JP4002525B2 - 燃料電池セル及び燃料電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池セル及び燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、次世代エネルギーとして、燃料電池セルスタックを収納容器内に収納した燃料電池が種々提案されている。
【0003】
図3は、従来の固体電解質型燃料電池の燃料電池セル1を示すもので、燃料電池セル1は、軸長方向に複数のガス流路3を有する多孔質の支持体を兼ねた扁平な内側電極1a上の外周面に緻密質な固体電解質1b、多孔質な導電性セラミックスからなる外側電極1cを順次設けて構成されており、固体電解質1b、外側電極1cから露出した内側電極1aには、外側電極1cに接続しないようにインターコネクタ1dが設けられ、内側電極1aと電気的に接続されている。
【0004】
このような燃料電池セル1では、平坦部nと弧状部mを有しており、その形状を扁平状とすることにより、燃料電池セル1当たりの発電部の面積を増加させることができ、発電量を増加させることができる。
【0005】
燃料電池は、上記燃料電池セル1を収納容器内に複数収納して構成され、例えば、内側電極1a内部に酸素ガス注入管5を通じて酸素含有ガスを供給し、外側電極1cに燃料ガス(水素)を供給して約1000℃で発電される。
【0006】
この燃料電池セル1の内側電極1aと固体電解質1b、外側電極1cが重なり合っている部分が発電部であり、この発電部で発生した電流は内側電極1aを電流経路とし、インターコネクタ1dを介して他の燃料電池セル1へと接続される(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−261678号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような燃料電池セル1では、内側電極1aと固体電解質1bおよび外側電極1cの熱膨張係数の違いに起因して、焼成時や発電時に燃料電池セル1の弧状部m外面において、ガスリークを伴うクラック、ピンホールが高頻度で発生し、その結果、燃料電池セル1の歩留りが低くなるという問題があった。
【0009】
本発明は、燃料電池セルの弧状部外面からのガスリークを防止し、歩留まりが高く、信頼性が高い燃料電池セル及び燃料電池を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池セルは、複数のガス流路が長手方向に形成され、外形形状が、対向する一対の平坦面を、長手方向に沿って形成され、かつ外側に向けて凸となる弧状面で連結してなる板状の導電性支持体の前記一方側平坦面に、少なくとも内側電極、固体電解質、外側電極を順次設け、前記導電性支持体の他方側平坦面にインターコネクタを設けてなる燃料電池セルであって、前記内側電極及び前記固体電解質が、前記弧状面を介して他方側平坦面まで延設されており、前記導電性支持体の一方側平坦面に設けられた内側電極の厚さが、前記導電性支持体の弧状面に設けられた内側電極の厚さよりも厚いことを特徴とする。
【0011】
このような燃料電池セルでは、最も残留応力が発生しやすい燃料電池セルの弧状部において、他部材と熱膨張率が異なる内側電極を薄く成膜することで、内側電極と接合される導電性支持体及び固体電解質への応力負荷を軽減できる。そのため、焼成時、及び発電時に前記導電性支持体及び固体電解質を破壊するような欠陥の生成を阻止できる。
【0012】
また、本発明の燃料電池セルは、前記導電性支持体の一方側平坦面に設けられた前記内側電極の厚さが、10〜20μmであることを特徴とする。
【0013】
このような燃料電池セルでは、内側電極の厚さ10〜20μmの範囲とすることで、十分な三相界面を形成することができるとともに、熱膨張係数の差に起因する内側電極と導電性支持体の間の剥離を抑制することができるため、高い発電性能と、高い信頼性を有する燃料電池セルを作製できる。
【0014】
また、本発明の燃料電池セルは、前記導電性支持体の弧状面に設けられた前記内側電極の厚さが、5〜10μmであることを特徴とする。
【0015】
このような燃料電池セルでは、内側電極の厚さを上記の範囲とすることで、内側電極と、固体電解質や導電性支持体との熱膨張率の差に起因する残留応力の発生を軽減でき、焼成時のクラック、ピンホール等の欠陥生成を防止することができ、また、燃料電池セルの信頼性を向上させることができる。
【0016】
また、本発明の燃料電池は、上記した燃料電池セルを収納容器内に複数収納してなることを特徴とする。このような燃料電池は、発電特性に優れ、破損のない燃料電池セルを用いているため、高い発電能力を長期間にわたって維持できるとともに、燃料電池セルの歩留まりが向上し、これにより燃料電池の製造コストを下げることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の燃料電池セルは、図1に示すように、断面が板状で、全体的に見て柱状の多孔質な導電性支持体33aを具備するもので、この導電性支持体33aの一方側平坦面と両端の弧状面に、多孔質な燃料側電極33b、緻密質な固体電解質33c、多孔質な導電性セラミックスからなる酸素側電極33dが順次積層されている。また、前記酸素側電極33dと反対側の導電性支持体33aの他方側平坦面に中間膜33e、ランタン−クロム系酸化物材料からなるインターコネクタ33f、P型半導体材料からなる集電膜33gが形成されている。
【0018】
即ち、燃料電池セル33は、断面形状が、幅方向両端に設けられた弧状部mと、これらの弧状部mを連結する一対の平坦部nとから構成されており、一対の平坦部nは平坦であり、ほぼ平行に形成されている。
【0019】
この燃料電池セル33において、前記導電性支持体33aの内部には複数のガス流路34が形成されている。また、燃料側電極33b、固体電解質33c、酸素側電極33dが重なり合っている部分が発電部である。この発電部分は弧状部mにまで形成されていてもかまわない。
【0020】
なお、弧状部mは、発電に伴う加熱や冷却に伴い発生する熱応力を緩和するため、外側に向けて凸となる曲面となっていることが望ましい。
【0021】
また、導電性支持体33aの長径寸法(弧状部m−m間の距離)は15〜35mm、短径寸法(平坦部n−n間の距離)が2〜4mmであることが望ましい。なお、導電性支持体33aの形状は、板状と表現しているが、長径寸法および短径寸法が変化することにより楕円状あるいは扁平状とも表現できる。
【0022】
また、この導電性支持体33aは、Y、Lu、Yb、Tm、Er、Ho、Dy、Gd、Sm及びPrから選ばれた1種以上の元素を含む希土類酸化物とNi及び/又はNiOとを主成分とすることが望ましい。
【0023】
前記希土類酸化物の熱膨張係数は、固体電解質33cのYを含有するZrOの熱膨張係数より小さく、Niとのサーメット材としての導電性支持体33aの熱膨張係数を固体電解質33cの熱膨張係数に近づけることができ、固体電解質33cのクラックや、固体電解質33cの燃料側電極33bからの剥離を抑制できる。熱膨張係数が小さい重希土類酸化物を用いることで、導電性支持体33a中のNiを多くでき、導電性支持体33aの電気伝導度を上げることができるという点からも重希土類酸化物を用いることが望ましい。
【0024】
なお、軽希土類元素のLa、Ce、Pr、Ndの酸化物は、希土類元素酸化物の熱膨張係数の総和が固体電解質33cの熱膨張係数未満である範囲であれば、中希土類元素、重希土類元素に加えて含有されていても何ら問題はない。
【0025】
また、精製途中の安価な複数の希土類元素を含む複合希土類酸化物を用いることにより原料コストを大幅に下げることができる。その場合も、複合希土類酸化物の熱膨張係数は固体電解質33cの熱膨張係数未満であることが重要である。
【0026】
この導電性支持体33aとインターコネクタ33fの間に形成される中間膜33eは、Ni及び/またはNiOと希土類元素を含有するZrOを主成分とするものである。中間膜33e中のNi化合物のNi換算量は全量中35〜80体積%が望ましく、好ましくは50〜70体積%が望ましい。Niを35体積%以上とすることで、Niによる導電パスが増加し、中間膜33eの伝導度が向上し、電圧降下が小さくなる。また、Niを80体積%を以下とすることで、導電性支持体33aとインターコネクタ33fの間の熱膨張係数差を小さくすることができ、両者の界面の亀裂発生を抑制できる。
【0027】
また、電位降下が小さくなるという点から中間膜33eの厚みは20μm以下が望ましく、さらに、10μm以下が望ましい。
【0028】
また、インターコネクタ33f表面にP型半導体、例えば、遷移金属ペロブスカイト型酸化物からなる集電膜33gを設けることが望ましい。インターコネクタ33f表面に直接金属の集電部材を配して集電すると非オーム接触により、電位降下が大きくなる。オーム接触をし、電位降下を少なくするためには、インターコネクタ33fにP型半導体からなる集電膜33gを接続する必要があり、P型半導体である遷移金属ペロブスカイト型酸化物を用いることが望ましい。遷移金属ペロブスカイト型酸化物としては、ランタン−マンガン系酸化物、ランタン−鉄系酸化物、又は、それらの複合酸化物の少なくとも一種からなることが望ましい。
【0029】
導電性支持体33aの平坦面に設けられた燃料側電極33b1は、Niと希土類元素が固溶したZrOとから構成され、燃料電池セル33の平坦部nにおける燃料側電極33b1の厚みが、弧状部mにおける燃料側電極33b2の厚みよりも厚くなっている。
【0030】
扁平な燃料電池セル33においては、平坦部nよりも弧状部mに応力が集中しやすく、応力発生の原因である導電性支持体33aや固体電解質33cと熱膨張係数が異なる燃料側電極33bの厚さを、弧状部mよりも平坦部nにおいて厚く形成することで、弧状部mに発生する応力を緩和することができる。
【0031】
この燃料側電極33bの厚みは、燃料電池セル33の平坦部nにおいて10〜20μmであることが望ましく、燃料側電極33b1の厚みを10μm以上にすることで、燃料側電極33bとしての3層界面が十分に形成され安定した発電性能が得られる。また、燃料側電極33b1の厚みを20μm以下とすることで、固体電解質33cとの熱膨張差による界面剥離を防止でき、特に、10〜15μmの範囲が望ましい。
【0032】
一方、燃料電池セル33の弧状部mにおいては、燃料側電極33b2は燃料電池セル33の燃料側電極33bとしての機能よりも、導電性支持体33aと固体電解質33cとを強固に接合する機能が重視され、その機能を十分に発現するためには、厚みが5〜10μmであることが望ましい。この弧状部mにおける燃料側電極33b2の厚みを5μm以上にすることで、弧状部mにおいて、導電性支持体33aと固体電解質33cとを燃料側電極33b2を介して強固に接合することができる。
【0033】
また、この弧状部mにおける燃料側電極33b2の厚みを10μm以下にすることで導電性支持体33a及び固体電解質33cとの熱膨張係数の差に起因する残留応力を抑制することができ、焼成時及び発電時のガスリークを伴うクラック、ピンホールの発生を抑制することができるようになる。特に燃料電池セル33の歩留まりの点から、弧状部mにおける燃料側電極33bの厚みは5〜7μmであることが望ましい。
【0034】
この燃料側電極33bの外側に設けられた固体電解質33cは、3〜15モル%のY等の希土類元素を含有した部分安定化あるいは安定化ZrOからなる緻密質なセラミックスから構成される。希土類元素としては、安価であるという点からYもしくはYbが望ましい。
【0035】
固体電解質33cの厚みは、10〜100μmであることが望ましい。固体電解質33cの厚みを10μm以上とすることで、ガス透過を防止できる。また、固体電解質33cの厚みを100μm以下にすることで、抵抗成分の増加を抑制できる。
【0036】
また、酸素側電極33dは、遷移金属ペロブスカイト型酸化物のランタン−マンガン系酸化物、ランタン−鉄系酸化物、または、それらの複合酸化物の少なくとも一種の多孔質の導電性セラミックスから構成されている。酸素側電極33dは、800℃程度の中温域での電気伝導性が高いという点から(La,Sr)(Fe,Co)O系が望ましい。酸素側電極33dの厚みは、集電性という点から30〜100μmであることが望ましい。
【0037】
インターコネクタ33fは、導電性支持体33aの内外の燃料ガス、酸素含有ガスの漏出を防止するため緻密質とされており、また、インターコネクタ33fの内外面は、燃料ガス、酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有している。
【0038】
このインターコネクタ33fの厚みは、30〜200μmであることが望ましい。インターコネクタ33fの厚みを30μm以上とすることで、ガス透過を完全に防止でき、200μm以下とすることで、抵抗成分の増加を抑制できる。
【0039】
このインターコネクタ33fの端面と固体電解質33cの端面との間には、シール性を向上すべく例えば、Yからなる接合層を介在させても良い。
【0040】
以上のような燃料電池セル33の製法について説明する。先ず、例えば、La、Ce、Pr、Ndの元素を除く希土類酸化物粉末とNi及び/又はNiO粉末を混合し、この混合粉末に、有機バインダーと、溶媒とを混合した導電性支持体材料を押し出し成形して、板状の導電性支持体成形体を作製し、これを乾燥、脱脂する。
【0041】
次に、希土類元素が固溶したZrO粉末と有機バインダーと溶媒を混合した固体電解質材料を用いてシート状の固体電解質成形体を作製する。
【0042】
次に、Ni及び/又はNiO粉末と希土類元素が固溶したZrO粉末と有機バインダーと溶媒とを混合し作製した燃料側電極成形体となるスラリーを作製する。
【0043】
次に、前記導電性支持体の一方側平坦部の表面に前記燃料側電極成形体となるスラリーをメッシュ製版を用いて2〜5μm厚みになるように塗布し、80〜150℃の温度で乾燥する。
【0044】
次に、前記固体電解質成形体の一方側の面に前記スラリーを、焼成後5〜15μmの厚みになるように塗布し、前記導電性支持体の一方側平坦面の表面に前記スラリーを塗布した面が当接するように、かつ、固体電解質成形体の両端面が、他方側平坦面で所定間隔をおいて離間するように覆い巻き付け、80〜150℃の温度で乾燥する。
【0045】
次に、ランタン−クロム系酸化物粉末と、有機バインダーと、溶媒を混合したインターコネクタ材料を用いてシート状のインターコネクタ成形体を作製する。
【0046】
次に、Ni及び/又はNiO粉末、希土類元素が固溶したZrO粉末、有機バインダー、溶媒を混合した中間膜成形体となるスラリーを作製し、前記インターコネクタ成形体の片方の面に塗布する。
【0047】
次に、このシート状のインターコネクタ成形体にスラリーを塗布した面が、露出した導電性支持体成形体に当接するよう積層する。
【0048】
これにより、導電性支持体成形体の一方の平坦面の表面に、燃料側電極成形体、固体電解質成形体を順次積層するとともに、他方の平坦面の表面に中間膜成形体、インターコネクタ成形体が積層された積層成形体を作製する。尚、各成形体はドクターブレードによるシート成形や印刷、スラリーディップ、スプレーによる吹き付けなどにより作製することができ、または、これらの組み合わせにより作製してもよい。
【0049】
次に、積層成形体を脱脂処理し、酸素含有雰囲気中で1300〜1600℃で同時焼成する。
【0050】
次に、P型半導体である遷移金属ペロブスカイト型酸化物粉末と、溶媒を混合して、ペーストを作製し、前記積層成形体をこのペースト中に浸漬し、固体電解質33b、インターコネクタ33fの表面に酸素側電極成形体、集電膜成形体をディッピングにより形成するか、または、直接スプレー塗布し、1000〜1300℃で焼き付けることにより、本発明の燃料電池セル33を作製できる。
【0051】
なお、燃料電池セル33は、酸素含有雰囲気での焼成により、導電性支持体33a、燃料側電極33b、中間膜33e中のNi成分が、NiOとなっているため、その後、導電性支持体33a側から還元性の燃料ガスを流し、NiOを800〜1000℃で還元処理する。また、この還元処理は発電時に行ってもよい。
【0052】
燃料電池セルスタックは、図2に示すように、燃料電池セル33が複数集合してなり、一方の燃料電池セル33と他方の燃料電池セル33との間に、金属フェルト及び/又は金属板からなる集電部材43を介在させ、一方の燃料電池セル33の導電性支持体33aを、該導電性支持体33aに設けられた中間膜33e、インターコネクタ33f、集電膜33g、集電部材43を介して他方の燃料電池セル33の酸素側電極33dに電気的に接続して構成されている。
【0053】
集電部材43は、耐熱性、耐酸化性、電気伝導性という点から、Pt、Ag、Ni基合金、Fe−Cr鋼合金の少なくとも一種からなることが望ましい。
【0054】
尚、符号42は、燃料電池セル33を直列に接続するための導電部材である。
【0055】
本発明の燃料電池は、図2のセルスタックを、収納容器内に収納して構成されている。この収納容器には、外部から水素等の燃料ガス及び空気等の酸素含有ガスを燃料電池セル33に導入する導入管が設けられており、燃料電池セル33が所定温度に加熱されることにより発電し、使用された燃料ガス、酸素含有ガスは、収納容器外に排出される。
【0056】
尚、本発明は上記形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、内側電極を酸素側電極から形成してもよい。また、酸素側電極33dと固体電解質33cとの間に、反応防止層を形成してもよい。また、酸素側電極33d、集電膜33gの成形法も種々の方法を用いてもよいことは勿論である。
【0057】
【実施例】
先ず、NiO粉末をNi金属換算量で48体積%、Y粉末を52体積%となるよう混合し、この混合物に、ポアー剤と、PVAからなる有機バインダーと、水からなる溶媒とを加え、混合した導電性支持体材料を押出成形して、板状の導電性支持体成形体を作製した。
【0058】
この導電性支持体成形体を用いて、焼成後に長さが200mmとなるように導電性支持体成形体を加工し、乾燥後、1000℃で仮焼した。
【0059】
次に、8YSZ粉末(Yを8モル含有するZrO)にアクリル系バインダーとトルエンを加え、固体電解質成形体となるスラリーを作製し、ドクターブレード法にてシート状の固体電解質成形体を作製した。
【0060】
次に、NiO粉末をNiOの金属Ni換算量で48体積%、8YSZ粉末(Yを8モル含有するZrO)を52体積%となるように混合し、アクリル系バインダーとトルエンを加え、燃料側電極成形体となるスラリーを作製する。
【0061】
この燃料側電極成形体となるスラリーを、前記導電性支持体の一方側平坦面の表面にメッシュ製版を用いて、厚みが5〜30μmとなるよう塗布し、130℃の温度で乾燥した。
【0062】
また、上記燃料側電極成形体となるスラリーを、前記固体電解質成形体に厚みが0〜30μmとなるよう塗布し、130℃の温度で乾燥した。
【0063】
次に、燃料側電極成形体を形成した導電性支持体成形体の一方側の平坦面に、燃料側電極成形体となるスラリーが塗布された固体電解質成形体のスラリーが塗布された側の面が当接し、その両端間が他方側平坦面で所定間隔をおいて離間するように巻き付け、乾燥した。
【0064】
次に、LaCrO系材料と、アクリル樹脂からなる有機バインダーと、トルエンとからなる溶媒とを混合したインターコネクタ材料を用いてインターコネクタシート状成形体を作製した。
【0065】
また、NiO粉末、希土類元素が固溶したZrO粉と有機バインダー、溶媒とを混合したスラリーを用いてシート状の中間膜成形体を作製し、先に作製したインターコネクタシート状成形体と積層した。
【0066】
次に、中間膜成形体が積層されたインターコネクタ成形体を、中間膜成形体が、先に作製した導電性支持体成形体の露出面に当接するように積層する。
【0067】
次に、この積層体を脱バインダ処理し、大気中にて1500℃で同時焼成した。
【0068】
次に、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8粉末と、ノルマルパラフィンからなる溶媒とから、酸素側電極スラリーを作製し、このスラリーを固体電解質の表面に吹き付け、酸素側電極成形体を形成し、また、インターコネクタ33fの外面に塗布し、1150℃で焼き付け、酸素側電極33dを形成するとともに、インターコネクタ33eの外面に集電膜33gを形成し、本発明の燃料電池セル33を作製した。
【0069】
なお、導電性支持体33aの長径(m−m間距離)は26mm、短径は3.5mm(n−n間距離)、燃料側電極33bと酸素側電極33dの間に形成された固体電解質33cの厚みは10〜100μm、酸素側電極33dの厚みは50μm、中間膜33eの厚みは10μm、インターコネクタ33fの厚みは50μm、集電膜33gの厚みは50μmであった。平坦部と弧状部に設けられた燃料側電極33bの厚みを表1に示す。
【0070】
また、それぞれの燃料電池セル33の軸長方向の両端部にはそれぞれ15mmの非発電部を形成した。
【0071】
次に、この燃料電池セル33の内部に、水素ガスを流し、850℃で、導電性支持体33a及び燃料側電極33bの還元処理を施した。
【0072】
上記した製造方法で、導電性支持体33aの平坦面に設けた燃料側電極33b1の厚みと、弧状面に設けた燃料側電極33b2の厚みを表1に示すように変化させた燃料電池セル33を各30本づつ作製し、燃料電池セル33の片端部を封止し、他端部からガス流路内に1atmのHeガスを導入し、ガス漏れの確認した。また、燃料電池セル33の片端部を封止し他端部から真空ポンプを用いて、燃料電池セル33の内部を真空に引き、到達する真空度の値を読みとって最終的に合否を判定した。その結果を表1に示す。
【0073】
また、発電試験は良品と判定された燃料電池セル33について、燃料電池セル33の燃料ガス流路34に燃料ガスを流通させ、燃料電池セル33の外側に酸素含有ガスを流通させ、燃料電池セル33をガスバーナーを用いて850℃まで加熱し、1時間の発電試験を行い、室温まで冷却するサイクルを50回繰り返すことにより行った。発電試験の結果を併せて表1に示す。
【0074】
【表1】
Figure 0004002525
【0075】
表1に示すように、本発明の範囲外である平坦部nの内側電極33b1の厚みと弧状部mの内側電極33b2の厚みが等しい試料No.1〜4は、それぞれ理由は異なるものの、本発明の試料No.5〜9に比べ、発電特性が低くなっている。
【0076】
平坦部nの内側電極33b1と、弧状部mの内側電極33b2の厚みが等しく、10μm未満である試料No.1、2では、弧状部mにクラックやピンホールは確認されないものの、平坦部nの内側電極33bの厚みが十分ではなく、発電特性が若干低くなっている。
【0077】
また、平坦部nの内側電極33b1と、弧状部mの内側電極33b2の厚みが等しく、20μm以上である試料No.3〜4では、焼成後、及び発電サイクル試験後に弧状面にクラックやピンホールが確認され、弧状面の内側電極33bの厚みの増加に伴い、その発生頻度は増加する傾向にある。また、真空度も弧状部mの内側電極33bの厚みの増加に伴い、低下する傾向にある。
【0078】
一方、平坦部nの内側電極33b1よりも弧状部mの内側電極33b2の厚みが薄い本発明の試料No.5〜9はいずれも良品歩留まりが100%となった。また、焼成後、発電サイクル試験後もクラック、ピンホールの発生がなく、高い真空度を示した。また、出力性能においても、全ての試料が15.8W以上で性能的にも安定していることが確認できた。
【0079】
【発明の効果】
本発明の燃料電池セルでは、導電性支持体の平坦面及び弧状面にそれぞれ形成される燃料側電極の厚みを制御することで、燃料電池セルの弧状部外面に発生するクラックを防止でき、歩留まり、燃料電池セルの信頼性を向上できるとともに、高い発電性能を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池セルを示す横断面斜視図である。
【図2】本発明のセルスタックを示す横断面図である。
【図3】従来の燃料電池セルを示す横断面図である。
【符号の説明】
33・・・燃料電池セル
33a・・・導電性支持体
33b・・・内側電極(燃料側電極)
33c・・・固体電解質
33d・・・外側電極(酸素側電極)
33f・・・インターコネクタ
34・・・ガス流路

Claims (4)

  1. 複数のガス流路が長手方向に形成され、外形形状が、対向する一対の平坦面を、長手方向に沿って形成され、かつ外側に向けて凸となる弧状面で連結してなる板状の導電性支持体の前記一方側平坦面に、少なくとも内側電極、固体電解質、外側電極を順次設け、前記導電性支持体の他方側平坦面にインターコネクタを設けてなる燃料電池セルであって、前記内側電極及び前記固体電解質が、前記弧状面を介して他方側平坦面まで延設されており、前記導電性支持体の一方側平坦面に設けられた内側電極の厚さが、前記導電性支持体の弧状面に設けられた内側電極の厚さよりも厚いことを特徴とする燃料電池セル。
  2. 前記導電性支持体の一方側平坦面に設けられた前記内側電極の厚さが、10〜20μmであることを特徴とする請求項1記載の燃料電池セル。
  3. 前記導電性支持体の弧状面に設けられた前記内側電極の厚さが、5〜10μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池セル。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれかに記載の燃料電池セルを収納容器内に複数収納してなることを特徴とする燃料電池。
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