37内に摺動可能に嵌合する軸部38が規制ピン
39に同軸にかつ一体に突設される。また戻しばね30は案
内筒37及び規制ピン29間に嵌挿されており、この戻しば
ね30により各ピン27,28,29が油圧室32側に付勢される。
かかる連結切換機構26iでは、油圧室32の油圧が高く
なることにより、第1切換ピン27がガイド孔35に嵌合す
るとともに第2切換ピン28が第2ガイド穴36に嵌合し
て、各ロッカアーム23i,25i,24iが連結される。また油
圧室32の油圧が低くなると戻しばね30のばね力により第
1切換ピン27が第2切換ピン28との当接面を第1駆動ロ
ッカアーム23i及び自由ロッカアーム25i間に対応させる
位置まで戻り、第2切換ピン28が規制ピン29との当接面
を自由ロッカアーム25i及び第2駆動ロッカアーム24i間
に対応させる位置まで戻るので各ロッカアーム23i,25i,
24iの連結状態が解除される。
上記給油路34iは、オイルパンから油を上げるオイル
ポンプに接続されたオイルギャラリに接続されると共に
(いずれも図示せず)、オイルギャラリには油圧を高、
低に切換えて供給するための切換弁(図示せず)が接続
されており、かかる切換弁での油圧切換えが前記電磁弁
16の作動に基づいて行なわれる。
即ち、ECU5から電磁弁16に対して開弁指令信号が出力
されると、該電磁弁16が開弁作動し、切換弁が開弁作動
して給油路34iの油圧が上昇する。その結果、連結切換
機構26iが作動して各ロッカアーム23i,24i,25iが連結状
態となり、高速用カムによって、各ロッカアーム23i,24
i,25iが一体に作動し、一対の吸気弁20iが、開弁期間と
リフト量を比較的大きくした高速バルブタイミングで開
閉作動する。
一方、ECU5から電磁弁16に対して閉弁指令信号が出力
されると、電磁弁16、切換弁が閉弁作動し、給油油34i
の油圧が低下する。その結果、連結切換機構26iが上記
と逆に作動して、各ロッカアーム23i,24i,25iの連結状
態が解除され、低速用カムによって夫々対応するロッカ
アーム23i,24iが作動し、一対の吸気弁20iが、開弁期間
とリフト量を比較的小さくした低速バルブタイミングで
作動する。
第3図は第1図のECU5におけるトラクションコントロ
ール系、エンジンコントロール系の構成を示すシステム
図である。
第3図において、トラクションコントロール系51はエ
ンジン1により駆動される駆動輪のスリップを検出する
駆動輪スリップ検出手段を構成しており、駆動輪速度Vw
と車速Vvとの2つの速度の偏差ΔVを表わす信号をエン
ジンコントロール系52に出力する。エンジンコントロー
ル系52では、上記偏差信号に応じてフューエルカット気
筒の制御を行なう。
具体的には、偏差ΔVが大きければ大きい程フューエ
ルカットすべき気筒を順次増加させて行くように制御
し、かくして、異常に大きな駆動輪速度Vwが検知された
場合には、エンジン1は全気筒フューエルカットまでに
至る。このようにして、駆動輪スリップ検出出力に応じ
てエンジン出力を低減させ、エンジン1のトルクを下げ
て過剰スリップを防止する。
また、このようなエンジン出力の低減によるスリップ
制御は、かかるフューエルカット制御と併用して、もし
くはこれに代えて、例えば点火の制御(点火時期の制
御、点火の停止)を行なうようにしてもよい。
上記ΔVの偏差信号は、可変バルブタイミング制御部
53にも供給される。該制御部53は、第2図に示したよう
な構成の動弁装置の連結切換機構26iを作動させること
によってエンジン1の吸気弁及び排気弁の少なくとも一
方のバルブタイミング特性を変更するためのものであっ
て、エンジン回転数Neを所定値Ne0(第4図)と比較す
る。
可変バルブタイミングは、通常は、エンジン回転数Ne
が所定値Ne0より大きいか否かを比較判断した結果に基
づいて変更制御される。即ち、第4図に示すエンジン回
転数Ne−トルク特性の如く、エンジン回転数Neが所定値
Ne0よりも低い場合には低速バルブタイミング側のトル
ク特性Iとなるように、また所定値Ne0よりも高い場合
には高速バルブタイミング側のトルク特性IIとなるよう
に、バルブタイミングが切換えられる(第1バルブタイ
ミング制御)。
上述のようにして、エンジン1の出力トルクは、例え
ばエンジン回転数Neの上昇に従って、エンジン回転数Ne
が所定値Ne0までの範囲では上記特性Iの低回転数側の
特性IAをもって、また所定値Ne0を超えれば上記特性II
の高回転数側の特性IAをもって、推移する。
しかるに、上記可変バルブタイミング制御部53は、か
かる変更制御に加えて、前記駆動輪スリップ検出出力に
応じて、バルブタイミング特性を上記通常の変更制御時
よりも低いエンジン出力トルクとなるように制御する機
能をも併せ有している。
即ち、可変バルブタイミング制御部53は、トラクショ
ンコントロールを実行させるべき場合においてスリップ
状態が大きいときは、前述の変更制御とは異なり、選択
すべきバルブタイミングを逆転させる。
スリップ状態は、駆動輪速度Vw及び車速Vvから求めら
れるスリップ率λが所定スリップ率より大きいか否か
等、種々の態様によって判定できるが、例えばスリップ
率λの大きさでバルブタイミングを切換える場合は、下
表のような切換えパターンに従ってバルブタイミングの
切換えを制御する。
上記表に示す如く、低エンジン回転数領域及び高エン
ジン回転数領域のそれぞれでスリップ率λが小さい時
は、バルブタイミングは、それぞれ低速バルブタイミン
グ及び高速バルブタイミングが選択される。即ち、この
場合は、前記した変更制御を維持することになり、従っ
て、出力トルク特性はIA,IIAとなっている。
これに対し、スリップ率λが大きい場合には、低エン
ジン回転数から高エンジン回転するに亘るエンジン回転
数領域において、上記表下欄のように、双方とも逆に切
換える。即ち、低エンジン回転数領域では高速バルブタ
イミング側に、また高エンジン回転数領域では低速バル
ブタイミング側に、切換えられるようにする。これによ
り、トルク特性は、前者の領域では第4図に示す特性II
Bが選択され、後者の領域では特性IBが選択される。か
くして、高エンジン回転数領域でも低エンジン回転数領
域でも、低エンジントルク状態となる。
これは、以下のような理由に基づく。
既述したように、通常は、低エンジン回転数のときに
は、低速バルブタイミング側が選択されているが、スリ
ップ率λが大きくてスリップを起し易い路面では、ま
ず、エンジンは高い出力トルクは要求してはいない。可
変バルブタイミング機構搭載車両では、第4図に示した
ように、低エンジン回転数の領域では、高速バルブタイ
ミング側の特性IIBが、実際には、破線で延長して示す
ように、低速バルブタイミング側のトルク特性I(=I
A)よりも低トルク特性を示すので、従って、バルブタ
イミングを前述のような条件下で逆に高速バルブタイミ
ングに切換えるようにすれば、出力トルクを下げること
ができる。また、高エンジン回転数の領域でも、同様に
して、特性IBが選択されるように切換えれば出力トル
クを下げることができる。
しかも、路面がスリップするような非常にμが低い路
面状態では、上述のように出力トルクを下げた方が、例
えば順次気筒をフューエルカットするようにしてエンジ
ン出力を下げるコントロールを行なう場合でも、制御精
度の向上が図れる。第4図の特性IA,IIBのままのよう
にベースが高い状態のときは、コントロール時の制御ト
ルクスパンが大きくなるので、制御精度が粗くなるのに
対し、出力トルクを下げれば、その分より一層緻密なコ
ントロールが可能となる。
そこで、前述のように駆動輪スリップ検出出力に応じ
て、バルブタイミングに関する第2の変更制御ともいう
べき切換え制御、即ち第1表下欄のパターンに従う切換
え制御(第2バルブタイミング制御)を含むバルブタイ
ミングの切換えを行なうこととしている。
更に、かかるバルブタイミンクの切換えに同期し、低
速バルブタイミングと高速バルブタイミングの各々に対
して、トラクションコントロールの制御禁止領域を設定
するための下限エンジン回転数、上限エンジン回転数
(レブリミット)または車速を設定する。
下表は、その設定例を示す。
上記表に示すように、低エンジン回転数領域では、バ
ルブタイミングが低速バルブタイミングのときはトラク
ションコントロール下限エンジン回転数として所定回転
数NVT11が、また高速バルブタイミングのときは所定回
転数NVT12が設定されており、高エンジン回転数領域に
ついては、低速バルブタイミング及び高速バルブタイミ
ング選択時に応じてそれぞれトラクションコントロール
上限エンジン回転数として所定回転数NVT21及びNVT22
が設定されている。
ここに、所定回転数NVT11とNVT12とはNVT11<N
VT12なる関係に設定され、所定回転数NVT21とNVT22
はNVT21<NVT22なる関係に設定されており、上記第2
表のカッコ内の数値(rpm)はそれぞれの具体例であ
る。
スリップ率λの大小に応じたバルブタイミングの切換
え及びこれに同期したTCS制御禁止回転数の変更が前記
各表のように設定される結果、低エンジン回転数領域に
おいて、適切な駆動輪スリップ制御を行なうことができ
る。
即ち、低エンジン回転数領域でトラクションコントロ
ールを行なった際、下限エンジン回転数を設定すること
によってエンジンストール防止を行なうが、この場合、
切換えたバルブタイミングが低速バルブタイミングであ
れば、即ちスリップ率λが比較的小さく、従って第1表
に示したように低速バルブタイミングが選択されている
状態ならば、トルク特性は第4図の特性IAとなってお
り、ストールタフネスには余裕があることから、下限エ
ンジン回転数としては、高速バルブタイミング側の選択
時よりも低い所定回転数NVT11を設定することができ、
該設定によってトラクションコントロール域、即ちスリ
ップ制御領域を拡大して、該領域においてスリップを防
止することことができる。
更に、高速バルブタイミングが選択されている状態の
場合、即ちスリップ率λが大きい場合には、トルク特性
が第4図に示す低トルク状態の特性IIBとなるのに伴っ
て、低エンジン回転数領域における制御禁止回転数を上
記所定回転数NVT11よりも大なる値の所定回転数NVT12
まで上げることができるので、これによってエンジンス
トールタフネスを高めることができ、該領域での既述し
た制御精度の向上とストール防止とを図ることができ
る。
また、高エンジン回転数領域においては、前記第2図
の動弁装置での切換えられた高速用または低速用カムに
より、バルブジャンプ、バブンス及びベルト張力限界な
どが各々異なることから、更に燃焼特性(ノッキング、
排気温)の面から、各々選択されたバルブタイミングに
合わせたレブリットが必要となるので、第2表のよう
に、TCS上限エンジン回転数を選択バルブタイミングに
応じてNVT21またはNVT22に選択的に変更することとし
ている。
第5図は、上述のバルブタイミングの切換え及び低エ
ンジン回転数領域におけるトラクションコントロールの
作動の制御を行なう場合の構成の一例を示す機能図であ
る。
第5図において、スリップ率λ検出部501は、スリッ
プ率λが所定値より大きいときに高(H)レベル信号を
出力信号、該所定値以下のときには低(L)レベル信号
を出力するものとし、また、エンジン回転数信号及び比
較信号発生部502は、エンジン回転数Neが所定値Ne0に比
べて高いときに高(H)レベル信号を、また低いときに
は低(L)レベル信号を出力するよう構成されている。
これら検出部501及び信号発生部502の他、第5図にお
いては、第1乃至第4のANDゲート503〜506、第1及び
第2のORゲート507,508、第1及び第2のインバータ50
9,510、高速バルブタイミング選択部511、低速バルブタ
イミング選択部512、第1及び第2の下限エンジン回転
数設定部513,514、下限エンジン回転数変更用の切換え
スイッチ515、比較器516及びトラクションコントロール
作動部517を含んで構成されている。
上記スイッチ515は、図示の例では、高速バルブタイ
ミング選択511への入力信号のレベルの高、低に対応し
て切換え可能なスイッチであって、低レベル信号時(即
ち、高速バルブタイミング非選択時であり、従って低速
バルブタイミング選択時)には前記第1の下限エンジン
回転数設定部513側を選択し、高レベル信号の場合は前
記第2の下限エンジン回転数設定部514側を選択する。
まず、スリップが小さいかもしくはスリップが発生し
ていない場合において、低エンジン回転数のときは、検
出部501からの低レベル信号が第1のインバータ509を介
して第3のANDゲート505に加えられると共に、信号発生
部502からの低レベル信号が第2のインバータ510を介し
て上記第3のANDゲート505に加ええられ、該第3のAND
ゲート505の出力として得られる高レベル信号が第2のO
Rゲート508を介して選択部512に供給される結果、低速
バルブタイミング側が選択される。
また、このときには選択部511への信号は低レベル信
号であり、従って、TCS下限Neとしては、より低いN
VT11が選択されており、比較器516において、該NVT11
を表わす信号と実エンジン回転数Neを示す信号との比較
を行なうことができ、その比較結果がTCS作動部517の低
エンジン回転数領域での作動制御用入力端子に供給され
る。このようにして、低エンジン回転数領域での制御禁
止回転数を低く設定することができ、これによってトラ
クションコントロールの作動、非作動を決定することが
できる。
また、スリップが小さくても、高エンジン回転数の場
合は、信号発生部502から高レベル信号が出力されるの
で、第4のANDゲート506により選択部511へ高レベル信
号が加えられる結果、高速バルブタイミング側へ切換え
られる。
前述した第1バルブタイミング制御は、第5図では、
第1乃至第4のANDゲート503〜506のうちの前記第3及
び第4のANDゲート505及び506を用いて行なわれること
になる。
これに対し、第2バルブタイミング制御は、第1及び
第2のANDゲート503及び504を用いて行なわれる。
即ち、スリップが大きくて低エンジン回転数のとき
は、検出部501からの高レベル信号が第1のANDゲート50
3に供給されると共に、信号発生部502からの低レベル信
号が第2のインバータ510により反転されて該ANDゲート
503に供給される結果、高レベル信号が第1のORゲート5
07を介して選択部511に加えられるので、高速バルブタ
イミング側が選択される。しかも、この場合、該高速バ
ルブタイミング側への切換えにリンクして、スイッチ51
5によりTCS下限Neとして前記NVT11よりも高いNVT12
選択される。この結果、制御禁止回転数自体を高速バル
ブタイミング選択時には低エンジン回転数領域では高目
に設定することができ、ストールタフネスを上げること
ができる。
また、スリップが大きくて高エンジン回転数の場合に
は、第2のANDゲート504の両入力が高レベル信号となる
結果、低速バルブタイミング側へ切換えられる。
なお、第5図において、前記NVT21,NVT22にそれぞれ
対応する各上限エンジン回転数設定部、スイッチ及び比
較器を更に付加してリンクさせれば、上記と同様にし
て、高エンジン回転数領域での制御禁止回転数の変更を
バルブタイミングの切換えに同期して行なわせることが
できる。
(発明の効果) 本発明によれば、内燃エンジンの吸収弁及び排気弁の
少なくとも一方の弁揚程特性を変更する弁揚程特性変更
手段と、前記エンジンにより駆動される駆動輪のスリッ
プを検出する駆動輪スリップ検出手段と、該駆動輪スリ
ップ検出手段の出力に応じて前記エンジンの出力を低減
されるエンジン出力低減手段と、該エンジン出力低減手
段の作動領域を決定するパラメータの下限値を設定する
下限値設定手段とを備えた駆動輪スリップ制御装置にお
いて、前記駆動輪スリップ検出手段の出力に応答して前
記弁揚程特性を前記弁揚程特性変更手段により変更され
る弁揚程特性により得られるエンジン出力トルクよりも
低いエンジン出力トルクとなるように切り換える弁揚程
特性切換手段と、該弁揚程特性切換手段による切り換え
に同期して、前記下限値設定手段により設定される下限
値を前記弁揚程特性切換手段による切り換え後の弁揚程
特性に応じて変更する下限値変更手段とを備えるように
したものであることから、弁揚程特性の可変制御を組み
合わせることによってエンジンストールの防止及びスリ
ップ制御領域の拡大の双方を実現できる等の効果を奏す
る。
また、前記作動領域を決定するパラメータは、前記エ
ンジンのエンジン回転数又は車速に応じた値としたの
で、低エンジン回転数領域又は低車速領域におけるエン
ジンストールを防止するとともに、適切な駆動輪スリッ
プ制御装置を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の制御装置を適用した内燃エンジンの燃
料供給制御装置の全体構成図、第2図は可変バルブタイ
ミングのための連結切換機構を有する動弁装置の一例を
示す要部断面図、第3図はECUにおける本発明の説明に
供するシステム図、第4図はエンジン出力特性の切換え
の様子を示す図、第5図はバルブタイミングの切換え及
びトラクションコントロールの禁止回転数の変更のため
の具体例を示す機能図である。 1……内燃エンジン、5……電子コントロールユニット
(ECU)、13……車速センサ、14……駆動輪速度セン
サ、16……電磁弁、20i……吸気弁、26i……連結切換機
構、51……トラクションコントロール系、52……エンジ
ンコントロール系、53……可変バルブタイミング制御
部、501……スリップ率検出部、503〜506……ANDゲー
ト、511,512……バルブタイミング選択部、513,514……
下限エンジン回転数設定部、515……スイッチ、516……
比較器、517……トラクションコントロール作動部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−291737(JP,A) 特開 昭58−8436(JP,A) 実開 平2−20747(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃エンジンの吸気弁及び排気弁の少なく
    とも一方の弁揚程特性を変更する弁揚程特性変更手段
    と、前記エンジンにより駆動される駆動輪のスリップを
    検出する駆動輪スリップ検出手段と、該駆動輪スリップ
    検出手段の出力に応じて前記エンジンの出力を低減させ
    るエンジン出力低減手段と、該エンジン出力低減手段の
    作動領域を決定するパラメータの下限値を設定する下限
    値設定手段とを備えた駆動輪スリップ制御装置におい
    て、前記駆動輪スリップ検出手段の出力に応答して前記
    弁揚程特性を前記弁揚程特性変更手段により変更される
    弁揚程特性により得られるエンジン出力トルクよりも低
    いエンジン出力トルクとなるように切り換える弁揚程特
    性切換手段と、該弁揚程特性切換手段による切り換えに
    同期して、前記下限値設定手段により設定される下限値
    を前記弁揚程特性切換手段による切り換え後の弁揚程特
    性に応じて変更する下限値変更手段とを備えたことを特
    徴とする駆動輪スリップ制御装置。
  2. 【請求項2】前記作動領域を決定するパラメータは、前
    記エンジンのエンジン回転数又は車速に応じた値である
    ことを特徴とする請求項1に記載の駆動輪スリップ制御
    装置。
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