JP3935086B2 - 燃料電池セル及び燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池セル及び燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、次世代エネルギーとして、燃料電池セルのスタックを収納容器内に収納した燃料電池が種々提案されている。
【0003】
図4は、従来の固体電解質型燃料電池の燃料電池セル1を示すもので、燃料電池セル1は、長手方向に複数のガス流路3を有する多孔質の支持体を兼ねた扁平な内側電極1a上の外周面に緻密質な固体電解質1b、多孔質な導電性セラミックスからなる外側電極1cを順次設けて構成されており、固体電解質1b、外側電極1cから露出した内側電極1aには、外側電極1cに接続しないようにインターコネクタ1dが設けられ、内側電極1aと電気的に接続している。
【0004】
このような燃料電池セル1では、燃料電池セル1の形状を扁平状とすることにより、燃料電池セル1当たりの発電部の面積を増加させることができ、発電量を増加させることができる。
【0005】
燃料電池は、上記燃料電池セル1を収納容器内に複数収納して構成され、例えば、内側電極1a内部に酸素ガス注入管5を通じて酸素含有ガスを供給し、外側電極1cに燃料ガス(水素)を供給して600〜1000℃で発電される。
【0006】
この燃料電池セル1の内側電極1aと固体電解質1b、外側電極1cが重なり合っている部分が発電部であり、この発電部で発生した電流は内側電極1aを電流経路とし、インターコネクタ1dを介して他の燃料電池セル1へと接続される(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−261678号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような燃料電池セル1でも、理論上得られる発電性能は十分でなく、低いという問題があった。かかる問題に関して、本発明者らは鋭意検討した結果、燃料電池セル1内部に形成されたガス流路3の形状が、燃料電池セル1の発電性能に影響を及ぼすことを見出した。
【0009】
即ち、図4に示す燃料電池セル1では、燃料電池セル1の一方側の主面に形成された発電部から、内側電極1a内におけるガス流路3間を介して、燃料電池セル1の他方側の主面に形成されたインターコネクタ1dへ電流が流れるが、ガス流路3の断面形状が円形であったため、ガス流路3間の電流経路が狭く、発電部からインターコネクタ1dへの電流の流れがガス流路3によって迂回することになり、電流経路における電気抵抗が大きいという問題があった。
【0010】
本発明は、ガス流路形状を最適化することにより、電流径路における電気抵抗を小さくし、発電能力の高い燃料電池セル及び燃料電池を提供することを目的とする。
【0011】
本発明の燃料電池セルは、内部に複数のガス流路が長手方向に形成された内部電極としての板状の導電性支持体の一方側主面上に、固体電解質、外側電極を順次設け、前記導電性支持体の他方側主面上にインターコネクタを設けてなるとともに、前記固体電解質と前記インターコネクタとにより前記導電性支持体が覆われた燃料電池セルであって、前記導電性支持体の厚み方向におけるガス流路の径をR1、前記導電性支持体の厚みと直交する方向におけるガス流路の径をR2、ガス流路間の距離をL1としたとき、R1>R2およびL1>R2を満足するとともに、前記ガス流路の断面形状が楕円形状であることを特徴とする。
【0012】
このような燃料電池セルでは、燃料電池セル内部に形成されたガス流路の形状をR1>R2とすることで、燃料電池セルの発電に要するガスをガス流路を介して燃料電池セルに十分に供給できるとともに、燃料電池セル内の電流経路の電流の流れ方向に直交する断面積を増やすことができ、しかも、電流が内側電極、固体電解質、外側電極からなる発電部から、インターコネクタへほぼ直線上に流れるため電流経路が短くなり、電流経路の電気抵抗を小さくでき、燃料電池セルの発電性能を向上させることができる。
【0013】
なお、板状の導電性支持体の主面とは、導電性支持体の平坦部を意味している。
【0014】
なお、本発明の板状の導電性支持体は、内側電極となる材料から形成してもかまわない。即ち、内側電極が燃料側電極である場合には、導電性支持体と内側電極とを燃料側電極材料から形成してもよく、また、内側電極が酸素側電極である場合には、導電性支持体と内側電極とを酸素側電極材料から形成してもよい。
【0015】
また、本発明の燃料電池セルは、ガス流路間の距離をL1としたとき、L1>R2であることを特徴とする。
【0016】
このような燃料電池セルでは、R1>R2、L1>R2を満たすようにすることで、燃料電池セル内の電流経路の幅を広くすることで電気抵抗を小さくすることができ、燃料電池セルの発電性能を向上できる。
【0017】
また、本発明の燃料電池セルは、外側電極が酸素側電極であることを特徴とする。
【0018】
燃料電池セルの外側電極を酸素側電極とし、内側電極を酸素側電極よりも電気抵抗の小さい燃料側電極とすることで、燃料電池セル内の電流経路の電気抵抗を小さくすることができ、燃料電池セルの発電性能を向上できる。
【0023】
本発明の燃料電池は、上記した燃料電池セルを収納容器内に複数収納してなることを特徴とする。このような燃料電池では、燃料電池セルの電流経路の電気抵抗を小さくすることができるため、燃料電池セルの発電性能を向上させることができ、また、導電性支持体と固体電解質の熱膨張差による燃料電池セルの破損を防止できるため、発電性能及び耐久性に優れた燃料電池セルおよび燃料電池を提供できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の燃料電池セルは、図1に示すように板状で、全体的に見て柱状の多孔質な導電性支持体33aの一方側主面に、多孔質な燃料側電極33b、緻密質な固体電解質33c、多孔質な導電性セラミックスからなる酸素側電極33dを順次積層し、酸素側電極33dと反対側の導電性支持体33aの主面に中間膜33e、ランタン−クロム系酸化物材料からなるインターコネクタ33f、P型半導体材料からなる集電膜33gを形成して構成されている。
【0025】
また、この導電性支持体33aは、Y、Lu、Yb、Tm、Er、Ho、Dy、Gd、Sm及びPrから選ばれた1種以上の元素を含む希土類酸化物とNi及び/又はNiOとを主成分とし、導電性支持体33aの内部には複数のガス流路34が形成されている。このように、希土類酸化物とNi及び/又はNiOとを主成分とする導電性支持体33aを用いることで、導電性支持体33a主面に形成された燃料側電極33bや固体電解質33cへ悪影響を及ぼす元素の拡散を防止でき、燃料電池セル33の性能劣化を防止できる。また、希土類酸化物を熱膨張係数が小さい上記の希土類酸化物とすることで、導電性支持体33aの熱膨張係数を固体電解質33cの熱膨張係数に近づけることができ、導電性支持体33aと、燃料側電極33b、固体電解質33cの界面へのクラック、剥離の発生を防止することができる。
【0026】
即ち、燃料電池セル33は、断面形状が、幅方向両端に設けられた弧状部mと、これらの弧状部mを連結する一対の平坦部nとから構成されており、一対の平坦部nは平坦であり、ほぼ平行に形成されている。これらの燃料電池セル33の平坦部nのうち一方は、導電性支持体33a上に中間膜33e、インターコネクタ33f、集電膜33gを形成し構成され、他方の平坦部nは、燃料側電極33b、固体電解質33c、酸素側電極33dを形成し構成されている。
【0027】
燃料側電極33b、固体電解質33c、酸素側電極33dが重なり合っている部分が発電部である。この発電部分は弧状部mにまで形成されていてもかまわない。
【0028】
なお、弧状部mは、発電に伴う加熱や冷却に伴い発生する熱応力を緩和するため、曲面となっていることが望ましい。
【0029】
また、導電性支持体33aの長径寸法(弧状部m間の距離)は15〜35mm、短径寸法(平坦部n間の距離)が2〜4mmであることが望ましい。なお、導電性支持体33aの形状は、板状と表現しているが、長径寸法および短径寸法が変化することにより楕円状あるいは扁平状とも表現できる。
【0030】
導電性支持体33aとインターコネクタ33fの間に形成される中間膜33eは、Ni及び/またはNiOと希土類元素を含有するZrO2を主成分とするものである。中間膜33e中のNi化合物のNi換算量は全量中35〜80体積%が望ましく、好ましくは50〜70体積%が望ましい。Niを35体積%以上とすることで、Niによる導電パスが増加し、中間膜33eの伝導度が向上し、電圧降下が小さくなる。また、Niを80体積%を以下とすることで、導電性支持体33aとインターコネクタ33fの間の熱膨張係数差を小さくすることができ、両者の界面の亀裂が発生を抑制できる。
【0031】
また、電位降下が小さくなるという点から中間膜33eの厚みは20μm以下が望ましく、さらに、10μm以下が望ましい。
【0032】
また、導電性支持体33aの希土類元素は中希土類元素、重希土類元素が望ましい。
【0033】
中希土類元素や重希土類元素の酸化物の熱膨張係数は、固体電解質33cのY2O3を含有するZrO2の熱膨張係数より小さく、Niとのサーメット材としての導電性支持体33aの熱膨張係数を固体電解質33cの熱膨張係数に近づけることができ、固体電解質33cのクラックや、固体電解質33cの燃料側電極33bからの剥離を抑制できる。熱膨張係数が小さい重希土類酸化物を用いることで、導電性支持体33a中のNiを多くでき、導電性支持体33aの電気伝導度を上げることができるという点からも重希土類酸化物を用いることが望ましい。
【0034】
なお、軽希土類元素のLa、Ce、Pr、Ndの酸化物は、希土類元素酸化物の熱膨張係数の総和が固体電解質33cの熱膨張係数未満である範囲であれば、中希土類元素、重希土類元素に加えて含有されていても何ら問題はない。
【0035】
また、精製途中の安価な複数の希土類元素を含む複合希土類酸化物を用いることにより原料コストを大幅に下げることができる。その場合も、複合希土類酸化物の熱膨張係数は固体電解質33cの熱膨張係数未満であることが重要である。
【0036】
また、インターコネクタ33f表面にP型半導体、例えば、遷移金属ペロブスカイト型酸化物からなる集電膜33gを設けることが望ましい。インターコネクタ33f表面に直接金属の集電部材を配して集電すると非オーム接触により、電位降下が大きくなる。オーム接触をし、電位降下を少なくするためには、インターコネクタ33fにP型半導体からなる集電膜33gを接続する必要があり、P型半導体である遷移金属ペロブスカイト型酸化物を用いることが望ましい。遷移金属ペロブスカイト型酸化物としては、ランタン−マンガン系酸化物、ランタン−鉄系酸化物、又は、それらの複合酸化物の少なくとも一種からなることが望ましい。
【0037】
導電性支持体33aの主面に設けられた燃料側電極33bは、Niと希土類元素が固溶したZrO2とから構成される。この燃料側電極33bの厚みは1〜30μmであることが望ましい。燃料側電極33bの厚みを1μm以上とすることで、燃料側電極33bとしての3層界面が十分に形成される。また、燃料側電極33bの厚みを30μm以下とすることで固体電解質33cとの熱膨張差による界面剥離を防止できる。
【0038】
この燃料側電極33bの主面に設けられた固体電解質33cは、3〜15モル%のY等の希土類元素を含有した部分安定化あるいは安定化ZrO2からなる緻密質なセラミックスから構成される。希土類元素としては、安価であるという点からYもしくはYbが望ましい。
【0039】
固体電解質33cの厚みは、10〜100μmであることが望ましい。固体電解質33cの厚みを10μm以上とすることで、ガス透過を防止できる。また、固体電解質33cの厚みを100μm以下にすることで、抵抗成分の増加を抑制できる。
【0040】
また、酸素側電極33dは、遷移金属ペロブスカイト型酸化物のランタン−マンガン系酸化物、ランタン−鉄系酸化物、または、それらの複合酸化物の少なくとも一種の多孔質の導電性セラミックスから構成されている。酸素側電極33dは、800℃程度の中温域での電気伝導性が高いという点から(La,Sr)(Fe,Co)O3系が望ましい。酸素側電極33dの厚みは、集電性という点から30〜100μmであることが望ましい。
【0041】
インターコネクタ33fは、導電性支持体33aの内外の燃料ガス、酸素含有ガスの漏出を防止するため緻密質とされており、また、インターコネクタ33fの内外面は、燃料ガス、酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有している。
【0042】
このインターコネクタ33fの厚みは、30〜200μmであることが望ましい。インターコネクタ33fの厚みを30μm以上とすることで、ガス透過を完全に防止でき、200μm以下とすることで、抵抗成分の増加を抑制できる。
【0043】
このインターコネクタ33fの端面と固体電解質33cの端面との間には、シール性を向上すべく例えば、Y2O3からなる接合層を介在させても良い。
【0044】
そして、板状の導電性支持体33a内部には、複数のガス流路34が長手方向に形成され、燃料電池セル33内部の電流経路を形成する導電性支持体33aの形状は、ガス流路34の形状と配置によって決定される。
【0045】
このガス流路34の断面積は、燃料電池セル33に供給されるガス量により、自ずと決定される。
【0046】
この導電性支持体33aの厚み方向(n−n方向)におけるガス流路34の径をR1、導電性支持体33aの厚みに直交する方向(m−m方向)におけるガス流路34の径をR2としたとき、R1>R2とされている。これにより、電流の流れに対して電流経路が広くなり、燃料電池セル33内部を流れる電流に対して、電気抵抗が下がるため、ガス流路34の断面積が同じでも燃料電池セル33の発電性能が向上する。
【0047】
なお、R1/R2の比率は、1.2以上が望ましく、さらに2以上とすることが望ましい。
【0048】
また、ガス流路34間の距離をL1としたとき、L1>R2とすることで、電流経路が広くなり、燃料電池セル33内部を流れる電流に対して電気抵抗が下がるため、燃料電池セル33の発電性能が向上する。
【0049】
なお、L1/R2の比率は、1.2以上が望ましく、さらに1.5以上とすることが望ましい。
【0050】
このガス流路34の断面形状は、作製が容易であることから、本発明では図2に示すように、楕円形状とされている。
【0051】
また、ガス流路34の壁面は例えば、絶縁体であっても、燃料電池セル33の厚み方向に電流経路が形成されていればよい。
【0052】
以上のような燃料電池セル33の製法について説明する。先ず、La、Ce、Pr、Ndの元素を除く希土類酸化物粉末とNi及び/又はNiO粉末を混合し、この混合粉末に、有機バインダーと、溶媒とを混合した導電性支持体材料を押し出し成形して、板状の導電性支持体成形体を作製し、これを乾燥、脱脂する。
【0053】
このとき、ガス流路34を形成する金型のピン形状を厚み方向に長い形状とすることで、容易にR1>R2の関係を満足するガス流路34を形成することができる。
【0054】
次に、希土類元素が固溶したZrO2粉末と有機バインダーと溶媒を混合した固体電解質材料を用いてシート状の固体電解質成形体を作製する。
【0055】
次に、Ni及び/又はNiO粉末と希土類元素が固溶したZrO2粉末と有機バインダーと溶媒とを混合し作製した燃料側電極となるスラリーを、前記固体電解質成形体の一方側に塗布し、固体電解質成形体の一方側の面に燃料側電極成形体を形成する。
【0056】
導電性支持体成形体に、前記シート状の固体電解質成形体と燃料側電極成形体の積層体を、燃料側電極成形体が導電性支持体成形体に当接するように積層巻き付けし、乾燥する。なお、このとき脱脂を行ってもよい。
【0057】
次に、Ni及び/又はNiO粉末と希土類元素が固溶したZrO2粉と有機バインダーと、溶媒を混合したスラリーを用いてシート状の中間膜成形体を作製し、導電性支持体成形体に積層する。
【0058】
次に、ランタン−クロム系酸化物粉末と、有機バインダーと、溶媒を混合したインターコネクタ材料を用いてシート状のインターコネクタ成形体を作製し、中間膜成形体上に積層する。
【0059】
これにより、導電性支持体成形体の一方の平坦部の表面に、燃料側電極成形体、固体電解質成形体を順次積層するとともに、他方の平坦部の表面に中間膜成形体、インターコネクタ成形体が積層された積層成形体を作製する。尚、各成形体はドクターブレードによるシート成形や印刷、スラリーディップ、スプレーによる吹き付けなどにより作製することができ、または、これらの組み合わせにより作製してもよい。
【0060】
次に、積層成形体を脱脂処理し、酸素含有雰囲気中で1300〜1600℃で同時焼成する。
【0061】
次に、P型半導体である遷移金属ペロブスカイト型酸化物粉末と、溶媒を混合し、ペーストを作製し、前記積層体をこのペースト中に浸漬し、固体電解質33b、インターコネクタ33fの表面に酸素側電極成形体、集電膜成形体をディッピングにより形成するか、または、直接スプレー塗布し、1000〜1300℃で焼き付けることにより、本発明の燃料電池セル33を作製できる。
【0062】
尚、燃料電池セル33は、酸素含有雰囲気での焼成により、導電性支持体33a、燃料側電極33b、中間膜33e中のNi成分が、NiOとなっているため、その後、導電性支持体33a側から還元性の燃料ガスを流し、NiOを800〜1000℃で還元処理する。また、この還元処理は発電時に行ってもよい。
【0063】
セルスタックは、図3に示すように、複数の燃料電池セル33が複数集合してなり、一方の燃料電池セル33と他方の燃料電池セル33との間に、金属フェルト及び/又は金属板からなる集電部材43を介在させ、一方の燃料電池セル33の導電性支持体33aを、該導電性支持体33aに設けられた中間膜33e、インターコネクタ33f、集電膜33g、集電部材43を介して他方の燃料電池セル33の酸素側電極33dに電気的に接続して構成されている。
【0064】
集電部材43は、耐熱性、耐酸化性、電気伝導性という点から、Pt、Ag、Ni基合金、Fe−Cr鋼合金の少なくとも一種からなることが望ましい。
【0065】
尚、符号42は、燃料電池セルを直列に接続するための導電部材である。
【0066】
本発明の燃料電池は、図3のセルスタックを、収納容器内に収納して構成されている。この収納容器には、外部から水素等の燃料ガス及び空気等の酸素含有ガスを燃料電池セル33に導入する導入管が設けられており、燃料電池セル33が所定温度に加熱されることにより発電し、使用された燃料ガス、酸素含有ガスは、収納容器外に排出される。
【0067】
尚、本発明は上記形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、内側電極を酸素側電極から形成してもよい。また、酸素側電極33dと固体電解質33cとの間に、反応防止層を形成してもよい。また、導電性支持体33aと内側電極33bを同じ組成で形成してもよく、例えば、NiとY2O3を固溶したZrO2を用いてもよい。
【0068】
また、酸素側電極33d、集電膜33gの成形法も種々の方法を用いてもよいことは勿論である。
【0069】
【発明の効果】
本発明の燃料電池セルでは、導電性支持体内部に形成された複数のガス流路の断面形状を燃料電池セルの厚み方向に細長くすることで、燃料電池セルの内側電極へガスを十分に供給できるとともに、燃料電池セルの電流経路の電気抵抗を小さくできるため、燃料電池セルの発電性能を向上でき、燃料電池の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例の燃料電池セルを示す横断面斜視図である。
【図2】 本発明の燃料電池セルを示す横断面斜視図である。
【図3】 本発明のセルスタックを示す横断面図である。
【図4】 従来の燃料電池セルを示す横断面図である。
【符号の説明】
33・・・燃料電池セル
33a・・・導電性支持体
33b・・・内側電極、燃料側電極
33c・・・固体電解質
33d・・・外側電極、酸素側電極
33e・・・中間膜
33f・・・インターコネクタ
33g・・・集電膜
34・・・ガス流路
L1・・・ガス流路間の距離
R1・・・厚み方向におけるガス流路の径
R2・・・厚み方向に直交する方向のガス流路の径
Claims (4)
- 内部に複数のガス流路が長手方向に形成された内部電極としての板状の導電性支持体の一方側主面上に、固体電解質、外側電極を順次設け、前記導電性支持体の他方側主面上にインターコネクタを設けてなるとともに、前記固体電解質と前記インターコネクタとにより前記導電性支持体が覆われた燃料電池セルであって、前記導電性支持体の厚み方向におけるガス流路の径をR1、前記導電性支持体の厚みと直交する方向におけるガス流路の径をR2、ガス流路間の距離をL1としたとき、R1>R2およびL1>R2を満足するとともに、前記ガス流路の断面形状が楕円形状であることを特徴とする燃料電池セル。
- 内部に複数のガス流路が長手方向に形成された板状の導電性支持体の一方側主面上に、内側電極、固体電解質、外側電極を順次設け、前記導電性支持体の他方側主面上にインターコネクタを設けてなるとともに、前記固体電解質と前記インターコネクタとにより前記導電性支持体が覆われた燃料電池セルであって、前記導電性支持体の厚み方向におけるガス流路の径をR1、前記導電性支持体の厚みと直交する方向におけるガス流路の径をR2、ガス流路間の距離をL1としたとき、R1>R2およびL1>R2を満足するとともに、前記ガス流路の断面形状が楕円形状であることを特徴とする燃料電池セル。
- 前記外側電極が酸素側電極であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池セル。
- 請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載の燃料電池セルを収納容器内に複数収納してなることを特徴とする燃料電池。
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