JP3938948B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技域に画像表示装置を備え、この画像表示装置に出力される画像に応じて、入賞確率が変動されるパチンコ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりパチンコ機においては、その遊技域に、液晶ディスプレイ等の画像表示装置、その画像表示装置用の始動入賞口、及び大入賞口(通常閉じている)を備えたものがある。このタイプの機種において始動入賞口に遊技玉が入る(入賞する)と、パチンコ機内部に格納されたコンピュータが、画像表示装置に画像を出力する処理を開始し、例えばスロットマシンのドラムが回転する様子を示す擬似的な画像(以下、単にスロットという)が表示される。そしてこのスロットの図柄が特定の組み合わせ(例えば”7,7,7”)になると、大入賞口が開口する。この大入賞口はその名の通り、他の入賞口よりも大きくされているため、大入賞口の開放によってパチンコ機全体の入賞確率は飛躍的に高まり、遊技者にとって有利な状態(いわゆる大当り状態。以下、単に大当りともいう)が創出されることとなる。
【0003】
大入賞口は、大入賞口に所定数(例えば10個)入賞した場合や、所定時間(例えば25秒)経過した場合等に閉じられるようにされている。但し、大入賞口の中に設けられた特定領域といわれる箇所を通過すると、閉じられた大入賞口が再び開放し、大当り状態が継続される。大入賞口におけるこの開閉動作は、1回の大当り状態について所定回数(例えば16回)行なわれるように設定されている。遊技玉は1分間あたり100発程度、遊技域に打ちこまれるので、大当り状態は数分間に渡って継続される可能性がある。
【0004】
なお始動入賞は、遊技者が遊技意欲を低下させないために、ある程度の確率で必ず起こるようにされている。そして、大当り状態においても、必ず何回か始動入賞が起こるように設定されている。この設定によれば、始動入賞が発生したにも拘らず、その発生時点が大当り状態であったり既にスロットが稼働中であったりしたために、スロットを始動できず、始動入賞が無駄になってしまうことが懸念される。これを防ぐために、始動入賞回数を記憶しておき(例えば4回まで)、大当り状態が終了しても、始動入賞回数があったと記憶されている場合には、再びスロットが回転するようにされている。
【0005】
このように始動入賞を記憶しておくと、始動入賞を無駄にすることがなくなり、遊技者を満足させることができる。そして副次的な効果として、遊技者の遊技意欲を一層高めることができる。つまり遊技者は、前記のようなタイプの機種においては、何回かスロットが駆動されるのを経て連続して大当りになるという事態(いわゆる連チャン)に対する期待を抱くようになる。即ち、始動入賞の記憶があると、スロットの表示を挟んで連続して大当りになる、という事態が起こりうる。これは、遊技者にとって非常に有利な状態が連続することになるので、大きな期待を抱く訳である。
【0006】
ところで、大当り状態になると通常、大量の遊技玉がパチンコ機から排出されるので、大当り状態の終了時には遊技者は一旦遊技を中断し、景品交換に行くことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術によれば、次のような理由により、パチンコ機の稼働率が低下してしまう。即ち、大当り状態が終了すると、大当り中等に発生した始動入賞の記憶回数と同数、スロットが作動することになる。もし、スロットの図柄が再びそろって大当りになると、即刻遊技を再開しなければ、むざむざチャンスを逃すことになってしまう。従って、遊技者は大当り状態が終了しても、始動入賞の記憶回数と同数、スロットが作動するのを待ち、結果がすべてハズレであることを確認した上で景品交換に行くことになる。この、記憶された回数分だけスロットが回転する時間が、無駄な時間になる。この無駄な時間によって一人あたりの遊技時間が徒に伸び、パチンコ機の稼働率が低下するのである。
【0008】
単に遊技時間を短縮するならば、スロット等の表示を廃止し、始動入賞すると速やかに、「大当り」「残念!」等と表示するようにすれば良いが、これでは慌ただし過ぎ、また味気ないので、かえって遊技意欲を損ねてしまう。
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、始動入賞を記憶しながらも稼働率が低下しないパチンコ機を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた本発明の請求項1に記載のパチンコ機は、
画像を表示する表示手段と、
大入賞口が開口した大当り状態、及び大入賞口が閉じた通常状態、に変動させる大当り制御手段と、
始動入賞口に遊技玉が入ると、乱数を発生させる乱数発生手段と、
該乱数を所定個数保持する記憶手段と、
前記表示手段に複数の図柄を夫々変更して表示させた後、前記各図柄の変更を停止させ、しかも、前記記憶手段から参照された前記乱数が予め設定された大当り値であったときにのみ、前記複数の図柄を予め定められた大当り態様の組み合わせにて停止させ、一方、前記記憶手段から参照された前記乱数が、前記大当り値とは異なる値として予め設定されたリーチ値であったときにのみ、1つの図柄だけが前記大当り態様の組み合わせとは異なるように停止させる動画を出力する動画出力手段とを備え、
前記参照された乱数と予め設定された大当り値とが等しい場合に、前記大当り制御手段を介して通常状態から大当り状態に移行させ、大当り状態において、所定の遊技条件が成立すると、前記大当り制御手段を介して大当り状態から通常状態に移行させるパチンコ機において、
大当り状態において、前記所定の遊技条件が成立すると前記記憶手段を参照し、保持されている乱数の中に前記大当り値又は前記リーチ値に等しいものが存在する場合には、該存在があるときに表示される画像である存在画像を表示手段に出力する存在画像出力手段を更に備え、
前記存在画像は、前記記憶手段に保持されている乱数の中に、前記大当り値のみが存在する場合、前記リーチ値のみが存在する場合、及び、前記大当り値と前記リーチ値の両方が存在する場合のいずれにおいても同一であることを特徴とする。
【0011】
また更に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパチンコ機において、
前記大当り状態の間、物語を映像化した動画を前記表示手段に出力する大当り画像出力手段、
を更に設け、前記存在画像出力手段が、
前記記憶手段に保持された乱数の値に基づいて行なう前記存在画像を出力するか否かの判定において、出力すると判定した場合には、前記存在画像として、前記大当り画像出力手段によって出力される動画の最後の部分を、該動画の初めの部分に継続させる動画を前記表示手段に出力し、一方、該存在画像を出力しないと判定した場合には、該存在画像を出力する代わりに、前記大当り画像出力手段によって出力される動画の後に、前記物語を完結させる動画を、前記表示手段に出力することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載のパチンコ機においては、始動入賞口に入賞する都度、乱数発生手段が乱数を発生させて、この乱数の値によって、通常状態から大当り状態に移行させるか否かが決まる。この判定結果に応じて、動画出力手段が、表示手段に動画を表示させる。この動画は、大当り状態に移行させる場合と通常状態が継続する場合とでは結末部分が異なるようにされている。これにより遊技者は、当該パチンコ機が大当り状態になるか否かを知ることができる。
【0013】
なお、当該パチンコ機が大当り状態にあるときや、動画が出力されているときに始動入賞した場合にも、この乱数は発生される。こうして発生された乱数は、記憶手段に順次記憶されて行く。そして、大当り状態及び通常状態は、大当り制御手段によって創出される。
【0014】
また、大当り状態において、この大当り状態を終了させて通常状態に移行する遊技条件が整うと、記憶手段に保持された乱数の中に、前記大当り値又は前記リーチ値に等しいものが存在するか否かを判定し、存在する場合には存在画像を表示手段に出力する。こうすることにより、遊技者は、この大当り状態の終了後に再び大当り状態に移行することが判る。
【0015】
つまり請求項1に記載のパチンコ機によれば、大当り状態において始動入賞が更に発生し、大当り状態の終了後、何回か(始動入賞の発生回数による)動画が表示手段に出力された後に、再び大当り状態又はリーチに移行する場合には、これを、存在画像によって大当り終了時に遊技者に対して知らせることができる。換言すると、もし存在画像が出力されなければ、発生した何回かの始動入賞によって、当該パチンコ機が大当り状態にはならないことが速やかに判る。従い、存在画像が表示された場合には、連続して大当り状態になることが期待できて、遊技意欲を増大させることができる。一方、存在画像が表示されなかった場合には、大当り状態にならないことが速やかに判り、大当り状態の後に動画が表示される時間を、遊技以外のことをする時間(例えば、タバコを買いにいったり、排出された遊技玉を景品に交換にいったりする時間)に転用することができ、遊技時間は適切に短くなり、当該パチンコ機の稼働率を上げることができる。
【0016】
なお、本発明の記載に用いられている用語は、第1種と呼ばれる機種を彷彿とさせる記載となっているが、これは本発明の適用対象を第1種に限定するものではない。例えば、第3種と呼ばれる機種に適用する場合には、始動入賞口を第3種のパチンコ機が備える図柄作動ゲートと読み替え、大当り状態を第3種のパチンコ機の特別遊技状態と読み替え、以下同様の対応を取ることにより適用することができる。
【0017】
また、乱数の発生方法としては例えば、0〜616の数字を、遊技玉の発射サイクルよりも十分小さな時間にて周期的に変動させ、これを始動入賞時に参照する等の方法が考えられる。そして、大当り状態に移行するか否かの判定は、大当り値として予め例えば7,41,71という値が設定されているときには、記憶された乱数値がこの3つの内の値の内のどれかに等しいかどうかを検証すればよい。
【0018】
また、請求項1に記載のパチンコ機においては、始動入賞口に入賞したときには、複数の図柄(例えば、数字や英字)を夫々所定時間だけ変更して表示させた後、各図柄の変更を時間差をおいて停止させる、という動画が表示される。この種の動画として従来よりあるものの代表としては、スロットマシンのドラム回転を擬似再現するものがある。
【0019】
そして、乱数が大当り値であったときにのみ、複数の図柄を予め定められた大当り態様の組み合わせ(例えば、”7,7,7”や”A,A,A”)にて停止させる動画を出力する。一方、乱数が、リーチ値であったときには、最後に停止される図柄だけが前記大当り態様の組み合わせとは異なる(例えば、表示が左→右→中の順序にて停止されるならば”7,1,7”や”A,F,A”等)ように停止させる。リーチ値とは、大当り値とは異なる値として予め設定された値で、例えば、大当り値が7、41、71と設定されていれば、リーチ値は579〜616の値といったように予め設定されている。
【0020】
そして、請求項1に記載のパチンコ機では、リーチ値に等しいものが存在する場合にも、表示手段に存在画像を出力する。よって、存在画像が出力された場合には、(1)大当り値のみがある。(2)リーチ値のみがある。(3)大当り値とリーチ値の双方がある。というケースに大別される。
【0021】
▲1▼の場合にのみ、大当り終了時に存在画像が表示されると、例えば1〜4回、動画が表示された後に大当り状態になるという喜びが、早い時点で得られるものの、実際に大当り状態になるより前に確信が得られるというのは、やや面白味に欠けるものとなる。また、存在画像が出た後の興味は、記憶手段に保持された幾つかの乱数の内、大当り値になっているものの個数に集中される。これはこれで遊技意欲をそそるものではあるが、保持された乱数が一つしかない場合は、この興味も喪失し、動画出力手段が動画を出力する意義もなくなる。
【0022】
この点、請求項1に記載のパチンコ機によれば、存在画像が表示された場合には前記の(1)〜(3)の3つのケースがあり、遊技者の興味を多岐に渡ったものとし、遊技意欲を増大させる。即ち、
1.連チャンになるか?
2.何回大当り状態になるか?
3.全てハズレ(リーチハズレ)かもしれないといった興味がでる。また、動画出力手段による1回目の動画が出力され、それがリーチハズレであった場合にも、
4.大当りもある筈
5.このリーチハズレで終わりかもしれないといった期待・心配が残る。なお、1回目の動画が大当りであった場合は、前記1.と2.の興味が持続し、ハズレであった場合は前記1.〜3.の興味が続くことになる。また、記憶手段に乱数が1つしか保持されていない場合においても、動画を最後まで見ないと、連チャンになるかリーチハズレに終るかが判らず、興味をそそる時間が伸びる。従い、遊技者の遊技意欲を増大させることができる。
【0023】
なお、「稼働率が落ちる」と述べたが、これはリーチ値の数を減らすことにより調整できる。前記の例では、0〜616の計617個の乱数の内、大当り値は7,41,71の計3個、リーチ値は579〜616の計38個であるから、結局、ハズレとなるにも拘らず、遊技者をパチンコ機の前に留まらせる確率は、38/(617−3)=約0.062(記憶手段に乱数が1個のみ保持されている場合)である。これよりも稼働率を上げるにはリーチ値の数を38個よりも少なくすれば良い。
【0024】
また動画出力手段により出力される動画は、スロットに限らない。例えば、数字が印刷された帯が上から下へと流れて行く様子を表示しても良いし、トランプのカードがシャッフルされて1枚ずつ場に出されて行く様子を表示しても良い。また表示手段として7セグメント表示手段を3台並列させて、各表示手段にて数字を0→1→2→……→9→0と繰り返し変動させてもよい。
【0025】
更にまた、保持された乱数の中に何個大当り値があるかを識別可能にしても良い。何れにしても、遊技者に、速やかに保留乱数の内容を告げることが出来るので、前記の様々な興味を半減させることにはなるものの、より楽しく遊技でき、且つ稼働率も確保することができる。
【0026】
請求項2に記載のパチンコ機においては、大当り画像出力手段が、大当り状態の間、物語を映像化した動画を前記表示手段に出力する。
そして、この動画の最後の部分を動画の初めの部分に継続させる映像を、存在画像として表示手段に出力する。また、存在画像を出力しないという判定がされた場合には、前記物語を完結させる動画を、表示手段に出力する。
【0027】
つまり、大当り状態に入ると、表示手段には、動画出力手段によって出力される動画(例えばスロット)に続いて、物語を示す映像が出力される。そして、大当り状態を終らせる遊技条件が成立すると、記憶手段に保持された乱数値を参照し、全てハズレ(リーチハズレを含まず)である場合には、物語を完結させる動画を表示する。一方、乱数値の中に大当り値(リーチ値も含む)が存在する場合には、物語を再びその冒頭部分につなげる展開を示す存在画像が表示され、物語が継続的に展開される。
【0028】
大当り状態になった場合、その幸運を演出するために表示手段に、例えばアニメーション化した物語を出力すると、楽しく遊技をすることができるが、連チャンになった場合、遊技者は、同じアニメーションを2回も見せられることになる。特に、そのアニメーションが物語を完結させるものである場合には、完結後、間もなく同じ物語が再び展開されることになり、遊技者を楽しませるどころか、辟易させることにも成りかねない。
【0029】
これに対し、請求項2に記載のパチンコ機によれば、連チャンになっても表示手段に出力される物語は、大当り値(またはリーチ値)が記憶手段に保持されていれば、継続的に展開されるので、連チャンになった喜びを損なうことがない。
なお、ここでいう「物語」とは、台本や小説に沿って展開するドラマのようなものに限定するものではなく、始まりと終わりとが存在しその間をつなげる展開があるもの全般を指す。例えば、競馬や野球といったスポーツシーンや、ビデオゲームも含むものとする。
【0030】
【実施例】
以下に本発明の一実施例について図面と共に説明する。
まず、図1は本発明の一実施例であるパチンコ機2の前面を表す構成図である。図1に示すように、パチンコ機2では、遊技盤面に設けられた遊技域4の中央上部には、様々な画像を表示する、表示手段としての液晶表示装置(以下、表示装置という)6が配設されており、その下方には遊技玉を受け入れ易い開き状態に変化可能な、確率変動手段としての変動入賞装置8が配設されている。
【0031】
表示装置6は、表示装置6と変動入賞装置8との間に設けられた始動入賞口10a及び変動入賞装置8自身の左右に設けられた始動入賞口10b,10cの何れかに遊技玉が入賞すると、図2に示すように、横方向に並設された数字及びアルファベットからなる3つの図柄Z1,Z2,Z3を夫々所定時間だけ変更して表示し、所定時間経過後に各図柄Z1〜Z3をZ1,Z3,Z2の順で停止して表示するいわゆるスロットと呼ばれる表示を行なう。なお、図2において破線Gにて仕切られた下方には、メッセージを表示するための領域Hが設けられている。そして、スロットの結果に応じ、「大当たり」等のメッセージが表示される。なお、後述するが、変動入賞装置8が、遊技玉を受け入れ易い開き状態に変化された状態(大当り状態)になると、この図柄及びメッセージは消去され、表示装置6の画面全体に全く異なる画像が表示される。
【0032】
図1に戻り、表示装置6の下部には、図柄の変更表示中に、更に始動入賞口10a〜10cへ発射玉が入賞すると、その入賞回数に応じた数(最大4個)だけ点灯する4個のLEDからなる始動記憶表示器12が設けられており、当該パチンコ機2においては、表示装置6の変更表示制御が一旦終了したときに(表示する図柄の変化が停止したときに)、始動記憶表示器12を形成するLEDが点灯していれば、その点灯が1つ消されて、表示装置6での図柄の変更表示が再度なされるようになっている。
【0033】
なお、図1において、14は表示装置6の上部に設けられた天入賞口(一般入賞口)、16a,16b及び18a,18bは、夫々、表示装置6及び変動入賞装置8の左右に設けられた袖入賞口(一般入賞口)、20a〜20fは発射玉の転動誘導部材としての風車、22は遊技域4へ発射するパチンコ玉を貯留すると共に入賞に応じた景品玉が排出される上部受け皿、24は入賞状態に応じた発音がなされるスピーカである。また、26はパチンコ玉を発射するために回動操作される発射ハンドルであり、図示しない発射装置によって1分間に100個の割合でパチンコ玉が発射されるように設定されている。
【0034】
一方、変動入賞装置8は、パチンコ機2の遊技盤面に取り付けられたものであり、前面の中央上部に、ソレノイド(図示せず)によって開閉される開閉板28が設けられている。そして、表示装置6に停止して表示された3つの図柄Z1〜Z3の組み合わせが特定の大当り態様の組み合わせ(例えば、”7,7,7”)の時に、図1に示すように開閉板28が前方に開かれ、これによって特別入賞口としての大入賞口30が形成されて、当該パチンコ機2が通常状態よりも入賞確率の高い大当り状態となる。そして開閉板28は、表示装置6に表示される図柄が揃ってから所定時間経過するか、或いは大入賞口30に発射玉が10個入賞したと検出されるかのどちらかが成立すると閉じるようにされている。
【0035】
また、大入賞口30はその内部が3つに仕切られており、その中央部は大当り状態を継続させるための特定領域32となっている。特定領域32を遊技玉が通過した場合には、開閉板28を閉じた後に再び開閉板28を解放して大当り状態が継続するようになっている。なお、このパチンコ機2において、大当り状態の間に開閉板28が開閉する最大回数は16回に設定されている。
【0036】
次に、パチンコ機2の遊技盤裏面に設けられた制御装置34について、図3を用いて説明する。制御装置34は、始動入賞口10aに入賞した発射玉を検出する始動入賞スイッチ36a,始動入賞口10bに入賞した発射玉を検出する始動入賞スイッチ36b,始動入賞口10cに入賞した発射玉を検出する始動入賞スイッチ36c,大入賞口30に入賞した発射玉を検出する大入賞口用カウントスイッチ38,大入賞口30の特定領域32を通過した発射玉を検出する継続入賞スイッチ40,及び発射ハンドル26が回動操作されてパチンコ玉が発射されているときにオンする発射ハンドルスイッチ42からの各検出信号を入力する入力回路44と、入力回路44を介して取得した前記各検出信号に基づいて表示装置6や変動入賞装置8等を制御するための制御プログラムを実行するCPU46と、CPU46が実行する制御プログラムを格納するROM48と、CPU46が処理するデータを一時記憶すると共に電源が切られた場合でも記憶内容を保持可能なバックアップ機能を有するRAM50と、CPU46が表示装置6に表示させる画像の画像データを格納する画像ROM52と、CPU46からの指令に基づいて、表示装置6,始動記憶表示器12,変動入賞装置8の開閉板28を開閉させるためのソレノイド54,及びパチンコ機2の遊技域4に設けられたランプからなる電飾装置56へ、夫々駆動信号を出力すると共に、図示しないホール管理コンピュータに接続された外部情報端子58へ当該パチンコ機2が大当り状態であることや大当り状態の継続回数等を表す情報信号を出力する出力回路60と、アンプ62を介してスピーカ24から発音させるサウンドジェネレータ64と、前記各部を接続するバス66と、を備えている。
【0037】
なお、パチンコ機2の遊技盤裏面には、各入賞口に入賞した発射玉を回収するための回収路(図示せず)が設けられており、始動入賞スイッチ36aと大入賞口用カウントスイッチ38は、夫々、始動入賞口10aの下部と変動入賞装置8の下部とに夫々配置された回収路に取り付けられている。そして、始動入賞スイッチ36b,36cは、変動入賞装置8の内部において始動入賞口10b,10cの周囲に夫々設けられており、継続入賞スイッチ40は、変動入賞装置8の内部において大入賞口30の下部に設けられている。
【0038】
また、画像ROM52には、表示装置6に図柄Z1〜Z3を表示させるための画像データと、表示装置6に様々な画像を表示させるための画像データとが格納されている。
このように構成された制御装置34において、CPU46は、後述する遊技処理を実行することにより、当該パチンコ機2の全体制御を行い、更に後述する画像表示制御処理を実行することにより、遊技の進行に応じた様々な画像を表示装置6に表示させる。
【0039】
そこで以下、CPU46が実行する遊技処理について説明する。
まず、図4は、遊技処理を表すフローチャートである。この遊技処理は、1.365ms毎に発生されるタイマー割り込みにて定期的に実行される。実行が開始されると、まずステップ(以下、単にSと記す)110にて、本処理に必要なワークエリアや諸変数の初期設定が終了しているかをチェックし、されていなければS120に進んで初期設定を行ない、続いてS130に進み、再びタイマー割りこみが掛かるまで待機する。つまり、最初のタイマー割り込みによって一度だけS120は実行される。そして2回目以降の割り込みでは、S110からS140に進み、LEDデータを始動記憶表示器12に出力する。LEDデータとは、始動記憶表示器12を所定個数点灯させるためのデータである。当然のことながら、S120による初期設定直後には、遊技も開始されていないので、始動入賞回数はゼロであり、始動記憶表示器12は消灯されたままである。
【0040】
続くS150では、本処理の行なう2つのジョブの内のどちらを行なうかを判定する。2つのジョブとは、S220〜S250からなるジョブ1と、S160〜S190からなるジョブ2であり、1.365msのタイマー割り込みが行なわれる度に交互に各ジョブを行なう。つまり、各ジョブは1.365ms×2=2.730msの周期にて行なわれる。ここでは、ジョブ2から行なうものとして説明して行く。
【0041】
S160に進むと、まず、画像を決定するのに用いられる確率カウンタの値を更新する。確率カウンタの値は、S120の初期設定にて0に設定されており、以降、S160の処理にて1ずつ増加されて行く。但し、増加して値が617に達すると0に戻される。つまり、確率カウンタは、ジョブ2が一回行なわれる毎に0→1→2→……→616→0→……と変化されることになる。この値をジョブ1等から任意のタイミングで参照すると、0〜616のランダムな値を読み取ることができる。つまり、S160の処理は乱数発生手段に相当する。
【0042】
続くS170では、表示装置6に出力する画像Z1〜Z3を変動させるする画像変動コントロールを行なう。そしてS180,S190にて夫々ランプ及びサウンドジェネレータに対して信号を発して、後述する遊技状態に応じて様々な光及び音を発生させる。こうしてジョブ2が終了するとS200に進みLEDデータを作製する。そしてS210ではS170にて行なわれた画像変動コントロールや後述する画像表示制御処理の結果に従って画像ROM52内のデータを表示装置6に対して出力し、所定の動画を表示させる。こうして表示装置6に動画を表示するとS130にて再び当該遊技処理が起動されるのを待つ。
【0043】
次に遊技処理が起動されたときには、S110→S140→S150の順にて進み、以下、S220〜S250からなるジョブ1の処理を行なう。まずS220では、SWデータを読み込む。ここでSWデータとは、入力回路44に入力され、ラッチされている、始動入賞スイッチ36a〜36c、大入賞口用カウントスイッチ38,継続入賞スイッチ40等がONされたことを示すデータである。
【0044】
続くS230ではSWデータを元に、始動入賞スイッチ36a〜36cがONされたか否か、つまり始動入賞が発生したかどうかを判定し、していればその時点での確率カウンタの値をRAM50に格納(S240)し、S250の画像表示制御処理を行なう。一方、始動入賞が発生していなければ、S240を経ることなく、S250に進む。ここで、RAM50に格納された確率カウンタの様子を図5に示す。
【0045】
図5は、確率カウンタがRAM50に格納されている様子を模式的に示したものである。図5(a)は、S230にて始動入賞が発生したと判定され、S240にてその時点の確率カウンタの値”4”が格納された様子を示している。”7”,”171”,”597”は、以前に始動入賞が発生した時点にて格納された確率カウンタの値である。”4”の下の領域は空き領域であり、計5個まで確率カウンタの値を保持できる。後述するが、確率カウンタの値が格納されておらず、全て空き領域になっているときに始動入賞が発生すると、確率カウンタの値は図の二重線の一つ下の領域に一旦格納されるが、この値は直に図柄Z1〜Z3発生させる際に矢印A方向にシフトされて、使用される。つまり、図示した一番上の値”7”は既に図柄決定用に使用されているので、図5(a)にて実質的に保持されている値としては2重線よりも下の領域の3個となる。この確率カウンタを保持するRAM50の領域が、本発明の記憶手段に相当する。なお、図5(b)については後述する。
【0046】
図4に戻り、S250の画像表示制御処理では、SWデータ等に基づいてパチンコ機2の遊技状態を変移させ、表示装置6に表示させる画像を変更する処理を行なう。画像表示制御処理は、遊技状態に応じて、様々に処理内容が変化し、ジョブ1が1回行なわれると完結する内容の処理もあれば、ジョブ1が複数回処理されることにより段階的に実行されて行く内容の処理もある。S250が終了すると、S200に進み、以下、S210,S130と、ジョブ2が終了した後と共通の処理を行なう。
【0047】
この遊技処理が繰り返されることにより、行なわれる全処理のおおよその流れは、初期設定→ジョブ2→ジョブ1→ジョブ2→ジョブ1→…となる。そしてジョブ2にて確率カウンタを更新させるとともに、光、音を発生させ、ジョブ1では入賞をチェックし、それに基づいてパチンコ機2の遊技状態を変移させて、大当り、特定領域入賞等に対応した処理を行ない、遊技全体の大きな流れを制御する。
【0048】
前記のようにジョブ1の画像表示制御処理は、タイマ割り込みの周期にて分割され、段階的に処理を行ない、しかもジョブ1と次のジョブ1との間にはジョブ2や表示装置6へのデータ転送等が行なわれるため、全体の処理の流れが表現しにくい。そこで、ジョブ1が一旦終了されてから再びジョブ1が開始されるまでの処理の記載を適宜省略し、複数回、ジョブ1が行なわれることにより、画像表示制御処理にて行なわれていく処理について説明する。この処理を図6に示す。
【0049】
図6は画像表示制御処理にて行なわれていく処理のフローチャートである。本処理では、まずS310にて、始動入賞記憶があるかどうかを判定する。始動入賞記憶とは、確率カウンタがRAM50に格納されたものであり、図5に示した領域が全て空き領域になっているときには始動入賞記憶がないと判定する。ないときには再びS310に戻り、始動入賞が発生するのを待つ。なお、これを図4で言うと、S250の画像表示制御処理を、何もせずに終了し、S200に行くことに相当する。始動入賞記憶があれば、S320にて始動入賞記憶をシフトする。これは図5(a)の矢印A方向に格納内容をずらすことであり、”171”が二重線の上に移動される。
【0050】
続いてS330にてスロットを駆動する。なお、この処理には括弧がつけられているが、これはS330の処理が、画像表示制御処理で行なわれるのではなく、ジョブ2や、S200、S210等の他の部分にて行なわれることを意味している。そしてスロットの駆動は、画像ROM52に予め格納された図柄Z1〜Z3に関するデータを図2において上から下に流れるように表示させ、S320のシフトによって始動入賞記憶の最上段(図5参照)に来た値に基づいて図柄Z1〜Z3を止める。ここでは、値が7,41,71の内のどれかであれば、図柄が”0,0,0”や”E,E,E”のように3つともそろって止まるようにされている。なお、これが当該パチンコ機2を大当り状態に移行させる組み合わせである。また、値が579〜616であれば、”0,2,0”や”E,5,E”のように、Z1とZ3は同じで、Z2のみが異なる組み合わせにて止まり、それ以外の値であるときには前記以外の図柄の組み合わせにて止まるようにされている。なお、以下、579〜616をリーチ値という。そしてこのS330の処理が動画出力手段に相当する。
【0051】
S340では、図柄が大当りに移行する組み合わせ(以下、単に大当たりともいう)か否かを判定し、異なる組み合わせであると判定されたときには、S310に戻る。大当りに移行する組み合わせであれば、S350に進んで大当り処理を行なう。これについて図7を用いて説明する。
【0052】
図7は大当り処理を示すフローチャートである。当該処理が起動されると、まずS410にてソレノイド54を駆動し、開閉板28を開放する。続くS420にて、表示装置6に動画を出力する。この動画は、始動入賞と共に表示されたスロット及びメッセージ表示の画像に代わり、大当り状態の間中、表示装置6に出力されるもので、パチンコ機2では、宝探しの物語を文章にしてスクロール表示する。つまり、S420は大当り画像出力手段に相当する。ここでS420にはS330と同様、括弧が付されているが、この意味はS330と同じである。即ち、この動画を表示装置6に出力するのは、大当り処理でも、大当り処理のメインルーチンである画像表示制御処理でもない。実際に出力を行なうのは、遊技処理のS210である。
【0053】
動画出力が終了すると、S430に進み、開閉板28の開放を中断するかどうかを判定する。この判定基準は、前記したようにパチンコ機2では2つあり、その一つは開閉板28が開かれてから所定時間(ここでは25秒)経過したこと、もう一つは大入賞口30に遊技玉が10個入賞したことである。この少なくとも一方が成立した際に、S440に進み、開閉板28を閉じる。どちらも成立しない場合には、S420に戻って、しかるべき動画を表示装置6に出力する。
【0054】
S440にて開閉板28を閉じると、続くS450及びS460にて、大当り状態を終了させるか否かの判定を行なう。まずS450ではSWデータに基づき、特定領域32を遊技玉が通過したかどうかを判定し、通過していなければ当該大当り処理を終了させ、大当り状態を終了させる。パチンコ機2では、開閉板28の開放中に特定領域32を遊技玉が通過していれば、S440にて一旦閉じられた開閉板28を、再び開くことになっている。
【0055】
但し、前記したように1回の大当りで開閉板28が開かれるのは、16回までとされているので、特定領域32を通ったことにより開閉板28を再び開くのは初回を除いて15回までである。そこでS460にてこの大当り処理が起動されてから、開閉板28が16回開いたかどうかを判定する。まだ16回に達していなければS410に戻って大入賞口30を再び形成し、16回開いたならば、当該大当り処理を終了させる。このように、ひと口に大当り状態といっても、特定領域32の通過、開閉板28の開口等、様々な状況が展開され、また、時間的には、最長、25秒×16回=400秒に達することもある(開閉板28の開閉時間を除く)。そこで、この大当り状態を演出するために、S420にて、様々な動画を表示装置6に出力する。この動画を図8に示す。
【0056】
図8は、S420によって表示装置6に出力される画像を示したものである。大当り状態になるとまず、最初にS420の処理を行なう時点で、その直前まで表示されていたスロットの大当り態様の図柄及びメッセージが消去されて、図8(a)に示すような文字が表示される。そして再度S420の処理が行なわれる都度、徐々にこの文字画面が上方にスクロールされて、(b)〜(f)に示されるような文章が表示される。つまり、ここでは動画として、宝探しの物語が表示される。なお、大当り状態の間、表示されるこの物語は、宝島のあちこちを掘っても宝が出ず、完結しない状態で繰り返される。
【0057】
つまり、大当り処理では、パチンコ機2を大当り状態にし、また大当り状態においては表示装置6に図8に示す動画を出力し、SWデータに基づいて大当り状態を終らせて通常状態に戻す処理を行なう。
図6に戻り、大当り処理が終了(即ち大当り状態が終了)すると、S360に移行し、通常状態移行後に駆動されるスロット表示にて大当りあるいはリーチハズレになるかを表示する存在画像表示処理を行なう。これについて図9を用いて説明する。
図9は、存在画像表示処理のフローチャートである。当該処理が起動されると、まずS510にて始動入賞記憶があるか否かを判定する。同じ処理はS310でも行なったが、S320にて行なったシフトにより記憶分が全てなくなっている場合もあるので、再び判定する。始動入賞記憶があれば、S520に進み、始動入賞記憶の中に大当り値またはリーチ値があるかどうかを判定する。つまり、RAM50に格納された確率カウンタの値の中に、7,41,71,579〜616に等しいものがあるかどうかを判定し、なければS530に進み完結画像を出力する。なお、S510にて始動入賞記憶がないと判定されたときにもS530に進む。S530にて表示装置6に出力される完結画像を、図10(a)に示す。
【0058】
図10(a)に示す完結画像は、図8に示した動画と同様、文字にて表示されている。S420にて出力された動画は、島のあちこちを掘っても宝が出てこないというものであったが、完結画像はついにその宝が発見され、「おめでとう!!」というメッセージが表示されたものとなっている。即ち、S420にて出力された物語を完結させるものである。
【0059】
また、S520の判定にて大当り値またはリーチ値が発見された場合には、S540に進んで、存在画像を表示装置6に出力する。この存在画像を図10(b)に示す。
図10(b)に示す存在画像は、図8に示した動画や図10(a)に示した完結画像と同様、文章にて表示されている。完結画像はついにその宝が発見されるものであったが、存在画像は、「宝島の地図はニセモノだった!……」というメッセージとなっている。この画像はS420にて出力された物語を一旦終らせるとともに、その物語の初めに継続させるものとなっている。即ち、「地図を手に入れる」→「掘っても出てこない」→「地図はニセモノ」→「地図を手に入れる」→……という風にストーリーが展開されて行く。
【0060】
こうして存在画像が表示されると、当該存在画像表示処理は終了される。つまり、存在画像表示処理は、本発明の存在画像出力手段に相当する処理であり、RAM50内に記憶された確率カウンタの値に応じて、大当り中に表示される物語を完結させる画像と、同じ物語を振り出しに戻す画像のいずれかを表示装置に出力する処理となっている。例えば、RAM50が図5(a)の様な内容であれば、597がリーチ値であるので存在画像が表示される。一方、RAMが図5(b)の様な内容であれば、大当り値もリーチ値も存在しないので完結画像が表示される。
【0061】
こうして存在画像表示処理が終了すると、図6に示した画像表示制御処理の1サイクルが終了する。そして再びS310に戻り、以上の処理を繰り返す。
以降の処理について、通常状態に重点を絞って、図5に示した始動入賞記憶と対比させて説明する。S310に戻ると、始動入賞記憶の存否を判定する。ここでは、図5(a)が上に1段シフトされた状態となっているので、”171”,”597”,”4”が格納されている。そしてS320にて更にこの確率カウンタの値がシフトされ、このシフトにより上段に来た値”597”に基づいてS330にてスロットが駆動される。”597”はリーチ値であるので、例えば、スロット表示は”4,A,4”といった組み合わせにて停止され、S340の判定にて大当りではないと判定され、S310に戻る。
【0062】
RAM50内にはまだ”4”が残されているので、S310の判定にて再びS320に進み、確率カウンタの値がシフトされ、このシフトにより上段に来た値”4”に基づいてS330にてスロットが駆動される。”4”は大当り値でもリーチ値でもないので、スロット表示は、例えば”B,9,A,”といった組み合わせにて停止され、S340の判定にて大当りではないと判定され、S310に戻る。この度のS310の判定ではRAM50内に確率カウンタの値が存在しないので、再びS310に戻り、始動入賞記憶が空でなくなるまで、つまり始動入賞が発生するまで、無限ループ処理を行ない待機する。
【0063】
このように通常状態においては、始動入賞が発生するのを待つか、スロットが大当り態様の組み合わせにて停止されるまでRAM50に格納された確率カウンタの値を消費するかのどちらかとなる。なお、スロットが稼働している間に始動入賞が起きることもあるので、その際には確率カウンタの値がRAM50に格納され(図4のS240)、更にその分だけスロットが稼働することになる。
【0064】
以上のような構成からなり、図4、図6、図7、図9に示したような処理を行なうパチンコ機2によれば、パチンコ機2自体の稼働率を上げることができる。例えば、一旦、パチンコ機2が大当り状態になり、この大当り状態の間に始動入賞が4回発生し、その各始動入賞に対応して格納された確率カウンタの値が図5(b)のようなものであったとする。大当り状態が終了すると、遊技者は排出された遊技玉を交換に行くのが普通であるが、従来のパチンコ機によれば、大当りが終了した後、RAM内に確率カウンタが4個あるので、その旨が始動記憶表示器12に表示され、スロットが4回駆動される。遊技者は、始動記憶表示器12を見て、あと少なくとも4回スロットが稼働することを知り、そのスロット表示の結果、再び大当り状態になるかもしれないので、4回のスロットが全て終了するまで、表示装置6を眺めていることになる。そして4回目のスロットがハズレに終ったのを確認した上で、遊技玉を景品交換に行く。この、ハズレであるにも拘らず、漫然と遊技者がパチンコ機の前にいる時間が無駄になる訳である。
【0065】
これに対し、パチンコ機2によれば、同様に図5(b)のような確率カウンタの値が格納されていても、大当り状態が終了した時点で完結画像が表示されるので、遊技者はこの後、駆動される4回のスロットがすべてハズレになることを知ることができる。従い、完結画像が出力された時点で、大当り状態において排出された遊技玉を交換に行くことができる。なお実際には、大当り状態が終了してから全ての遊技玉が排出されるまでには、若干時間が掛かるが、この時間は前記した無駄になる時間に比べて短いので、時間を有効に利用することができる。
【0066】
また、大当り値またはリーチ値が始動入賞記憶の中に存在する場合には、存在画像が出力されるが、これにより、遊技者は速やかにリーチ(大当りを含む)になることが判る。従い、連続して大当り状態になることが期待でき、遊技意欲を増大させることができる。なお、前記のようにリーチ値が存在する場合にも存在画像を出力するのではなく、大当り値が存在する場合のみに出力すると更に稼働率をアップできる。即ち、大当り値がなく、リーチ値がある状態にて存在画像が出力されると、結局、従来のパチンコ機と同様、(例えば)4回のスロットがすべてハズレに終るにも拘らず、4回目のスロットが終了するまで遊技玉の交換に行けなくなる。
【0067】
しかしながらリーチ値が発生するのは、それ以外のハズレの確率カウンタが発生するのに比べれば、頻度が低いため、時間が無駄になる確率はそれほど高くない。また、この確率は、リーチ値の数を減らすことにより、更に低くすることができる。むしろ、リーチ値が存在する場合にも存在画像を表示することにより、遊技を一層興味深いものにすることができる。つまり、存在画像が出力された場合には、始動入賞記憶に▲1▼大当り値のみがある。▲2▼リーチ値のみがある。▲3▼大当り値とリーチ値の双方がある。という3つのケースがあり、遊技者の興味を多岐に渡ったものとし、遊技意欲を増大させる。即ち、
1.連チャンになるか?
2.何回大当り状態になるか?
3.全てハズレ(リーチハズレ)かもしれない
といった興味がでる。また、動画出力手段による1回目の動画が出力され、それがリーチハズレであった場合にも、
4.大当りもある筈
5.このリーチハズレで終わりかもしれない
といった期待と心配とが残る。なお、1回目のスロットが大当り態様であった場合は、前記1.と2.の興味が持続し、ハズレであった場合は前記1.〜3.の興味が続くことになる。
【0068】
そして更に、完結画像は大当り状態の間に表示される物語を、完結させる画像となっており、一方の存在画像は、その物語を継続させる画像となっている。このようになっていないと、大当り状態になる度に同じ物語を見ることになり、大当り状態に再びなったことに対する喜びを半減させることにもなりかねない。これに対し、パチンコ機2によれば、大当り値またはリーチ値が始動入賞記憶の中にあれば、物語は継続されるため、たとえ、連チャンのように連続して大当り状態になっても、喜びが半減することがない。
【0069】
以上、本発明の一実施例であるパチンコ機2について説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく様々な態様で実施しうる。
例えば、パチンコ機2では表示装置6に表示される物語、存在画像、及び完結画像は、図8及び図10に示すような文章を表示させるものであったが、これに代えてアニメーションや実写による映像を表示させても良い。こうすると、大当り中に表示装置6に出力される映像を更に楽しいものにすることができる。もちろん、これらと文章とを併用しても良い。
【0070】
また、大当り中の映像は、遊技状態によって変化させても良い。例えば、前記の宝探しの例を応用して、特定領域を遊技玉が通過して再び開閉板28が開く毎に、宝島の違う場所を掘るようにしたり、始動入賞が発生すると物語の展開が変わったりするようにすると、更に大当り状態を楽しく演出することができる。
【0071】
更に、始動入賞した後に表示される動画(前記例ではスロット)も、大当り中に出力される物語と関連の深いものにしても良い。例えば、前記のスロットでは図柄として数字及びアルファベットが表示されたが、物語が宝探しであることに対応して、例えば宝石や、金貨を図柄として表示させても良い。また存在画像と、物語の映像との間には、スロット表示がなされることに対応して、スロットが表示される背景に、物語の場面を表示させても良い。例えば、前記例でスロット表示の背景に、主人公が新たな地図を探し求めるアニメーションを表示させる。すると、存在画像表示以降、表示装置6には次のように出力される。まず、存在画像として「宝島の地図はニセモノだった!……」と出力され、スロット表示の背景に、主人公が地図を探し回る様子が表示され、大当り状態になると、「宝島の地図を手に入れた!!……」と表示される。このように物語の流れが更にスムーズになり、連続して発生する大当り状態を滑らかに連結して、更に楽しく遊技できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のパチンコ機の前面を表す構成図である。
【図2】 実施例のパチンコ機に設けられた表示装置の表示状態を説明する説明図である。
【図3】 実施例のパチンコ機に設けられた制御装置の構成を表すブロック図である。
【図4】 実施例のパチンコ機で実行される遊技処理を表すフローチャートである。
【図5】 始動入賞時にRAM内に格納された確率カウンタの様子を例示する説明図である。
【図6】 実施例のパチンコ機で実行される画像表示制御処理を表すフローチャートである。
【図7】 実施例のパチンコ機で実行される大当り処理を表すフローチャートである。
【図8】 大当り処理にて表示装置に表示される画像を示す説明図である。
【図9】 実施例のパチンコ機で実行される存在画像表示処理を表すフローチャートである。
【図10】 存在画像表示処理にて表示装置に表示される存在画像を示す説明図である。
【符号の説明】
Z1〜Z3…図柄 2…パチンコ機 4…遊技域
6…表示装置 8…変動入賞装置 10a〜10c…始動入賞口
12…始動記憶表示器 24…スピーカ 26…発射ハンドル
28…開閉板 30…大入賞口 32…特定領域
34…制御装置 36a〜36c…始動入賞スイッチ
38…大入賞口用カウントスイッチ 40…継続入賞スイッチ
42…発射ハンドルスイッチ 44…入力回路
46…CPU 48…ROM 50…RAM
52…画像ROM 54…ソレノイド 56…電飾装置
58…外部情報端子 60…出力回路 62…アンプ
64…サウンドジェネレータ 66…バス
Claims (2)
- 画像を表示する表示手段と、
大入賞口が開口した大当り状態、及び大入賞口が閉じた通常状態、に変動させる大当り制御手段と、
始動入賞口に遊技玉が入ると、乱数を発生させる乱数発生手段と、
該乱数を所定個数保持する記憶手段と、
前記表示手段に複数の図柄を夫々変更して表示させた後、前記各図柄の変更を停止させ、しかも、前記記憶手段から参照された前記乱数が予め設定された大当り値であったときにのみ、前記複数の図柄を予め定められた大当り態様の組み合わせにて停止させ、一方、前記記憶手段から参照された前記乱数が、前記大当り値とは異なる値として予め設定されたリーチ値であったときにのみ、1つの図柄だけが前記大当り態様の組み合わせとは異なるように停止させる動画を出力する動画出力手段とを備え、
前記参照された乱数と予め設定された大当り値とが等しい場合に、前記大当り制御手段を介して通常状態から大当り状態に移行させ、大当り状態において、所定の遊技条件が成立すると、前記大当り制御手段を介して大当り状態から通常状態に移行させるパチンコ機において、
大当り状態において、前記所定の遊技条件が成立すると前記記憶手段を参照し、保持されている乱数の中に前記大当り値又は前記リーチ値に等しいものが存在する場合には、該存在があるときに表示される画像である存在画像を表示手段に出力する存在画像出力手段を更に備え、
前記存在画像は、前記記憶手段に保持されている乱数の中に、前記大当り値のみが存在する場合、前記リーチ値のみが存在する場合、及び、前記大当り値と前記リーチ値の両方が存在する場合のいずれにおいても同一であることを特徴とするパチンコ機。 - 請求項1に記載のパチンコ機において、
前記大当り状態の間、物語を映像化した動画を前記表示手段に出力する大当り画像出力手段、
を更に設け、前記存在画像出力手段が、
前記記憶手段に保持された乱数の値に基づいて行なう前記存在画像を出力するか否かの判定において、出力すると判定した場合には、前記存在画像として、前記大当り画像出力手段によって出力される動画の最後の部分を、該動画の初めの部分に継続させる動画を前記表示手段に出力し、一方、該存在画像を出力しないと判定した場合には、該存在画像を出力する代わりに、前記大当り画像出力手段によって出力される動画の後に、前記物語を完結させる動画を、前記表示手段に出力することを特徴とするパチンコ機。
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